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  • 特許-プロセス装置用の改善された火炎遮断器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】プロセス装置用の改善された火炎遮断器
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/409 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
G01N27/409 100
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023501019
(86)(22)【出願日】2021-06-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2021037600
(87)【国際公開番号】W WO2022010624
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】16/923,532
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ラッチ,タイレル・エル
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/103386(WO,A1)
【文献】特表2014-508302(JP,A)
【文献】特開2010-284530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0056101(US,A1)
【文献】特表2018-519519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/409
G01N 27/41
G01N 27/419
A62C 2/00-99/00
F23D 14/00-14/84
G01N 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス装置用の火炎遮断器であって、
第一軸を有する第一螺旋と、第二軸を有する第二螺旋とからなる火炎遮断要素であって、ここで前記第一軸と前記第二軸とが平行ではない、一対の交差-螺旋が形成された火炎遮断要素と、
前記プロセス装置に取り付けられるよう構成されたハウジングであって、前記火炎遮断要素がその中に取り付けられているハウジングと
を備えた火炎遮断器。
【請求項2】
前記第一軸と前記第二軸とが直交している、請求項1に記載の火炎遮断器。
【請求項3】
前記第一軸と前記第二軸とが交差している、請求項1に記載の火炎遮断器。
【請求項4】
前記火炎遮断要素が積層造形によって形成されている、請求項1に記載の火炎遮断器。
【請求項5】
前記火炎遮断要素が放電加工(EDM)によって形成されている、請求項1に記載の火炎遮断器。
【請求項6】
前記火炎遮断要素が金属で形成されている、請求項1に記載の火炎遮断器。
【請求項7】
前記金属が、ステンレス鋼、コバルトクロム、マルエージング鋼、アルミニウム、ニッケル合金およびチタンの群から選択される、請求項6に記載の火炎遮断器。
【請求項8】
前記火炎遮断要素の一端部が多数の開口部を伴う格子状を有している、請求項1に記載の火炎遮断器。
【請求項9】
燃焼分析器であって、
酸素感知セルが配置され、火炎遮断器が取り付けられる遠位端部を有するプローブ本体と、
プロセスガスおよび前記酸素感知セルの間に介在するよう構成された前記火炎遮断器であって、一方の軸と他方の軸とが平行ではない、一対の交差-螺旋により形成された火炎遮断器と、
前記プローブ本体に接続し、その中に電子回路を有するハウジングであって、前記電子回路が前記酸素感知セルに接続するとともに、前記プロセスガスにおける酸素濃度を示す酸素出力を生成するよう構成されたハウジングと
を備えた燃焼分析器。
【請求項10】
火炎遮断要素が積層造形によって形成されている、請求項9に記載の燃焼分析器。
【請求項11】
前記火炎遮断要素が金属で形成されている、請求項10に記載の燃焼分析器。
【請求項12】
前記火炎遮断器が、前記プローブ本体の遠位端部にねじで接続している、請求項9に記載の燃焼分析器。
【請求項13】
火炎遮断要素が、前記プローブ本体の遠位端部にねじで接続しているねじ付き火炎遮断器ハウジングに取り付けられている、請求項9に記載の燃焼分析器。
【請求項14】
交差-螺旋が互いに直交している、請求項9に記載の燃焼分析器。
【請求項15】
前記一対の交差-螺旋の各軸が互いに交差している、請求項9に記載の燃焼分析器。
【請求項16】
前記火炎遮断器の一端部が格子状である、請求項9に記載の燃焼分析器。
【請求項17】
火炎遮断器の製造方法であって、
第一軸並びに壁の厚みおよびピッチを有する第一螺旋を規定することと、
前記第一軸とは平行ではない第二軸並びに壁の厚みおよびピッチを有する第二螺旋を規定することと、
前記第一螺旋と前記第二螺旋とを重畳した三次元モデルを生成することと、
前記三次元モデルを製造装置に提供し、当該三次元モデルに基づく火炎遮断要素を形成することと、
ハウジングに前記火炎遮断要素を取り付けこと
を含む方法。
【請求項18】
前記第一軸と前記第二軸とが互いに直交している、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記製造装置が3Dプリンタである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記製造装置が放電加工機(EDM)である、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロセス装置は、可燃性蒸気が、フレア、発熱化学反応、炎、および/または高温表面などの潜在的な発火源によって点火されないようにするために、火炎遮断器を使用する。火炎遮断器は、化学プラント、精製作業、石油化学用途、バイオガス用途、埋立地などを含むがこれらに限定されない様々なプロセス用途で使用できる。火炎遮断器は、通常、燃料源と発火源の間の場所または装置に設置され、そこを通るガスの流れを可能にするように設計された、当該火炎遮断器を通る1つ以上の流路を含むが、同時に、火炎面が流路を通過しようとするときに火炎面から熱を除去するようにも設計されている。このように、火炎遮断器は、火炎面が燃料源に到達するのを防ぐことで、燃料源への発火を防ぎ、また物的損害や人的損傷を防ぐ。
【0002】
火炎遮断器の1つの特定の用途は燃焼分析器である。燃焼分析器は、あらゆる燃焼プロセスから発生する煙道ガスに残っている酸素の測定を提供する。理想的な酸素レベルを維持することで、最適な効率が得られ、NO、COおよびCOを最低レベルにする。環境規制の遵守が容易になる。市場で入手可能な燃焼分析器の一例は、RosemountインクのEmerson Automation Solutions社による、Model 6888 In Situ Flue Gas Oxygen Transmitter(商標)が販売されている。
【0003】
燃焼分析器では、ガス測定のため高温のガスを酸素感知セルに流すことができるようにするために、燃焼プローブに火炎遮断器が使用される。これらのガスは、通常、発火源を発生させるほど十分な高温であるため、火炎遮断器が、ガスの温度を下げ、ガスの周囲の酸素量を最小限に抑えて、発火や爆発のリスクを最小限に抑えるために使用される。
【発明の概要】
【0004】
プロセス装置用の火炎遮断器を提供する。火炎遮断器は、第一軸を有する第一螺旋と、第二軸を有する第二螺旋とからなる火炎遮断要素を含み、ここで前記第一軸と前記第二軸とは平行ではない。ハウジングは、前記プロセス装置に取り付けられるよう構成される。前記火炎遮断要素は前記ハウジングに取り付けられる。プロセス装置用に改善された火炎遮断器の製造方法とともに、改善された火炎遮断器を採用した燃焼分析器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本発明の実施形態が特に適用可能な、その場プロセス酸素分析トランスミッタ装置の概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態が特に適用可能な、燃焼酸素トランスミッタの斜視図である。
図3A図3Aは、既知の火炎遮断器設計の概略図である。
図3B図3Bは、既知の火炎遮断器設計の概略図である。
図4図4は、それぞれ螺旋部すなわち360°のステップを有する交差螺旋を伴う、直交する一対の軸(軸1、軸2)の概略図である。
図5図5は、要求される長さにわたり連続した螺旋から形成される螺旋全体を図示する概略図である。
図6A図6Aは、図5の斜視図に示された螺旋の立面図である。
図6B図6Bは、図6Aに示された軸と直交する軸に沿って、所望の長さにわたり形成された連続的な螺旋部の立面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態による、一対の交差螺旋の重畳により形成されるフォームの概略図である。
図8図8は、一実施形態による所望の形状にカットされた交差螺旋火炎遮断要素の概略図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による形状にカットされ、ねじ付きハウジングに挿入された交差螺旋火炎遮断要素の概略図である。
図10図10は、本発明の一実施形態による交差螺旋火炎遮断要素の端部を拡大した概略図である。
図11図11は、螺旋火炎遮断器を通るガスの流れ方向を図示しているメッシュの断面の概略図である。
図12図12は、本発明の一実施形態による交差-螺旋火炎遮断器の製造方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本発明の実施形態が特に適用可能な、その場プロセス酸素分析トランスミッタ装置の概略図である。トランスミッタ10は、たとえば、Rosemountインク(Emerson Automation Solutions社)から入手可能なModel 6888 Oxygen Transmitter(商標)とすることができる。トランスミッタ10は、一例では、スタックすなわち煙道14内に実質的に配置され、バーナ16で発生する燃焼に関連する煙道ガスの酸素含有量を測定するプローブアセンブリ12を含む。一例では、バーナ16は、空気すなわち酸素源18と燃焼燃料源とに対して動作可能に連結している。源18および20それぞれは、燃焼プロセスを制御するためにバーナ16に制御可能に連結している。トランスミッタ10は、燃焼排気流中の酸素量を測定し、燃焼コントローラ22に酸素レベルの表示を提供する。コントローラ22は、バルブ24および26の一方または両方を制御して、閉ループ燃焼制御を提供する。コントローラ22は、排気流中の酸素が過多または過少を示したとき、バーナ16に供給される酸素または燃料の量が変化するように、自動的に動作することができる。
【0007】
図2は、本発明の実施形態が特に適用可能な、燃焼酸素トランスミッタの斜視図である。トランスミッタ100は、ハウジング102、プローブ本体104および保護カバー116を備えた電子回路106を含む。プローブ本体104は、火炎遮断器110が取り付けられる遠位端部108を有する。火炎遮断器110は、図2の破線で示されているように、高温ガスが酸素セル112に流れるように構成されている。これらのガスは爆発性になるか、そうでなければ発火を発生させるほど高温であるため、火炎遮断器110の重要な機能は、ガスから熱を引き出し、爆発または発火のリスクを減らすためにガスの周囲の酸素量を最小限に抑えることである。
【0008】
ハウジング102は、電子回路106を収容するサイズのチャンバ114を有している。さらに、ハウジング102は、ハーメチックシールを形成するために、カバー116の外ねじを受けて結合するように適合された内ねじを含む。さらに、ハウジング102は、電子回路106と、プローブ104の遠位端部108内に配置された測定セル112との間を通して電気的な相互接続を可能にするボアまたはアパーチャを含む。
【0009】
プローブ本体104は、煙道14などの煙道内に延在するよう構成されている。プローブ本体104は、フランジ120に隣接する近位端部118を含む。フランジ120は、トランスミッタ100をダクトの側壁に取り付けるか、または固定するために使用される。そのように取り付けられると、トランスミッタ100は、フランジ120のダクト壁への接合によって完全に支持され得る。
【0010】
電子回路106は、ヒーター制御と信号調整を提供することができる。さらに、電子回路106は、煙道ガスの酸素濃度を表す線形の4~20mA信号を提供することができる。一例では、電子回路106は、煙道ガスの酸素測定と通信機能を提供するためのプログラム的なステップを実行できるマイクロプロセッサである。しかし、トランスミッタ100は、電子回路がない、単純な「直接置換」プローブであってもよく、それによりそれぞれ酸素濃度とセルを表す指標を提供する感知セルと熱電対に対して生のミリボルト信号を送信する実施例の場合もある。
【0011】
図3Aおよび3Bは、既知の火炎遮断器設計の概略図である。このような設計は、概要において、図3Aに示すような金属薄板部品を使用する。金属薄板は、図に示すように山と谷のあるリップルを有するように形成される。図示の例では、金属板の厚さは約0.002インチであり、形成されるリップルは、山と谷との距離が約0.0042インチで約90°の角度を有する。図3Bは、金属板部品を最終的なコイル状に圧延したときに、図3Aから形成されるリップルが変形または平坦化されることを拡大して示す概略図である。この変形により、設計上の流量値が製造技術によって変化する可能性がある。したがって、従来の技術により製造された火炎遮断器を使用する場合、好ましくないばらつきが生じるおそれがある。
【0012】
本明細書に記載された一実施形態に従い、改善された火炎遮断器が提供され、それは、好ましくは約90°でそれぞれ離間した軸を有する2つの螺旋を採用する。この一対の交差螺旋は、異なる流量を達成するために、設計段階(たとえば、壁の厚さとピッチを指定する)において容易に調整可能なメッシュ形状を形成する。さらに、火炎遮断器の応答時間の性能は、一般的に本器を通過可能な流量に依存する。
【0013】
図4は、一対の交差螺旋のそれぞれのステップすなわち360°単位の繰り返しを伴う、直交する一対の軸(軸1、軸2)の概略図である。図4に示されるように、第一螺旋ステップ200は、軸1と概ね一致する中心軸を有し、壁の厚さtおよびピッチpを有する。同様に、螺旋ステップ202は、軸2と一致する中心軸を有し、壁の厚さtおよびピッチpを有する。各螺旋は、基本的に個々の螺旋部が軸方向にステップしながら繰り返されることで形成されている。
【0014】
図5は、要求される長さにわたり連続した螺旋部を形成するためにパターン化された螺旋204全体を図示する概略図である。
【0015】
図6Aは、図5の斜視図に示された螺旋204の立面図である。見てわかるように、螺旋206の螺旋側壁の間には、多数の空間すなわちチャネル206が存在する。
【0016】
図6Bは、軸2に沿って多数の螺旋部202によって形成される螺旋208の立面図である。見てわかるように、螺旋208もまた、螺旋208の側壁の間に多数の空間すなわちチャネル210を含む。
【0017】
図7は、本発明の一実施形態による、一対の交差螺旋の重畳により形成されるフォームの概略図である。設計およびモデリングの段階で、好ましくは直交する軸を有する螺旋204および208を互いに重畳することで、図7に示される交差螺旋のフォームを形成する。製造または重畳された交差螺旋のフォームは、通常、従来の火炎遮断器の製造技術では実現することができない。そのため、ここに記載されている実施形態は、一般的に積層加工またはEDM製造を用いて製造される。このような技術は、設計における調整を容易とすることができ、最終的な部品が、意図された設計通りに生産されることへの信頼性を与える。さらに、設計は、適宜の形状を提供するために、開発段階で様々な寸法を増減させて容易にスケールされ、それは積層技術またはEDM製造を用いて製造することができる。たとえば、螺旋は、試験結果に応じてピッチ寸法をきつくするか緩くするかのいずれかに変更することで調整できる。図7に示されるフォームが製造されると、全体構造が所望の形状にカットされる。
【0018】
図8は、一実施形態による所望の形状にカットされた交差螺旋火炎遮断要素の概略図である。見てわかるように、その全体構造は、長さl、直径dの円筒形にカットされている。このカット形状の要素220は、ねじ付きハウジング222のような適宜のハウジングに挿入することができる。ただし、この火炎遮断要素の所望の形状および寸法は、設計プロセスの段階でハウジングと組み合わせて、単一の部品として製造することもできる。
【0019】
図9は、本発明の一実施形態による形状にカットされ、ねじ付きハウジングに挿入された交差螺旋火炎遮断要素の概略図である。図9に示される。ねじ付きハウジングの完成されたメッシュ端部を燃焼プローブまたは他の適宜なプロセス装置の端部にねじ込むだけで、簡単に火炎遮断機能を提供することができる。火炎遮断器に使用される材料は、温度および特定の物質との暴露に応じて変えることができる。しかし、一般的には、火炎遮断要素の積層印刷に使用される材料は、3D印刷などの積層造形技術に適合する金属または複合材料であることが好ましい。好適な材料の例としては、ステンレス鋼、コバルトクロム、マルエージング鋼、アルミニウム、ニッケル合金およびチタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
図10は、一実施形態による交差螺旋火炎遮断要素の端部を拡大した概略図である。見てわかるように、端部230は、概要において、重畳された螺旋によって規定される経路で端部230から延びる多数の開口部232を伴う格子状を有している。図10に示される例では、これらの経路は、紙面から入りおよび右上方に延びている。
【0021】
図11は、螺旋火炎遮断器を通るガスの流れ方向を図示しているメッシュの断面の概略図である。見てわかるように、流れ方向234は、酸素測定セルに至る多くのチャネル236を抜けている。流路は、高温の空気/ガスから熱を引き出すのを助ける非直線的経路となるように、若干の螺旋角度(図11には示されていない)を有している。
【0022】
図12は、本発明の一実施形態による交差-螺旋火炎遮断器の製造方法のフロー図である。方法300は、第一螺旋が規定されるブロック302から始まる。第一螺旋の規定は、概要において、ピッチ304と壁の厚さの指定を含む。次に、ブロック308において第二螺旋が規定される。ここでも、第二螺旋には、概要において、ピッチ310と壁の厚さ312の決定が含まれる。さらに、ブロック314に示すように、第二螺旋は、第一螺旋に対する軸を規定することができる。好ましくは、第二螺旋の軸は、第一螺旋から90度に直交している。ただし、第一軸と第二軸とが平行でない限り、他の間隔を採用した形態で実施してもよい。第一および第二軸が規定されると、方法300は、第一および第二螺旋が重畳されるブロック316に進む。一実施形態で、これは、第一および第二軸が交差するように配置されることを意味する。しかし、第一および第二軸との間にある程度の間隔を許容する形態で実施してもよい。第一および第二螺旋を重畳させて三次元の形状またはモデルが規定される。このモデルは、ブロック318に示されているように、適宜の製造装置または設備に提供され、この三次元モデルに基づく物理的オブジェクトを生成する。適宜の製造装置または設備は、参照番号320に示されるような3D印刷、EDM322、または参照番号324に示されるような他の適宜の技術を含む。
【0023】
積層造形とは、一概にいえば、1回につき1層(一般に非常に薄い)の三次元オブジェクトを生成する技術または技法を指す。それぞれの積層はその下の層と融合または結合する。これは、使用される材料が、その多くが融点またはその近くの温度に加熱されるためである。また、積層造形において、材料を積層するための物質を異なるものにすることも可能である。積層造形は、従来の機械加工では簡単には形成できないであろう非常に複雑な内部の詳細構造を提供することができる。積層造形では、一般に、CADまたは他の適宜のソフトウェアを使用して、オブジェクトが3Dモデルとして規定される。これらのモデルは、多くは、非常に薄い層にデジタルスライス可能な.stlファイルとして保存され、積層造形装置は、それにより印刷面上に材料を積層または生成する。所与の層が完成すると、印刷ヘッドは1層の厚さ分上昇し、前の層の上に次の層の積層を開始する。
【0024】
ここで使用されるEDMとは放電加工を指す。EDMは、一般的には従来の技術では加工が困難な硬質の金属に主に使用される加工法である。EDMは、通常、導電性材料で機能する。EDMでは、2つの電極間での多数の電流放電またはスパークを使用してワークピースから材料を除去する。EDMは、金属内部における複雑な輪郭や空洞の形成に使用することができる。
【0025】
方法300は、破線で示される任意のブロック326に継続する。ブロック318において遮断要素が形成された後、そのハウジングへの取り付けのための適合の前に、さらなる機械加工が必要となる場合がある。その場合、ブロック326において、指定の直径にチューニングしたり、長さに切断したりするなど、要素に対する追加の機械加工を行ってもよい。任意の追加の機械加工が完了すると、図9に示されるようなハウジングに火炎遮断要素が取り付けられる。要素は、溶接、ろう付け、クランプ、またはプレスフィットなど、任意適宜の技術を使用してハウジングに取り付けることができる。完成した火炎遮断器は、プローブ本体または他の適宜のプロセス装置の遠位端部に単純にねじ込むことができる。
【0026】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されているが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に変更を加えることができることを認識するであろう。たとえば、ここに記載の実施形態は、プロセス燃焼分析器に関して説明されているが、具体的には、火炎遮断が必要または有益である任意のプロセス装置に適していると考えられる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12