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特許7489721マイクロ波源が組み込まれた電気外科装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】マイクロ波源が組み込まれた電気外科装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20240517BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20240517BHJP
   H03F 3/21 20060101ALI20240517BHJP
   H03F 3/60 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61B18/18 100
A61B1/00 C
A61B1/00 622
H03F3/21
H03F3/60
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022045649
(22)【出願日】2022-03-22
(62)【分割の表示】P 2018560072の分割
【原出願日】2017-06-05
(65)【公開番号】P2022091850
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-03-25
(31)【優先権主張番号】1610252.7
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】バーン,パトリック
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-002791(JP,A)
【文献】特表2010-512214(JP,A)
【文献】特表2013-506480(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0071710(US,A1)
【文献】特表2008-534028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織を切除するための電気外科器具であって、処置すべき前記生体組織に接触するための組織処置部を含み、前記組織処置部は、
生体組織を切除するのに適したマイクロ波エネルギーを発生させるように配置された電力増幅器を含むマイクロ波電源と、
前記マイクロ波電源にDC入力信号を与えるための電源と、
前記マイクロ波電源に接続された放射構造体であって、前記生体組織を切除するために前記マイクロ波エネルギーを前記生体組織内に送出するように構成された前記放射構造体とを含み、
前記器具は患者の身体内に十分に挿入されるよう構成されるスタンドアロンデバイスであり、
前記電力増幅器は前記放射構造体に可変伝送線によって接続されており、
前記可変伝送線は、前記電力増幅器と前記放射構造体との間のインピーダンス整合を与えるように可変である、電気外科器具。
【請求項2】
前記器具はカメラを含み、自然開口部を通して飲み込むかまたは挿入するよう構成される、請求項1に記載の電気外科器具。
【請求項3】
前記器具は内視鏡検査カプセルである、請求項2に記載の電気外科器具。
【請求項4】
前記器具は骨内に挿入するための埋め込み可能な装置である、請求項1に記載の電気外科器具。
【請求項5】
前記電力増幅器はワイドバンドギャップ半導体トランジスタを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項6】
前記電力増幅器はGaN系HEMTを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項7】
前記電力増幅器はクラスFデザインを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項8】
前記マイクロ波電源は前記電力増幅器を駆動するための発電機回路を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項9】
前記発電機回路は、
DC入力信号を受け取ってマイクロ波周波数信号を発生させるように配置された発振器と、
前記マイクロ波周波数信号を受け取って前記電力増幅器に対する入力信号を発生させるように配置されたドライバ増幅器とを含む、請求項8に記載の電気外科器具。
【請求項10】
前記DC入力信号を与えるための前記電源はDC電力を発生させるための電池である、請求項1~9のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項11】
前記DC入力信号を与えるための前記電源は、外部電源からの電力と誘導または磁気カップリングするためのカップリングユニットを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項12】
前記可変伝送線は調整可能な電気長を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項13】
前記可変伝送線は軸方向に伸縮可能なマイクロストリップ構造および/または同軸構造を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の電気外科器具。
【請求項14】
前記電力増幅器は、前記可変伝送線の前記電気長を調整するために、前記可変伝送線に沿って前記放射構造体に対して移動可能である、請求項12に記載の電気外科器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、マイクロ波エネルギーを用いて生体組織を処置するための電気外科装置に関する。特に、生体組織を切除するのに十分な電力を発生させることができる電気外科装置に関する。本発明は、外科スコープ装置(たとえば、内視鏡、胃鏡、気管支鏡など)を用いる手技において特定の用途を見出し得るが、原理は、腹腔鏡及び開腹処置で用いる装置に等しく適用される。
【背景技術】
【0002】
生体組織の処置においてマイクロ波エネルギーを用いることは良く知られている。しかし、マイクロ波エネルギーを厳密に制御して送出することは依然として問題であり、これは主に、マイクロ波源と、組織と接触しているアプリケータ構造との間の損失の影響が原因である。これらの影響は、外科スコープ装置を用いる低侵襲処置において特に問題となる可能性がある。このような装置では、発電機は通常、患者の外側に配置される。すなわち、高電力処置信号を器具コードの長さに沿って伝えることが、信号が処置領域で利用できる前に必要である。器具コード内で損失が発生すると望ましくない腔内加熱が生じる可能性があり、結果として処置領域で利用可能な電力が制限され、その結果、処置時間が長くなる。
【0003】
US9,023,025には、マイクロ波増幅器が電気外科器具の柄部内に取り外し可能に取り付けられた電気外科システムが開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
最も一般的には、本発明は、少なくともマイクロ波信号発生ラインアップの出力段を電気外科器具の遠位部分に組み込むことを意図している。言い換えれば、本発明によって、マイクロ波電力を得るための主増幅器がその電力を送出するための放射構造体と同じ領域に配置される電気外科器具が提供される。
【0005】
本発明は基本的にワイドバンドギャップ半導体材料(たとえば、GaN及びGaN系合金)の開発に基づいている。これらの材料によって、RF及びマイクロ波周波数で作動する装置を製造することができる。特に、AlGaN/GaN電力高電子移動度トランジスタ(HEMT)によって、電気外科用に利用できる出力電力性能が著しく向上したことが分かっている。
【0006】
GaNHEMTは材料バンドギャップが大きい。このため、GaNHEMTは高ドレイン電圧及び高電力密度(すなわち、10W/mm以上)で動作することができる。この結果、より小さい装置を用いて所定の電力密度を達成すること、及びそれを様々な放射構造体に組み込むことができる。たとえば、ESD/EMR手技用または自然開口部を通して飲み込むかまたは挿入することができる小型カメラに組込み用の放射スパチュラ形状構造である。
【0007】
いくつかの実施形態では、マイクロ波発生ラインアップ全体を器具に組み込むことができるため、DC電力だけを導入すればよい。したがって、既知の装置に存在するマイクロ波電力損失及び付随する欠点を回避することができる。
【0008】
本発明によれば、生体組織を切除するための電気外科器具であって、処置すべき生体組
織に接触するための組織処置部を含み、組織処置部は、生体組織を切除するのに適したマイクロ波エネルギーを発生させるように配置された電力増幅器を含むマイクロ波電源と、マイクロ波電源に接続された放射構造体であって、マイクロ波エネルギーを生体組織内に送出するように構成された放射構造体と、を含む電気外科器具が提供され得る。したがって、処置用にマイクロ波電力を発生させるための装置が放射構造体とともに配置されている。その結果、高電力信号を生体組織内に送出する前に、高電力信号を運ぶ必要がある距離を最小限にすることができる。
【0009】
組織処置部はより大きい器具の一部分であってもよい。たとえば、器具は、器具の動作を保持及び/または制御するための柄部を含んでいてもよい。柄部を1つ以上のケーブルによって組織処置部に接続して、たとえば、後述するように、制御信号を移送してもよいしまたは器具を配向または調整するために機械的力を伝達してもよい。場合によっては、これらのケーブルは、たとえば器具を外科スコープ装置とともに用いるべきときには、長くてもよい。組織処置部内に電力増幅器を設けることによって、本発明では、柄部と放射構造体との間で高電力マイクロ波信号を運ぶ必要がないことが確実になる。
【0010】
電力増幅器は、ワイドバンドギャップ半導体トランジスタ(たとえば、GaN系HEMT)を含んでいてもよい。入力信号と出力マイクロ波エネルギーとの間での電力の効率的な移送を確実にするために、電力増幅器はクラスFデザインを有していてもよい。
【0011】
組織処置部内のマイクロ波電源は、電力増幅器を駆動するための発電機回路を含んでいてもよい。原理的には、この回路を他の場所(たとえば、柄部内)に配置することができるが、電力変換効率を最大にするために組織処置部内に設けることが望ましい。
【0012】
発電機回路は、DC入力信号を受け取ってマイクロ波周波数信号を発生させるように配置された発振器と、マイクロ波周波数信号を受け取って電力増幅器に対する入力信号を発生させるように配置されたドライバ増幅器と、を含んでいてもよい。発振器は電圧制御発振器(VCO)または誘電体共振発振器(DRO)であってもよい。ドライバ増幅器は任意の好適なMMICデバイスであってもよい。発電機回路は、発振器に対する出力をパルス状にするための信号変調器(たとえば、スイッチ)を含んでいてもよい。ある例では、マイクロ波エネルギーのパルスを用いて電力増幅器を駆動することが望ましい場合がある。変調器をこれらのパルスを制御するために設けてもよい。発電機回路は、信号減衰器を、たとえばドライバ増幅器の前に備えて、電力増幅器に対する入力信号の大きさを制御できるようにしてもよい。
【0013】
組織処置部は、電源を、たとえばDC入力信号を与えるために含んでいてもよい。電源が組織処置部の一部であることは必須でなくてもよい。たとえば前述した柄部内に配置してもよい。しかし組織処置部内に電源を含むことによって、本発明を、患者の身体内に十分に挿入するかまたは他の方法で導入することができる(すなわち、外側部分への物理接続を維持する必要がない)完全なスタンドアロンデバイスとして具体化してもよい。たとえば、本発明は内視鏡検査カプセルなどとして具体化してもよい。
【0014】
電源はDC電力を与えるための電池であってもよい。たとえば、電源は電池(たとえば、リチウムイオン電池)、スーパーキャパシタ、または燃料電池を含んでいてもよい。その代わりにまたはそれに加えて、電源は、外部電源からの電力と誘導または磁気カップリングするためのカップリングユニットを含んでいてもよい。
【0015】
組織内へのエネルギー送出の効率をさらに向上させるために、電力増幅器を可変伝送線によって組織処置部内の放射構造体に接続してもよい。伝送線は、任意の好適な構造を有していてもよく、同軸線、またはマイクロストリップベースの構造であってもよい。構造
の可変性を、伝送線が調整可能な電気長を示すことができるようにすることによって提供してもよい。
【0016】
一実施形態では、可変伝送線は、軸方向に伸縮可能な同軸構造(たとえば、互いに対して軸方向に動くことができる2つの別個の嵌合する同軸セクションを有する)を含んでいてもよい。同軸セクションは、伝送線がその長さを調整する機能を維持するために、軸方向に伸張可能な誘電体材料と伸縮可能な伝導性部分とを含んでいてもよい。
【0017】
別の実施形態では、電力増幅器は、可変伝送線の電気長を調整するために可変伝送線に沿って放射構造体に対して移動可能であってもよい。
【0018】
組織処置部をスリーブによって囲んで、たとえば、マイクロ波電源部品を保護してもよい。スリーブを引っ込めて放射構造体を露出してもよい。
【0019】
放射構造体は、生体組織内にマイクロ波電力を発射するための任意の好適なアンテナを含んでいてもよい。放射構造体は二極であってもよい。すなわち、第1の伝導体と第2の伝導体とを含み、これらがマイクロ波エネルギーに対するアンテナとして働くように誘電体材料によって分離されていてもよい。放射構造体は同軸構造またはマイクロストリップベースの構造であってもよい。たとえば、放射構造体はダイポールアンテナ、スロット付アンテナなどを含んでいてもよい。
【0020】
本発明の器具を外科スコープ装置と共に用いることに具体的に適合させてもよい。たとえば、器具は、フレキシブルシャフトを介して組織処置部に接続された柄部を含んでいてもよく、組織処置部は、外科スコープ装置の器具チャネルを通して挿入するのに適した(たとえば、フィットするように寸法取りされた)遠位端アセンブリを形成している。
【0021】
本発明の器具は広範囲の処置において応用例を見出し得る。たとえば、胃腸管を用いることに適した組織切除装置内で用いてもよい。放射構造体は腫瘍切除に適した全方位アンテナであってもよい。前述のように、器具はGI管において視認及び切除するためのカプセルまたはピルカメラの一部であってもよい。本発明は、骨(または他の場所)内に挿入するための埋め込み可能な装置、特に外部供給源から作動することができる実施形態において用途を見出し得る。これらの埋め込んだ装置を用いて、腫瘍の成長を制御してもよいし、または組織の重量が通常よりも高速度で増大する他の状態を制御してもよい。ここでの1つの特定の用途は、脳腫瘍の成長を制御することである。
【0022】
本明細書では、「マイクロ波」を大まかに用いて、400MH~100GHzの周波数範囲、しかし好ましくは1GH~60GHz範囲を示し得る。考慮している特定の周波数は、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz、及び24GHzである。
【0023】
同様に、「伝導体」または「伝導性」材料に言及する場合、本明細書では、文脈上別の意味を意図していることが明らかである場合を除いて、電気伝導性を意味すると解釈すべきである。
【0024】
本発明の実施形態について添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態とともに用いるための電気外科システムを示す概略図である。
図2】本発明の実施形態である組み込まれたマイクロ波源を有する遠位端アセンブリを示す概略図である。
図3図2の遠位端アセンブリ内の部品の概略図である。
図4A】本発明の実施形態で用いることができる可変伝送線の動作を例示する概略側面図である。
図4B】本発明の実施形態で用いることができる可変伝送線の動作を例示する概略側面図である。
図5A】本発明の実施形態で用いることができる可変同軸伝送線の動作を例示する概略的な断面図である。
図5B】本発明の実施形態で用いることができる可変同軸伝送線の動作を例示する概略的な断面図である。
図6】本発明の実施形態で用いることができる出力段例における部品を示す概略図である。
図7】本発明の実施形態で用いることができる放射構造体の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
さらなる選択肢及び選好
図1は、本発明を用いてもよい電気外科システム100の概略図である。
【0027】
システムは外科スコープ装置114(たとえば、内視鏡、胃鏡、腹腔鏡など)を含んでいる。外科スコープ装置114は、複数の入力ポートと器具コード120が延びる出力ポートとを有する本体116を含む。器具コード120は、複数の内腔を囲む外部ジャケットを含んでいる。複数の内腔は本体116から器具コード120の遠位端へ種々の事柄を伝える。複数の内腔のうちの1つは器具(作業)チャネルである。フレキシブルシャフト112が、器具(作業)チャネルの全長に沿って挿入可能である。他の内腔は、光放射を伝えるためのチャネルを含んで、たとえば、遠位端に照明を与えるかまたは遠位端から画像を収集してもよい。本体116は、遠位端を視認するためのアイピース122を含んでいてもよい。遠位端に照明を与えるために、光源124(たとえば、LEDなど)を照明入力ポート126によって本体116に接続してもよい。
【0028】
フレキシブルシャフト112の近位端には柄部106がある。柄部106は、流体送出装置108(たとえば、注射器)から流体供給107を受け取るために接続してもよいが、この必要性は不可欠ではない。必要ならば、柄部106は、器具制御メカニズムであって、引き金110をスライドすることによって、たとえば、1つ以上の制御ワイヤまたはプッシュロッド(図示せず)の長手方向(前後)の動きを制御するように動作可能な器具制御メカニズムを収容することができる。複数の制御ワイヤがある場合、完全制御を得るために柄部上に複数の滑り引き金があってもよい。
【0029】
フレキシブルシャフト112の遠位端には、遠位側アセンブリ118(図1では一定の比率で描かれてはいない)がある。遠位側アセンブリ118は、外科スコープ装置114の器具チャネルを通過して、器具コード120の遠位端で突出する(たとえば、患者内部で)ように成形されている。遠位端アセンブリは、生体組織内にマイクロ波エネルギーを送出するための能動チップを含んでいる。これについては以下でより詳細に述べる。
【0030】
遠位側アセンブリ118の構造を、最大外径が2.0mm以下、たとえば、1.9mm未満(より好ましくは、1.5mm未満)となるように配置してもよく、フレキシブルシャフトの長さを1.2m以上とすることができる。
【0031】
本体116は、フレキシブルシャフトに沿って(たとえば、好適なリード線を用いて)遠位端アセンブリ118にDCエネルギーを送出するように接続されたDC電源128を
含んでいてもよい。DC電源は、本体116内に取り付けられた電池(たとえば、リチウムイオン電池)、スーパーキャパシタ、または燃料電池であってもよい。別の例では、DC電源128は、遠隔電源(図示せず)から装置内にエネルギーを誘導または磁気カップリングするために配置されたカップリングユニットであってもよい。この場合、カップリングユニットは、カップリングされたエネルギーからDC信号を得るために内部の整流及びフィルタリングを含んでいてもよい。
【0032】
さらに他の例では、DC電源は遠位端アセンブリの一部であってもよく、この場合、器具チャネルに沿って延びるリード線は必要ではない。
【0033】
少なくとも器具コード120の遠位端の位置を制御することが望ましい場合がある。本体116は、1つ以上の制御ワイヤ(図示せず)によって器具コード120の遠位端に機械的にカップリングされた制御アクチュエータ130を含んでいてもよい。制御ワイヤは器具コード120を通して延びている。制御ワイヤは器具チャネル内を進んでもよいしまたはその独自のチャネル内を進んでもよい。制御アクチュエータ130は、レバーもしくは回転可能なノブ、または任意の他の知られたカテーテル操作装置であってもよい。器具コード120の操作を、たとえば、コンピュータ断層撮影(CT)画像から集められた仮想3次元マップを用いて、ソフトウェア支援してもよい。
【0034】
図2に、本発明の実施形態である電気外科器具を組み込む遠位端アセンブリ118を示す。本発明の電気外科器具の特徴は、マイクロ波エネルギーをその場で発生させる部品を有するため、フレキシブルシャフトに沿ってマイクロ波信号を伝える必要がないことである。したがって、遠位端アセンブリ118は、発電機回路132と出力段134とを有するマイクロ波発電機ラインアップ131を含んでいる。出力段134は、GaN系トランジスタ(たとえば、高密度GaNHEMTデバイス)を含んでいる。マイクロ波発電機ラインアップ131は、伝送線136を介して放射構造体138に接続されている。後述するように、伝送線136は、マイクロ波発電機ラインアップから放射構造体138への電源供給の効率を向上させるように調整可能であってもよい。
【0035】
遠位端アセンブリ118をジャケットまたはスリーブ140に入れてもよい。これによって、遠位端アセンブリの部品を、器具チャネルに沿って挿入するときに保護してもよい。スリーブ140は、装置上に直接形成されたポリマーのオーバーモールドであってもよいし、または堆積された絶縁コーティングであってもよい。
【0036】
図2では、スリーブ140は開口端を有すると示している。放射構造体138が組織と直接接触していることが望ましい場合、開いたスリーブを用いてもよい。また、遠位端アセンブリが高周波(RF)エネルギーを送出するようにも構成され、直接の組織接触を有することが望ましい場合にも、開口スリーブは有用であり得る。
【0037】
しかし、開いたスリーブを有することは必須である必要はない。たとえば、ジャケットは閉じた遠位端を有していてもよい。組織と内部部品との間に障壁を形成するためにジャケットを完全にシールしてもよい。遠位端を成形して、たとえば、装置の位置決めまたは出力フィールドの成形を助けてもよい。
【0038】
発電機回路132の近位側には、DC電源128から発電機回路にDC電力を伝えるための他のインターフェース回路及び/またはケーブル(たとえば、ケーブル142)があってもよい。前述したように、DC電源128は、スコープ装置の本体116内にあってもよいし、または遠位端アセンブリ118の一部であってもよい。
【0039】
マイクロ波発電機ラインアップ131に対する回路全体をフレキシブル基板上に実装し
てもよい。これによって、遠位端アセンブリ118を可撓性にし得る。その結果、遠位端アセンブリ118を、必要に応じて、曲げること、湾曲させること、または所定の形状(すなわち平坦、円筒)に変形することが可能になる。
【0040】
図3は、マイクロ波発電機ラインアップ131のさらなる部品を示す概略図である。発電機回路132は、マイクロ波信号(たとえば、1GHz以上、好ましくは5.8GHz以上の周波数を有する)を出力するための発振器144を含んでいる。発振器144は電圧制御発振器(VCO)または誘電体共振発信器(DRO)であってもよい。発振器144は、前述したDC電力を入力として受け取ってもよい。発振器144からの出力を変調器146によってパルス状にしてもよい。発振器144からの出力をドライバ増幅器148に与える。ドライバ増幅器148は、出力段134に対する入力信号を発生させるために配置されている。ドライバ増幅器148は任意の好適なMMICデバイスであってもよい。ラインアップは、出力段134に送出される信号の振幅を制御するための減衰器(図示せず)を含んでいてもよい。出力段134自体は、バイアス回路150と、電力増幅器として構成されたGaN系トランジスタ152とを含んでいてもよい。出力段は、放射構造体から反射して戻る信号から出力段部品を保護する回路(図示せず)を含んでいてもよい。たとえば、サーキュレータをGaN系トランジスタからのフォワードパス上に取り付けてもよい。サーキュレータによって、反射電力をダンプ負荷に対して迂回させてもよい。しかし、この保護構造は必須ではない。なぜならば、GaNベースの構造は対処するのに十分堅固にすることができるからである。
【0041】
図3に、発振器144と変調スイッチ146とが遠位端アセンブリ118の一部である実施形態を例示する。これは必須である必要はない(望ましいけれども)。たとえば、発振器144と変調スイッチ146とを外科スコープ装置の本体116内にまたは本体116に配置してもよい。別の例では、発電機回路132全体(すなわち、ドライバ増幅器148を含む)を遠位端アセンブリから近距離に(たとえば、本体116内に)配置してもよい。したがって、出力段134に対する入力信号を器具チャネルに沿って送信してもよい。
【0042】
説明するために、一例では、出力電力が10dBm(1mW)のDROとゲインが20dBのMMICとが、スコープ装置の本体内に配置されていてもよい。このシナリオではたとえケーブルの挿入損失が10dBであっても、遠位端アセンブリでは依然として20dBm(100mW)が利用可能である。この例では、出力段は、第2のMMICと、それに続いてGaN系トランジスタ152を含んでいてもよい。第2のMMICのゲインが10dBで、高密度GaNデバイスのゲインが10dBである場合、送出に利用できるのは40dBm(10W)である。
【0043】
伝送線136は、出力段134で発生したマイクロ波電力を放射構造体に伝えるための任意の好適な構造であってもよい。たとえば、同軸(導波路を含む)構造とマイクロストリップ構造との両方を用いてもよい。これについては以下に詳細に説明する。
【0044】
伝送線136によって、インピーダンス整合機能が与えられて、放射構造体へのエネルギー送出の効率が向上し得る。たとえば、オンボードまたはその場での整合を、負荷(おそらく放射構造体を含む)と出力段(たとえば、高密度GaN装置の出力接合部)との間の距離(たとえば、部分または波長または位相における)を変えることによって実現してもよい。この例では、ラインの長さによって負荷を単位伝導度円上に動かした時点で、サセプタンスをゼロにするように並行に接続された変数または配置されたシャントスタブを提供してもよい。
【0045】
別の例では、伝送線は、インラインまたは直列接続の4分の1波長変成器であってもよ
い。この構造によって、負荷の実際のインピーダンスが、GaNトランジスタの出力の複素インピーダンスの実部と整合する。
【0046】
伝送線に対して用いることができる同軸ベースの構造(非同軸導波路、たとえば正方形導波路を含む)の例は以下のようであってもよい。
【0047】
(a)短尺構造(たとえば、長さが波長の10分の1以下である)。この結果、より長い任意の長さの線と比べて、(伝送線及び出力段インピーダンスが非同一ならば)損失が最小限でインピーダンス不整合が小さい。
【0048】
(b)4分の1波長(または4分の1波長の奇数倍)伝送線を用いてもよい。伝送線の幾何学的形態を、伝送線のインピーダンスが出力段と放射器との間のインピーダンス変成器として働くように選んでもよい。この結果、非理想的な負荷に対する整合が向上するであろう。
【0049】
(c)2分の1波長(または2分の1波長の奇数倍)伝送線を用いてもよい。この結果、(出力段と伝送線との間のインターフェースにおける)出力段によって観察されるインピーダンスは、放射構造体の入力インピーダンスと実質的に同等である。その結果、伝送線のインピーダンス(及び幾何学的形態)の制約が減る。
【0050】
また、前述の同軸ベース伝送線の同じ原理が、マイクロストリップ、ストリップライン、または同一平面上にあるライン構造に基づいた伝送線に適用され得る。
【0051】
整合に役立つことができるように伝送線に適合することは、伝送線の対向する端部にある部品間の相対的な軸方向運動を可能にして、その結果、伝送線の有効長を変えることによって実現することができる。
【0052】
一例では、これを、スリーブ140内の1つ以上の内部部品の放射構造体138に対する軸方向運動を可能にすることによって行うことができる。このような動きは、遠位側伝送線136内(すなわち、出力段134と放射構造体138との間)の滑りまたは伸縮継手(締まり嵌めまたはハンダ付けされたフレキシブル伝導体)によって可能にすることができる。
【0053】
図4A及び4Bに、調整可能な伝送線の一例を示す。この例では、伝送線136は、誘電体材料158の層上に形成された上方の伝導体154と下方の伝導体156とを有するマイクロストリップ構造である。放射構造体138は伝送線136の遠位端160に接続されていると概略的に示す。この接続は固定してもよい。
【0054】
出力段134は伝送線136の近位端162に取り付けられている。フレキシブルリード線164、166が、出力段の当該部品を上方の伝導体154と下方の伝導体156とにそれぞれ接続するために設けられている。
【0055】
出力段134は、伝送線136に沿って放射構造体138に対してスライドするように適合されている。伝送線136との電気接続が不要な場所で生じることを防止するために、絶縁層167を出力段134上に設けてもよい。動きを制御するための好適なメカニズムについて以下に述べる。
【0056】
図4Bに示すように、出力段134が伝送線136に沿ってスライドすると、リード164が第1の伝導体154に接続する位置が変わる。この動きによって、位相の変化が、放射構造体138に対する伝送線長さの有効な変化に起因して可能になる。その結果、イ
ンピーダンスを純粋に実数(すなわち、リアクタンス(容量または誘導成分)がない)にシフトすることができる。インピーダンス整合が向上すると、発電機回路からのエネルギーを放射構造体により効率的にカップリングすることができ、したがって放射構造体を囲む組織により効率的にエネルギーを送出することができる。
【0057】
図5A及び5Bに、同軸伝送線の長さを変えるために用いることができるスライド同軸変成器接合部の断面図を示す。この例では、伝送線136は、遠位部分168及び近位部分170から形成された内部伝導体を有する同軸構造を含む。これらの部分は、互いに対して軸方向にスライドする相互嵌合要素を有するため、伝導性経路を破壊することなく内部伝導体の長さを変えることができる。図示した具体例では、遠位部分は雄要素172を有し、これは近位部分170における雌要素174とはまり合う。
【0058】
軸方向に伸張可能な誘電体材料176(たとえば、バネ、発泡体などから形成されている)によって、内部伝導体が同軸の外部伝導体178から分離されている。外部伝導体178は、内部伝導体の遠位部分168及び近位部分170に対応してこれらと共に動く2つの部分である。伝導性シース180が外部伝導体の部分間の接合部上に位置していて、伝導性経路が維持されることを確実にしている。同軸変成器の外部伝導体170及びシース180は可撓性であってもよいしまたは剛性であってもよい。代替的な実施形態では、外部伝導体170はコイルバネまたは編組バネを含んでいて、間隙182が開いたときにバネが延びて伝導性経路を維持するようになっていてもよい。この構造によって、インピーダンス整合を容易にすることが、たとえば、幾何学的形態と内部及び外部伝導体間の間隔とに対するより大きな変化を可能にすることで可能になる。
【0059】
図5Bに示すように、伝送線が軸方向に伸びると(たとえば、近位部分170を近位方向に引くことによって)、遠位及び近位部分が引き離されて、誘電体材料176が間隙182内に伸張して伝送線構造の完全性が維持される。
【0060】
こうして、図5A及び5Bに示す構造は折り畳み式の4分の1波長変成器を形成する。
他の例では、伝送線はマイクロストリップ構造及び同軸ベース構造の両方を含んでいてもよい。
【0061】
軸方向運動の制御を、たとえば、操作者が柄部106上のスライダー110を用いて内部または外部のプッシュ/プルワイヤまたはスリーブをスライドすることによって機械的に行ってもよい。代替的に、軸方向運動をたとえば電子機械スイッチを用いて電気的に駆動してもよい。正確な動きを、マイクロステッピングモーターまたは同様のものを用いることによって実現してもよい。これらは、スコープ装置の本体116における柄部106内に取り付けることができる。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態で用いることができる出力段134内の部品の概略図である。前述したように、出力段134は、高密度GaN系HEMT152を発電機回路132から受け取る入力信号に対する増幅器として用いる。任意の好適な増幅器構成を用いてもよいが、従来のクラスA、B、A-B、またはC以外の方式を用いて出力トランジスタ152をバイアスして、DCからマイクロ波電力への変換効率を最適化することが望ましい場合がある。
【0063】
特に、DC電源も遠位端アセンブリ内に(たとえば、スタンドアロン電池としてかまたは外部供給源からエネルギーを引き出すためのカップリングユニットとして)配置した場合、装置を、電力付加効率(PAE)がその理論限界近くまであるように構成することが望ましい場合がある。図6に出力段134を示す。これはクラスFバイアシング構造を設定することによって実現される。この構造は、最大で90%PAEを達成でき得る。一例
では、物理長が周波数の波長の1/12に設定されたオープンスタブをトランジスタの出力に取り付ける。この配置によって、動作の効率が、ドレイン電圧及びドレイン電流の波形に作用することによって増加し得る。理想的なシナリオでは、ドレイン電圧が最大であるときにゼロ出力電圧が望まれるか、またはドレイン電流が最大であるときにゼロ電流が望まれる。これによって、GaNデバイス内に散逸する電力が、ドレインからソースに流れる電流とドレイン-ソース接合部にかかる電圧とに関係づけられることが確実になる。
【0064】
図6のクラスF構造は、第1の共振回路(たとえば、LCまたはタンク回路)184をGaN系HEMT152に対する入力に設け、第2の共振回路190をその出力に設けている。各共振回路184、190は、対応する整合回路186、188(たとえば、直列LC回路)を有している。装置は、クラスB動作と同様の方法で、カットオフ付近またはカットオフにおけるバイアスである。
【0065】
DCに対する出力において、また入力における入力マイクロ波信号において生成されるマイクロ波電力量の点で効率を増加させるために、標準的な線形クラスA方式(すなわち、クラスB、AB、C、D、E、またはF)以外の方式を用いてGaN装置を動作させることが望ましい。
【0066】
増幅器の効率は、設計で用いるトランジスタの特性によって制限される。クラスFデザインを用いた場合、100%効率を達成することが理論的に可能であるが、これはトランジスタが理想的な電流源であることを想定している。実際には、クラスF配置を用いて最大で10%の電力付加効率(PAE)を達成することが可能なはずである。
【0067】
第2の共振回路190は、偶数高調波に対する短絡回路(すなわち2fにおける短絡回路、fは回路の共振周波数)として、また奇数高調波に対する開回路(すなわち3fにおける開回路)として現れる負荷に基づいて出力波形を成形するように構成されている。したがって、ドレイン電圧波形は矩形波に向けて成形されるが、ドレイン電流は半波正弦波形と類似するように成形される。
【0068】
第1の共振回路184は、装置が確実に矩形波パルスによって駆動されることを助ける。
【0069】
図2に概略的に示す放射素子138は、マイクロ波エネルギーの送出に適した任意の形態を取ってもよい。放射素子138は二極であってもよい。すなわち第1の伝導体と第2の伝導体とを含み、これらが生体組織内にマイクロ波エネルギーを放射するためのアンテナとして働くように配置されていてもよい。外科スコープ装置の器具チャネルの挿入に適したこのタイプの構造としては、スパチュラタイププローブ(たとえば、WO2011/010089、WO2012/095653、及びWO2014/006369に記載されたもの)が挙げられる。代替的に、ダイポールまたはスロット付アンテナを用いることができる。誘電体放射器(たとえば、WO2008/044013に開示されたものと同様)を用いてもよい。
【0070】
図7は、生体組織内にマイクロ波エネルギーを送出するために遠位側アセンブリ118内で用いることができる放射構造体200の遠位端の断面図である。放射構造体200は同軸ケーブル202を含んでいる。同軸ケーブル202は、その近位端において前述の伝送線構造に接続されていて、出力段からマイクロ波エネルギーを受け取る。同軸ケーブル202は内部伝導体206を含む。内部伝導体206は第1の誘電体材料210によって外部伝導体208から分離されている。同軸ケーブル202は好ましくは、マイクロ波エネルギーに対して低損失である。チョーク(図示せず)を同軸ケーブル上に設けて、遠位端から反射されるマイクロ波エネルギーの逆伝播を抑制し、したがって装置に沿って生じ
る後加熱を制限してもよい。
【0071】
同軸ケーブル202はその遠位端において放射チップセクション204で終了する。この実施形態では、放射チップセクション204は、外部伝導体208の遠位端209の前で延びる内部伝導体206の遠位伝導性セクション212を含んでいる。遠位伝導性セクション212は、その遠位端において、第2の誘電体材料から形成された誘電体チップ214によって囲まれている。第2の誘電体材料は、第1の誘電体材料210と同じにすることもできるし、または異なるものにすることもできる。誘電体チップ214の長さは遠位伝導性セクション212の長さよりも短い。
【0072】
同軸ケーブル202と放射チップセクション204とは、それらの最表面上に生体適合性の外部シース(図示せず)が形成されていてもよい。外部シース218は生体適合性材料から形成してもよい。
【0073】
誘電体チップ214は任意の好適な遠位形状(たとえば、ドーム形状、円筒形、円錐形などのうちのいずれか)であってもよい。滑らかなドーム形状が好ましい場合がある。なぜならば、小さいチャネルを通して移動させたときに、アンテナの可動性が増すからである。
【0074】
図7に示す放射構造体200は同軸構造に基づいているが、これは必須である必要はない。たとえば、放射構造体は平坦で、マイクロストリップタイプ構造上に形成してもよい。代替的に、放射構造体を、伸張可能な下部構造、たとえば膨張可能なバルーンまたは鉗子型ヒンジ構造(たとえば、WO2015/097472に開示されたもの)上に形成してもよい。
【0075】
放射構造体が送出するマイクロ波エネルギーは、電力レベルが組織切除に適し得る。これは、本発明の電気外科的発明の主な用途であり得る。しかし、器具は、たとえば装置の遠位端における組織の特性を測定するために、より低い電力レベルで動作してもよい。
【0076】
一例では、装置を、測定の場合に切除の場合よりも高い周波数値で動作するように配置してもよい。たとえば、切除を5.8GHzで行ってもよく、一方で測定を60GHzまたは77GHzで行ってもよい。これらの高い周波数によって高感度測定を得ることができる。遠位端アセンブリ内にマイクロ波源を組み込むことによって、ケーブル曲がり及びたわみが原因の位相及び大きさの変動によって生じる測定の不確かさが回避される。
【0077】
より高い周波数測定信号がオフ切発振器144からの低電力信号とカップリングオフすることによって得られて、信号を混合して測定用の周波数にすることができるように選択された周波数を有する別個の局所的な発振器が提供され得る。この配置によって、切除及び測定を同時に行うことができる場合がある。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7