(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
G07F 11/44 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
G07F11/44
(21)【出願番号】P 2022083506
(22)【出願日】2022-05-23
(62)【分割の表示】P 2020000473の分割
【原出願日】2020-01-06
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】中西 康之
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-357448(JP,A)
【文献】特開2017-084424(JP,A)
【文献】実開平04-067791(JP,U)
【文献】特開2006-048382(JP,A)
【文献】特開2007-034603(JP,A)
【文献】特開2003-187319(JP,A)
【文献】実開昭53-097699(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0156612(US,A1)
【文献】国際公開第2007/085663(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 5/00-11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給可能な物品供給装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能であって、上面を開口とした箱状の容器と、
前記容器に設けられ、前記容器内に収容されている物品を配給する物品配給部と、
前記容器の下壁部に有底筒状部として設けられ、前記物品配給部を回転可能に配置している配置凹部と、を備え、
前記配置凹部は、前記容器の下壁部の下面から下方に突出し、前記配置凹部の外形の右面及び左面の少なくとも一部を平行な平坦面とし、その他の面を前記有底筒状部を構成する曲面としている、
物品供給装置。
【請求項2】
前記配置凹部は、下面視で円状の有底筒状部を構成し、
前記有底筒状部の外周面が前記平坦面及び前記曲面を含むように構成されている、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記配置凹部は、前記容器を前記装置本体に装着する際の位置決めに利用可能に構成されている、
請求項1又は2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記
物品配給部は、その上面から上方に突出した高背部及び低背部と、複数の物品保持孔とを含み、
前記高背部は、前記物品保持孔の近傍であって回転方向後側に設けられ、前記低背部は、前記物品保持孔の近傍であって回転方向前側に設けられている、
請求項1~3の何れか1項に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記高背部及び前記低背部は、上面視が弓状を成している、
請求項4に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記装置本体は、前記容器が前記装置本体に装着されている状態において、前記容器の前記開口を覆う天板部を含み、
天板部は、平坦な上面を含み、前記装置本体に着脱可能に構成されている、
請求項1~5の何れか1項に記載の物品供給装置。
【請求項7】
前記容器は、前壁部と、前壁部に連なった右壁部及び左壁部とを含み、
前記前壁部と、前記右壁部及び前記左壁部との境界部分が各々の縦断面において互いが平行な直線を成すように構成されている、
請求項1~6の何れか1項に記載の物品供給装置。
【請求項8】
前記容器には、前記
物品配給部の上にある物品を攪拌し、基部と先端部とを有する攪拌部が設けられ、
前記物品配給部は、複数の物品保持孔を含み、
前記攪拌部は、
弾性変形可能な棒状のものであって、前記先端部が前記物品保持孔の上に位置するように設けられている、
請求項1~7の何れか1項に記載の物品供給装置。
【請求項9】
前記攪拌部は、その部位に応じて異なる方向を向くように構成されている、
請求項8に記載の物品供給装置。
【請求項10】
前記装置本体に設けられ、前記
物品配給部から配給された物品を取り出し可能な取出口をさらに備え、
前記取出口は、シャッター部により覆われるように構成され、
前記シャッター部は、前記取出口に導かれた物品の移動を停止させるように構成されている、
請求項1~9の何れか1項に記載の物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を供給可能な物品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前掲の物品供給装置に関し、後記特許文献1には、硬貨投入後にハンドルを回してドラムを回転させることにより、物品収容空間に収容されているカプセル商品を商品排出口に排出可能な自動販売機が開示されている。
【0003】
前掲の自動販売機を含む物品供給装置は、物品収容空間が少なくとも前壁、後壁、左壁、右壁および下壁で囲まれた空間から成る場合、その前壁と左壁の前側部分と右壁の前側部分とを、物品供給装置の外壁の一部を成すように、かつ、透視可能に構成して、需要者が外部から収容物品を視認できるようにしたものが多い。加えて、物品収容数の増加やデザイン的な意図等のために、前壁の外面を縦断面において湾曲線と成るようにしたものもある(特許文献1の
図1および
図4を参照)。
【0004】
ところで、物品供給装置は店内や店外の他に建物内の所定スペース等に設置されるものであるため、前掲のように前壁の外面が縦断面において湾曲線を成す場合、前壁の外面に太陽光や照明光が照射されたときの反射角度が上下方向で一様でないが故に、需要者の目線高さに拘わらず、前壁の外面からの反射光が支障となって外部から収容物品を視認しにくくなる懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、外部からの収容物品の視認性を向上した物品供給装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様としての物品供給装置は、物品収容空間に収容されている物品を供給可能な物品供給装置であって、物品収容空間は、少なくとも前壁、後壁、左壁、右壁および下壁で囲まれた空間から成り、前壁と、左壁の前側部分と、右壁の前側部分と、が物品供給装置の外壁の一部を成すように、かつ、透視可能に構成され、前壁と左壁との境界部分の外面と、前壁と右壁との境界部分の外面と、が各々の横断面において湾曲線と成り、前壁の外面と、左壁の前側部分の外面と、右壁の前側部分の外面と、が各々の縦断面において互いが平行な直線と成るように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る物品供給装置によれば、外部からの収容物品の視認性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(A)は本発明を適用した物品供給装置の前面図、
図1(B)は同物品供給装置の左側面図、
図1(C)は同物品供給装置の上面図である。
【
図2】
図2(A)は前記物品供給装置の前面扉を開放した状態を示す
図1(A)対応の前面図、
図2(B)は前記物品供給装置の天板部を取り外した状態を示す
図1(C)対応の上面図(容器に配置された部品は省略)、
図2(C)は
図2(B)から容器を外部に取り出した後の状態を示す上面図である。
【
図3】
図3(A)~
図3(C)は容器を構成する部品と組み立て方法の説明図である。
【
図4】
図4(A)は前記物品供給装置の容器(容器に配置された部品は省略)の左側面図、
図4(B)は同容器の上面図、
図4(C)は同容器の下面図である。
【
図5】
図5(A)は前記物品供給装置の物品配給部の拡大上面図、
図5(B)は同物品配給部の拡大左側面図、
図5(C)は同物品配給部を容器に配置した状態を示す部分拡大縦断面図、
図5(D)は同物品配給部の変形例の説明図である。
【
図6】
図6(A)は
図4(B)に示した容器に誘導部、第1規制部、第2規制部、撹拌部および売切検知レバーを配置した状態を示す拡大上面図、
図6(B)は
図6(A)に示した撹拌部の側面から見た態様を示す部分図である。
【
図7】
図7(A)は
図6(A)に示した容器にさらに滑動部を配置した状態を示す上面図、
図7(B)は
図7(A)に示した滑動部を左側面から見た態様を示す
図4(A)対応の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、便宜上、
図1(A)の手前側を前、奥側を後、右側を左、左側を右、上側を上、下側を下と表記し、他の図についてもこれに準じて向きを表記する。
【0011】
まず、
図1および
図2を用いて、本発明を適用した物品供給装置10の全体構成を説明する。なお、この説明では、便宜上、後述の容器19の一部の符号を用いるが、容器19の具体構成と容器19に配置された部品については後に詳述する。
【0012】
物品供給装置10は、装置本体11と、天板部12と、開閉扉13と、容器19とを主に備える。
【0013】
《装置本体11》
装置本体11は、前壁部11aと、後壁部11bと、左壁部11cと、右壁部11dと、上壁部11eと、下壁部11fと、を有する外観が概ね直方体状を成している(
図1(B)、
図2(B)および
図2(C)を参照)。前壁部11aの前面下端には、容器19の前端部分と同じ外形の張出部11a1が在るため、装置本体11の下面視形は天板部12の上面視形と略同じである(
図1(B)、
図1(C)および
図2(C)を参照)。換言すれば、物品供給装置10の下面視形と上面視形は略同じである。また、張出部11a1の左側の上には、取出口17の下部を囲む連続した張出部11a2が在り、この張出部11a2の左右方向寸法は前壁部11aの左右方向寸法の約1/2である(
図1(A)、
図2(A)および
図2(C)を参照)。
【0014】
装置本体11は、前壁部11aの上側部分と、左壁部11cの前側部分と、右壁部11dの前側部分と、上壁部11eの前側部分とが切除されたような態様を成しているため、装置本体11の前面上部には、容器19の装着および引き出しを物品供給装置10の前から行うための開口(符号省略)が在る(
図1(B)および
図2(C)を参照)。
【0015】
前掲の開口を通じて物品供給装置10(装置本体11)に容器19(
図4を参照)を装着するとき、装置本体11の左壁部11cの前端と、右壁部11dの前端と、上壁部11eの前端は、容器19の左・右面の前後方向の略中央に設けられた後面視が逆L状を成す左右の段差部19fと当接して装着位置を規定する位置決め部11c1、11d1および11e1として機能する(
図2(B)および
図2(C)を参照)。無論、装着状態において、各段差部19fを上壁部11eの前端(位置決め部11e1)と当接しないように例えば上壁部11eの前端(位置決め部11e1)に凹みを設けて、各段差部19fを左壁部11cの前端(位置決め部11c1)と右壁部11dの前端(位置決め部11d1)にのみ当接させるようにしてもよい。
【0016】
ちなみに、図示例の物品供給装置10では、デザイン的な意図により、装置本体11の左壁部11cの前端(位置決め部11c1)の下部と右壁部11dの前端(位置決め部11d1)の下部のそれぞれに、同一形の丸みが設けられ(
図1(B)および
図2(C)を参照)、容器19(
図4を参照)の各段差部19fにも同様の丸みが設けられている。
【0017】
図1(A)および
図1(B)から分かるように、装着後の容器19(
図4を参照)は、前面壁部19aと左壁部19cの前側部分19c1と右壁部19dの前側部分19d1とが、物品供給装置10(装置本体11)の外壁の一部と成る。加えて、容器の前面壁部19aと左壁部19cの前側部分19c1と右壁部19dの前側部分19d1はそれぞれ透視可能であるため、需要者は外部から容器19に収容されている物品AR(
図7を参照)を視認できる。ちなみに、容器19は、装着状態から引き出すことの他に、物品供給装置10(装置本体11)から外部に取り出すことも可能である。
【0018】
また、装置本体11の左壁部11cと右壁部11dのそれぞれには、前壁部11aの上面左右端の上に位置するように、前面視が矩形状のガイド部11c2および11d2が設けられている(
図1(A)、
図1(B)、
図2(A)および
図2(C)を参照)。各ガイド部11c2および11d2の前端は前壁部11aの前面よりも前方に突出していて、各々の前端面は閉塞状態の開閉扉13の前面と略面一である(
図1(B)および
図2(C)を参照)。
【0019】
加えて、ガイド部11c1の右面は左壁部11cの内面よりも右方に突出し、かつ、ガイド部11d1の左面は右壁部11dの内面よりも左方に突出していて、各突出部分の上面は、容器19の装着および引き出しを行うときに、容器19の左壁部19cの後側部分19c2の下端と右壁部19dの後側部分19d2の下端を支持する前後方向のガイド面11c3および11d3となっている(
図2(C)および
図4を参照)。
【0020】
さらに、装置本体11の前壁部11aの前面には、開閉扉13のロック部13cに対応した係合部13c1と、物品供給用の回転可能な操作部14と、硬貨投入部15と、投入硬貨を返却するための返却ボタン16と、物品ARを外部に取り出すための前面視が矩形状の取出口17と、取出口17の内側に配置された可動式のシャッター部18と、が設けられている(
図2(A)を参照)。
【0021】
操作部14には操作シャフト14aが連結されていて、操作シャフト14aの後端は後壁部11bの内面に設けられたギヤ機構14b(複数の平歯車で構成されたもの等)に接続されている(
図2(C)を参照)。このギヤ機構の最上位のギヤには、装着状態の容器19の物品配給部20(
図5~
図7を参照)のギヤ部20gが開放部19h6を通じて噛合可能である。
【0022】
図示を省略したが、操作部14は硬貨投入部15に所定金額の硬貨が投入されたことを条件として、すなわち、代価の支払いに基づいて操作(回転)できるようになっている。具体的には、代価の支払いが為されていないときにソレノイド駆動のロックレバー等を用いたロック機構(図示省略)によって操作部14を操作(回転)できないようにしておき、代価の支払いに基づいてロック機構によるロックを解除して操作部14を操作(回転)できるように構成されている。
【0023】
取出口17の後側には、容器19の配給口19h5から配給された物品ARを取出口17に導くための供給通路17a(
図2(C)および
図4を参照)が設けられている。図示例の物品供給装置10では、供給通路17aとして傾斜板17bを内蔵した箱状のものを示しているが、容器19の配給口19h5から配給された物品ARを取出口17に導くことが可能であれば屈曲または湾曲した筒状のものや溝状のものを供給通路としてもよい。
【0024】
図示を省略したが、図示例の物品供給装置10では、容器19の配給口19h5から配給された物品ARが供給通路17aを通過したときに、これを反射型や透過型の光センサで検知できるようになっている。すなわち、光センサの検知信号に基づき供給有りをカウントして物品ARの残数管理を行うこともでき、前面扉13等に別途設けたLED等の発光素子を供給有りのときのみに点灯または点滅させて需要者に供給有りを視覚的に通知することもできる。
【0025】
《天板部12》
天板部12は、厚さが一定で平坦な上面を有し、装置本体11の上壁部11eの上面に着脱可能に設けられている。図示を省略したが、上壁部11eの上面には位置決め用の少なくとも2個の凹部が在り、天板部12の下面にはこの凹部に挿入可能な位置決め用の少なくとも2個の凸部が在る。加えて、上壁部11eの上面に天板部12をネジを用いて固定するために、少なくとも2個のネジ穴が上壁部11eの上面に在り、これに対応する少なくとも2個のネジ挿入孔が天板部12に在る。このネジ穴およびネジ挿入孔は、前掲の位置決め用の凹部および凸部の中央に形成してもよい。
【0026】
また、天板部12の上面の前部には、左右方向の溝部12aが在る。この溝部12aは、物品供給装置10で供給可能な物品ARに関する説明文や画像等が掲載された紹介パネルや他の宣伝用のパネル等を、着脱可能に差し込んで配置するためのものである。
【0027】
天板部12の厚さを一定としその上面を平坦とした理由は、天板12の取り扱いを容易にすることと、物品供給装置10の最大上下方向寸法を小さくすること、にある。加えて、天板部12を着脱可能とした理由は、天板部12を取り外した後の装置本体11の上壁部11eの上面に、別の物品供給装置10を積み重ねて設置できるようにすること、にある。ちなみに、装置本体11の上壁部11eの上面に積み重ねられた別の物品供給装置10は、適当な連結具を用いて、下側の物品供給装置10(天板部12は無し)と連結される。
【0028】
物品供給装置10の積み重ねについて補足すると、図示例の物品供給装置10は、天板部12を取り外すと上面視で容器19の前側部分が開放した状態となるが(
図2(B)を参照)、別の物品供給装置10を積み重ねると、容器19の開放部分は、別の物品供給装置10の装置本体11の下壁部11fおよび張出部11a1の下面で閉塞されるため、閉塞専用の別部品を必要としない。
【0029】
《開閉扉12》
開閉扉13の上面左右端には、装置本体11の各ガイド部11c2および11d2の前端突出部分を受容する切り欠き13a1が在り、下面左側には、装置本体11の前壁部11aの張出部11a2と取出口17の上部とを囲む切り欠き13a2が在り、前面右側の下部には装置本体11の前壁部11aの張出部11a2と上面視で略左右対称形を成す張出部13a3が在る(
図1(A)、
図2(A)および
図2(C)を参照)。
【0030】
開閉扉13は、左側のガイド部11d1の前端突出部分と張出部11a2との間の部分(軸支部)13bを、左側のガイド部11d1の前端突出部分と張出部11a2とに設けられた軸部13b1に回転可能に支持され、上面視で時計回り方向と反時計回り方向の回転を可能としている(
図2(A)を参照)。
【0031】
また、開閉扉13には、開閉扉13を閉塞状態でロックするためのロック部13が設けられているとともに、閉塞状態において、前記の操作部14、硬貨投入部15および返却ボタン16のそれぞれを開閉扉13の前面に露出させるための露出孔13d、13eおよび13fが在る(
図1(A)および
図2(A)を参照)。
【0032】
さらに、閉塞状態の開閉扉13の内面上端は、装着状態の容器19のストッパ部19gと当接して、容器19の引き出しを阻止する引き出し阻止部(符号省略)として機能する(
図1(A)、
図1(B)および
図2(A)を参照)。すなわち、装着状態の容器19は、前面扉13が開放されていることを条件とした引き出しを可能としているため、前面扉13が閉塞している状態では引き出すことはできない。
【0033】
次に、
図3を用いて、容器19を構成する部品と組み立て方法を説明し、続いて、
図4を用いて、容器19の具体構成を説明する。なお、
図3で使用した19Aおよび19Bは容器19を構成する部品を指す符号であり、
図4で使用した符号19a、19bとは異なる。
【0034】
《容器19を構成する部品と組み立て方法、
図3を参照》
容器19は、第1部品19Aと、第2部品19Bと、から構成されている。第1部品19Aは不透明な部品であり、後壁19A1と、左壁19A2と、右壁19A3と、下壁19A4とを有する。下壁19A4の前後方向寸法は、左壁19A2および右壁19A3の前後方向寸法よりも大きい。また、左壁19A2および右壁19A3の前端には、左右方向外側に張り出した鍔部19A21および19A31が設けられており、下壁19A4の前側部分の左右方向寸法は、左壁19A2の鍔部19A21の左面と右壁19A3の鍔部19A31の右面との左右方向間隔と同じである。
【0035】
第2部品19Bは透明または透明に近い半透明の部品であり、前壁19B1と、左壁19B2と、右壁19B3と、を有する。前壁19B1、左壁19B2および右壁19B3の上下方向寸法は、第1部品19Aの後壁19A1、左壁19A2および右壁19A3の上下方向寸法よりも大きく、左壁19B2の内面と右壁19B3の内面との左右方向間隔は、第1部品19Aの左壁19A2の鍔部19A21の左面と右壁19A3の鍔部19A31の右面との左右方向間隔と同じである。また、左壁19B2および右壁19B3の上面後端には、左右方向内側に張り出した突部19B21および19B31が設けられており、各突部19B21および19B31の左右方向寸法は、第1部品19Aの左壁19A2の厚さと鍔部19A21の左右方向寸法との和および右壁19A3の厚さと鍔部19A31の左右方向寸法との和と同じである。
【0036】
前掲の第1部品19Aと第2部品19Bを用いて容器19を組み立てるときは、第2部品19Bの前壁19B1の内面が第1部品19Aの下壁19A4の前側部分の前面に当接させ、かつ、第2部品19Bの突部19B21および19B31の下面が、第1部品19Aの鍔部19A21および鍔部19A31の上に位置するようにする。そして、第2部品19Bの突部19B21および19B31を、第1部品19Aの鍔部19A21および鍔部19A31に連結する。
【0037】
前掲の連結は、第2部品19Bの突部19B21および19B31に設けたネジ挿入孔に挿入したネジを、第1部品19Aの鍔部19A21および19A31に設けたネジ穴にねじ込む方法を好ましく挙げることができる。無論、第2部品19Bの突部19B21および19B31の下面を、接着剤を用いて、第1部品19Aの鍔部19A21および19A31の上面に接合する方法や、第2部品19Bが第1部品19Aと接する部分を接着剤を用いて接合する方法も採用可能であり、これら方法を前掲のネジ止めと併用することも可能である。
【0038】
組み立て後の容器19は、第1部品19Aの後壁19A1、左壁19A2、右壁19A3および下壁19A4と、第2部品19Bの前壁19B1、左壁19B2と、右壁19B3とで囲まれた空間が、物品収容空間(符号省略)と成る。
【0039】
《容器19の具体構成、
図4を参照》
容器19は、前壁部19aと、後壁部19bと、左壁部19c、右壁部19dおよび下壁部19eを有し、かつ、上面を開口した箱状を成し、外観が直方体状である。すなわち、この容器19は、5個の壁部19a~19eで囲まれた内部空間が、物品収容空間(符号省略)となっている。
【0040】
容器19の前壁部19aと、左壁部19cの前側部分19c1と、右壁部19dの前側部分19d1と、が物品供給装置10の外壁の一部を成すように、かつ、透視可能(透明または透明に近い半透明)に構成され、左壁部19cの後側部分19c2と、右壁部19dの後側部分19d2と、後壁部19bと、下壁部19eが透視不能(無彩色と有彩色の別は問わない)に構成されている。
【0041】
また、容器19の左壁部19cの左面と右壁部19dの右面の前後方向の略中央には、後面視が逆L状を成す左右の段差部19fが在り、各段差部19fの上端部分は、左壁部19cの後側部分19c2と右壁部19dの後側部分19d2の上面前端に位置している。この段差部19fが在ることにより、下壁部19eの前側部分19e1の左右方向寸法は、後側部分19e2の左右方向寸法よりも大きい。加えて、各段差部19fの下部には、先に述べた装置本体11の左壁部11cの前端(位置決め部11c1)の下部と右壁部11dの前端(位置決め部11d1)の下部のそれぞれと同一形の丸みが設けられている。
【0042】
さらに、容器19の前壁部19aの前面と、左壁部19cの前側部分19c1の左面と、右壁部19dの前側部分19d1の右面と、が各々の縦断面において互いが平行な直線と成るように構成され、前壁部19aと左壁部19cとの境界部分19a1の外面と、前壁部19aと右壁部19dとの境界部分19a2の外面と、が各々の縦断面において前記の直線と平行な直線と成るように構成されている。加えて、前壁部19aの前面と、各境界部分19a1および19a2と、が各々の横断面において湾曲線と成るように構成されている。
【0043】
さらに、容器19の下壁部19aの後側部分には、下壁部19aの上面に物品配給部20用の配置凹部19h1を形成するための下面視が円状の有底筒状部19hが設けられ、配置凹部19h1の内形の左右方向寸法は、下壁部19aの後側部分の上面の左右方向寸法に一致している。加えて、有底筒状部19hは、下壁部19eの後側部分19e2の下面から下方に突出した突出部分19h2を有し、突出部分19h2の外形の左右方向寸法は、下壁部19eの下面の後側部分の左右方向寸法よりも僅かに小さい。
【0044】
詳しく述べると、容器19の有底筒状部19hの突出部分19h2の外形の左右方向寸法と下壁部19eの後側部分19e2の下面の左右方向寸法との差は、容器19の左壁部19cの後側部分19c2の厚さと前記右壁部の後側部分の厚さとの和に等しい。これを実現するため、有底筒状部19hの突出部分19h2の左右部分それぞれには、容器19の左壁部19cの後側部分19c2の左面および右壁部19dの後側部分19d2の右面と平行な平坦面19h3が設けられている。
【0045】
さらに、容器19の配置凹部19h1の底面(有底筒状部19hの下壁上面)の中央には、物品配給部20を回転可能に支持するための上面視が円状の軸部19h4が設けられ、その外側には、物品ARを供給通路17aに落下させるための上面視が円状の配給口19h5が貫通して設けられている。加えて、配置凹部19h1の後端には、縦断面がL状を成す開放部19h6が設けられている。この開放部19h6は、容器19を装着したときに、物品配給部20のギヤ部20gを、先に述べた装置本体11の後壁部11bの内面に設けられたギヤ機構14b(
図2(C)を参照)の最上位のギヤに噛合させるためのものである。
【0046】
次に、
図5~
図7を用いて、容器19に配置された部品(物品配給部20、誘導部21、第1規制部22、第2規制部23、撹拌部24、売切検知レバー25および滑動部26の構成を説明する。
【0047】
《物品配給部20、
図5を参照)》
物品配給部20は、上面視が円状で上壁を有する筒状の配給部本体20aと、配給部本体20aの上壁に上面視で等角度間隔で貫通して設けられた上面視が略円状の複数(図示例の物品配給装置10では5個)の物品保持孔20bと、配給部本体20aの上壁の中央に設けられた略5角柱状の隆起部20cとを有する。配給部本体20aの外形は、容器19の配置凹部19h1の内形よりも僅かに小さい。ちなみに、各物品保持孔20bの上面視形は、物品ARが入り込み、かつ、通過できる上面視形であれば、円形とする必要はない。
【0048】
また、物品配給部20の各物品保持孔20bの上端近傍の回転方向後側(回転方向は
図5(A)の矢印を参照)には、配給部本体20aの上面から上方に突出した高背部20dが設けられ、各物品保持孔20b上端近傍の回転方向前側(回転方向は
図5(A)の矢印を参照)には、配給部本体20aの上面から上方に突出した低背部20eが設けられている。低背部20eの上下方向寸法は、高背部20dの上下方向寸法よりも小さい。
【0049】
物品配給部20の高背部20dそれぞれは、上面視が弓状を成し、各々の内面が物品保持孔20bの内面と段差無く連続し、低背部20eそれぞれは、上面視が弓状を成し、各々の内面が物品保持孔20bの内面と段差無く連続している。加えて、物品保持孔20b毎の高背部20dと低背部20eの対は、配給部本体20a(物品配給部20)の外周において離反している。
【0050】
なお、
図5(A)~
図5(C)には、物品配給部20の物品保持孔20bが存しない箇所で隣接する高背部20dと低背部20eも配給部本体20a(物品配給部20)の外周において離反しているものを示したが、
図5(D)に示したように、同離反箇所に、低背部20eと同一または僅かに小さな上下方向寸法を有し、かつ、上面視が配給部本体20a(物品配給部20)の外周と同じ弓状を成す補助低背部20e1を設けてもよい。
【0051】
物品配給部20の高背部20dと低背部20eについて補足すると、図示例の物品供給装置10では、隆起部20cの外周面に、物品保持孔20b毎の高背部20dと低背部20eの対それぞれに対応し、かつ、各対の高背部20dと低背部20eの内面と連続する5個の湾曲面(符号省略)が在るため、各物品保持孔20bの上には、高背部20dの内面と低背部20eの内面と湾曲面とで構成され、かつ、外周部分が開放した上面視がC状の面が存在することになる。無論、隆起部20cの上面視形を小さくし、かつ、高背部20dと低背部20eの内側部分を延長して、各物品保持孔20bの上に、高背部20dの内面と低背部20eの内面とで構成され、かつ、外周部分が開放した上面視がC状の面を形成してもよい。
【0052】
さらに、物品配給部20は、隆起部20cの上面中央に先鋭な突起部20c1を有し、隆起部20の下面中央の下に下面視が円状の軸支部20fを有し、配給部本体20aの下部にフェースギヤ状の環状のギヤ部20gを有する。軸支部20fは、容器19の軸部19h4に回転可能に支持される部分である。
【0053】
物品配給部20は、
図5(C)に示した態様にて、容器19の配置凹部に回転可能に配置されている。ちなみに、物品ARを供給するときの物品配給部20の回転方向は上面視で時計回り方向(
図5(A)の矢印を参照)であり、物品保持孔20bが5個の場合、操作部14に対する1回の操作(回転)で物品配給部20が回転する角度は約72度である。
【0054】
図5(C)から分かるように、物品配給部20が容器19の配置凹部19h1に配置された状態において、各物品保持孔20bの上端は配置凹部19h1の上端よりも上方に突出していない。この「突出していない」は、各物品保持孔20bの上端が配置凹部19h1の上端と一致する場合の他、各物品保持孔20bの上端が配置凹部19h1の上端よりも低い場合とを含む。
【0055】
物品配給部20の各高背部20dは、物品配給部20が容器19の配置凹部19h1に配置された状態において、各々が配置凹部19h1の上端よりも上方に突出しており、一方、各低背部20dは、物品配給部20が容器19の配置凹部19h1に配置された状態において、各々が配置凹部19h1の上端よりも上方に突出する場合と突出しない場合とを含む。この「突出しない」は、物品配給部20が容器19の配置凹部19h1に配置された状態において、各物品保持孔20bの上端が配置凹部19h1の上端よりも低く、かつ、この低さが各低背部20dの上下方向寸法以上の場合に該当する。
【0056】
《誘導部21、第1規制部22、第2規制部23、撹拌部24および売切検知レバー25、
図6を参照》
容器19の配置凹部19h1に物品配給部20を配置した後の容器19には、
図6(A)に示した誘導部21、第1規制部22、第2規制部23、撹拌部24および売切検知レバー25が適宜配置される。
【0057】
誘導部21は、容器19の下壁部19eの上面の後端左側の上に配置された部品であって、同箇所に侵入した物品ARを傾斜した上面を利用して前方に導く役目を果たす。この誘導部21は、図示省略のネジ等を用いて容器19の下壁部19に固定されている。無論、この誘導部21は予め容器19と一体に形成されていてもよい。
【0058】
第1規制部22は、容器19の下壁部19eの上面の後端右側の上に配置された部品であって、容器19の配給口19h5の上で停止した物品配給部20の物品保持孔20bにその上から物品ARが落下して入り込むことを防ぐ役目を果たす。この第1規制部22は、容器19の配給口19h5の上で停止しようとする物品配給部20の物品保持孔20bに既に入り込んでいる物品ARに接触しないように、図示省略の高さ調整部品およびネジ等を用いて容器19の下壁部19に固定されている。ちなみに、第1規制部22の上面は、第1規制部22の上に侵入した物品ARを前方または斜め前方に導くことができるような傾斜面とすることが好ましい。
【0059】
第2規制部23は、前記第1規制部22の内側に第1規制部22と非接触で配置された部品であって、容器19の配給口19h5の上で停止した物品配給部20の物品保持孔20bにその前から物品ARが入り込むことを防ぐ役目を果たす。この第2規制部23は、弾性変形可能な棒状のもの、例えば引っ張りコイルバネ状の部品から成り、容器19の配給口19h5の上で停止しようとする物品配給部20の物品保持孔20bに既に入り込んでいる物品ARに接触しないように、図示省略の高さ調整部品およびネジ等を用いてその両端を容器19の下壁部19eに固定されている。
【0060】
撹拌部24は、複数(図示例の物品供給装置10では3個)用いられ、物品配給部20の隆起部20cに配置された部品であって、物品配給部20の上にある物品ARを撹拌する役目を果たす。各撹拌部24は、弾性変形可能な棒状のもの、例えば引っ張りコイルバネ状の部品から成り、物品配給部20の物品保持孔20bに既に入り込んでいる物品ARに接触しないように、かつ、各々が斜め上方を向くように、各々の基部24aを図示省略のネジ等を用いて物品配給部20の隆起部20cに固定されている。
【0061】
撹拌部24について補足すると、物品配給部20の物品保持孔20bが5個で撹拌部24は3個の場合、
図6(A)に示したように、3個の撹拌部24は上面視で120度間隔で配置されており、そのうちの1個は5個の物品保持孔20bのうちの2個の物品保持孔20bの孔間部分の上に位置するように配され、残りの2個は5個の物品保持孔のうちの他の2個の物品保持孔20bの上に位置するように配されている。ちなみに、各撹拌部24の形は、
図6(B)にも示したように、上方向に向く基部24aと、斜め上方に向く中間部24bと、横方向に向く先端部24cと、を連続して有する形が好ましい。
【0062】
各撹拌部24に前掲の配置態様と形を採用した理由は、物品配給部20の上にある物品ARの撹拌を良好に行うことと、物品配給部20の物品保持孔20b(第1規制部22の下にある物品保持孔20bを除く)への物品ARの入り込みをスムースに行うこと、にある。
【0063】
無論、物品配給部20の物品保持孔20bが5個以外で撹拌部24が3個以外の場合でも、複数の撹拌部のうちの一部をその先端が複数の物品保持孔のうちの一部の孔間部分の上に位置するように配し、複数の撹拌部のうちの他部をその先端が前記複数の物品保持孔のうちの他部の上に位置するように配せば、同様の恩恵が得られる。
【0064】
売切検知レバー25は、容器19の下壁部19eの上面における配置凹部19h1の前側に配置された部品であって、容器19の配給口19h5の手前位置で停止した物品配給部20の物品保持孔20bに物品ARが入っているか否かを検知する役目を果たす。売切検知レバー25は、上面視がL状の部品から成り、後端の屈曲部が容器19の配給口19h5の手前位置で停止した物品配給部20の物品保持孔20bに入り込むように、図示省略のネジ等を用いて容器19の下壁部19eに回転自在に支持され、かつ、図示省略のねじりコイルバネ等によって上面視で時計回り方向に付勢されている。
【0065】
売切検知レバー25について補足すると、売切検知レバー25は、容器19の配給口19h5の手前位置で停止した物品配給部20の物品保持孔20bに物品ARが入っていないときには、図示省略のねじりコイルバネ等の付勢力によってて
図6(A)の実線位置に回転変位し、同手前位置で停止した物品配給部20の物品保持孔20bに物品ARが入っているときには、同物品ARの押圧によって
図6(A)の2点鎖線位置に回転変位する。よって、売切検知レバー25の前端の位置を、オンオフスイッチや、反射型や透過型の光センサを用いた検知機構で検知できるように構成しておけば、これらの検知信号に基づき物品ARが売切であるか否かを検出することができる。
【0066】
《滑動部26、
図7を参照》
滑動部20は、容器19の下壁部19eの前側部分19e1の上に配置された部品であって、容器17に収容された物品ARを後方に導く役目を果たす。滑動部20は、板状で、後端に上面視が円弧状の凹み26aを有し、左端と右端のそれぞれに左右面視が3角状の壁部26bを有しており、容器19の下壁部19eと上下方向に隙間(売切検知レバー25と非接触とするための隙間)が空き全体が後下がりに傾くように、かつ、凹み26aが上から見て容器19の配置凹部19h1内に張り出さないように、図示省略の高さ調整部品およびネジ等を用いて容器19の下壁部19eに固定されている。
【0067】
次に、前述の物品供給装置10の使用方法および動作を主たる作用効果を交えて説明する。なお、ここでの容器19は、誘導部21、第1規制部22、第2規制部23、撹拌部24、売切検知レバー25および滑動部26が配置されたもの(
図7を参照)である。また、ここでは、物品供給装置10が
図1の状態にあり、かつ、容器19の物品収容空間に物品ARが多数個収容されている状態を説明開始点とする。
【0068】
物品ARは、分割な可能な球状ケース内に玩具が収納されたもの、これを合成樹脂フィルムで覆ったもの、玩具自体が球状でこれを合成樹脂フィルムで覆ったもの等である。すなわち、転がりが期待できる外形を有していれば必ずしも球形である必要ななく、玩具の種類にも特段の制限はない。
【0069】
《物品ARの供給に係る使用方法および動作》
需要者は、物品ARの購入に先立ち、容器19の透視可能な部分(前壁部19a、左壁部19cの前側部分19c1、右壁19dの後側部分19d2)を通じて、容器19に収容されている物品ARを視認する。そして、物品ARを購入しようとする需要者は、硬貨投入部15に所定金額の硬貨を投入し、操作部14を所定角度(例えば約360度)回転させる。
【0070】
操作部14は、硬貨投入部15に所定金額の硬貨が投入されると、ロック機構によるロックが解除されて操作(回転)できるようになる。また、操作部14が操作(回転)されると、操作シャフト14aを通じてギヤ機構14bが動作し、ギヤ機構14bの最上位のギヤが噛合している物品配給部20のギヤ部20gが所定角度(物品保持孔20bが5個の場合は約72度)回転して、物品配給部20の物品保持孔20bのうちの容器19の配給口19h5の手前位置の物品保持孔20bに入り込んでいる物品ARが、容器19の配給口19h5を通じて供給通路17aに落下し、落下した物品ARが取出口17に導かれる。取出口17に導かれた物品ARはシャッター部18に当接して停止するため、需要者は、シャッター部18を指先で押し退けて、取出口17から物品ARを取り出す。
【0071】
前述の物品供給装置10では、容器19の前壁部19aの前面(外面)と、左壁部19cの前側部分19c1の左面(外面)と、右壁部19dの前側部分19d1の右面(外面)と、が各々の縦断面において互いが平行な直線と成るように構成され、しかも、前壁部19aと左壁部19cとの境界部分19a1の外面と、前壁部19aと右壁部19dとの境界部分19a2の外面と、が各々の縦断面において前記の直線と平行な直線と成るように構成されている。そのため、物品供給装置10が店内や店外の他に建物内の所定スペース等に設置された場合でも、容器10の透視可能な部分の外面に照射される太陽光や照明光の反射角度を上下方向で一様とすることができる。よって、需要者の目線高さに拘わらず、前掲の反射光が支障となって外部から収容物品ARを視認しにくくなることを防止して、外部からの収容物品ARの視認性を格段に向上することができる。また、前壁部19aと左壁部19cとの境界部分の外面と、前壁部19aと右壁部19dとの境界部分の外面と、が各々の横断面において湾曲線と成るように構成されている。そのため、前壁部19aの外面を平坦な面で構成し、前壁部19aと左壁部19cとの境界部分と前壁部19aと右壁部19dとの境界部分から丸みを除外して上面視で直角に交わるように構成した場合と比較して、外部からの収容物品ARの視認性を向上することができる。さらに、横断面において湾曲線と成るように構成したことにより、容器19における上述の境界部分に人間が不意に衝突又は接触した際にも怪我等のリスクを低減することができ、安全に配慮したものとなっている。
【0072】
また、前述の物品供給装置10では、容器19の配置凹部19h1の内形の左右方向寸法が下壁部19eの後側部分19e2の上面の左右方向寸法に一致しているため、容器19の配置凹部19h1の内形の左右方向寸法が下壁部19eの後側部分19e2の上面の左右方向寸法よりも小さい場合に比べて、容器19の左右方向寸法、ひいては物品供給装置10の左右方向寸法を小さくすることが可能である。よって、物品供給装置10の1台当たりの設置スペースを低減することができるとともに、物品供給装置10を左右に並べて設置する場合の設置台数の増加も可能となる。
【0073】
さらに、前述の物品供給装置10では、物品配給部20の各物品保持孔20bの上端近傍の回転方向後側に高背部20dを設け、各物品保持孔20b上端近傍の回転方向前側に低背部20eを設けているので、滑動部26によって物品配給部20の上に導かれる物品ARを高背部20dで受け止めて物品保持孔20bに確実に入り込ませることができ、これによって、容器19に収容されている物品ARを最後の1個まで供給することができる。
【0074】
さらに、前述の物品供給装置10では、各撹拌部24に先に述べた配置態様と形を採用することによって、物品配給部20の上にある物品ARの撹拌を良好に行えるとともに、物品配給部20の物品保持孔20b(第1規制部22の下にある物品保持孔20bを除く)への物品ARの入り込みをスムースに行うことができる。
【0075】
さらに、前述の物品供給装置10では、容器19は、物品供給装置10に装着された状態において、前壁部19aと左壁部19cとの境界部分の下端と、前壁部19aと右壁部19dとの境界部分の下端とが、前記ガイド部11d2のガイド面11d3に支持されないように構成されているので、容器19を物品供給装置10に装着する際に、ガイド面11d3上での移動距離を最小限とし、装着の際の手間を低減することができる。
【0076】
《物品ARの補充に係る使用方法および動作》
需要者による物品ARの供給に伴って、容器19の配給口19h5の手前位置で停止した物品配給部20の物品保持孔20bに物品ARが入っていないときには、売切検知レバー25が
図7に示した位置に回転変位して、同回転変位に基づき検知機構によって売り切れが検知される。
【0077】
売り切れが検知されたとき、物品供給装置10の所有者、または、所有者から管理委託を受けているメンテナンス業者は、開閉扉13のロックを解除し開閉扉13を開放してから容器19を引き出すか、あるいは、外部に取り出して、物品ARの補充を行う。物品ARを補充した後の容器19は再度装着され、装着後に開閉扉13が閉塞されて再びロックされる。
【0078】
前述の物品供給装置10は、装置本体11の左右2個のガイド部11c1および11d2の前後方向のガイド面11c3および11d3に、容器19の左壁部19cの後側部分19c2の下端と右壁部19dの後側部分19d2の下端が支持される構成が採用されているため、前記の物品補充に伴う容器19の引き出しおよび取り出しと再装着を的確に行うことができる。換言すれば、容器19の配置凹部19h1の内形の左右方向寸法が下壁部19eの後側部分19e2の上面の左右方向寸法に一致させた場合でも、容器19の左右方向寸法を増加させることなく、容器19の引き出しおよび取り出しと再装着を良好に行うことができる。
【0079】
次に、前述の物品供給装置10の変形例を説明する。
【0080】
前述の物品供給装置10では、物品供給装置10への装着と物品供給装置10からの引き出しを可能とした容器19の内部空間を物品収容空間として用いたものを示したが、容器19を使用せず、装置本体11の前壁部11aの上側部分と、左壁部11cの上部前側部分と、右壁部11dの上部前側部分とを、物品供給装置10の外壁の一部を成すように、かつ、透視可能に構成した場合(前述の特許文献1を参照)でも、各々を外面を縦断面において互いが平行な直線と成るように構成すれば、外部からの収容物品ARの視認性を同様に向上することができる。
【0081】
また、前述の物品供給装置10では、容器19の各段差部19fの下部と、装置本体11の左壁部11cの前端の下部と右壁部11dの前端の下部のそれぞれに同一形の丸みを設けたものを示したが、これらから丸みを排除して直線状に構成した場合でも、容器19の前壁部19aの外面と、左壁部19cの前側部分19c1の外面と、右壁部19dの前側部分19d1の外面と、が各々の縦断面において互いが平行な直線と成るように構成されていれば、外部からの収容物品ARの視認性を同様に向上することができる。
【0082】
さらに、前述の物品供給装置10では、硬貨投入部15に所定金額の硬貨を投入することによって代価の支払いを行うものを示したが、電子マネーカードを用いた代価支払いや、スマートフォン等によるコード決済(代価支払い)が可能な機器を硬貨投入部15に代えて採用してもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…物品供給装置、11…装置本体、11a…前壁部、11b…後壁部、11c…左壁部、11c1…位置決め部、11c2…ガイド部、11c3…ガイド面、11d…右壁部、11d1…位置決め部、11d2…ガイド部、11d3…ガイド面、11e…上壁部、11f…下壁部、12…天板部、12a…溝部、13…前面扉、13b…軸支部、13b1…軸部、14…操作部、14a…操作シャフト、14b…ギヤ機構、15…硬貨投入部、16…返却ボタン、17…取出口、17a…供給通路、18…シャッター部、19…容器、19A…第1部品、19B…第2部品、19a…前壁部、19a1,19a2…境界部分、19b…後壁部、19c…左壁部、19c1…左壁部の前側部分、19c2…左壁部の後側部分、19d…右壁部、19d1…右壁部の前側部分、19d2…右壁部の後側部分、19e…下壁部、19f…段差部、19g…ストッパ部、19h…有底筒状部、19h1…配置凹部、19h2…突出部分、19h3…平坦面、19h5…配給口、20…物品配給部、20a…配給部本体、20b…物品保持孔、20d…高背部、20e…低背部、20f…軸支部、20g…ギヤ部、21…誘導部、22…第1規制部、23…第2規制部、24…撹拌部、24a…基部、24b…中間部、24c…先端部、25…売切検知レバー、26…滑動部、AR…物品。