(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】無線通信装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20240517BHJP
H04W 72/541 20230101ALI20240517BHJP
H04W 72/566 20230101ALI20240517BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240517BHJP
H04W 88/10 20090101ALI20240517BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W72/541
H04W72/566
H04W84/12
H04W88/10
(21)【出願番号】P 2021034602
(22)【出願日】2021-03-04
【審査請求日】2023-11-20
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】國立 忠秀
(72)【発明者】
【氏名】松井 研輔
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 拓人
(72)【発明者】
【氏名】木村 恒人
(72)【発明者】
【氏名】児島 史秀
(72)【発明者】
【氏名】松村 武
(72)【発明者】
【氏名】沢田 浩和
(72)【発明者】
【氏名】伊深 和雄
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-260904(JP,A)
【文献】特開2020-167605(JP,A)
【文献】特開2008-148206(JP,A)
【文献】特開2005-311931(JP,A)
【文献】特表2015-534389(JP,A)
【文献】特開2015-165630(JP,A)
【文献】特開2008-270951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯域に通信速度が異なる通信チャネルを有する無線通信装置であって、
第1の周波数帯域における高速通信チャネルに対する受信情報を受信する高速受信部と、
第2の周波数帯域における低速通信チャネルに対する受信情報を受信する低速受信部と、
送信データがある場合に、前記送信データに優先順位を付与し、前記受信情報の受信強度を判定し、前記高速通信チャネルの前記受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合に、前記低速通信チャネルの利用可能性を判定する制御部と、
前記制御部において付与された優先順位が高い送信データから第2の周波数帯域における利用可能と判定された低速通信チャネルを利用して送信する低速送信部と、を備え、
前記制御部は、前記送信データの優先順位に含まれる許容遅延時間を参照し、前記送信データを前記低速通信チャネルによって送信した場合に、前記許容遅延時間の範囲内で前記送信データを送信完了できる場合に、前記送信データを前記低速送信部に伝送し、
前記優先順位は、前記送信データのアプリケーションの種類によってあらかじめ設定されている無線通信装置。
【請求項2】
前記第1の周波数帯域における高速通信チャネルは、複数のサブ高速通信チャネルを含み、また、前記第2の周波数帯域における低速通信チャネルも、複数のサブ低速通信チャネルを含み、前記制御部は、前記複数のサブ高速通信チャネルのすべてにおいてあらかじめ定められた受信強度閾値以上の受信情報である受信データを受信している場合に、前記低速送信部に、前記低速通信チャネルを利用して、前記優先順位が高い送信データから送信させる請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記低速通信チャネルにおけるあらかじめ定められた時間を単位としたあらかじめ定められた許容累積利用時間の残時間を参照し、前記残時間の範囲内で前記送信データを送信完了できる場合に、前記送信データを前記低速送信部に伝送する請求項1
または2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記低速通信チャネルがあらかじめ定められた規定による休止期間に該当する場合、または、前記低速通信チャネルの受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合には、前記制御部は、前記低速送信部から前記送信データを前記低速通信チャネルによって送信させない請求項1から
3のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送信データを前記高速通信チャネルによって送信している間に、前記低速通信チャネルが利用可能な場合には、前記送信データの優先順位に含まれる許容遅延時間を参照し、前記送信データを前記低速通信チャネルによって送信した場合に、前記許容遅延時間の範囲内で前記送信データを送信完了できる場合に、送信完了可能な前記送信データの中で待ち時間が発生している送信データから前記低速通信チャネルを利用して前記低速送信部から伝送させる請求項1から
4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記送信データを分割し、前記送信データが分割された分割送信データのそれぞれ、及び、他の送信データがある場合には前記他の送信データも含めた全送信データに対して優先順位を再付与し、前記優先順位の順番に前記高速通信チャネルまたは前記低速通信チャネルを利用する請求項1から
5のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記複数のサブ高速通信チャネルの中で利用可能なサブ高速通信チャネルがある場合には、前記制御部は、
前記利用可能なサブ高速通信チャネルを利用して、前記優先順位の順番に送信データを送信する、若しくは、
前記利用可能なサブ高速通信チャネルを利用して直前の送信データを送信している場合には、
当該サブ高速通信チャネルを利用して、若しくは、
他の利用可能なサブ高速通信チャネル又は前記低速通信チャネルを利用して、または、利用不可能なサブ高速通信チャネルが利用可能となるまで待機して送信データを送信し、
前記複数のサブ低速通信チャネルの中で利用可能なサブ低速通信チャネルがある場合には、前記制御部は、
前記利用可能なサブ低速通信チャネルを利用して、前記優先順位の順番に送信データを送信する、若しくは、
前記利用可能なサブ低速通信チャネルを利用して直前の送信データを送信している場合には、
当該サブ低速通信チャネルを利用して、若しくは、
他の利用可能なサブ低速通信チャネルを利用して、または、利用不可能なサブ低速通信チャネルが利用可能となるまで待機して送信データを送信する請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記送信データがACKまたはNACKを含む応答データの場合にも、前記受信情報の受信強度を判定し、前記高速通信チャネルの前記受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合であって、前記応答データがある場合に、前記応答データに優先順位を付与し、付与された優先順位の順に前記応答データを第2の周波数帯域における利用可能な低速通信チャネルを利用して送信する請求項1から
7のいずれか一項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
前記第1の周波数帯域は少なくとも2つのサブ周波数帯域を含み、前記サブ周波数帯域にはそれぞれ複数のサブ高速通信チャネルが含まれ、前記サブ高速通信チャネルにはWi-Fi(登録商標)によって規定された通信チャネルが含まれ、前記第2の周波数帯域における前記低速通信チャネルには、複数のサブ低速通信チャネルが含まれ、前記サブ低速通信チャネルにはWi-SUN(登録商標)によって規定された通信チャネルが含まれる請求項
1に記載の無線通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の周波数帯域に通信速度が異なる通信チャネルを有する無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、他のシステムからの干渉波による無線伝送品質の劣化を抑制するための技術が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1の無線通信システムは、ポイントツーポイント通信を行う無線対向する二つの無線装置から構成されており、それぞれの無線装置は、第一および第二の無線送信系と、第一および第二の無線受信系と、を備えた(1+1)冗長構成からなる。第一および第二の無線送信系のうち、いずれか一方の無線送信系を現用として、あらかじめ割り当てられた特定の無線周波数を用いて相手側の無線装置への無線送信動作を行い、他方の無線送信系を機器冗長の予備系として待機する構成が可能となっている。また第二の無線送信系と第二の無線受信系としては、各々送信、受信で独立した周波数制御、占有帯域制御、変調方式制御に応じて動作できる特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、被干渉時には無線方式の異なる別の機器を使用するため、予備の無線器を配置する必要がある。また、別の機器のために変調方式及び無線占有帯域を変更するための制御回路が必要になる場合がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、使用電波が干渉を受けた場合のために、無線方式の異なる予備の機器を配置せず、変調方式及び無線占有帯域を変更する制御をせずに、干渉を避けて優先順位の高い通信データから無線通信を維持する無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係わる、複数の周波数帯域に通信速度が異なる通信チャネルを有する無線通信装置は、第1の周波数帯域における高速通信チャネルに対する受信情報を受信する高速受信部と、第2の周波数帯域における低速通信チャネルに対する受信情報を受信する低速受信部と、送信データがある場合に、前記送信データに優先順位を付与し、前記受信情報の受信強度を判定し、前記高速通信チャネルの前記受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合に、前記低速通信チャネルの利用可能性を判定する制御部と、前記制御部において付与された優先順位が高い送信データから第2の周波数帯域における利用可能と判定された低速通信チャネルを利用して送信する低速送信部と、を備え、前記優先順位は、前記送信データのアプリケーションの種類によってあらかじめ設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用電波が干渉を受けた場合のために、無線方式の異なる予備の機器を配置せず、変調方式及び無線占有帯域を変更する制御をせずに、干渉を避けて優先順位の高い通信データから無線通信を維持する無線通信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係わる無線通信装置の送信処理の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図2】本実施形態に係わる無線通信装置の構成概要を示すブロック図である。
【
図3】(A)本実施形態に係わる無線通信装置の制御部の詳細の一例を示すブロック図である。(B)本実施形態に係わる無線通信装置の記憶部の詳細の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係わる優先度の一例を説明するための模式図である。
【
図5】本実施形態に係わる無線通信装置の送受信処理の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態に係わる無線通信装置の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の設置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示に限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。さらに、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0011】
(1)無線通信装置の動作の概要
図1は、本実施形態に係わる無線通信装置の送信動作の概要を模式的に示したフローチャートである。
【0012】
図示しないCPU(Central Processing Unit)を含む無線通信装置の制御部が、ステップS101、S102、S103、S104、S105の動作を実行可能に構成されている。
【0013】
ステップS101において、制御部は使用可能にあらかじめ設けられた複数の通信チャネルの使用状況をモニタする。使用可能にあらかじめ設けられた複数の通信チャネルは少なくとも2つ以上の周波数帯域に属する通信チャネルであって、通信チャネルは少なくとも高速伝送が可能な高速通信チャネルと低速伝送する低速通信チャネルが含まれる。高速通信チャネルは最大数Gbpsから数十Gbps以上の通信速度を有し、低速通信チャネルは最大数百kbps程度の通信速度を有する。また、高速通信チャネルは少なくとも2つ以上あり、第1の周波数帯域に属する。低速通信チャネルは少なくとも1つあり、第2の周波数帯域に属する。第1の周波数帯域と第2の周波数帯域とは周波数が異なり、第1の周波数帯域は第2の周波数帯域よりも高周波数帯域であることが好ましいが、第1の周波数帯域は第2の周波数帯域よりも低周波数帯域であってもよい。また、低速通信チャネルには、連続で送信可能な時間や単位時間あたりに送信可能な総送信時間が定められている場合がある。このような制限を設けることによって、低速通信チャネルにおいては干渉が低減され、安定的に無線通信を実行可能となる場合がある。また、高速通信チャネルは連続で送信可能な時間や単位時間あたりに送信可能な総送信時間の制限がないことが好ましい。高速通信チャネルはCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス/衝突回避)方式である場合がある。この方式の場合には、通信データの送信前に、同一通信チャネル上に干渉がないか否かを確認し、干渉が存在する場合には送信を一時待機する。干渉が存在しない場合には、ランダムな時間を待機し、通信データを送信し、干渉信号との衝突を回避する。次に、無線通信装置はステップS102に進む。
【0014】
ステップS102において、制御部は使用可能な通信チャネルを選択する。ステップS101において、少なくとも一部の高速通信チャネルに干渉波が受信されていない場合には、干渉波が受信されていない高速通信チャネルを制御部は使用可能と判断する。また、低速通信チャネルに干渉波が受信されていない場合であって、低速通信チャネルに対する制約条件をクリアしている場合には、当該低速通信チャネルを制御部は使用可能と判断する。したがって、制御部が使用可能と判断する通信チャネルは、最大で、使用可能にあらかじめ設けられた複数の通信チャネルのすべてである場合がる。また、制御部が使用可能と判断する通信チャネルがない場合もある。次に、無線通信装置はステップS103に進む。
【0015】
ステップS103において、制御部は使用可能な通信チャネルがあるか否かを判断する。使用可能な通信チャネルがある場合(ステップS103:YES)には、無線通信装置はステップS104に進む。使用可能な通信チャネルがない場合(ステップS103:NO)には、無線通信装置はステップS101に戻る。
【0016】
ステップS104において、制御部は送信すべき通信データに優先度を付与し、使用可能な通信チャネルで、優先度が高い通信データから送信を実行することを原則とする。なお、送信すべき通信データに優先度を付与するステップは、送信すべき通信データが発生するたびに実行されることが可能である。
【0017】
優先度の詳細については後述するが、例えば、優先度は優先順位の値に基づき、優先順位の値が小さいほど優先度は高くなる。優先度は送信データのアプリケーションの種類に基づいて決定されることを原則とする。特にアプリケーションが制御系に関する場合の送信データは優先度が高くなる。例えば、送信要求に係わる送信データがエンタテイメント系のアプリケーションのデータである場合には優先度が低い可能性が高い。
【0018】
ただし、優先度は送信されるべき通信データに許容される遅延時間としての、許容遅延時間の長さに基づいて決定されてもよい。例えば、送信されるべき通信データの中で許容遅延時間が最も短い通信データの優先度を最も高くすることが可能である。また、例えば、送信されるべき通信データの中で許容遅延時間が最も長い通信データの優先度を最も低くすることが可能である。なお、上記優先度は同一のアプリケーションの中での優先度を分類する場合に使用されてもよい。また、送信されるべき通信データが発生するたびに、送信されるべき通信データが複数ある場合には、制御部は優先度を再付与する動作を繰り返すことが可能である。
【0019】
使用可能な通信チャネルに高速通信チャネルがある場合には、制御部は優先度の高い通信データから高速通信チャネルで通信データを送信する。また、使用可能な高速通信チャネルが複数ある場合には、より速い高速通信チャネルを利用して優先度の高い通信データを送信する。一番目に通信速度の速い高速通信チャネルを利用し、一番目に優先度の高い通信データを送信している間に、二番目に通信速度の速い高速通信チャネルを利用し、二番目に優先度の高い通信データを送信することも可能である。
【0020】
また、例えば、高速通信チャネルで送信するよりも、低速通信チャネルで送信することによって送信完了時刻が早い優先順位の通信データがある場合には、制御部は当該通信データを低速通信チャネルで送信する場合がある。この場合に、当該通信データよりも優先順位が高い通信データは高速通信チャネルで送信されている状況の場合もある。このように、高速通信チャネルと低速通信チャネルを同時に使用する場合もある。また、複数の高速通信チャネルを同時に使用しながら、低速通信チャネルを同時に使用し、または、低速通信チャネルを同時に使用しない場合もあり得る。これらの場合の詳細については、変形例において詳述する。
【0021】
さらに、例えば、優先度の高い通信データの送信完了時刻が、当該通信データより優先順位が低い通信データの送信完了時刻よりも遅い場合には、優先度の高い通信データを分割して、複数の通信チャネルから先に送信することも可能である。このように、状況によっては、優先順位の高い通信データを分割して送信時間を短くすることによって、当該通信データの全データを送信することが可能になる場合がある。この場合の詳細についても、変形例において詳述する。
【0022】
ステップS105において、制御部は送信するべき通信データがなくなったか否かを判定する。送信するべき通信データがなくなった場合(ステップS105:YES)には、制御部は送信処理を終了する。送信するべき通信データがまだある場合(ステップS105:NO)には、制御部はステップS101に戻って送信処理を続行する。
【0023】
なお、上記高速通信チャネルは、Wi-Fi(登録商標)によって規定されている無線帯域の通信チャネルであってもよい。例えば、上記高速通信チャネルは2.4GHz帯と5GHz帯の通信チャネルであってもよい。2.4GHz帯や5GHz帯を利用した、いわゆる狭義の無線LANは、通信速度が最大数Gbpsと大容量通信が可能であり、電波法による免許が不要で使用できることから様々な電子機器において使用されている。しかし、他の電子機器からの干渉も問題となる。
【0024】
そこで、上記低速通信チャネルは、Wi-SUN(登録商標)によって規定されている無線帯域の通信チャネルであってもよい。920MHz帯を使用したWi-SUN等の無線通信方式は、上記無線LANと同様に電波法による免許が不要で使用できる。ただし、通信速度が最大数百kbps程度であり、大容量通信には適していない。しかし、さまざまな制約があることから、無線LANに比較して、干渉が少なく安定的に無線通信を維持できる傾向がある。また、920MHz帯は、2.4GHz帯や5GHz帯に比べて、通信可能距離が長くなり、遠くに伸びるので、より広いエリアをカバー可能であるという利点もある。
【0025】
このように、2.4GHz帯や5GHz帯は干渉が発生しやすく、干渉が発生している場合には、CSMA/CA方式によって通信の待ち時間が発生する。そこで、2.4GHz帯等で送信されるべき通信データに優先度を付与し、干渉が発生しているが、優先度が高い通信データがある場合に、920MHz帯での送信も可能にすることで、優先度が高い通信データの遅延時間を低減することが可能になる場合がある。詳細については後述する。
【0026】
(2)無線通信装置の詳細
図2および
図3を参照して無線通信装置100の構成の一例の詳細を説明する。
図2は、無線通信装置100の全体構成の一例を示すブロック図である。
図3は、無線通信装置100の
図2における制御部130の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2を参照すると、無線通信装置100は、高速通信部110、低速通信部120、制御部130、外部I/F部150、記憶部160、高速通信アンテナ部ANTH、及び、低速通信アンテナ部ANTLを備える。
【0028】
後述する、オプションとしての送受信制御部132は、高速通信アンテナ部ANTHと高速受信部111との接続、および、高速通信アンテナ部ANTHと高速送信部112との接続を切り替える機能を有する。すなわち、送受信制御部132は通信データを受信する場合には高速通信アンテナ部ANTHと高速受信部111とを接続し、通信データを送信する場合には高速通信アンテナ部ANTHと高速送信部112とを接続する機能を有する。
同様に、後述する、オプションとしての送受信制御部132は、低速通信アンテナ部ANTLと低速受信部121との接続、および、低速通信アンテナ部ANTLと低速送信部122との接続を切り替える機能を有する。すなわち、送受信制御部132は低速通信データを受信する場合には低速通信アンテナ部ANTLと低速受信部121とを接続し、低速通信データを送信する場合には低速通信アンテナ部ANTLと低速送信部122とを接続する機能を有する。なお、送受信制御部132は、通信データ、ACK(ACKnowledgement)、または、NACK(Negative ACKnowledgement)、制御情報等を送信する時に無線通信装置100を送信モードに切り替える。それ以外の時には、送受信制御部132は、無線通信装置100を受信モードに切り替える。
【0029】
また、オプションとしての送受信制御部132を備えない場合には、受信部に必要な数のアンテナ(図示せず)を固定的に接続し、送信部に必要な数のアンテナ(図示せず)を固定的に接続する構成とすることもできる。また、高速通信アンテナ部ANTH、低速通信アンテナ部ANTLを含む上記アンテナは無線通信装置100の内部または外部に配置することが可能である。なお、以下の説明において、無線通信装置100をノードと称する場合がある。
【0030】
高速受信部111及び低速受信部121は、他のノードから送信された通信データ、ACK、または、NACK等を含む制御情報を受信する機能を有する。また、受信した通信データの宛先情報を参照して、自ノード宛ての通信データと他のノード宛ての通信データとを区別する機能を有する。一例として宛先情報はノードの識別情報であって、ヘッダに含まれる情報として参照可能な情報である。当該通信データは自ノードが最終宛先となる通信データである場合と、自ノードが最終宛先とならない通信データである場合がある。自ノードが最終宛先となる通信データである場合には、当該通信データを外部I/F部150に出力する。また、自ノードが最終宛先とならない通信データである場合であって、通信データに通信経路情報が含まれない場合には、当該通信データを破棄する場合がある。また、自ノードが最終宛先とならない通信データである場合であって、通信経路情報に自ノードが含まれることがある場合には、無線通信装置100が中継端末として機能することも可能である。
【0031】
高速送信部112及び低速送信部122は、通信データを送信する機能を有する。また、他ノードから受信された通信データに対する肯定応答であるACKまたは否定応答であるNAC等を含む制御情報を送信する機能も有する。
【0032】
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)等を備えるマイクロコンピュータを用いて実現可能である。マイクロコンピュータを制御部130として機能させるためのコンピュータプログラム(無線通信プログラム)を、マイクロコンピュータにインストールして実行する。これにより、マイクロコンピュータは、制御部130が備える複数の情報処理部として機能する。なお、本明細書では、ソフトウェアによって制御部130を実現する例を示すが、もちろん、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、制御部130を構成することも可能である。専用のハードウェアには、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。また、制御部130に含まれる複数の情報処理部を個別のハードウェアにより構成してもよい。更に、制御部130は、無線通信の対象となる電子装置の制御に用いる電子制御装置と兼用してもよい。
【0033】
例えば、無線通信装置100が移動体に設けられる場合に、移動体の移動に関連しない構成を制御する電子制御装置の機能に無線通信装置100の無線通信機能が含まれてもよい。この場合には、電子制御装置の電子制御プログラムに無線通信装置100の無線通信機能を実現する無線通信プログラムが追加される態様でもよい。また、電子制御装置のハードウェアに無線通信装置100の無線通信機能を実現するハードウェアが追加される態様でもよい。さらに、電子制御装置の電子制御プログラムの少なくとも一部に、無線通信装置100の無線通信プログラムの少なくとも一部が含まれるように構成されてもよい。さらに、電子制御装置のハードウェアの少なくとも一部に、無線通信装置100のハードウェアの少なくとも一部が含まれるように構成されてもよい。また、無線通信装置100の無線通信機能は、住宅及びオフィス等の建築物、工場等の構造体の内部空間又は、場合によっては外部空間を移動する任意の機能を有する電子制御装置の機能に含まれてもよい。
【0034】
図3(A)に制御部130の複数の情報処理部を示す。制御部130は、複数の情報処理部として、優先順位付与部131、送受信制御部132、受信強度判定部133、通信チャネル条件判定部134、通信チャネル選択部135、送信データ選択部136、送信遅延時間演算部137とを備える。
【0035】
優先順位付与部131は、送信データが発生した場合に、送信データが用いられるアプリケーションの種類によって優先順位を設定し、優先度が高いか否かを示す機能を有する。アプリケーションとして制御系のアプリケーションであれば、制御系のアプリケーションの送信データには優先順位「1」が付与され、優先度が高いことが示される。例えば、モニタデータと制御データの場合には、制御データの優先順位が高くなる。また、センサデータの場合であっても、カメラ等の撮像装置による画像情報の送信データよりも、車載車両制御機器のセンサデータの優先順位が高くなる。さらに、エンタテイメント系の音楽情報や映像情報の送信データであれば、送信データの中で優先順位が最も低い値が付与され、優先度が低いことが示される場合もある。このように、運転制御等の人命に係わる危険性が高いアプリケーションについて優先順位が高く設定される。また、優先順位には、優先順位が付与された送信データに対して許容される最大の遅延時間として、許容遅延時間および送信データのデータ量が対応付けられていてもよい。送信データのデータ量と通信チャネルの伝送速度から、許容遅延時間が満たされるか否かを演算することも可能になる。
【0036】
優先順位付与部131によって、優先順位が付与された送信データは、後述する
図3(B)の記憶部160の優先順位記憶部162に、許容遅延時間および送信データのデータ量と対応付けられて記憶されることが可能である。また、
図4に優先順位記憶部162に記憶される送信データの一例を示す。優先順位は小さくなるほど、優先度が高いことを示し、許容時間は小さくなるほど、当該送信データの送信が完了するまでの時間の余裕度が少ないことを意味している。なお、同じアプリケーションに関する送信データが発生している場合には、送信データ量の少ないデータの優先順位を上げることで、トータルトラフィックが減らせる場合も発生する。なお、同一のアプリケーションであれば許容遅延時間が短い送信データに、高い優先順位を付与する構成とすることも可能である。
図4のデータAは優先順位「1」で優先順位が高いことを示し、許容遅延時間が1msであることが示されている。また、「データA」と表示される部分に「データA」の内容だけではなく、「データA」のデータ量情報が一緒に記憶されていてもよい。
【0037】
送受信制御部132は、無線通信装置100を受信モードまたは送信モード(もしくはその両方)に設定する機能を有する。送受信制御部132は、無線通信装置100を通常は受信モードに設定し、送信データを送信する場合に、無線通信装置100を受信モードから送信モードに切り替えることが可能である。
【0038】
受信強度判定部133は、無線通信装置100が受信モードである場合に受信した受信電力をモニタし、あらかじめ定められた受信強度閾値を超えるか否か判定する機能を有する。受信電力があらかじめ定められた受信強度閾値以下の場合には、受信強度判定部133は、受信した受信電力を雑音として判定し、受信電力があらかじめ定められた受信強度閾値以上の場合には、受信強度判定部133は、受信した受信データを解析する。受信強度判定部133は、受信した受信データの宛先が自ノード宛てである場合には、受信データの受信処理を実行するために、受信強度判定部133は、当該受信データを高速受信部111または低速受信部121に伝送する。また、受信強度判定部133は、受信した受信データの宛先が自ノード宛てではない場合には、受信信号が伝送された通信チャネルの識別情報と当該通信チャネルに干渉が発生していることを示す干渉情報を、通信チャネル選択部135に伝送する。
【0039】
通信チャネル条件判定部134は、送信データが発生した場合に、通信条件が制限されている通信チャネルについて、通信チャネル使用状況記憶部163に記憶されている過去の当該通信チャネルの使用状況から、使用が可能か否かを判定する個能を有する。例えば、制限された通信条件には、単位時間当たりの通信チャネルに使用可能時間、通信休止期間、連続して使用可能な通信時間等の制約がある場合がある。例えば、Wi-SUN(登録商標)を使用する場合には、上記条件等が定められている。通信チャネル条件判定部134は、上記条件等に該当しない、受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以下の通信チャネルを示す通信チャネル情報を通信チャネル選択部135に伝送する。
【0040】
通信チャネル選択部135は、送信データが発生した場合に、送信データを送信するための通信チャネルを選択する機能を有する。例えば、通信チャネルに高速通信チャネル群と低速通信チャネル群とがある場合には、高速通信チャネル群のいずれかの高速通信チャネルが使用可能な場合には、当該高速通信チャネルを使用するように選択する。また、高速通信チャネル群のすべての高速通信チャネルが使用不可の場合には、使用可能な低速通信チャネルを選択する。なお、使用可能な通信チャネルとは、受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以下であり、上述した通信条件の制限に該当しない通信チャネルである。例えば、高速通信チャネル群はWi-Fi(登録商標)に規定される2.4GHz帯域および5GHz帯域のすべての通信チャネルを意味する場合があってもよい。また、例えば、低速通信チャネル群はWi-SUN(登録商標)に規定される920MHz帯域のすべての通信チャネルを意味する場合があってもよい。
【0041】
送信データ選択部136は、送信データが発生した場合に、通信チャネル選択部135において選択された通信チャネルを使用して送信する送信データを選択する。送信データには優先順位が設定されているので、優先順位が高い送信データから送信するように送信データ選択部136は送信データを選択する。例えば、伝送速度が異なる複数の通信チャネルが通信可能に選択されている場合には、優先順位が高い送信データを伝送速度が速い通信チャネルによって送信することが原則である。しかし、許容遅延時間内に優先順位が2番目の送信データを2番目に伝送時間が速い通信チャネルによって伝送できないが、1番目に伝送時間が速い通信チャネルによって伝送できる場合があり得る。この場合に、許容遅延時間内に優先順位が1番目の送信データを2番目に伝送時間が速い通信チャネルによって伝送できる場合もある。このような場合には、優先順位が1番目の送信データを2番目に伝送時間が速い通信チャネルによって伝送し、優先順位が2番目の送信データを1番目に伝送時間が速い通信チャネルによって伝送するように送信データ選択部136は選択動作を実行可能である。すなわち、送信データ選択部136は、送信データの許容遅延時間を考慮して、送信データと通信チャネルを割り当てることも可能である。このような処理動作は、後述する送信遅延時間演算部137からの警告情報を受信した場合に、送信データ選択部136が実行することも可能である。
【0042】
送信遅延時間演算部137は、通信チャネル選択部135で選択され通信チャネルを利用して、送信データ選択部136で選択された送信データを送信した場合に、送信データが送信完了となるまでの送信遅延時間を演算する機能を有する。例えば、送信データの許容遅延時間の範囲内で、当該送信データが送信完了とならない場合には、警告情報を送信データ選択部136に伝送することが可能である。
【0043】
外部I/F部150は、送受信される通信データおよび各種データの入出力インターフェースであり、無線通信装置100と接続されるセンサ等のデバイス、または、電子装置とのインターフェースである場合がある。なお、外部I/F部150に接続されるデバイス、または、電子装置によって、ECU(Electronic Control Unit)が構成されてもよい。電子装置には、車載機器としての車両制御機器、車両センシング機器、車両周辺情報取得機器、および、エンタテイメント機器等の電子機器が含まれてもよい。なお、車両制御機器にはナビゲーション機器や自動運転制御機器が含まれてもよい。
【0044】
記憶部160は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。例えば、記憶部160は、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)であり得る。また、記憶部160は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等であり得る。記憶部160は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶部160は、本開示の一実施の形態に係る自律移動を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0045】
記憶部160は、
図3(A)に示すようにパラメータ記憶部161、優先順位記憶部162及び通信チャネル使用状況記憶部163を備える。
【0046】
パラメータ記憶部161には、無線通信装置100のID等の識別情報、通信チャネルに対する変復調パラメータ情報等のパラメータ情報が記憶される。上述したように、無線通信装置100のID等の識別情報は、受信データが自ノード宛てのデータか否かを判定する場合等に使用され得る。また、変復調パラメータ情報は、通信チャネルに対応して決定されている。したがって、従来技術のように、変復調方式や占有帯域を変更するための専用の構成を制御部130、高速通信部110及び低速通信部120に必要とせずに、規定された方式のモジュールを使用可能であるので、シンプルに無線通信装置100を構成可能となる。
【0047】
優先順位記憶部162には、
図4に示す送信データの優先順位に関する優先順位情報が記憶される。上述したように、優先順位は小さくなるほど、優先度が高いことを示し、許容時間は小さくなるほど、当該送信データの送信が完了するまでの時間の余裕度が少ないことを意味する。なお、同じアプリケーションに関する送信データが発生している場合には、送信データ量の少ないデータの優先順位を上げることで、トータルトラフィックが減らせる場合も発生する。また、同一のアプリケーションであれば許容遅延時間が短い送信データに高い優先順位を付与する構成とすることも可能である。
図4のデータAは優先順位「1」で優先順位が高いことを示し、許容遅延時間が1msであることが示されている。また、「データA」と表示される部分に「データA」の内容だけではなく、「データA」のデータ量情報が一緒に記憶されていてもよい。
【0048】
通信チャネル使用状況記憶部163には、通信チャネルの使用履歴情報が記憶されることが可能である。使用履歴情報には、通信チャネルの直前の単位時間当たりの使用時間、通信チャネルの使用順番等の情報が記憶され得る。単位時間は通信チャネルに対する規格等の仕様に基づくが、例えば、単位時間を1時間とすることも可能である。例えば、送信データを送信しようとする時刻前の1時間に規格によって制限される通信チャネルを使用して通信データを送受信した時間が記憶され得る。また、送信データが送信された順番に、使用された通信チャネルの識別情報が順番に記憶されていてもよい。送信データを送信する通信チャネルに片寄りが生じると、システム全体において干渉が多発する可能性もある。そこで、直前に使用した通信チャネルとは異なる通信チャネルを使用して、次の送信データを送信し、システム全体の遅延時間を低減することが可能になる場合がある。
【0049】
(3)無線通信装置の動作例
次に、
図5を参照して、無線通信装置100の基本的な動作例についてフローチャートを用いて説明する。本フローでは、高速通信チャネルのすべてにおいて干渉が発生している場合に、優先度が高いデータを送信する方法について説明する。
【0050】
ステップS501において、制御部130の受信強度判定部133は、高速通信チャネルにおいて受信した受信電力の受信強度を判定する。受信した受信電力の受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合(ステップS501:YES)には、受信データを受信したとして無線通信装置100はステップS502に進む。受信した受信電力の受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値よりも低い場合(ステップS501:NO)には、無線通信装置100はステップS505に進む。
【0051】
ステップS502において、制御部130の受信強度判定部133は、受信した受信データの宛先が自ノードであるか否かを検出する。例えば、受信データのヘッダ領域の宛先情報領域に自ノードのID等の識別情報があるか否かによって、自ノード宛ての受信データであるか否かを判定可能である。受信した受信データの宛先が自ノードである場合(ステップS502:YES)には、無線通信装置100はステップS503に進む。受信した受信データの宛先が自ノードではない場合(ステップS502:NO)には、無線通信装置100はステップS508に進む。
【0052】
ステップS503において、受信データが自ノード宛てであることから、無線通信装置100の高速受信部111は、受信データを復調する等の処理を含む受信処理をする。受信したデータは外部I/F部150を介して外部の電子装置に送信される場合がある。次に、無線通信装置100はステップS504に進む。
【0053】
ステップS504において、無線通信装置100はステップS503において受信データを正常に受信できたので肯定応答であるACKを高速送信部112から受信データを送信した他の無線通信装置等に送信する。無線通信装置100は、以上の処理を実行して送受信処理を終了する。
【0054】
ステップS505において、無線通信装置100は受信信号を受信していない状態なので、自ノードに送信データの送信要求があるか否かを判定する。送信データは、外部I/F部150を介して外部の電子装置から受信される場合がある。自ノードに送信データの送信要求がある場合(ステップS505:YES)には、無線通信装置100はステップS506に進む。自ノードに送信データの送信要求がない場合(ステップS505:NO)には、無線通信装置100はステップS501に戻る。
【0055】
ステップS506において、制御部130の通信チャネル選択部135は、通信チャネルに干渉が発生していないので、最も高速な高速通信チャネルを使用して、送信要求に係わる送信データを高速送信部112から送信する。なお、上述したように最も高速な高速通信チャネルを使用しない場合があるが、詳細については変形例において説明する。次に、無線通信装置100はステップS507に進む。
【0056】
ステップS507において、ステップS506において送信された送信データに対する肯定応答情報であるACKを受信した場合には、制御部130は送受信処理を終了する。また、あらかじめ定められた時間を超えてもACKを受信しない場合等にはあらかじめ定められた回数について、ACKを受信するまでステップS506を繰り返す場合もある。
【0057】
ステップS508において、少なくともいずれかの通信チャネルに干渉が発生している場合であっても、自ノードに送信データの送信要求があるか否かを判定する。自ノードに送信データの送信要求がある場合(ステップS508:YES)には、無線通信装置100はステップS509に進む。自ノードに送信データの送信要求がない場合(ステップS508:NO)には、無線通信装置100はステップS501に戻る。
【0058】
ステップS509において、少なくともいずれかの通信チャネルに干渉が発生している場合であっても、自ノードに送信要求がある場合に、送信要求に係わる送信データの優先度の高低を判定する。前述したように、優先度は優先順位の値に基づき、優先順位の値が小さいほど優先度は高くなる。特にアプリケーションが制御系に関する場合の送信データは優先度が高くなる。自ノードに送信要求がある場合に、送信要求に係わる送信データの優先度が高い場合(ステップS509:YES)には、無線通信装置100はステップS510に進む。例えば、送信要求に係わる送信データが制御系のアプリケーションのデータである場合に該当する可能性が高い。自ノードに送信要求がある場合に、送信要求に係わる送信データの優先度が低い場合(ステップS509:NO)には、無線通信装置100はステップS501に戻り、干渉が解消される等の状況が変化するまで待機する。例えば、送信要求に係わる送信データがエンタテイメント系のアプリケーションのデータである場合に該当する可能性が高い。
【0059】
ステップS510において、通信チャネル選択部135は干渉が発生する可能性が低いことが想定される低速通信チャネルが利用可能であるか否かを判定する。低速通信チャネルが利用可能である場合(ステップS510:YES)には、無線通信装置100はステップS511に進む。低速通信チャネルも利用可能ではない場合(ステップS510:NO)には、無線通信装置100はステップS501に戻る。
【0060】
ステップS511において、無線通信装置100は低速通信チャネルを利用して、優先度の高い送信データを低速送信部122から送信し、一旦、送受信処理を終了する。
【0061】
以上のような動作によれば、無線方式の異なる予備の機器を配置せず、変調方式及び無線占有帯域を変更する制御をせずに、干渉を避けて優先順位の高い通信データから無線通信を維持することが可能になる。
【0062】
(変形例1)
上記実施形態における説明では、高速通信チャネルとして2.4GHz帯域および5GHz帯域、低速通信チャネルとして920MHz帯域を中心に説明したが、高速通信チャネルおよび低速通信チャネルはこれらの周波数帯域に限定されるわけではない。高速通信チャネルの周波数帯域としては、4Gや5G等の移動無線通信システムの周波数帯域を使用することも可能である。すなわち、高速通信チャネルとして使用可能な周波数帯域は2.4GHz帯域および5GHz帯域以下であっても以上であってもよい。また、低速通信チャネルとして920MHz帯域を中心に説明したが、高速通信チャネルよりも低速であれば、周波数帯域は920MHz帯域に限定されるわけではない。例えば、低速通信チャネルの周波数帯域が、高速通信チャネルの周波数帯域よりも周波数が高い周波数帯域であってもよい。なお、高速通信チャネルおよび低速通信チャネルは、電波法における免許が不要で利用可能である周波数帯域であってもよい。
【0063】
(変形例2)
上記実施形態における説明では、優先度の高いデータは積極的に高速通信チャネルを使用して送信し、高速通信チャネルが干渉等によって使用できない場合に、低速通信チャネルも使用して送信する態様を中心に説明してきた。しかし、優先度の高い送信データに対して、高速通信チャネルを使用できる場合に、低速通信チャネルを使用することも可能である。ただし、送信データに対する許容遅延時間の範囲内で、低速通信チャネルを使用して当該送信データの送信が完了することが好ましい。このように、高速通信チャネルを使用できる場合に、低速通信チャネルを活用することによって、効率よくデータを伝送することが可能になる場合がある。
【0064】
(変形例3)
上記実施形態における説明では、送信データを分割しない場合を中心に説明したが、送信データを分割して送信することも可能である。例えば、送信データがCCDカメラ等の撮像装置による撮像情報である場合に、1パケットで撮像情報のすべてを送信できない場合には、撮像情報を複数のパケットに分割して送信することも可能である。この場合に、分割した複数のパケットのそれぞれに対しても優先順位が付与されるように無線通信装置100は動作することが可能である。また、分割した複数のパケットは同じ通信チャネルで送信される必要はなく、例えば、1番目のパケットを2.4GHz帯域の高速通信チャネルで送信し、2番目のパケットを5GHz帯域の高速通信チャネルで送信する動作を実行可能である。また、送信データの分割は、送信データの通信量が大きい場合に実行されることも可能である。例えば、当該通信データの送信完了時間が許容遅延時間を超える場合に、当該通信データを複数に分割し、異なる通信チャネルを利用し、許容遅延時間内に分割された複数の通信データを送信することも可能である。なお、上述したいずれの場合にも、独立した送信データのそれぞれに優先順位が付与されるものとする。
【0065】
(変形例4)
上記実施形態における説明で多少の記載をしたが、無線通信装置100が複数の通信チャネルを選択できる場合には、直前に送信した送信データが利用した通信チャネルと異なる通信チャネルを選択することが好ましい場合がある。例えば、複数の無線通信装置が同一システムに属している場合に、1つの無線通信装置が連続して高速通信チャネルを使用し続けると、他の無線通信装置が当該高速通信チャネルを使用できなくなり、システムの性能が抑制される場合があり得る。このような干渉状況を回避するために、送信データの送信毎に異なる通信チャネルを使用するように無線通信装置100を構成することも可能である。
【0066】
(変形例5)
また、上述の記載とは逆に、無線通信装置100が複数の通信チャネルを選択できる場合には、直前に送信した送信データが利用した通信チャネルと同じ通信チャネルを選択することが好ましい場合があり得る。有効な通信チャネルを積極的に使用することによって、探索時間等が減少し、システムの効率的が向上することが可能になる場合もあり得るからである。
【0067】
(変形例6)
上記実施形態における説明では、送信データ等のデータ情報を送信する場合の優先度と通信チャネルの選択方法を中心に説明したが、本実施形態における処理はデータ情報に限定されるわけではなく、制御データに適用することも可能である。例えば、ACK及びNACK等の応答情報に対しても優先順位を付与し、優先順位を考慮して、ACK及びNACK等の応答情報を送信する通信チャネルを選択するように無線通信装置100を構成することも可能である。
【0068】
以下に、本実施形態に係わる無線通信装置100の特徴について記載する。
【0069】
本開示の第1の態様に係わる、複数の周波数帯域に通信速度が異なる通信チャネルを有する無線通信装置100は、以下に記載の高速受信部111と、低速受信部121と、制御部130と、低速送信部122と、を備えることが好ましい。高速受信部111は第1の周波数帯域における高速通信チャネルに対する受信情報、及び、低速受信部121は第2の周波数帯域における低速通信チャネルに対する受信情報を受信することが好ましい。制御部130は、送信データがある場合に、送信データに優先順位を付与し、受信情報の受信強度を判定し、高速通信チャネルの受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合に、低速通信チャネルの利用可能性を判定することが好ましい。低速送信部122は、制御部130において付与された優先順位が高い送信データから第2の周波数帯域における利用可能と判定された低速通信チャネルを利用して送信することが好ましい。優先順位は、送信データのアプリケーションの種類によってあらかじめ設定されていることが好ましい。
【0070】
本開示によれば、無線方式の異なる予備の機器を配置せず、変調方式及び無線占有帯域を変更する制御をせずに、干渉を避けて優先順位の高い通信データから無線通信を維持することが可能になる。
【0071】
本開示の第2の態様に係わる無線通信装置100における第1の周波数帯域における高速通信チャネルは、複数のサブ高速通信チャネルを含むことが好ましい。また、第2の周波数帯域における低速通信チャネルも、複数のサブ低速通信チャネルを含むことが好ましい。制御部130は、複数のサブ高速通信チャネルのすべてにおいてあらかじめ定められた受信強度閾値以上の受信情報を受信している場合に、低速送信部122に、低速通信チャネルを利用して、優先順位が高い送信データから送信させることが好ましい。
【0072】
本開示によれば、高速通信チャネルに含まれる複数のサブ高速通信チャネルのすべてにおいて干渉が発生したとしても、優先順位が高い送信データを直ちに、干渉が発生しにくい低速通信チャネルによって送信することが可能になる。したがって、優先順位が高い制御系等の送信データが発生した場合であっても、当該送信データを送信できない状態を低減することが可能になる場合がある。
【0073】
本開示の第3の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、制御部130は、送信データの優先順位に含まれる許容遅延時間を参照し、送信データを低速通信チャネルによって送信した場合に、許容遅延時間の範囲内で送信データを送信完了できる場合に、送信データを低速送信部122に伝送することが好ましい。
【0074】
本開示によれば、高速通信チャネルのすべてにおいて干渉が発生したとしても、優先順位が高い送信データを許容遅延時間内に、干渉が発生しにくい低速通信チャネルによって送信することが可能になる。したがって、優先順位が高い制御系等の送信データが発生した場合であっても、当該送信データを送信できない状態を低減することが可能になる場合がある。
【0075】
本開示の第4の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、制御部130は、低速通信チャネルにおける予め定められた時間を単位とした予め定められた許容累積利用時間の残時間を参照し、残時間の範囲内で送信データを送信完了できる場合に、送信データを低速送信部122に伝送することが好ましい。
【0076】
本開示によれば、低速通信チャネルの利用に対して制限が設けられている場合に、当該制限に関する使用履歴を確認することによって、当該制限を順守できる構成になるので、低速通信チャネルに対する利用可能性を向上させることが可能になる。
【0077】
本開示の第5の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は以下の処理を実行することが好ましい。制御部130は低速通信チャネルが予め定められた規定による休止期間に該当する場合、又は、低速通信チャネルの受信強度が予め定められた受信強度閾値以上の場合には、低速送信部122から送信データを低速通信チャネルによって送信させないことが好ましい。
【0078】
本開示によれば、低速通信チャネルの利用に対して制限が設けられている場合に、当該制限に関する条件を確認することによって、当該制限を順守できる構成になるので、低速通信チャネルに対する利用可能性を向上させることが可能になる。また、低速通信チャネルにおいても、受信強度を確認することによって、低速通信チャネルに発生する干渉をチェックすることが可能になる。
【0079】
本開示の第6の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は、送信データを高速通信チャネルによって送信している間に、低速通信チャネルが利用可能な場合には、以下の処理を実行することが好ましい。最初に、制御部130は送信データの優先順位に含まれる許容遅延時間を参照する。そして、送信データを低速通信チャネルによって送信した場合に、許容遅延時間の範囲内で送信データを送信完了できる場合に、送信完了可能な送信データの中で待ち時間が発生している送信データから低速通信チャネルを利用して伝送させることが好ましい。
【0080】
本開示によれば、高速通信チャネルに干渉が発生した場合ばかりではなく、待ち時間が発生しているが、許容遅延時間内に送信できる送信データを低速通信チャネルによって送信させることによって、システム全体の利用効率を向上させることも可能になる。
【0081】
本開示の第7の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、制御部130は、送信データを分割し、送信データが分割された分割送信データのそれぞれ、及び、他の送信データがある場合には他の送信データも含めた全送信データに対して優先順位を再付与することが好ましい。また、制御部130は、送信データの優先順位の順番に高速通信チャネルまたは低速通信チャネルを利用することが好ましい。
【0082】
本開示によれば、データ量が大きい送信データであっても、適切なデータ量に当該送信データを分割し、優先順位を再付与する構成とすることで、データ量が大きい送信データを適切な優先順位で送信することが可能になる。
【0083】
本開示の第8の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は、複数のサブ高速通信チャネルの中で利用可能なサブ高速通信チャネルがある場合には、利用可能なサブ高速通信チャネルを利用して、優先順位の順番に送信データを送信することが好ましい。若しくは、制御部130は、利用可能なサブ高速通信チャネルを利用して直前の送信データを送信している場合には、当該サブ高速通信チャネルを利用して送信データを送信し、または、以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、他の利用可能なサブ高速通信チャネル又は低速通信チャネルを利用して、または、利用不可能なサブ高速通信チャネルが利用可能となるまで待機して送信データを送信することが好ましい。また、無線通信装置100の制御部130は、複数のサブ低速通信チャネルの中で利用可能なサブ低速通信チャネルがある場合には、利用可能なサブ低速通信チャネルを利用して、優先順位の順番に送信データを送信することが好ましい。若しくは、制御部130は、利用可能なサブ低速通信チャネルを利用して直前の送信データを送信している場合には、当該サブ低速通信チャネルを利用して送信データを送信し、または、以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、他の利用可能なサブ低速通信チャネルを利用して、または、利用不可能なサブ低速通信チャネルが利用可能となるまで待機して送信データを送信することが好ましい。
【0084】
本開示によれば、干渉等が発生しているサブ高速通信チャネルがあっても、その他の利用可能なサブ高速通信チャネルによって、優先順位が高い送信データを送信することが可能になる。また、利用可能なサブ高速通信チャネルに片寄りがない構成とすることによって、システム全体の資源の利用効率を高めることが可能になる。または、有効なサブ高速通信チャネルを効率的に使用することが可能になる場合がある。
【0085】
さらに、本開示によれば、干渉等が発生しているサブ低速通信チャネルがあっても、その他の利用可能なサブ低速通信チャネルによって、優先順位が高い送信データを送信することが可能になる。また、利用可能なサブ低速通信チャネルに片寄りがない構成とすることによって、システム全体の資源の利用効率を高めることが可能になる。または、有効なサブ低速通信チャネルを効率的に使用することが可能になる場合がある。
【0086】
本開示の第9の態様に係わる無線通信装置100の制御部130は、送信データがACKまたはNACKを含む応答データの場合にも、応答データを上記の態様における送信データと同様に処理することが好ましい。具体的には、受信情報の受信強度を判定し、高速通信チャネルの受信強度があらかじめ定められた受信強度閾値以上である場合であって、応答データがある場合には以下の処理を実行することが好ましい。すなわち、応答データに優先順位を付与し、付与された優先順位の順に応答データを第2の周波数帯域における利用可能な低速通信チャネルを利用して送信することが好ましい。
【0087】
本開示によれば、送信データがデータ情報である場合に限らず、送信データが制御情報である場合にも、優先順位の高い制御情報から干渉を避けて無線通信を維持することが可能になる。
【0088】
本開示の第10の態様に係わる無線通信装置100の第1の周波数帯域は少なくとも2つのサブ周波数帯域を含み、サブ周波数帯域にはそれぞれ複数のサブ高速通信チャネルが含まれることが好ましい。サブ高速通信チャネルにはWi-Fi(登録商標)によって規定された通信チャネルが含まることが好ましい。第2の周波数帯域における低速通信チャネルには、複数のサブ低速通信チャネルが含まれ、サブ低速通信チャネルにはWi-SUN(登録商標)によって規定された通信チャネルが含まれることが好ましい。
【0089】
本開示によれば、無線方式の異なる予備の機器を配置せず、変調方式及び無線占有帯域を変更する制御をせずに、干渉を避けて優先順位の高い通信データから無線通信を維持することが可能になる。
【0090】
(実施形態の補足)
上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図は、機能単位のブロックを示している。各機能ブロックを実現する方法は、特に限定されない。例えば、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つのデバイスを用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上のデバイスを直接的または間接的に接続し、これら複数のデバイスを用いて実現されてもよい。
【0091】
無線通信装置100が、複数のハードウェア要素で構成される場合、制御部130および/または制御部130の図示しない機能ブロックは、何れかのハードウェア要素、又は当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。ハードウェア要素として、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、入力装置、出力装置、バスなどが挙げられる。
【0092】
また、この場合、制御部130の各機能は、プロセッサ、メモリなどのハードウェア上に所定のソフトウェアまたはプログラムを読み込ませることによって実現される。具体的には、各機能は、ハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより、プロセッサが演算を行い、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込みを制御することによって実現される。
【0093】
本開示における判定、決定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0094】
本明細書で説明した各態様、変形例/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0095】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0096】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0097】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0098】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0099】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。
【0100】
実施形態につき、図面を参照して詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0101】
100 無線通信装置
110 高速通信部
120 低速通信部
130 制御部
150 外部I/F部
160 記憶部