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特許7489542使用済燃料プールのライニングを修理するための設備及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】使用済燃料プールのライニングを修理するための設備及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/02 20060101AFI20240516BHJP
   G21C 17/013 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G21C19/02 100
G21C19/02 020
G21C17/013
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023512788
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 RU2020000641
(87)【国際公開番号】W WO2022098254
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】2020136095
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(31)【優先権主張番号】2020136088
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】518312460
【氏名又は名称】ジョイント ストック カンパニー“ロスエネルゴアトム”
(73)【特許権者】
【識別番号】523061009
【氏名又は名称】エルエルシー“エスケィティビー ピーアール”
(73)【特許権者】
【識別番号】523061010
【氏名又は名称】ジェーエスシー “エヌピーオー “ツニイトマシュ”
(73)【特許権者】
【識別番号】520514768
【氏名又は名称】サイエンス アンド イノヴェーションズ - ニュークリア インダストリー サイエンティフィック デベロップメント,プライベート エンタープライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バタノフ, アレクサンドル・フェドロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】チェルトフ, スビアトスラフ イワノビッチ
(72)【発明者】
【氏名】バシュライ, アントン パブロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】トゥルク, セルゲイ・フェドロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォロブエフ, ドミトリー・ヴァレレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラベリチェフ, イリヤ・ゲンナデヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】シュブニャコフ, ドミトリー・ウラジミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ゴロホフ, セルゲイ・ミハイロビッチ
(72)【発明者】
【氏名】マカロフ, イワン・ヴァシレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】トルハノフ, キリル・アレクセーエビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ボロブエフ, ユーリー・セルゲイビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラジグラエフ, ニコライ・パブロビッチ
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-031591(JP,A)
【文献】特表2016-532796(JP,A)
【文献】特開平11-030699(JP,A)
【文献】特開平11-138259(JP,A)
【文献】特開昭57-196194(JP,A)
【文献】特表2020-501106(JP,A)
【文献】特開2000-002798(JP,A)
【文献】特表2011-514529(JP,A)
【文献】国際公開第2019/223864(WO,A1)
【文献】ロシア国特許出願公開第02661335(RU,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/02
G21C 17/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済燃料プールの主に壁と底のライニングを修理するためのシステムであって、
配送装置と、漏れ探索及び検出モジュール並びに作業モジュールを含む作業機構と、洗浄装置と、漏れ封止装置と、作業機構固定具と、作業機構取付具と、保持昇降機構と、遠隔制御装置とを備え、
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、さらに、使用済燃料プールに沈まない装置と、使用済燃料プールに沈む装置とを備えることを特徴とし、
使用済燃料プールに沈まない装置は、空気圧的及び電気的機器、電気制御キャビネット、並びに、超音波探傷器及び溶接装置を有する制御パネルを含み、
使用済燃料プールに沈む装置は、作業機構を設置するための水中修理プラットフォームを含み、
作業機構は、サーボモータ、超音波探傷チップ、ビデオ監視装置、溶接継ぎ目及び使用済燃料プール表面の洗浄装置、切削くずの収集用容器及び微粒子を除去するためのポンプを含むワイヤー切断装置を備え、
配送装置は、配送プラットフォームの形態で配され、作業機構取付具、保持昇降機構及び台車移動機構を設置するための台車を備え、
配送プラットフォームは、着脱自在なフレーム及びビーム構造の形態に配置されており、その上に配される台車の移動のためのガイドを備え、
水中修理プラットフォームは、互いに移動及び固定の可能性を有して設置された外部フレームと内部フレームとからなり、配送プラットフォームに接続され、
漏れ封止装置は、溶接装置に接続された小規模溶接アセンブリの形態に配置されており、
水中修理プラットフォームは、使用済燃料プールの表面への取り付けのための手段を備えている
システム。
【請求項2】
水中修理プラットフォームを取り付けるための手段が、真空吸引カップ及び/又はテーパーガイドの形態で作られる
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
モジュールの移動の駆動装置
を備えることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記小型溶接アセンブリは、台車上の整流装置、圧力システムを含む制御ユニット、接続された信号ケーブル及び電力ケーブル、受電ギアモータ及び振動装置を含む移動ユニット、密封されたステンレス鋼ケース、圧力センサー、溶接ワイヤーコイル、ワイヤー供給駆動装置及びワイヤーロック装置を含む基本ユニットを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備であって、
台車を有する配送装置と、漏れ探索及び検出モジュール並びに作業モジュールを含む作業ユニットと、洗浄装置と、漏れ封止装置と、作業ユニット固定具と、作業ユニット取付具と、保持昇降機構と、遠隔制御装置とを備え、
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、さらに、使用済燃料プールに沈まない装置と、使用済燃料プールに沈む装置とを備えることを特徴とし、
使用済燃料プールに沈まない装置は、空気圧的及び電気的機器、電気制御キャビネット、並びに、超音波探傷器及び溶接装置を有する制御パネルを含み、
使用済燃料プールに沈む装置は、作業ユニットを備える水中修理ロボットを含み、
水中修理ロボットは、その上に作業モジュールを備える輸送プラットフォームを備え、
輸送プラットフォームは、フレーム構造の形態で配され、真空吸引カップの形態で、使用済燃料プールの表面に取り付けるための手段を備え、
作業ユニットは、出力要素の並進又は回転移動のための駆動装置、超音波探傷チップ、ビデオ監視装置、ポンプ及びフィルターを備えた切削くずの収集装置、サーボモータを備えたマニピュレータ及び移動駆動装置を備え、
漏れ封止装置は、溶接装置に接続された小規模溶接アセンブリの形態に配置されており、
配送装置は、配送プラットフォームの形態で配され、
配送プラットフォームは、作業機構取付具、保持昇降機構及び台車移動機構を設置するための台車を備え、
台車移動機構は、着脱可能なフレーム及びビーム構造の形態で配され、その上に設置される台車の移動のためのガイドを備える
設備。
【請求項6】
作業モジュールの移動の駆動装置を備える
ことを特徴とする請求項に記載の設備。
【請求項7】
作業モジュールを備えるプラットフォームの移動のための3台のサーボモータの各々のロッドに設置されているフィードバックセンサーを備える
ことを特徴とする請求項に記載の設備。
【請求項8】
前記小型溶接アセンブリは、台車上の整流装置、圧力システムを含む制御ユニット、接続された信号ケーブル及び電力ケーブル、受電ギアモータ及び振動装置を含む移動ユニット、密封されたステンレス鋼ケース、圧力センサー、溶接ワイヤーコイル、ワイヤー供給駆動装置、ワイヤーロック装置を含む基本ユニットを備える
ことを特徴とする請求項に記載の設備。
【請求項9】
ワイヤーニッピング装置を備える
ことを特徴とする請求項のいずれかに記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のファミリーは、原子力工学の分野に関し、特に、原子力発電所(NPP:Nuclear Power Plant)の水で満たされた使用済燃料プールの損傷した内側ライニングの漏れ検出及び修理のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済燃料プールのライニングを修理するための装置-タンク又はプールの壁の水中部分の損傷領域を修理するための装置(特許文献1)-が知られている。この装置は、側壁に沿って側壁からある距離を置いて、側壁に固定されるガイドシステムを備え、このガイドシステムは、ガイドシステムの長手方向に移動可能なスライドブロックを案内する。損傷領域を含む壁部分に適用され、粘着面を有する修復被覆材のための設定要素が、移動の可能性を有するスライドブロック上に設置される。この装置は、原子炉プラントのプール壁上のアクセス困難な損傷領域を修理することを可能にする。ただし、漏れ検出は、他の機器を使用して行う。この公知の装置は、また、必ずしも漏れの効果的な停止を提供しない修復被覆材の接着によってのみ修復を行う。この公知の装置は、溶接のような他のいかなる種類の修理も行わない。
【0003】
特許文献2により、使用済燃料プール(主として壁及び底面)のライニングを修理するための装置が知られている。この装置は、最も近い類似物として選択され、支持フレームと、伸縮ブームを備えた台車と、漏れ探索および検出モジュールを含む作業機構と、洗浄装置を含む作業モジュールと、漏れ封止装置と、作業機構固定具と、作業機構取付具と、保持昇降機構と、支持フレーム上に移動可能に設置された遠隔制御装置とを含む。この既知の修理装置は、漏れ探索及び検出、漏れ部表面の洗浄、及びその後のシーリングパッチの塗布を行うことを可能にし、これは信頼性がなく効果的でない修理技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】ロシア特許第2438199号
【文献】ロシア特許第2661335号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明ファミリーにより、解決されるべき課題は、使用済燃料プールの迅速かつ高品質な修理である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
提案された発明ファミリーの設備及びシステムは、使用済燃料プールのライニングの漏れ検出、修理、及び、水(ホウ素溶液)レベルより下の修理領域の漏れ密封性監視、並びに、2つの壁又は壁と床との間の接合領域における使用済燃料プールのライニングの漏れ検出及び修理を提供する。作業の難しさは、装置の作業領域が、水(ホウ素溶液)中に設置されたラックによって制限されるという事実にある。ラック支持体、冷却剤供給及び取り入れパイプ、ラックストップ、コラム(支柱)及びケーブルが、使用済燃料プール内に設置されている。まず、使用済燃料プール表面の漏れ領域を検出し、欠陥寸法を決定し、表面処理をする前にこの領域を清浄化することが要求される。使用済燃料プールのライニングシートの厚さは、約4mmであり、このシートは、合金鋼、例えば、08H18N10Tからなる。表面処理は、ホウ素溶液中で行うものとし、次いで、表面処理プロセス後に使用済燃料プールへのあらゆるスケールの破片の侵入を防止するように、継ぎ目(表面)を処理する必要がある。次に、修理された使用済燃料プールの表面上の処理の結果は、検査されなければならない。
【0007】
以前から知られている技術及びデバイスは、必要な修理品質を提供しなかった。従って、提案された発明ファミリーの技術的成果は、修理品質及び信頼性の向上を伴う。
【0008】
使用済燃料プールのライニングを修理するための装置に関する上記技術成果は、以下の事実により、達成される。本発明によれば、使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、台車を有する配送装置、漏れ探索及び検出モジュール及び作業モジュールを含む作業ユニットと、洗浄装置と、漏れ封止装置と、作業ユニット固定具と、作業ユニット取付具と、保持昇降機構と、遠隔制御装置とを備え、使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、さらに、使用済燃料プールに沈まない装置と、使用済燃料プールに沈む装置とを備えることを特徴とし、使用済燃料プールに沈まない装置は、空気圧的及び電気的機器、電気制御キャビネット、並びに、超音波探傷器及び溶接装置を有する制御パネルを含み、使用済燃料プールに沈む装置は、作業ユニットを備える水中修理ロボットを含み、水中修理ロボットは、その上に作業モジュールを備える輸送プラットフォームを備え、輸送プラットフォームは、フレーム構造の形態で配され、真空吸引カップの形態で、使用済燃料プールの表面に取り付けるための手段を備え、作業ユニットは、出力要素の並進又は回転移動のための駆動装置、超音波探傷チップ、ビデオ監視装置、ポンプ及びフィルターを備えた切削くずの収集装置、サーボモータを備えたマニピュレータ及び移動駆動装置を備え、漏れ封止装置は、溶接装置に接続された小規模溶接アセンブリの形態に配置されており、配送装置は、配送プラットフォームの形態で配され、配送プラットフォームは、作業機構取付具、保持昇降機構及び台車移動機構を設置するための台車を備え、台車移動機構は、着脱可能なフレーム及びビーム構造の形態で配され、その上に設置される台車の移動のためのガイドを備える。
【0009】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、作業モジュールの移動の駆動装置を備えることが好ましい。
【0010】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、作業モジュールを備えるプラットフォームの移動のための3台のサーボモータの各々のロッドに設置されているフィードバックセンサーを備えることが好ましい。
【0011】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備の前記小型溶接アセンブリは、台車上の整流装置、圧力システムを含む制御ユニット、接続された信号ケーブル及び電力ケーブル、受電ギアモータ及び振動装置を含む移動ユニット、密封されたステンレス鋼ケース、圧力センサー、溶接ワイヤーコイル、ワイヤー供給駆動装置、ワイヤーロック装置を含む基本ユニットを備えることが好ましい。
【0012】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、ワイヤーニッピング装置を備えることが好ましい。
【0013】
本発明は、使用済燃料プールの主に壁と底のライニングを修理するためのシステムであって、配送装置と、漏れ探索及び検出モジュール並びに作業モジュールを含む作業機構と、洗浄装置と、漏れ封止装置と、作業機構固定具と、作業機構取付具と、保持昇降機構と、遠隔制御装置とを備え、使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、さらに、使用済燃料プールに沈まない装置と、使用済燃料プールに沈む装置とを備えることを特徴とし、使用済燃料プールに沈まない装置は、空気圧的及び電気的機器、電気制御キャビネット、並びに、超音波探傷器及び溶接装置を有する制御パネルを含み、使用済燃料プールに沈む装置は、作業機構を設置するための水中修理プラットフォームを含み、作業機構は、サーボモータ、超音波探傷チップ、ビデオ監視装置、溶接継ぎ目及び使用済燃料プール表面の洗浄装置、切削くずの収集用容器及び微粒子を除去するためのポンプを含むワイヤー切断装置を備え、配送装置は、配送プラットフォームの形態で配され、作業機構取付具、保持昇降機構及び台車移動機構を設置するための台車を備え、配送プラットフォームは、着脱自在なフレーム及びビーム構造の形態に配置されており、その上に配される台車の移動のためのガイドを備え、水中修理プラットフォームは、互いに移動及び固定の可能性を有して設置された外部フレームと内部フレームとからなり、配送プラットフォームに接続され、漏れ封止装置は、溶接装置に接続された小規模溶接アセンブリの形態に配置されており、水中修理プラットフォームは、使用済燃料プールの表面への取り付けのための手段を備えている。
【0014】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムの水中修理プラットフォームを取り付けるための手段が、真空吸引カップ及び/又はテーパーガイドの形態で作られることが好ましい。
【0015】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、作動モジュールを延長するための駆動装置を備えることが好ましい。
【0016】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、輸送プラットフォーム及び水中修理プラットフォームに設置された位置センサー及びフィードバックセンサーを備えることが好ましい。
【0017】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムの前記小型溶接アセンブリは、台車上の整流装置、圧力システムを含む制御ユニット、接続された信号ケーブル及び電力ケーブル、受電ギアモータ及び振動装置を含む移動ユニット、密封されたステンレス鋼ケース、圧力センサー、溶接ワイヤーコイル、ワイヤー供給駆動装置及びワイヤーロック装置を含む基本ユニットを備えることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】使用済燃料プール修理システムの概観を図1に示す。
図2】水中修理プラットフォームの概観を図2に示す。
図3】水中修理ロボットの概観を図3に示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
提案される発明ファミリーによって達成される主な目的は、欠陥を検出し、除去することである。
【0020】
提案される発明ファミリーは、以下の要件を満たすことを可能にする。
【0021】
・漏れ探索、洗浄及び溶接のための作業を行うことを意図した装置を配置すること。
【0022】
・悪性の環境において、放射線構成要素に注意を払って、予め設定されたアルゴリズムに従って、前記作業を順次実施すること。
【0023】
この場合、装置は、使用済燃料プール内の作業場に配送される。装置は、探索及び修理のために、ケーブル及びホースを使用して、作業機構(作業モジュール)に接続される。装置は、小型であり、十分な位置決め精度を有し、深く閉じ込められた空間内で作業を行い、オペレータのワークステーションから遠隔制御される。
【0024】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、以下の構成要素、すなわち、配送プラットフォーム1、漏れ探索及び検出モジュール並びに作業モジュールを含む作業ユニットを備える。デザインの点では、配送プラットフォーム1は、使用済燃料プールに沿って配置されたレール軌道上を移動する走行車輪上に設置された移動式金属構造体を表す。可変速度駆動装置によって制御される速度の小型モータギヤが、配送プラットフォーム1の移動機構として選択される。サーボモータにより、±1mmの位置決め精度でプロセス装置を移動させることができる。駆動位置は、ポテンショメータトランスデューサを使用して決定される。
【0025】
作業モジュールは、洗浄装置、漏れ封止装置、作業機構固定具、作業機構取付具、保持昇降機構、溶接継ぎ目及び使用済燃料プール表面の洗浄装置、ワイヤー切断装置(切削くず収集用容器及び微粒子除去用ポンプを含む。)並びに遠隔制御装置から構成される。
【0026】
使用済燃料プール内の深い密閉空間内の作業を行うため、使用済燃料プールのライニング修理のためのシステムには、使用済燃料プール内に沈まない機器が備えられ、図1に図解されるように、空圧機器2、電気制御キャビネット3、超音波探傷器付き制御パネル4及び溶接装置5を含む。使用済燃料プールに沈む装置は、水中修理プラットフォーム6、又は、他の実施形態のオプションにおける水中修理ロボットを含む。水中修理プラットフォーム6は、作業機構及び作業モジュールの設置を目的とする。
【0027】
作業機構には、サーボモータ、超音波探傷チップ及びビデオ監視装置が搭載されている。
【0028】
水中修理プラットフォーム6は、圧延部材からなるフレーム構造体7であり、作業モジュールの位置決めのための駆動装置8を備え、真空吸引カップ9又はテーパーガイドの使用により、ラックセクション支持体上へ設置され又は使用済燃料プールの壁に固定されるように設計されている。
【0029】
作業モジュール10(プロセス装置)の正確な位置決めのための2つのガイドが、水中修理プラットフォーム6のフレーム構造体上に、プラットフォームの長辺に沿って配置され、プロセス装置の正確な位置決めのための1つのガイドが、短辺に沿って配置される。各ガイドの駆動装置8として、必要なトルク(負荷)と作業モジュール移動速度に応じて選定したモータが取り付けられる。
【0030】
すべての駆動装置には、アルゴリズムに従って作動を監視するためのエンドプローブが装備されている。
【0031】
水中修理プラットフォーム6は、配送プラットフォーム1に接続され、互いに対して移動及び固定することができるように設置された外部フレームと内部フレームとからなる。
【0032】
配電盤(distributors)及び制御盤が配置される制御ボックスは、水中修理プラットフォーム6上に設置される。使用済燃料プールからボックスの内部空洞へのあらゆる流体の進入は、ポリウレタン材料製のカバーシールと内部ゲージ圧力維持システムによって防止される。配電盤及び制御盤の電子部品は、ボックスの内側において、ボックスの周囲に沿った鉛製のライニングで放射線の影響から保護されている。
【0033】
実施形態のオプションの1つによれば、配送プラットフォーム1は、プラットフォーム、クロスビーム及び制御システムを含み、作業機構取付具、保持昇降機構の設置のための台車(trolley )を備えている。配送プラットフォームは、取り外し可能なフレーム及びビーム構造の形に配置され、それらに設置された台車の移動のためのガイドを備えている。台車本体は、標準的な圧延部材で作られている。台車移動機構は、台車本体に設置されている。
【0034】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、輸送プラットフォーム及び水中修理プラットフォームに設置された位置センサー及びフィードバックセンサーを備えている。
【0035】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、作業モジュール延長駆動装置を備えている。
【0036】
漏れ封止装置は、溶接装置5に接続された小規模の溶接アセンブリの形態で配置される。使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムの小規模な溶接アセンブリは、台車上の整流装置と、加圧システムを含む制御ユニットと、接続されている信号ケーブル及び電力ケーブルと、受電ギアモータ及び振動装置を含む移動ユニットと、ステンレス鋼製の気密ケーシングを含む基本ユニットと、圧力センサーと、溶接ワイヤーのコイルと、ワイヤー供給駆動装置と、ワイヤーロック装置とを含む。
【0037】
使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、以下のように動作する。
【0038】
ライニングセクションから、l日に30を超える漏れが検出された場合は、修理の実施を決定し、必要に応じて修理対象セクションからラックを取り外す。修理するためのシステムは、使用済燃料プールに配送される。配送プラットフォーム1は、燃料補給装置のレール軌道上に設置される。その後、使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムは、電力及び空気供給ネットワークに接続される。次に、作動機構は、漏れ検出箇所の反対側に配置されて、使用済燃料プールの中に沈められる。水中修理プラットフォーム6は、真空吸引カップ9を使用して吸引によって表面に位置決めされ固定される。
【0039】
超音波探傷器を用いて欠陥を探索する。水中修理プラットフォーム6は、作業機構の作業領域がセクションの角に位置するように設置される。溶接ジョイントがある領域は最初に走査され、次に金属シートが走査される。欠陥がない場合、水中修理プラットフォームは、(重なり合った)隣接領域に移動される。領域は、列状又は螺旋状に走査される。
【0040】
水中修理プラットフォーム6は、いくつかの設備で欠陥が発見された場合に、作業領域が検出された欠陥を完全に覆うように、最終的に位置決めされる。欠陥が特定され、次いで、欠陥が洗浄され、次いで、欠陥が予め設定された軌跡に沿って溶接され、ストレス除去セクションが最初に溶接される。溶接ワイヤーの溶融端部は、ワイヤー切断装置を使用して、ニップされる。その後の表面処理の洗浄を伴う表面の溶接検査が実施される。その後、表面の超音波試験が行われる。
【0041】
修理品質を制御するために、漏れ収集システムにおける流体の欠如または漏れ流体の量がチェックされる。溶接継ぎ目及び使用済燃料プール表面の洗浄のための装置を使用して、修理廃棄物が除去される。
【0042】
上述した使用済燃料プールのライニングを修理するためのシステムと同様に、使用済燃料プール内で深く閉じ込められた空間内の動作を実行するために、使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、使用済燃料プール内に沈まない装置を備え、図1に概略的に示すように、空圧機器2、電気制御キャビネット3、超音波探傷器付き制御パネル4及び溶接装置5を含む。この実施形態のオプションでは、水中修理ロボットを含む使用済燃料プール内に沈められる装置は、図3に示すように、水中修理ロボット上に設置された作業ユニット及び作業モジュールを備えた水中修理ロボットを含む。
【0043】
作業ユニットには、サーボモータ、超音波探傷チップ、映像監視装置が搭載されている。
【0044】
水中修理ロボットは、作業モジュールを備えたプラットフォームが設置されている輸送プラットフォーム11を装備している。
【0045】
輸送プラットフォーム11には、真空吸引カップ12の形で配置された使用済燃料プール表面に取り付けるための手段が備えられている。
【0046】
作業ユニットは、出力構成要素の並進運動又は回転運動の駆動装置、超音波探傷チップ、ビデオ監視装置13、研削の過程で廃棄物を収集するための装置(駆動部及びフィルタを備えたポンプを含む)、サーボモータ及び移動駆動部を備えたマニピュレータ14、洗浄装置、溶接装置5に接続された小規模溶接アセンブリの形態で配置された漏れ封止装置15を備える。使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、作業モジュール延長駆動装置16及び作業ユニット制御システム17を装備することができる。別の実施形態オプションによれば、デザインの観点では、配送プラットフォーム1は、プラットフォームブリッジ、制御システム、水中修理ロボットのアタッチメント用のクロスビームから構成される。配送プラットフォーム1は、作業機構取付具、保持昇降機構、台車移動機構の設置用の台車を備え、取り外し可能なフレーム及びビーム構造の形に配置され、それらに設置された台車の移動のためのガイドを備えている。
【0047】
水中修理ロボットには、配電盤及び制御盤が設置されている制御ボックスが設置されている。
【0048】
使用済燃料プールからボックスの内部空洞へのあらゆる流体の進入は、ポリウレタン材料製のカバーシールと内部ゲージ圧力維持システムによって防止される。配電盤及び制御盤の電子部品は、ボックスの内側において、ボックスの周囲に沿った鉛製のライニングにより、放射線の影響から保護されている。
【0049】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、輸送プラットフォーム及び水中修理ロボットに設置された位置センサー及びフィードバックセンサーを備えている。
【0050】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備の小規模な溶接アセンブリは、台車上の整流装置と、加圧システムを含む制御ユニットと、接続されている信号ケーブル及び電力ケーブルと、受電ギアモータ及び振動装置を含む移動ユニットと、ステンレス鋼製の気密ケーシングを含む基本ユニットと、圧力センサーと、溶接ワイヤーのコイルと、ワイヤー供給駆動装置と、ワイヤーロック装置とを含む。
【0051】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、溶接作業の完了後及び次の溶接を行う前に、ワイヤーニッピングを行うための装置も備えている。
【0052】
使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、以下のように動作する。
【0053】
ライニングセクションから、l日に、30を超える漏れが検出された場合は、修理の実施を決定し、必要に応じて、修理対象セクションからラックが取り外される。修理するための設備は、使用済燃料プールに配送される。配送プラットフォーム1は、燃料補給装置のレール軌道上に設置される。その後、使用済燃料プールのライニングを修理するための設備は、電力及び空気供給ネットワークに接続される。その後、水中修理ロボットは、ウィンチに固定されたロープを用いて、使用済燃料プールに沈み、漏れ検知箇所の反対側に配置される。水中修理ロボットは、真空吸引カップ12の使用による吸引によって、使用済燃料プール表面に位置決めされ、固定される。
【0054】
超音波探傷器を用いて欠陥が探索される。水中修理ロボットは、その作業区域がセクションの隅に位置するように配置される。溶接ジョイントがある領域は、最初に走査され、次に、金属シートが走査される。欠陥がない場合、水中修理ロボットは、(重なり合った)隣接領域に移動される。その領域は、列状又は螺旋状に走査される。
【0055】
水中修理ロボットは、欠陥がいくつかの設備で発見された場合、作業区域が検出された欠陥を完全にカバーするような方法で最終的に位置決めされる。欠陥が特定され、その後、欠陥が洗浄され、次いで、欠陥が、予め設定された軌跡に沿って、溶接され、ストレス除去セクションが最初に溶接される。
【0056】
表面溶接部のその後の洗浄を伴う表面検査が行われる。その後、表面の超音波試験又は高解像度テレビを用いたビデオ検査が行われる。
【0057】
修理品質を制御するために、漏れ収集システムにおける流体の欠如または漏れ流体の量がチェックされる。
【0058】
一般に、使用済燃料プールのライニングを修理するための設備及びシステムは、悪性の環境において、放射線構成要素に注意を払って、遠隔操作され、予め設定されたプログラムに従って修理動作を実行する、デバイスのセットを表す。
図1
図2
図3