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特許7489496底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F16M 11/26 20060101AFI20240516BHJP
   F25D 23/10 20060101ALI20240516BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
F16M11/26 R
F25D23/10
F25D23/00 303
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022579678
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 CN2021092303
(87)【国際公開番号】W WO2021227972
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202010614722.1
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(73)【特許権者】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】王 常志
(72)【発明者】
【氏名】費 斌
(72)【発明者】
【氏名】夏 恩品
(72)【発明者】
【氏名】朱 小兵
(72)【発明者】
【氏名】李 康
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-177690(JP,U)
【文献】実開昭58-177691(JP,U)
【文献】中国実用新案第204611230(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106568288(CN,A)
【文献】中国実用新案第210398217(CN,U)
【文献】特開平07-180795(JP,A)
【文献】米国特許第04991805(US,A)
【文献】特開2000-297898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/00
F16M 7/00
F25D 23/00
A47L 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底脚調整システムであって、
一部が主動回転軸を形成する主動回転輪と、
前記主動回転軸の外周に巻設される伝動ベルトと、
スクリューと従動ディスクを有し、前記スクリューは、前記底脚調整システムが取り付けられた装置の底部のネジ孔に回動可能に螺接され、前記従動ディスクは、外周が前記伝動ベルトに嵌着されて、前記主動回転軸に伝動可能に接続され、かつ前記スクリューに固定して接続されるか、又は前記スクリューと一体化しており、前記スクリューを回動させる底脚と、を含み、
前記底脚は、
一部が支持台を形成し、前記従動ディスクが前記支持台に設けられる支持ベースと、
前記支持台の下方に転動可能に設けられるローラと、をさらに含み、
前記支持台には、前記支持台の主板面の厚さ方向に貫通しているネジ無し孔が開けられ、
前記従動ディスクは前記ネジ無し孔の上方に位置し、
前記底脚は、一端が前記従動ディスクに固定して接続されるか、又は前記従動ディスクと一体化しており、他端が前記ネジ無し孔を貫通して前記ネジ無し孔の下周縁と嵌合して、前記従動ディスクがその回転軸線の方向に沿って前記支持台に対して直線運動するときの自由度を制限する接続部材をさらに含む、
底脚調整システム。
【請求項2】
前記伝動ベルトの内周縁にベルト歯が形成されており、
前記主動回転軸は歯車軸であり、外周縁に前記ベルト歯と噛み合う第1輪歯が形成されており、
前記従動ディスクは円盤状であり、外周縁に前記ベルト歯と嵌め合う第2輪歯が形成されている、
請求項1に記載の底脚調整システム。
【請求項3】
前記従動ディスク及び前記スクリューの回転軸線は、前記従動ディスクの中心軸線及び前記スクリューの中心軸線と同軸であり、
前記従動ディスクは前記スクリューの底部セクションから径方向に外に延在している、
請求項1に記載の底脚調整システム。
【請求項4】
前記ローラは水平方向に延在しているローラ軸と、前記ローラ軸の周りに回動するローラ本体と、を含み、
前記支持台は前記支持ベース上の水平板状壁部であり、前記従動ディスクは前記支持台に回動可能に設けられ、
前記支持ベースは、前記支持台から下方に延在しており、前記ローラ軸と嵌合する軸孔を有し、前記ローラ軸が前記支持ベースに回動可能に接続されることを可能にする下向き軸連結部をさらに含む、
請求項に記載の底脚調整システム。
【請求項5】
前記主動回転輪は、外周に少なくとも1つの凹溝又は突起が形成されて、スパナ工具及び/又は別の伝動ベルトと嵌合する円盤状の主動ディスクをさらに含み、
前記主動ディスクは、前記主動回転軸に固定して接続されるか、又は前記主動回転軸と一体化しており、前記主動回転軸を回動させ、
前記主動ディスク及び前記主動回転軸の回転軸線は、前記主動ディスクの中心軸線、及び前記主動回転軸の中心軸線と同軸であり、
前記主動ディスクは、前記主動回転軸の底部セクションから径方向に外に延在している、
請求項1に記載の底脚調整システム。
【請求項6】
底脚調整システムであって、
一部が主動回転軸を形成する主動回転輪と、
前記主動回転軸の外周に巻設される伝動ベルトと、
スクリューと従動ディスクを有し、前記スクリューは、前記底脚調整システムが取り付けられた装置の底部のネジ孔に回動可能に螺接され、前記従動ディスクは、外周が前記伝動ベルトに嵌着されて、前記主動回転軸に伝動可能に接続され、かつ前記スクリューに固定して接続されるか、又は前記スクリューと一体化しており、前記スクリューを回動させる底脚と、を含み、
前記スクリュー及び前記従動ディスクは、前記底脚の調整部を形成し、
前記調整部は2つであり、それぞれは第1調整部と第2調整部であり、
前記第1調整部の従動ディスクの外周縁に複数の第2輪歯が設けられ、前記第2調整部の従動ディスクの外周縁に有複数の第3輪歯が設けられ、前記第2輪歯は前記伝動ベルトと伝動可能に噛み合い、前記第3輪歯は前記第2輪歯と伝動可能に噛み合い、
前記第1調整部の従動ディスクのディスク径は前記第2調整部の従動ディスクのディスク径よりも大きく、
前記第1調整部のスクリューのネジ方向と前記第2調整部のスクリューのネジ方向は逆である、
脚調整システム。
【請求項7】
前記伝動ベルトの内周縁にベルト歯が形成されており、
前記主動回転軸は歯車軸であり、外周縁に前記ベルト歯と噛み合う第1輪歯が形成されており、
前記従動ディスクは円盤状であり、外周縁に前記ベルト歯と嵌め合う第2輪歯が形成されている、
請求項6に記載の底脚調整システム。
【請求項8】
前記従動ディスク及び前記スクリューの回転軸線は、前記従動ディスクの中心軸線及び前記スクリューの中心軸線と同軸であり、
前記従動ディスクは前記スクリューの底部セクションから径方向に外に延在している、
請求項6に記載の底脚調整システム。
【請求項9】
前記主動回転輪は、外周に少なくとも1つの凹溝又は突起が形成されて、スパナ工具及び/又は別の伝動ベルトと嵌合する円盤状の主動ディスクをさらに含み、
前記主動ディスクは、前記主動回転軸に固定して接続されるか、又は前記主動回転軸と一体化しており、前記主動回転軸を回動させ、
前記主動ディスク及び前記主動回転軸の回転軸線は、前記主動ディスクの中心軸線、及び前記主動回転軸の中心軸線と同軸であり、
前記主動ディスクは、前記主動回転軸の底部セクションから径方向に外に延在している、
請求項6に記載の底脚調整システム。
【請求項10】
冷蔵庫であって、
前記冷蔵庫の底部に設けられる請求項1~9の少なくともいずれか1項に記載の底脚調整システムを含み、前記冷蔵庫の底部にネジ孔が開けられ、前記スクリューが前記ネジ孔に螺接された冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置を取り付ける技術に関し、特に、底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
底脚は装置の底部に取り付けられて、装置を地面に支持するものである。
【0003】
従来技術では、底脚の中に、装置が静置状態にある場合、装置の底部の平行度を調整できるものがある。しかし、装置の取り付け空間が小さい場合、取り付け操作者が装置の一部にアクセスできないことにより、このような部分に対する取り付け操作者の調整ができず、その結果として、底脚による調整が非常に困難になり、取り付け作業全体の操作が困難になり、装置の取り付け効率が低下する。
【0004】
したがって、装置の取り付けの困難性を低減させることができる底脚調整システムを提供することは当業者が急早に解決しなければならない技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、上記の技術的課題の少なくともいずれか1つを解決する底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、装置の取り付けの困難性を低減させる底脚調整システムを提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、底脚調整システムの調整効率を向上させることである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、底脚調整システムの耐用年数を延ばすことである。
【0009】
本発明の更なる目的は、冷蔵庫の取り付け構造を簡素化し、製造コストを削減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、
一部が主動回転軸を形成する主動回転輪と、
主動回転軸の外周に巻設される伝動ベルトと、
スクリューと従動ディスクを有し、スクリューは、底脚調整システムが取り付けられた装置の底部のネジ孔に回動可能に螺接され、従動ディスクは外周が伝動ベルトに嵌着されて、主動回転軸に伝動可能に接続され、かつスクリューに固定して接続されるか、又はスクリューと一体化しており、スクリューを回動させる底脚と、を含む底脚調整システムを提供する。
【0011】
好ましくは、伝動ベルトの内周縁にベルト歯が形成されており、
主動回転軸は歯車軸であり、外周縁にベルト歯と噛み合う第1輪歯が形成されており、
従動ディスクは円盤状であり、外周縁にベルト歯と嵌め合う第2輪歯が形成されている。
【0012】
好ましくは、従動ディスク及びスクリューの回転軸線は、従動ディスクの中心軸線及びスクリューの中心軸線と同軸であり、
従動ディスクはスクリューの底部セクションから径方向に外に延在している。
【0013】
好ましくは、底脚は、
一部が支持台を形成し、従動ディスクが支持台に設けられる支持ベースと、
支持台の下方に転動可能に設けられるローラと、をさらに含む。
【0014】
好ましくは、支持ベースは円筒形であり、支持台は支持ベース上の水平上壁部であり、従動ディスクは、支持台と一体化しており、支持台から上に延在しており、
支持ベースは、一部が内側に窪んで複数のソケット部が形成され水平底壁部をさらに含み、
ローラは複数であって、球状であり、それぞれ1つのソケット部に嵌設される。
【0015】
好ましくは、ローラは水平方向に延在しているローラ軸と、ローラ軸の周りに回動するローラ本体と、を含み、
支持台は支持ベース上の水平板状壁部であり、従動ディスクは支持台に回動可能に設けられ、
支持ベースは、支持台から下方に延在しており、ローラ軸と嵌合する軸孔を有し、ローラ軸が支持ベースに回動可能に接続されることを可能にする下向き軸連結部をさらに含む。
【0016】
好ましくは、支持台には、支持台の主板面の厚さ方向に貫通しているネジ無し孔が開けられ、
従動ディスクはネジ無し孔の上方に位置し、
底脚は、一端が従動ディスクに固定して接続されるか、又は従動ディスクと一体化しており、他端がネジ無し孔を貫通してネジ無し孔の下周縁と嵌合して、従動ディスクがその回転軸線の方向に沿って支持台に対して直線運動するときの自由度を制限する接続部材をさらに含む。
【0017】
好ましくは、主動回転輪は、外周に少なくとも1つの凹溝又は突起が形成されて、スパナ工具及び/又は別の伝動ベルトと嵌合する円盤状の主動ディスクをさらに含み、
主動ディスクは、主動回転軸に固定して接続されるか、又は主動回転軸と一体化しており、主動回転軸を回動させ、
主動ディスク及び主動回転軸の回転軸線は、主動ディスクの中心軸線、及び主動回転軸の中心軸線と同軸であり、
主動ディスクは、主動回転軸の底部セクションから径方向に外に延在している。
【0018】
好ましくは、スクリュー及び従動ディスクは、底脚の調整部を形成し、
調整部は2つであり、それぞれは第1調整部と第2調整部であり、
第1調整部の従動ディスクの外周縁に複数の第2輪歯が設けられ、第2調整部の従動ディスクの外周縁に有複数の第3輪歯が設けられ、第2輪歯は伝動ベルトと伝動可能に噛み合い、第3輪歯は第2輪歯と伝動可能に噛み合い、
第1調整部の従動ディスクのディスク径は第2調整部の従動ディスクのディスク径よりも大きく、
第1調整部のスクリューのネジ方向と第2調整部のスクリューのネジ方向は逆である。
【0019】
本発明の別の態様によれば、冷蔵庫であって、
冷蔵庫の底部に設けられる上記の少なくともいずれか1項に記載の底脚調整システムを含み、冷蔵庫の底部にネジ孔が開けられ、スクリューがネジ孔に螺接された冷蔵庫をさらに提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫では、底脚調整システムは主動回転輪と、伝動ベルトと、底脚と、を含む。主動回転輪は一部が主動回転軸を形成し、伝動ベルトは主動回転軸の外周に巻設されている。底脚はスクリューと従動ディスクを有し、スクリューは装置の底部のネジ孔に回動可能に螺接され、従動ディスクは伝動ベルトを介して主動回転軸に伝動可能に接続され、かつスクリューに固定して接続されるか、又はスクリューと一体化しており、スクリューを回動させる。本発明の底脚調整システムによれば、主動回転軸を回動駆動することによって、底脚のスクリューを間接的に回動させることができ、さまざまな位置で底脚のスクリューを調整することができ、装置のレベリング難度を顕著に低下させ、装置の取り付けの困難性を低減させることができる。
【0021】
さらに、本発明の底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫では、底脚は支持ベースとローラをさらに有する。ローラは支持ベースの支持台の下方に回動可能に設けられる。取り付けるときに、ローラが装置の位置する支持面上を転動可能であり、スクリューが装置のネジ孔に対して回動可能であることによって、本発明の底脚調整システムは装置のレベリングに加えて、装置の移動に適用でき、しかも、体積が小さく、調整しやすく、調整範囲が広く、製造コストが低い。本発明の底脚調整システムによれば、装置の取り付け効率を高め、省力化を図ることができる。
【0022】
さらに、本発明の底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫では、従動ディスクは支持台に対して回動可能であり、従動ディスクを駆動してスクリューを回動させると、支持台が固定されるので、これによって、ローラが調整ディスクの回動に連動して回動することを回避することができ、装置のレベリング操作を簡単にし、時間や労力を節約するだけでなく、ローラの摩耗を減少又は回避し、底脚調整システムの耐用年数を延ばすことができる。
【0023】
また、さらに、本発明の底脚調整システム及びそれを備えた冷蔵庫では、冷蔵庫の底脚調整システムは、レベリング機能と移動機能を兼ね備えるため、冷蔵庫の底部に他の補助構造を取り付けることを削減又は回避することができ、これにより、冷蔵庫の取り付け構造を簡素化し、製造コストを削減させる。
【0024】
以下、図面を参照して本発明の特定実施例を詳細に説明するが、これによって、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴が当業者によってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明のいくつかの特定の実施例を限定的ではなく例示的に説明する。図面中の同一の符号は、同一又は類似の部材又は部分を表す。当業者にとって明らかなように、これらの図面は必ずしも一定の縮尺で描かれたものではない。
図1】本発明の一実施例に係る底脚調整システムの概略図である。
図2図1に示す底脚調整システムの分解図である。
図3図2のA部の部分拡大図である。
図4図1に示す底脚調整システムにおける底脚の概略図である。
図5】本発明の別の実施例に係る底脚調整システムにおける底脚の概略図である。
図6図5に示す底脚調整システムにおける底脚の部分構造概略図である。
図7】本発明の更なる実施例の底脚調整システムにおける底脚の概略図である。
図8】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の概略図である。
図9図8におけるB部の部分拡大図である。
図10】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の底板及び底脚調整システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施例に係る底脚調整システム10の概略図である。本実施例の底脚調整システム10は、装置の底部に取り付けられるのに適しており、装置を所定の位置に取り付けるものである。本実施例の底脚調整システム10は、各種の装置、例えば、冷蔵庫70、エアコン、洗濯機などの家電製品に適用できるだけではなく、任意の他の設備、特に、埋め込み型冷蔵庫70に適用できる。
【0027】
底脚調整システム10は、一般的に、主動回転輪120と、伝動ベルト150と、底脚110と、を含む。伝動ベルト150は、主動回転輪120及び底脚110に巻設される。
【0028】
伝動ベルト150は、同期ベルト又は同期チェーンであってもよいし、他の任意のタイプのものであってもよい。本実施例では、伝動ベルト150は同期ベルトであってもよい。本実施例では、伝動ベルト150が同期ベルトである場合が例示されるが、当業者であれば、本実施例に基づいて他のタイプの伝動ベルト150を想到することができるので、ここでは一々説明しない。
【0029】
図2は、図1に示す底脚調整システム10の分解図であり、図3図2のA部の部分拡大図である。
【0030】
同期ベルトの内周縁にベルト歯151が形成されている。同期ベルトは環状であってもよい。同期ベルトはその内周縁をもって主動回転輪120及び底脚110と噛み合う。ベルト歯151は、同期ベルトの内周縁に間隔を空けて均等に分布していてもよい。
【0031】
主動回転輪120は、主動回転軸121と主動ディスク122を含み、また、支持板123を含んでもよい。主動回転輪120は一部が主動回転軸121を形成する。伝動ベルト150は主動回転軸121の外周に巻設することができる。主動回転軸121は、歯車軸であってもよく、その外周縁にはベルト歯151と噛み合う第1輪歯121aが形成されている。主動ディスク122は円盤状であり、主動ディスク122の外周に少なくとも1つの凹溝又は突起が形成されて、スパナ工具及び/又は別の伝動ベルト150と嵌合する。しかも、主動ディスク122は主動回転軸121に固定して接続されるか、又は主動回転軸121と一体化しており、主動回転軸121を回動させる。つまり、主動ディスク122はスパナ工具及び/又は別の伝動ベルト150によって回動駆動され、主動回転軸121を回動させることができる。
【0032】
本実施例では、主動ディスク122及び主動回転軸121の回転軸線は、主動ディスク122の中心軸線及び主動回転軸121の中心軸線と同軸である。主動ディスク122の中心軸線も主動回転軸121の中心軸線も垂直方向に延在していてもよい。
【0033】
主動ディスク122は、主動回転軸121の底部セクションから径方向に外に延在している。つまり、主動回転軸121は主動ディスク122の略上方に位置してもよい。
【0034】
主動ディスク122は、主動回転軸121を回動させるために使用されるだけでなく、主動回転軸121の台座として機能して、主動回転軸121を支持する。主動回転軸121の直径は主動ディスク122のディスク径よりも小さくてもよく、ディスク径とはディスクの外周縁が位置する円の直径のことであり、これによって、主動回転輪120の構造安定性を向上させることができる。本実施例では、主動ディスク122は装置の位置する支持面(例えば、地面)に支持される。
【0035】
支持板123は、主動回転軸121のトップに位置してもよく、同期ベルトを主動回転軸121に限定してもよく、装置の底部に押し当ててもよい。
【0036】
底脚110は、一般的に、スクリュー410と従動ディスク420を含んでもよく、また、支持ベース200とローラ300をさらに含んでもよい。スクリュー410及び従動ディスク420は、底脚110の調整部400となる。調整部400は支持ベース200に接続されてもよい。
【0037】
スクリュー410は、底脚調整システム10が取り付けられた装置の底部のネジ孔に回動可能に螺接され、従動ディスク420は、外周が伝動ベルト150に嵌着されて、主動回転軸121に伝動可能に接続され、かつスクリュー410に固定して接続されるか、又はスクリュー410と一体化しており、スクリュー410を回動させる。
【0038】
一般的に、装置の取り付け空間が小さい場合、取り付け操作者が装置の一部にアクセスできないため、このような部分に対する取り付け操作者の調整ができず、レベリングが非常に困難になる。
【0039】
スクリュー410は外ネジを有し、装置の底部のネジ孔に螺接することができる。スクリュー410が回動するとき、装置の底部のネジ孔へのスクリュー410の旋入深さを調整することができる。本実施例の底脚調整システム10によれば、取り付け操作者の操作が容易な位置に主動回転輪120を設けることができる。主動回転軸121を回動駆動し、伝動ベルト150の伝動作用を利用して、従動ディスク420を間接的に回動させ、スクリュー410を回動させることができ、このように、装置のレベリング難度を顕著に低下させ、装置の取り付けの困難性を低減させることができる。
【0040】
例えば、冷蔵庫70を食器棚に埋め込む場合、冷蔵庫70の底部の前側に主動回転輪120が取り付けられてもよく、底脚110は冷蔵庫70の底部の後側に取り付けられてもよい。伝動ベルト150を介して従動ディスク420を回動させることによって、底脚110のスクリュー410を間接的に回動させることができる。食器棚の内部空間は限られているので、本実施例の底脚調整システム10を用いることによって、冷蔵庫70を食器棚に埋め込むときのレベリングの難度を低減させることができる。
【0041】
伝動ベルト150は、主動回転軸121の外周と従動ディスク420の外周の両方に巻設される。従動ディスク420は円盤状であってもよく、外周縁にはベルト歯151と噛み合う第2輪歯421が形成されている。
【0042】
主動回転軸121及び従動ディスク420は、伝動ベルト150と嵌合するために、同じ所定の厚さを有してもよい。所定の厚さは実際の用途に応じて設定されてもよく、例えば、伝動ベルト150の幅に適合させることができる。例えば、所定の厚さは0.5~10cmであってもよいし、10cmよりも大きい任意の値であってもよい。別のいくつかの実施例では、従動ディスク420の形状は様々であり、例えば、四角柱、六角柱又は他の任意の形状であってもよい。
【0043】
従動ディスク420及びスクリュー410の回転軸線は、従動ディスク420の中心軸線及びスクリュー410の中心軸線と同軸である。従動ディスク420は、スクリュー410の底部セクションから径方向に外に延在している。本実施例では、従動ディスク420及びスクリュー410の回転軸線の方向は垂直方向であってもよい。スクリュー410は従動ディスク420の中央部位から上に延在して形成されるものであってもよい。例えば、スクリュー410は従動ディスク420の中央部位から上に延在して形成されるものであってもよい。スクリュー410の頭部は従動ディスク420内に埋め込まれてもよく、これによって、調整部400の成形が簡素化される。スクリュー410の頭部はスクリュー410と一体化している。スクリュー410の頭部はスクリュー410の底部セクションから径方向に外に延在して形成することができる。
【0044】
支持ベース200の一部は支持台210になる。従動ディスク420は支持台210に設けられる。ローラ300は支持台210の下方に転動可能に設けられる。
【0045】
使用状態の底脚調整システム10では、スクリュー410は装置の底部のネジ孔に螺接され、ローラ300は装置を取り付ける空間の支持面上、例えば、地面に支持される。装置を取り付けるときに、ローラ300は装置の位置する支持面上を転動可能であり、スクリュー410は装置の底部のネジ孔に対して回動可能であることによって、本実施例の底脚調整システム10は装置のレベリングに加えて、装置の移動に適用できる。本実施例の底脚110によれば、装置の取り付けの困難性を低減させ、取り付け効率を高め、省力化を図ることができる。
【0046】
例えば、装置を取り付けるときに、まず、移動のステップを行い、次にレベリングのステップを行ってもよい。移動中、ローラ300が支持面上を転動することで移動中の摩擦抵抗が低下し、移動の難度が低下する。レベリングのステップでは、スクリュー410を回動させることにより、装置の底部にあるネジ孔へのスクリュー410の螺入深さを調整することで、装置の底部の高さ及び/又は平行度を調整することができ、容易に操作することができる。
【0047】
支持ベース200は円筒形、四角柱(その上壁と底壁のいずれも長方形)、又は他の任意の形態の柱状であってもよい。
【0048】
図4は、図1に示す底脚調整システム10における底脚110の概略図である。
【0049】
本実施例では、支持ベース200は円筒形であってもよい。ローラ300は球状であってもよく、複数であり、支持ベース200は水平底壁部と、水平上壁部と、水平底壁部と水平上壁部との間に接続される柱体と、を含む。支持ベース200の水平底壁部(すなわち、円柱の底面)及び水平上壁部(すなわち、円柱の上面)のいずれも円形であり、また水平面にある。
【0050】
支持ベース200の水平底壁部の一部は内側に窪んで、複数のソケット部が形成される。ここで、「内側に」とは支持ベース200の実際の使用状態に対するものであり、略上向きの方向である。ソケット部によってローラ300が動く空間が画定される。ローラ300はそれぞれ1つのソケット部に転動可能に嵌設される。
【0051】
ソケット部の数は、3個以上、例えば、3個又は4個であってもよい。複数のソケット部は水平底壁部の中心を円心とした同一の円に間隔を空けて均等に分布している。
【0052】
支持台210は、支持ベース200上の水平上壁部である。従動ディスク420は、支持台210と一体化しており、支持台210から上に延在して形成することができる。つまり、従動ディスク420は支持台210の上方に位置する。従動ディスク420の中心軸線は支持ベース200の中心軸線と同軸であってもよい。
【0053】
支持台210に従動ディスク420が設けられ、従動ディスク420と支持台210が一体化されることによって、底脚110の構造の完全性を向上させ、構造安定性を向上させることができる。
【0054】
ソケット部は、ローラ300がそれに嵌設されると、少なくともその一部がソケット部の底端から突出するように構成される。ローラ300は水平方向に回転可能なユニバーサルボール、例えば、スチールボールであってもよく、底脚調整システム10が取り付けられた装置が自在に摺動可能であるようにし、底脚調整システム10のスクリュー410の回動を容易にし、これによって、取り付けるときの作業負荷を顕著に低減させ、装置のレベリング操作を簡単にし、時間や労力を節約することができる。
【0055】
ローラ300は、支持ベース200のソケット部の底端から突出して、支持面に直接当接し、スクリュー410は支持ベース200と同期して回動することができ、スクリュー410が回動すると、ローラ300は水平方向に回転することができ、このように、底脚110のスクリュー410を回動しやすくし、取り付けるときの作業負荷を顕著に低減させ、支持ベース200が支持面と接触して摩耗することを減少又は回避し、底脚調整システム10の耐用年数を延ばす。
【0056】
本実施例では、底脚110は、従動ディスク420の上方に固設され、支持台210とともに同期ベルトの取り付け空間を画定する限位板430をさらに含んでもよく、これによって、同期ベルトと従動ディスク420との間の嵌合接続の信頼性が向上する。
【0057】
図5は、本発明の別の実施例に係る底脚調整システム10における底脚110の概略図である。
【0058】
別のいくつかの実施例では、支持ベース200及びローラ300の構造を変更してもよく、底脚110は接続部材をさらに含んでもよい。支持ベース200は、支持台210と下向き軸連結部230を含んでもよく、上向き回り止め部220をさらに含んでもよい。ローラ300は、支持台210の下方に転動可能に設けられる。ローラ300は、水平方向に延在しているローラ軸310とローラ軸310の周りに回動するローラ本体320を含む。
【0059】
支持台210は、支持ベース200上の水平板状壁部であってもよい。ここで、「水平」は、取り付け脚110の実際の使用状態に対するものである。いくつかの好ましい実施例では、支持台210の板壁は曲面としてもよい。
【0060】
支持台210は、略長方形、円形、三角形又は他の任意の多角形である。本実施例では、支持台210は略長方形である。支持台210には、支持台210の主板面の厚さ方向に貫通しているネジ無し孔211が開けられる。
【0061】
下向き軸連結部230は、支持台210から下方に延在しており、ローラ300のローラ軸310と嵌合する軸孔231を有し、ローラ300のローラ軸310が支持ベース200に回動可能に接続されることを可能にする。本実施例では、下向き軸連結部230は、支持ベース200上の垂直側壁部であってもよい。下向き軸連結部230は2つであってもよく、それぞれは支持台210の対向する縁部から下方に延在して形成される。各下向き軸連結部230は軸孔231を有する。2つの下向き軸連結部230の軸孔231は対向して設けられる。各軸孔231はローラ300のローラ軸310の一端と嵌合する。
【0062】
別のいくつかの実施例では、下向き軸連結部230の位置や数を変更してもよい。下向き軸連結部230は1つであってもよく、支持台210の中央部位から下方に延在して形成される。下向き軸連結部230の軸孔231はローラ300のローラ軸310の中間セクションと嵌合してもよい。
【0063】
上向き回り止め部220は支持台210から上に延在しており、底脚調整システム10に取り付けられる装置の対応するスロットに挿入されて、装置に対する支持台210の回動を制限するものである。好ましくは、上向き回り止め部220は支持台210のうち従動ディスク420とは間隔を有する箇所で上に延在しており、これによって、上向き回り止め部220が従動ディスク420の回動を妨害することを回避できる。
【0064】
従動ディスク420はネジ無し孔211の上方に位置する。接続部材は、一端が従動ディスク420に固定して接続されるか、又は従動ディスク420と一体化しており、他端がネジ無し孔211を貫通してネジ無し孔211の下周縁と嵌合して、従動ディスク420がその回転軸線の方向に沿って支持台210に対して直線運動するときの自由度を限制する。つまり、装置を取り付けるときに、従動ディスク420がその回転軸線に沿って回動するとき、接続部材は従動ディスク420が支持台210に対して垂直方向に沿って移動することを阻止し、従動ディスク420が垂直方向において支持台210に対して変位することを回避する。
【0065】
接続部材がネジ無し孔211の下周縁に固定して接続されないことによって、従動ディスク420及びスクリュー410のみが回動し、支持台210が回動させられることはなく、これによって、回動抵抗を減少させ、取り付け効率を高める。
【0066】
図6は、図5に示す底脚調整システム10における底脚110の部分構造概略図である。
【0067】
接続部材は係合爪であってもよい。例えば、接続部材は、下縁部が複数の凸状係合部510を周方向に有する中空円筒状係合爪である。接続部材は、従動ディスク420の底壁から下方に延在して、ネジ無し孔211を貫通して、ネジ無し孔211の下周縁と嵌合することができる。
【0068】
各凸状係合部510は、それが属する係合爪の周壁セクションの間に開口を有し、すなわち、凸状係合部510は係合爪の下縁部の周方向に順次間隔を空けて配列される。係合爪の下縁部がネジ無し孔211に挿入されると、係合爪の下縁部の外周は径方向における内向きの作用力を受けて内側に縮められ、ネジ無し孔211をうまく貫通することができる。
【0069】
各凸状係合部510の下面は、径方向に沿って外方に向かって斜め上方に傾斜した傾斜面であり、これは、係合爪の下縁部がネジ無し孔211をスムーズに貫通するのに有利である。ここで、「外方に向かって」とは中空円筒状係合爪の実際の使用状態に対するものである。
【0070】
中空円筒状係合爪の中心軸線は、垂直方向に延在している。各凸状係合部510の上面は係合爪の周壁に垂直な平面、例えば、略水平面である。各凸状係合部510の上面はネジ無し孔211の孔壁とスナップ嵌めしてもよい。ネジ無し孔211の孔壁は支持台210の下面に下部環状フランジ202が形成されて、凸状係合部510の上面とスナップ嵌めし、これは、凸状係合部510の上面と支持台210の主板面との接触をなくすることに有利である。
【0071】
さらに、従動ディスク420は環状ガスケット又は従動ディスク420の下面に形成された環状突起を介して支持台210の上面に当接してもよく、これにより、従動ディスク420と支持台210の上面との接触面積を小さくすることができ、従動ディスク420の回動時の摩擦抵抗低下に有利である。環状ガスケットは従動ディスク420の下面と支持台210の上面との間に設けられてもよい。環状突起は従動ディスク420の下面に形成されてもよい。
【0072】
図7は、本発明の更なる実施例に係る底脚調整システム10における底脚110の概略図である。
【0073】
更なるいくつかの実施例では、調整部400は2つであってもよく、それぞれ、第1調整部400と第2調整部400である。第1調整部400の従動ディスク420の外周縁に複数の第2輪歯が形成され、第2調整部400の従動ディスク420の外周縁に複数の第3輪歯が形成され、第2輪歯は伝動ベルト150と伝動可能に噛み合い、第3輪歯は第2輪歯と伝動可能に噛み合う。第1調整部400のスクリュー410のネジ方向と第2調整部400のスクリュー410のネジ方向とは逆であり、例えば、第1調整部400のスクリュー410のネジは右ネジであり、第2調整部400のスクリュー410のネジは左ネジであるようにしてもよい。
【0074】
第2輪歯が伝動ベルト150と伝動可能に噛み合うことによって、第1調整部400の従動ディスク420は主動回転軸121と共に回動することができる。第3輪歯が第2輪歯と伝動可能に噛み合うことによって、第2調整部400の従動ディスク420は第1調整部400の従動ディスク420に従動して回動することができる。第1調整部400の従動ディスク420のディスク径は、第2調整部400の従動ディスク420のディスク径よりも大きい。ここで、ディスク径とはディスクの外周縁が位置する円の直径のことである。第1調整部400の従動ディスク420のディスク径は、第2調整部400の従動ディスク420のディスク径よりも大きく、これによって、第1調整部400の従動ディスク420へ伝動ベルト150を配置することが容易になり、すなわち、伝動ベルト150は第1調整部400の従動ディスク420に巻設され、第1調整部400の従動ディスク420を直接回動させることができる。第2調整部400の従動ディスク420は、第1調整部400の従動ディスク420の一方の側に従動的に配置され、伝動ベルト150の内側に位置してもよく、これによって、第1調整部400の従動ディスク420に連動して回動駆動される。
【0075】
本実施例の底脚調整システム10では、装置を取り付けるときに、対応するネジ孔への第1調整部400のスクリュー410及び第2調整部400のスクリュー410の旋入深さを同時に調整することができ、これによって、装置の調整安定性を確保しつつ、底脚調整システム10の調整を簡素化することができる。
【0076】
第2調整部400の従動ディスク420が第1調整部400の従動ディスク420に従動して回動するため、2つの調整部400のスクリュー410のネジ方向を逆にすることによって、対応するネジ孔への2つの調整部400のスクリュー410の螺入又は螺出を同期化し、第1調整部400及び第2調整部400の調整中の一致性を確保する。
【0077】
以上の実施例における底脚調整システム10は、特に埋め込み型冷蔵庫70に適している。図8は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫70の概略図であり、図9は、図8におけるB部の部分拡大図である。
【0078】
冷蔵庫70の底部には、上記の実施例の少なくともいずれか1つの底脚調整システム10が設けられる。冷蔵庫70の底部にネジ孔が開けられ、底脚110のスクリュー410はネジ孔に螺接される。
【0079】
本実施例の冷蔵庫70では、底脚調整システム10はレベリング機能と移動機能を兼ね備えるため、冷蔵庫70の底部に他の補助構造を取り付けることを削減又は回避することができ、これにより、冷蔵庫70の取り付け構造を簡素化し、製造コストを削減させる。
【0080】
底脚調整システム10は、1つ又は複数、例えば、2つであってもよい。主動回転輪120と底脚110との相対的な位置は、実際のニーズに応じて設定されてもよく、例えば、底脚調整システム10の主動回転輪120はそれぞれ冷蔵庫70の底部の前側に設けられ、底脚調整システム10の底脚110はそれぞれ冷蔵庫70の底部の後側に設けられるようにしてもよい。冷蔵庫70を取り付けるときに、特にレベリングにおいて、冷蔵庫70の前側で冷蔵庫70の後側の平整度を調整することができ、レベリングを十分に簡単なものとする。
【0081】
別のいくつかの実施例では、冷蔵庫70の底部の前側には、転動可能な前輪が設けられてもよい。
【0082】
図10は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫70の底板710及び底脚調整システム10の概略図である。
【0083】
ネジ孔は冷蔵庫70の底板710に形成される。底板710は直接冷蔵庫70の箱体の底板710であってもよいし、箱体に増設された底板710であってもよい。冷蔵庫70の底板710には、底板710を含む板面から上に延在するネジ付きスリーブが設けられてもよく、ネジ付きスリーブの内部にネジ孔が形成されている。
【0084】
本実施例の底脚調整システム10及びそれを備えた冷蔵庫70では、底脚調整システム10は主動回転輪120と、伝動ベルト150と、底脚110と、を含む。主動回転輪120は一部が主動回転軸121を形成し、伝動ベルト150は主動回転軸121の外周に巻設されている。底脚110は、スクリュー410と従動ディスク420を有し、スクリュー410は装置の底部のネジ孔に回動可能に螺接され、従動ディスク420は伝動ベルト150を介して主動回転軸121に伝動可能に接続され、かつスクリュー410に固定して接続されるか、又はスクリュー410と一体化しており、スクリュー410を回動させる。本実施例の底脚調整システム10によれば、主動回転軸121を回動駆動することによって、スクリュー410を間接的に回動させることができ、装置のレベリング難度を顕著に低下させ、装置の取り付けの困難性を低減させることができ、埋め込み型冷蔵庫70の取り付け効率を高める。
【0085】
以上、本発明の複数の例示的な実施例を示して本明細書を説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明で開示された内容に基づいて本発明の原理に合致する多くの他の変更や修正を直接決定又は導出することができることを当業者は認識すべきである。よって、本発明の範囲はこれらの他の変更や修正をカバーするものとして理解され、見なされるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10