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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】半導体記憶装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/00 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
G11C29/00 468
G11C29/00 418
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023077223
(22)【出願日】2023-05-09
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】道岡 義久
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-120184(JP,A)
【文献】特開2013-140652(JP,A)
【文献】特開2012-252757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行列状に配列された複数のサブアレイを含むメモリセルアレイであって、各サブアレイは、前記行列の行方向に配列された複数のワード線と、前記行列の列方向に配列された複数のビット線と、前記複数のビット線のうち不良ビット線と置換するための1つ以上のスペアビット線と、前記複数のワード線のうち何れかのワード線と前記複数のビット線のうち何れかのビット線又は前記1つ以上のスペアビット線のうち何れかのスペアビット線とに接続された複数のメモリセルと、を含む、メモリセルアレイと、
前記複数のサブアレイのうち第1サブアレイ内の何れかのワード線を活性化する場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのワード線と、前記複数のサブアレイのうち前記第1サブアレイから前記行列の行方向に離れて配置された第2サブアレイ内の対応するワード線と、を活性化するように制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1サブアレイ内の不良ビット線の数が前記第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、前記第1サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルの代わりに、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするように構成されている、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1サブアレイが特定の第1サブアレイである場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのワード線と、前記第2サブアレイ内の対応するワード線と、を活性化するように制御する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1条件を満たす場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプの代わりに、前記第2サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプを選択することによって、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするように構成されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1条件を満たす場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプに接続されているサブアンプの代わりに、前記第2サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプに接続されているサブアンプを選択することによって、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするように構成されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記センスアンプは、一対の相補ビット線を介して一対の相補ローカルデータ線に接続されており、
前記一対の相補ローカルデータ線は、前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイのうち何れかをアクセス対象として選択するための第1制御信号がゲート端子に入力される一対のN型MOSFETを介して、一対の相補メインデータ線に接続されている、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記センスアンプは、一対の相補ビット線を介して一対の相補ローカルデータ線に接続されており、
前記一対の相補ローカルデータ線は、一対のN型MOSFETを介して、一対の相補メインデータ線に接続されており、
前記一対のN型MOSFETのゲート端子には、前記一対の相補ローカルデータ線と前記一対の相補メインデータ線との間の切換信号と、前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイのうち何れかをアクセス対象として選択するための第1制御信号と、が入力されるAND回路から出力された信号が入力される、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記第1サブアレイ内の不良ビット線に対応するカラムアドレスを記憶する第1記憶部を備える、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1サブアレイの代わりに前記第2サブアレイにアクセスするか否かを示す第1情報を、前記第1サブアレイ内の不良ビット線毎に記憶する第2記憶部と、
前記第1サブアレイ内の何れかの不良ビット線が選択された場合に、選択された不良ビット線に対応する前記第1情報に基づいて、前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイのうち何れかをアクセス対象として選択するための第1制御信号を生成する第1信号生成部と、を備える、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1サブアレイ内の何れかのビット線に対応するカラムアドレスと、前記第1サブアレイ内の不良ビット線に対応するカラムアドレスと、が入力されるXNOR回路であって、入力された2つのカラムアドレスが一致するか否かを示す信号を出力するXNOR回路と、
前記第2記憶部に記憶された前記第1情報と、前記XNOR回路から出力された信号と、が入力されるAND回路であって、前記第1サブアレイ内の何れかの不良ビット線が選択された場合に、前記第1サブアレイの代わりに前記第2サブアレイにアクセスするか否かを示す信号を前記第1信号生成部に出力するAND回路と、
ロウアドレスが入力された場合に、前記第1サブアレイ及び前記第2サブアレイのうち何れのサブアレイ内のワード線に対応するロウアドレスが入力されたかを示す信号を前記第1信号生成部に出力するデコーダと、を備える、
請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2サブアレイ内の不良ビット線の数が前記第2サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第2条件を満たす場合に、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルの代わりに、前記複数のサブアレイのうち前記第2サブアレイから前記行列の列方向に離れて配置された第3サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするように構成されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記第2条件を満たす場合に、前記第2サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線の代わりに、前記第3サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線を、前記第2サブアレイ内の前記何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたローカルデータ線に接続することによって、前記第3サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするように構成されている、
請求項10に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第2サブアレイ及び前記第3サブアレイのうち何れかをアクセス対象として選択するための第2制御信号に基づいて、前記第3サブアレイ内の何れかのビット線又はスペアビット線を、前記第2サブアレイ内の前記何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたローカルデータ線に接続するか否かを制御するように構成されたスイッチ部を備える、
請求項11に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記第2サブアレイの代わりに前記第3サブアレイにアクセスするか否かを示す第2情報を、前記第2サブアレイ内の不良ビット線毎に記憶する第2記憶部と、
前記第2サブアレイ内の何れかの不良ビット線が選択された場合に、選択された不良ビット線に対応する前記第2情報に基づいて、前記第2サブアレイ及び前記第3サブアレイのうち何れかをアクセス対象として選択するための第2制御信号を生成する第2信号生成部と、を備える、
請求項10に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1サブアレイと前記第2サブアレイとの間に少なくとも1つのサブアレイが設けられている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第2サブアレイと前記第3サブアレイとの間に少なくとも1つのサブアレイが設けられている、
請求項10に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
半導体記憶装置の制御方法であって、
前記半導体記憶装置は、
行列状に配列された複数のサブアレイを含むメモリセルアレイであって、各サブアレイは、前記行列の行方向に配列された複数のワード線と、前記行列の列方向に配列された複数のビット線と、前記複数のビット線のうち不良ビット線と置換するための1つ以上のスペアビット線と、前記複数のワード線のうち何れかのワード線と前記複数のビット線のうち何れかのビット線又は前記1つ以上のスペアビット線のうち何れかのスペアビット線とに接続された複数のメモリセルと、を含む、メモリセルアレイを備え、
前記半導体記憶装置の制御部が、
前記複数のサブアレイのうち第1サブアレイ内の何れかのワード線を活性化する場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのワード線と、前記複数のサブアレイのうち前記第1サブアレイから前記行列の行方向に離れて配置された第2サブアレイ内の対応するワード線と、を活性化するステップと、
前記第1サブアレイ内の不良ビット線の数が前記第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、前記第1サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルの代わりに、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするステップと、
の各ステップを実行する、
半導体記憶装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体記憶装置では、メモリセルアレイ内の不良ビット線(不良カラム)を救済する方式を採用したものが知られている(例えば、特許文献1)。また、従来の半導体記憶装置では、メモリセルアレイが複数のサブアレイによって構成されている場合に、複数のサブアレイ毎に不良ビット線を救済する方式を採用したものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-67889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の半導体記憶装置では、複数のサブアレイのうち何れかのサブアレイにおける不良ビット線の数が、当該サブアレイに設けられているスペアビット線(冗長ビット線)の数を超えた場合に、不良ビット線を救済することが困難になる虞がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数のサブアレイのうち何れかのサブアレイにおける不良ビット線の数が、当該サブアレイに設けられているスペアビット線の数を超えた場合であっても、不良ビット線を救済することの可能な半導体記憶装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、行列状に配列された複数のサブアレイを含むメモリセルアレイであって、各サブアレイは、前記行列の行方向に配列された複数のワード線と、前記行列の列方向に配列された複数のビット線と、前記複数のビット線のうち不良ビット線と置換するための1つ以上のスペアビット線と、前記複数のワード線のうち何れかのワード線と前記複数のビット線のうち何れかのビット線又は前記1つ以上のスペアビット線のうち何れかのスペアビット線とに接続された複数のメモリセルと、を含む、メモリセルアレイと、前記複数のサブアレイのうち第1サブアレイ内の何れかのワード線を活性化する場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのワード線と、前記複数のサブアレイのうち前記第1サブアレイから前記行列の行方向に離れて配置された第2サブアレイ内の対応するワード線と、を活性化するように制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1サブアレイ内の不良ビット線の数が前記第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、前記第1サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルの代わりに、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするように構成されている、半導体記憶装置を提供する。
【0007】
かかる発明によれば、第1サブアレイ内の不良ビット線の数が第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多くなった場合であっても、第1サブアレイ内のメモリセルの代わりに、第2サブアレイ内のメモリセルにアクセスすることが可能になる。これにより、第1サブアレイにおける不良ビット線の数が、第1サブアレイに設けられているスペアビット線の数を超えた場合であっても、第1サブアレイ内の不良ビット線を救済することができる。
【0008】
また、本発明は、半導体記憶装置の制御方法であって、前記半導体記憶装置は、行列状に配列された複数のサブアレイを含むメモリセルアレイであって、各サブアレイは、前記行列の行方向に配列された複数のワード線と、前記行列の列方向に配列された複数のビット線と、前記複数のビット線のうち不良ビット線と置換するための1つ以上のスペアビット線と、前記複数のワード線のうち何れかのワード線と前記複数のビット線のうち何れかのビット線又は前記1つ以上のスペアビット線のうち何れかのスペアビット線とに接続された複数のメモリセルと、を含む、メモリセルアレイを備え、前記半導体記憶装置の制御部が、前記複数のサブアレイのうち第1サブアレイ内の何れかのワード線を活性化する場合に、前記第1サブアレイ内の何れかのワード線と、前記複数のサブアレイのうち前記第1サブアレイから前記行列の行方向に離れて配置された第2サブアレイ内の対応するワード線と、を活性化するステップと、前記第1サブアレイ内の不良ビット線の数が前記第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、前記第1サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルの代わりに、前記第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルに対してアクセスするステップと、の各ステップを実行する、半導体記憶装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体記憶装置及びその制御方法によれば、複数のサブアレイのうち何れかのサブアレイにおける不良ビット線の数が、当該サブアレイに設けられているスペアビット線の数を超えた場合であっても、不良ビット線を救済することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置に設けられたメモリセルアレイの構成例を示す図である。
図2】サブアレイの構成例を示す図である。
図3】何れかのサブアレイ内のワード線を活性化する際に他のサブアレイ内のワード線も活性化する場合の一例を説明する図である。
図4】第1実施形態に係る半導体記憶装置の制御部のブロック図である。
図5】(a),(b)は、半導体記憶装置内の信号の時間推移の一例を示すタイムチャートである。
図6】(a),(b)は、センスアンプとカラムデコーダとの間の構成の一例を示す図である。
図7】(a),(b)は、センスアンプとカラムデコーダとの間に設けられたサブアンプの構成の一例を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る半導体記憶装置に設けられたメモリセルアレイ内のスイッチ部の構成例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る半導体記憶装置の制御部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置に設けられたメモリセルアレイ10の構成例を示す図である。図1に示すように、メモリセルアレイ10には、それぞれX方向(行列の列方向)に延在する複数のセンスアンプ列SAAであって、Y方向(行列の行方向)に間隔をおいて設けられた複数のセンスアンプ列SAAと、それぞれY方向に延在する複数のワード線ドライバ列WLDAであって、X方向に間隔をおいて設けられた複数のワード線ドライバ列WLDAと、が設けられている。また、各センスアンプ列SAAと各ワード線ドライバ列WLDAとによって囲まれた部分には、行列状に配列された複数のサブアレイA11,A12,A21,A22,…(図1では、簡潔に説明するために、4つのサブアレイに対して符号が付されている)が設けられている。
【0012】
なお、本実施形態では、メモリセルアレイ10に複数のサブアレイA11,A12,A21,A22,…が設けられている場合を一例として説明するが、例えば、メモリセルアレイ10が複数のバンクで構成されている場合には、各バンクに複数のサブアレイが設けられていてもよい。
【0013】
また、本実施形態では、半導体記憶装置がDRAM(Dynamic Random Access Memory)である場合を一例として説明するが、半導体記憶装置は、他の半導体記憶装置(例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ等)であってもよい。
【0014】
さらに、本実施形態では、説明を簡略化するために、DRAM等の半導体記憶装置において周知な他の回路(例えば、電源回路、コマンドデコーダ、アドレスデコーダ、クロックジェネレータ等)についての詳細な説明を省略する。
【0015】
図2に示すように、各センスアンプ列SAAには、複数のセンスアンプSAがX方向に間隔をおいて設けられており、各ワード線ドライバ列WLDAには、複数のワード線ドライバWLDがY方向に間隔をおいて設けられている。
【0016】
各サブアレイA11,A12,A21,A22には、図2に示すように、複数のワード線wl(1),wl(2),…,wl(a)(aは、2以上の整数)と、複数のビット線bl(1),…,bl(b)(bは、2以上の整数)と、複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)(cは、2以上の整数)と、複数のメモリセルMCと、が設けられている。複数のメモリセルMCは、複数のワード線wl(1),wl(2),…,wl(a)のうち何れかのワード線と、複数のビット線bl(1),…,bl(b)のうち何れかのビット線又は複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)のうち何れかのスペアビット線と、に電気的に接続されている。
【0017】
ここで、複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)の各々は、複数のビット線bl(1),…,bl(b)のうち不良が発生したビット線(不良ビット線)と置換するために使用されるものである。なお、不良ビット線を何れかのスペアビット線に置換する技術については周知の技術と同様であるため、本実施形態では説明を省略する。
【0018】
各センスアンプSAは、複数のビット線bl(1),…,bl(b)及び複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)のうち自身に電気的に接続されたビット線又はスペアビット線を駆動する回路であり、ビット線又はスペアビット線を活性化するための信号が入力されると、自身に接続されたビット線又はスペアビット線上の信号(データ)を増幅するように構成されている。
【0019】
各ワード線ドライバWLDは、複数のワード線wl(1),wl(2),…,wl(a)のうち自身に電気的に接続されたワード線を駆動する回路であり、ワード線を活性化するための信号が入力されると、自身に接続されたワード線を駆動するように構成されている。
【0020】
複数のワード線wl(1),wl(2),…,wl(a)の各々は、Y方向に間隔をおいてX方向に延在しており、延在方向一端側(図2に示す例では、左端側又は右端側)において、対応するワード線ドライバWLDに電気的に接続されている。また、複数のビット線bl(1),…,bl(b)及び複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)の各々は、X方向に間隔をおいてY方向に延在しており、複数のワード線wl(1),wl(2),…,wl(a)に対して垂直に交差するように設けられている。また、複数のビット線bl(1),…,bl(b)及び複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)の各々は、延在方向一端側(図2に示す例では、上端側又は下端側)において、対応するセンスアンプSAに電気的に接続されている。
【0021】
複数のメモリセルMCの各々は、複数のワード線wl(1),wl(2),…,wl(a)のうち何れかのワード線と複数のビット線bl(1),…,bl(b)及び複数のスペアビット線sbl(1),…,sbl(c)のうち何れかのビット線又はスペアビット線との交差部分に配置されている。なお、各メモリセルMCの構成は、周知の構成と同様であってもよい。
【0022】
なお、各メモリセルMCに対するデータ制御の詳細については周知の技術と同様であるため、本実施形態では説明を省略する。
【0023】
本実施形態において、半導体記憶装置は、制御部20を備える。制御部20は、図3及び図4に示すように、複数のサブアレイ(図の例では、A11,A12,A13,A21,A22,A23,…)のうち第1サブアレイ(ここでは、サブアレイA13)内の何れかのワード線wl_1を活性化する場合に、当該ワード線wl_1と、複数のサブアレイのうち第1サブアレイからY方向(行列の行方向)に離れて配置された第2サブアレイ(ここでは、サブアレイA11)内の対応するワード線wl_2と、を活性化するように制御するように構成されている。
【0024】
また、制御部20は、第1サブアレイ内の不良ビット線の数が第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、第1サブアレイ内の活性化されたワード線wl_1に接続されているメモリセルMCの代わりに、第2サブアレイ内の活性化されたワード線wl_2に接続されているメモリセルMCに対してアクセスするように構成されている。
【0025】
なお、第1サブアレイと第2サブアレイとの対応関係を表す情報は、例えば、所定の記憶領域(例えば、構成レジスタ等)に記憶されていてもよい。また、第1サブアレイ内のワード線及びビット線と第2サブアレイ内のワード線及びビット線との対応関係を表す情報が所定の記憶領域に記憶されていてもよい。
【0026】
また、第1サブアレイと第2サブアレイとの間には、少なくとも1つのサブアレイが設けられていてもよい。これにより、例えば、第1サブアレイと第2サブアレイとがY方向に隣接して設けられている場合に、第1サブアレイと第2サブアレイとの間のセンスアンプ列SAAに設けられた各センスアンプSAが第1サブアレイ及び第2サブアレイによって同時に使用されることによって、第1サブアレイ及び第2サブアレイのうち何れのサブアレイのメモリセルMCにアクセスするのかを判別することが困難になるのを抑制することができる。
【0027】
図4を参照して、制御部20の構成について説明する。制御部20は、第1記憶部21と、XNOR(否定排他的論理和)回路22と、第2記憶部23(本発明の「第1記憶部」の一例である)と、AND回路24と、デコーダ25と、第1信号生成部26と、を備える。
【0028】
第1記憶部21は、複数のサブアレイA11,A12,A13,A21,A22,A23,…毎に、ラッチ部21aと、AND回路21bと、を備える。ラッチ部21aは、対応するサブアレイ内の不良ビット線に対応するカラムアドレスを記憶するように構成されている。AND回路21bの一方の入力端子には、ロウアドレス信号が入力される。また、AND回路21bの他方の入力端子には、ラッチ部21aから出力された信号(不良ビット線に対応するカラムアドレスを示す信号)が入力される。AND回路21bは、入力されたロウアドレス信号に対応するワード線が対応するサブアレイに含まれている場合に、ラッチ部21aから出力された信号をXNOR回路22に出力する。
【0029】
XNOR回路22の一方の入力端子には、カラムアドレス信号が入力される。また、XNOR回路22の他方の入力端子には、第1記憶部21から出力された信号(つまり、不良ビット線に対応するカラムアドレスを示す信号)が入力される。XNOR回路22は、入力された信号に基づいてXNOR演算を行い、演算結果となる信号HITを出力する。ここで、入力されたカラムアドレス信号と不良ビット線に対応するカラムアドレスとが一致する場合には信号HITがハイレベルになり、異なる場合には信号HITがローレベルになる。
【0030】
第2記憶部23は、複数のサブアレイA11,A12,A13,A21,A22,A23,…毎に、ラッチ部23aと、AND回路23bと、を備える。ラッチ部23aは、対応するサブアレイ内の不良ビット線毎に、第1サブアレイの代わりに第2サブアレイにアクセスするか否かを示すフラグ信号SSL flag(本発明の「第1情報」の一例である)を記憶するように構成されている。
【0031】
ここで、フラグ信号SSL flagは、所定数のビット(例えば、1ビット)で構成されてもよく、フラグ信号SSL flagの値は、制御部20によって設定されてもよい。また、フラグ信号SSL flagは、ハイレベルの場合に、第1サブアレイの代わりに第2サブアレイにアクセスする必要があること(つまり、不良ビット線の数がスペアビット線の数よりも多いので、置換可能なスペアビット線が存在しないこと)を示してもよいし、ローレベルの場合に、第1サブアレイの代わりに第2サブアレイにアクセスする必要がないこと(つまり、不良ビット線の数がスペアビット線の数よりも少ないので、置換可能なスペアビット線が存在していること)を示してもよい。
【0032】
AND回路23bの一方の入力端子には、ロウアドレス信号が入力される。また、AND回路23bの他方の入力端子には、ラッチ部23aから出力されたフラグ信号SSL flagが入力される。AND回路23bは、入力されたロウアドレス信号に対応するワード線が対応するサブアレイに含まれている場合に、フラグ信号SSL flagをAND回路24に出力する。
【0033】
AND回路24の一方の入力端子には、XNOR回路22から出力された信号HITが入力される。また、AND回路24の他方の入力端子には、フラグ信号SSL flagが入力される。AND回路24は、入力された信号に基づいてAND演算を行い、演算結果となる信号を第1信号生成部26に出力する。
【0034】
デコーダ25は、第1サブアレイ内のワード線に対応するロウアドレス信号が入力されると、ハイレベルの信号SSL_p[0]を第1信号生成部26に出力し、ローレベルの信号SSL_p[1]を第1信号生成部26に出力する。また、デコーダ25は、第1サブアレイの代わりにアクセスされるサブアレイ(ここでは、第2サブアレイ)内のワード線に対応するロウアドレス信号が入力された場合に、ローレベルの信号SSL_p[0]を第1信号生成部26に出力し、ハイレベルの信号SSL_p[1]を第1信号生成部26に出力する。
【0035】
第1信号生成部26は、第1サブアレイ内の何れかの不良ビット線が選択された場合に、選択された不良ビット線に対応するフラグ信号SSL flag(第1情報)に基づいて、第1サブアレイ及び第2サブアレイのうち何れかをアクセス対象として選択するための選択信号SSL[0],SSL[1](本発明の「第1制御信号」の一例である)を生成するように構成されている。
【0036】
第1信号生成部26は、2つのXOR(排他的論理和)回路26a,26bを備える。XOR回路26aの一方の入力端子には、AND回路24から出力された信号が入力され、XOR回路26aの他方の入力端子には、信号SSL_p[0]が入力される。XOR回路26aは、入力された信号に基づいてXOR演算を行い、演算結果となる選択信号SSL[0]を出力する。また、XOR回路26bの一方の入力端子には、AND回路24から出力された信号が入力され、XOR回路26bの他方の入力端子には、信号SSL_p[1]が入力される。XOR回路26bは、入力された信号に基づいてXOR演算を行い、演算結果となる選択信号SSL[1]を出力する。
【0037】
ここで、選択信号SSL[0]がハイレベルの場合には、第1サブアレイがアクセス対象として選択されることを示す。一方、選択信号SSL[1]がハイレベルの場合には、第1サブアレイの代わりに、第2サブアレイがアクセス対象として選択されることを示す。
【0038】
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置の動作の一例について図5を参照して説明する。ここで、図5(a)は、第1サブアレイ(サブアレイA13)内の不良ビット線に接続されたメモリセルMCがアクセスされる場合に、当該不良ビット線から置換された第1サブアレイ内のスペアビット線に接続されたメモリセルMCに対してアクセスが行われる場合の動作の一例を示しており、図5(b)は、第1サブアレイ(サブアレイA13)内の不良ビット線に接続されたメモリセルMCがアクセスされる場合に、第1サブアレイの代わりに、第2サブアレイ(サブアレイA11)内のビット線に接続されたメモリセルMCに対してアクセスが行われる場合の動作の一例を示している。
【0039】
先ず、図5(a)の場合について説明する。制御部20は、時刻t1において、ロウアドレス信号を含むワード線の活性化コマンドが外部から入力されると、ロウアドレス信号で示されたロウアドレスに対応するサブアレイA13内のワード線(図の例では、WL(SSL[0]側))と、サブアレイA11内の対応するワード線(図の例では、WL(SSL[1]側))と、を活性化する(ハイレベルにする)。
【0040】
このとき、制御部20の第1記憶部21は、ロウアドレス信号が入力されると、サブアレイA13内の不良ビット線のカラムアドレスを出力する。また、制御部20の第1記憶部21は、ロウアドレス信号が入力されると、サブアレイA13内の不良ビット線のフラグ信号SSL flagを出力する。
【0041】
次に、時刻t2において、通常のビット線(不良が発生していないビット線)に接続されたメモリセルMCに対する読み出しコマンドが外部から入力された場合を想定する。この場合、読み出しコマンドに含まれる、通常のビット線に対応するカラムアドレスと、制御部20の第1記憶部21から出力された不良ビット線のカラムアドレスとが一致しないので、信号HITはローレベルである。また、信号HITがローレベルであることにより、選択信号SSL[0]がハイレベルになり、選択信号SSL[1]がローレベルになる。これにより、サブアレイA13がアクセス対象として選択されることになり、サブアレイA13内の通常のビット線に接続されたメモリセルMCに対する読み出し処理が行われる。
【0042】
次いで、時刻t3において、不良ビット線に接続されたメモリセルMCに対する読み出しコマンドが外部から入力された場合を想定する。この場合、読み出しコマンドに含まれる不良ビット線に対応するカラムアドレスと、制御部20の第1記憶部21から出力された不良ビット線のカラムアドレスとが一致するので、信号HITはハイレベルになる。一方、制御部20の第2記憶部23から出力されたフラグ信号SSL flagがローレベルである(つまり、第1サブアレイの代わりに第2サブアレイにアクセスする必要がないことを示している)ため、結果として、選択信号SSL[0]がハイレベルになり、選択信号SSL[1]がローレベルになる。これにより、サブアレイA13がアクセス対象として選択されることになり、サブアレイA13内の(不良ビット線から置換された)スペアビット線に接続されたメモリセルMCに対する読み出し処理が行われる。
【0043】
次に、図5(b)の場合について説明する。なお、時刻t11及び時刻t12における動作は、図5(a)の時刻t1及び時刻t2における動作と同様である。時刻t13において、不良ビット線に接続されたメモリセルMCに対する読み出しコマンドが外部から入力された場合を想定する。この場合、読み出しコマンドに含まれる不良ビット線に対応するカラムアドレスと、制御部20の第1記憶部21から出力された不良ビット線のカラムアドレスとが一致するので、信号HITはハイレベルになる。一方、制御部20の第2記憶部23から出力されたフラグ信号SSL flagがハイレベルである(つまり、第1サブアレイの代わりに第2サブアレイにアクセスする必要があることを示している)ため、結果として、選択信号SSL[0]がローレベルになり、選択信号SSL[1]がハイレベルになる。これにより、サブアレイA13の代わりにサブアレイA11がアクセス対象として選択されることになり、サブアレイA11内の対応するビット線に接続されたメモリセルMCに対する読み出し処理が行われる。
【0044】
このようにして、サブアレイA13内の不良ビット線の数がサブアレイA13内のスペアビット線の数よりも多くなった場合であっても、サブアレイA13内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。
【0045】
また、制御部20は、第1サブアレイ(サブアレイA13)内の不良ビット線の数が第1サブアレイ(サブアレイA13)内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、サブアレイA13内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプSAの代わりに、サブアレイA11内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプSAを選択することによって、サブアレイA11内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルMCに対してアクセスするように構成されてもよい。これにより、サブアレイA13内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。
【0046】
図6を参照して、制御部20がセンスアンプSAを選択するための構成例について説明する。先ず、図6(a)に示すように、センスアンプSAは、一対の相補ビット線BLT,BLBに接続されており、一対の相補ビット線BLT,BLBは、外部から入力されたカラムアドレスに対応するカラム選択信号CSLがゲート端子に入力される一対のN型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)を介して、一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBに接続されている。また、一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBは、選択信号SSL(本発明の「第1制御信号」の一例である)がゲート端子に入力される一対のN型MOSFETと、信号MDQSがゲート端子に入力される一対のN型MOSFETとを介して、一対の相補メインデータ線MDQT,MDQBに接続されている。ここで、信号MDQSは、一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBと一対の相補メインデータ線MDQT,MDQBとの間の切換信号である。
【0047】
制御部20は、サブアレイA13内のメモリセルMCの代わりにサブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスする場合に、サブアレイA13に対してローレベルの選択信号SSLを出力し、サブアレイA11に対してハイレベルの選択信号SSLを出力する。また、制御部20は、サブアレイA11に対してハイレベルのカラム選択信号CSL及びハイレベルの信号MDQSを出力する。これにより、サブアレイA11のセンスアンプSAを選択して、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。
【0048】
また、一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBと一対の相補メインデータ線MDQT,MDQBとの間のN型MOSFETの数を低減するために、図6(b)に示すように、信号MDQS及び選択信号SSLが入力されるAND回路の出力信号がゲート端子に入力される一対のN型MOSFETが設けられてもよい。
【0049】
さらに、制御部20は、第1サブアレイ(サブアレイA13)内の不良ビット線の数が第1サブアレイ(サブアレイA13)内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第1条件を満たす場合に、サブアレイA13内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプSAに接続されているサブアンプSUBAの代わりに、第2サブアレイ(サブアレイA11)内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたセンスアンプSAに接続されているサブアンプSUBAを選択することによって、サブアレイA11内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルMCに対してアクセスするように構成されてもよい。これにより、サブアレイA13内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。
【0050】
図7を参照して、制御部20がサブアンプSUBAを選択するための構成例について説明する。先ず、図7(a)に示すように、一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBは、サブアンプSUBAを介して、一対の相補メインデータ線MDQT,MDQBに接続されている。ここで、サブアンプSUBAは、選択信号SSLがゲート端子に入力される一対のN型MOSFETが設けられていることを除いて、周知のサブアンプと同様の構成を有していてもよい。
【0051】
制御部20は、サブアレイA13内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスする場合に、サブアレイA13に対してローレベルの選択信号SSLを出力し、サブアレイA11に対してハイレベルの選択信号SSLを出力する。また、制御部20は、サブアレイA11に対してハイレベルのカラム選択信号CSLを出力し、データ読み出し用の信号RDE及びデータ書き込み用の信号WTEを制御してもよい。これにより、サブアレイA11のサブアンプSUBAを選択して、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。
【0052】
また、選択信号SSLがゲート端子に入力される一対のN型MOSFETを設ける代わりに、図7(b)に示すように、信号WTE及び選択信号SSLが入力されるAND回路と、信号RDE及び選択信号SSLが入力されるAND回路と、が設けられてもよい。
【0053】
上述したように、本実施形態の半導体記憶装置及びその制御方法によれば、サブアレイA13内の不良ビット線の数がサブアレイA13内のスペアビット線の数よりも多くなった場合であっても、サブアレイA13内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA11内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。これにより、複数のサブアレイのうち何れかのサブアレイ(ここでは、サブアレイA13)における不良ビット線の数が、当該サブアレイ(サブアレイA13)に設けられたスペアビット線の数を超えた場合であっても、不良ビット線を救済することができる。
【0054】
また、本実施形態では、制御部20が、フラグ信号SSL flagを記憶する第2記憶部23と、フラグ信号SSL flagに基づいて、サブアレイA13及びサブアレイA11のうち何れかをアクセス対象として選択するための選択信号SSL[0],SSL[1],SSLを生成する第1信号生成部26と、を備えているので、サブアレイA13及びサブアレイA11のうち何れのサブアレイにアクセスするかを、フラグ信号SSL flagを用いて容易に判別することが可能になる。
【0055】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の半導体記憶装置及びその制御方法は、制御部20が、第2サブアレイ(サブアレイA11)内の不良ビット線の数がサブアレイA11内のスペアビット線の数よりも多いことを含む所定の第2条件を満たす場合に、サブアレイA11内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルMCの代わりに、複数のサブアレイのうちサブアレイA11からX方向(行列の列方向)に離れて配置された第3サブアレイ(サブアレイA21)内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルMCに対してアクセスするように構成されている点において第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0056】
本実施形態において、制御部20は、第2条件を満たす場合に、第2サブアレイ(サブアレイA11)内の何れかのビット線又はスペアビット線の代わりに、第3サブアレイ(サブアレイA21)内の何れかのビット線又はスペアビット線を、サブアレイA11内の何れかのビット線又はスペアビット線に接続されたローカルデータ線LDQsに接続することによって、サブアレイA21内の活性化されたワード線に接続されているメモリセルMCに対してアクセスしてもよい。これにより、サブアレイA11内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA21内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。
【0057】
本実施形態では、図8に示すように、複数のセンスアンプ列SAAのうち第1センスアンプ列SAA内のローカルデータ線LDQsと、第1センスアンプ列SAAに隣接する第2センスアンプ列SAA内のローカルデータ線LDQsと、を接続するためのスイッチ部が設けられている。ここで、スイッチ部は、バイパス信号BYPがゲート端子に入力されるN型MOSFET TRで構成されてもよい。また、バイパス信号BYPは、第2サブアレイ(サブアレイA11)及び第3サブアレイ(サブアレイA21)のうち何れかをアクセス対象として選択するための第2制御信号の一例である。
【0058】
制御部20は、第2条件を満たす場合に、ハイレベルのバイパス信号BYPを出力することによって、サブアレイA21(図8の例では、ビット線bl_yを含む)に隣接するセンスアンプ列SAA内のローカルデータ線LDQsを、スイッチ部を介して、サブアレイA11(図8の例では、ビット線bl_xを含む)に隣接するセンスアンプ列SAA内のローカルデータ線LDQsに接続してもよい。これにより、サブアレイA21内の何れかのビット線又はスペアビット線を、サブアレイA21に隣接するセンスアンプ列SAA内のローカルデータ線LDQsと、スイッチ部と、を介して、サブアレイA11に隣接するセンスアンプ列SAA内のローカルデータ線LDQsに接続することが可能になる。なお、図8に示す例では1本のローカルデータ線LDQsが示されているが、例えば図6及び図7を参照して説明したように、センスアンプSAが一対の相補ビット線BLT,BLBに接続されている場合には、一対の相補ビット線BLT,BLBに接続された一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBがセンスアンプ列SAAに設けられてもよい。また、この場合には、一対の相補ローカルデータ線LDQT,LDQBの各々にスイッチ部が設けられてもよい。
【0059】
図9を参照して、本実施形態における制御部20の構成について説明する。制御部20は、第1記憶部21と、XNOR回路22と、第2記憶部23と、AND回路24と、デコーダ25と、第1信号生成部26と、第3記憶部27(本発明の「第2記憶部」の一例である)と、第2信号生成部28と、を備える。ここで、第1記憶部21、XNOR回路22、第2記憶部23、AND回路24、デコーダ25及び第1信号生成部26の構成については第1実施形態と同様である。
【0060】
なお、第1実施形態では、第1サブアレイ(サブアレイA13)内のワード線に対応するロウアドレス信号と、ビット線又はスペアビット線に対応するカラムアドレス信号が外部から制御部20に入力されるように構成されている。これに対し、本実施形態では、第1サブアレイ(サブアレイA13)の代わりに第2サブアレイ(サブアレイA11)にアクセスするために、第2サブアレイ(サブアレイA11)内のワード線に対応するロウアドレス信号と、ビット線又はスペアビット線に対応するカラムアドレス信号が制御部20に入力されるようになっている。
【0061】
第3記憶部27は、複数のサブアレイA11,A12,A13,A21,A22,A23,…毎に、ラッチ部27aと、AND回路27bと、を備える。ラッチ部27aは、対応するサブアレイ内の不良ビット線毎に、第2サブアレイの代わりに第3サブアレイにアクセスするか否かを示すフラグ信号BYP flag(本発明の「第2情報」の一例である)を記憶するように構成されている。
【0062】
ここで、フラグ信号BYP flagは、所定数のビット(例えば、1ビット)で構成されてもよく、フラグ信号BYP flagの値は、制御部20によって設定されてもよい。また、フラグ信号BYP flagは、ハイレベルの場合に、第2サブアレイの代わりに第3サブアレイにアクセスする必要があること(つまり、不良ビット線の数がスペアビット線の数よりも多いので、置換可能なスペアビット線が存在しないこと)を示してもよいし、ローレベルの場合に、第2サブアレイの代わりに第3サブアレイにアクセスする必要がないこと(つまり、不良ビット線の数がスペアビット線の数よりも少ないので、置換可能なスペアビット線が存在していること)を示してもよい。
【0063】
AND回路27bの一方の入力端子には、ロウアドレス信号が入力される。また、AND回路27bの他方の入力端子には、ラッチ部27aから出力されたフラグ信号BYP flagが入力される。AND回路27bは、入力されたロウアドレス信号に対応するワード線が対応するサブアレイに含まれている場合に、フラグ信号BYP flagを第2信号生成部28に出力する。
【0064】
第2信号生成部28は、AND回路で構成されている。このAND回路の一方の入力端子には、XNOR回路22から出力された信号HITが入力される。また、このAND回路の他方の入力端子には、フラグ信号BYP flagが入力される。第2信号生成部28のAND回路は、入力された信号に基づいてAND演算を行い、演算結果となるバイパス信号BYPを出力する。
【0065】
この場合、第2サブアレイ(サブアレイA11)内の不良ビット線に対応するカラムアドレス信号が制御部20に入力され、且つ、当該不良ビット線に対応するフラグ信号BYP flagがハイレベルに設定されている場合に、バイパス信号BYPがハイレベルになる。これにより、サブアレイA11の代わりに第3サブアレイ(サブアレイA21)がアクセス対象として選択されることになり、サブアレイA21内の対応するビット線に接続されたメモリセルMCに対するアクセスが行われる。
【0066】
上述したように、本実施形態の半導体記憶装置及びその制御方法によれば、サブアレイA11内の不良ビット線の数がサブアレイA11内のスペアビット線の数よりも多くなった場合であっても、サブアレイA11内のメモリセルMCの代わりに、サブアレイA21内のメモリセルMCにアクセスすることが可能になる。これにより、第1サブアレイ(サブアレイA13)の不良ビット線をより確実に救済することができる。
【0067】
また、本実施形態では、制御部20が、フラグ信号BYP flagを記憶する第3記憶部27と、フラグ信号BYP flagに基づいて、サブアレイA11及びサブアレイA21のうち何れかをアクセス対象として選択するためのバイパス信号BYPを生成する第2信号生成部28と、を備えているので、サブアレイA11及びサブアレイA21のうち何れのサブアレイにアクセスするかを、フラグ信号BYP flagを用いて容易に判別することが可能になる。
【0068】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0069】
例えば、上述した各実施形態では、制御部20が、複数のサブアレイA11,A12,A13,A21,A22,A23,…のうち第1サブアレイA13内の何れかのワード線を活性化する場合に、当該ワード線と、第2サブアレイA11内の対応するワード線と、を活性化する場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限定されない。例えば、制御部20は、複数のサブアレイA11,A12,A13,A21,A22,A23,…のうち特定のサブアレイ(例えば、サブアレイA12)内の何れかのワード線を活性化する場合にのみ、他のサブアレイの対応するワード線を活性化し、他のサブアレイ(例えば、サブアレイA13等)内の何れかのワード線を活性化する場合に、別のサブアレイ(例えば、サブアレイA11)内の対応するワード線を活性化しなくてもよい。なお、特定のサブアレイに関する情報は、例えば、所定の記憶領域(例えば、構成レジスタ等)において設定されてもよい。これにより、同時に2つ以上のサブアレイのワード線を活性化することによって生じる電力消費量の増大を抑制することが可能になる。
【0070】
また、上述した第2実施形態では、第2サブアレイA11と第3サブアレイA12とが隣接している場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限定されない。例えば、第2サブアレイと第3サブアレイとの間に1つ以上のサブアレイが設けられていてもよい。この場合においても、第2サブアレイ内の不良ビット線の数が第2サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多くなった場合に、第2サブアレイ内のメモリセルの代わりに、第3サブアレイ内のメモリセルにアクセスすることが可能になる。
【0071】
さらに、上述した各実施形態の制御部20の構成は一例であり、適宜変更されてもよいし、他の様々な構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…メモリセルアレイ
20…制御部
23…第2記憶部
26…第1信号生成部
27…第3記憶部
28…AND回路
bl(1),bl(b),bl_x,bl_y,BLT,BLB…ビット線
sbl(1),sbl(c)…スペアビット線
wl(1),wl(2),wl(a),wl_1,wl_2…ワード線
A11,A12,A13,A21,A22,A23…サブアレイ
BYP…バイパス信号
LDQT,LDQB,LDQs…ローカルデータ線
SA…センスアンプ
SSL[0],SSL[1],SSL…選択信号
SSL flag…フラグ信号
SUBA…サブアンプ
【要約】
【課題】複数のサブアレイのうち何れかのサブアレイにおける不良ビット線の数が、当該サブアレイに設けられているスペアビット線の数を超えた場合であっても、不良ビット線を救済することの可能な半導体記憶装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、複数のサブアレイを含むメモリセルアレイ10と、複数のサブアレイのうち第1サブアレイA13内の何れかのワード線Wl_1を活性化する場合に、ワード線Wl_1と、第1サブアレイから行方向に離れて配置された第2サブアレイA11内の対応するワード線Wl_2と、を活性化する制御部と、を備える。制御部は、第1サブアレイ内の不良ビット線の数が第1サブアレイ内のスペアビット線の数よりも多いことを含む第1条件を満たす場合に、第1サブアレイ内のメモリセルではなく、第2サブアレイ内の活性化されたワード線に接続されたメモリセルにアクセスするように構成されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9