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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】POI人気度導出装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/908 20190101AFI20240516BHJP
   G06F 16/909 20190101ALI20240516BHJP
   G06F 16/35 20190101ALI20240516BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240516BHJP
【FI】
G06F16/908
G06F16/909
G06F16/35
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022527625
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 JP2021017381
(87)【国際公開番号】W WO2021241154
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2020091196
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】大西 杏菜
(72)【発明者】
【氏名】川崎 仁嗣
(72)【発明者】
【氏名】深澤 佑介
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-235597(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186235(WO,A1)
【文献】特開2018-055525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人気度を付与する対象となる人気度付与POI名称のそれぞれに対し、POI名称の共起語として利用される特徴語を付与することで、前記人気度付与POI名称と前記特徴語とが対応付けられた人気度付与POI辞書を生成する辞書生成部と、
所定の基準に基づいて、投稿データから、検索対象となる投稿データを抽出する抽出部と、
前記辞書生成部により生成された前記人気度付与POI辞書を参照しながら、前記抽出部により抽出された前記投稿データを、前記特徴語に関する所定のルールに基づいて検索することで、前記人気度付与POI名称に紐づけられる前記投稿データを抽出し、抽出された前記人気度付与POI名称ごとの前記投稿データの数に基づいて前記人気度付与POI名称ごとの人気度を導出する人気度導出部と、
を備え、
前記人気度導出部は、複数の場所に在る複数のPOIを含んだ予め定められた総合的な施設に関するPOI名称については、当該施設に関する複数のPOI名称をシノニムとし、
前記複数のPOI名称のうち、代表的なPOI名称と前記代表的なPOI名称以外のPOI名称とで、予め定められた規則に基づく重み付けをして、当該人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データをカウントする、
POI人気度導出装置。
【請求項2】
前記人気度導出部は、異なるPOIについて同じ人気度付与POI名称が存在する同名POI名称については、
抽出された前記投稿データが同一都道府県の駅名を含むとの条件、抽出された前記投稿データが同一都道府県におけるPOIがある市区町村名を含むとの条件、および、抽出された前記投稿データが同一エリア内の別のPOIのPOI名称を含むとの条件、のうち1つ以上を含んだ予め定められた条件を充足する場合に、人気度導出の基礎となる前記投稿データの数として当該投稿データをカウントする、
請求項1に記載のPOI人気度導出装置。
【請求項3】
前記人気度導出部は、POIが在る都道府県名を含んだユニークなPOI名称については、
前記人気度付与POI辞書において前記人気度付与POI名称に対応付けられた前記特徴語を見ることなく、人気度導出の基礎となる前記投稿データの数として、当該人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データをカウントする、
請求項1又は2に記載のPOI人気度導出装置。
【請求項4】
前記人気度導出部は、POI名称とPOI名称以外とで共通に用いられる名称については、前記人気度付与POI辞書において前記人気度付与POI名称に対応付けられた前記特徴語のうち、都道府県および市区町村を除いた特徴語を含む投稿データをカウントする、
請求項1~3の何れか一項に記載のPOI人気度導出装置。
【請求項5】
前記人気度導出部は、同一POIに関するPOI名称のシノニムが存在する場合は、さらに、シノニムに紐づけられる投稿データを抽出し、抽出されたシノニムについての前記投稿データの数をさらに基礎として前記人気度を導出する、
請求項1~4の何れか一項に記載のPOI人気度導出装置。
【請求項6】
前記抽出部は、所定のチェックインアプリケーションによって投稿されたPOI訪問に関する投稿データを検出し、検出されたPOI訪問に関する前記投稿データを、人気度導出のための投稿データとして抽出する、
請求項1~の何れか一項に記載のPOI人気度導出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、SNS(Social Networking Service)の投稿データ(例えば、Twitter(登録商標)に投稿されたツイート)からPOI(Point of Interest)の人気度を導出するPOI人気度導出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、SNSの投稿データ(例えば、Twitterに投稿されたツイート)から、さまざまなPOIの人気度を導出する技術が提案されている(特許文献1参照)。一般的には、POI名称が投稿データに出現する回数などに基づいてPOIの人気度を導出する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開WO2018/186235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したPOI名称が投稿データに出現する回数などに基づいてPOIの人気度を導出する技術では、POI名称と投稿データの記述とを単純にキーワードマッチングしただけでは、例えばPOI名称とそれ以外(例えば人名)とで同音異義語が存在する場合、投稿者がそのPOIについて言及しているか否かが不明であり、また、所在地が異なる複数のPOIに対し同一のPOI名称(例えば京都府に在る清水寺と、長野県に在る清水寺など)が存在する場合には、投稿者がどのPOIについて言及しているかが不明である。このような場合を考慮しつつ人気度導出の精度を維持するために、人間が投稿データを目視で確認して、POI名称が投稿データに出現する回数としてカウントすべきか否かを個別に判別する処理が必要であった。
【0005】
しかし、上記の点の改善については、特許文献1を初め、どの文献にも提案されていない。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決するべく、人手の介入を減らしつつ、POIの人気度を精度良く導出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るPOI人気度導出装置は、人気度を付与する対象となる人気度付与POI名称のそれぞれに対し、POI名称の共起語として利用される特徴語を付与することで、人気度付与POI名称と特徴語とが対応付けられた人気度付与POI辞書を生成する辞書生成部と、所定の基準に基づいて、投稿データから、検索対象となる投稿データを抽出する抽出部と、前記辞書生成部により生成された人気度付与POI辞書を参照しながら、前記抽出部により抽出された投稿データを、前記特徴語に関する所定のルールに基づいて検索することで、人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データを抽出し、抽出された人気度付与POI名称ごとの投稿データの数に基づいて人気度付与POI名称ごとの人気度を導出する人気度導出部と、を備える。
【0008】
上記のPOI人気度導出装置では、辞書生成部が、人気度を付与する対象となる人気度付与POI名称のそれぞれに対し、POI名称の共起語として利用される特徴語を付与することで、人気度付与POI名称と特徴語とが対応付けられた人気度付与POI辞書を生成する。一方、抽出部が、所定の基準に基づいて、投稿データから、検索対象となる投稿データを抽出する。そして、人気度導出部が、辞書生成部により生成された人気度付与POI辞書を参照しながら、抽出部により抽出された投稿データを、特徴語に関する所定のルールに基づいて検索することで、人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データを抽出し、抽出された人気度付与POI名称ごとの投稿データの数に基づいて人気度付与POI名称ごとの人気度を導出する。これにより、人気度付与POI名称と特徴語(POI名称の共起語として利用される特徴語)とが対応付けられた人気度付与POI辞書を参照しながら、特徴語に関する所定のルールに基づいて投稿データが検索されて、人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データが抽出される。さらに、抽出された人気度付与POI名称ごとの投稿データの数に基づいて、人気度付与POI名称ごとの人気度が導出されるため、人手の介入を減らしつつ、POIの人気度を精度良く導出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、人手の介入を減らしつつ、POIの人気度を精度良く導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】POI人気度導出装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】POI人気度導出装置において実行される処理概要を示すフロー図である。
図3図2の処理を説明するための図である。
図4】人気度付与POI辞書の一例を示す図である。
図5】さまざまな共起語対応を説明するための図である。
図6】紐づけリストの一例を示す図である。
図7】POI人気度導出装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、POI人気度導出装置の一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るPOI人気度導出装置10は、辞書生成部11、抽出部12、および人気度導出部13を備える。以下、各部の機能、動作等について説明する。
【0012】
辞書生成部11は、人気度を付与する対象となる人気度付与POI名称を選定し、選定された人気度付与POI名称のそれぞれに対し、POI名称の共起語として利用される特徴語を付与することで、人気度付与POI名称と特徴語とが対応付けられた人気度付与POI辞書11Aを生成する機能部である。人気度付与POI名称の選定方法と、人気度付与POI辞書11Aの生成方法の一例は、後述する。
【0013】
抽出部12は、所定の基準に基づいて、投稿データから、検索対象となる投稿データを抽出する機能部であり、例えば、日本語の投稿データのみを抽出する、他人の投稿のコピー等でなくオリジナルの投稿データのみを抽出する、といった予め定められた基準に基づいて投稿データを抽出し、人気度導出部13へ渡す。
【0014】
人気度導出部13は、辞書生成部11により生成された人気度付与POI辞書11Aを参照しながら、抽出部12により抽出された投稿データを、特徴語に関する所定のルールに基づいて検索することで、人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データを抽出し、抽出された人気度付与POI名称ごとの投稿データの数に基づいて人気度付与POI名称ごとの人気度を導出する機能部である。例えば、上記の人気度付与POI名称と、紐づく投稿データとを含んだ紐づけリスト13Aが形成され、紐づけリスト13Aにおける人気度付与POI名称ごとの投稿データの数に基づいて人気度付与POI名称ごとの人気度が導出される。実際には、異なるPOIについて同じ人気度付与POI名称が存在する同名POI名称(例えば清水寺)が存在するなど、複数のパターンが有るため、単純に、紐づけリスト13Aにおける人気度付与POI名称ごとの投稿データの数を、人気度付与POI名称ごとの人気度として導出するわけではない。本件における人気度の導出方法の詳細は、後述する。
【0015】
以下、図2図6を参照しながら、POI人気度導出装置10において実行される処理について説明する。以下では、「投稿データ」の一例として、Twitterに投稿されたツイートを用いる例を説明する。
【0016】
図2および図3に示すように、辞書生成部11が、人気度を付与する対象となる人気度付与POI名称を選定し、選定された人気度付与POI名称のそれぞれに対し、POI名称の共起語として利用される特徴語を付与することで、人気度付与POI名称と特徴語とが対応付けられた人気度付与POI辞書11Aを生成する(ステップS1)。ここで例えば、辞書生成部11は、形態素解析辞書(例えばmecab-ipadic-NEologd)を用いて固有名詞と判断されるPOI名称、ユニークな名称であり人気度を導出した方がよいと思われる特定カテゴリ(例えば遊園地、待ち合わせ場所など)のPOI名称などを、人気度付与POI名称として選定する。また、辞書生成部11は、選定された人気度付与POI名称のそれぞれに対し、人気度付与POI名称の共起語として利用される特徴語を付与する。図4に示すように、人気度付与POI名称の共起語として利用される特徴語としては、「カテゴリ」、左記のカテゴリの上位概念に当たる「上位カテゴリ」、POIが在る「都道府県」、POIが在る「市区町村」、「POIに関する説明文から作成される特徴語」などが挙げられる。例えば、東京都港区に在るラーメン屋のPOI名称「XXX」については、カテゴリとして「ラーメン屋」、上位カテゴリとして「飲食店」、都道府県として「東京都」、市区町村として「港区」といった特徴語が付与される。また、北海道の札幌市に在る「円山公園」については、カテゴリおよび上位カテゴリとして「公園」、都道府県として「北海道」、市区町村として「札幌市」といった特徴語が付与され、さらに図4の下段に例示した円山公園に関する説明文から、円山公園に関連性の有る単語(POI名称)「円山球場、円山競技場、坂下グラウンド、北海道神宮、円山動物園、円山原始林」が抽出され、特徴語として付与される。
【0017】
一方、抽出部12は、所定の基準に基づいて、Twitterに投稿されたツイートデータから、検索対象となるツイートデータを抽出する(ステップS2)。ここで例えば、抽出部12は、日本語のツイートのみを抽出する、他人のリツイートおよび引用リツイートを除外しオリジナルのツイートのみを抽出する、といった予め定められた基準に基づいて、ツイートデータを抽出して人気度導出部13に渡す。
【0018】
そして、人気度導出部13は、人気度付与POI辞書11Aを参照しながら、上記抽出された投稿データを、特徴語に関する所定のルールに基づいて検索することで、人気度付与POI名称に紐づけられる投稿データを抽出し、抽出された人気度付与POI名称ごとの投稿データの数に基づいて人気度付与POI名称ごとの人気度を導出する(ステップS3)。このとき、人気度導出部13は、人気度付与POI名称と、紐づく投稿データとを含んだ紐づけリスト13Aを形成する。
【0019】
図6に、紐づけリスト13Aの一例を示す。図6に例示した紐づけリスト13Aは、人気度付与POI名称と、対応付けられた特徴語(図6では「カテゴリ」と「都道府県」を例示)と、紐づくツイートと、紐づけ時に認識された共起語対応の種別と、を含む。共起語対応の種別は、POI名称、特徴語および紐づくツイートの関係性から、後述する複数パターンの共起語対応の処理のうち、どの処理を行うべきかを示す種別であり、ここでは(1)~(4)の計4つの種別を例示する。以下、図5および図6を用いて、複数パターンの共起語対応の処理を説明する。
【0020】
図5の最上部に示す共起語対応(4)は、POI名称とPOI名称以外(特に、地名)とで共通に用いられる名称などに関する個別対応であり、図6に例示した「吉祥寺」のように、東京都内の地名であるとともに東京都に在る仏閣のPOI名称でもある名称を対象とする。この共起語対応(4)では、特徴語のうち、都道府県および市区町村を除いた特徴語を含むツイートをカウントする。そのため、図6に示す「吉祥寺」に紐づくツイート例のうち、「東京の吉祥寺」は、都道府県名である「東京」を含むので、カウントされないが、「吉祥寺って仏閣がある」は、特徴語のうち、都道府県および市区町村を除いた特徴語「仏閣」を含むので、カウントされる。なお、上記のような共起語対応(4)は、上記の「吉祥寺」の例以外では、例えば、道の駅(商業施設、休憩施設、地域振興施設等が一体となった道路施設)の名称について実行される。
【0021】
次に、共起語対応(3)は、東京ディズニーランド、大阪城など、都道府県名を含んだユニークなPOI名称などに関する対応であり、特徴語を参照することなく、紐づくツイートをカウントする。そのため、図6に示す「東京ディズニーランド」に紐づくツイート例「東京ディズニーランド行った」は、特徴語を含まないものの、特徴語を参照しないという上記規則に従い、カウントされる。
【0022】
次に、共起語対応(2)は、異なるPOIについて同じ人気度付与POI名称が存在する同名POI名称に関する対応であり、
・同一都道府県の駅名を含むとの条件
・同一都道府県におけるPOIがある市区町村名を含むとの条件
・同一エリア内の別のPOIのPOI名称を含むとの条件
のうち、1つ以上を充足するツイートをカウントする。そのため、図6に示すPOI名称「清水寺」のうち、京都府に在る「清水寺」に紐づくツイート例のうち、「清水寺行った」と「長野の清水寺に行った」は、京都府の「清水寺」に関する特徴語を含まないのでカウントされず、一方、「京阪電鉄の祇園四条駅からバスで清水寺行った。京都旅行を満喫中」は、特徴語「京都府」に関する「京都」を含み、同一都道府県(京都府)の駅名である「祇園四条駅」を含むとの条件を充足するのでカウントされる。一方、千葉県に在る「清水寺」に紐づくツイート例のうち、「清水寺行った」と「京都の清水寺に行った」は、千葉県の「清水寺」に関する特徴語を含まないのでカウントされず、「千葉県いすみ市の清水寺に行った」は、特徴語「千葉県」を含み、同一都道府県におけるPOIがある市区町村名(いすみ市)を含むとの条件を充足するのでカウントされる。なお、上記3つの条件は代表的な例であり、これら以外の条件を含んでもよい。
【0023】
さらに、共起語対応(1)は、前述した共起語対応(4)~(2)の対象とならないPOI名称に関する通常対応であり、POI名称に関する特徴語のうち、いずれか1つを含むツイートをカウントする。そのため、図6に示すPOI名称「としまえん」に紐づくツイートのうち、「としまえん楽しい」は、POI名称「としまえん」に関する特徴語を含まないのでカウントされず、一方「としまえん行った。やっぱり遊園地はいいね」は、POI名称「としまえん」に関する特徴語「遊園地」を含むので、カウントされる。
【0024】
人気度導出部13は、人気度付与POI名称に紐づくツイートのうち、上記のような共起語対応(4)~(1)にしたがってカウントすべきツイートの数をカウントし、得られたカウント数を人気度付与POI名称ごとの人気度として導出する。導出された人気度付与POI名称ごとの人気度は、予め定められたタイミング又はオンデマンドで外部に出力される。
【0025】
図2の一連の処理は、対象とされる人気度付与POI名称に関し予め定めたシノニム(同義語)についても、同様に実行される。例えば、「東京ディズニーランド」に関し「TDL」がシノニムとして予め定められている場合、人気度付与POI名称「東京ディズニーランド」について導出された人気度aと、そのシノニム「TDL」について導出された人気度bとを合計した「a+b」が、人気度付与POI名称「東京ディズニーランド」についての人気度とされる。これにより、シノニムも考慮した、より精度の高い人気度が得られる。
【0026】
以上説明した発明の実施形態により、従来は人間が投稿データを目視で確認して、POI名称が投稿データに出現する回数としてカウントすべきか否かを個別に判別する処理が必要であったところを、人手の介入を減らしつつ、POIの人気度を精度良く導出することができる。
【0027】
また、さまざまな共起語対応を実行することで、以下のような効果を奏する。人気度導出部13が、共起語対応(2)において、同名POI名称に関して、前述した「同一都道府県の駅名を含むとの条件」などの予め定めた条件を充足する場合に、ツイートの数として当該ツイートをカウントすることで、同名POI名称のうち、意図しないPOI名称に関するツイートであると誤って判断される可能性を減らし、POI人気度の導出精度を向上させることができる。
【0028】
また、人気度導出部13が、共起語対応(3)において、東京ディズニーランド、大阪城など、都道府県名を含んだユニークなPOI名称などを含むツイートにつき、特徴語を参照することなくカウントすることで、処理量を減らし、処理速度を向上させることができる。
【0029】
また、人気度導出部13が、共起語対応(4)において、特徴語のうち、都道府県および市区町村を除いた特徴語を含むツイートをカウントすることで、POI名称とPOI名称以外(特に、地名)とで共通に用いられる名称(例えば吉祥寺)などにつき、POI名称以外で用いられていると推定されるツイートを除外し、POI名称として用いられているツイートのみをカウントすることができ、POI人気度の導出精度を向上させることができる。
【0030】
そして、人気度導出部13が、上記のような特殊なケースに共起語対応(2)~(4)を行い、これら以外の通常ケースに共起語対応(1)の通常対応を行うことで、ケース内容に応じた適切な対応を実行することができる。
【0031】
以上説明した発明の実施形態に対し、さらに改善を施した2つの例を以下に説明する。
【0032】
(改善例1)
改善例1は、複数の場所に在る複数のPOIを含んだ総合的な施設に関するPOI名称についての取り扱いでの改善例であり、このような総合的な施設の一例として、複数の場所に在る複数のキャンパスを含む「大学」が挙げられる。そこで、大学に関するPOI名称についての取り扱いにつき、以下に例示する。
【0033】
例えば、東京大学については、「国立東京大学」という代表的なPOI名称とともに、「東京大学本郷キャンパス」、「東京大学駒場キャンパス」といった個別のキャンパスを示すPOI名称が存在する。これらは、「東京大学」を共通に含むため、ツイートと紐づけて、前述したシノニムに関する対応を行うと、同じ人気度が導出される。つまり、代表的なPOI名称と個別のキャンパスを示すPOI名称とで、同じ人気度が導出される。
【0034】
しかし、代表的なPOI名称の人気度が、個別のキャンパスを示すPOI名称の人気度よりも高くなるように、重み付けしたいというニーズが有る。
【0035】
そこで、上記ニーズを踏まえ、人気度導出部13は、上記のような大学に関する複数のPOI名称をシノニムとし、代表的なPOI名称と個別のキャンパスを示すPOI名称とで、以下のように重み付けをしてもよい。即ち、人気度導出部13は、POI名称「〇〇大学」に関し、前述したシノニム対応で導出された人気度をnとすると、「○○大学」、「○○大学Aキャンパス」、「○○大学Bキャンパス」が混在する場合、「○○大学」で終わるPOI名称を代表的なPOI名称として人気度をnとし、個別のキャンパスを示すPOI名称(m個)についてはそれぞれ、按分、即ち、人気度を「n/(m+1)」とする。これにより、代表的なPOI名称の人気度が、個別のキャンパスを示すPOI名称の人気度よりも高くなるように調整することができる。
【0036】
その他、POI名称「○○大学」が1つしかない場合は、当該POI名称の人気度をnとしてよいし、「○○大学」で終わるPOI名称が無い場合は、代表的なPOI名称となるものが無いため、全てのPOI名称の人気度をnとしてよい。
【0037】
(改善例2)
改善例2は、チェックインアプリケーション(例えばSwarm(登録商標))によって自動生成されたツイート利用して、訪問したPOIを判定し、そのPOI名称の人気度導出に利用する改善例である。
【0038】
チェックインアプリケーションは、ユーザがある店舗に来店すると、ユーザ端末のGPSによるチェックイン機能(来店の自動検知機能)を利用し、例えば「I’m at 店舗名 in 地名」といった定型的な書式を含むツイートを自動的に投稿する。そこで、抽出部12は、上記のような定型的な書式をキーにして、チェックインアプリケーションによって投稿されたPOI訪問(店舗への来店)に関するツイートを検出し、検出されたツイートを人気度導出のためのツイートデータとして抽出する。
【0039】
チェックインアプリケーションによって自動生成されたツイートでは、POI名称(店舗名)の表記揺れが非常に少なく、また、訪問した特定のPOI(来店した店舗)に言及している可能性が高い。そのため、上記のような改善例2により、結果的に、POI人気度の導出精度を向上させることができる。
【0040】
[用語、変形態様などについて]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0041】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0042】
例えば、一実施の形態におけるPOI人気度導出装置は、本実施形態における処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、POI人気度導出装置10のハードウェア構成例を示す図である。上述のPOI人気度導出装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0043】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。POI人気度導出装置10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0044】
POI人気度導出装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0045】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0046】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0047】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0048】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0049】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0050】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。 また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0051】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0052】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0053】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0054】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0055】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0056】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0057】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0058】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…POI人気度導出装置、11…辞書生成部、11A…人気度付与POI辞書、12…抽出部、13…人気度導出部、13A…紐づけリスト、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。
図1
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図7