(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9794 20170101AFI20240517BHJP
A61K 8/9728 20170101ALI20240517BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240517BHJP
A61Q 5/04 20060101ALI20240517BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20240517BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20240517BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61K8/9794
A61K8/9728
A61Q5/02
A61Q5/04
A61Q5/10
A61Q5/12
A61Q7/00
(21)【出願番号】P 2019194260
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】518113203
【氏名又は名称】株式会社Rising Door
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 広昭
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-284397(JP,A)
【文献】特開2016-102099(JP,A)
【文献】米国特許第06231840(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第101224177(CN,A)
【文献】特開2003-137803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
きび酢組成物を含有することを特徴とする毛髪化粧料
であって、前記きび酢は奄美大島加計呂麻島産のきび酢である毛髪化粧料。
【請求項7】
前記パーマ処理または縮毛処理の施術方法においては、該処理に用いられる還元剤の前処理または後処理として前記毛髪化粧料が用いられることを特徴とする請求項5または6に記載の毛髪施術方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンデイショナー、毛髪調整剤、整髪料、ヘアクリーム、養毛料などの毛髪化粧料、および、縮毛矯正、パーマネント処理等で使用される毛髪化粧料に関し、さらに詳しくは、毛髪に艶、柔らかさ等を付与し、毛髪にパーマ処理等を行った際に、その効果を持続させ、かつ、毛髪の艶等も保持することができる毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の髪への関心は非常に高まっている。例えば、頻繁に洗髪を行うようになっており、従来のシャンプー等を用いて洗髪を行うと、髪の艶、コシやハリ等が失われていくということを実感している人も多いはずである。そのため、シャンプーやヘアリンス等に要求されるレベルも自然と高くなっているが、そのような毛髪の艶、ハリ等の要求を満たすようなシャンプー等はまだ存在しないのである。
【0003】
また、毛髪はヘアカラー、パーマネントウェーブ等の化学処理によって損傷され、その結果、毛髪の潤い感、手触り時にゴワつくといった感触の悪化を生じることが知られている(例えば、特許文献1)。更に、損傷した毛髪は、日々の洗髪やドライヤー乾燥等の影響を受けて、毛髪内タンパク質の変性・膨潤・流出が進行しやすくなり、その結果、毛髪の広がり、パサつき、毛髪のからまり等につながる。
【0004】
また、クセ毛や縮毛で悩んでいる人は沢山おり、クセのある毛髪や縮毛を真っ直ぐにすることが求められている。従来は、例えばストレートパーマによる直毛化処理が行われていたが(例えば、特許文献2)、毛髪にダメージを与えやすいという問題や、毛髪の矯正状態を維持できないという問題があった。
【0005】
そのため、ヘアカラー、パーマネントウェーブ、縮毛矯正等の化学処理を行っても、毛髪にダメージを与えることなく、毛髪に艶、潤い感、ハリ・弾力等を維持することができる毛髪化粧料が求められており、さらにはパーマネントウェーブ等の効果も持続できるような毛髪化粧料も求められていた。
【0006】
すなわち、毛髪にダメージを与えることなく、髪に艶等を与えることができるシャンプー等の毛髪化粧料や、パーマネントウェーブ、ヘアカラー、縮毛矯正等の効果を持続できる毛髪化粧料が切望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2008-184425号公報
【文献】特開2004-161683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来のシャンプー、トリートメント剤等の毛髪化粧料では、毛髪の艶や柔軟性を低下させたり、また、パーマ処理等を施した場合、染毛状態、パーマネントウェーブ状態、直毛状態等の効果を持続できなかったり等の問題があった。本発明は、これらの問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の毛髪化粧料は、きび酢組成物を含有することを特徴とする。
【0010】
ここで、毛髪化粧料は、希釈倍率が3倍以上、40倍以下の範囲で、きび酢組成物を含有することが好ましい。
【0011】
本発明において、前記毛髪化粧料は、シャンプー剤、トリートメント剤、養毛剤、または毛髪調整剤であることが好ましい。
【0012】
本発明の毛髪施術方法は、上記の毛髪化粧料を用いて施術を行うことを特徴とする。
【0013】
ここで、前記毛髪施術方法は、ヘアカラー処理、パーマ処理、または縮毛矯正処理を施す施術方法であることが好ましい。
【0014】
本発明においては、前記ヘアカラー処理、パーマ処理、または縮毛矯正処理の施術方法は、前記毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程を少なくとも1回含むことが好ましい。
【0015】
また、前記パーマ処理または縮毛矯正処理の施術方法においては、該処理に用いられる還元剤の前処理または後処理として前記毛髪化粧料が用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、毛髪に艶、柔らかさ、ハリ・弾力等を付与することができる毛髪化粧料、また、毛髪のパーマネントウェーブ状態、カラーリング状態、毛髪矯正効果等を持続できる毛髪化粧料を実現することができた。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明の毛髪化粧料は、きび酢組成物を含有する。
きび酢組成物の原料となるきび酢(「さとうきび酢」と呼ばれることもある)は、さとうきび抽出物(搾汁液、黒糖等)を糖質原料として、発酵により得られた食酢である。きび酢は、例えば、奄美大島において古来より調製されてきており、さとうきびを圧搾し、搾汁を得て、得られた搾汁液を天然の酵母及び酢酸菌により自然発酵させて得られるのが一般的である。なお、本発明において、「きび酢組成物」とは、特記した場合を除き、きび酢から得られた濃縮物、乾燥物または粗精製物、きび酢(あるいはきび酢から得られた前記した濃縮物等)に所定の添加物(特に制限はないが、例えば、増粘剤、多価アルコール、低級アルコール、界面活性剤、香料、pH調整剤等の通常化粧料や毛髪料に添加される成分、食酢に添加される成分等で、本発明の奏する効果に影響を与えない成分等が挙げられる。以下同じ)を添加したもの等を含む。
【0019】
本発明で使用されるきび酢組成物の原料としてのきび酢は、さとうきび(サトウキビ)抽出物(搾汁液、黒糖等)を主たる糖質原料とし、酵母及び酢酸菌により発酵させて得られたものであればよく、従来公知のきび酢を用いることができるが、奄美大島加計呂麻島産のきび酢を用いることが好ましい。また、きび酢組成物を得るための濃縮、乾燥等の手段は、特に限定されず、食品分野等で用いられる通常の手段を適用することができる。本発明にあっては、きび酢組成物として、例えば、きび酢濃縮物またはきび酢乾燥物、きび酢(あるいはきび酢から得られた前記した濃縮物等)に所定の添加物を添加したもの等を好ましく用いることができる。また、きび酢そのものをそのままきび酢組成物として用いてもよい。
【0020】
さとうきびを発酵させて得られるきび酢またはそれを用いたきび酢組成物には、例えば、シリンガアルデヒド、イソバニラ酸、p-ヒドロキシ-アセトフェノン、3,4-ジヒドロキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-プロパノン、シリンジ酸、trans-p-クマル酸、trans-フェルラ酸、3-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル 1)-1-プロパノン、3-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)-1-プロパノン、2-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシ)フェニル-3-ヒドロキシメチル-5-(3-ヒドロキシ)プロペニル-7-メトキシクマラン、デヒドロ-ジコニフェリルアルコール、1-O-p-クマロイルグリセリド、といった13種のポリフェノール類を含むものと考えられる。これらの存在により、毛髪に染色された色を好適に毛髪に対して定着させることができると考えられている。
【0021】
また、きび酢またはそれを用いたきび酢組成物は、ヒドロキシ類アミノ酸が組成物全体に対して所定の範囲(例えば、0.5~2.0質量%であるが、かかる範囲には限定されない)含有されると考えられる。毛髪がアミノ酸を含むことにより、染料成分による染色に加えて、染色に際して毛髪に保湿効果が高いしなやかな髪質へと変化させることを平行して行うことができる。
【0022】
きび酢組成物は、従来公知のきび酢またはきび酢組成物を使用することができ、市販品としては、例えば、「奄美大島加計呂麻島産さとうきび100%、かけろまきび酢」((株)奄美自然食本舗)等を使用することができる。
【0023】
きび酢組成物は、水(通常の水道水のほか、精製水、イオン交換水、逆浸透膜水、アルカリイオン水(pH調整として使用することも可)等を含む)により希釈され、きび酢組成物の水溶液として毛髪に塗布される。希釈の割合は、きび酢を構成する諸成分等の濃度(含有量)、きび酢の濃縮度合い、市販されるきび酢組成物またはきび酢を使用する場合は、その種類、処理対象の髪の毛の状態(ダメージ度や年齢、髪の毛の色等)等に応じて適宜決定すればよい。
【0024】
例えば、きび酢組成物を、体積としてきび酢組成物の体積の2~39倍(希釈倍率としては3~40倍)の量の水で希釈してきび酢組成物の水溶液(以下、きび酢組成物の水溶液を単に「きび酢水溶液」と称すこともある)とすることが好ましく、2~29倍(希釈倍率としては3~30倍)の量の水で希釈してきび酢組成物水溶液とすることがより好ましく、きび酢組成物を3~10倍(希釈倍率としては4~11倍)の量の水で希釈してきび酢組成物水溶液とすることがより更に好ましく、きび酢組成物を3~5倍(希釈倍率としては4~6倍)の量の水で希釈してきび酢水溶液とすることが特に好ましい。希釈の割合をかかる範囲にすることにより、染毛処理等を行う場合には染料を毛髪に好適に固定、定着させ、その結果、染色力(染色の固定力)が向上し、色持ちを長期間維持することになる。
【0025】
ここで、「希釈倍率〇倍」とは、例えば、水での希釈により、合計のきび酢水溶液の量が、きび酢組成物の量の〇倍になることを指し、例えば、希釈倍率が5倍とは、体積として、きび酢組成物を1に対して、水を4とし(きび酢組成物/水=1/4)、合計のきび酢水溶液の量がきび酢組成物の量の5倍となることを指す。なお、希釈媒体は水に限定されるものではなく、シャンプー等でも良く、例えばシャンプーで希釈する場合には、希釈倍率5倍とは、体積比率で、きび酢組成物/シャンプー=1/4を指す。
【0026】
希釈の割合は、きび酢組成物におけるきび酢を構成する諸成分等の濃度(含有量)等に大きく左右されるので、前記した希釈の割合は、あくまでも目安として行えばよく、前記の範囲には制限されず、きび酢組成物が本発明の効果を奏するために有効に作用する量を選択すべく、髪の毛の状態等により前記の範囲を外れて適宜変更、調整することは問題ない。
【0027】
きび酢組成物の原液そのままで適用することもでき、その効果も期待することはできるが、酸度が高い場合があるため頭皮にダメージ(かぶれたりする等)を与えたり、また、きび酢(きび酢組成物)特有の臭いがあるので、きび酢組成物を水で希釈したきび酢水溶液とすることが望ましく、かかるきび酢水溶液の使用が適する。なお、きび酢(きび酢組成物)、きび酢水溶液、およびきび酢発酵液は、加熱して使用することもでき、加熱することによって特有の臭いを軽減させることができる。
【0028】
きび酢水溶液のpHとしては、例えば、pHの範囲を2.0~4.0とすることが好ましく、2.8~3.6とすることがより好ましく、3.0~3.5とすることが更に好ましく、3.2~3.5とすることが特に好ましい。pHをかかる範囲にすることにより、酸性度が適度となり、染料を毛髪に好適に固定、定着させることができ、その結果、染色力(染色の固定力)が向上し、色持ちを長期間維持することになると考えられる。なお、pHの測定は、市販のpHメーカー(pH測定器)やpH試験紙等の測定手段で測定すればよい。
【0029】
本発明においては、きび酢水溶液をそのまま毛髪に塗布して毛髪調整を行うことができ、この場合、きび酢水溶液は毛髪調整剤である。例えば、毛髪にヘアカラー剤を塗布したり、パーマ剤を塗布したり、縮毛矯正剤を塗布等したりする場合の前処理や後処理にきび酢水溶液を使用することができる。また、本発明においては、通常のシャンプー剤、トリートメント剤、養毛剤等に、所定量のきび酢水溶液を配合して毛髪化粧料とすることができる。
【0030】
毛髪化粧料を構成するシャンプー剤としては、通常のシャンプー剤等を用いることができ、例えば、高級アルコール系シャンプー、アミノ酸系シャンプー、石鹸系シャンプー等が挙げられる。高級アルコール系シャンプーに用いられる洗浄成分(界面活性剤)としては、ラルリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム等があり、アミノ酸系シャンプーに用いられる洗浄成分(界面活性剤)としては、グルタミン酸系のココイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、アラニン系のココイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンNa、グリシン系のココイルサルコシンNa、ラウロイルサルコシンNa等があり、タウリン系シャンプーに用いられる洗浄成分(界面活性剤)としては、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa等があり、ベタイン系両性界面活性剤としては、ラウラミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸Na等がある。
【0031】
毛髪化粧料を構成するトリートメント剤としては、通常のトリートメント剤等を用いることができる。例えば、配合される主な成分が、カチオン界面活性剤、コンディショニング剤、毛髪保護成分等のトリートメント剤が挙げられる。ここで、カチオン界面活性剤としては、ステアリルトリモニウムブロミド、セトリモニウムブロミド、ステアリルトリモニウムクロリド、セトリモニウムクロリド等が挙げられ、コンディショニング剤としては、オリーブ油、ホホバ油、アボガド油、スクワラン、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、卵黄脂肪油、吸着精製ラノリン、ダイズステロール、コレステロール、セラミド3、ジメチコン、アモジメチコン、ポリクオタニウム-10、キトサン等が挙げられ、毛髪保護成分としては、加水分解ケラチン加水分解コラーゲン、加水分解シルク、加水分解ダイズタンパク、グルタミン酸等が挙げられる。
【0032】
毛髪化粧料を構成する養毛剤としては、通常の養毛剤等を用いることができる。例えば、ミノキシジル等の発毛剤成分、アカモクエキス、アカツメクサ花エキス、アセチルテトラペプチド-3、ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド、ヒノキチオール、ペンチレングリール、グリチルリチン酸、BG、デキストラン、ヘマチン、センブリエキス、ビタミンA油、コーン油、レシチン、レゾルシン、水などの成分を含有することができる。
【0033】
本発明においては、きび酢水溶液を毛髪調整剤として、毛髪に直接塗布して使用することもできる。例えば、毛髪のカラーリング処理、パーマネント処理、縮毛矯正処理等の工程において使用することができ、染毛剤を毛髪に塗布したり、パーマネント剤を毛髪に塗布したり、縮毛矯正剤を毛髪に塗布する前工程、後工程等で塗布することができる。
【0034】
本発明におけるカラーリング処理に用いられる染毛剤としては、通常の染毛剤を使用することができる。染毛剤とは、ベースカラーとなる染料(染料成分)を含有する液剤であり、例えば、染料として、塩基性染料及びHC染料を含む染毛剤や、酸化染毛剤等が挙げられる。
【0035】
塩基性染料は、分子内にアミノ基、または置換アミノ基を有し、水溶液中で陽イオンになる染料であり、従来から塩基性染料として知られたものを特に限定なく用いることができる。塩基性染料は、水溶液中で陽イオンになるために、毛髪表面のケラチンタンパクのマイナス部分とイオン結合することにより染着する。
【0036】
塩基性染料としては、例えば、ベーシックブルー7(C.i.42595)、ベーシックブルー16(C.I.12210)、ベーシックブルー22(C.I.61512)、ベーシックブルー26(C.I.44045)、ベーシックブルー75、ベーシックブルー99(C.I.56059)、ベーシックブルー117、ベーシックバイオレット10(C.I.45170)、ベーシックバイオレット14(C.I.42515)、ベーシックブラウン16(C.I.12250)、ベーシックブラウン17(C.I.12251)、ベーシックレッド2(C.I.50240)、ベーシックレッド12(C.I.48070)、ベーシックレッド22(C.I.11055)、ベーシックレッド51、ベーシックレッド76(C.I.12245)、ベーシックレッド118(C.I.12251:1)、ベーシックオレンジ31、ベーシックイエロー28(C.I.48054)、ベーシックイエロー57(C.I.12719)、ベーシックイエロー87、ベーシックブラック2(C.I.11825)等が挙げられるが、特にこれらには限定されない。これらの塩基性染料は、その1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0037】
次に、HC(Hair Color)染料は、一般に、分子径が小さい染料であるために毛髪の内部に浸透して水素結合や分子間引力によって染着し、毛髪に対してより深みのある発色を付与することができる。
【0038】
HC染料としては、例えば、HCブルーNo.2、HCブルーNo.4、HCブルーNo.5、HCブルーNo.6、HCブルーNo.8、HCブルーNo.9、HCブルーNo.10、HCブルーNo.11、HCブルーNo.12、HCブルーNo.13、HCオレンジNo.1、HCオレンジNo.2、HCオレンジNo.3、HCレッドNo.1、HCレッドNo.3、HCレッドNo.7、HCレッドNo.8、HCレッドNo.10、HCレッドNo.11、HCレッドNo.13、HCレッドNo.14、HCレッドNo.16、HCバイオレットNo.1、HCバイオレットNo.2、HCイエローNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.5、HCイエローNo.6、HCイエローNo.7、HCイエローNo.9、HCイエローNo.10、HCイエローNo.11、HCイエローNo.12、HCイエローNo.13、HCイエローNo.14、HCイエローNo.15等が挙げられるが、特にこれらには限定されない。これらのHC染料は、その1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
塩基性染料およびHC染料を含む染毛剤は、染料を毛髪に浸透しやすくするという観点から、塩基性(アルカリ性)であることが好ましく、例えば、染毛剤を塗布された後の毛髪のpHが7.5~12.0程度の塩基性を示すことが好ましい。
【0040】
染毛剤をこのようなpHに調整するために、染毛剤にアルカリ剤(還元剤、アルカリ性還元剤等と呼ばれることがある)を添加することが好ましい。アルカリ剤は、毛髪表面のキューティクルを開いて毛髪を膨潤させる効果を有するため、染料が毛髪内部に浸透しやすくなって、染色の固定化効果が向上する。アルカリ剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、システアミン、チオグリコール酸またはチオグリコール酸アンモニウム等のアルカリ剤や、アンモニア、各種のアルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸及びそれらの塩等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。これらは、その1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0041】
染毛剤は、染料成分を、従来から染毛剤成分の媒体として用いられているクリーム基剤等の液状媒体に混合して、ペースト状に、または、水溶液に調製されることができる。
【0042】
染毛剤成分の媒体として用いられるクリーム基材としては、特に制限はないが、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、インステアリルアルコール、ミネラルオイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、トリグリセリル等の油脂成分とポリオキシエチレンラルリルエーテル、ラルリン酸ソルビタン、セテス-2、オレス-10、セトレス-20等の乳化剤等を適宜配合して得られるようなクリーム基剤等を使用することができる。これらのクリーム基剤は、その1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0043】
染毛剤中に含有される染料成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、塩基性染料とHC染料の合計として、染毛剤全体に対して0.5~10.0質量%であることが好ましい。なお、染毛剤には、前記したクリーム基剤のほか、染毛剤等に用いられる従来公知の成分等を、本発明の目的及び効果を妨げない範囲で適宜添加することができる。
【0044】
酸化染毛剤に用いられる有効成分としては、レゾルシン、硫酸パラメチルアミノフェノール、パラフェニレンジアミン等の酸化染料が挙げられる。酸化染毛剤においても、その他の成分として、上記したクリーム基材や、界面活性剤、安定化成分、保湿成分、香料、pH調整剤、水等が必要に応じて配合される。
【0045】
本発明においては、例えば、染毛剤を頭髪に塗布し、所定時間放置した後、染毛剤を洗い流し、次いで、きび酢水溶液を頭髪全体に塗布してなじませる。その後、十分に洗い流し、髪を乾燥させるが、トリートメント剤を塗布して十分に洗い流すトリートメント処理を行っても良い。トリートメント剤としては一般的なトリートメント剤を使用することができるが、本発明の毛髪化粧料としてのトリートメント剤を使用する方が優れた仕上がり効果が得られる。
【0046】
なお、塩基性染料及びHC染料を含む染毛剤を使用する場合には、まず、毛髪に、塩基性染料及びHC染料を含む染毛剤を塗布し、所定時間放置した後、染毛剤を洗い流し、次いで、きび酢水溶液を頭髪全体に塗布してなじませ、その後、毛髪に酸化剤を塗布してから十分に洗い流すことが好ましい。
【0047】
本発明においては、パーマネント処理の工程において本発明のきび酢水溶液を使用する工程を含むことが重要であり、パーマネント処理に用いられるパーマネント剤としては通常のパーマネント剤を使用することができる。例えば、第1薬剤(還元剤)および第2薬剤(酸化剤)を有するパーマネント剤が挙げられる。パーマネント処理の工程としては、例えば、きび酢水溶液を頭髪全体に塗布してなじませた後、十分に洗い流し、次いで、第1薬剤を毛髪に塗布して所定時間放置した後、洗い流し、その後、第2薬剤を塗布して所定時間放置した後、十分に洗い流し、毛髪を乾燥させる工程が挙げられる。髪を洗い流す際には、シャンプーを使用しても良く、その場合には本発明の毛髪化粧料(きび酢水溶液を含有するシャンプー)を使用する方がより良い結果を得ることができる。また、毛髪を乾燥させる工程では、トリートメント工程を追加することができ、その場合には本発明の毛髪化粧料(きび酢水溶液を含有するトリートメント剤)を使用した方が優れた仕上がり効果を得ることができる。
【0048】
第1薬剤には、有効成分として還元剤が含まれ、その他必要に応じて、反応安定剤、アルカリ剤、クリーム基剤、溶剤等が含まれている。還元剤としては、例えば、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン等のチオグリコール酸、L-システイン、L-システイン塩酸塩、DL-システイン、DL-システイン塩酸塩等のシステイン、サルファイト、システアミン等が挙げられる。
【0049】
第2薬剤には、有効成分として酸化剤が含まれ、その他必要に応じて、クリーム基剤、コンディショニング成分、溶剤等が含まれている。酸化剤としては、例えば、臭素酸ナトリウム、過酸化水素等が挙げられる。
【0050】
本発明においては、縮毛矯正処理の工程において本発明のきび酢水溶液を使用する工程を含むことが重要であり、縮毛矯正処理に用いられる縮毛矯正剤としては通常の縮毛矯正剤を使用することができる。例えば、まず、きび酢水溶液を頭髪全体に塗布してなじませた後、十分に洗い流し、次いで、縮毛矯正剤の第1剤を毛髪に塗布して所定時間放置した後、十分に洗い流し、第2剤を毛髪に塗布して所定時間放置し、その後、十分に洗い流した後、毛髪を直毛状態に維持したまま乾燥させる工程が挙げられる。ここで、髪を洗い流す際には、シャンプーを使用しても良く、その場合には本発明の毛髪化粧料(きび酢水溶液を含有するシャンプー)を使用する方がより良い結果を得ることができる。また、毛髪を乾燥させる工程では、トリートメント工程を追加することができ、その場合には本発明の毛髪化粧料(きび酢水溶液を含有するトリートメント剤)を使用した方が優れた仕上がり効果を得ることができる。
【0051】
縮毛矯正剤の第1剤には、有効成分としてチオグリコール酸塩、チオグリコール酸等が含まれ、その他必要に応じて、クリーム基剤、溶剤等が含まれている。
【0052】
第2薬剤には、有効成分として酸化剤が含まれ、その他必要に応じて、クリーム基剤、コンディショニング成分、溶剤等が含まれている。酸化剤としては、例えば、臭素酸ナトリウム、過酸化水素等が挙げられる。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0054】
実施例1
(シャンプー剤の作製)
シャンプー剤1:
界面活性剤としてラウレス硫酸Na、ラウリルベタイン、及びココイルアラニンNaを、保湿成分として大豆油脂肪酸及びBGを、また、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、オレンジラフィー油、オレンジ果皮油、グレープフルール果皮油、トコフェロール、フィチン酸、クエン酸、ポリクタニウム-10、塩化Na、フェノキシエタノール、および水を配合してシャンプー液1(pH=4.1~4.5)を作製した。このシャンプー液1に、きび酢組成物(奄美大島加計呂麻島さとうきび100% かけろまきび酢(あまみ農業共同組合)、以下実施例において使用するきび酢組成物は同様のものである)を添加して、すなわち、きび酢組成物を体積として9倍のシャンプー液1で希釈(きび酢組成物/シャンプー液1=1/9、希釈倍率10倍)して、シャンプー剤1(希釈倍率10倍)を作製した。
【0055】
シャンプー剤2:
上記と同様にして作製したシャンプー液1に、きび酢組成物を添加して、すなわち、きび酢組成物を体積として29倍のシャンプー液1で希釈(きび酢組成物/シャンプー液1=1/29、希釈倍率30倍)して、シャンプー剤2(希釈倍率30倍)を作製した。
【0056】
(毛髪のシャンプー処理)
人体の標準毛について、シャンプー剤1をシャンプーのたびに毎回使用してシャンプー処理を行った。すなわち、シャンプーは毎日1回、30日間続けて行い、毛髪への艶および毛髪のやわらかさの評価を行った。
また、以下の評価も行った。すなわち、シャンプーは毎日1回、30日間行うが、シャンプー剤1を用いてシャンプーを行うのは10日に1回であり、残りの27日間はきび酢組成物を含有しないシャンプー剤(すなわち、「シャンプー液1」に該当)を用いてシャンプーを行った。すなわち、第1日目にシャンプー剤1を用いてシャンプーを行い、次の9日間をきび酢組成物を含有していない「シャンプー液1」を用いてシャンプーを行うという操作を3回繰り返した。このようにしてシャンプーを施したもの(10日1回使用と表記)についても同様の評価を行った。
【0057】
(評価方法)
毛髪のシャンプー処理を所定期間実施した後の毛髪の状態を目視により観察し、下記の評価基準に従い、「毛髪の艶」および「毛髪の柔らかさ」について、1(悪)~5(良)の5段階評価を行った。その結果を表1に示す。
【0058】
評価基準:
1:悪い
2:やや悪い
3:普通
4:良い
5:非常に良い
【0059】
次に、シャンプー剤1の替わりにシャンプー剤2を用いて、上記と同様の実験を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0060】
実施例2
(トリートメント剤の作製)
トリートメント剤1:
水、セタノール、ステアリルトリモニウムクロリド、ミネラルオイル、ホホバ種子油、ラノリン、ステアリン酸グリセリル、γ-ドコサラクトン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル、ベヘントリモニウムクロリド、ジラルリン酸セラミドNS、ダイズステロール、オレンジラフィー油、クオタニウム-18、プロパンジオール、オレイン酸ポリグリセリル-10、グレープフルーツ果皮油、オレンジ果皮油、グリセリン、イソプロパノール、エタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、および香料を用いてトリートメント液1(pH=6.0~6.2)を作製した。このトリートメント液1にきび酢組成物を添加して、すなわち、きび酢組成物を体積として9倍のトリートメント液1で希釈(きび酢組成物/トリートメント液1=1/9、希釈倍率10倍)して、トリートメント剤1(希釈倍率10倍)を作製した。
【0061】
トリートメント剤2:
上記と同様にして作製したトリートメント液1に、きび酢組成物を添加して、すなわち、きび酢組成物を体積として29倍のトリートメント液1で希釈(きび酢組成物/トリートメント液1=1/29、希釈倍率30倍)して、トリートメント剤2(希釈倍率30倍)を作製した。
【0062】
(毛髪のトリートメント処理)
人体の標準毛について、トリートメント剤1をトリートメント処理のたびに毎回使用してトリートメント処理を行った。なお、トリートメント処理は毎日1回、30日間続けて行い、「毛髪の艶」および「毛髪のやわらかさ」について下記の評価を行った。
また、以下の評価も行った。すなわち、トリートメントは毎日1回、30日間行うが、トリートメント剤1を用いてトリートメントを行うのは10日に1回であり、残りの27日間はきび酢組成物を含有しないトリートメント剤(すなわち、「トリートメント液1」に該当)を用いてトリートメントを行った。すなわち、第1日目にトリートメント剤1を用いてトリートメントを行い、次の9日間をきび酢組成物を含有していない「トリートメント液1」を用いてトリートメントを行うという操作を3回繰り返した。このようにしてトリートメントを施したもの(10日1回使用と表記)についても同様の評価を行った。
【0063】
(評価方法)
毛髪のトリートメント処理を所定期間実施した後の毛髪の状態を目視により観察し、シャンプー処理の場合と同様の評価基準に従って、「毛髪の艶」および「毛髪の柔らかさ」について、5段階評価を行った。その結果を表1に示す。
【0064】
次に、トリートメント剤1の替わりにトリートメント剤2を用いて、上記と同様の実験を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0065】
実施例3
(養毛料の作製)
養毛剤1:
水、加水分解酵母エキス、加水分解コラーゲン、スサピノリエキス、プラセンタエキス、シロキクラゲ多糖体、白金を配合して養毛液1を作製した。この養毛液1に、きび酢組成物を添加して、すなわち、きび酢組成物を体積として9倍の養毛液1で希釈(きび酢組成物/養毛液1=1/9、希釈倍率10倍)して、養毛剤1(希釈倍率10倍)を作製した。
【0066】
養毛剤2:
上記と同様にして作製した養毛液1に、きび酢組成物を添加して、すなわち、きび酢組成物を体積として29倍の養毛液1で希釈(きび酢組成物/養毛液1=1/29、希釈倍率30倍)して、養毛剤2(希釈倍率30倍)を作製した。
【0067】
(毛髪の養毛処理)
人体の標準毛について、養毛剤1を頭髪に塗布して頭髪全体になじませ、優しくマッサージして養毛処理を行った。なお、養毛処理は毎日1回、30日間続けて行い、「毛髪の艶」および「毛髪のやわらかさ」について下記の評価を行った。
また、以下の評価も行った。すなわち、養毛処理は毎日1回、30日間行うが、養毛剤1を用いて養毛処理を行うのは10日に1回であり、残りの27日間はきび酢組成物を含有しない養毛剤(すなわち、「養毛液1」に該当)を用いて養毛処理を行った。すなわち、第1日目に養毛剤1を用いて養毛処理を行い、次の9日間をきび酢組成物を含有していない「養毛液1」を用いて養毛処理を行うという操作を3回繰り返した。このようにして養毛処理を施したもの(10日1回使用と表記)についても同様の評価を行った。
【0068】
(評価方法)
毛髪の養毛処理を所定期間実施した後の毛髪の状態を目視により観察し、シャンプー処理の場合と同様の評価基準に従って5段階評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
次に、養毛剤1の替わりに養毛剤2を用いて、上記と同様の実験を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】
実施例4
(きび酢水溶液Aの作製)
きび酢組成物(奄美大島加計呂麻島さとうきび100% かけろまきび酢(あまみ農業協同組合))を、体積として9倍の水道水で希釈(きび酢組成物/水=1/9、希釈倍率10倍)して、きび酢水溶液A(希釈倍率10倍のきび酢水溶液)を作製した。
【0071】
(きび酢水溶液Bの作製)
きび酢組成物を、体積として29倍の水道水で希釈(きび酢組成物/水=1/29、希釈倍率30倍)して、きび酢水溶液B(希釈倍率30倍のきび酢水溶液)を作製した。
【0072】
(ヘアカラー剤の作製)
ヘアカラー剤:
染料としてレゾルシン、硫酸パラメチルアミノフェノール、パラフェニレンジアミンを、界面活性剤としてポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラルリルエーテル(9.E.O)、塩化セチルトリメチルアンモニウムを、また、セタノール、ステアリルアルコール、流動パラフィン、亜硫酸ナトリウム(無水)、L-システイン塩酸塩、L-アスコルビン酸ナトリウム、エデト酸、1,3-ブチレングリコール、L-オキシプロリン、メチルポリシロキサン、卵黄油、香料、pH調整剤、および精製水を用いて酸化染毛剤(ヘアカラー剤)を調製した。この酸化染毛剤を用いて、以下の染毛処理(ヘアカラー処理)を行った。
【0073】
(ヘアカラー処理)
調製した酸化染毛剤(ヘアカラー剤)を毛髪にまんべんなく塗布し、30分間遠赤外線を照射しながら放置した。このとき、毛髪の温度は30℃程度であった。
次に、毛髪がまんべんなく染まっていることを確認した後、染毛剤を微温湯で十分に洗い流し、その後、タオルドライを施した。
その後、きび酢組成物の水溶液(きび酢水溶液A(希釈倍率10倍))を毛髪全体にまんべんなく塗布し、所定時間(2分程度)放置した。その後、シャンプーで洗い流し、タオルドライおよび通風乾燥(ドライヤー乾燥)を実施した。この毛髪について以下の評価を行った。
【0074】
(評価方法)
ヘアカラー処理を行ってから1か月後、および3か月後の毛髪の状態について目視観察し、「毛髪の艶」および「毛髪の柔らかさ」について、実施例1のシャンプー処理の場合と同様の評価基準に従い5段階評価を行った。その結果を表2に示す。
【0075】
次に、上記ヘアカラー処理工程において、きび酢水溶液Aの替わりにきび酢水溶液B(きび酢組成物の水溶液(希釈倍率30倍))を用いて、上記と同様のヘアカラー処理を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0076】
実施例5
(パーマ剤の作製)
パーマ剤第1剤:
有効成分としてチオグリコール酸アンモニウム液を、その他の成分として、精製水、ジチオジグリコール酸ジアンモニウム液、リン酸水素二アンモニウム、エタノール、DL-システイン、濃グリセリン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、強アンモニア水、ポリメタクリロイルエチルジメチルベタイン液、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、L-アルギニン、L-グルタミン酸、および香料を配合してパーマ第1剤を作製した。
このパーマ第1剤を用いて、以下のパーマネント処理を行った。
【0077】
(パーマネント処理)
きび酢組成物の水溶液(きび酢水溶液A)を毛髪全体にまんべんなく塗布してなじませた。その後、シャンプーで洗い流した後、パーマ第1剤を毛髪に塗布して放置した。次いで、パーマ第1剤を十分に洗い流した後、酸化剤として過酸化水素水を含有するパーマ第2剤を毛髪にまんべんなく塗布し、所定時間放置した。その後、毛髪にウェーブがきちんとついている状態を確認した後、パーマ第2剤を十分に洗い流し、タオルドライおよび通風乾燥(ドライヤー乾燥)を実施した。この毛髪について以下の評価を行った。
【0078】
(評価方法)
パーマネント処理を行ってから1か月後、および3か月後の毛髪の状態について目視観察し、「毛髪の艶」および「毛髪の柔らかさ」について、実施例1のシャンプー処理の場合と同様の評価基準に従い5段階評価を行った。その結果を表2に示す。
【0079】
次に、上記パーマネント処理工程において、きび酢水溶液Aの替わりにきび酢水溶液B(きび酢組成物の水溶液(希釈倍率30倍))を用いて、上記と同様のパーマネント処理を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0080】
実施例6
(縮毛矯正剤の作製)
有効成分としてチオグリコール酸塩、その他の成分として、アルギニン、ステアリルアルコール、セタノール、アラルコニウムクロリド等を含有する第1剤を作製した。また、過酸化水素水を含有する縮毛矯正第2剤を用意した。
この縮毛矯正第1剤および第2剤を用いて、以下の縮毛矯正処理を行った。
【0081】
(縮毛矯正処理)
きび酢組成物の水溶液(きび酢水溶液A)を毛髪全体にまんべんなく塗布してなじませた。その後、シャンプーで洗い流した後、縮毛矯正第1剤を毛髪に塗布して放置した。次いで、縮毛矯正第1剤を十分に洗い流した後、酸化剤として過酸化水素水を含有する縮毛矯正第2剤を毛髪にまんべんなく塗布し、所定時間放置した。その後、縮毛矯正第2剤を十分に洗い流し、タオルドライおよび通風乾燥(ドライヤー乾燥)を実施した。この毛髪について以下の評価を行った。
【0082】
(評価方法)
縮毛矯正処理を行ってから1か月後、および3か月後の毛髪の状態について目視観察し、「毛髪の艶」および「毛髪の柔らかさ」について、実施例1のシャンプー処理の場合と同様の評価基準に従い5段階評価を行った。その結果を表2に示す。
【0083】
次に、上記縮毛矯正処理工程において、きび酢水溶液Aの替わりにきび酢水溶液B(きび酢組成物の水溶液(希釈倍率30倍))を用いて、上記と同様の縮毛矯正処理を行い、同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0084】
実施例7
人体の標準毛について以下の評価を行った。
(毛髪の艶の維持、頭皮への潤い、毛髪のハリ・弾力)
実施例1と同様にして作製したシャンプー剤1を用い、1週間毎日シャンプー処理を行った毛髪について、および、1か月毎日シャンプー処理を行った毛髪について、「毛髪への艶の維持」について、実施例1と同様にして5段階評価を行った。また、これらの毛髪について、「頭皮の潤い」について同様に5段階評価を行い、さらに、「毛髪のハリ・弾力」についても同様に5段階評価を行った。その結果を表3に示す。
【0085】
(カラーの維持)
人体の標準毛に実施例4と同様にしてカラーリング処理を行った。そのカラーリング処理後の毛髪について、実施例1と同様にして作製したシャンプー剤1を用い、1週間毎日シャンプー処理を行った毛髪について、および、1か月毎日シャンプー処理を行った毛髪について、「毛髪のカラーの維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表3に示す。
【0086】
(パーマ状態の維持)
人体の標準毛に実施例5と同様にしてパーマ処理を行った。そのパーマ処理後の毛髪について、実施例1と同様にして作製したシャンプー剤1を用い、1週間毎日シャンプー処理を行った毛髪について、および、1か月毎日シャンプー処理を行った毛髪について、「毛髪のパーマ状態の維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表3に示す。
【0087】
比較例1
上記シャンプー剤1の替わりに、きび酢組成物を含有していないシャンプー剤(すなわち、シャンプー液1に該当)を用い、1週間毎日シャンプー処理を行った毛髪について、および、1か月毎日シャンプー処理を行った毛髪についても、「毛髪の艶の維持」、「頭皮の潤いの維持」および「毛髪のハリ・弾力」のそれぞれについて実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表3に示す。
【0088】
(カラーの維持)
人体の標準毛に実施例4と同様にしてカラーリング処理を行った。そのカラーリング処理後の毛髪について、きび酢組成物を含有していないシャンプー剤(すなわち、シャンプー液1に該当)を用い、1週間毎日シャンプー処理を行った毛髪について、および、1か月毎日シャンプー処理を行った毛髪について、「毛髪のカラーの維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表3に示す。
【0089】
(パーマ状態の維持)
人体の標準毛に実施例5と同様にしてパーマ処理を行った。そのパーマ処理後の毛髪について、きび酢組成物を含有していないシャンプー剤(すなわち、シャンプー液1に該当)を用い、1週間毎日シャンプー処理を行った毛髪について、および、1か月毎日シャンプー処理を行った毛髪について、「毛髪のパーマ状態の維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表3に示す。
【0090】
実施例8
人体の標準毛について以下の評価を行った。
(毛髪への艶の維持、頭皮への潤い、毛髪のハリ・弾力)
実施例2と同様にして作製したトリートメント剤1を用い、1週間毎日トリートメント処理を行った毛髪について、および、1か月毎日トリートメント処理を行った毛髪について、「毛髪の艶の維持」について実施例1と同様にして5段階評価を行った。また、これらの毛髪について、「頭皮の潤い」および「毛髪のハリ・弾力」のそれぞれについて、同様の5段階評価を行った。その結果を表4に示す。
【0091】
(カラーの維持)
人体の標準毛に実施例4と同様にしてカラーリング処理を行った。そのカラーリング処理後の毛髪について、実施例2と同様にして作製したトリートメント剤1を用い、1週間毎日トリートメント処理を行った毛髪について、および、1か月毎日トリートメント処理を行った毛髪について、「毛髪のカラーの維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表4に示す。
【0092】
(パーマ状態の維持)
人体の標準毛に実施例5と同様にしてパーマ処理を行った。そのパーマ処理後の毛髪について、実施例2と同様にして作製したトリートメント剤1を用い、1週間毎日トリートメント処理を行った毛髪について、および、1か月毎日トリートメント処理を行った毛髪について、「毛髪のパーマ状態の維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表4に示す。
【0093】
比較例2
上記トリートメント剤1の替わりに、きび酢組成物を含有していないトリートメント剤(すなわち、「トリートメント液1」に該当)を用い、1週間毎日トリートメント処理を行った毛髪について、および、1か月毎日トリートメント処理を行った毛髪についても、「毛髪の艶の維持」、「頭皮の潤いの維持」および「毛髪のハリ・弾力」のそれぞれについて実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表4に示す。
【0094】
(カラーの維持)
人体の標準毛に実施例4と同様にしてカラーリング処理を行った。そのカラーリング処理後の毛髪について、きび酢組成物を含有していないトリートメント剤(すなわち、トリートメント液1に該当)を用い、1週間毎日トリートメント処理を行った毛髪について、および、1か月毎日トリートメント処理を行った毛髪について、「毛髪のカラーの維持」にき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表4に示す。
【0095】
(パーマ状態の維持)
人体の標準毛に実施例5と同様にしてパーマ処理を行った。そのパーマ処理後の毛髪について、きび酢組成物を含有していないトリートメント剤(すなわち、トリートメント液1に該当)を用い、1週間毎日トリートメント処理を行った毛髪について、および、1か月毎日トリートメント処理を行った毛髪について、「毛髪のパーマ状態の維持」につき、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表4に示す。
【0096】
実施例9
人体の標準毛について以下の評価を行った。
(毛髪の艶の維持、頭皮への潤い、毛髪のハリ・弾力)
実施例3と同様にして作製した養毛剤1を用い、1週間毎日養毛施術を行った毛髪について、および、1か月毎日養毛施術を行った毛髪について、「頭皮の潤い」、「毛髪の潤い」および「新生された毛髪の潤い」のそれぞれについて、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表5に示す。
【0097】
比較例3
上記養毛剤1の替わりに、きび酢組成物を含まない養毛剤(すなわち「養毛液1」に該当)を用い、1週間毎日養毛処理を行った毛髪について、および、1か月毎日養毛処理を行った毛髪についても、「頭皮の潤い」、「毛髪の潤い」および「新生された毛髪の潤い」のそれぞれについて、実施例1と同様にして5段階評価を行った。その結果を表5に示す。
【0098】
実施例10
(きび酢水溶液Cの作製)
きび酢組成物を、体積として3倍の水道水で希釈(きび酢組成物/水=1/3、希釈倍率4倍)して、きび酢水溶液C(希釈倍率4倍のきび酢水溶液)を作製した。
【0099】
(ヘアカラー処理)
実施例4で調製した酸化染毛剤(ヘアカラー剤)を毛髪にまんべんなく塗布し、30分間遠赤外線を照射しながら放置した。このとき、毛髪の温度は30℃程度であった。
次に、毛髪がまんべんなく染まっていることを確認した後、染毛剤を微温湯で十分に洗い流し、その後、タオルドライを施した。
その後、きび酢組成物の水溶液(きび酢水溶液C(希釈倍率4倍))を毛髪全体にまんべんなく塗布し、所定時間(2分程度)放置した。その後、シャンプーで洗い流し、タオルドライおよび通風乾燥(ドライヤー乾燥)を実施した。この毛髪について以下の評価を行った。
【0100】
(評価方法)
ヘアカラー処理を行ってから1週間後、および1か月後の毛髪の状態について目視観察し、「毛髪の艶の維持」、「毛髪のカラーの維持」、「質感の維持」、「毛髪の潤い」および「毛髪のハリ・弾力」のそれぞれについて、実施例1のシャンプー処理の場合と同様の評価基準に従い5段階評価を行った。その結果を表6に示す。
【0101】
比較例4
実施例10において、きび酢水溶液Cを使用せずに、すなわち、きび酢水溶液を塗布する工程を行わずにヘアカラー処理を行った。その毛髪について、実施例10と同様の評価を行った。その結果を表6に示す。
【0102】
実施例11
(パーマ処理)
実施例5で調製したパーマ剤を毛髪にまんべんなく塗布し、30分間遠赤外線を照射しながら放置した。このとき、毛髪の温度は30℃程度であった。
次に、毛髪がまんべんなく染まっていることを確認した後、染毛剤を微温湯で十分に洗い流し、その後、タオルドライを施した。
その後、きび酢組成物の水溶液(きび酢水溶液C(希釈倍率4倍))を毛髪全体にまんべんなく塗布し、所定時間(2分程度)放置した。その後、シャンプーで洗い流し、タオルドライおよび通風乾燥(ドライヤー乾燥)を実施した。この毛髪について以下の評価を行った。
【0103】
(評価方法)
パーマ処理を行ってから1週間後、および1か月後の毛髪の状態について目視観察し、「毛髪の艶の維持」、「毛髪のパーマ状態の維持」、「質感の維持」、「毛髪の潤い」および「毛髪のハリ・弾力」のそれぞれについて、実施例1のシャンプー処理の場合と同様の評価基準に従い5段階評価を行った。その結果を表7に示す。
【0104】
比較例5
実施例11において、きび酢水溶液Cを使用せずに、すなわち、きび酢水溶液を塗布する工程を行わずにパーマ処理を行った。その毛髪について、実施例11と同様の評価を行った。その結果を表7に示す。
【0105】
実施例12
(縮毛矯正処理)
実施例5で調製した縮毛矯正剤を毛髪にまんべんなく塗布し、30分間遠赤外線を照射しながら放置した。このとき、毛髪の温度は30℃程度であった。
次に、毛髪がまんべんなく染まっていることを確認した後、染毛剤を微温湯で十分に洗い流し、その後、タオルドライを施した。
その後、きび酢組成物の水溶液(きび酢水溶液C(希釈倍率4倍))を毛髪全体にまんべんなく塗布し、所定時間(2分程度)放置した。その後、シャンプーで洗い流し、タオルドライおよび通風乾燥(ドライヤー乾燥)を実施した。この毛髪について以下の評価を行った。
【0106】
(評価方法)
縮毛矯正施術を行ってから1週間後、および1か月後の毛髪の状態について目視観察し、「毛髪の艶の維持」、「毛髪のカラー縮毛矯正状態の維持」、「質感の維持」、「毛髪の潤い」および「毛髪のハリ・弾力」のそれぞれについて、実施例1のシャンプー処理の場合と同様の評価基準に従い5段階評価を行った。その結果を表8に示す。
【0107】
比較例6
実施例12において、きび酢水溶液Cを使用せずに、すなわち、きび酢水溶液を塗布する工程を行わずに縮毛矯正処理を行った。その毛髪について、実施例12と同様の評価を行った。その結果を表8に示す。
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
表1から、本発明のきび酢組成物を含有するシャンプーは、毛髪の艶および毛髪の柔らかさの評価において、非常に優れた結果を示すものであることが分かった。特に使用回数の頻度が多いほど、優れた効果を発揮することも分かった。
また、トリートメント剤および養毛料についても、本発明のきび酢組成物を含有するものは、毛髪の艶および毛髪の柔らかさの評価において、非常に優れた結果を示すものであり、特に使用回数の頻度が多いほど、優れた効果を発揮することも分かった。
【0117】
表2から、本発明のきび酢組成物を用いてヘアカラー処理、パーマ処理、縮毛矯正処理を行った場合には、処理後1か月の状態では非常に優れた結果が得られ、3か月経過後の状態でも優れた結果が得られることが分かった。なお、希釈倍率が大きいほど、すなわち、希釈倍率が30倍になると、効果はやや減少するが、それでも普通のレベル状態を維持できることが分かった。
【0118】
表3から、本発明のきび酢組成物を含有するシャンプーは、このシャンプーを用いてシャンプー処理を行えば(使用期間が1週間でも1か月であっても)、毛髪の艶の維持、頭皮の潤い、毛髪のハリ・弾力において、非常に優れた結果が得られ、また、1週間シャンプー処理を行った場合でも、カラーの維持、パーマ状態の維持の評価において、非常に優れた結果が得られることが分かった。また、本発明のきび酢組成物を含有するシャンプーを用いて1か月間シャンプー処理を行った場合でも、カラー状態、パーマ状態等の維持状態に優れていることが分かった。
一方、本発明のきび酢組成物を含有していない比較例1のシャンプーでは、1週間使用後の毛髪のカラー状態、パーマ状態が、実施例7の1か月使用後の状態と同等であることが分かった。すなわち、本発明のきび酢組成物を含有するシャンプーを用いてシャンプー処理を行えば、カラーの維持等に優れることが分かった。また、比較例1のシャンプーでは、毛髪の艶の維持、頭皮の潤い、毛髪のハリ・弾力について、本発明のきび酢組成物を含有するシャンプーを用いた実施例7の効果よりも劣ったものであることが分かった。しかも、1か月使用した場合の効果の低下度が実施例7よりも大幅にダウンしていることも分かった。
【0119】
表4から、本発明のきび酢組成物を含有するトリートメント剤は、このトリートメント剤を用いてトリートメント処理を行えば(使用期間が1週間でも1か月であっても)、毛髪の艶の維持、頭皮の潤い、毛髪のハリ・弾力において、非常に優れた結果が得られ、また、このトリートメント剤を用いて1週間処理を行った場合でも、カラーの維持、パーマ状態の維持の評価において、非常に優れた結果が得られることが分かった。また 本発明のきび酢組成物を含有するトリートメント剤を用いて、1か月間トリートメント処理を行った場合でも、カラー状態、パーマ状態等の維持に優れていることが分かった。
一方、本発明のきび酢組成物を含有していない比較例2のトリートメント剤では、1週間使用後の毛髪のカラー状態、パーマ状態が、実施例8の1か月使用後の状態と同等であることが分かった。
【0120】
表5から、本発明のきび酢組成物を含有する養毛料を用いて養毛処理を行った実施例9では、1週間使用しただけでも新生された毛髪に潤いを与えることができ、1か月使用した場合には非常に優れた結果が得られることが分かった。
一方、比較例3では、1週間使用しても、また、1か月使用したとしても、新生された毛髪に潤いの効果を与えることはできなかった。また、毛髪の潤いについても効果が得られないことが分かった。
【0121】
表6~8より、本発明のきび酢組成物を含有するきび酢水溶液を用いて処理を行った場合には、毛髪の艶の維持、質感の維持、毛髪の潤い、毛髪のハリ・弾力について優れた効果を発揮することが分かった。また、カラーの維持の結果については、パーマウェーブの維持、および、縮毛矯正の維持の結果と比べるとやや劣るが、それでも、たとえ1か月後であっても評価レベル3であり、普通レベルの状態であることが分かった。
一方、本発明のきび酢組成物を含有するきび酢水溶液(本発明の毛髪調整剤)を用いずに処理を行った比較例4~6では、1か月後の評価レベルが2であるものが多く、評価レベル1のものも見受けられた。すなわち、ヘアカラー処理、パーマ処理、縮毛矯正処理において、本発明の毛髪調整剤を用いることは、その効果において非常に大きな差を生ずることが分かった。
【0122】
以上説明したように、本発明の毛髪化粧料は、毛髪に優れた艶、潤い感、柔らかさ、ハリ・弾力等を付与することができる。また、ヘアカラー処理、パーマ処理、縮毛矯正処理等に、毛髪調整剤として本発明の毛髪化粧料を用いた場合には、パーマ状態等の維持に非常に優れた効果を発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪に優れた艶、潤い感、柔らかさ、ハリ・弾力等を付与することができるので、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、トリートメント剤、ヘアクリーム、養毛料など幅広く利用することができる。また、ヘアカラー処理、パーマ処理、縮毛矯正処理等に毛髪調整剤として本発明の毛髪化粧料を用いた場合には、パーマ状態等の維持に非常に優れた効果を発揮することができるので、毛髪調整剤等としての利用に期待できる。したがって、本発明の毛髪化粧料は、美容業界への貢献が多いに期待される。