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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】齧歯動物トラップおよびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A01M 19/00 20060101AFI20240517BHJP
   A01M 23/16 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A01M19/00
A01M23/16
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021521494
(86)(22)【出願日】2019-10-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 IB2019058945
(87)【国際公開番号】W WO2020084439
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】1817178.5
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】524021062
【氏名又は名称】コーカス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ケイ,マシュー・バーギーズ
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-000160(JP,A)
【文献】国際公開第2013/177652(WO,A1)
【文献】特開2009-028039(JP,A)
【文献】国際公開第2017/208068(WO,A1)
【文献】特公昭47-041831(JP,B1)
【文献】特開2014-204707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
齧歯動物トラップ(10)において、少なくとも1つの電気ショックデバイス(16)を収容する、キルコンパートメント(14)を備えるハウジング(12)であって、前記電気ショックデバイスの中で齧歯動物が感電する、ハウジング(12)と、前記キルコンパートメントの第1の端部(20)のところにあってセンサを備える入口トンネル(18)と、前記第1の端部(20)から離れたところにあって前記キルコンパートメント(14)の第2の端部(24)のところにあるドア(22)とを備える齧歯動物トラップ(10)であって、前記入口トンネルが、前記キルコンパートメント(14)の中に作業員が誤って手を挿入するのを防止するための長さ(l)および形状(s)を有し、前記入口トンネルが、電源と、信号デバイスおよびインターフェースを備えた1つまたは複数の印刷回路基板とをさらに備え、
前記インターフェースは、前記トラップが、
i)前記トラップの中への齧歯動物の侵入を、センサ(30)を使用して発見するとともに、前記信号デバイスおよび前記インターフェースを介して報告し;
ii)少なくとも1つの前記電気ショックデバイス(16)の作動を、前記信号デバイスおよび前記インターフェースを介して別個にかつ独立に報告し;
iii)前記信号デバイスおよび前記インターフェースを介して、その後所定の時間(t)の範囲内において前記齧歯動物が前記ハウジングから去っていないことを報告する形で、駆除を確認し、
個別のまたは収集されたi)乃至iii)に関するデータを、データセンターまたは有害小生物防除のオペレータに遠隔で送信するように、通信を支援する、齧歯動物トラップ(10)。
【請求項2】
前記キルコンパートメントが1つまたは複数のショッキングプレート(16a、16b、16c)を有する、請求項1に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項3】
前記ショッキングプレートが複数のプレートを含む、請求項2に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項4】
前記ショッキングプレートが3つのプレートを含む、請求項3に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電気ショックデバイス(16)が前記キルコンパートメントのフロア(26)の上に配置される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電気ショックデバイスが電源(28)に電気的に接続される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項7】
前記電源が少なくとも1つのバッテリ(28)である、請求項6に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項8】
前記センサ(30)が静電容量センサである、請求項1に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項9】
前記センサ(30)が前記トンネル(18)の上方に配置される、請求項7に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項10】
前記ドアの内側表面(36)が餌ホルダ(38)を備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項11】
前記ドアがヒンジ式(40a、40b)に前記キルコンパートメントに接続される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項12】
前記ドア(22)を開けることで前記トラップが電気的に遮断される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項13】
前記キルコンパートメント(14)の前記第2の端部(24)の上で前記ドア(22)をロックするためのロック部材(42)を備える、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項14】
高電圧基板(44a)が高電圧感電を管理するために前記インターフェース(34)に連結される、請求項1に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項15】
前記トンネルの長さ(l)が少なくとも10cmである、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項16】
長さが10cmから20cmの間である、請求項15に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項17】
下側ハウジングまたは下側ケーシング部材(48)と上側ハウジングまたは上側ケーシング部材(50)との間において、前記キルコンパートメント(14)および前記入口トンネル(18)の上に着座する支持体(46)を備える、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項18】
前記支持体が、前記pcb(44)、前記バッテリ(28)、および前記センサ(30)を保持するように適合される、請求項17に記載の齧歯動物トラップ。
【請求項19】
齧歯動物トラップ(10)において、少なくとも1つの電気ショックデバイス(16)を収容する、キルコンパートメント(14)を備えるハウジング(12)であって、前記電気ショックデバイスの中で齧歯動物が感電する、ハウジング(12)と、前記キルコンパートメントの第1の端部(20)のところにあってセンサを備える入口トンネル(18)と、前記第1の端部(20)から離れたところにあって前記キルコンパートメント(14)の第2の端部(24)のところにあるドア(22)とを備える齧歯動物トラップ(10)であって、前記入口トンネルが、前記キルコンパートメント(14)の中に作業員が誤って手を挿入するのを防止するための長さ(l)および形状(s)を有し、前記入口トンネルが、電源と、信号デバイスおよびインターフェースを備えた1つまたは複数の印刷回路基板とをさらに備えた、齧歯動物トラップ(10)の制御方法において、
i)前記トラップの中への齧歯動物の侵入を、センサ(30)を使用して発見するとともに、前記信号デバイスおよび前記インターフェースを介して報告するステップと;
ii)少なくとも1つの前記電気ショックデバイス(16)の作動を、前記信号デバイスおよび前記インターフェースを介して別個にかつ独立に報告するステップと;
iii)前記信号デバイスおよび前記インターフェースを介して、その後の所定の時間(t)の範囲内において前記齧歯動物が前記ハウジングから去っていないことを報告する形で、駆除を確認するステップと、
個別のまたは収集されたi)乃至iii)に関するデータを、データセンターまたは有害小生物防除のオペレータに遠隔で送信するステップと
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は齧歯動物トラップに関し、より詳細には、齧歯動物を殺すための電気ショックを出力するトラップに関する。本発明はまた、齧歯動物の処理のための改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来技術には、通常はネズミである、齧歯動物を殺すように設計される電気ショックを出力するトラップを含めた、様々な齧歯動物トラップが含まれる。
[0003]これらには、WO2013177652、CN202489112、CA2544563、および米国特許第1045676号が含まれる。
【0003】
[0004]ハンタウイルスの拡散に伴い、およびそれに付随するヒトの健康のリスクに伴い、齧歯動物を効果的に処理することがよりいっそう重要になっている。
[0005]感電をもたらす齧歯動物トラップの問題は、
i)齧歯動物トラップが誤って作動させられ得、可能性として操作者を感電させること、および
ii)作動して齧歯動物を殺した後、作業員がトラップを確認するまでの数週間にわたって、死んでいる齧歯動物がトラップの中で放置される可能性があり、それにより潜在的な健康問題の原因となることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0006]本発明の目的は、改善された齧歯動物トラップ、ならびにこれらの問題および他の問題に対処する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0007]本発明の第1の態様によると、少なくとも1つの電気ショックデバイスを収容するキルコンパートメント(kill compartment)を備えるハウジングであって、電気ショックデバイスの中で齧歯動物が感電する、ハウジングと、キルコンパートメントの第1の端部のところにある入口トンネルと、第1の端部から離れたところにあってキルコンパートメントの第2の端部のところにあるドアとを備える齧歯動物トラップが提供され、入口トンネルの長さおよび形状が、キルコンパートメントの中に作業員が誤って手を挿入するのを防止するような長さおよび形状である。
【0006】
[0008]好適な実施形態で、少なくとも1つの電気ショックデバイスを収容する、キルコンパートメントを備えるハウジングであって、電気ショックデバイスの中で齧歯動物が感電する、ハウジングと、キルコンパートメントの第1の端部のところにある入口トンネルと、第1の端部から離れたところにあってキルコンパートメントの第2の端部のところにあるドアとを備える齧歯動物トラップが提供され、入口トンネルの長さおよび形状が、キルコンパートメントの中に作業員が誤って手を挿入するのを防止するような長さおよび形状であり、入口トンネルがセンサを備え、トラップが、電源と、電気ショックデバイスが作動させられたこと、その後で所定の時間の範囲内において齧歯動物がトラップから去っていないこと、を判断するための、通信を支援して信号を遠隔で送信するインターフェースおよび印刷回路基板とを備える。
【0007】
[0009]少なくとも10cmの長さの入口を提供することが、ショックデバイスに作業員または例えば子供が不注意に触れるのを防止する。
[0010]本発明はまた、具体的には、参照によりその開示が組み込まれているWO2017/208068で開示される種類のセンサである、センサを有するのを可能にし、それにより侵入および脱出を検出するのを可能にする。このような構成が本発明の第2の態様の方法を支援する。
【0008】
[0011]好適な実施形態で、キルコンパートメントが1つまたは複数のショッキングプレート(shocking plate)を有する。示される実施形態では、3つのプレートが存在する。
【0009】
[0012]少なくとも1つの電気ショックデバイスが、好適には、キルコンパートメントのフロア上に配置され、最も好適には、プレートに接触する齧歯動物によって作動させられる。
【0010】
[0013]好適には、少なくとも1つの電気ショックデバイスが、1つまたは複数のバッテリなどの、ローカル電源に電気的に接続される。
[0014]好適には、入口トンネルが齧歯動物の侵入(および、可能性として、脱出)を検出するためのセンサを備える。最も好適には、センサが静電容量センサであり、さらに好適には、フリンジ静電容量センサ(fringe capacitance sensor)であり、このセンサが、有害小生物防除業者に直接にまたは間接的にデータを送信することができ、それにより良好なトラップ管理を支援する。
【0011】
[0015]したがって、センサが、センサ基板と、必要に応じて、センサのところでならびにキルプレートおよび付随の高電圧基板のところで得られる信号を集め、それらに応答するためのインターフェース基板と、を付随させる形で有する。
【0012】
[0016]好適には、センサがトンネルの上方に配置され、支持体上に設置され、支持体とハウジングまたはケーシング部材との間に挟まれ、その結果、センサが保護される。
[0017]好適には、トラップが、トラップの電子部品の間でのおよびその外部との通信を保証する回路基板またはインターフェースを備える。
【0013】
[0018]本発明の第2の態様による方法を支援するために、トラップが、トラップの中に齧歯動物が入ったことを示すために信号を遠隔で送信することができる。トラップがさらに、電気ショックデバイスがショックを作動させたことを示すために信号を遠隔で送信することができる。トラップがさらに、感電の後の所定の時間範囲においてトラップから齧歯動物が去っていないことを判断してそのことを信号で伝えることができ、それにより、死んでいる齧歯動物を取り出すことに対してトラップが対応する必要があることを確認する。
【0014】
[0019]この方法は2つの課題を解消するのを支援する:1つ目の課題は、作動後にトラップに対しての対応が行われるのを保証することであり、2つの目の課題は、作動前に齧歯動物がトラップに入ったことおよびその後でトラップから去っていないことの両方を判断することにより誤検出をフィルタにかけて排除するという形で、無駄な掛けはずしのコストを回避することである。
【0015】
[0020]このトラップによって対処する別の課題は、作業員がトラップに安全に餌を置くのを保証することである。
[0021]この点に関して、ドアの内側表面が餌ホルダを備え、トラップに餌を置く場合には、ドアが開けられなければならない。ドアがキルコンパートメントにアクセスするのを可能にすることから、作業員が電気ショックを受けるリスクが存在する。
【0016】
[0022]これに対処するために、齧歯動物トラップが、ドアを開けることでトラップが電気的に遮断されるように、設計される。これが、ドアのロック部材上に電気接続部を有することによって達成され、ここでは、ドアが閉じられるときに回路が形成されることになるが、ドアが開けられるときはショックデバイスにつながる回路が切断される。
【0017】
[0023]ドアがヒンジ式にキルコンパートメントに接続され、キルコンパートメントの第2の端部の上に配置され、第2の端部が第1の端部から離れたところにあり、トンネル入口が第1の端部から延在する。
【0018】
[0024]齧歯動物トラップが、高電圧感電を管理するための1つの印刷回路基板、ならびにセンサおよび任意選択でインターフェースを管理するための印刷回路基板を含む、1つまたは複数の印刷回路基板(pcd:printed circuit board)を備えることができる。pcdが、トラップから有害小生物防除作業員に直接にまたは間接的にデータを送信するための信号デバイスを備える。
【0019】
[0025]好適には、トンネルの長さが少なくとも10cmであり、その結果、指が開口部を通って誤って挿入されてショックデバイスの中まで到達して電気ショックデバイスに接触することができなくなる。より好適には、トンネルの長さが10cmから20cmの間の長さである。
【0020】
[0026]好適には、構成および組み立てを単純化するために、トラップが、下側ハウジングまたは下側ケーシング部材と上側ハウジングまたは上側ケーシング部材との間において、キルコンパートメントおよび入口トンネルの上に着座する支持体を備える。
【0021】
[0027]支持体が、センサパッド、センサ基板、必要である場合のインターフェース基板、高電圧基板、およびバッテリを定位置で保持する。
[0028]本発明の第2の態様によると、齧歯動物コントロールをより正確におよびより効率的に管理するための方法が提供され、この方法が本発明の第1の態様による齧歯動物トラップの使用を含み、この方法が:
i)トラップの中への齧歯動物の侵入を発見して報告するステップと;
ii)別個にかつ独立して、ショックデバイスの作動を報告するステップと;
iii)その後での所定の時間の範囲内においてトラップからの齧歯動物の脱出の報告がないという形で、駆除を確認するステップと
を含む。
【0022】
[0029]好適には、トラップが、有害小生物の作業員(pest operative)に命令を遠隔で送信する。
[0030]好適な実施形態で、齧歯動物コントロールを管理するための方法が提供され、この方法が齧歯動物トラップの使用を含み、この方法が:
i)センサ(30)を使用して、トラップの中への齧歯動物の侵入を発見するステップと;
ii)別個にかつ独立して、ショックデバイス(16)の作動を記録するステップと;
iii)侵入があったこと、ショックデバイスが作動されたこと、およびその後の所定の時間(t)の範囲内においてトラップからの齧歯動物の脱出がないこと、を有害小生物の作業員に報告する形で、駆除を確認するステップと
を含む。
【0023】
[0031]本明細書の以下において、添付図面を参照しながら本発明の実施形態をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の態様による齧歯動物トラップを示す斜視図である。
図2A】上側ハウジングまたは上側ケーシングが取り外された状態の、図1の齧歯動物トラップを示す上方からの図である。
図2B】上側ハウジングまたは上側ケーシングおよび支持体が取り外された状態の、図1の齧歯動物トラップを示す上方からの図である。
図3図1の齧歯動物トラップのドアを示す詳細図である。
図4図4Aは、図1の齧歯動物トラップの支持体を示す図である。図4Bは、図1の齧歯動物トラップの下側ハウジングまたは下側ケーシングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0032]図1、2A、および2Bが、本発明の第1の態様による齧歯動物トラップ(10)の一実施形態を示す。トラップが、少なくとも1つの電気ショックデバイス(16a、16b、16c)を含有するキルコンパートメント(14)を有するハウジング(12)を備え、電気ショックデバイスの中で齧歯動物(図示せず)が感電する。齧歯動物が、キルコンパートメント(14)の第1の端部(20)のところに設けられる入口トンネル(18)を介してトラップに入る。第1の端部(20)から離れたところにある、キルコンパートメント(14)の第2の端部(24)のところに、トラップに餌を置くのを可能にするために開閉するドア(22)が存在する。入口トンネル(18)が、キルコンパートメント(14)の中に作業員(図示せず)が誤って手または指を挿入するのを防止するような長さ(l)および形状(s)を有する。
【0026】
[0033]電気ショックデバイスが、最も好適には、この事例では3つである複数のショッキングプレート(16a、16b、16c)の形態をとる。これらのショッキングプレートがキルコンパートメントのフロア(26)上に配置され、電源(28)に電気的に接続され、支持体(46)上に装着される高電圧基板(44a)およびセンサ基板(44b)を含めた印刷回路基板(44a;44b)を制御する(図2Aを参照されたい)。
【0027】
[0034]電気ショックデバイス(16)が、支持体(46)上に装着されるバッテリ(分かり易いように省略されている)の形態をとる電源(28)に電気的に接続される。
[0035]支持体(46)がまた、WO2017/208068で開示される種類である、フリンジ静電容量センサである、センサ(30)を保持し、齧歯動物が存在することを示すことに加えて齧歯動物の移動方向を判断してこの移動方向を信号で伝えることができる。センサがpcb(44b)を付随させる形で有し、任意選択でインターフェース(34)により、高電圧基板(44a)を含めた他の電気構成要素に連結される。
【0028】
[0036]センサ(30)がトンネル(18)の上方に位置して位置決めされ、上述したように、ネズミを他の有害小生物(異なるサイズを有する有害小生物、つまり例えば葉など)から識別する形で、例えばネズミの存在を判断することができ、加えてその移動方向(侵入と脱出、または侵入と死亡(脱出していないことを基づく))を判断することができる。
【0029】
[0037]センサユニットがセンサパッド(30)を有し、加えてセンサ基板(44b)を有し、データを集めることができ、その回路基板またはインターフェース(34)を介して、例えば高電圧基板(44a)などの、トラップの他の構成要素にこのデータの信号を直接に伝えて情報をやりとりすることができる。
【0030】
[0038]したがって、トラップが、トラップの中に齧歯動物が入ったことを示すための信号を遠隔で送信することができ、電気ショックデバイス(16)によりショックが作動されたことを示すための信号を遠隔で送信することができ、さらに、所与の期間内において齧歯動物がトラップから去っていないことを確認することができる。
【0031】
[0039]別法として、データが収集され得、齧歯動物が殺されておりさらにトラップに対しての対応が必要であることを示す1つの信号が送信され得る。
[0040]図3を参照すると、ドア(22)が、容器の形態の餌ホルダ(38)を有する内側表面(36)を有する。ドアがヒンジ式(40a、40b)にキルコンパートメント(14)に接続される。ドアが、キルコンパートメント(14)の第2の端部(24)の上でドア(22)をロックするためのロック部材(42)を有する。ロック部材(42)が電気接点を備え、その結果、ドア(22)を開けることでトラップが電気的に遮断され、その結果、ショックデバイスに誤って触れる場合でもこの触れたものが感電しないようになる。
【0032】
[0041]本発明の別の重要な態様は、例えば逸れた指がキルコンパートメントに到達できないようにするための長さ(l)および形状(s)を有する入口トンネル(18)を提供することである。
【0033】
[0042]図1に示されるように、トンネルの長さ(l)が少なくとも10cmであり、通常は10cmから20cmの間の長さである。
[0043]単純な形での製造および組み立てを支援するために、ならびにセンサ(30)および回路の最適な配置を保証するために、トラップが、下側ハウジングまたは下側ケーシング部材(48)(図4B)と上側ハウジングまたは上側ケーシング部材(50)(図1と比較されたい)との間において、キルコンパートメント(14)および入口トンネル(18)の上に着座する支持体(46)(図4A)を備え、上側ハウジングまたは上側ケーシング部材(50)が、バッテリ(28)にアクセスするのを可能にするための取り外し可能なパネル(32)を備える。
【0034】
[0044]支持体が、図4Aに示されるように、pcb(44a、44b)、バッテリ(28)、必要である場合のインターフェース(34)、およびセンサ(30)を、指示される位置に効果的に配置して一体化するのを可能にする(分かり易いように、実際の構成要素が省略されている)。
【0035】
[0045]説明される齧歯動物トラップは「スマート」トラップであり、齧歯動物コントロールをより良好に管理するのに使用され得る。使用時、内部のオペレーティングシステムがトラップに以下のステップを実施させるのを可能にする:
i)トラップの中への齧歯動物の侵入を発見して任意選択で報告するステップ;
ii)別個にかつ独立して、任選選択で、ショックデバイス(16)の作動を報告するステップ;および
iii)その後での所定の時間(t)の範囲内においてトラップからの齧歯動物の脱出の報告がないという形で、駆除を確認するステップ。
【0036】
[0046]トラップが、データセンターおよび/または有害小生物防除のオペレータに命令を遠隔で送信することができる。
(項目1)
齧歯動物トラップ(10)において、少なくとも1つの電気ショックデバイス(16a、16b、16c)を収容する、キルコンパートメント(14)を備えるハウジング(12)であって、前記電気ショックデバイスの中で齧歯動物が感電する、ハウジング(12)と、前記キルコンパートメントの第1の端部(20)のところにある入口トンネル(18)と、前記第1の端部(20)から離れたところにあって前記キルコンパートメント(14)の第2の端部(24)のところにあるドア(22)とを備える齧歯動物トラップ(10)であって、前記入口トンネルが、前記キルコンパートメント(14)の中に作業員が誤って手を挿入するのを防止するための長さ(l)および形状(s)を有し、前記入口トンネルがセンサ(30)を備え、前記トラップが、電源と、電気ショックデバイス(16)が作動させられたこと、その後で所定の時間(t)の範囲内において前記齧歯動物が前記トラップから去っていないこと、を判断するための、通信を支援して信号を遠隔で送信するインターフェースおよび印刷回路基板(28;34;44b)とを備える、齧歯動物トラップ(10)。
(項目2)
前記キルコンパートメントが1つまたは複数のショッキングプレート(16a、16b、16c)を有する、項目1に記載の齧歯動物トラップ。
(項目3)
複数のプレートを備える、項目2に記載の齧歯動物トラップ。
(項目4)
3つのプレートを備える、項目3に記載の齧歯動物トラップ。
(項目5)
前記少なくとも1つの電気ショックデバイス(16)が前記キルコンパートメントのフロア(26)の上に配置される、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目6)
前記少なくとも1つの電気ショックデバイスが電源(28)に電気的に接続される、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目7)
前記電源が少なくとも1つのバッテリ(28)である、項目6に記載の齧歯動物トラップ。
(項目8)
前記センサ(30)が静電容量センサである、項目1に記載の齧歯動物トラップ。
(項目9)
前記センサ(30)が前記トンネル(18)の上方に配置される、項目7に記載の齧歯動物トラップ。
(項目10)
前記ドアの内側表面(36)が餌ホルダ(38)を備える、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目11)
前記ドアがヒンジ式(40a、40b)に前記キルコンパートメントに接続される、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目12)
前記ドア(22)を開けることで前記トラップが電気的に遮断される、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目13)
前記キルコンパートメント(14)の前記第2の端部(24)の上で前記ドア(22)をロックするためのロック部材(42)を備える、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目14)
高電圧基板(44a)が高電圧感電を管理するために前記インターフェース(34)に連結される、項目1に記載の齧歯動物トラップ。
(項目15)
前記トンネルの長さ(l)が少なくとも10cmである、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目16)
長さが10cmから20cmの間である、項目15に記載の齧歯動物トラップ。
(項目17)
下側ハウジングまたは下側ケーシング部材(48)と上側ハウジングまたは上側ケーシング部材(50)との間において、前記キルコンパートメント(14)および前記入口トンネル(18)の上に着座する支持体(46)を備える、前記項目のいずれか一項に記載の齧歯動物トラップ。
(項目18)
前記支持体が、前記pcb(44)、前記バッテリ(28)、および前記センサ(30)を保持するように適合される、項目17に記載の齧歯動物トラップ。
(項目19)
齧歯動物コントロールを管理するための方法において、前記方法が齧歯動物トラップの使用を含み、前記方法が:
i)センサ(30)を使用して、前記トラップの中への齧歯動物の侵入を発見するステップと;
ii)別個にかつ独立して、ショックデバイス(16)の作動を記録するステップと;
iii)侵入があったこと、前記ショックデバイスが作動されたこと、およびその後の所定の時間(t)の範囲内において前記トラップからの前記齧歯動物の脱出がないこと、を有害小生物の作業員に報告する形で、駆除を確認するステップと
を含む、方法。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B