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▶ 松村 瑞恵の特許一覧

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  • 特許-衣類の型紙とその型紙で製作した衣類 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】衣類の型紙とその型紙で製作した衣類
(51)【国際特許分類】
   A41H 3/00 20060101AFI20240516BHJP
   A41D 1/04 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
A41H3/00 B
A41D1/04 K
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023095094
(22)【出願日】2023-05-02
【審査請求日】2023-06-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年1月3日、令和5年3月31日、令和5年4月1日に下記ウェブサイトで公開。http://rizu-shop.crayonsite.info, http://m.facebook.com/ayarveda.mater/, https://lin.ee/AFEzHU7, https://www.instagram.com/salonmater/, https://g.co/kgs/UaVPPi, https://g.co/kgs/bevqxc, https://salonmater.wordpress.com/, https://ameblo.jp/salon-mater/, https://www.linkedin.com/in/mater369
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523211176
【氏名又は名称】松村 瑞恵
(72)【発明者】
【氏名】松村 瑞恵
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-157103(JP,U)
【文献】特開2016-113708(JP,A)
【文献】特開2004-027462(JP,A)
【文献】特開2005-089876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41H 3/00
A41D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体前面部を覆う前身ごろと身体背部側を覆う後身ごろの型紙から成り、伸縮性編物を用いて構成し、
前記前身ごろおよび前記後身ごろの型紙は、中心部で折り返すと左右対称となる形状を備え、
前記前身ごろの肩部の縦の長さが、前記後身ごろの肩部の縦の長さよりも長く、
前記前身ごろと前記後身ごろの肩部である接合部は、身体背部側に位置し、
その接合する後身ごろ肩ラインの傾斜は、前身ごろ肩ラインの傾斜よりも大きく備え、
更には、前記前身ごろの胴部の横幅は、前記後身ごろの横幅よりも狭く、
前記前身ごろおよび前記後身ごろの脇の接合部は、縦の直線部とその下に緩やかな傾斜部を含み、
前記前身ごろの襟ぐりは、その最下端が、袖ぐり最下端より、上方となるよう形成され、
前記後身ごろの襟ぐりの最下端は、肩部接合位置より下方に形成し、
前記前身ごろの袖ぐり最下端は、小さい半径を持つ円弧状の第一円弧状を備え、前記後身ごろの袖ぐりは、全体が円弧状であり、その半径は、第一円弧状の半径よりも大きく備えることを、特徴とする衣類の型紙とその型紙で製作した上半身用衣類。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類の型紙と、その型紙で製作する衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の衣類は、自然なる人体の構造に沿っておらず、人体構造の自然なる動きに逆らった型紙と製法を採用した衣類である問題点などがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、従来の衣類の製法が人体に及ぼす悪影響を解決し、
自然摂理に則った自然なる人体構造(以下、人体と称す)に沿った請求項1に記載の衣類の型紙とその型紙で製作された衣類を提供することである。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、従来の衣類がどのように人体に悪影響を及ぼし、人体の負担となる問題点に着目し、改善することを目的とした前記衣類の型紙とその型紙で製作した衣類(以下、型紙とその衣類と称する)である。
【0005】
本発明は、前記課題が、日常活動において従来の衣類の重量が人体の肩部を通して、身体前面胴部側に下りることが、人体の骨格や筋肉および血液循環に悪影響を与えているなどの問題点を解決する。
【0006】
従来の衣類が及ぼす人体への影響は、その従来の衣類の重量感によって、人体に血行不良を招く問題点があり、本発明は、その問題点を解決し重量感の感じない着心地の良い衣類を製作するために型紙とその衣類を提供する。
【0007】
本発明は、従来の衣類を製作する技術では成しえなかった、自然なる人体構造に則った衣類を製作するための型紙とその型紙で製作する衣類であって、その発明は、不調の要因となる身体の歪みを防ぎ、自然なる人体構造へ戻すことを目的とし健康へ導く衣類を提供する。
【発明の概要】
【課題が解決するための手段】
【0008】
前記課題を解消し達成するために本発明は、次の構成を有するものである。
【0009】
(1)伸縮性編物からなる衣服であって、前記肩部A、Bや前記胴部C、Dの構成に特長のある前記前身ごろ図1と前記後身ごろ図2からなる型紙とその衣類である。
【0010】
(2)〈自然摂理に則った自然なる人体構造とは、を説明する〉
図7が人体骨格図であり、これを参照することで、人体骨格の自然なる流れの方向を知る必要があり、これを参照することにより理解できる人体構造は、鎖骨が背部側後方へ位置することである、その鎖骨の位置が背部側後方へ位置し下がることで、頸椎も背部側後方へ安定した位置を設けることになり、頸椎の前傾を防げると知ることができる。
【0011】
(3)(2)の説明を理解すれば、脊柱部も背部側上部に上がるよりも、背部側下部へ下げることを意図する衣類を製作することが望ましい。
【0012】
(4)(2)~(3)の説明を理解すれば、肩部そして、肩甲骨も背部側上部に上がるよりも、背部側下部へ下げることを意図する衣類を製作することが望ましいと考えられる。
【0013】
(5)(2)~(4)の説明を踏まえ、自然なる人体骨格の流れの方向は、鎖骨が背部側後方へ位置すると、自然なる人体構造は、前面胴部側の骨格が、上部へ伸びることを求める、その自然摂理の人体構造により、胸骨や肋骨も人体骨格の前面胴部側上部へと伸ばす衣類を製作することを意図しなければならない。
【0014】
(6)(2)~(5)の説明を踏まえ、本発明は、自然なる人体構造に沿う人体骨格の流れおよび人体筋肉の柔軟性を維持するための自然摂理に則った着心地の良い衣類を製作することを満足とする特徴を持つ型紙とその衣類を提供する。
【0015】
(7)鎖骨に負担を掛けず、頚椎にも負担を掛けない衣類を製作するには、肩部の接合位置を背部側に位置する構成を定めるため、前記前身ごろの前記肩部の最上端の肩のライン1ーaを背部側の位置に折り返せるように長く備えることによって、衣類の重量が人体前面胴部側ではなく、背部側に下りる図7に表示した作用が生まれる。
【0016】
(8)本発明は、(7)の特長をより一層生かすために、前記前身ごろと前記後身ごろからなる前記前身ごろ脇の接合部と前記後身ごろ脇の接合部にも異なる横幅で構成し、日常活動で起こる身体の動きに対応し、衣類が人体の肩部から身体前面胴部側Jの方向に移動せず、人体の背部側Kの方向へ移動することが可能な構成である。
【0017】
(9)本発明の(7)~(8)の構成を採用することは、身体前面胴部側Jの方向に移動することによって起こる(2)~(6)で説明した人体が望む前記構成を採用しておらず、従来の衣類の問題点である骨格への圧力が、鎖骨から始まり鎖骨下部すべての骨格へ連動する悪影響を解決できる。
【0018】
(10)本発明は、前記前身ごろおよび後身ごろの襟ぐりの前記肩部の接合する前記肩のライン1ーa、1ーbに異なる傾斜をつけ、接合することで前記前身ごろおよび前記後身ごろ前記肩のラインが肩先Zzから腕側下方へずれることを抑え、裁断時に起こる生地の切断によって生じる生地の広がりを抑えることもできる構成である。
【0019】
(11)(10)の構成から、その前記肩部の接合部1ーa、1ーbのわずかな捻りは立体感となって、襟ぐりに良い影響を作り出し、その良い影響は襟ぐりの大きさの広がりを抑えることを満足とする。
【0020】
(12)本発明は、前記前身ごろおよび前記後身ごろの前記肩のラインの接合部1ーa、1ーbの長さは、略一致する。
【0021】
(13)本発明は、(7)~(9)の構成から、襟ぐりの大きさにこだわりを持ち、従来の衣類の襟ぐりの大きさが、頚椎や鎖骨そして、肩部を圧迫していることから、襟ぐりの構成を広げることとし、その広げた前記襟ぐり3ーa、3ーb、3ーcをいかに長時間継続して、人体に圧迫や負担を掛けずに、また、どのような姿勢や体勢であっても関節可動域を圧迫させることが無い構成を満足とする。
【0022】
(14)本発明は、前記前身ごろの袖ぐりは、肩部や胸部に少なくとも位置し、腕の可動域が肋骨にも影響することを考慮し、可動域の範囲を妨げず、人体に圧迫や負担がない前記袖ぐり4ーa、4ーb、4ーc、4-dの大きさを構成し、日常活動がスムーズに関節可動域を狭めない構成である。
【0023】
(15)本発明は、前記前身ごろの袖ぐり最下端部Fは、胸部側に少なくとも位置し、従来の衣類の袖ぐり最下端部位置よりも人体の胴部側に位置している、このように前記前身ごろの横幅を狭く構成することで、人体が前屈みなどの体勢になった状態の肩部や鎖骨部、胸部そして、肋骨への負担が和らげる構成であり、人体の脇への圧迫を防ぐことによって、リンパへの圧迫も防ぐことが可能となり、従来の衣類の構成によって引き起こす血流への負担も回復する特徴を備えることを満足とする。
【0024】
(16)本発明は、前記後身ごろの袖ぐり最下端部Gは、胸部側に少なくとも位置し、従来の衣類の袖ぐり最下端部位置よりも人体の胴部側に位置し、前記後身ごろの横幅を広く構成することで、人体が前屈みなどの体勢になった状態の肩部や肩甲骨、脊柱部そして、肋骨への負荷を和らげる構成であり、(15)の構成と接合することによって引き出される満足する良い作用である。
【0025】
(17)本発明は、前記後身ごろの袖ぐりが、肩部や背部に少なくとも位置し、肩関節可動域が肋骨にも影響することを考慮し、可動域の範囲を妨げず、人体に圧迫や負担を掛けない前記袖ぐりの大きさ4ーa、4ーb、4ーc、4-dを作るために前記後身ごろ脇部の横幅を広く構成し、その構成によって人体が前屈みや前傾姿勢で起こす衣類からの圧迫をやわらげる作用をもたらす構成であり、肩関節可動によって、従来の衣類が起こす脊柱部への圧迫も防ぐ構成でもあり、日常活動がスムーズに関節可動域を狭めない特徴を持つことを満足とする。
【0026】
(18)本発明は、(15)~(17)で述べた構成をより良い物にするために脇の接合部にも直線で縫合1-c2、1ーcc2する部分と傾斜で縫合1ーc3、1ーcc3する異なる接合部を備え、直線部の縫合1-c2、1ーcc2で、袖ぐりの安定を設け、傾斜部の縫合1ーc3、1ーcc3で日常活動における人体の動作に備える特徴を持つ。
【0027】
(19)本発明は、前記前身ごろの脇のラインを身体前面胴部側に備えることで、人体骨格である鎖骨部、胸部、肋骨そして、人体筋肉である大胸筋、腹直筋の動きにも沿うことが出来る人体の自然な動きを妨げずに衣類を着用する利点を最大限に発揮できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、自然なる人体の動作を妨げずに人体の血流を維持することを目的とし、
その血流維持によって血液循環が良好になり、その効果は、人体の温存効果にも繋がることを特徴とし、その目的を達成している。
【0029】
本発明は、発明した衣類を着用しても自然なる人体構造を維持し、人体に及ぼす圧迫感や負担を解消し、何も纏っていないかのような着用感であり、衣類の重量感を感じることが無く、この特徴が人体に歪みを造らない構成であることを達成している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】 本発明の基本構造を説明する中心線で折り返した前身ごろ型紙の平面図
図2】 本発明の基本構造を説明する中心線で折り返した後身ごろ型紙の平面図
図3】 本発明の型紙に沿って裁断し縫合された腹部側から見た正面図
図4】 本発明の型紙に沿って裁断し縫合された背中側から見た背面図
図5】 本発明の接合された側面側から見た立体図
図6】 本発明の接合された斜め後ろから見た立体図
図7】 本発明の効果を説明するために必要な人体骨格の写真
【符号の説明】
【0031】
1ーa 前身ごろ肩部肩のライン及び、肩ラインの接合部
1ーb 後身ごろ肩部肩のライン及び、肩ラインの接合部
1-c3 前身ごろ脇の接合部
1ーcc3 後身ごろ脇の接合部
【発明を実施するための形態】
【0032】
肩部の接合部である肩のラインを構成するにあたり、前身ごろ肩部Aと後身ごろ肩部Bの異な斜であるが接合部の長さ1ーa、1ーbを同じにすることが必要になる。
【0033】
本発明の効果を生かすために、前記肩のラインを傾斜にし背部側に位置する意図として、人体の骨格および広背筋が人体背部側下方へ下がる人体の本来の姿勢に整えることができ、筋肉の硬直を防ぐことに役立つ。
【0034】
脇部の接合部である脇のラインを構成するにあたり、直線と傾斜の異なる構成においても、前身ごろ1ーc2、1ーc3と後身ごろ1ーcc2、1ーcc3の長さを同じにする必要がある。
【0035】
図2の後身ごろ脇のラインの点線は、接合部の縫い合わせ部分になるので、この点線と図1前身ごろの脇のラインの長さは同じである。
【0036】
前述の脇接合部最下端Xは、長さが略一致となる、よって傾斜であるXの角を取るのが好ましい。
【0037】
本発明は、衣類の生地の重量が背部側に下がり、後身ごろ襟ぐりは、裁断時のイメージよりも深くなり、その構成は、頸椎および脊柱部への負担を防ぐことを達成できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の型紙と衣類の構成を上半身用衣類に採用することで、関節可動域を狭めず、骨格や筋肉動作に負担が掛からないので、衣類の重量で感じていた疲れを軽減できる。
【0039】
身ごろの長さを短く調整し、トップスや着心地の良い締め付けないブラジャーとしても利用価値がある。
【0040】
袖ぐりに合わせた袖を取り付けることに対応できる。
【0041】
スポーツウエアや作業用制服などの身体の動きが激しいウエアに採用すると関節可動域が広がり、制限のない自由な動作に対応する。
【0042】
本発明の特別な構成を生かし、サイズの割合を変更すれば、子供用衣類や大人用衣類、男女問わずの衣類に対応する。
【実施例
【0043】
本発明で製作した衣類を発明者が継続して着用した結果を以下に報告する。
【実施例1】
【0044】
従来の衣類では、着用してから数分で身体が重く感じていたが、本発明の衣類を長時間着用しても筋肉が圧迫で縮むような感じを受けず前傾姿勢を防ぐことが達成できた。
【実施例2】
【0045】
本発明の襟ぐりのサイズの大きさ(深さ)は、本発明の効果を引き出すための最低限のサイズであり、このサイズの大きさ(深さ)よりもサイズを小さく(浅く)取った場合にほ、本発明の効果は現れない。
【実施例3】
【0046】
本発明の襟ぐりのサイズの大きさ(深さ)は、本発明の効果を引き出すための最低限のサイズであり、アウターに響かないインナーとして、この構成を採用し製作する場合には、このサイズよりも大きく(深く)取っても本発明の効果は実現される。
【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、従来の衣類を製作する技術では成しえなかった、自然なる人体構造に則った、衣類を製作するための型紙とその型紙で製作する衣類であって、その発明は、不調の要因となる身体の歪みを防ぎ、自然なる人体構造へ戻すことを目的とし健康へ導く衣類を提供する。
【解決手段】鎖骨に負担を掛けず、頚椎にも負担を掛けない衣類を製作するには、肩部の接合位置を背部側に位置する構成を定めるため、前記前身ごろの前記肩部の最上端の肩のライン1ーaを背部側の位置に折り返せるように長く備えることによって、衣類の重量が人体前面胴部側ではなく、背部側に下りる作用が生まれる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7