(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】読取装置
(51)【国際特許分類】
G03B 42/02 20210101AFI20240516BHJP
A61B 6/51 20240101ALI20240516BHJP
【FI】
G03B42/02 B
A61B6/51
(21)【出願番号】P 2022010289
(22)【出願日】2022-01-26
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000138185
【氏名又は名称】株式会社モリタ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】藤井 優輔
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-098417(JP,A)
【文献】特開平07-310801(JP,A)
【文献】特開2002-281242(JP,A)
【文献】特開平02-278250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0066552(US,A1)
【文献】特開2004-212523(JP,A)
【文献】特開2009-301697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 42/02
A61B 6/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングプレートから放射線像を読み取る読取装置であって、
イメージングプレートが載置される載置部材と、
前記載置部材を搬送する搬送機構と
を備え、
前記搬送機構は、
前記載置部材を支持する支持部材と、
前記支持部材に設けられたねじ孔に螺合し、前記支持部材を移動させる送りねじと、
前記送りねじの軸方向に平行な方向に延びて前記支持部材を案内するガイド部材と、
前記支持部材に設けられた前記ガイド部材による案内を受ける被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢する付勢部材を有
し、
前記支持部材は第1部材及び第2部材を有し、
前記被案内部は、前記第1部材及び前記第2部材の少なくも一つに設けられ、
前記付勢部材は、前記第1部材と前記第2部材の間に位置し、前記被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢し、
前記第1部材に前記載置部材が取り付けられ、
前記送りねじが、前記第1部材と螺合せず、前記第2部材と螺合する、読取装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の読取装置であって、
前記ガイド部材はガイドシャフトを有し、
前記被案内部は、前記支持部材において前記ガイドシャフトが挿通される挿通孔部を有し、
前記付勢部材は前記挿通孔部の内壁を前記ガイドシャフトに向けて付勢する、読取装置。
【請求項3】
イメージングプレートから放射線像を読み取る読取装置であって、
イメージングプレートが載置される載置部材と、
前記載置部材を搬送する搬送機構と
を備え、
前記搬送機構は、
前記載置部材を支持する支持部材と、
前記支持部材に設けられたねじ孔に螺合し、前記支持部材を移動させる送りねじと、
前記送りねじの軸方向に平行な方向に延びて前記支持部材を案内するガイド部材と、
前記支持部材に設けられた前記ガイド部材による案内を受ける被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢する付勢部材を有し、
前記支持部材は第1部材及び第2部材を有し、
前記被案内部は、前記第1部材及び前記第2部材の少なくも一つに設けられ、
前記付勢部材は、前記第1部材と前記第2部材の間に位置し、前記被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢し、
前記ガイド部材はガイドシャフトを有し、
前記被案内部は、前記支持部材において前記ガイドシャフトが挿通される複数の挿通孔部を有し、
前記付勢部材は、前記複数の挿通孔部の内壁を前記ガイドシャフトに向けて付勢する、読取装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の読取装置であって、
前記第1部材に前記載置部材が取り付けられ、
前記送りねじが、前記第1部材と螺合せず、前記第2部材と螺合する、読取装置。
【請求項5】
請求項
2から請求項4のいずれか一項に記載の読取装置であって、
前記載置部材は、前記イメージングプレートが載置される載置面を有し、
前記付勢部材は、前記載置面に垂直な方向に沿って前記
被案内部の挿通孔部の内壁を前記ガイドシャフトに向けて付勢する、読取装置。
【請求項6】
請求項
3または請求項4に記載の読取装置であって、
前記複数の挿通孔部では、一部の挿通孔部が前記第1部材に設けられ、他の挿通孔部が前記第2部材に設けられ、
前記付勢部材が、前記一部の挿通孔部の内壁と前記他の挿通孔部の内壁とを互いに反対方向から前記ガイドシャフトに向けて付勢する、読取装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の読取装置であって、
前記複数の挿通孔部は、第1挿通孔部、第2挿通孔部及び第3挿通孔部を有し、
前記第1挿通孔部と前記第3挿通孔部は前記第1部材に設けられ、
前記第2挿通孔部は前記第2部材に設けられ、
前記第1挿通孔部、前記第2挿通孔部及び前記第3挿通孔部は、この順で前記ガイドシャフトに沿って並び、
前記付勢部材は、前記第1挿通孔部の内壁と前記第3挿通孔部の内壁とを互いに同じ方向から前記ガイドシャフトに向けて付勢する、読取装置。
【請求項8】
請求項
6または請求項
7に記載の読取装置であって、
前記載置部材は前記第1部材に取り付けられ、
前記送りねじは、前記第1部材を貫通せずに前記第2部材を貫通する、読取装置。
【請求項9】
イメージングプレートから放射線像を読み取る読取装置であって、
イメージングプレートが載置される載置部材と、
前記載置部材を搬送する搬送機構と
を備え、
前記搬送機構は、
前記載置部材を支持する支持部材と、
前記支持部材に設けられたねじ孔に螺合し、前記支持部材を移動させる送りねじと、
前記送りねじの軸方向に平行な方向に延びて前記支持部材を案内するガイド部材と、
前記支持部材に設けられた前記ガイド部材による案内を受ける被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢する付勢部材を有し、
前記ガイド部材は、互いに平行に延びる第1ガイドシャフトと第2ガイドシャフトとを有し、
前記第1ガイドシャフト、前記送りねじ及び前記第2ガイドシャフトは、前記送りねじの軸方向に垂直な方向に沿って、この順で並び、
前記支持部材は、第1部材、第2部材及び第3部材を有し、
前記第1部材は、前記第2部材及び前記第3部材に挟まれた中間部分を有し、
前記送りねじは、前記第2部材、前記第3部材及び前記中間部分を貫通し、
前記被案内部は、前記第2部材に設けられた第1挿通孔部及び第2挿通孔部と、前記第3部材に設けられた第3挿通孔部及び第4挿通孔部とを有し、
前記第1ガイドシャフトは、前記第1挿通孔部及び前記第3挿通孔部に挿通され、
前記第2ガイドシャフトは、前記第2挿通孔部及び前記第4挿通孔部に挿通され、
前記付勢部材は、前記第1部材と前記第2部材の間に位置する第1付勢部材と、前記第1部材と前記第3部材の間に位置する第2付勢部材とを有し、
前記第1付勢部材は、前記送りねじを中心に前記第2部材を回転付勢することによって、前記第1挿通孔部の内壁を前記第1ガイドシャフトに向けて付勢するとともに、前記第2挿通孔部の内壁を前記第2ガイドシャフトに向けて付勢し、
前記第2付勢部材は、前記送りねじを中心に前記第3部材を回転付勢することによって、前記第3挿通孔部の内壁を前記第1ガイドシャフトに向けて付勢するとともに、前記第4挿通孔部の内壁を前記第2ガイドシャフトに向けて付勢する、読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、蓄積性蛍光体シートから画像情報を読み取る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イメージングプレートから読み取られた放射線像の画質については改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、イメージングプレートから読み取られた放射線像の画質を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る読取装置は、イメージングプレートから放射線像を読み取る読取装置であって、イメージングプレートが載置される載置部材と、前記載置部材を搬送する搬送機構とを備え、前記搬送機構は、前記載置部材を支持する支持部材と、前記支持部材に設けられたねじ孔に螺合し、前記支持部材を移動させる送りねじと、前記送りねじの軸方向に平行な方向に延びて前記支持部材を案内するガイド部材と、前記支持部材に設けられた前記ガイド部材による案内を受ける被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢する付勢部材を有する。
【0007】
第2の態様は、第1の態様に係る読取装置であって、前記支持部材は第1部材及び第2部材を有し、前記被案内部は、前記第1部材及び前記第2部材の少なくも一つに設けられ、前記付勢部材は、前記第1部材と前記第2部材の間に位置し、前記被案内部を前記ガイド部材に向けて付勢する。
【0008】
第3の態様は、第2の態様に係る読取装置であって、前記第1部材に前記載置部材が取り付けられ、前記送りねじが、前記第1部材と螺合せず、前記第2部材と螺合する。
【0009】
第4の態様は、第2または第3の態様に係る読取装置であって、前記ガイド部材はガイドシャフトを有し、前記被案内部は、前記支持部材において前記ガイドシャフトが挿通される挿通孔部を有し、前記付勢部材は前記挿通孔部の内壁を前記ガイドシャフトに向けて付勢する。
【0010】
第5の態様は、第4の態様に係る読取装置であって、前記載置部材は、前記イメージングプレートが載置される載置面を有し、前記付勢部材は、前記載置面に垂直な方向に沿って前記挿通孔部の内壁を前記ガイドシャフトに向けて付勢する。
【0011】
第6の態様は、第4また第5の態様に係る読取装置であって、前記被案内部は、前記支持部材において前記ガイドシャフトが挿通される複数の挿通孔部を有し、前記付勢部材は、前記複数の挿通孔部の内壁を前記ガイドシャフトに向けて付勢する。
【0012】
第7の態様は、第6の態様に係る読取装置であって、前記複数の挿通孔部では、一部の挿通孔部が前記第1部材に設けられ、他の挿通孔部が前記第2部材に設けられ、前記付勢部材が、前記一部の挿通孔部の内壁と前記他の挿通孔部の内壁とを互いに反対方向から前記ガイドシャフトに向けて付勢する。
【0013】
第8の態様は、第7の態様に係る読取装置であって、前記複数の挿通孔部は、第1挿通孔部、第2挿通孔部及び第3挿通孔部を有し、前記第1挿通孔部と前記第3挿通孔部は前記第1部材に設けられ、前記第2挿通孔部は前記第2部材に設けられ、前記第1挿通孔部、前記第2挿通孔部及び前記第3挿通孔部は、この順で前記ガイドシャフトに沿って並び、前記付勢部材は、前記第1挿通孔部の内壁と前記第3挿通孔部の内壁とを互いに同じ方向から前記ガイドシャフトに向けて付勢する。
【0014】
第9の態様は、第7または第8に係る読取装置であって、前記載置部材は前記第1部材に取り付けられ、前記送りねじは、前記第1部材を貫通せずに前記第2部材を貫通する。
【0015】
第10の態様は、第1の態様に係る記載の読取装置であって、前記ガイド部材は、互いに平行に延びる第1ガイドシャフトと第2ガイドシャフトとを有し、前記第1ガイドシャフト、前記送りねじ及び前記第2ガイドシャフトは、前記送りねじの軸方向に垂直な方向に沿って、この順で並び、前記支持部材は、第1部材、第2部材及び第3部材を有し、前記第1部材は、前記第2部材及び前記第3部材に挟まれた中間部分を有し、前記送りねじは、前記第2部材、前記第3部材及び前記中間部分を貫通し、前記被案内部は、前記第2部材に設けられた第1挿通孔部及び第2挿通孔部と、前記第3部材に設けられた第3挿通孔部及び第4挿通孔部とを有し、前記第1ガイドシャフトは、前記第1挿通孔部及び前記第3挿通孔部に挿通され、前記第2ガイドシャフトは、前記第2挿通孔部及び前記第4挿通孔部に挿通され、前記付勢部材は、前記第1部材と前記第2部材の間に位置する第1付勢部材と、前記第1部材と前記第3部材の間に位置する第2付勢部材とを有し、前記第1付勢部材は、前記送りねじを中心に前記第2部材を回転付勢することによって、前記第1挿通孔部の内壁を前記第1ガイドシャフトに向けて付勢するとともに、前記第2挿通孔部の内壁を前記第2ガイドシャフトに向けて付勢し、前記第2付勢部材は、前記送りねじを中心に前記第3部材を回転付勢することによって、前記第3挿通孔部の内壁を前記第1ガイドシャフトに向けて付勢するとともに、前記第4挿通孔部の内壁を前記第2ガイドシャフトに向けて付勢する。
【発明の効果】
【0016】
第1の態様によると、イメージングプレートが載置される載置部材を支持する支持部材に設けられたガイド部材による案内を受ける被案内部が、ガイド部材に向けて付勢されることから、支持部材及びガイド部材の少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。これにより、イメージングプレートが載置される載置部材が振動しにくくなる。よって、載置部材の振動に起因する放射線像の画質低下が発生しにくくなり、読取装置で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0017】
第2の態様によると、付勢部材を第1部材と第2部材の間に位置させるという簡単な構成によって、被案内部をガイド部材に向けて付勢することが可能となる。
【0018】
第3の態様によると、送りねじは、載置部材が取り付けられる第1部材に螺合せず第2部材を螺合する。これにより、送りねじのガタつきや、送りねじと第2部材との間の螺合関係から生じるガタつき等に起因する第2部材の振動を、第2部材と第1部材と間に位置する付勢部材によって吸収することができる。よって、第2部材の振動が第1部材に伝わりにくくなり、トレーが載置される載置部材が振動しにくくなる。
【0019】
第4の態様によると、付勢部材が、ガイドシャフトが挿通される挿通孔部の内壁をガイドシャフトに向けて付勢することから、挿通孔部の内壁をガイドシャフトに向けて付勢するという簡単な構成によって、支持部材及びガイドシャフトの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0020】
第5の態様によると、付勢部材が、イメージングプレートが載置される載置面に垂直な方向に沿って挿通孔部の内壁をガイドシャフトに向けて付勢することから、支持部材及びガイドシャフトが、載置面に垂直な方向に移動しにくくなる。これにより、載置面がそれに垂直な方向に動きにくくなることから、イメージングプレートと、イメージングプレートからの輝尽光を検出する検出器との位置関係が本来の位置関係から変化しにくくなる。よって、読取装置で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0021】
第6の態様によると、付勢部材は、複数の挿通孔部の内壁をガイドシャフトに向けて付勢することから、支持部材及びガイドシャフトの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0022】
第7の態様によると、付勢部材が、一部の挿通孔部の内壁と他の挿通孔部の内壁とを互いに反対方向からガイドシャフトに向けて付勢することから、支持部材及びガイドシャフトの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0023】
第8の態様によると、付勢部材は、第1挿通孔部の内壁と第3挿通孔部の内壁とを互いに同じ方向からガイドシャフトに向けて付勢することから、支持部材及びガイドシャフトの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0024】
第9の態様によると、送りねじは、載置部材が取り付けられる第1部材を貫通せずに第2部材を貫通する。これにより、送りねじのガタつき等に起因する第2部材の振動を、第2部材と第1部材と間に位置する付勢部材によって吸収することができる。よって、第2部材の振動が第1部材に伝わりにくくなり、トレーが載置される載置部材が振動しにくくなる。
【0025】
第10の態様によると、第1付勢部材が、送りねじを中心に第2部材を回転付勢することによって、第1挿通孔部の内壁を第1ガイドシャフトに向けて付勢するとともに、第2挿通孔部の内壁を第2ガイドシャフトに向けて付勢し、第2付勢部材が、送りねじを中心に第3部材を回転付勢することによって、第3挿通孔部の内壁を第1ガイドシャフトに向けて付勢するとともに、第4挿通孔部の内壁を第2ガイドシャフトに向けて付勢する。これにより、支持部材及びガイド部材の少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図4】読取装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】支持部材の一部の構成の一例を示す概略分解斜視図である。
【
図10】支持部材の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図11】読取装置で読み取られた放射線像の一例を示す概略図である。
【
図12】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図13】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図14】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図15】支持部材の一部の構成の一例を示す概略分解斜視図である。
【
図16】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図17】支持部材の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図18】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図19】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図20】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図21】支持部材の一部の構成の一例を示す概略分解斜視図である。
【
図22】支持部材の一部の構成の一例を示す概略分解斜視図である。
【
図23】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図24】支持部材の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図25】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図26】支持部材の構成の一例を示す概略図である。
【
図27】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図28】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【
図29】搬送機構の構成の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は読取装置1の外観の一例を示す概略図である。読取装置1は、放射線像が記録されたイメージングプレート10から当該放射線像を読み取る装置である。読取装置1は、イメージングプレート10に記録された放射線像を検出する装置であるともいえる。
【0028】
イメージングプレート10は、放射線像形成層11を有する平たい形状であり、放射線像を記録する記録媒体である。イメージングプレート10は、例えば、四隅が丸まった略長方形の平たい形状を成している。放射線像形成層11は、照射された放射線のエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーに応じた輝尽光を発する層である。例えば、放射線像形成層11は、樹脂で形成されたフィルムの一方主面に輝尽性蛍光体を塗布することによって形成される。放射線像形成層11に照射される放射線としては、例えばX線が採用される。X線発生器からのX線が撮影対象物を透過してイメージングプレート10に照射されると、X線の強度に応じたエネルギーが放射線像形成層11に蓄積される。X線の強度は、撮影対象物におけるX線吸収領域の分布に基づいたものであるため、放射線像形成層11に蓄積されたエネルギーの分布は、X線による撮影対象物の放射線像である。このように、イメージングプレート10は、例えばX線による放射線像を潜像として記録する。読取装置1は、放射線像形成層11から放射線像を読み取り、読み取った放射線像を表す画像信号(画像データともいう)を生成する。
【0029】
イメージングプレート10は、例えば、人の口の中に入れられた状態で放射線が照射される。したがって、イメージングプレート10は、人の口の中に入るようなサイズとなっている。そして、イメージングプレート10の放射線像形成層11には、例えば、歯の放射線像が記録される。なお、イメージングプレート10の用途はこれに限られない。
【0030】
以後、イメージングプレート10において、放射線像形成層11側の主面を前面と呼ぶことがある。また、イメージングプレート10において、前面とは反対側の主面を裏面と呼ぶことがある。
【0031】
図1に示されるように、読取装置1は例えば筐体2を備える。読取装置1は筐体2内に各種部品等が設けられる基台となるベースBSを備える。筐体2の外装CS自身もベースBSに固定される。また、筐体2内には、イメージングプレート10から放射線像を読み取る構成が収容されている。当該構成については後述する。
【0032】
筐体2には、挿入口2a及び取出口2bが設けられている。挿入口2aは、例えば筐体2の上面に設けられている。読取装置1のユーザは、挿入口2aからイメージングプレート10を筐体2内に入れることができる。イメージングプレート10は、筐体2内において放射線像が読み取られる。取出口2bは、例えば、筐体2の一側面のうちの下側部分に設けられる。放射線像が読み取られた後のイメージングプレート10(読み取り済みイメージングプレート10ともいう)は取出口2bに排出される。読取装置1のユーザは、取出口2bを通じて、読み取り済みイメージングプレート10を回収することができる。
【0033】
筐体2には、例えば、ユーザからの操作を受け付ける操作部4が設けられている。操作部4は、例えば複数の操作ボタン4aを備える。各操作ボタン4aは、例えばハードウェアボタンである。複数の操作ボタン4aには、例えば、電源ボタン及び読み取りの開始を指示するためのスタートボタン等が含まれる。操作部4は、ユーザのタッチ操作を検出するタッチセンサを備えてもよい。
【0034】
筐体2には、例えば、表示部3が設けられている。表示部3は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機EL(electro-luminescence)表示パネルにより構成される。表示部3は、例えば、文字、記号、図形及び画像などの各種情報を表示することが可能である。表示部3は、イメージングプレート10から読み取られた放射線像(言い換えれば、検出された放射線像)を表示してもよい。
【0035】
操作部4がタッチセンサを備える場合、当該タッチセンサと表示部3とで、表示機能及びタッチ検出機能を有するタッチパネルディスプレイが構成されてもよい。この場合、複数の操作ボタン4aの少なくとも一つが、タッチパネルディスプレイに表示されるソフトウェアボタンに置き換えられてもよいし、操作部4は複数の操作ボタン4aを備えなくてもよい。また、読取装置1は表示部3を備えなくてもよい。
【0036】
筐体2には、例えば、イメージングプレート10を収容可能なプレート収容ケース6及び7が設けられている。プレート収容ケース6及び7は、例えば筐体2の上面に設けられている。プレート収容ケース6は仕切り付きのケースであり、プレート収容ケース7は蓋付きのケースである。読取装置1はプレート収容ケース6及び7の少なくとも一方を備えなくてもよい。
【0037】
筐体2からは、その外側に向かって、ACアダプタ5のケーブル5aが延びている。読取装置1の各部品には、ACアダプタ5から電力が供給される。読取装置1は、ACアダプタ5だけではなく、読取装置1の各部品に電力を供給するバッテリを備えてもよい。あるいは、読取装置1は、ACアダプタ5の代わりにバッテリを備えてもよい。
【0038】
<筐体内の機構の一例について>
図2及び3は筐体2内の構成の一例を示す概略図である。
図3には、
図2に示される構造を
図2の下側から見た様子の一例が示されている。
図4は読取装置1が備える制御部80の構成の一例を主に示すブロック図である。
【0039】
図2~4に示されるように、読取装置1は、例えば、イメージングプレート10が載置される載置部材20、光源30、検出器40、駆動部50、インタフェース部60、制御部80及び搬送機構100を備える。これらの構成は筐体2内に設けられている。
【0040】
<制御部について>
制御部80は、読取装置1の動作を統合的に管理することが可能であり、例えば制御回路ともいえる。制御部80は、例えば、表示部3、載置部材20、光源30、検出器40、駆動部50及びインタフェース部60を制御することができる。また、制御部80は、操作部4が受け付けたユーザ操作に応じた処理を行うことができる。
【0041】
制御部80は、例えば、少なくとも一つのプロセッサと記憶部とを備えるコンピュータ装置によって構成される。制御部80が備える少なくとも一つのプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)が含まれてもよいし、CPU以外のプロセッサが含まれてもよい。制御部80では、少なくとも一つのプロセッサが記憶部(記憶回路ともいう)内のプログラムを実行することによって、以下に説明する各種機能が実現される。
【0042】
制御部80では、少なくとも一つのプロセッサが記憶部内のプログラムを実行することによって、機能ブロックとして、例えば、画像処理部81、表示制御部82、駆動制御部83、保持制御部84、検出制御部85及び発光制御部86が形成される。
【0043】
画像処理部81は、例えば、検出器40から出力される後述の画像信号に対して画像処理を行うことができる。表示制御部82は表示部3の表示を制御することができる。駆動制御部83は駆動部50を制御することができる。保持制御部84は、載置部材20でのイメージングプレート10の保持を制御することができる。検出制御部85は検出器40を制御することができる。発光制御部86は光源30を制御することができる。
【0044】
なお、制御部80の一部の機能あるいは制御部80のすべての機能は、その機能の実現にソフトウェア(言い換えればプログラム)が不要なハードウェア回路で実現されてもよい。例えば、画像処理部81、表示制御部82、駆動制御部83、保持制御部84、検出制御部85及び発光制御部86の少なくとも一つの一部の機能あるいは当該少なくとも一つのすべての機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。画像処理部81、表示制御部82、駆動制御部83、保持制御部84、検出制御部85及び発光制御部86の少なくとも一つは、他の構成とは独立した回路で構成されてもよい。
【0045】
<インタフェース部について>
インタフェース部60は、筐体2の外部の装置(以後、外部装置ともいう)と通信することが可能であって、例えば、インタフェース回路、通信回路あるいは通信部ともいえる。外部装置には、パーソナルコンピュータが含まれてもよいし、スマートフォン等の携帯電話機が含まれてもよいし、他のコンピュータ装置が含まれてもよい。また、外部装置には、読取装置1に着脱可能なデータ記録媒体(例えば、フラッシュメモリ)が含まれてもよい。インタフェース部60は、外部装置からの信号を受信し、受信した信号を制御部80に入力することができる。また、インタフェース部60は、制御部80からの信号を外部装置に送信することができる。例えば、インタフェース部60は、制御部80の画像処理部81において画像処理が行われた画像信号を外部装置に送信することができる。インタフェース部60は、外部装置と有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。インタフェース部60と外装装置との間の通信は、イーサネットに準拠してもよいし、USB(Universal Serial Bus)に準拠してもよいし、WiFiに準拠してもよいし、他の規格に準拠してもよい。
【0046】
<載置部材について>
載置部材20は、筐体2の挿入口2aから挿入されたイメージングプレート10が載置される。載置部材20は、例えば、載置されたイメージングプレート10を保持することができる。載置部材20は、例えば、イメージングプレート10が載置される載置板21(トレーともいえる)と、載置板21に載置されたイメージングプレート10の位置を固定する固定部22とを備える。載置板21は、イメージングプレート10を支持する支持板ともいえる。
【0047】
載置板21は、イメージングプレート10がその裏面側から載置される主面21a(載置面21aあるいはIP載置面21aともいう)と、当該主面21aとは反対側の主面21b(裏面21bともいう)とを備える。載置面21aは、イメージングプレート10の裏面を支持する支持面ともいえる。
【0048】
固定部22は、例えば、イメージングプレート10の周縁部分と接近する複数の固定部分22aを有する。固定部22は固定部材ともいえる。複数の固定部分22aは、イメージングプレート10の周縁部分を取り囲むように当該周縁部分と接近する。これにより、載置板21に対するイメージングプレート10の位置(つまり相対位置)及び姿勢(つまり相対姿勢)が固定される。本例では、例えば、イメージングプレート10の両長辺のそれぞれに対して2つの固定部分22aが接近し、イメージングプレート10の両短辺のそれぞれに対して1つの固定部分22aが接近する。
【0049】
各固定部分22aは、保持制御部84による制御によって、載置板21に支持されたイメージングプレート10に接近する接近位置と、載置板21に支持されたイメージングプレート10から離間する離間位置との間で移動することが可能である。イメージングプレート10は、各固定部分22aが離間位置に存在する状態で、挿入口2aから筐体2内に投入されて、載置板21に載置される。その後、各固定部分22aが離間位置から接近位置に移動することによって、イメージングプレート10の位置及び姿勢が固定部22で固定される。つまり、イメージングプレート10が保持される。各固定部分22aは、接近位置に存在する場合、例えば、イメージングプレート10の周縁部分と接している。
【0050】
なお、複数の固定部分22aの少なくとも一つは、接近位置に存在する場合、イメージングプレート10の周縁部分と接しなくてもよい。また、固定部22の構成は上記の限りではない。また、載置部材20の構成は上記の限りではない。
【0051】
<駆動部及び搬送機構について>
搬送機構100は、駆動部50による駆動によって、載置部材20を所定方向DR10に沿って搬送することが可能である。これにより、載置部材20に載置されたイメージングプレート10も所定方向DR10に沿って移動することができる。搬送機構100は、載置部材20を通じてイメージングプレート10を所定方向DR10に沿って移動することが可能であるともいえる。駆動部50は駆動制御部83によって制御される。駆動部50は例えばモータを備えている。搬送機構100は、駆動部50が備えるモータによって駆動される。駆動部50が備えるモータの回転は駆動制御部83によって制御される。所定方向DR10は、例えば、読取装置1の設置面に沿った方向である。イメージングプレート10は、例えば、読取装置1の設置面に沿って搬送される。以後、所定方向DR10を搬送方向DR10あるいは移動方向DR10と呼ぶことがある。搬送機構100の構成例については後で詳細に説明する。
【0052】
<光源及び検出器について>
本例では、
図4に示されるように、光源30と、それを制御する発光制御部86と、検出器40と、それを制御する検出制御部85とで、イメージングプレート10の前面から放射線像を読み取る光測定器90が構成されている。光測定器90を構成する光源30、検出器40、検出制御部85及び発光制御部86は、一つのケースに収容されてユニット化されてもよいし、一つのケースに収容されていなくてもよい。
【0053】
光源30は、載置部材20に保持されたイメージングプレート10に対して、放射線像形成層11を励起させるための励起光L1を照射することが可能である。光源30は載置部材20の載置面21aに向けて励起光L1を出射する。光源30は、励起光L1をイメージングプレート10上で一方向(主走査方向DRmともいう)に走査することが可能である。主走査方向DRmは、所定方向DR10に対して垂直な方向である。つまり、主走査方向DRmは、載置部材20の移動方向DR10に対して垂直な方向である。
【0054】
励起光L1は例えば可視光のレーザ光である。励起光L1は、例えば、赤色レーザ光であってもよいし、他の色のレーザ光であってもよい。放射線像形成層11に励起光L1が照射されると、放射線像形成層11に蓄積されたエネルギーの分布に応じて放射線像形成層11が発光し、放射線像形成層11から輝尽光L2(
図3参照)が発せられる。輝尽光L2は、例えば青色の可視光である。検出器40は、イメージングプレート10からの輝尽光L2を検出し、検出した輝尽光L2の強度に応じた電気信号を出力する。
【0055】
光源30は、例えば、励起光L1を生成して出力するレーザ発生部と、励起光L1をイメージングプレート10上で主走査方向DRmに走査する走査部とを有する。レーザ発生部は、例えば半導体レーザ発振器を備え、発光制御部86によって制御される。レーザ発生部は、レーザダイオードを備えてもよいし、他の半導体レーザを備えてもよい。走査部は、例えば、レーザ発生部からの励起光L1を、イメージングプレート10の放射線像形成層11に向けて反射するMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを備える。MEMSミラーは、発光制御部86による制御によって、放射線像形成層11上での励起光L1の照射点が主走査方向DRmに移動するように励起光L1の反射角度を変化させる。走査部は、MEMSミラーに代えて、例えばガルバノミラーのような他のミラーを備えてもよい。
【0056】
検出器40は、イメージングプレート10からの輝尽光L2が入射する光学フィルタ42と、光学フィルタ42から出射される輝尽光L2を検出するセンサ41とを備える。センサ41は検出制御部85によって制御される。光学フィルタ42は、センサ41での輝尽光L2の検出面に対向するように、かつ載置板21の主面21aと当該検出面との間に位置するように配置されている。イメージングプレート10からの輝尽光L2はまず光学フィルタ42に入射し、濾過を経た輝尽光L2が光学フィルタ42から出てセンサ41の検出面に入射する。
【0057】
センサ41は、光学フィルタ42を透過した輝尽光L2を検出し、検出した輝尽光L2の強度に応じた電気信号を出力することが可能である。センサ41は、例えば、複数のフォトダイオードで構成されてもよいし、光電子増倍管で構成されてもよい。
【0058】
読取装置1において、イメージングプレート10から放射線像が読み取られる処理(読取処理ともいう)が行われる場合、イメージングプレート10が載置された載置部材20は、駆動部50により駆動される搬送機構100によって読取開始位置に搬送される。そして、光測定器90は読取処理を開始する。読取処理では、光源30が、発光制御部86による制御によって、励起光L1をイメージングプレート10上で主走査方向DRmに走査する処理(主走査方向スキャンともいう)を繰り返し実行する。一方で、読取処理において、搬送機構100は、イメージングプレート10が載置された載置部材20を、搬送方向DR10に沿った一方向DRs(副走査方向DRsともいう)に移動させる。副走査方向DRsは主走査方向DRmに垂直な方向である。載置部材20が副走査方向DRsに移動している間に、主走査方向スキャンが繰り返し実行されることにより、イメージングプレート10の放射線像形成層11に対して励起光L1が2次元の広がりをもって照射され、放射線像形成層11がラスタスキャンされる。これにより、読取処理では、放射線像形成層11の全領域にわたって励起光L1が順次照射されて、放射線像形成層11の全領域が励起光L1で走査される。放射線像形成層11に対して励起光L1によるラスタスキャンが行われる間、検出器40のセンサ41が、ラスタスキャンに応じて放射線像形成層11から順次到来する輝尽光L2を検出することによって、放射線像形成層11から放射線像が読み取られる。センサ41は、励起光L1のラスタスキャン中の輝尽光L2の検出結果として、読み取られた放射線像(言い換えれば、検出された放射線像)を表す画像信号を検出制御部85に出力する。この画像信号には、読み取られた放射線像を表す複数の画素の輝度値(言い換えれば画素値)が含まれる。センサ41は、例えば、グレースケールの画像信号を出力する。以後、検出器40で読み取られた放射線像を検出放射線像と呼ぶことがある。
【0059】
励起光L1の走査は、イメージングプレート10の検出対象範囲の全域を、座標を定めて2次元に行うものであればよく、主走査方向DRmと副走査方向DRsとが互いに垂直をなさなくてもよい。例えば、主走査方向DRmと副走査方向DRsとが、垂直以外の角度で交差するようにしてもよい。また、主走査方向DRm及び副走査方向DRsの一方または双方が曲線状の方向に設定されてもよい。
【0060】
<画像処理部について>
制御部80の画像処理部81は、センサ41から出力される画像信号に対して画像処理を行う。画像処理部81は、検出制御部85を通じて、センサ41から出力される画像信号を取得する。表示制御部82は、例えば、画像処理部81で画像処理された画像信号に基づいて、検出放射線像を表示部3に表示させる。画像処理部81が行う画像処理には輝度反転処理が含まれてもよい。輝度反転処理とは、輝度反転処理が行われる前の画像信号の各輝度値に対して、当該輝度値が大きいほど小さくなるような変換を行う処理である。ここで、輝度値が取り得る範囲の最大値を輝度最大値と呼ぶ。例えば、輝度反転処理が行われる前の画像信号に含まれるある輝度値を、輝度最大値から差し引いて得られる値が、変換後の当該ある輝度値となる。画像信号に対して輝度反転処理が行われることによって、画像処理後の画像信号では、画像処理前の画像信号とは異なり、イメージングプレート10において蓄積エネルギーが小さい部分からの輝尽光L2の検出に基づく放射線像の輝度値は大きくなり、イメージングプレート10において蓄積エネルギーが大きい部分からの輝尽光L2の検出に基づく放射線像の輝度値は小さくなる。なお、画像処理部81が行う画像処理には、輝度反転処理が含まれなくてもよいし、輝度反転処理以外の処理が含まれてもよい。画像処理には、輝度反転処理以外の処理として、例えば、オフセット補正及び対数変換が含まれてもよい。
【0061】
<読取装置の動作の一例>
筐体2の挿入口2aから挿入されたイメージングプレート10が載置部材20に載置され、操作部4に含まれるスタートボタンが操作されると、搬送機構100が、駆動制御部83によって制御される駆動部50による駆動によって、載置部材20を読取開始位置に移動させる。次に、上述のようにして、イメージングプレート10から放射線像が読み取られる読取処理が行われる。読取処理が終了すると、搬送機構100は、駆動部50による駆動によって、載置部材20を排出位置に移動させる。そして、イメージングプレート10は筐体2の取出口2bに排出される。表示部3は、表示制御部82による制御によって検出放射線像を表示する。
【0062】
なお、放射線像が読み出されたイメージングプレート10は、当該イメージングプレート10から放射線像が消去された後に、筐体2の取出口2bに排出されてもよい。この場合、読取装置1は、イメージングプレート10から放射線像を消去するための消去光をイメージングプレート10に照射する消去用光源を備えてもよい。消去光は、白色光であってもよいし、赤色の可視光であってもよいし、他の色の可視光であってもよい。消去用光源は、LED(Light Emission Diode)であってもよいし、ハロゲンランプであってもよいし、他の光源であってもよい。
【0063】
イメージングプレート10から放射線像が消去される場合には、読取処理が終了すると、搬送機構100は、駆動部50による駆動によって、載置部材20を消去位置に移動させる。次に、消去用光源が、制御部80による制御によって、イメージングプレート10の放射線像形成層11の全領域に消去光を照射する。これにより、イメージングプレート10から放射線像が消去される。その後、放射線像が消去されたイメージングプレート10は取出口2bに排出される。
【0064】
<搬送機構の構成例>
図5は載置部材20及び搬送機構100の一例を示す概略斜視図である。
図6及び7は搬送機構100の一例を示す概略斜視図である。
図7には、搬送機構100を
図6とは異なる方向から見た様子が示されている。
図8は搬送機構100の一部の構成の一例を示す分解斜視図である。
図5では、載置部材20の固定部22の図示は省略されている。以後、
図5等に示されるXYZ直交座標系を用いて搬送機構100について説明する。X軸方向及びY軸方向は、上述の搬送方向DR10及び主走査方向DRmとそれぞれ平行である。Z軸方向は、搬送方向DR10及び主走査方向DRmに垂直な方向であって、載置部材20の載置面21aに垂直な方向でもある。Z軸方向は、載置面21aに載置されるイメージングプレート10の前面に垂直な方向でもある。
【0065】
図5~8に示されるように、搬送機構100は、例えば、支持部材200と、送りねじ700と、ガイド部材800と、付勢部材900(
図8参照)とを備える。搬送機構100の本体基部はベースBSに固定される。
図5に示されるように、支持部材200は載置部材20を支持する。送りねじ700は、支持部材200に設けられたねじ孔に螺合し、支持部材200を搬送方向DR10に沿って(言い換えればX軸方向に沿って)移動させる。ガイド部材800は、送りねじ700の軸方向に平行な方向に延びて支持部材200を案内する。付勢部材900は、支持部材200に設けられたガイド部材800による案内を受ける被案内部を、ガイド部材800に向けて付勢する。以下に搬送機構100の各構成について詳細に説明する。
【0066】
付勢部材900は、例えば複数の付勢部材910を備える。複数の付勢部材910には、例えば付勢部材910a及び910bが含まれる。各付勢部材910は例えばコイルばねである。
【0067】
送りねじ700は、例えば、その周囲に台形ねじ等のねじ山が形成された棒状部材である。送りねじ700はX軸方向に沿って延在している。言い換えれば、送りねじ700は搬送方向D10に沿って延在している。送りねじ700の軸方向はX軸方向に沿って延在している。送りねじ700はベースBSに回動可能に設けられる。送りねじ700には、ベースBSに固定されたモータ等のアクチュエータからの回動力が伝達される。送りねじ700の回動により、支持部材200中の載置部材20が取り付けられる被取付部材がX軸方向に移動する。
【0068】
ガイド部材800は、送りねじ700と同様に、X軸方向に沿って延在している。ガイド部材800は、例えば、複数のガイドシャフト810を備える。複数のガイドシャフト810はベースBSに固定される。複数のガイドシャフト810には、例えば、ガイドシャフト810a及び810bが含まれる。各ガイドシャフト810は、例えば、棒状部材であって、X軸方向に沿って延在している。ガイドシャフト810a,810bのそれぞれの両端部はベースBSに固定される。ガイドシャフト810a、ガイドシャフト810b及び送りねじ700は、互いに平行に延びている。ガイドシャフト810a、ガイドシャフト810b及び送りねじ700の軸方向は、互いに平行を成している。ガイドシャフト810a、送りねじ700及びガイドシャフト810bは、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。言い換えれば、ガイドシャフト810a、送りねじ700及びガイドシャフト810bは、送りねじ700の軸方向に垂直な方向に沿って、この順で並んでいる。
【0069】
支持部材200は、例えば、載置部材20が取り付けられる被取付部材300と、送りねじ700が取り付けられる被取付部材400と、送りねじ700が螺合するナット部材500と、ナット部材500を被取付部材400の本体に固定する複数の固定部材525とを備える。被取付部材400は送りねじ700を受ける部材であり、ねじ受け部材400と呼び変えてもよい。被取付部材400をねじ受け要素400と呼んでもよい。また、被取付部材400は送りねじ700と螺合する部材であり、螺合部材400と呼び変えてもよい。被取付部材400を螺合要素400と呼んでもよい。支持部材200が有する被取付部材300及び被取付部材400のような2つの部材の一方を第1部材、他方を第2部材と考えてよい。
【0070】
ナット部材500は、例えば、フランジナット(フランジ形ナットとも呼ばれる)であって、ナット部510及びフランジ部520を有する。ナット部510にはねじ孔511が設けられている。ねじ孔511の端部をテーパー状に加工してもよい。図示の例では、ねじ孔511の+X側端部を周状テーパー面521に加工して、送りねじ700を受け入れるときの螺合作業が容易になるようにしている。送りねじ700は、ねじ孔511に螺合する。フランジ部520は、複数の固定部材525で被取付部材400に固定される。固定部材525は例えばねじである。
【0071】
被取付部材300は、例えば、それに被取付部材400及び送りねじ700を組み付けたときに送りねじ700との接触を回避する回避空間を持つように形成されている。具体的には、被取付部材300は、Y軸方向の平面視において略U字状(言い換えれば、片仮名のコの字状)を成している。被取付部材300は、例えば、互いに対向する第1板部310及び第2板部320と、第1板部310及び第2板部320を互いに繋ぐ連結部330とを備える。第1板部310及び第2板部320は、例えば、YZ平面に沿って立設しており、X軸方向において互いに対向している。第1板部310及び第2板部320は例えば互いに同じ形状を有する。連結部330は例えば直方体である。連結部330は、例えば、第1板部310における第2板部320との対向面(第1対向面ともいう)と、第2板部320における第1板部310との対向面(第2対向面ともいう)とに繋がっている。連結部330は、例えば、第1対向面において中央部よりも+Z側の部分と、第2対向面において中央部よりも+Z側の部分とに繋がっている。第1板部310及び第2板部320のそれぞれは側壁部とも言え、連結部330は天壁部とも言える。
【0072】
第1板部310、第2板部320及び連結部330の+Z側の面は、例えば、同一平面上に位置し、被取付部材300の+Z側の平面を構成する。載置部材20は、第1板部310、第2板部320及び連結部330の+Z側の面(言い換えれば、被取付部材300の+Z側の面)に対して、ねじ等の固定部材で固定される。
【0073】
第1板部310は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部311aを備える。挿通孔部311aは、第1板部310をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。また、第1板部310は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部311bを備える。挿通孔部311bは、第1板部310をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。第1板部310は、例えば2つの無給油軸受を有しており、当該2つの無給油軸受が挿通孔部311a及び311bをそれぞれ構成している。+X側からの平面視において、挿通孔部311a及び311bの中心は、例えばY軸方向に沿って並んでいる。また、第1板部310は、送りねじ700が通る開口部315を備える。開口部315は、第1板部310をその厚み方向に貫通している。開口部315は第1板部310の-Z側端まで達しており、開口部315の平面視外形は例えば逆U字状を成している。図示の実施形態では、前述の回避空間として機能する開口部315は凹部となっている。挿通孔部311a、開口部315及び挿通孔部311bは、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。なお、本願において、無給油軸受を採用している要素の全部または一部について、給油軸受または潤滑性の軸受を採用するようにしてもよい。
【0074】
第2板部320は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部321aを備える。挿通孔部321aは、第2板部320をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。また、第2板部320は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部321bを備える。挿通孔部321bは、第2板部320をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。第2板部320は、例えば2つの無給油軸受を有しており、当該2つの無給油軸受が挿通孔部321a及び321bをそれぞれ構成している。-X側からの平面視において、挿通孔部321a及び321bの中心は、例えばY軸方向に沿って並んでいる。また、第2板部320は、送りねじ700が通る開口部325を備える。開口部325は、第2板部320をその厚み方向に貫通している。開口部325は第2板部320の-Z側端まで達しており、開口部325の平面視外形は例えば逆U字状を成している。図示の実施形態では、前述の回避空間として機能する開口部325は凹部となっている。挿通孔部321a、開口部325及び挿通孔部321bは、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。
【0075】
ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部311a及び321aの中心軸は、X軸方向に沿って延び、同一直線上に位置する。ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部311b及び321bの中心軸は、X軸方向に沿って延び、同一直線上に位置する。送りねじ700が通る開口部315及び325は、X軸方向に沿って並んでいる。
【0076】
送りねじ700が取り付けられる被取付部材400は、例えば、概ね、Y軸方向に沿って延びる、表面が部分的に凹んだ直方体を成している。被取付部材400は、例えば、Z軸方向の平面視において略C形状を成している。被取付部材400では、Y軸方向の中央部430にナット部材500が取り付けられる。また、被取付部材400では、中央部430よりも+Y側の第1部分410にガイドシャフト810aが挿通され、中央部430よりも-Y側の第2部分420にガイドシャフト810bが挿通される。
【0077】
中央部430、第1部分410及び第2部分420の表面のうち、+X側と-X側のそれぞれの表面は、YZ平面に沿って広がり、かつX軸方向で互いに対向する+X側面及び-X側面を有する。中央部430、第1部分410及び第2部分420の-X側面は、例えば同一平面上に位置する。一方で、中央部430の+X側面は、第1部分410及び第2部分420+X側面よりも-X側に位置している。これにより、被取付部材400の+X側面には凹部431が形成されている。第1部分410及び第2部分420+X側面は例えば同一平面上に位置する。
【0078】
ナット部材500は凹部431内に配置されている。中央部430には、それをX軸方向に沿って貫通する貫通孔432が設けられており(
図7参照)、当該貫通孔432に対してナット部材500のナット部510が挿入される。そして、ナット部材500のフランジ部520が複数の固定部材525によって+X側から中央部430に固定される。
【0079】
第1部分410は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部411aを備える。挿通孔部411aは、第1部分410をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。第1部分410は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部411aを構成している。
【0080】
第2部分420は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部421bを備える。挿通孔部421bは、第2部分420をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。第2部分420は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部421bを構成している。
【0081】
+X側からの平面視において、挿通孔部411aの中心と、ナット部材500のねじ孔511の中心と、挿通孔部421bの中心とは、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。
【0082】
中央部430、第1部分410及び第2部分420の表面のうち、+Z側と-Z側のそれぞれの表面は、例えば、XY平面に沿って広がり、かつZ軸方向で互いに対向する一対の+Z側面及び-Z側面を有する。中央部430、第1部分410及び第2部分420の+Z側面は、例えば同一平面上に位置する。また、中央部430、第1部分410及び第2部分420の-Z側面は、例えば同一平面上に位置する。第1部分410は+Z側の面に向けて開口する凹部412を有する。凹部412は、例えば、挿通孔部411aに対して+Z方向に位置する。付勢部材910aは凹部412内に配置される。凹部412に配置された付勢部材910aでは、その一端が凹部412の底面に当たり、その他端が凹部412から第1部分410の+Z側面よりも突出する。第2部分420は+Z側面に向けて開口する凹部422を有する。凹部422は、例えば、挿通孔部421bに対して+Z方向に位置する。付勢部材910bは凹部422内に配置される。凹部422に配置された付勢部材910bでは、その一端が凹部422の底面に当たり、その他端が凹部422から第2部分420の+Z側面よりも突出する。付勢部材910a及び910bの他端は、被取付部材400の平坦な+Z側面401よりも突出している。
【0083】
以上のような構成を有する搬送機構100では、被取付部材400は、挿通孔部411aが、被取付部材300の挿通孔部311a及び挿通孔部321aの間に位置し、かつ挿通孔部421bが、被取付部材300の挿通孔部311b及び挿通孔部321bの間に位置するように、被取付部材300の第1板部310及び第2板部320の間に配置される。本実施形態では、上記の配置より、被取付部材400が被取付部材300に嵌合するようになっている。第1板部310及び第2板部320の間に被取付部材400が配置された状態では、X方向視で、ナット部材500が有するねじ孔511のX側の開口は第1板部310の開口部315から露出し、ナット部材500が有するねじ孔511の-X側の開口は第2板部320の開口部325から露出する(
図7参照)。ナット部材500のフランジ部520は、例えば、開口部315からは被取付部材300の外側に突出しない。そして、付勢部材910a及び910bの他端が、被取付部材300が有する連結部330(言い換えれば天壁部)の内側の面(言い換えれば-Z側の平面面)331に当たる。
【0084】
第1板部310及び第2板部320の間に被取付部材400が配置された状態において、ガイドシャフト810aが挿通孔部311a、挿通孔部411a及び挿通孔部321aに挿通され、ガイドシャフト810bが挿通孔部311b、挿通孔部421b及び挿通孔部321bに挿通される。また、送りねじ700が、ナット部510のねじ孔511に螺合する。挿通孔部311a、挿通孔部411a及び挿通孔部321aは、この順でガイドシャフト810aに沿って並び、挿通孔部311b、挿通孔部421b及び挿通孔部321bは、この順でガイドシャフト810bに沿って並ぶ。
【0085】
挿通孔部311a及び挿通孔部311bをそれぞれ第1挿通孔部と考えてよい。また、挿通孔部411a及び挿通孔部421bをそれぞれ第2挿通孔部と考えてよい。また、挿通孔部321a及び挿通孔部321bをそれぞれ第3挿通孔部と考えてよい。被取付部材300を第1部材とし、被取付部材400を第2部材としたとき、挿通孔部311a及び挿通孔部311bは第1部材300に設けられた第1挿通孔部であり、挿通孔部411a及び挿通孔部421bは第2部材400に設けられた第2挿通孔部であり、挿通孔部321a及び挿通孔部321bは第1部材に設けられた第3挿通孔部である。
【0086】
搬送機構100では、送りねじ700が駆動部50によって回転させられる。送りねじ700は、正転方向または逆転方向に回転することが可能である。送りねじ700が取り付けられた支持部材200は、送りねじ700の正転方向の回転に応じて、搬送方向DR10の一方側に移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bが支持部材200の一方側への移動を案内する。一方で、支持部材200は、送りねじ700の逆転方向の回転に応じて、搬送方向DR10の他方側に移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bは、支持部材200の他方側への移動を案内する。支持部材200が、送りねじ700によって搬送方向DR10に沿って搬送されることによって、支持部材200に支持される載置部材20が搬送方向DR10に沿って搬送される。
【0087】
支持部材200は、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580を備える。被案内部580は、例えば、ガイドシャフト810aによる案内を受ける挿通孔部311a,411a,321aと、ガイドシャフト810bによる案内を受ける挿通孔部311b,421b,321bとを備える。付勢部材900は、被案内部580をガイド部材800に向けて付勢する。本例では、付勢部材900は、被取付部材300と被取付部材400との間に位置し、被案内部580をガイド部材800に向けて付勢する。
【0088】
付勢部材910a及び910bは、例えば縮められた状態で、被取付部材300と被取付部材400との間に位置する。これにより、付勢部材910a及び910bが伸びようとする力によって、被取付部材300と被取付部材400とをZ軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200に発生する。本例では、被取付部材300と被取付部材400とをZ軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200に発生することによって、被案内部580がガイド部材800に向けて付勢される。付勢部材900は、被取付部材300を+Z側に付勢し、被取付部材400を-Z側に付勢する。以下に付勢部材900の働きについて詳細に説明する。
【0089】
図9は、搬送機構100を-X側から見た様子の一例を示す概略図である。
図9及び後述の
図16,23,25では、説明の便宜上、ガイドシャフト810a,810b及び送りねじ700が斜線で示されている。
図10は、支持部材200の断面構造の一例を示す概略図である。
図10には、挿通孔部311a,411a,321a及び凹部412を通る、XZ平面に平行な断面での支持部材200の構造が斜線で示されている。
図10には、付勢部材910a及びガイドシャフト810aも示されている。
図9及び10では、支持部材200が
図5~8よりも簡素化されて示されている。本願では、作用の説明が主な目的となることより、図示の要素の寸法が必ずしも図と図の間で整合しないことがある。なお、挿通孔部311b,421b,321b及び凹部422を通る、XZ平面に平行な断面での支持部材200の構造も、
図10と同様の構造となる。
【0090】
付勢部材910aは、例えば、ガイドシャフト810aに対して+Z方向に位置する。付勢部材910bは、例えば、ガイドシャフト810bに対して+Z方向に位置する。付勢部材910a及び910bを備える付勢部材900は、複数の挿通孔部311a,411a,321aの内壁(言い換えれば内周壁)をガイドシャフト810aに向けて付勢し、複数の挿通孔部311b,421b,321bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。
【0091】
付勢部材900(910)は、被取付部材300に設けられた挿通孔部311a及び321aの内壁を+Z側へ付勢する。これにより、
図10に示されるように、挿通孔部311a及び321aの内壁がガイドシャフト810aに対して-Z側から当接する。また、付勢部材900(910)は、被取付部材400に設けられた挿通孔部411aの内壁を-Z側へ付勢する。これにより、
図10に示されるように、挿通孔部411aの内壁がガイドシャフト810aに対して+Z側から当接する。付勢部材900(910)は、支持部材200によって支持される載置部材20のIP載置面21aに垂直な方向に沿って、挿通孔部311a,321a,411aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢する。付勢部材900(910)は、挿通孔部311a,321aの内壁を互いに同じ方向からガイドシャフト810aに向けて付勢する。付勢部材900(910)は、挿通孔部311a,321aの内壁と、挿通孔部411aの内壁とを互いに反対方向からガイドシャフト810aに向けて付勢する。
【0092】
同様に、付勢部材900(910)は、被取付部材300に設けられた挿通孔部311b及び321bの内壁を+Z側へ付勢する。これにより、挿通孔部311b及び321bの内壁がガイドシャフト810bに対して-Z側から当接する。また、付勢部材900(910)は、被取付部材400に設けられた挿通孔部421bの内壁を-Z側へ付勢する。これにより、挿通孔部421bの内壁がガイドシャフト810bに対して+Z側から当接する。付勢部材900(910)は、IP載置面21aに垂直な方向に沿って、挿通孔部311b,321b,421bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。付勢部材900(910)は、挿通孔部311b,321bの内壁を互いに同じ方向からガイドシャフト810bに向けて付勢する。付勢部材900(910)は、挿通孔部311b,321bの内壁と、挿通孔部421bの内壁とを互いに反対方向からガイドシャフト810bに向けて付勢する。
【0093】
本実施形態では、付勢部材として押しばねを用いる例を説明したが、引きばねを用いるようにしてもよい。例えば、引きばねの付勢部材910a及び910b(第2付勢部材910a及び910bともいう)を準備して、付勢部材910a及び910bに替えて、第2付勢部材910a及び910bが縮もうとする力によって、被取付部材300と被取付部材400とをZ軸方向に沿って互いに引き寄せようとする力が支持部材200に発生するようにしてもよい。この場合、各要素の作用の方向は上述の実施形態におけるのと逆になる。以降の、ばねを用いる実施形態全般について、同様のことが言える。
【0094】
以上のように、読取装置1では、イメージングプレート10が載置される載置部材20を支持する支持部材200に設けられたガイド部材800による案内を受ける被案内部580が、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢される。
【0095】
ここで、被案内部580とガイド部材800との間に隙間が存在する場合、当該隙間に起因して支持部材200がガイド部材800に対してガタつくことがある。支持部材200にガタつきが発生すると、イメージングプレート10が載置される載置部材20が振動し、これにより、イメージングプレート10が振動する可能性がある。読取処理中にイメージングプレート10が振動すると、読取処理中に、イメージングプレート10と検出器40との位置関係が本来の位置関係から変化する可能性がある。さらに、読取処理中に、イメージングプレート10と光源30との位置関係が本来の位置関係から変化する可能性がある。その結果、検出放射線像の画質が低下する可能がある。
【0096】
本例のように、支持部材200の被案内部580が、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢される場合、被案内部580とガイド部材800との間に隙間が存在するときでも支持部材200がガタつきにくくなる。これにより、載置部材20が振動しにくくなる。その結果、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなり、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0097】
また、ガイド部材800の設置状況によってはガイド部材800がガタつく可能性がある。例えば、ガイド部材800の設置状況によっては、ガイドシャフト810a,810bの少なくとも一方とベースBSとの間に生じた間隙などに起因してガイドシャフト810a及び810bの少なくとも一方がベースBSに対してガタつく可能性がある。ガイド部材800にガタつきが発生すると、イメージングプレート10が載置される載置部材20が振動して読取装置1で読み取られた放射線像の画質が低下する可能性がある。本例のように、被案内部580が、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢される場合、ガイド部材800がガタつきにくくなる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0098】
なお、ガイド部材800がガタつかない場合であっても、被案内部580が、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢されることによって、被案内部580とガイド部材800との間の隙間に起因する支持部材200のガタつきが発生しにくくなることから、放射線像の画質を向上することができる。また、被案内部580とガイド部材800との間にほとんど隙間がなく支持部材200がガタつかない場合であっても、被案内部580が、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢されることによって、ガイド部材800にガタつきが発生しにくくなることから、放射線像の画質を向上することができる。本例のように、被案内部580が、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢されることによって、支持部材200及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0099】
図11は検出放射線像の一例を示す図である。
図11では、本例に係る読取装置1(つまり、付勢部材900を備える読取装置1)で読み取られた放射線像の一例が左側に示されており、本例とは異なり付勢部材900を備えていない読取装置1で読み取られた放射線像の一例が右側に示されている。
図11から理解できるように、本例に係る読取装置1で読み取られた放射線像(左側)の画質は、付勢部材900を備えていない読取装置1で読み取られた放射線像(右側)よりも良好となる。
【0100】
また、本例では、被取付部材300及び400の間に位置する付勢部材900が、被案内部580をガイド部材800に向けて付勢する。これにより、付勢部材900を被取付部材300及び400の間に位置させるという簡単な構成によって、被案内部580をガイド部材800に向けて付勢することが可能となる。
【0101】
また、本例では、付勢部材900が、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部311a,321a,411aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢するという簡単な構成によって、支持部材200及びガイドシャフト810aの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。同様に、本例では、付勢部材900が、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部311b,321b,421bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する簡単な構成によって、支持部材200及びガイドシャフト810bの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0102】
また、本例では、付勢部材900が、イメージングプレート10が載置される載置面21aに垂直な方向に沿って挿通孔部311a,321a,411aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810aが、載置面21aに垂直な方向に動きにくくなる。これにより、IP載置面21aがそれに垂直な方向に動きにくくなることから、特に、イメージングプレート10と検出器40との位置関係が本来の位置関係から変化しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質が向上する。
【0103】
また、本例では、付勢部材900は、一つの挿通孔部ではなく、複数の挿通孔部311a,321a,411aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810aの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。同様に、付勢部材900は、複数の挿通孔部311b,321b,421bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810bの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0104】
また、本例では、付勢部材900が、挿通孔部311a,321aの内壁と挿通孔部411aの内壁とを互いに反対方向からガイドシャフト810aに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810aの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。同様に、付勢部材900は、挿通孔部311b,321bの内壁と挿通孔部421bの内壁とを互いに反対方向からガイドシャフト810bに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810bの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0105】
また、本例では、付勢部材900は、挿通孔部311aの内壁と挿通孔部312aの内壁とを互いに同じ方向からガイドシャフト810aに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810aの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。同様に、付勢部材900は、挿通孔部311bの内壁と挿通孔部312bの内壁とを互いに同じ方向からガイドシャフト810bに向けて付勢することから、支持部材200及びガイドシャフト810bの少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0106】
また、本例では、送りねじ700は、載置部材20が取り付けられる被取付部材300を貫通せずに被取付部材400を貫通する。被取付部材300を第1部材とし、被取付部材400を第2部材としたとき、送りねじ700は、第1部材を貫通せずに第2部材を貫通することとなる。支持部材200と送りねじ700とを螺合関係から考えたとき、送りねじ700は被取付部材400(第2部材)に螺合し、被取付部材300(第1部材)とは螺合しない。被取付部材300と被取付部材400とは非固定の関係にある上で付勢部材900による送りねじ700の軸方向と交差する方向の付勢を受ける。被取付部材300と被取付部材400との間の嵌合関係から、被取付部材300は送りねじ700の軸方向については被取付部材400の移動と連動して移動する。これにより、送りねじ700のガタつきや、送りねじ700と被取付部材400との間の螺合関係から生じるガタつき等に起因する被取付部材400の振動を、被取付部材400と被取付部材300と間に位置する付勢部材900によって吸収することができる。よって、被取付部材400の振動が被取付部材300に伝わりにくくなり、また、被案内部580がガイドシャフト810に向けて付勢される効果と相まって、イメージングプレート10が載置される載置部材20が振動しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質が向上する。
【0107】
なお、被取付部材400とナット部材500が固定関係にあり、送りねじ700がナット部材500のねじ孔511に螺合することから、被取付部材400のZ軸方向の変位が送りねじ700によって規制を受け、挿通孔部411aの内壁と挿通孔部421bの内壁の少なくとも一方がガイドシャフト810に対して当接しない場合もありうる。しかし、少なくとも挿通孔部311a及び321aはガイドシャフト810aに対して当接し、挿通孔部311b及び321bはガイドシャフト810bに対して当接するので、支持部材200及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。
【0108】
搬送機構100の構成は上記の例に限られない。以下に、搬送機構100の他の構成例について説明する。
【0109】
<搬送機構の他の構成例>
図12は、上述の載置部材20と、搬送機構100の他の例である搬送機構100Aとを示す概略斜視図である。
図13及び14は搬送機構100Aを示す概略斜視図である。
図14には、搬送機構100Aを
図13とは異なる方向から見た様子が示されている。
図15は搬送機構100Aの一部の構成を示す分解斜視図である。
図12では、載置部材20の固定部22の図示は省略している。
図12~15に示されるように、搬送機構100Aは、例えば、支持部材200の他の例である支持部材200Aと、上述の送りねじ700、ガイド部材800及び付勢部材900(
図15参照)とを備える。
【0110】
支持部材200Aは、例えば、載置部材20及び送りねじ700が取り付けられる被取付部材350(載置部材20が取り付けられ送りねじ700が受けられる被取付部材350)と、ガイドシャフト810a及び810bをそれぞれ保持する保持部材450及び460と、上述のナット部材500及び複数の固定部材525とを備える。
【0111】
被取付部材350は、例えば、載置部材20が取り付けられる被取付部分360と、送りねじ700が取り付けられる被取付部分370とを備える。被取付部分370は送りねじ700を受ける部分であり、ねじ受け部分370と呼び変えてもよい。被取付部分370をねじ受け要素370と呼んでもよい。また、被取付部分370は送りねじ700と螺合する部分であり、螺合部分370と呼び変えてもよい。被取付部分370を螺合要素370と呼んでもよい。被取付部分360は、例えば、XY平面に沿って広がる板状の直方体である。載置部材20は、例えば、板状の被取付部分360の+Z側の主面に対して、ねじ等の固定部材で固定される。
【0112】
被取付部分370は、例えば、概ね、Y軸方向に沿って延びる、表面が部分的に凹んだ直方体を成している。被取付部分370では、X軸方向の平面視において、-Z側の2つの角部が丸くなっている。被取付部分370では、Y軸方向の中央部373にナット部材500が取り付けられる。また、被取付部分370では、中央部373よりも+Y側の第1部分371にガイドシャフト810aが挿通され、中央部373よりも-Y側の第2部分372にガイドシャフト810bが挿通される。被取付部分370は、板状の被取付部分360の-Z側の主面に繋がっている。
【0113】
中央部373、第1部分371及び第2部分372のそれぞれの表面は、YZ平面に沿って広がり、かつX軸方向で互いに対向する一対の+X側面及び-X側面を有する。中央部373、第1部分371及び第2部分372の-X側面は、例えば同一平面上に位置する。一方で、中央部373の+X側面は、第1部分371及び第2部分372+X側面よりも-X側に位置している。これにより、被取付部分370の+X側面には凹部373aが形成されている。凹部373aは中央部373の-Z側端まで達しており、凹部373aの+X側からの平面視外形は例えば逆U字状を成している。第1部分371及び第2部分372の+X側の平面は例えば同一平面上に位置する。
【0114】
ナット部材500は凹部373a内に配置されている。中央部373には、それをX軸方向に沿って貫通する貫通孔373bが設けられており(
図14参照)、当該貫通孔373bに対してナット部材500のナット部510が挿入される。そして、ナット部材500のフランジ部520が複数の固定部材525によって中央部373に固定される。
【0115】
第1部分371は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部371aを備える。挿通孔部371aは、第1部分371をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。第1部分371は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部371aを構成している。
【0116】
第2部分372は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部372bを備える。挿通孔部372bは、第2部分372をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。第2部分372は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部372bを構成している。
【0117】
+X側からの平面視において、挿通孔部371aの中心と、ナット部材500のねじ孔511の中心と、挿通孔部372bの中心とは、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。
【0118】
第1部分371は-Z側面に向けて開口する凹部371zを有する。凹部371zは、例えば、挿通孔部371aに対して+Z方向に位置する。付勢部材910aは凹部371z内に配置される。凹部371zに配置された付勢部材910aでは、その一端が凹部371zの底面に当たり、その他端が凹部371zから-Z側に突出する。第2部分372は-Z側面に向けて開口する凹部372zを有する。凹部372zは、例えば、挿通孔部372bに対して-Z方向に位置する。付勢部材910bは凹部372z内に配置される。凹部372zに配置された付勢部材910bでは、その一端が凹部372zの底面に当たり、その他端が凹部372zから-Z側に突出する。付勢部材910a及び910bの他端は、被取付部分370の表面から-Z側に突出している。
【0119】
被取付部分360は、被取付部分370よりも-X側に突出する第1突出部360aと、被取付部分370よりも+X側に突出する第2突出部360bとを備える。第1突出部360a及び第2突出部360bのそれぞれは庇部ともいえる。第1突出部360aは被取付部分370の-X側面よりも-X側に突出する。第2突出部360bは被取付部分370の第1部分371及び第2部分372の+X側面よりも+X側に突出する。
【0120】
保持部材450及び460のそれぞれは、例えば、X軸方向に延びる板部材を、その長手方向の両端が近づくように略U字状(言い換えれば片仮名のコの字状)に曲げた形状を有している。これにより、保持部材450及び460のそれぞれは、例えば、Y軸方向の平面視において略U字状(言い換えれば片仮名のコの字状)を成している。
【0121】
保持部材450は、例えば、互いに対向する第1板部451及び第2板部452と、第1板部451及び第2板部452を互いに繋ぐ第3板部453とを備える。第1板部451及び第2板部452は、例えば、YZ平面に沿って立設しており、X軸方向において互いに対向している。第1板部451及び第2板部452は、例えば、互いに同じ形状を有する。
【0122】
第3板部453は、例えば、XY平面に沿って広がっている。第3板部453は、例えば、第1板部451における第2板部452との対向面(第1対向面ともいう)と、第2板部452における第1板部451との対向面(第2対向面ともいう)とに繋がっている。第3板部453は、例えば、第1板部451の第1対向面の-Z側の端部と、第2板部452の第2対向面の-Z側の端部とに繋がっている。第1板部451及び第2板部452のそれぞれは側壁部とも言え、第3板部453は底壁部とも言える。
【0123】
第1板部451は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部451aを備える。挿通孔部451aは、第1板部451をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。第1板部451は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部451aを構成している。
【0124】
第2板部452は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部452aを備える。挿通孔部452aは、第2板部452をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。第2板部452は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部452aを構成している。挿通孔部451a及び452aの中心軸は、例えば、X軸方向に沿って延び、同一直線上に位置する。
【0125】
保持部材460は、例えば保持部材450と同じ構造を有している。保持部材450及び460は、例えば、Y軸方向に沿って並んでいる。保持部材460は、例えば、互いに対向する第1板部461及び第2板部462と、第1板部461及び第2板部462を互いに繋ぐ第3板部463とを備える。
【0126】
第1板部461は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部461bを備える。挿通孔部461bは、第1板部461をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。第1板部461は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部461bを構成している。第2板部462は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部462bを備える。挿通孔部462bは、第2板部462をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。第2板部462は例えば無給油軸受を有しており、当該無給油軸受が挿通孔部462bを構成している。挿通孔部461b及び462bの中心軸は、例えば、X軸方向に沿って延び、同一直線上に位置する。
【0127】
以上のような構成を有する搬送機構100Aでは、被取付部材350の第1部分371がX軸方向において保持部材450の第1板部451及び第2板部452で挟まれ、被取付部材350の第2部分372がX軸方向において保持部材460の第1板部461及び第2板部462で挟まれる。このとき、第1部分371の挿通孔部371aは、第1板部451の挿通孔部451aと第2板部452の挿通孔部452aとの間に位置し、第2部分372の挿通孔部372bは、第1板部461の挿通孔部461bと第2板部462の挿通孔部462bとの間に位置する。
【0128】
第1部分371が第1板部451及び第2板部452で挟まれ、第2部分372が第1板部461及び第2板部462で挟まれた状態では、付勢部材910aの他端が、保持部材450が有する第3板部453の+Z側の主面453aに当たり、付勢部材910bの他端が、保持部材460が有する第3板部463の+Z側の主面463aに当たる。ガイドシャフト810aは、挿通孔部451a、挿通孔部371a及び挿通孔部452aに挿通され、ガイドシャフト810bは、挿通孔部461b、挿通孔部372b及び挿通孔部462bに挿通される。送りねじ700は、ナット部510のねじ孔511に螺合する。送りねじ700は、被取付部材350の中央部373を貫通する。挿通孔部451a、挿通孔部371a及び挿通孔部452aは、この順でガイドシャフト810aに沿って並び、挿通孔部461b、挿通孔部372b及び挿通孔部462bは、この順でガイドシャフト810bに沿って並ぶ。
【0129】
本例では、例えば、保持部材450の第1板部451及び保持部材460の第1板部461の厚みは、被取付部材350の第1部分371及び第2部分372の+X側面からの第2突出部360bの突出距離と同じかほぼ同じとなっている。また、保持部材450の第2板部452及び保持部材460の第2板部462の厚みは、被取付部分360の-X側面からの第1突出部360aの突出距離と同じかほぼ同じとなっている。これにより、第1部分371が第1板部451及び第2板部452で挟まれ、第2部分372が第1板部461及び第2板部462で挟まれた状態では、第2板部452及び462の-X側の主面と、板状の被取付部分360の-X側の端面とは、概ね同一平面上に位置し、第1板部451及び461の+X側の主面と、被取付部分360の+X側の端面とは、概ね同一平面上に位置する。
【0130】
搬送機構100Aでは、送りねじ700が取り付けられた支持部材200Aが、送りねじ700の正転方向の回転に応じて、搬送方向DR10の一方側に移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bが支持部材200Aの一方側への移動を案内する。一方で、支持部材200Aは、送りねじ700の逆転方向の回転に応じて、搬送方向DR10の他方側に移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bは、支持部材200Aの他方側への移動を案内する。支持部材200Aが、送りねじ700によって搬送方向DR10に沿って搬送されることによって、支持部材200Aに支持される載置部材20が搬送方向DR10に沿って搬送される。
【0131】
支持部材200Aは、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580Aを備える。被案内部580Aは、例えば、ガイドシャフト810aによる案内を受ける挿通孔部451a,371a,452aと、ガイドシャフト810bによる案内を受ける挿通孔部461b,372b,462bとを備える。付勢部材900は、被案内部580Aをガイド部材800に向けて付勢する。本例では、付勢部材910aは、被取付部材350と保持部材450との間に位置し、付勢部材910bは、被取付部材350と保持部材460との間に位置する。
【0132】
付勢部材910aは、例えば縮められた状態で、被取付部材350と保持部材450との間に位置する。これにより、付勢部材910aが伸びようとする力によって、被取付部材350と保持部材450とをZ軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200Aに発生する。同様に、付勢部材910bは、例えば縮められた状態で、被取付部材350と保持部材460との間に位置する。これにより、付勢部材910bが伸びようとする力によって、被取付部材350と保持部材460とをZ軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200Aに発生する。
【0133】
付勢部材910aは、付勢部材910a自身が凹部371zによって移動の規制を受けて保持部材450に当接して-Z方向への付勢を与えることで、ガイドシャフト810aの軸に対する軸回りの保持部材450の回動への回り止めとしても作用する。同様に、付勢部材910bは、付勢部材910b自身が凹部372zによって移動の規制を受けて保持部材460に当接して-Z方向への付勢を与えることで、ガイドシャフト810bの軸に対する軸回りの保持部材460の回動への回り止めとしても作用する。
【0134】
本例では、被取付部材350と、保持部材450及び460とを、Z軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200Aに発生することによって、被案内部580Aがガイド部材800に向けて付勢される。付勢部材900は、被取付部材350を+Z側に付勢し、保持部材450及び460を-Z側に付勢する。以下に搬送機構100Aでの付勢部材900の働きについて詳細に説明する。
【0135】
図16は、搬送機構100Aを-X側から見た様子の一例を示す概略図である。
図17は、支持部材200Aの断面構造の一例を示す概略図である。
図17には、挿通孔部451a,452a,371a及び凹部371zを通る、XZ平面に平行な断面での支持部材200Aの構造が斜線で示されている。
図17には、付勢部材910a及びガイドシャフト810aも示されている。
図16及び17では、支持部材200Aが
図12~15よりも簡素化されて示されている。上記の通り、本願では、作用の説明が主な目的となることより、図示の要素の寸法が必ずしも図と図の間で整合しないことがある。なお、挿通孔部461b,462b,372b及び凹部372zを通る、XZ平面に平行な断面での支持部材200Aの構造も、
図17と同様の構造となる。
【0136】
付勢部材910aは、例えば、ガイドシャフト810aに対して-Z方向に位置する。付勢部材910bは、例えば、ガイドシャフト810bに対して-Z方向に位置する。付勢部材910aは、複数の挿通孔部451a,452a,371aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢する。付勢部材910bは、複数の挿通孔部461b,462b,372bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。
【0137】
付勢部材910aは、保持部材450に設けられた挿通孔部451a及び452aの内壁を-Z側へ付勢する。これにより、
図16及び17に示されるように、挿通孔部451a及び452aの内壁がガイドシャフト810aに対して+Z側から当接する。一方で、付勢部材910aは、被取付部材350に設けられた挿通孔部371aの内壁を+Z側へ付勢する。これにより、
図16及び17に示されるように、挿通孔部371aの内壁がガイドシャフト810aに対して-Z側から当接する。付勢部材910aは、支持部材200Aによって支持される載置部材20のIP載置面21aに垂直な方向に沿って、挿通孔部451a,452a,371aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢する。付勢部材910aは、挿通孔部451a及び452aの内壁を互いに同じ方向からガイドシャフト810aに向けて付勢する。付勢部材910aは、挿通孔部451a及び452aの内壁と、挿通孔部371aの内壁とを、互いに反対方向からガイドシャフト810aに向けて付勢する。
【0138】
同様に、付勢部材910bは、保持部材460に設けられた挿通孔部461b及び462bの内壁を-Z側へ付勢する。これにより、挿通孔部461b及び462bの内壁がガイドシャフト810bに対して+Z側から当接する。一方で、付勢部材910bは、被取付部材350に設けられた挿通孔部372bの内壁を+Z側へ付勢する。これにより、挿通孔部372bの内壁がガイドシャフト810bに対して-Z側から当接する。付勢部材910bは、IP載置面21aに垂直な方向に沿って、挿通孔部461b,462b,372bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。付勢部材910bは、挿通孔部461b及び462bの内壁を互いに同じ方向からガイドシャフト810bに向けて付勢する。付勢部材910bは、挿通孔部461b及び462bの内壁と、挿通孔部372bの内壁とを、互いに反対方向からガイドシャフト810bに向けて付勢する。
【0139】
なお、被取付部材350とナット部材500が固定関係にあり、送りねじ700がナット部材500のねじ孔511に螺合することから、被取付部材350のZ軸方向の変位が送りねじ700によって規制を受け、挿通孔部371aの内壁と挿通孔部372bの内壁の少なくとも一方がガイドシャフト810に対して当接しない場合もありうる。しかし、少なくとも挿通孔部451a及び452aはガイドシャフト810aに対して当接し、挿通孔部461b及び462bはガイドシャフト810bに対して当接するので、支持部材200A及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。
【0140】
搬送機構100Aにおいても、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580Aが、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢されることから、支持部材200A及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0141】
図18は、上述の載置部材20と、搬送機構100の他の例である搬送機構100Bとを示す概略斜視図である。
図19及び20は搬送機構100Bを示す概略斜視図である。
図20には、搬送機構100Bを
図19とは異なる方向から見た様子が示されている。
図21及び22は搬送機構100Bの一部の構成を示す分解斜視図である。
図22には、搬送機構100Bを
図21とは異なる方向から見た様子が示されている。
図18では、載置部材20の固定部22の図示は省略している。
図18~22に示されるように、搬送機構100Bは、例えば、支持部材200の他の例である支持部材200Bと、上述の送りねじ700、ガイド部材800及び付勢部材900(
図21及び22参照)とを備える。
【0142】
支持部材200Bは、例えば、載置部材20及び送りねじ700が取り付けられる被取付部材380と、ガイドシャフト810a及び810bをそれぞれ保持する保持部材470及び480と、送りねじ700が螺合するナット部材550とを備える。ナット部材550は、例えば、Y軸方向に沿って延びる管状の部材である。ナット部材550は、送りねじ700が螺合するねじ孔551を有する。
【0143】
被取付部材380は、例えば、載置部材20が取り付けられる被取付部分381と、送りねじ700が取り付けられる被取付部分385とを備える。被取付部分385は送りねじ700を受ける部分であり、ねじ受け部分385と呼び変えてもよい。被取付部分385をねじ受け要素385と呼んでもよい。また、被取付部分385は送りねじ700と螺合する部分であり、螺合部分385と呼び変えてもよい。被取付部分385を螺合要素385と呼んでもよい。被取付部分381は、例えば、XY平面に沿って広がる板状の直方体を成している。被取付部分381の表面は、例えば、XY平面に沿って広がり、かつZ軸方向で互いに対向する+Z側面及び-Z側面と、XZ平面に沿って広がり、かつY軸方向で互いに対向する+Y側面及び-Y側面と、YZ平面に沿って広がり、かつX軸方向で互いに対向する+X側面及び-X側面との6面で構成されている。載置部材20は、例えば、被取付部分381の+Z側面に対して、ねじ等の固定部材で固定される。
【0144】
被取付部分385は、例えば、Y軸方向に沿って延びる直方体を成している。被取付部分は、被取付部分381の-Z側面と繋がっており、当該-Z側面から-Z側に突出している。被取付部分385は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部385aを備える。挿通孔部385aは、被取付部分385をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。被取付部分385の表面は、例えば、YZ平面に沿って広がり、かつX軸方向で互いに対向する+X側面及び-X側面を有する。挿通孔部385aの貫通孔は、被取付部分385の+X側面から-X側面まで達している。
【0145】
被取付部分385は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部385bを備える。挿通孔部385bは、被取付部分385をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。挿通孔部385bの貫通孔は、被取付部分385の+X側面から-X側面まで達している。
【0146】
被取付部分385は、管状のナット部材550が挿通される挿通孔部385cを備える。挿通孔部385cは、被取付部分385をX軸方向に沿って貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にナット部材550が挿通される。挿通孔部385cの貫通孔は、被取付部分385の+X側面から-X側面まで達している。ナット部材550は、挿通孔部385cに挿通された状態で挿通孔部385cに固定される。挿通孔部385cに固定されたナット部材550は、挿通孔部385cよりも+X側及び-X側のそれぞれに突出する。
【0147】
X軸方向からの平面視において、挿通孔部385a,385c,385bの中心は、例えば、この順でY軸方向に沿って並んでいる。
【0148】
被取付部分381は、被取付部分385よりも-X側に突出する第1突出部381aと、被取付部分385よりも+X側に突出する第2突出部381bとを備える。第1突出部381a及び第2突出部381bのそれぞれは庇部ともいえる。第1突出部381aは被取付部分385の-X側面よりも-X側に突出し、第2突出部381bは被取付部分385の+X側面よりも+X側に突出する。
【0149】
第1突出部381aは、その-Z側面に向けて開口する凹部381aaを有する(
図21参照)。凹部381aaは、例えば、挿通孔部385aに対して+Z方向に位置する。付勢部材910aは凹部381aa内に配置される。凹部381aaに配置された付勢部材910aでは、その一端が凹部381aaの底面に当たり、その他端が凹部381aaから-Z側に突出する。
【0150】
第2突出部381bは、その-Z側面に向けて開口する凹部381bbを有する(
図22参照)。凹部381bbは、例えば、挿通孔部385bに対して-Z方向に位置する。付勢部材910bは凹部381bb内に配置される。凹部381bbに配置された付勢部材910bでは、その一端が凹部381bbの底面に当たり、その他端が凹部381bbから-Z側に突出する。付勢部材910a及び910bの他端は、被取付部分385の表面から-Z側に突出している。
【0151】
保持部材470及び480のそれぞれは、例えば、Y軸方向に延びる板状の略直方体を成している。保持部材470及び480の厚み方向は、例えばX軸方向と平行である。保持部材470及び480のそれぞれの表面は、例えば、YZ平面に沿って広がり、X軸方向で互いに対向する+X側面(+X側の主面ともいえる)及び-X側面(-X側の主面ともいえる)を有する。
【0152】
保持部材470は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部471aを備える。挿通孔部471aは、保持部材470をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810aが挿通される。また、保持部材470は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部471bを備える。挿通孔部471bは、保持部材470をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にガイドシャフト810bが挿通される。保持部材470は例えば2つの無給油軸受を有しており、当該2つの無給油軸受が挿通孔部471a及び471bをそれぞれ構成している。保持部材470は、管状のナット部材550が挿通される挿通孔部471cを備える。挿通孔部471cは、保持部材470をその厚み方向に貫通する貫通孔を有しており、当該貫通孔にナット部材550が挿通される。-X側からの平面視において、挿通孔部471a,471c,471bの中心は、例えば、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。
【0153】
保持部材480は、例えば、保持部材470と同じ構造を有している。保持部材480は、ガイドシャフト810a及び810bがそれぞれ挿通される挿通孔部481a及び481bを備える。保持部材480は例えば2つの無給油軸受を有しており、当該2つの無給油軸受が挿通孔部481a及び481bをそれぞれ構成している。保持部材480は、管状のナット部材550が挿通される挿通孔部481cを備える。+X側からの平面視において、挿通孔部481a,481c,481bの中心は、例えば、Y軸方向に沿って、この順で並んでいる。
【0154】
以上のような構成を有する搬送機構100Bでは、保持部材470及び480が被取付部材380の被取付部分385の-X側及び+X側にそれぞれに位置するように、被取付部分385がX軸方向において保持部材470及び480で挟まれる。このとき、被取付部分385の挿通孔部385aは、保持部材470の挿通孔部471aと保持部材480の挿通孔部481aとの間に位置する。また、被取付部分385の挿通孔部385bは、保持部材470の挿通孔部471bと保持部材480の挿通孔部481bとの間に位置する。そして、被取付部分385の挿通孔部385cは、保持部材470の挿通孔部471cと保持部材480の挿通孔部481cとの間に位置する。被取付部分385は、保持部材470及び480で挟まれた中間部分であるといえる。
【0155】
被取付部分385が保持部材470及び480で挟まれている状態では、付勢部材910aの他端が、保持部材470の+Z側の端面472に当たり、付勢部材910bの他端が、保持部材480の+Z側の端面482に当たる。これにより、付勢部材910aは、被取付部材380の第1突出部381aと保持部材470とで挟まれた状態となり、付勢部材910bは、被取付部材380の第2突出部381bと保持部材480とで挟まれた状態となる。ガイドシャフト810aは、挿通孔部471a、挿通孔部385a及び挿通孔部481aに挿通され、ガイドシャフト810bは、挿通孔部471b、挿通孔部385b及び挿通孔部481bに挿通される。管状のナット部材550は、挿通孔部471c、挿通孔部385c及び挿通孔部481cに挿通される。このとき、ナット部材550の-X側端は挿通孔部471cから-X側に突出せず、ナット部材550の+X側端は挿通孔部481cから+X側に突出しない。送りねじ700は、ナット部材550のねじ孔551に螺合する。挿通孔部471a、挿通孔部385a及び挿通孔部481aは、この順でガイドシャフト810aに沿って並び、挿通孔部471b、挿通孔部385b及び挿通孔部481bは、この順でガイドシャフト810bに沿って並ぶ。また、挿通孔部471c、挿通孔部385c及び挿通孔部481cは、この順で管状のナット部材550に沿って並ぶ。
【0156】
本例では、例えば、板状の保持部材470の厚みは、第1突出部381aの被取付部分385の-X側面からの突出距離と同じかほぼ同じとなっている。同様に、板状の保持部材480の厚みは、例えば、第2突出部381bの被取付部分385の+X側面からの突出距離と同じかほぼ同じとなっている。これにより、被取付部分385が保持部材470及び480で挟まれている状態では、板状の保持部材470の-X側の主面と、板状の被取付部分381の-X側の端面とは、概ね同一平面上に位置し、板状の保持部材480の+X側の主面と、板状の被取付部分381の+X側の端面とは、概ね同一平面上に位置する。
【0157】
搬送機構100Bでは、送りねじ700が取り付けられた支持部材200B(送りねじ700が螺合された支持部材200B)が、送りねじ700の正転方向の回転に応じて、搬送方向DR10の一方側に移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bが支持部材200Bの一方側への移動を案内する。一方で、支持部材200Bは、送りねじ700の逆転方向の回転に応じて、搬送方向DR10の他方側に移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bは、支持部材200Bの他方側への移動を案内する。支持部材200Bが、送りねじ700によって搬送方向DR10に沿って搬送されることによって、支持部材200Bに支持される載置部材20が搬送方向DR10に沿って搬送される。
【0158】
支持部材200Bは、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580Bを備える。被案内部580Bは、例えば、ガイドシャフト810aによる案内を受ける挿通孔部471a,385a,481aと、ガイドシャフト810bによる案内を受ける挿通孔部471b,358b,481bとを備える。付勢部材900は、被案内部580Bをガイド部材800に向けて付勢する。本例では、付勢部材910aは、被取付部材380と保持部材470との間に位置し、付勢部材910bは、被取付部材380と保持部材480との間に位置する。
【0159】
凹部381aaと付勢部材910aとは、被取付部材380において、挿通孔部385cの中心(送りねじ700が螺合された場合の送りねじ700の軸心と一致)より+Y側寄りの配置となる。また、凹部381bbと付勢部材910bとは、被取付部材380において、挿通孔部385cの中心より-Y側寄りの配置となる。このように、付勢部材910a及び910bの配置が、Y軸方向に関して挿通孔部385cの中心を挟んで反対になるようにしてよい。
【0160】
付勢部材910aは、例えば縮められた状態で、被取付部材380と保持部材470との間に位置する。これにより、付勢部材910aが伸びようとする力によって、-X側からの平面視において、保持部材470が、被取付部材380に対して相対的に、送りねじ700を中心に時計回りに回転しようとする力が支持部材200Bに発生する。
【0161】
付勢部材910bは、例えば縮められた状態で、被取付部材380と保持部材480との間に位置する。これにより、付勢部材910bが伸びようとする力によって、+X側からの平面視において、保持部材480が、被取付部材380に対して相対的に、送りねじ700を中心に時計回りに回転しようとする力が支持部材200Bに発生する。
【0162】
本例では、保持部材470及び480が、被取付部材380に対して相対的に、送りねじ700を中心に回転しようとする力が支持部材200Bに発生することによって、被案内部580Bがガイド部材800に向けて付勢される。付勢部材910aは、送りねじ700を中心に保持部材470を回転付勢することによって、挿通孔部471aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢するとともに、挿通孔部471bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。付勢部材910bは、送りねじ700を中心に保持部材480を回転付勢することによって、挿通孔部481aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢するとともに、挿通孔部481bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。以下に搬送機構100Bでの付勢部材900の働きについて詳細に説明する。
【0163】
図23は、搬送機構100Bを-X側から見た様子の一例を示す概略図である。
図24は、支持部材200Bの断面構造の一例を示す概略図である。
図24には、挿通孔部471b,385b,481b及び凹部381bbを通る、XZ平面に平行な断面での支持部材200Bの構造が斜線で示されている。
図24には、付勢部材910b及びガイドシャフト810bも示されている。
図23及び24では、支持部材200Bが
図18~22よりも簡素化されて示されている。なお、挿通孔部471a,385a,481a及び凹部381aaを通る、XZ平面に平行な断面での支持部材200Bの構造も、
図24と同様の構造となる。
【0164】
付勢部材910aは、例えば、ガイドシャフト810aに対して+Z方向に位置する。付勢部材910aは、-X側からの平面視において、保持部材470が、被取付部材380に対して相対的に、送りねじ700を中心に(言い換えれば挿通孔部471cを中心に)に時計回りに回転するように保持部材470を付勢する。これにより、挿通孔部471aの内壁がガイドシャフト810aに対して+Z側から当たり、挿通孔部471bの内壁がガイドシャフト810bに対して-Z側から当たる。
【0165】
付勢部材910bは、例えば、ガイドシャフト810bに対して+Z方向に位置する。付勢部材910bは、+X側からの平面視において、保持部材480が、被取付部材380に対して相対的に、送りねじ700を中心に時計回りに回転するように保持部材480を付勢する。これにより、挿通孔部481bの内壁がガイドシャフト810bに対して+Z側から当たり、挿通孔部481aの内壁がガイドシャフト810aに対して-Z側から当たる。
【0166】
搬送機構100Bにおいても、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580Bが、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢されることから、支持部材200B及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑えることができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0167】
また、搬送機構100Bでは、付勢部材910aが挿通孔部471aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢するとともに、挿通孔部471bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢し、付勢部材910bが、挿通孔部481aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢するとともに、挿通孔部481bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。これにより、支持部材200B及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。
【0168】
例えば、ガイドシャフト810aを第1ガイドシャフト810aとし、ガイドシャフト810bを第2ガイドシャフト810bとすると、第1ガイドシャフト810aと第2ガイドシャフト810bは、互いに平行に延び、送りねじ700の軸方向に垂直な方向に沿ってこの順で並ぶ。また、例えば、被取付部材380を第1部材380、保持部材480を第2部材480、保持部材470を第3部材470とする。また、例えば、挿通孔部481aを第1挿通孔部481a、挿通孔部481bを第2挿通孔部481b、挿通孔部471aを第3挿通孔部471a、挿通孔部471bを第4挿通孔部471bとする。また、例えば、付勢部材910bを第1付勢部材910a、付勢部材910aを第2付勢部材910aとする。このような場合、各要素は次の関係にある。
【0169】
ガイド部材800は、互いに平行に延びる第1ガイドシャフト810aと第2ガイドシャフト810bとを有する。第1ガイドシャフト810a、送りねじ700、第2ガイドシャフト810bは、送りねじ700の軸方向に垂直な方向に沿って、この順で並ぶ。支持部材200Bは、第1部材380、第2部材480及び第3部材470を有する。第1部材380は、第2部材480及び第3部材470に挟まれた中間部分385を有する。送りねじ700は、第2部材480、第3部材470及び中間部分385を貫通する。被案内部580Bは、第2部材480に設けられた第1挿通孔部481a及び第2挿通孔部481bと、第3部材470に設けられた第3挿通孔部471a及び第4挿通孔部471bとを有する。第1ガイドシャフト810aは、第1挿通孔部481a及び第3挿通孔部471aに挿通される。第2ガイドシャフト810bは、第2挿通孔部481b及び第4挿通孔部471bに挿通される。付勢部材900は、第1部材380と第2部材480の間に位置する第1付勢部材910bと、第1部材380と第3部材470の間に位置する第2付勢部材910aとを有する。第1付勢部材910bは、送りねじ700を中心に第2部材480を回転付勢することによって、第1挿通孔部481aの内壁を第1ガイドシャフト810aに向けて付勢するとともに、第2挿通孔部481bの内壁を前記第2ガイドシャフト810bに向けて付勢する。第2付勢部材910aは、送りねじ700を中心に第3部材470を回転付勢することによって、第3挿通孔部471aの内壁を第1ガイドシャフト810aに向けて付勢するとともに、第4挿通孔部471bの内壁を第2ガイドシャフト810bに向けて付勢する。
【0170】
図25は、搬送機構100の他の例である搬送機構100Cを示す概略図である。
図25に示されるように、搬送機構100Cは、例えば、支持部材200の他の例である支持部材200Cと、上述の送りねじ700、ガイド部材800及び付勢部材900とを備える。搬送機構100Cが備える付勢部材900には、例えば、2つの付勢部材910aと2つの付勢部材910bとが含まれる。
【0171】
図26は支持部材200Cの構成を示す分解斜視図である。支持部材200Cは、例えば、載置部材20及び送りねじ700が取り付けられる被取付部材390と、ガイドシャフト810a及び810bを保持する保持部材490と、送りねじ700が螺合するナット部材560とを備える。ナット部材560は、送りねじ700が螺合するねじ孔を有する。
【0172】
被取付部材390は、例えば、載置部材20が取り付けられる被取付部分391と、送りねじ700が取り付けられる被取付部分395とを備える。被取付部分395は送りねじ700を受ける部分であり、ねじ受け部分395と呼び変えてもよい。被取付部分395をねじ受け要素395と呼んでもよい。また、被取付部分395は送りねじ700と螺合する部分であり、螺合部分395と呼び変えてもよい。被取付部分395を螺合要素395と呼んでもよい。被取付部分391は、例えば、XY平面に沿って広がる板状の直方体を成している。被取付部分391の表面は、例えば、XY平面に沿って広がり、かつZ軸方向で互いに対向する+Z側面及び-Z側面と、XZ平面に沿って広がり、かつY軸方向で互いに対向する+Y側面及び-Y側面と、YZ平面に沿って広がり、かつX軸方向で互いに対向する+X側面及び-X側面との6面で構成されている。載置部材20は、例えば、被取付部分391の+Z側面に対して、ねじ等の固定部材で固定される。
【0173】
被取付部分395は、例えば、概ね直方体を成している。被取付部分395は、被取付部分391の-Z側面と繋がっており、当該-Z側面から-Z側に突出している。被取付部分395の表面は、例えば、XZ平面に沿って広がり、かつY軸方向で互いに対向する+Y側面及び-Y側面を有する。被取付部分395の+Y側面及び-Y側面のそれぞれに、例えば、2つの嵌合突起部396が設けられている。被取付部分395の+Y側面に設けられた2つの嵌合突起部396は、互いに平行となるようにZ軸方向に沿って延在している。被取付部分395の-Y側面に設けられた2つの嵌合突起部396は、互いに平行を成すようにZ軸方向に沿って延在している。
【0174】
被取付部分395の表面は、例えば、YZ平面に沿って広がり、かつX軸方向で互いに対向する+X側面及び-X側面を有する。被取付部分395には、+X側面から-X側面まで貫通する貫通孔が設けられており、当該貫通孔にナット部材560が挿入されて固定されている。
【0175】
被取付部分391は、被取付部分395よりも+Y側に突出する第1突出部391aと、被取付部分395よりも-Y側に突出する第2突出部391bとを備える。第1突出部391a及び第2突出部391bのそれぞれは庇部ともいえる。第1突出部391aは被取付部分395の+Y側面よりも+Y側に突出し、第2突出部391bは被取付部分395の-Y側面よりも-Y側に突出する。
【0176】
保持部材490は、第1板部491、第2板部492、第3板部493、第4板部494及び第5板部495を備えている。第5板部495は、XY平面に沿って広がっている。第1板部491、第2板部492、第3板部493及び第4板部494は、第5板部495の+Z側の主面に立設されている。第1板部491、第2板部492、第3板部493及び第4板部494は例えば互いに同じ構造を有する。第1板部491及び第2板部492はX軸方向で対向配置されており、第3板部493及び第4板部494は、X軸方向で対向配置されている。第1板部491と第3板部493とはY軸方向に沿って間隔を空けて並んでおり、第2板部492と第4板部494とはY軸方向に沿って間隔を空けて並んでいる。第1板部491及び第3板部493の+X側の主面は同一平面上に位置し、第1板部491及び第3板部493の-X側の主面は同一平面上に位置する。第2板部492及び第4板部494の+X側の主面は同一平面上に位置し、第2板部492及び第4板部494の-X側の主面は同一平面上に位置する。
【0177】
第1板部491は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部491aを備える。第2板部492は、ガイドシャフト810aが挿通される挿通孔部492aを備える。第3板部493は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部493bを備える。第4板部494は、ガイドシャフト810bが挿通される挿通孔部494bを備える。挿通孔部491a及び492aの中心軸は、X軸方向に沿って延び、同一直線上に位置する。挿通孔部493b及び494bの中心軸は、X軸方向に沿って延び、同一直線上に位置する。+X側からの平面視において、挿通孔部491a及び493bの中心はY軸方向に沿って並んでいる。-X側からの平面視において、挿通孔部492a及び494bの中心はY軸方向に沿って並んでいる。
【0178】
第1板部491、第2板部492、第3板部493及び第4板部494は、+Z側の端面に向かって開口する凹部491y,492y,493y,494yをそれぞれ有する。+Y側の凹部491y及び492y内には2つの付勢部材910aがそれぞれ配置され、-Y側の凹部493y及び494y内には2つの付勢部材910bがそれぞれ配置される。凹部491y内に配置された付勢部材910aでは、その一端が凹部491yの底面に当たり、その他端が凹部491yから+Z側に突出する。凹部492y内に配置された付勢部材910aでは、その一端が凹部492yの底面に当たり、その他端が凹部492yから+Z側に突出する。凹部493y内に配置された付勢部材910bでは、その一端が凹部493yの底面に当たり、その他端が凹部493yから+Z側に突出する。凹部494y内に配置された付勢部材910bでは、その一端が凹部494yの底面に当たり、その他端が凹部494yから+Z側に突出する。
【0179】
第1板部491及び第2板部492の-Y側の端面には嵌合溝部491z及び492zがそれぞれ設けられている。第3板部493及び第4板部494の+Y側の端面には嵌合溝部493z及び494zがそれぞれ設けられている。嵌合溝部491z,492z,493z,494zのそれぞれはZ軸方向に沿って延在している。
【0180】
以上のような構成を有する搬送機構100Cは、被取付部材390の+Y側の2つの嵌合突起部396が保持部材490の+Y側の嵌合溝部491z及び493zにそれぞれ嵌合し、被取付部材390の-Y側の2つの嵌合突起部396が保持部材490の-Y側の嵌合溝部492z及び494zにそれぞれ嵌合することによって、被取付部材390と保持部材490とが
図25のように組み合わされる。
【0181】
被取付部材390と保持部材490とが組み合わされた状態では、凹部491y内の付勢部材910aの他端と、凹部492y内の付勢部材910aの他端とが、被取付部材390の第1突出部391aの-Z側面に当たる。これにより、2つの付勢部材910aは、被取付部材390の第1突出部391aと保持部材490とで挟まれた状態となる。また、凹部493y内の付勢部材910bの他端と、凹部494y内の付勢部材910bの他端とが、被取付部材390の第2突出部391bの-Z側面に当たる。これにより、2つの付勢部材910bは、被取付部材390の第2突出部391bと保持部材490とで挟まれた状態となる。ガイドシャフト810aは、挿通孔部491a及び492aに挿通され、ガイドシャフト810bは、挿通孔部493b及び494bに挿通される。ガイドシャフト810a、送りねじ700及びガイドシャフト810bは、互いに平行となるように、この順でY軸方向に沿って並んでいる。
【0182】
支持部材200Cでは、例えば、第1板部491及び第2板部492のY軸方向の幅が、被取付部分395の+Y側面からの第1突出部391aの突出距離と同じかほぼ同じとなっている。これにより、被取付部材390と保持部材490とが組み合わされた状態では、第1板部491及び第2板部492の+Y側の端面と、被取付部分391の+Y側の端面とは、概ね同一平面上に位置する。同様に、第3板部493及び第4板部494のY軸方向の幅が、被取付部分391の-Y側面からの第2突出部391bの突出距離とほぼ同じとなっている。これにより、被取付部材390と保持部材490とが組み合わされた状態では、第3板部493及び第4板部494の-Y側の端面と、被取付部分391の-Y側の端面とは、概ね同一平面上に位置する。
【0183】
搬送機構100Cでは、送りねじ700が取り付けられた支持部材200Cが、送りねじ700の回転に応じて搬送方向DR10に沿って移動する。このとき、一対のガイドシャフト810a及び810bが支持部材200Cの移動を案内する。
【0184】
支持部材200Cは、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580Cを備える。被案内部580Cは、例えば、ガイドシャフト810aによる案内を受ける挿通孔部491a及び492aと、ガイドシャフト810bによる案内を受ける挿通孔部493b及び494bとを備える。付勢部材900は、被案内部580Cをガイド部材800に向けて付勢する。
【0185】
付勢部材910a及び910bは、例えば縮められた状態で、被取付部材390と保持部材490との間に位置する。これにより、付勢部材910a及び910bが伸びようとする力によって、被取付部材390と保持部材490とをZ軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200Cに発生する。被取付部材390と保持部材490とをZ軸方向に沿って互いに引き離そうとする力が支持部材200Cに発生することによって、被案内部580Cがガイド部材800に向けて付勢される。付勢部材900は、被取付部材380を+Z側に付勢し、保持部材490を-Z側に付勢する。これにより、
図25に示されるように、挿通孔部491a及び492aの内壁がガイドシャフト810aに対して+Z側から当接し、挿通孔部493b及び494bの内壁がガイドシャフト810bに対して+Z側から当接する。付勢部材900は、支持部材200Cによって支持される載置部材20の載置面21aに垂直な方向に沿って、挿通孔部491a及び492aの内壁をガイドシャフト810aに向けて付勢する。付勢部材900は、挿通孔部491a及び492aの内壁を互いに同じ方向からガイドシャフト810aに向けて付勢する。また、付勢部材900は、IP載置面21aに垂直な方向に沿って、挿通孔部493b及び494bの内壁をガイドシャフト810bに向けて付勢する。付勢部材900は、挿通孔部493b及び494bの内壁を互いに同じ方向からガイドシャフト810bに向けて付勢する。
【0186】
以上のような構成を有する搬送機構100Cにおいても、ガイド部材800による案内を受ける被案内部580Cが、付勢部材900によって、ガイド部材800に向けて付勢されることから、支持部材200C及びガイド部材800の少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0187】
上記の各例では、ガイドシャフト810aによる案内を受ける被案内部(第1被案内部ともいう)をガイドシャフト810aに向けて付勢しているが、第1被案内部をガイドシャフト810aに向けて付勢しなくてもよい。また、上記の例では、ガイドシャフト810bによる案内を受ける被案内部(第2被案内部ともいう)をガイドシャフト810bに向けて付勢しているが、第2被案内部をガイドシャフト810bに向けて付勢しなくてもよい。このような場合、例えば、搬送機構100Bにおいて付勢部材910a及び910bのいずれか一方を設けなくてもよい。
【0188】
また、付勢部材900の構成は上記の例に限れない。例えば、
図5~10に示される搬送機構100において、Y軸方向に並ぶ3つ以上の付勢部材910が、被取付部材300と被取付部材400との間に配置されてもよいし、付勢部材910が一つだけ被取付部材300と被取付部材400との間に配置されてもよい。後者の場合、付勢部材910は、例えば、被取付部材300と、被取付部材400の中央部430との間に配置されてもよい。また、搬送機構100Bにおいて、Y軸方向に沿って並ぶ複数の付勢部材910aが、被取付部材380の第1突出部381aと保持部材470との間に配置されてもよいし、Y軸方向に沿って並ぶ複数の付勢部材910bが、被取付部材380の第2突出部381bと保持部材480との間に配置されてもよい。また、第1突出部381aと保持部材470との間に付勢部材910aが配置されなくてもよいし、第2突出部382aと保持部材480との間に付勢部材910bが配置されなくてもよい。
【0189】
また、上記の例では、第1被案内部がZ軸方向に沿って付勢されているが、Z軸方向とは異なる方向に沿って付勢されてもよい。同様に、第2被案内部はZ軸方向とは異なる方向に沿って付勢されてもよい。このような場合、例えば、搬送機構100Aにおいて、保持部材450に対して、被取付部材350が有する被取付部分370の第1部分371の+Y側面を覆う第4板部を設けてもよい。そして、縮んだ状態の付勢部材910aを、第4板部と第1部分371の+Y側面との間に配置してもよい。これにより、第1被案内部である挿通孔部451a,452a,371aがY軸方向に沿って付勢される。具体的には、挿通孔部451a及び452aが+Y方向に付勢されてガイドシャフト810aに当たり、挿通孔部371a-Y方向に付勢されてガイドシャフト810aに当たる。同様に、搬送機構100Aにおいて、保持部材460に対して、被取付部材350が有する被取付部分370の第2部分372の-Y側面を覆う第4板部を設けてもよい。そして、縮んだ状態の付勢部材910bを、保持部材460の第4板部と第2部分372の-Y側面との間に配置してもよい。これにより、第2被案内部である挿通孔部461b,462b,372bがY軸方向に沿って付勢されてガイドシャフト810bに当たる。
【0190】
また、上記の例では、送りねじ700によって搬送される支持部材200を案内するガイド部材800は2つのガイドシャフト810で構成されているが、ガイド部材800はこれに限られない。例えば、ガイド部材800は、一つのガイドシャフト810で構成されてもよいし、3つ以上のガイドシャフト810で構成されてもよいし、ガイドシャフト810以外の部材で構成されてもよいし、少なくとも一つのガイドシャフト810とガイドシャフト810以外の部材とで構成されてもよい。
【0191】
また、上記の例では、支持部材200に設けられた被案内部580は、ガイドシャフト810が挿通される挿通孔部で構成されているが、被案内部580はこれに限られない。以下に、ガイド部材800及び被案内部580の他の例を備える搬送機構100の構成例について説明する。
【0192】
図27は、搬送機構100の他の例である搬送機構100Dを示す概略図である。搬送機構100Dは、例えば、ガイド部材800の他の例であるガイド部材800Dと、支持部材200の他の例である支持部材200Dと、送りねじ700と、付勢部材900とを備える。搬送機構100Dが備える付勢部材900は、例えば少なくとも一つの付勢部材910で構成されている。
【0193】
ガイド部材800Dは一対のレール820を備えている。一対のレール820は、互いに平行となるようにX軸方向に沿って延在しており、支持部材200Dを案内する。支持部材200Dは一対のレール820上を移動する。一対のレール820は、レール支持部1050によって支持されている。レール支持部1050は、筐体2の一部で構成されてもよいし、筐体2以外の部材で構成されてもよい。
【0194】
支持部材200Dは、送りねじ700が取り付けられる被取付部材1000と、車輪部材1010と、被取付部材1000と車輪部材1010とを連結する連結部材1020とを備える。被取付部材1000にはナット部材570が埋め込まれており、当該ナット部材570のねじ孔に送りねじ700が螺合する。
【0195】
車輪部材1010は、例えば、一対の車輪1011と、車軸1012と、付勢部材900の付勢力を車軸1012に伝達する伝達構造1013とを備える。車軸1012の両端に一対の車輪1011がそれぞれ取り付けられている。一対の車輪1011は一対のレール820上で回転することが可能である。支持部材200Dでは、一対の車輪1011が、ガイド部材800D(つまり一対のレール820)による案内を受ける被案内部580Dを構成する。
【0196】
付勢部材910は車輪部材1010を-Z側に付勢する。付勢部材910は、例えば、縮められた状態で被取付部材1000と車輪部材1010の伝達構造1013との間に配置される。付勢部材910が伸びようとする力が付勢力として伝達構造1013を通じて車軸1012に伝達される。車軸1012に伝達された付勢力は一対の車輪1011に伝達される。これにより、一対の車輪1011が、一対のレール820に向けて付勢され、回転可能な状態で一対のレール820に対して押し付けられる。
【0197】
搬送機構100Dでは、送りねじ700の回転に応じて支持部材200DがX軸方向に沿って移動する。このとき、一対の車輪581aが一対のレール820上を回転する。搬送機構100Dにおいても、ガイド部材800Dによる案内を受ける被案内部580Dが、付勢部材900によって、ガイド部材800Dに向けて付勢されることから、支持部材200D及びガイド部材800Dの少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0198】
図28は、搬送機構100の他の例である搬送機構100Eを示す概略図である。搬送機構100Eは、例えば、ガイド部材800の他の例であるガイド部材800Eと、支持部材200の他の例である支持部材200Eと、送りねじ700と、付勢部材900とを備える。搬送機構100Eが備える付勢部材900は、例えば少なくとも一つの付勢部材910で構成されている。
【0199】
搬送機構100Eは、例えばリニアガイド1100を備える。搬送機構100Eでは、リニアガイド1100のレール1110が、支持部材200Eを案内するガイド部材800Eを構成する。また、リニアガイド1100のスライダ1130が、ガイド部材800Eによる案内を受ける被案内部580Eを構成する。リニアガイド1100では、スライダ1130とレール1110との間に複数のボール1120が配置される。レール1110はX軸方向に沿って延在している。スライダ1130は、レール1110に沿って移動することにより、X軸方向に沿って移動する。スライダ1130がレール1110に沿って移動することにより、支持部材200EがX軸方向に沿って移動する。
【0200】
支持部材200Eは、被案内部580E以外にも、送りねじ700が取り付けられる上述の被取付部材1000と、被取付部材1000とスライダ1130とを連結する連結部材1150とを備える。付勢部材910は、例えば、縮められた状態で被取付部材1000とスライダ1130との間に位置する。付勢部材910が伸びようとする力によって、スライダ1130が-Z側に付勢される。これにより、スライダ1130がレール1110に向けて付勢される。
【0201】
搬送機構100Eでは、送りねじ700の回転に応じて、スライダ1130がレール1110に沿って移動する。その結果、支持部材200EがX軸方向に沿って移動する。搬送機構100Eにおいても、ガイド部材800Eによる案内を受ける被案内部580Eが、付勢部材900によって、ガイド部材800Eに向けて付勢されることから、支持部材200E及びガイド部材800Eの少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0202】
図29は、搬送機構100の他の例である搬送機構100Fを示す概略図である。搬送機構100Fは、例えば、ガイド部材800の他の例であるガイド部材800Fと、支持部材200の他の例である支持部材200Fと、送りねじ700と、付勢部材900とを備える。搬送機構100Fが備える付勢部材900は、例えば少なくとも一つの付勢部材910で構成されている。
【0203】
ガイド部材800Fは、例えば、一対のレール850及び851を備える。一対のレール850及び851は、互いに平行となるようにX軸方向に沿って延在している。一対のレール850及び851はY軸方向に沿って並んでいる。レール850は-Y側に位置し、レール851は+Y側に位置する。レール850の+Y側面には、X軸方向に沿って延在する嵌合凹部850aが形成されている。レール851の-Y側面には、X軸方向に沿って延在する嵌合凹部851aが形成されている。
【0204】
支持部材200Fは、ガイド部材800Fによる案内を受ける被案内部580Fを備える。被案内部580Fは、例えば、一対のレール850及び851に沿って移動するスライダ585で構成されている。スライダ585は、例えば、断面ひし形のブロック状部材である。スライダ585の-Y側面には、嵌合凹部850aと嵌合する嵌合突起部585aが設けられている。スライダ585の+Y側面には、嵌合凹部851aと嵌合する嵌合突起部585bが設けられている。スライダ585は、嵌合突起部585a及び585bが嵌合凹部850a及び851aにそれぞれ嵌合した状態で、一対のレール850及び851に沿って移動する。
【0205】
支持部材200Fは、送りねじ700が取り付けられる上述の被取付部材1000と、被取付部材1000とスライダ585とを連結する連結部材1200とを備える。付勢部材910は、例えば、縮められた状態で被取付部材1000とスライダ585との間に位置する。付勢部材910が伸びようとする力によって、スライダ5850が-Z側に付勢される。これにより、スライダ585が一対のレール850及び851に向けて付勢される。
【0206】
搬送機構100Fでは、送りねじ700の回転に応じて、スライダ585が一対のレール850及び851に沿って移動する。その結果、支持部材200FがX軸方向に沿って移動する。搬送機構100Fにおいても、ガイド部材800Fによる案内を受ける被案内部580Fが、付勢部材900によって、ガイド部材800Fに向けて付勢されることから、支持部材200F及びガイド部材800Fの少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。その結果、読取装置1で読み取られた放射線像の画質を向上することができる。
【0207】
なお、搬送機構100では、ガイド部材800がX軸方向に沿って延びる棒状部材で構成され、被案内部580が、当該棒状部材に巻き付けられたワイヤで構成されてもよい。この場合、例えば、ワイヤの一端は、載置部材20及び送りねじ700が取り付けられる被取付部材に固定される。一方で、ワイヤの他端は、伸びた状態の付勢部材910を通じて被取付部材に取り付けられる。これにより、付勢部材910が縮まろうとする力によって、棒状部材に巻きつけられたワイヤの他端が引っ張られて、ワイヤが棒状部材に向けて付勢される。このような搬送機構100では、送りねじの回転に応じてワイヤ及び被取付部材が棒状部材に沿って移動する。ワイヤが棒状部材に向けて付勢されることによって、棒状部材に対するワイヤの締め付けが大きくなり、支持部材及び棒状部材の少なくとも一方に発生するガタつきを抑制することができる。これにより、載置部材20が振動しにくくなり、載置部材20の振動に起因する検出放射線像の画質低下が発生しにくくなる。
【0208】
上記の例では、読取装置1は、筐体2が読取装置1の設置面に沿って延びる横型装置であるが、筐体2が当該設置面に対して上方に延びる縦型装置であってもよい。この場合、イメージングプレート10は搬送機構100によって上方あるいは下方に搬送されてもよい。
【0209】
以上のように、読取装置1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0210】
1 読取装置
10 イメージングプレート
100 搬送機構
200,200A,200B,200C,200D,200E,200F 支持部材
300,350,380,390,400,1000 被取付部材
450,460,470,480,490 保持部材
580,580A,580B,580C,580D,580E,580F 被案内部
585,1130 スライダ
700 送りねじ
800,800D,800E,800F ガイド部材
810,810a,810b ガイドシャフト
820,850,851,1110 レール
900,910,910a,910b 付勢部材
1010 車輪部材
1011 車輪
1110 レール