(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法
(51)【国際特許分類】
C07C 67/52 20060101AFI20240516BHJP
C07C 69/82 20060101ALI20240516BHJP
C07C 67/03 20060101ALI20240516BHJP
C07C 67/56 20060101ALI20240516BHJP
C08J 11/16 20060101ALI20240516BHJP
C08J 11/24 20060101ALI20240516BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240516BHJP
【FI】
C07C67/52
C07C69/82 B
C07C67/03
C07C67/56
C08J11/16
C08J11/24
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2022082456
(22)【出願日】2022-05-19
【審査請求日】2022-05-19
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】廖徳超
(72)【発明者】
【氏名】莊榮仁
(72)【発明者】
【氏名】黄章鑑
(72)【発明者】
【氏名】曾郁迪
(72)【発明者】
【氏名】陳政▲シュン▼
【審査官】石田 傑
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-088096(JP,A)
【文献】再公表特許第2001/019775(JP,A1)
【文献】中国特許出願公開第112724019(CN,A)
【文献】特開2005-264113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生すべきポリエステル織物を提供する準備工程と、
化学解重合液で前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行うことにより、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を含む解重合物を形成する解重合工程と、
前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを水に溶解させることで、水相液体を形成し、前記水相液体を70℃~150℃の溶解温度に加熱させる溶解工程と、
第1の結晶ステップ及び第2の結晶ステップを含む結晶工程と、を含み、
前記第1の結晶ステップは、前記水相液体を70℃~150℃の前記溶解温度から、5℃/min~15℃/minの冷却速度で40℃~60℃の第1の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの少なくとも一部は、前記水相液体から結晶として析出され
、前記水相液体から結晶として析出された前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートをろ過で取り出すことを含み、
前記第2の結晶ステップは、
ろ過した前記水相液体を40℃~60℃の前記第1の結晶温度から、0.10℃/min~0.30℃/minの冷却速度で0℃~10℃の第2の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートのもう一部は、前記水相液体から結晶として析出されることを含む、ことを特徴とする再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項2】
前記溶解工程において、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET):水は、1:3~1:20である、請求項1に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項3】
前記結晶工程によって、前記水相液体から85%以上の前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートが結晶として析出され、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの純度は、99.0%以上である、請求項1に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項4】
前記結晶工程において、前記第1の結晶ステップは、コンデンサーを冷却するための温度15℃~45℃の冷却水(cooling water)で前記水相液体を前記溶解温度から前記第1の結晶温度に冷却することを含み、前記第2の結晶ステップは、コンデンサーを冷却するための温度-10℃~15℃の冷水(chilled water)で前記水相液体を前記第1の結晶温度から前記第2の結晶温度に冷却することを含む、請求項1に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項5】
前記解重合工程において、前記化学解重合液は、解重合触媒の存在で、前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行い、
前記解重合触媒は金属触媒(metal catalyst)であり、前記化学解重合液はエチレングリコール(EG)であり、
前記化学解重合液が解重合温度に加熱されることで、前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行い、
前記解重合温度は、180℃~260℃である、請求項1に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項6】
前記結晶工程で結晶として析出された前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを乾燥することによって、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを得る、乾燥工程を更に含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項7】
前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートは、90以上のL値、-1.0~1.0のa値、及び-2.0~2.0のb値を有する、請求項
6に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【請求項8】
前記溶解工程は、活性炭材料を前記水相液体に添加して、前記活性炭材料で前記再生すべきポリエステル織物に元々存在した不純物を吸着することを含むことによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの前記水相液体での純度を向上させることを更に含む、請求項1に記載の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル材料を回収する方法に関し、特に、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、ポリエステル織物(PET fabric)の化学的再生法では、主に化学解重合液(例えば、エチレングリコール)を用いてポリエステル織物に化学解重合を行うことで、解重合物を形成する。また、当該解重合物は主に、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(bis(2-hydroxyethyl)terephthalate,BHET)を含む。しかし、前記化学的再生法の過程において、複雑な精製工程を行う必要がある。即ち、ポリエステル織物に元々存在した染料などの不純物を除去した後に、BHETを再重合して、高品質の再生ポリエステル粒子(r-PET)を形成する。
【0003】
上述したBHETの精製プロセスにおいて、従来の精製方法では、活性炭材料又はイオン交換樹脂を用いて、エチレングリコール(EG)を含むBHET粗生成物における染料などの不純物を吸着した後に、結晶でBHETを析出・精製する。しかしながら、従来の回収方法は、BHET回収品質(例えば、色合いが悪い)が不良で、低い回収率及び回収のコストが高いとの欠点を有する。
【0004】
米国特許第9255194号明細書には、ポリエステル織物の解重合法が開示されているが、前記解重合法において、染料などの不純物を除去すると共に、触媒を回収することができるが、BHETを精製する際に複雑な精製工程を行う必要があるため、BHETの回収率が低くなると共に、BHETの回収品質が不良である。
【0005】
中国特許第100344604号明細書には、ポリエステル織物の解重合法が開示されているが、前記解重合法において、複雑な精製工程を行う必要があるため、材料の回収のコストが高すぎると共に、BHETの回収品質が不良である。
【0006】
そこで、本発明者は、上述した問題が改善可能であることに鑑みて、鋭意研究を行い学理を併せて運用した結果、設計が合理的で且つ前記問題を効果的に改善することができる方法として本発明に至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第9255194号明細書
【文献】中国特許第100344604号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術の課題は、従来技術の不足に対し、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段は、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法を提供する。再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法は、再生すべきポリエステル織物を提供する準備工程と、化学解重合液で前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行うことにより、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を含む解重合物を形成する解重合工程と、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを水に溶解させることで、水相液体を形成し、前記水相液体を溶解温度に加熱させる溶解工程と、第1の結晶ステップ及び第2の結晶ステップを含む結晶工程と、を含み、なかでも、前記第1の結晶ステップは、前記水相液体を前記溶解温度から第1の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの少なくとも一部は、前記水相液体から結晶として析出されることを含み、前記第2の結晶ステップは、前記水相液体を前記第1の結晶温度から第2の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートのもう一部は、前記水相液体から結晶として析出されることを含む。
【0010】
好ましくは、前記溶解工程において、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET):水は、1:3~1:20である。
【0011】
好ましくは、前記結晶工程において、前記第1の結晶ステップは、前記水相液体を70℃~150℃の前記溶解温度から、40℃~60℃の前記第1の結晶温度に冷却し、冷却速度は、5℃/min~15℃/minであり、7℃/min~12℃/minであることが好ましい。また、前記第2の結晶ステップは、前記水相液体を40℃~60℃の前記第1の結晶温度から、0℃~20℃の前記第2の結晶温度に冷却し、冷却速度は、0.10℃/min~0.30℃/minであり、0.12℃/min~0.25℃/minであることが好ましい。なかでも、前記結晶工程において、前記水相液体から、85%以上の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを析出させると共に、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの純度は、99.0%以上である。
【0012】
好ましくは、前記第1の結晶ステップによって、62.2%~97.1%の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを結晶として析出させ、前記第2結晶ステップによって、2.8%~37.7%の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを結晶として析出させ、それによって、前記結晶工程において、85%以上の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートが結晶として析出され、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの純度は、99.0%以上である。
【0013】
好ましくは、前記結晶工程において、前記第1の結晶ステップは、冷却水(cooling water)で前記水相液体を前記溶解温度から前記第1の結晶温度に冷却することを含み、前記第2の結晶ステップは、冷水(chilled water)で前記水相液体を前記第1の結晶温度から前記第2の結晶温度に冷却することを含む。
【0014】
好ましくは、前記結晶工程において、前記第1の結晶ステップは、前記水相液体から結晶として析出された前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートをろ過で取り出すことを含み、前記第2の結晶ステップは、ろ過した前記水相液体を前記第1の結晶温度から前記第2の結晶温度に冷却することを含む。
【0015】
好ましくは、前記解重合工程において、前記化学解重合液は、解重合触媒の存在で、前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行い、なかでも、前記解重合触媒は金属触媒(metal catalyst)であり、前記化学解重合液はエチレングリコール(EG)である。なかでも、前記化学解重合液が解重合温度に加熱されることで、前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行う。なかでも、前記解重合温度は、180℃~260℃である。
【0016】
好ましくは、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法は、前記結晶工程で結晶として析出された前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを乾燥することによって、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを得る、乾燥工程を更に含む。
【0017】
好ましくは、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートは、90以上のL値、-1.0~1.0のa値、及び-2.0~2.0のb値を有する。
【0018】
好ましくは、前記溶解工程は、活性炭材料を前記水相液体に添加して、前記活性炭材料で前記再生すべきポリエステル織物に元々存在した不純物を吸着することを含むことによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの前記水相液体での純度を向上させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有利な効果として、本発明に係る再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法は、「再生すべきポリエステル織物を提供する準備工程と、化学解重合液で前記ポリエステル織物に化学解重合を行うことにより、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を含む解重合物を形成する工程と、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを水に溶解させることで、水相液体を形成する工程と、前記水相液体を、溶解温度から第1の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの一部を結晶させ、そして、前記水相液体を、第1の結晶温度から第2の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの他部を結晶させる工程と、を含む」といった技術特徴により、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収品質及び回収率を向上する。なお、本発明の実施形態に係る方法は、結晶工程においてエネルギー消費量が低い利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照されたい。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0022】
以下、所定の具体的な実施態様によって本発明に係る実施形態を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行又は適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。また、事前に説明するように、本発明の添付図面は、簡単な模式的説明であり、実際のサイズに基づいて描かれたものではない。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。
【0023】
理解すべきことは、本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」といった用語を用いて各種の素子又は信号を叙述することがあるが、これらの素子又は信号は、これらの用語によって制限されるものではない。これらの用語は主に、1つの素子ともう1つの素子、又は1つの信号ともう1つの信号を区別するためのものである。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つ又は複数の組み合わせを含むことがある。
【0024】
[再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法]
通常、ポリエステル織物には、染料などの不純物が付いている。ポリエステル織物を回収するために、従来の技術において、主に化学解重合液(例えば、エチレングリコール)を用いてポリエステル織物を化学解重合することで、解重合物を形成する。また、当該解重合物は主に、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(bis(2-hydroxyethyl)terephthalate,BHET)を含む。
【0025】
なお、BHETを精製するために、従来の精製方法では、活性炭材料を用いて、エチレングリコール(EG)を含むBHET粗生成物における染料などの不純物を吸着した後に、結晶方法で、BHETを結晶として析出させる。従来の回収方法は、BHET回収品質(例えば、色合いが悪い)が不良で、低い回収率及びエネルギー消費量(特に、結晶工程におけるエネルギー消費量)が高いとの欠点を有する。
【0026】
上記の技術的課題を解決するために、
図1に示すように、本発明の実施形態において、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法を提供する。当該方法は、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収品質及び回収率を効果的に向上すると共に、エネルギー消費量が低いとの利点を有する。前記方法は、工程S110、工程S120、工程S130、工程S140及び工程S150を含む。説明すべきことは、本実施形態における各工程の順番や操作方式はニーズに応じて調整することは可能であり、これに制限されるものではない。
【0027】
前記工程S110は、準備工程(preparation operation)を行うことを含む。前記準備工程は、再生すべきポリエステル織物(recycled polyester fabric)を提供する。また、前記再生すべきポリエステル織物に不純物(impurities)を付けている。なかでも、前記不純物は、例えば染料(dye)及び/又は撥水剤(water repellent)を含むが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0028】
例えば、前記再生すべきポリエステル織物は、染料で染色によって、色(例えば、黒色、赤色、青色・・・など)を与える。なお、前記再生すべきポリエステル織物は、撥水剤処理によって、撥水性が与えられる。
【0029】
前記染料は例えば、天然染料及び合成染料の少なくとも1つであってもよく、若しくは、前記染料は例えば、物理染料及び化学染料の少なくとも1つであってもよい。
【0030】
なお、前記撥水剤は、ポリマーネットワーク架橋構造を有し、また、前記撥水剤は例えば、ケイ素(Si)を含む撥水剤、フッ素(F)を含む撥水剤、フッ素とケイ素を含む撥水剤、又は水性ポリウレタン(PU)撥水剤であってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0031】
本発明の一つの実施形態において、前記再生すべきポリエステル織物は、染色によって、0超え30未満のL値を有する。即ち、前記再生すべきポリエステル織物は、比較的に深い色を有するが、本発明はこれに制限されるものではない。説明すべきことは、前記L値は、Lab色空間(Lab color space)における明度(若しくは色の白色度)を示すパラメータである。
【0032】
前記工程120は、解重合工程(de-polymerization operation)を行うことを含む。前記解重合工程は、化学解重合液で前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行うことにより、解重合物を形成することを含む。なかでも、前記解重合物は主に、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(bis-2-hydroxyethyl terephthalate,BHET)を含む。なお、前記解重合物は、オリゴマー(oligomer)、前記化学解重合液及び前記不純物を更に含む。
【0033】
より具体的に説明すると、前記化学解重合液は例えば、エチレングリコール(ethylene glycol,EG)であってもよい。また、前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行う方法として、例えば、前記再生すべきポリエステル織物がビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を主に含む解重合物に解重合される、エチレングリコールの解重合法が挙げられる。なお、前記解重合物は、ポリエステル織物の解重合で形成されたオリゴマー(oligomer)、前記解重合に用いる化学解重合液(例えば、エチレングリコール)及び再生すべきポリエステル織物に元々存在する不純物を更に含む。
【0034】
特筆すべきことは、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)は、テレフタル酸(PTA)及びエチレングリコール(EG)の中間体である。なお、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートは、ポリエステル(PET)を合成するための原料として用いられる。また、他のモノマーと共に、ポリエステル共重合体を形成することができる。
【0035】
本発明の一つの実施形態において、前記化学解重合液は、解重合触媒(de-polymerization catalyst)の存在で、再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行う。なかでも、前記解重合触媒として、例えば、金属触媒(metal catalyst)であってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。特筆すべきことは、前記解重合触媒は、化学解重合液でポリエステル織物に化学解重合を行う活性化エネルギーを低減させるという役割を果たせる。換言すると、前記解重合触媒は、化学解重合液の再生すべきポリエステル織物に対する化学解重合の反応速度を向上させることができる。
【0036】
本発明の一つの実施形態において、前記金属触媒は例えば、酢酸亜鉛(zinc acetate)、酢酸鉛(lead acetate)、酢酸カドミウム(cadmium acetate)、酢酸カルシウム(calcium acetate)、酢酸バリウム(barium acetate)、酢酸ナトリウム(sodium acetate)、水酸化リチウム(lithium hydroxide)、酢酸水銀(mercury acetate)、酢酸銅(copper acetate)、および酢酸鉄(iron acetate)からなる群から選択される少なくとも1つであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0037】
若しくは、本発明の一つの実施形態において、前記金属触媒は例えば、有機チタン系金属触媒(organo titanium metal catalyst)であってもよい。若しくは、本発明の一つの実施形態において、前記金属触媒は例えば、イオン液体触媒(ionic liquid catalyst)であってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0038】
本発明の一つの実施形態において、前記化学解重合液は、解重合温度に加熱されることで、前記再生すべきポリエステル織物に化学解重合を行う。なかでも、前記解重合温度は、180℃~260℃であることが好ましく、210℃~240℃であることが特に好ましい。前記解重合温度において、前記化学解重合液で再生すべきポリエステル織物に行う化学解重合の効率は効果的に向上すると共に、前記金属触媒の作用は、触媒の作用をより顕著に発揮する。
【0039】
前記工程S130は、前記化学解重合液が前記解重合物から蒸留されることで、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)と前記化学解重合液とを分離する、分離工程(separation operation)を行うことを含む。
【0040】
より具体的に説明すると、前記分離工程において、前記解重合物が蒸発温度に加熱されることで、前記化学解重合液が前記解重合物から蒸留される。なかでも、前記化学解重合液はエチレングリコール(EG)である。なかでも、前記蒸発温度は、150℃~250℃であることが好ましく、160℃~220℃であることは特に好ましい。
【0041】
特筆すべきことは、前記解重合工程(工程S120)で形成された解重合物において、前記化学解重合液の沸点は通常、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の沸点より低い。具体的に説明すると、前記化学解重合液の沸点は、約180℃~220℃であり、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の沸点は、約380℃~420℃であるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0042】
このように、前記分離工程において、混合液体における各成分の沸点が異なることによって、低い沸点を有する化学解重合液は、蒸発で前記解重合物から先に蒸発される。それによって、前記解重合物におけるビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の純度は効果的に向上される。説明すべきことは、前記再生すべきポリエステル織物に元々存在した不純物は、分離工程を行った後でも解重合物に存在し、前記不純物は、この後の活性炭で吸着することで除去される必要がある。
【0043】
前記工程S140は、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を水に溶解させることで、水相液体(water phase liquid)を形成し、前記水相液体を溶解温度に加熱させることによって、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の水での溶解度を向上する、溶解工程を行うことを含む。
【0044】
次に、前記再生すべきポリエステル織物に元々存在した不純物(例えば、有機染料)を除去するため、前記溶解工程は、活性炭材料(activated carbon material)を前記水相液体に添加することによって、前記活性炭材料で前記不純物を吸着することを更に含んでもよい。このように、前記不純物は、解重合物から除去され、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の前記水相液体での純度は、効果的に向上される。
【0045】
活性炭材料の不純物(例えば、有機染料)に対する吸着効率を向上するために、前記活性炭材料の比表面積(specific surface area)は、400m2/g~4,000m2/gであることが好ましく、800m2/g~2,000m2/gであることが特に好ましい。
【0046】
本発明の一つの実施形態において、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を効果的に水に溶解するために、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)と水との重量比(ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET):水)は、1:3~1:20であることが好ましく、1:4~1:15であることが特に好ましい。即ち、前記水相液体において、水の重量は、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の重量の3倍~20倍であることが好ましく、4倍~15倍であることが特に好ましい。
【0047】
本発明の一つの実施形態において、活性炭材料の不純物(例えば、有機染料)に対する吸着効率を向上するために、前記活性炭材料と前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)との重量比(活性炭材料:ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート)は、1:10~1:200であることが好ましく、1:20~1:150であることが特に好ましい。即ち、前記水相液体において、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の重量は、前記活性炭材料の重量の10倍~200倍であることが好ましく、20倍~150倍であることが特に好ましい。
【0048】
本発明の一つの実施形態において、前記水相液体が前記溶解温度に加熱されることで、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)が水に効果的に溶解され、且つ前記活性炭材料は、当該温度で効果的に不純物を吸着することができる。なかでも、前記溶解温度は、70℃~150℃であることが好ましく、80℃~130℃であることが特に好ましい。
【0049】
特筆すべきことは、前記溶解工程において、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)は、水に溶解させることができ、且つ前記解重合物における、不溶性ポリマーが析出されることができる。それによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)と前記ポリマーとは、効果的に分離されることができる。
【0050】
また、特筆すべきことは、その後の結晶工程に有利となるため、前記活性炭材料は先に、フィルターでろ過されることによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)と、不純物を吸着した活性炭材料とを分離させる。
【0051】
前記工程S150は、前記水相液体を冷却させることによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートが、前記水相液体から結晶として析出されて、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(recycled BHET)を得る結晶工程(crystallization operation)を行うことを含む。
【0052】
より具体的に説明すると、第1の結晶ステップ(first crystallization procedure)及び第2の結晶ステップ(second crystallization procedure)をこの順に含む。なかでも、前記第1の結晶ステップは、前記水相液体を前記溶解温度から第1の結晶温度に冷却させることによって、前記水相液体から前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの少なくとも一部を結晶として析出することを含む。また、前記第2の結晶ステップは、前記水相液体を前記第1の結晶温度から第2の結晶温度に冷却させることによって、前記水相液体から前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの他部を結晶として析出することを含む。
【0053】
本発明の一つの実施形態において、前記溶解温度は、70℃~150℃であることが好ましく、80℃~130℃であることが特に好ましい。前記第1の結晶温度は、40℃~60℃であることが好ましく、40℃~50℃であることが特に好ましい。また、前記第2の結晶温度は、0℃~20℃であることが好ましく、0℃~10℃であることが特に好ましい。
【0054】
即ち、前記第1の結晶ステップは、前記水相液体を70℃~150℃の前記溶解温度から、5℃/min~15℃/minの冷却速度で40℃~60℃の前記第1の結晶温度に冷却することを含む。また、前記第2の結晶ステップは、前記水相液体を40℃~60℃の前記第1の結晶温度から、0.10℃/min~0.30℃/minの冷却速度で0℃~20℃の前記第2の結晶温度に冷却することを含む。
【0055】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の結晶ステップによって、62.2%~97.1%の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを結晶として析出させ、前記第2結晶ステップによって、2.8%~37.7%の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを結晶として析出させ、それによって、前記結晶工程において、85%以上の前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを結晶として析出させることができる。
【0056】
本発明の一つの実施形態において、前記第1の結晶ステップは、冷却水(cooling water)で前記水相液体を前記溶解温度から前記第1の結晶温度に冷却し、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)をろ過・析出することで除去された後に、ろ過した前記水相液体が第2の結晶ステップに入れる。また、前記第2の結晶ステップは、冷水(chilled water)で前記水相液体を前記第1の結晶温度から前記第2の結晶温度に冷却することを含む。上述した方法は、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)の回収率、純度を向上し、コストを低減することができる。
【0057】
特筆すべきことは、工業用冷水機の使用工程において、冷却水(cooling water)及び冷水(chilled water)はしばしば言及される。なかでも、冷却水は、コンデンサーを冷却するための、温度15℃~45℃の水である。冷水は、コンデンサーを冷却するための、温度-10℃~15℃の水である。
【0058】
本発明の一つの実施形態において、前記結晶工程において、前記第1の結晶ステップは、前記水相液体から結晶として析出された前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートをろ過で取り出すことを含み、前記第2の結晶ステップは、ろ過した前記水相液体を前記第1の結晶温度から前記第2の結晶温度に冷却することを含む。即ち、前記第2の結晶ステップを行う前に、前記第1の結晶ステップは例えば、結晶として析出された前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートをろ過で取り出してもよい。それによって、前記結晶工程における前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの結晶効率が向上するが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0059】
更に説明すると、本発明の実施形態の再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを回収する方法は、前記結晶工程で析出された全ての前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートをオーブンで乾燥することによって、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(recycled BHET)を得る、乾燥工程(drying operation)を更に含んでもよい。
【0060】
上述した構成により、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(recycled BHET)は、良好な色合い、回収品質及び回収率を有する。なお、本発明の実施例に係る方法は、エネルギー消費量が低い利点を有する。
【0061】
具体的に説明すると、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートは、90以上のL値、-1.0~1.0のa値、及び-2.0~2.0のb値を有する。なお、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートのBHET回収率は85%以上であり、前記再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの純度は、99.0%以上である。
【0062】
説明すべきことは、Lab色空間(Lab color space)は補色空間の一種で、明度を意味する次元Lと補色次元のa及びbを持ち、CIE XYZ色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。
【0063】
[実験データ及び測定結果]
本発明の実施形態に係る再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法は、良好な回収効果を有することを証明するために、以下の実施例1~3及び比較例1~3で説明する。
【0064】
実施例1:
10Lの三つ口フラスコに、1kgのPET織物、6kgのエチレングリコール及び20gの酢酸亜鉛触媒を入れた後に、190℃に加熱し、撹拌で6時間反応し、次に再加熱して反応液の沸騰状態(195℃~210℃)を維持させることで、過剰のEGを蒸留させ、反応液のEG残留量を5%未満にする。
【0065】
反応液を90℃に冷却した後に7kgの水を添加して、90℃に加熱することでBHETを水に溶解させ、30gの活性炭を添加して、90℃で1時間撹拌することで染料などの不純物を吸着した後に、ろ過で活性炭を除去した。
【0066】
90℃のBHETを含有する水溶液を、冷却水を用いて10℃/minの冷却速度で50℃に冷却することによって、BHET結晶を析出させた後に、ろ過で固体BHETを除去した。その後、水溶液に対して第二段階の冷却結晶を行った。
【0067】
第二段階の冷却結晶において、50℃のBHETを含有する水溶液を、冷水を用いて0.2℃/minの冷却速度で5℃に冷却することによって、BHET結晶を析出させた後に、ろ過で固体BHETを除去した。
【0068】
第一段階及び第二段階のBHETを混合・乾燥した後に、BHETの品質について、L=92%、a=0.5、b=1.3であり、回収率が90.0%であり、純度が99.5%である。
【0069】
実施例2:
実施例1において、第一段階の冷却温度を90℃から50℃に冷却する代わりに、第一段階の冷却温度を90℃から60℃に冷却することにした以外に、実施例1と同様にした。BHETの品質について、L=91%、a=0.7、b=1.5であり、回収率が89.7%であり、純度が99.2%である。
【0070】
実施例3:
実施例1において、第一段階の冷却温度を90℃から50℃に冷却する代わりに、第一段階の冷却温度を90℃から40℃に冷却することにした以外に、実施例1と同様にした。
【0071】
BHETの品質について、L=91.2%、a=0.9、b=1.7であり、回収率が89.7%であり、純度が99.4%である。
【0072】
比較例1:
10Lの三つ口フラスコに、1kgのPET織物、6kgのエチレングリコール及び20gの酢酸亜鉛触媒を入れた後に、190℃に加熱して6時間撹拌し、次に再加熱して反応液の沸騰状態(195℃~210℃)を維持させることで、過剰のEGを蒸留させ、反応液のEG残留量を5%未満にする。
【0073】
反応液を90℃に冷却した後に7kgの水を添加して、90℃に加熱することでBHETを水に溶解させ、30gの活性炭を添加して、90℃で1時間撹拌することで染料などの不純物を吸着した後に、ろ過で活性炭を除去した。
【0074】
90℃のBHETを含有する水溶液を、冷却水を用いて0.2℃/minの冷却速度で5℃に冷却することによって、BHET結晶を析出させた後に、ろ過で固体BHETを除去した後に、固体BHETを乾燥した。
【0075】
BHETの品質について、L=83.8%、a=1.1、b=3.9であり、回収率が89.7%であり、純度が98.2%である。
【0076】
比較例2:
10Lの三つ口フラスコに、1kgのPET織物、6kgのエチレングリコール及び20gの酢酸亜鉛触媒を入れた後に、190℃に加熱して6時間撹拌し、次に再加熱して反応液の沸騰状態(195℃~210℃)を維持させることで、過剰のEGを蒸留させ、反応液のEG残留量を5%未満にする。
【0077】
反応液を90℃に冷却した後に7kgの水を添加して、90℃に加熱することでBHETを水に溶解させ、30gの活性炭を添加して、90℃で1時間撹拌することで染料などの不純物を吸着した後に、ろ過で活性炭を除去した。
【0078】
90℃のBHETを含有する水溶液を、冷却水を用いて0.4℃/minの冷却速度で35℃に冷却することによって、BHET結晶を析出させた後に、ろ過で固体BHETを除去した後に、固体BHETを乾燥した。
【0079】
BHETの品質について、L=84.3%、a=0.9、b=3.8であり、回収率が77.4%であり、純度が98.8%である。
【0080】
比較例3:
比較例1において、90℃のBHETを含有する水溶液を、冷水を用いて15℃に冷却することに変更した以外に、比較例1と同様にした。
【0081】
BHETの品質について、L=84.3%、a=1.1、b=4.4であり、回収率が82.6%であり、純度が97.8%である。
【0082】
[実施形態による有利な効果]
本発明に係る再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収率を向上する方法は、「再生すべきポリエステル織物を提供する準備工程と、化学解重合液で前記ポリエステル織物に化学解重合を行うことにより、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラート(BHET)を含む解重合物を形成する工程と、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートを水に溶解させることで、水相液体を形成する工程と、前記水相液体を、溶解温度から第1の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの一部を結晶させ、そして、前記水相液体を、第1の結晶温度から第2の結晶温度に冷却することによって、前記ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの他部を結晶させる工程と、を含む」といった技術特徴により、再生ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタラートの回収品質及び回収率を向上する。なお、本発明の実施形態に係る方法は、結晶工程においてエネルギー消費量が低い利点を有する。
【0083】
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。