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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】収容容器及び展開体
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/483 20060101AFI20240517BHJP
   B65D 5/481 20060101ALI20240517BHJP
   A47F 3/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B65D5/483
B65D5/481 A
A47F3/00 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020081507
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2021175675
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 陽介
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-178859(JP,A)
【文献】特開2004-315024(JP,A)
【文献】特開2012-006645(JP,A)
【文献】特開2001-072047(JP,A)
【文献】米国特許第03836065(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/483
B65D 5/481
A47F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と、
一対の第1側板と、
それぞれが一対の第1側板のそれぞれに回動可能に連結される一対の第2側板と、
底部に回動可能に連結されている第1仕切り部と、
第1仕切り部に回動可能に連結されている支持部と、を備え、
折畳状態から収容状態に変形可能であり、
収容状態では、
一対の第1側板は、底部を挟んで対向しており、
一対の第2側板は、底部及び一対の第1側板を挟んで対向しており、
第1仕切り部は、底部から突出しており、一対の第1側板の一方から他方に向かう方向に延びており、
支持部は、第1仕切り部に対して交差する方向に配置されるとともに、底部に当接することによって、第1仕切り部が底部に対して回動することを規制しており、
折畳状態では、
一対の第1側板のうちの一方の第1側板と一対の第2側板のうちの一方の第2側板とが境界で折り曲げられておらず、一対の第1側板のうちの他方の第1側板と一対の第2側板のうちの他方の第2側板とが境界で折り曲げられておらず、
一方の第1側板と一方の第2側板との組は、底部と第1仕切り部と支持部とを挟んで他方の第1側板と他方の第2側板との組と対向しており、
折畳状態から収容状態に変形される際に、支持部は、第1側板と当接することによって、第1仕切り部に対して回動されて、第1仕切り部に対して交差する方向に配置され、
支持部は、第1仕切り部に対して交差する方向に配置されるとともに、底部に当接することによって、第1仕切り部が底部に対して回動することを規制する少なくとも1個の支持片を備え、
前記少なくとも1個の支持片は、第1仕切り部から一対の第2側板のうちの一方の第2側板側に突出する部分と、第1仕切り部から一対の第2側板のうちの他方の第2側板側に突出する部分と、を有する支持片を含む、収容容器。
【請求項2】
底部は、互いに離間可能な一対の底板を備え、
一対のうちの一方の底板は、一対の第2側板のうちの一方の第2側板に回動可能に連結されており、
一対のうちの他方の底板は、一対の第2側板のうちの他方の第2側板に回動可能に連結されている、請求項1に記載の収容容器。
【請求項3】
第1仕切り部は、収容状態において、互いに重なり合う一対の仕切り板を備え、
一対の仕切り板のうちの一方の仕切り板は、一方の底板に回動可能に連結されており、
一対の仕切り板のうちの他方の仕切り板は、他方の底板に回動可能に連結されており、
支持部は、一対の支持片を備え、
一対の支持片のうちの一方の支持片は、収容状態において、一方の仕切り板に対して交差する方向に配置されるとともに、底板に当接することによって、第1仕切り部が底板に対して回動することを規制し、
一対の支持片のうちの他方の支持片は、収容状態において、他方の仕切り板に対して交差する方向に配置されるとともに、底板に当接することによって、第1仕切り部が底板に対して回動することを規制する、請求項2に記載の収容容器。
【請求項4】
収容状態では、第1仕切り部の上方において、一対の第2側板のうちの一方から他方まで延びており、一対の第1側板のそれぞれから離間して配置されている第2仕切り部をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の収容容器。
【請求項5】
第2仕切り部は、
一対の第2側板のそれぞれに回動可能に連結されており、
折畳状態では、一対の第1側板のうちのいずれかの第1側板と同一平板上に配置されており、
収容容器が折畳状態から収容状態に変形される際に、一対の第2側板に対して回動することによって配置される、請求項4に記載の収容容器。
【請求項6】
支持部は、一対の支持片を備え、
一対の支持片のそれぞれは、第1の仕切り部の両端のそれぞれに配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の収容容器。
【請求項7】
支持部は、収容状態において、第1側板に当接している、請求項1から6のいずれか一項に記載の収容容器。
【請求項8】
収容状態において、収容容器の上側に配置される蓋部をさらに備え、
一対の第1側板と一対の第2側板の少なくとも1つの特定の側板は、
蓋部に接着されている接着部と、
接着部を囲むカットラインと、を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の収容容器。
【請求項9】
1枚の平板で構成されており、折り曲げられることによって、請求項1から7のいずれか一項に記載の収容容器が形成される収容容器の展開体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、仕切り板を備える収容容器と、収容容器を作製するための展開体と、を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイカートンが開示されている。ディスプレイカートンは、背面板と正面板と左右側面板と底面構成片とを備える。左右側面板の間には、中仕切片が配置されている。中仕切片は、その先端に安定突片を突設している。安定突片が左右側面板に開設した係合隙間に入って中仕切片を安定させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-178859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の技術では、中仕切片を安定させるための安定突片が、左右側面板から、ディスプレイカートンの外側に突出している。この構成では、ディスプレイカートンを、例えば、店舗の棚に陳列しようとすると、隣に配置する他の容器を、安定突片が突出している長さだけ、間隔を置いて配置しなければならない。
【0005】
本明細書では、収容容器の外側に突出片を突出させることなく仕切り部を安定させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、収容容器を開示する。収容容器は、底部と、一対の第1側板と、それぞれが一対の第1側板のそれぞれに回動可能に連結される一対の第2側板と、底部に回動可能に連結されている第1仕切り部と、第1仕切り部に回動可能に連結されている支持部と、を備え、折畳状態から収容状態に変形可能であり、収容状態では、一対の第1側板は、底部を挟んで対向しており、一対の第2側板は、底部及び一対の第1側板を挟んで対向しており、第1仕切り部は、底部から突出しており、一対の第1側板の一方から他方に向かう方向に延びており、支持部は、第1仕切り部に対して交差する方向に配置されるとともに、底部に当接することによって、第1仕切り部が底部に対して回動することを規制しており、折畳状態では、一対の第1側板のうちの一方の第1側板と一対の第2側板のうちの一方の第2側板とが境界で折り曲げられておらず、一対の第1側板のうちの他方の第1側板と一対の第2側板のうちの他方の第2側板とが境界で折り曲げられておらず、一方の第1側板と一方の第2側板との組は、底部と第1仕切り部と支持部とを挟んで他方の第1側板と他方の第2側板との組と対向しており、折畳状態から収容状態に変形される際に、支持部は、第1側板と当接することによって、第1仕切り部に対して回動されて、第1仕切り部に対して交差する方向に配置される。
【0007】
上記の構成によれば、支持部は、底部に当接することによって、第1仕切り部が底板に対して回動しないように支持することができる。これにより、収容容器の外側に突出片を突出させずに、第1仕切り部を支持することができる。
【0008】
底部は、互いに離間可能な一対の底板を備え、一対のうちの一方の底板は、一対の第2側板のうちの一方の第2側板に回動可能に連結されており、一対のうちの他方の底板は、一対の第2側板のうちの他方の第2側板に回動可能に連結されていてもよい。この構成によれば、折畳状態で、底部を折り畳むことができる。これにより、折畳状態から収容状態に変形される際に、底板を第2側板に対して回動させることによって、収容状態の底部を形成することができる。
【0009】
第1仕切り部は、収容状態において、互いに重なり合う一対の仕切り板を備え、一対の仕切り板のうちの一方の仕切り板は、一方の底板に回動可能に連結されており、一対の仕切り板のうちの他方の仕切り板は、他方の底板に回動可能に連結されており、支持部は、一対の支持片を備え、一対の支持片のうちの一方の支持片は、収容状態において、一方の仕切り板に対して交差する方向に配置されるとともに、底板に当接することによって、第1仕切り部が底板に対して回動することを規制し、一対の支持片のうちの他方の支持片は、収容状態において、他方の仕切り板に対して交差する方向に配置されるとともに、底板に当接することによって、第1仕切り部が底板に対して回動することを規制してもよい。この構成によれば、一対の支持片によって、収容容器の外部に突出せずとも、第1仕切り部を支持することができる。
【0010】
収容状態では、第1仕切り部の上方において、一対の第2側板のうちの一方から他方まで延びており、一対の第1側板のそれぞれから離間して配置されている第2仕切り部をさらに備えていてもよい。この構成によれば、収容容器を、第1仕切り部と第2仕切り部との両方によって仕切ることができる。これにより、収容容器に対して比較的に小さい収容物を、第1仕切り部と第2仕切り部によって仕切られた空間において、位置がずれることなく収容することができる。
【0011】
第2仕切り部は、一対の第2側板のそれぞれに回動可能に連結されており、折畳状態では、一対の第1側板のうちのいずれかの第1側板と同一平板上に配置されており、収容容器が折畳状態から収容状態に変形される際に、一対の第2側板に対して回動することによって配置されてもよい。この構成によれば、折畳状態から収容状態に変形する際に、第2仕切り部を、一対の第2側板の動作に合わせて第2側板に対して回動させることによって配置することができる。
【0012】
支持部は、一対の支持片を備え、一対の支持片のそれぞれは、第1の仕切り部の両端のそれぞれに配置されていてもよい。この構成によれば、第1仕切り部を、その両端で支持することができる。
【0013】
支持部は、収容状態において、第1側板に当接していてもよい。この構成によれば、支持部が第1側板に当接することによって、支持部が第1仕切り部に対して移動されることを抑制することができる。これにより、支持部が第1仕切り部に対して移動することによって、支持部が適切に第1仕切り部を支持することができなくなる状態を回避することができる。
【0014】
収容容器は、収容状態において、収容容器の上側に配置される蓋部をさらに備え、一対の第1側板と一対の第2側板の少なくとも1つの特定の側板は、蓋部に接着されている接着部と、接着部を囲むカットラインと、を備えていてもよい。この構成によれば、収容容器に収容される収容物を、蓋部によって保護することができる。また、カットラインを破断することによって、蓋部を容易に切り離すことができる。
【0015】
上記した収容容器を作製するための展開体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例の収容状態の収容容器の正面斜視図を示す。
図2】実施例の収容状態の収容容器の背面斜視図を示す。
図3】実施例の収容部の展開体を示す。
図4】実施例の蓋部の展開体を示す。
図5】実施例の蓋部の分離方法を説明するための斜視図を示す。
図6図5に続く実施例の蓋部の分離方法を説明するための斜視図を示す。
図7】開封後の実施例の収容状態の収容容器の正面斜視図を示す。
図8】開封後の実施例の収容状態の収容容器の平面図を示す。
図9】収容状態の支持片の拡大斜視図を示す。
図10】折畳状態の実施例の収容容器の斜視図を示す。
図11】実施例の収容容器の折畳状態から収容状態に変形する途中の平面図を示す。
図12図11に続く実施例の収容容器の折畳状態から収容状態に変形する途中の平面図を示す。
図13図12の状態における支持片の拡大平面図を示す。
図14】上部が開放されている状態における実施例の収容状態の収容容器の平面図を示す。
図15】上部が開放されている状態における実施例の収容状態の収容容器の正面斜視図を示す。
【0017】
(実施例)
図1及び図2に示される収容容器10は、食品、日用品等の収容物を収容するとともに、商店等の陳列棚に、収容物を陳列するために用いられる。収容容器10は、直方体形状を有する。変形例では、収容容器10は、立方体形状等の他の形状を有していてもよい。収容容器10は、例えば、収容物を販売する店舗に届けられる。そして、図7に示されるように、店舗において収容容器10の一部が分離されることによって、内容物を露出させることができる。これにより、内容物を収容容器から取り出すことなく、内容物を店舗に陳列することができる。
【0018】
(収容部12の構成)
収容容器10は、収容部12と、蓋部14と、を備える。収容部12は、蓋部14に上方から覆われている。図3は、収容部12を作製するための展開体13を示し、図4は、蓋部14を作製するための展開体15を示す。図中の破線はミシン目を示し、一点鎖線は折曲線を示す。折曲線は、例えば、展開体13、15の製造過程において押圧された箇所である。換言すると、折曲線は、他の部分と比べて折り曲げ易い箇所である。また、図中の格子状のハッチングは、両面テープ、接着剤等によって、ハッチ分部分と重なる板と接着される接着部の位置を示す。なお、展開体13、15は、本実施例では平板状の段ボール紙から作製される。しかしながら、展開体13、15は、段ボール紙以外の紙から成形されてもよい。また、別の変形例では、展開体13、15は、プラスチック等の紙以外の材料から成形されてもよい。
【0019】
展開体13は、一対の側板22、24と、一対の側板32、34と、底部40と、2組の仕切り部50、70と、支持部60と、を備える。すなわち、展開体13を組み立てて作製される収容部12は、上記の各部22、24、32、34、40、50、60、70を備える。なお、図7には、収容部12が示されている。
【0020】
側板32は、上下方向に長辺が配置され略長方形状を有する。なお、上端の1つの角部は、円弧状に形成されている。側板32は、境界において、側板22と回動可能に連結されている。側板32は、下端部において、側板22と連結されている。側板32は、側板22と連結されている下端部において、側板22に向かって、他の部分よりも高さが低い部分を有する。
【0021】
側板22は、側板32から離間するのに従って、上方に傾斜する3個の上端縁22aを備える。3個の上端縁22aは、側板32側の端から、側板32に離間する方向に連続して並んでいる。隣接する上端縁22aの境界は、側板32側の上端縁22aの端部から側板32と反対側の上端縁22aの端部まで下方に急激に変化している。隣接する上端縁22aの間において、側板22は、上下方向に延びる端縁B5を備える。すなわち、側板22は、2個の端縁B5を備える。側板22には、端縁B5を介して、仕切り部70が連結されている。端縁B5のそれぞれには、仕切り部70に含まれる仕切り板72、74のそれぞれが、側板22に対して回動可能に連結されている。
【0022】
(仕切り部70の構成)
仕切り板72は、端縁B5から隣接する上端縁22aの上方に隣接して配置されている。仕切り板72は、上端縁22aに沿って、端縁B5から離間するのに従って上方に傾斜して配置されている。仕切り板74は、仕切り板72に隣接しており、仕切り板72と同様に配置されている。仕切り部70は、仕切り板72、74の上端に仕切り板72、74に対して回動可能に連結されている接着片76を備える。展開体13において、側板22と仕切り板72、74と、接着片76と、側板34と、は、境界に配置されるスリット状の切れ目を介して、隙間なく配置されている。
【0023】
側板22の側板32と反対側の端縁には、側板34が、側板22に対して回動可能に連結されている。側板34は、展開体13において、仕切り部70に沿った上端形状を有する。側板34は、上下方向に垂直な方向において、側板32と同様の長さを有する。側板34の側板22と反対側の端縁には、側板24が、側板34に対して回動可能に連結されている。側板24は、長方形状を有る。側板24は、上下方向に垂直な方向において、側板22と同様の長さを有する。また、側板24は、上下方向において、側板32と同様の長さを有する。側板24の側板34と反対側の端縁には、収容部12において側板32に接着される接着片25が、側板24に回動可能に連結されている。
【0024】
側板22、24の下端には、底部40が配置されている。底部40は、底板42、44を備える。底板42は、側板22の下端縁に回動可能に連結されている。底板42は、側板32の下端縁に回動可能に連結されている底板46の接着領域46aに接着されている。底板44は、側板24の下端縁に回動可能に連結されている。底板44は、側板34の下端縁に回動可能に連結されている底板48の接着領域48aに接着されている。
【0025】
(仕切り部50の構成)
底部40には、仕切り部50が連結されている。仕切り部50は、仕切り板52、54を備える。仕切り板52は、底板42の側板22と反対側の端縁B1に、底板42に対して回動可能に連結されている。仕切り板54は、底板44の側板24と反対側の端縁B2に、底板44に対して回動可能に連結されている。仕切り板52、54の底部40からの長さは、側板22の底部40から上端縁22aの最下位置までの長さよりも短い。
【0026】
底板42は、仕切り板52側に突出する挿入片43を備える。仕切り板52は、挿入片43に隣接する位置に、挿入孔45を備える。同様に、底板44は、仕切り板54側に突出する挿入片47を備える。仕切り板54は、挿入片47に隣接する位置に、挿入孔49を備える。
【0027】
(支持部60の構成)
仕切り部50には、支持部60が連結されている。支持部60は、支持片62、64を備える。支持片62は、仕切り板52の側板34に近い側の端縁B3に、仕切り板52に対して回動可能に連結されている。支持片62は、端縁B3から仕切り板52と反対側に突出する部分62aと、端縁B3よりも仕切り板52側に配置される部分62bと、を備える。支持片64は、仕切り板54の側板34から遠い側の端縁B4に、仕切り板54に対して回動可能に連結されている。支持片64は、端縁B4から仕切り板54と反対側に突出する部分64aと、端縁B4よりも仕切り板54側に配置される部分64bと、を備える。
【0028】
(蓋部14の構成)
図4に示すように、展開体15は、側板122、124、132、134と、天板142、144、146、148と、を備える。側板122、124は、同一の矩形形状を有する。収容容器10において、側板122は側板22の外側に重ねて配置され、側板124は側板24の外側に重ねて配置される。側板132、134は、同一の矩形形状を有する。収容容器10において、側板132は側板32の外側に重ねて配置され、側板134は側板34の外側に重ねて配置される。側板132の側板122と反対側の端縁には、接着片136が、側板132に対して回動可能に連結されている。
【0029】
側板132と側板122との境界には、切欠き150が配置されている。切欠き150は、収容容器10において、側板22と側板32との境界の角部に重ねて配置される。切欠き150は、側板132と側板122との境界の下端から、側板22と側板32との境界の角部の上端まで延びている。側板122と側板134との境界には、開口152が配置されている。開口152は、側板122と側板134との境界の下端よりも上方に位置しており、収容容器10において、側板22と側板34との境界の上端よりも上方に位置する。
【0030】
側板122の上端縁には、天板142が側板122に対して回動可能に連結され、側板124の上端縁には、天板144が側板124に対して回動可能に連結される。側板132の上端縁には、天板146が側板132に対して回動可能に連結され、側板134の上端縁には、天板148が側板134に対して回動可能に連結される。天板142、144、146、148は、収容容器10の上端を閉塞する。
【0031】
(展開体13、15から収容容器10の作製方法)
展開体13、15を用いて、収容容器10を作製する方法を説明する。図10に示すように、収容容器10は、展開体13、15から折畳状態に形成される。収容容器10は、展開体13、15を重ねて折り曲げることによって組み立てられる。展開体13と展開体15とは、側板32の接着領域33及び側板34の接着領域37に塗布される接着剤によって互いに固定される。これにより、側板122は側板22の外側に重ねて配置され、側板124は側板24の外側に重ねて配置される。側板132、134は、同一の矩形形状を有する。収容容器10において、側板132は側板32の外側に重ねて配置され、側板134は側板34の外側に重ねて配置される。
【0032】
展開体13では、側板22に対して、底板42を側板22の端縁B6において回動させて側板22に重ねる。同様に、側板24に対して、底板44を側板24の端縁B7において回動させて側板24に重ねる。また、側板32、34のそれぞれに対して、底板46、48のそれぞれを回動させて、側板32、34のそれぞれに重ねる。
【0033】
側板32は、底板42と底板46とが重なるように、側板22に対して側板32の端縁B8において回動される。底板42と底板46とは、接着領域46aに塗布された接着剤によって、接着される。側板34は、底板44と底板48とが重なるように、側板24に対して側板34の端縁B9において回動される。底板44と底板48とを、接着領域48aに塗布された接着剤によって接着する。また、側板24を、仕切り部70に接着片76に塗布された接着剤によって接着する。さらに、接着片25を、側板24に対して回動して、側板32の内面に接着する。この結果、折畳状態における収容部12が作製される。収容部12では、側板22と側板34との組と、側板24と側板32との組とが、それぞれ折り曲げられずに配置されて、互いに底部40、底板46、48、及び、仕切り部50、70を間に挟んで対向している。
【0034】
展開体15では、展開体13の組み立てに合わせて、側板132が側板122に対して回動され、側板134が側板124に対して回動される。この結果、側板122と側板134との組と、側板124と側板132との組とが、それぞれ折り曲げられずに配置されて、折畳状態の収容部12を挟んで対向している。この状態で、接着片136が、側板124の外面に接着される。これにより、図10に示す折畳状態の収容容器10が作製される。
【0035】
(折畳状態から収容状態への変形)
次いで、図10から図15を参照して、収容容器10を折畳状態から収容状態への変形を説明する。図10に示す折畳状態から、図11に示すように、側板134を側板122に対して回動させて側板134と側板122との境界を折り曲げるとともに、側板132を側板124に対して回動させて側板132と側板124との境界を折り曲げる。これに伴って、収容部12では、側板34が側板22に対して回動されて側板34と側板22との境界が折り曲げられるとともに、側板32が側板24に対して回動されて側板32と側板24との境界が折り曲げられる。この結果、支持片62が側板34に当接して、側板34の動作に伴って、仕切り板52に対して回動される。同様に、支持片64が側板32に当接して、側板32の動作に伴って、仕切り板54に対して回動される。さらに、仕切り部70では、仕切り板72、74が、側板22に対して回動されるとともに、接着片76(すなわち側板24)に対して回動される。
【0036】
図11に示す状態から、さらに、側板134を側板122に対して回動させるとともに、側板132を側板124に対して回動させると、図12に示す状態を経て、図14に示すように、収容容器10が収容状態に変形される。図12に示されるように、支持片62が仕切り板52に対して回動されると、仕切り板52に重なる仕切り板54と接触する。なお、図13に示すように、仕切り板54には、支持片62が当接される際に支持片62の回動の邪魔になる場合に、折曲線54a(図3参照)が設けられていてもよい。同様に、仕切り板52には、折曲線52a(図3参照)が設けられていてもよい。これにより、折畳状態から収容状態への変形の際に、支持片62、64と仕切り板52、54とが接触したとしても、折曲線52a、54aでによって仕切り板52、54が折れ曲がることによって、支持片62、64が仕切り板52、54に引っ掛かることを回避することができる。これにより、変形を妨害することを抑制することができる。なお、折曲線52a、54aは設けられていなくてもよい。
【0037】
また、折畳状態から収容状態に変形されると、底板42の挿入片43が仕切り板54の挿入孔49に挿入されるとともに、底板44の挿入片47が挿入孔45に挿入される。これにより、収容状態において、底板42、44がずれることを抑制することができる。
【0038】
また、図14に示されるように、収容状態では、支持片62は、仕切り板52に対して、ほぼ垂直に配置されている。支持片62の下端は、これにより、仕切り板52が底部40に対して回動しようとする場合に、支持片62が底部40と当接することによって、仕切り板52の底部40に対する回動を抑制することができる。また、支持片62の部分62aが仕切り板54側に配置される一方、部分62bは、仕切り板54とは反対側に配置される。これにより、仕切り板52が底部40に対してどちらの方向にも回動されることを抑制することができる。仕切り板54と支持片64との関係も同様である。
【0039】
さらに、支持部60では、支持片62、64が、仕切り部50の両端に配置されている。この結果、仕切り部50を両端で支持することができる。また、支持部60は、収容容器10内に配置されている。これにより、仕切り部50を支持するために収容容器10の外側に支持部60を突出させなくても済む。これにより、収容容器10に隣接して他の物体を配置することができなくなる事態を回避することができる。
【0040】
また、支持片62は、側板34に当接されている。これにより、支持片62を仕切り部50に対して位置決めすることができる。同様に、支持片64が側板32に当接することによって、支持片64を仕切り部50に対して位置決めすることができる。
【0041】
また、仕切り部70を配置することによって、収容空間を小さく区切ることができる。
【0042】
図14及び図15に示す状態から、天板146、148及び天板142、144を閉じることによって、収容容器10を閉じることができる。
【0043】
(収容容器10の開封方法)
次いで、図5から図8を参照して、収容容器10の開封方法を説明する。収容容器10では、収容容器10から蓋部14を取り外すことによって、収容容器10を開封することができる。これにより、収容物が収容部12に配置されている状態にすることができる。
【0044】
収容部12と蓋部14とは、接着領域33、37の接着剤によって互いに接着されている。図3に示すように、収容部12では、側板32の接着領域33は、カットライン33a及び開口35で囲まれている。カットライン33aでは、接着領域33の下端において、スリット状の切れ目が配置されており、接着領域33の両側において、ミシン目状の切れ目が配置されている。カットライン33aは、上端において、矩形状の開口35に連結されている。開口35は、側板32を貫通している。同様に、側板34の接着領域37は、カットライン33aと同様のカットライン37a及び開口35と同様の開口39で囲まれている。
【0045】
図4に示すように、蓋部14では、側板132は、側板32の接着領域33に接着される領域133の両側に配置される一対のカットライン133aと、カットライン133aの上端に配置される押込部135と、を備える。一対のカットライン133aは、ミシン目状の切れ目を有する。一対のカットライン133aの間隔は、カットライン33aのミシン目状の切れ目の間隔よりも広い。一対のカットライン133aの下端には、折曲線が配置されている。領域133は、側板132の他の部分に折曲線を介して回動可能に連結されている。押込部135は、下端と両側にスリット状の切れ目で囲まれている。押込部135は、上端において、折曲線を介して、側板132の他の部分に回動可能に連結されている。押込部135は、開口35に重ねて配置されている。押込部135は、開口35に挿入可能な寸法を有する。
【0046】
側板134は、側板34の接着領域37に接着される領域137の両側に配置される一対のカットライン137aと、カットライン137aの上端に配置される押込部139と、を備える。一対のカットライン137aは、一対のカットライン133aと同様の構成を有る。押込部139は、押込部135と同様の構成を有する。
【0047】
図5に示すように、収容容器10を開封する際には、まず、押込部139を、矢印の方向に向かって、収容容器10の内側に押し込む。押込部139は、開口39を通過して収容容器10の内側に入り込む。これにより、収容容器10内に手指を挿入可能となる。次いで、図6に示すように、開口39から手指を挿入し、接着領域37の内側に手指を引っ掛けて、矢印に従って外側に向かって、接着領域37と領域137とを押圧する。これにより、カットライン37a、137aが破断される。この結果、接着領域37は、側板34から分離され、領域137とともに、側板134に対して回動される。同様に、手指で押込部135を収容容器10の内側に押し込むことによって、押込部135が開口35から収容容器10の内側に入り込む。次いで、開口35から手指を挿入し、接着領域33の内側に手指を引っ掛けて、外側に向かって、接着領域33と領域133とを押圧して、カットライン33a、133aを破断させる。これにより、接着領域33は、側板32から分離され、領域133とともに、側板132に対して回動する。この結果、蓋部14と収容部12との接着が解除される。
【0048】
次いで、図7及び図8に示すように、蓋部14を上方に持ち上げると、収容容器10が開封され、収容部12が残される。収容部12に収容物が収容されていると、収容部12は蓋部14に伴って持ち上がらない。
【0049】
収容部12では、仕切り部50、70によって小さく区切られているため、収容物が収容部12に収容されている状態で、店舗等の陳列棚に収容部12を配置した場合に、収容物が少なくなってきても、収容物が倒れて乱雑になることを抑制することができる。また、収容部12では、支持部60によって、仕切り部50が底部40に対して回動して倒れることを抑制することができる。これにより、収容物が乱雑になることを抑制することができる。図9に示すように、支持部60では、支持片64の部分64a、64bによって、仕切り部50の両方向の回動の規制されている。支持片62の部分62a、62bも同様である。
【0050】
また、収容部12では、側板22が低く形成されている。この結果、側板22を外側に向けて配置することによって、収容物を視認しやすくすることができる。一方、側板24は、収容容器10の上端まで延びている。このため、収容物が倒れることを防止することができる。
【0051】
収容容器10では、蓋部14に、切欠き150が配置されている。これにより、収容容器10を組み立てる際に、側板22と側板32との境界の角部が蓋部14に干渉して、側板22と側板32との境界で折り曲げにくくなることを回避することができる。開口152も同様に、側板22と側板34との境界の角部が蓋部14に干渉して、側板22と側板34との境界で折り曲げにくくなることを回避することができる。なお、開口152を切欠き150と同様に、蓋部14の下端から配置していないために、開口152によって、蓋部14の強度が低下することを抑制することができる。
【0052】
側板32、34には、開口200が配置されている。使用者は、開口200に紐等をひっかけることによって、収容部12を吊り下げて配置することができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0054】
収容容器10は、蓋部14を備えていなくてもよい。この場合、収容部12が「収容容器」の一例である。
【0055】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0056】
10 :収容容器
12 :収容部
13、15:展開体
14 :蓋部
22、24、32、34:側板
33、37:接着領域
33a、37a:カットライン
40 :底部
42、44、46、48:底板
50、70:仕切り部
52 :仕切り板
54 :仕切り板
60 :支持部
62 :支持片
64 :支持片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15