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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】隠しレールダンパー
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/473 20170101AFI20240517BHJP
【FI】
A47B88/473
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022547777
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2021080372
(87)【国際公開番号】W WO2021190325
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】202010216699.0
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010263822.4
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010466917.6
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010672141.3
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522311107
【氏名又は名称】佛山市天斯五金有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN TIANSI HARDWARE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】48-(3), Longzhou West Road, Jibei, Longjiang Town, Shunde District Foshan, Guangdong 528300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】梁 佩玲
(72)【発明者】
【氏名】梁 業林
(72)【発明者】
【氏名】労 慶軍
(72)【発明者】
【氏名】朱 海輝
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-518725(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173976(JP,U)
【文献】登録実用新案第3164269(JP,U)
【文献】特開2015-208356(JP,A)
【文献】実開平01-090438(JP,U)
【文献】特開2002-303304(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0016907(KR,A)
【文献】特開2010-270454(JP,A)
【文献】特開2008-297759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/473
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、及びダンパーを含み、
前記ダンパーは、引張部材、スライダー、伸縮シリンダ、及び位置規制部材を含み、
前記スライダーは、ハウジング内に摺動可能に取り付けられ、
前記引張部材は、ハウジング及びスライダーにそれぞれ連結され、
前記スライダーは、ハウジング内において第1位置、及び第2位置を有し、
前記引張部材は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させる隠しレールダンパーであって、
記伸縮シリンダはスライダーに取り付けられ、前記位置規制部材はハウジングに取り付けられ、
前記位置規制部材には、圧縮面が設けられ、
前記伸縮シリンダの一端は、圧縮面に直接当接し、
前記伸縮シリンダ及び位置規制部材は、第1相対的位置、及び第2相対的位置を有し、
前記引張部材がスライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させる過程において、前記伸縮シリンダは、第1相対的位置から第2相対的位置に移動し、
前記伸縮シリンダは、第1相対的位置から第2相対的位置に移動する過程において徐々に圧縮され、かつ前記伸縮シリンダの前記位置規制部材に対する運動方向は前記伸縮シリンダ自身の圧縮方向と垂直になることを特徴とする隠しレールダンパー。
【請求項2】
前記ハウジングは、レールであり、
前記レールの少なくとも一端には、ダンパーが設けられ、
前記スライダーは、レールに摺動可能に取り付けられ、
前記スライダーは、レールにおいて第1位置、及び第2位置を有し、
前記引張部材は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させ、
前記位置規制部材は、位置規制レールであり、
前記伸縮シリンダは、位置規制レールに摺動可能に取り付けられ、
位置規制レールには、前記伸縮シリンダに対して第1リミット位置及び第2リミット位置が設けられ、
前記圧縮面は側壁であり、
前記位置規制レールには、レール方向に対して交差角を有する側壁が少なくとも1つ設けられ、
レール方向に対して交差角を有する前記側壁は、第1リミット位置から第2リミット位置まで伸縮シリンダに向けて傾斜し、
前記スライダーは、第1位置から第2位置に摺動する過程において、伸縮シリンダを第1リミット位置から第2リミット位置に移動させ、前記移動過程において伸縮シリンダの一端が前記レール方向に対して交差角を有する側壁に当接することを特徴とする請求項1に記載の隠しレールダンパー。
【請求項3】
前記ダンパーは、減衰部材を含み、
前記減衰部材は、ハウジング内に摺動可能に取り付けられ、かつスライダーに連結され、
前記引張部材は、ハウジング、減衰部材にそれぞれ連結され、
前記減衰部材は、ハウジング内において第1位置、及び第2位置を有し、
前記引張部材は、減衰部材を引っ張って第1位置から第2位置に移動させ、
前記減衰部材は、位置規制部材、伸縮シリンダを含み、
前記位置規制部材内には、位置規制溝が設けられ、
前記伸縮シリンダは、位置規制溝内に摺動可能に取り付けられ、
位置規制溝内には、前記伸縮シリンダに対して第1リミット位置、第2リミット位置が設けられ、
前記伸縮シリンダが第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、前記伸縮シリンダの少なくとも一端は、前記位置規制溝の側壁に当接して圧縮し、
前記ハウジングには、ガイド溝がさらに設けられ、
前記伸縮シリンダは、ガイド溝に摺動可能に連結され、
前記ガイド溝と減衰部材の移動方向との間に交差角が生じ、
前記伸縮シリンダは、前記減衰部材が第1位置にある場合に第1リミット位置に位置し、前記減衰部材が第2位置にある場合に第2リミット位置に位置することを特徴とする請求項1に記載の隠しレールダンパー。
【請求項4】
前記伸縮シリンダの圧縮行程は、スライダーの第1位置から第2位置への摺動行程よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の隠しレールダンパー。
【請求項5】
前記伸縮シリンダと圧縮面との間に傾斜角が生じ、
前記伸縮シリンダの一端は、圧縮面に当接することを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項6】
前記伸縮シリンダの一端には、接触部材がさらに設けられ、
前記伸縮シリンダは、接触部材により圧縮面に当接することを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項7】
前記接触部材には、ボールがさらに設けられ、
前記接触部材は、ボールにより圧縮面に当接することを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項8】
前記ダンパーは、摺動ガイド部材をさらに含み、
前記ハウジングには、シュートが設けられ、
前記摺動ガイド部材の一端は、シュートに挿入され、
前記伸縮シリンダは、摺動ガイド部材により圧縮面に当接し、
前記シュートは、第1シュート部、及び第2シュート部を含み、
前記第1シュート部は、第2シュート部の一端に連結されることを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項9】
前記第1シュート部、第2シュート部は、いずれもストレート溝構造であり、
前記第1シュート部、第2シュート部は、折り曲げられて連結され、
前記位置規制部材は、スライダーに連結され、
前記伸縮シリンダは、ハウジングに取り付けられ、
前記第1シュート部は、圧縮面に位置し、
前記第1シュート部の延在方向と圧縮面との間に傾斜角が生じ、
前記第2シュート部の延在方向は、伸縮シリンダの圧縮方向と同じであり、
前記スライダーは、第1位置から第2位置に移動する過程において、前記第1シュート部と圧縮面との交差位置から第2シュート部に移動することを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項10】
前記摺動ガイド部材は、第1摺動端、及び第2摺動端を含み、
前記第1摺動端、第2摺動端は、いずれもシュート内に挿入され、
前記摺動ガイド部材は、第2摺動端により伸縮シリンダに当接し、第1摺動端により圧縮面に当接することを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項11】
前記摺動ガイド部材は、複数を有し、
各前記摺動ガイド部材は、シュートに摺動可能に連結されることを特徴とする請求項に記載の隠しレールダンパー。
【請求項12】
前記ダンパーは、レバーをさらに含み、
前記レバーは、スライダーに取り付けられ、
前記レバーは、スライダーに回動可能に連結され、
前記ハウジングには、第1係止部材が設けられ、
前記レバーには、第2係止部材が設けられ、
前記ダンパーが第1位置に位置する場合、前記レバーは回動して第2係止部材を第1係止部材に係止させることを特徴とする請求項1に記載の隠しレールダンパー。
【請求項13】
前記スライダーは前記伸縮シリンダに固定的に連結されることを特徴とする請求項2に記載の隠しレールダンパー。
【請求項14】
前記スライダーには位置規制部材が設けられ、前記ールにはシュートが設けられ、前記位置規制部材の一端はシュート内に挿入されることを特徴とする請求項2に記載の隠しレールダンパー。
【請求項15】
前記スライダーには円弧孔が設けられ、前記位置規制部材は円弧孔に摺動可能に取り付けられ、前記シュートはストレート溝部及び折り曲げ部を含み、前記ストレート溝部の一端は折り曲げ部の一端に連結され、前記スライダーが第1位置に位置する場合、前記折り曲げ部は円弧孔と重なり、前記位置規制部材は、円弧孔に沿って摺動可能であり、摺動過程において前記位置規制部材の一端が折り曲げ部内に挿入されることを特徴とする請求項14に記載の隠しレールダンパー。
【請求項16】
前記レールには摺動部材がさらに設けられ、前記摺動部材はレールに摺動可能に連結され、前記摺動部材のスライダーに向ける一端にはガイド部材が設けられ、前記ガイド部材には位置規制部材に係合可能なガイド溝が設けられ、前記ガイド部材がスライダーに移動する過程において、前記位置規制部材は、ガイド溝によって折り曲げ部のストレート溝部に近接する一端に摺動することを特徴とする請求項15に記載の隠しレールダンパー。
【請求項17】
前記位置規制レールは円錐形レールであるとともに、前記位置規制レールの幅は、第1リミット位置から第2リミット位置へ徐々に狭くなり、前記伸縮シリンダが第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、前記伸縮シリンダの両端は、位置規制レールの2つの側壁にそれぞれ当接することを特徴とする請求項2に記載の隠しレールダンパー。
【請求項18】
前記伸縮シリンダの少なくとも一端には接触部材が設けられ、前記伸縮シリンダは接触部材により位置規制レールに当接することを特徴とする請求項2に記載の隠しレールダンパー。
【請求項19】
前記接触部材にはボールが設けられ、前記伸縮シリンダはボールにより位置規制レールに当接することを特徴とする請求項18に記載の隠しレールダンパー。
【請求項20】
前記ダンパーは位置規制レールに摺動可能に取り付けられる固定装置をさらに含み、前記伸縮シリンダは固定装置内に挿入されることを特徴とする請求項2に記載の隠しレールダンパー。
【請求項21】
前記引張部材は2つであり、2つの前記引張部材はスライダーのレールに近接する両辺にそれぞれ連結されることを特徴とする請求項2に記載の隠しレールダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパーに関し、特に、隠しレールダンパーに適用可能なものに関する。
【背景技術】
【0002】
ダンパーは、移動抵抗を付与可能な装置として、エネルギーや振動吸収の作用を有する。そこで、引き出しやドアウインドウを閉じる過程において、衝突による大きな騒音を低減するため、引き出しやドアウインドウのスライドレールにダンパー構造を使用することが多い。通常のダンパーは、バネ及び同じ長さのシリンダ構造を備える必要があり、バネを縮ませる過程においてシリンダをゆっくり圧縮して引き出しやドアウインドウをゆっくり閉じる。しかしながら、シリンダの長さをバネに合わせる必要があるため、シリンダが長すぎて、スライドレールのスペースが大きくてスライドレールのサイズを大きくしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、伸縮シリンダのサイズを小さくする隠しレールダンパーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は隠しレールダンパーを提供し、引張部材、スライダー、伸縮シリンダ、及び位置規制部材を含む。前記スライダーは、ハウジング内に摺動可能に取り付けられる。前記引張部材は、ハウジング及びスライダーにそれぞれ連結される。前記スライダーは、ハウジング内において第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させる。前記位置規制部材はスライダーに連結され、前記伸縮シリンダはハウジングに取り付けられるか、または、前記伸縮シリンダはスライダーに取り付けられ、前記位置規制部材はハウジングに取り付けられる。前記位置規制部材には、圧縮面が設けられる。前記伸縮シリンダの一端は、圧縮面に直接または間接に当接する。前記伸縮シリンダ及び位置規制部材は、第1相対的位置、及び第2相対的位置を有する。前記引張部材がスライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させる過程において、前記伸縮シリンダは、第1相対的位置から第2相対的位置に移動する。前記伸縮シリンダは、第1相対的位置から第2相対的位置に移動する過程において徐々に圧縮される。
【0005】
さらに、記ハウジングは、レールである。前記レールの少なくとも一端には、ダンパーが設けられる。前記スライダーは、レールに摺動可能に取り付けられる。前記スライダーは、レールにおいて第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させる。前記位置規制部材は、位置規制レールである。前記伸縮シリンダは、位置規制レールに摺動可能に取り付けられる。位置規制レールには、前記伸縮シリンダに対して第1リミット位置及び第2リミット位置が設けられる。前記圧縮面は側壁であり、前記位置規制レールには、レール方向に対して交差角を有する側壁が少なくとも1つ設けられる。レール方向に対して交差角を有する前記側壁は、第1リミット位置から第2リミット位置まで伸縮シリンダに向けて傾斜する。前記スライダーは、第1位置から第2位置に摺動する過程において、伸縮シリンダを第1リミット位置から第2リミット位置に移動させ、前記移動過程において伸縮シリンダの一端が、前記レール方向に対して交差角を有する側壁に当接する。
【0006】
さらに、記ハウジングはレールである。前記レールの少なくとも一端には、ダンパーが設けられる。前記ダンパーは当接部材をさらに含む。前記スライダーは、レールに摺動可能に取り付けられ、レールにおいて第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させることが可能である。前記位置規制部材は、位置規制レールである。前記位置規制レールは、スライダーに設けられる。前記圧縮面は側壁であり、前記位置規制レールには、レール方向に対して交差角を有する側壁が少なくとも1つ設けられる。前記伸縮シリンダは、レールに取り付けられる。前記レールには、当接溝が設けられる。前記当接部材は、当接溝内に摺動可能に取り付けられる。前記伸縮シリンダは、当接部材によって前記位置規制レールの、レール方向に対して交差角を有する側壁に当接する。前記当接溝と前記位置規制レールの、レール方向に対して交差角を有する側壁との間、及び前記当接溝とレールとの間にいずれも傾斜角が生じる。当接溝には、前記当接部材に対して第1当接位置、及び第2当接位置が設けられる。前記スライダーは、第1位置から第2位置に摺動する過程において、当接部材を第1当接位置から第2当接位置に摺動させる。前記当接部材は、摺動中に伸縮シリンダを圧縮する。前記当接溝のレール方向に投影した長さは、前記位置規制レールの長さよりも短い。
【0007】
さらに、記ダンパーは、減衰部材を含む。前記減衰部材は、ハウジング内に摺動可能に取り付けられる。前記減衰部材はスライダーに連結され、前記引張部材は、ハウジング、減衰部材にそれぞれ連結される。前記減衰部材は、ハウジング内において第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材は、減衰部材を引っ張って第1位置から第2位置に移動させる。前記減衰部材は、位置規制部材、伸縮シリンダを含む。前記位置規制部材内には、位置規制溝が設けられる。前記伸縮シリンダは、位置規制溝内に摺動可能に取り付けられる。位置規制溝内には、前記伸縮シリンダに対して第1リミット位置、第2リミット位置が設けられる。前記伸縮シリンダが第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、前記伸縮シリンダの少なくとも一端は、前記位置規制溝の側壁に当接して圧縮する。前記ハウジングには、ガイド溝がさらに設けられる。前記伸縮シリンダは、ガイド溝に摺動可能に連結される。前記ガイド溝と減衰部材の移動方向との間には、交差角が生じる。前記伸縮シリンダは、前記減衰部材が第1位置にある場合に第1リミット位置に位置し、前記減衰部材が第2位置にある場合に第2リミット位置に位置する。
【0008】
さらに、前記伸縮シリンダの圧縮行程は、スライダーの第1位置から第2位置への摺動行程よりも小さい。
【0009】
さらに、前記伸縮シリンダと圧縮面との間に傾斜角が生じ、前記伸縮シリンダの一端は、圧縮面に当接する。
【0010】
さらに、前記伸縮シリンダの一端には、接触部材がさらに設けられ、前記伸縮シリンダは、接触部材により圧縮面に当接する。
【0011】
さらに、前記接触部材には、ボールがさらに設けられ、前記接触部材は、ボールにより圧縮面に当接する。
【0012】
さらに、前記ダンパーは、摺動ガイド部材をさらに含む。前記ハウジングには、シュートが設けられる。前記摺動ガイド部材の一端は、シュートに挿入される。前記伸縮シリンダは、摺動ガイド部材により圧縮面に当接する。前記シュートは、第1シュート部、及び第2シュート部を含む。前記第1シュート部は、第2シュート部の一端に連結される。
【0013】
さらに、前記第1シュート部、第2シュート部は、いずれもストレート溝構造である。前記第1シュート部、第2シュート部は、折り曲げられて連結される。前記位置規制部材は、スライダーに連結される。前記伸縮シリンダは、ハウジングに取り付けられる。前記第1シュート部は、圧縮面に位置する。前記第1シュート部の延在方向と圧縮面との間に傾斜角が生じる。前記第2シュート部の延在方向は、伸縮シリンダの圧縮方向と同じである。前記スライダーは、第1位置から第2位置に移動する過程において、前記第1シュート部と圧縮面との交差位置から第2シュート部に移動する。
【0014】
さらに、前記摺動ガイド部材は、第1摺動端、及び第2摺動端を含む。前記第1摺動端、第2摺動端は、いずれもシュート内に挿入される。前記摺動ガイド部材は、第2摺動端により伸縮シリンダに当接し、第1摺動端により圧縮面に当接する。
【0015】
さらに、前記摺動ガイド部材は、複数を有し、各前記摺動ガイド部材は、シュートに摺動可能に連結される。
【0016】
さらに、前記ダンパーは、レバーをさらに含む。前記レバーは、スライダーに取り付けられる。前記レバーは、スライダーに回動可能に連結される。前記ハウジングには、第1係止部材が設けられる。前記レバーには、第2係止部材が設けられる。前記減衰部材が第1位置に位置する場合、前記レバーは回動して第2係止部材を第1係止部材に係止させる。
【0017】
本発明は、従来技術に比べて、位置規制部材の設置により、伸縮シリンダが圧縮される場合に生じる力を、ダンパーが第1位置から第2位置に摺動する過程の抵抗力に変換して減衰作用を発揮することができる。さらに、本発明は、位置規制部材により、伸縮シリンダの伸縮方向がダンパーの移動方向と異なることが可能である。従来のダンパーによるシリンダのサイズへの要求を低減し、減衰部材に必要なスペースを減らし、減衰構造のサイズを小さくするとともに、シリンダのサイズが小さいため、ダンパーのコストを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1態様の実施例の構成を示す概略正面図である。
図2】本発明の第1態様の実施例の構成を示す概略正面断面図である。
図3】本発明の第1態様の実施例のスライダーが第2位置にある場合の構成を示す概略断面図である。
図4】本発明の第1態様の実施例のスライダーが第1位置にある場合の構成を示す概略断面図である。
図5】本発明の第1態様の実施例の伸縮シリンダが展開する状態の構成を示す概略正面図である。
図6】本発明の第1態様の実施例の伸縮シリンダが展開する状態の構成を示す概略正面断面図である。
図7】本発明の第1態様の実施例の伸縮シリンダが圧縮される状態の構成を示す概略正面図である。
図8】本発明の第1態様の実施例の伸縮シリンダが圧縮される状態の構成を示す概略正面断面図である。
図9】本発明の第1態様の実施例の構成を示す概略底面図である。
図10】本発明の第1態様の実施例の構成を示す概略底面分解図である。
図11】本発明の第1態様の実施例の構成を示す概略上面図である。
図12】本発明の第1態様の実施例の構成を示す概略上面分解図である。
図13】本発明の第2態様の実施例のスライダーが第1位置にある場合の構成を示す概略図である。
図14】本発明の第2態様の実施例のスライダーが第2位置にある場合の構成を示す概略図である。
図15】本発明の第2態様の実施例の構成を示す概略分解図である。
図16】本発明の第2態様の実施例のスライダーの構成を示す概略分解図である。
図17】本発明の第2態様の実施例の減衰部材の構成を示す概略分解図である。
図18】本発明の第2態様の実施例の減衰部材が接触部材を有する場合の構成を示す概略分解図である。
図19】本発明の第2態様の実施例のスライダーが第1位置にある場合の構成を示す概略断面図である。
図20】本発明の第2態様の実施例のスライダーが第2位置にある場合の構成を示す概略断面図である。
図21】本発明の第3態様の実施例の構成を示す概略図である。
図22】本発明の第3態様の実施例の構成を示す概略分解図である。
図23】本発明の第3態様の実施例のスライダーが第1位置にある場合の構成を示す概略図である。
図24】本発明の第3態様の実施例のスライダーが第1位置にある場合の構成を示す概略分解図である。
図25】本発明の第3態様の実施例のスライダーが第2位置にある場合の上面図である。
図26】本発明の第3態様の実施例のスライダーが第2位置にある場合の断面図である。
図27】本発明の第3態様の実施例の円錐形係止部材の断面図である。
図28】本発明の第4態様の実施例の正面図である。
図29】本発明の第4態様の実施例の斜視図である。
図30】本発明の第4態様の実施例の後面図である。
図31】本発明の第4態様の実施例の分解図である。
図32】本発明の第4態様の実施例のダンパーが第1位置にある場合の構成を示す概略図である。
図33】本発明の第4態様の実施例のダンパーが第2位置にある場合の構成を示す概略図である。
図34】本発明の第4態様の実施例の隠し減衰構造が伸縮レールに係合する場合を示す概略図である。
図35】本発明の第4態様の実施例の隠し減衰構造が伸縮レールに係合する場合を示す概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本技術領域の当業者が本発明をよりよく理解するために、以下、本発明の実施例の技術的手段を明確かつ詳細に説明する。当然ながら、説明される実施例は、本発明の全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。
【0020】
<符号の説明>
1 ハウジング、2 引張部材、31 位置規制部材、311 圧縮面、4 スライダー、111 ストレート溝部、112 折り曲げ部、12 摺動部材、121 ガイド部材、1211 ガイド溝、321 接触部材、41 位置規制部、42 円弧孔、5 固定装置、6 摺動ガイド部材、71 第1シュート部、72 第2シュート部、8 レバー、82 第1係止部材、81 第2係止部材、16 当接溝、24 当接部材、13 固定部材、2221 接触面、2222 円錐形係止部材、233 円錐形係止溝、14 水平溝、3112 長円孔、322 固定スリーブ、3221 ガイド柱、9 伸縮レール、91 アウターレール、92 インナーレール、11 シュート、312 位置規制溝、3111 位置規制シュート。
【0021】
第1態様
本発明の第1態様は、隠しレールダンパーの実施例を提供し、図1図12に示すように、ハウジング1、ダンパーを含む。前記ダンパーは、引張部材2、スライダー、伸縮シリンダ32、位置規制部材31を含む。前記スライダーは、ハウジング1内に摺動可能に取り付けられる。前記引張部材2は、ハウジング1及びスライダーにそれぞれ連結される。前記スライダーは、ハウジング1内において第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材2は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させることが可能である。前記位置規制部材31はスライダーに連結され、前記伸縮シリンダ32はハウジング1に取り付けられるか、または、前記伸縮シリンダ32はスライダーに取り付けられ、前記位置規制部材31はハウジング1に取り付けられる。前記位置規制部材31には、圧縮面311が設けられる。前記伸縮シリンダ32の一端は、圧縮面311に直接または間接に当接する。前記伸縮シリンダ32及び位置規制部材31は、第1相対的位置、及び第2相対的位置を有する。前記引張部材2がスライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させる過程において、前記伸縮シリンダ32は、第1相対的位置から第2相対的位置に移動する。前記伸縮シリンダ32は、第1相対的位置から第2相対的位置に移動する過程において徐々に圧縮される。
【0022】
好ましくは、前記伸縮シリンダ32の圧縮行程は、スライダーの第1位置から第2位置への摺動行程よりも小さい。
【0023】
なお、圧縮面311とスライダーの移動方向との間に交差角が生じ、伸縮シリンダ32の伸縮方向と圧縮面311との間に傾斜角が生じる。伸縮シリンダ32は、第1相対的位置から第2相対的位置に移動する過程において、圧縮面311によって徐々に圧縮され、圧縮行程がスライダーの第1位置から第2位置への摺動行程よりも小さい。
【0024】
本発明の実施例では、位置規制部材の圧縮面を設置することで、伸縮シリンダが圧縮される場合に生じる力を、ダンパーが第1位置から第2位置に摺動する過程の抵抗力に変換して減衰作用を発揮することができる。さらに、本発明は、位置規制部材により、伸縮シリンダの伸縮方向がダンパーの移動方向と異なることが可能であり、位置規制部材の圧縮面とスライダーの移動方向との間の交差角、伸縮シリンダの伸縮方向と圧縮面との間の傾斜角を調整することで、圧縮面の伸縮シリンダの圧縮方向に投影した長さを圧縮行程と同じにし、圧縮面のスライダーの摺動方向に投影した長さを摺動行程と同じにすることを確保し、従来のダンパーと比べて、シリンダのサイズへの要求を低減し、減衰部材に必要なスペースを減らし、さらに減衰構造のサイズを小さくするとともに、シリンダのサイズが小さいため、ダンパーのコストを効果的に低減させることができる。
【0025】
特に、図1図2に示すように、前記伸縮シリンダ32と圧縮面311との間に傾斜角が生じ、前記伸縮シリンダ32の一端は、圧縮面311に当接する。
【0026】
なお、図1図2に示すように、前記伸縮シリンダ32は、スライダーに取り付けられる。前記位置規制部材31は、ハウジング1と一体構造に形成される。伸縮シリンダ32は、スライダーの摺動方向と垂直になる。
【0027】
特に、前記伸縮シリンダ32の一端には、接触部材がさらに設けられる。前記伸縮シリンダ32は、接触部材により圧縮面311に当接する。
【0028】
なお、接触部材は、スリーブ状構造であり、伸縮シリンダの一端に外嵌される。接触部材は、プラスチック部材であってもよく、伸縮シリンダ(シリンダ)の耐久性を向上させ、ピストンの損傷を回避する。
【0029】
特に、前記接触部材には、ボールがさらに設けられる。前記接触部材は、ボールにより圧縮面311に当接する。
【0030】
なお、ボールは、接触部材内に係止されるとともに、接触部材に対して摺動可能に連結される。
【0031】
特に、図5図10に示すように、前記ダンパーは、摺動ガイド部材6をさらに含む。前記ハウジングには、シュートが設けられる。前記摺動ガイド部材6の一端は、シュートに挿入される。前記伸縮シリンダ32は、摺動ガイド部材6により圧縮面311に当接する。前記シュートは、第1シュート部71、第2シュート部72を含む。前記第1シュート部71は、第2シュート部72の一端に連結される。
【0032】
特に、図5図10に示すように、前記第1シュート部71、第2シュート部72は、いずれもストレート溝構造である。前記第1シュート部71、第2シュート部72は、折り曲げられて連結される。前記位置規制部材21は、スライダーに連結される。前記伸縮シリンダ32は、ハウジング1に取り付けられる。前記第1シュート部71は、圧縮面311に位置するとともに、その延在方向と圧縮面311との間に傾斜角が生じる。前記第2シュート部72の延在方向は、伸縮シリンダ32の圧縮方向と同じである。前記スライダーは、第1位置から第2位置に移動する過程において、前記第1シュート部71と圧縮面311との交差位置から第2シュート部に移動する。
【0033】
なお、図5図10に示すように、位置規制部材31は、スライダーと一体構造に形成される。
【0034】
特に、前記摺動ガイド部材6は、第1摺動端、及び第2摺動端を含む。前記第1摺動端、第2摺動端は、いずれもシュート内に挿入される。前記摺動ガイド部材6は、第2摺動端により伸縮シリンダ32に当接し、第1摺動端により圧縮面311に当接する。
【0035】
なお、摺動ガイド部材6の第1摺動端と第2摺動端との間には、柱状連結構造がさらに設けられる。
【0036】
スライダーは、第1位置から第2位置に移動する過程において、第1シュート部と圧縮面との交差位置から第2シュート部に移動し、圧縮面に連結される第1摺動端が圧縮面に押されて第2シュート部に摺動し、伸縮シリンダに連結される第2摺動端が第2シュート部に進入して伸縮シリンダを圧縮する。
【0037】
特に、図5図10に示すように、前記摺動ガイド部材6は複数設けられる。各前記摺動ガイド部材6は、シュートに摺動可能に連結される。
【0038】
なお、図5図10に示すように、摺動ガイド部材6は3つ且つ円柱構造である。摺動ガイド部材6同士は順次に当接する。
【0039】
スライダーは、第1位置から第2位置に移動する過程において、第1シュート部と圧縮面との交差位置から第2シュート部に移動し、圧縮面に連結される摺動ガイド部材が圧縮面に押されて第2シュート部に摺動し、伸縮シリンダに連結される摺動ガイド部材が第2シュート部に進入して伸縮シリンダを圧縮する。
【0040】
好ましくは、図11図12に示すように、前記ダンパーは、レバー8をさらに含む。前記レバー8は、スライダーに取り付けられ、スライダーに回動可能に連結される。前記ハウジング1には、第1係止部材82が設けられる。前記レバー8には、第2係止部材81が設けられる。前記減衰部材が第1位置にある場合、前記レバー8は回動して第2係止部材81を第1係止部材82に係止させる。
【0041】
好ましくは、本発明に係る隠しダンパーは、伸縮レールに係合可能であり、伸縮レールは、アウターレール91、インナーレール92を含み、第1係止部材82は、傾斜溝構造であり、スライダーは、第1位置まで移動すると回動して第2係止部材を第1係止部材に係止させ、スライダーを固定させる。
【0042】
第2態様
本発明の第2態様は、減衰付きスライドレールの実施例を提供し、図13図15及び図19図20に示すように、ハウジング1はレールであり、前記レール1の少なくとも一端には、ダンパーが設けられる。前記ダンパーは、引張部材2、減衰部材、スライダー4を含む。前記スライダー4は、レール1に摺動可能に取り付けられる。前記スライダー4は、レール1において第1位置、及び第2位置を有する。前記位置規制部材は位置規制レール31であり、前記引張部材2は、スライダー4を引っ張って第1位置から第2位置に移動させることが可能である。前記減衰部材は、位置規制レール31、伸縮シリンダ32を含む。前記伸縮シリンダ32は、位置規制レール31に摺動可能に取り付けられる。位置規制レール31には、前記伸縮シリンダ32に対して第1リミット位置及び第2リミット位置が設けられる。前記圧縮面は側壁311であり、前記位置規制レール31には、レール1方向に対して交差角を有する側壁311が少なくとも1つ設けられる。レール1方向に対して交差角を有する前記側壁311は、第1リミット位置から第2リミット位置までに伸縮シリンダ32に向けて傾斜する。前記スライダー4は、第1位置から第2位置に摺動する過程において、伸縮シリンダ32を第1リミット位置から第2リミット位置に移動させ、前記移動過程において、伸縮シリンダ32の一端は、前記レール1方向に対して交差角を有する側壁311に当接する。
【0043】
好ましくは、図13図15に示すように、前記スライダー4は、前記伸縮シリンダ32に固定的に連結される。
【0044】
なお、図13図15に示すように、伸縮シリンダ32は、スライダー4の、位置規制レール31に近接する一端に取り付けられる。スライダー4は、第2位置に移動する過程において伸縮シリンダ32を押して第2リミット位置に移動させる。
【0045】
本発明の実施例では、位置規制レールの側壁を伸縮シリンダに当接させることで、伸縮シリンダの力を、伸縮シリンダが第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程の抵抗力に変換し、スライダーの第1位置から第2位置への摺動過程において抵抗力を付与して減衰作用を発揮するとともに、長尺のシリンダの利用を避けて減衰部材に必要なスペースを減らし、減衰付きスライドレールのサイズをさらに小さくし、省スペース化を図る。
【0046】
好ましくは、図16に示すように、前記スライダー4には、位置規制41が設けられ、前記スライドレール1にシュート11が設けられ、前記位置規制41の一端はシュート11内に挿入される。
【0047】
特に、図16に示すように、前記スライダー4には、円弧孔42が設けられる。前記位置規制41は、円弧孔42に摺動可能に取り付けられる。前記シュート11は、ストレート溝部111、折り曲げ部112を含む。前記ストレート溝部111の一端は、折り曲げ部112の一端に連結される。前記スライダー4が第1位置に位置する場合、前記折り曲げ部112は円弧孔と重なる。前記位置規制41は、円弧孔42に沿って摺動可能であり、摺動過程において前記位置規制41の一端が折り曲げ部112内に挿入される。
【0048】
なお、シュート11は、レール1の一端に固定される位置規制レール31に位置する。
【0049】
特に、図16に示すように、前記レール1には、摺動部材12がさらに設けられる。前記摺動部材12は、レール1に摺動可能に連結される。前記摺動部材12のスライダー4に向ける一端には、ガイド部材121が設けられる。前記ガイド部材121には、位置規制41に係合可能なガイド溝1211が設けられる。前記ガイド部材121がスライダー4に移動する過程において、前記位置規制41は、ガイド溝1211によって折り曲げ部112のストレート溝部111に近接する一端に摺動する。
【0050】
なお、図16に示すように、レール1は、伸縮レール構造であり、摺動部材12は、伸縮レール構造のインナーレールである。
【0051】
好ましくは、図17に示すように、前記伸縮シリンダ32はシリンダである。前記シリンダの両端は、位置規制レール31の2つの側壁に直接に当接する。
【0052】
好ましくは、図17に示すように、前記位置規制レール31は円錐形レールであるとともに、前記位置規制レール31の幅は、第1リミット位置から第2リミット位置へ徐々に狭くなる。前記伸縮シリンダ32が第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、前記伸縮シリンダ32の両端は、位置規制レール31の2つの側壁311にそれぞれ当接する。
【0053】
なお、図17に示すように、伸縮シリンダ32が第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、位置規制レールの幅が狭くなるため、伸縮シリンダ32が圧縮されて位置規制レール31の側壁311を付勢し、圧力を引張力と逆方向の抵抗力に変換して減衰作用を発揮する。
【0054】
好ましくは、図18に示すように、前記伸縮シリンダ32の少なくとも一端には、接触部材321が設けられる。前記伸縮シリンダ32は、接触部材321により位置規制レール31に当接する。
【0055】
なお、図18に示すように、接触部材321はスリーブ状構造であり、伸縮シリンダ32の両端に外嵌される。接触部材321は、プラスチック部材であってもよく、伸縮シリンダ32と位置規制レール31との接触面積を増やし、伸縮シリンダ32(シリンダ)の耐久性を向上させ、ピストンの損傷を回避することができる。
【0056】
特に、図18に示すように、前記接触部材321には、ボールがさらに設けられる。前記伸縮シリンダ32は、ボールにより位置規制レール31に当接する。
【0057】
なお、図18に示すように、ボールは、接触部材321内に係止されるとともに、接触部材321に対して摺動可能に連結される。
【0058】
本発明の実施例では、ボールにより接触部材と位置規制レールとの摩擦を低減し、接触部材の耐久性を向上させるとともに、伸縮シリンダの摺動性を向上させる。
【0059】
好ましくは、図17に示すように、前記減衰部材は、位置規制レール31に摺動可能に取り付けられる固定装置5をさらに含む。前記伸縮シリンダ32は、固定装置5内に挿入される。
【0060】
なお、図17図20に示すように、固定装置5は、スリーブ状構造であり、スライダー4と一体構造に形成される。伸縮シリンダ32は、固定装置5内に挿入されるとともに、その両端が固定装置5外に位置する。
【0061】
本発明の実施例では、固定装置により、伸縮シリンダをスライダーに安定して取り付けるとともに、伸縮シリンダの伸縮過程に影響を及ぼさない。
【0062】
好ましくは、図15に示すように、前記引張部材は2つである。2つの前記引張部材2は、スライダー4のレール1に近接する両辺にそれぞれ連結される。
【0063】
なお、引張部材2はバネである。
本発明の実施例では、2つの引張部材により、スライダーが受ける引張力を均一にし、スライダーの円滑な摺動を確保する。
【0064】
第3態様
本発明の第3態様は、直線押圧減衰スライドレールの実施例を提供し、図21図27に示すように、ハウジング1はレール1であり、前記レール1の少なくとも一端には、ダンパー設けられる。前記ダンパー、引張部材、減衰部材スライダー、当接部材24を含む。前記スライダーは、レール1に摺動可能に取り付けられる。前記スライダーは、レール1において第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材は、スライダーを引っ張って第1位置から第2位置に移動させることが可能である。前記位置規制部材は位置規制レール31であり、前記スライダーには、位置規制レール31が設けられる。前記圧縮面311は側壁311であり、前記位置規制レール31には、レール1方向に対して交差角を有する側壁311が少なくとも1つ設けられる。前記減衰部材、伸縮シリンダ32を含む。前記伸縮シリンダ32は、レール1に取り付けられる。前記レール1には、当接溝16が設けられる。前記当接部材24は、当接溝16内に摺動可能に取り付けられる。前記伸縮シリンダ32は、当接部材24により前記位置規制レール31に対して交差角を有する側壁311に当接する。前記当接溝16と前記位置規制レール31の、交差角を有する側壁311との間、及び前記当接溝16とレール1との間にいずれも傾斜角が生じる。当接溝16には、前記当接部材24に対して第1当接位置、及び第2当接位置が設けられる。前記スライダーは、第1位置から第2位置に摺動する過程において、当接部材24を第1当接位置から第2当接位置に摺動させる。前記当接部材24は、摺動過程において伸縮シリンダ32を圧縮する。前記当接溝16のレール1方向に投影した長さは、前記位置規制レール31の長さよりも短い。
【0065】
なお、伸縮シリンダ32の伸縮方向は、レール1の方向と同じである。
【0066】
スライダーが第1位置に位置する場合、図22図25に示すように、当接部材24は、当接溝16の第1当接位置に位置して伸縮シリンダ32の一端に当接する。引張部材がスライダーを第2位置に摺動させる場合、位置規制レール31は、当接部材24を押圧して当接溝16に沿って第2当接位置に摺動させ、当接部材24によって伸縮シリンダ32が圧縮されるが、伸縮シリンダ32の圧縮長さは、当接溝16の伸縮シリンダ32の伸縮方向への投影と関連する。当接溝16のレール1方向に投影した長さが位置規制レール31の長さ(位置規制レール31のレール1方向における長さ)よりも短いため、伸縮シリンダ32の圧縮長さは位置規制レール31の長さよりも短い。
【0067】
本発明の実施例では、当接部材を位置規制レールの側壁、伸縮シリンダにそれぞれ当接させることで、スライダーの移動時に、当接部材は、レール方向においてスライダーに対して移動して伸縮シリンダを圧縮し、伸縮シリンダの力を、スライダーが第1位置から第2位置に移動する過程の抵抗力に変換して減衰作用を発揮するとともに、長尺のシリンダの利用を避け、減衰部材に必要なスペースを減らし、直線押圧減衰スライドレールのサイズをさらに小さくし、省スペース化を図る。
【0068】
好ましくは、図23図26に示すように、前記スライダーには、位置規制部材31が設けられ、前記レール1には、シュート11が設けられ、前記位置規制部材31の一端は、シュート11内に挿入される。
【0069】
特に、図24に示すように、前記スライダーには、円弧孔42が設けられる。前記位置規制部材31は、円弧孔42に摺動可能に取り付けられる。前記シュート11は、ストレート溝部111、折り曲げ部112を含む。前記ストレート溝部111の一端は、折り曲げ部112の一端に連結される。前記スライダーが第1位置に位置する場合、前記折り曲げ部112は円弧孔42と重なる。前記位置規制部材31は、円弧孔42に沿って摺動可能であり、摺動過程において前記位置規制部材31の一端が折り曲げ部112内に挿入される。
【0070】
なお、図21図27に示すように、レール1には、固定部材13が設けられる。当接溝16、シュート11は、固定部材13に位置する。減衰部材、固定部材13に固定的に取り付けられる。
【0071】
特に、図21図27に示すように、前記レール1には、摺動部材12がさらに設けられる。前記摺動部材12は、レール1に摺動可能に連結される。前記摺動部材12のスライダーに向ける一端には、ガイド部材121が設けられる。前記ガイド部材121には、位置規制部材31に係合可能なガイド溝1211が設けられる。前記ガイド部材121がスライダーに移動する過程において、前記位置規制部材31は、ガイド溝1211によって折り曲げ部112のストレート溝部111に近接する一端に摺動する。
【0072】
なお、レール1は、伸縮レール構造であり、摺動部材12は、伸縮レール構造のインナーレールである。
【0073】
好ましくは、図21図27に示すように、前記伸縮シリンダ32には、接触部材321が設けられる。前記接触部材321には、接触面2221が設けられる。前記接触部材321は、接触面2221により当接部材24に当接する。前記接触面2221は、レール1方向に対して交差角を有する。
【0074】
好ましくは、図21図27に示すように、前記位置規制レール31は円錐形レールである。前記位置規制レール31の2つの側壁311は、いずれもレール1方向に対して交差角を有する。前記当接部材24は2つである。2つの前記当接部材24は、位置規制レール31の2つの側壁311にそれぞれ当接する。前記接触部材321には、2つの対称な接触面2221が設けられる。2つの前記接触面2221は、2つの当接部材24にそれぞれ当接する。
【0075】
なお、図25に示すように、当接部材24は、位置規制レール31により当接溝16に沿って摺動して接触部材321の接触面2221を押圧する。当接溝16と接触面2221との間に交差角が生じるため、接触部材321がレール1方向に沿って摺動するとともに、当接部材24が接触面2221に対して摺動する。
【0076】
特に、図21図27に示すように、前記接触部材321は、円錐形部材であり、2つの前記接触面2221は、円錐形部材の両辺である。
【0077】
スライダーが第1位置に位置する場合、図22図23に示すように、当接部材24は、当接溝16の第1当接位置に位置して接触部材321の広幅の一端に当接する。引張部材がスライダーを第2位置に摺動させる場合、位置規制レール31は当接部材24を押圧して当接溝16に沿って摺動させ、当接部材24が接触部材321を付勢して当接部材24を接触面2221に対して摺動させる。図25に示すように、スライダーが第2位置にある場合、当接部材24は、第2当接位置に位置し、その際、接触部材321の狭幅の一端(すなわち、円錐の頂点)に当接する。
【0078】
本発明の実施例では、当接部材を位置規制レールの側壁、接触部材にそれぞれ当接させることで、スライダーの移動時に、当接部材は、レール方向においてスライダーに対して移動して接触部材を圧縮し、接触部材の力を、スライダーが第1位置から第2位置に移動する過程の抵抗力に変換して減衰作用を発揮するとともに、長尺のシリンダの利用を避け、減衰部材に必要なスペースを減らし、直線押圧減衰スライドレールのサイズをさらに小さくし、省スペース化を図る。
【0079】
なお、図21図27に示すように、前記当接部材24は円柱形である。
【0080】
なお、当接部材24の一端は、当接溝16に摺動可能に連結される。
【0081】
特に、図27に示すように、前記接触部材321の一側には、円錐形係止部材2222が設けられる。前記スライダーには、円錐形係止溝233が設けられる。前記スライダーが第2位置に位置する場合、前記円錐形係止部材2222は、円錐形係止溝233に係合する。
【0082】
なお、図27に示すように、スライダーの一側には、円錐形係止溝233が設けられる。スライダーが第2位置に摺動する場合、円錐形係止部材2222は、円錐形係止溝233に対して摺動して係合することで、スライダーが必要以上に摺動しないことを確保する。
【0083】
好ましくは、図22に示すように、前記引張部材は2つである。2つの前記引張部材は、スライダーのレール1に近接する両辺にそれぞれ連結される。
なお、引張部材はバネである。
【0084】
本発明の実施例では、2つの引張部材により、スライダーが受ける引張力を均一にし、スライダーの円滑な摺動を確保する。
【0085】
第4態様
本発明の第4態様は、隠し減衰構造の実施例を開示し、図28図30に示すように、ハウジング1、ダンパーを含む。前記ダンパーは、引張部材2、減衰部材を含む。前記減衰部材は、ハウジング1内に摺動可能に取り付けられる。前記引張部材2は、ハウジング1、減衰部材にそれぞれ連結される。前記減衰部材は、ハウジング1内において第1位置、及び第2位置を有する。前記引張部材2は、減衰部材を引っ張って第1位置から第2位置に移動させる。前記減衰部材は、位置規制部材31、伸縮シリンダ32を含む。前記位置規制部材31内には、位置規制溝312が設けられる。前記伸縮シリンダ32は、位置規制溝内に摺動可能に取り付けられる。位置規制溝312内には、前記伸縮シリンダ32に対して第1リミット位置、第2リミット位置が設けられる。前記伸縮シリンダ32が第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、前記伸縮シリンダ32の少なくとも一端は、前記位置規制溝312の側壁に当接して圧縮する。前記ハウジング1には、ガイド溝1211がさらに設けられる。前記伸縮シリンダ32は、ガイド溝1211に摺動可能に連結される。前記ガイド溝1211は、減衰部材の移動方向に対して交差角を有する。前記伸縮シリンダ32は、前記減衰部材が第1位置にある場合に第1リミット位置に位置し、前記減衰部材が第2位置にある場合に第2リミット位置に位置する。
【0086】
好ましくは、図28図30に示すように、前記ハウジング1には、水平溝14が設けられる。前記減衰部材は、水平溝14に摺動可能に連結される。前記ガイド溝1211は、水平溝14に対して交差角を有する。
【0087】
なお、引張部材2はバネである。図32図33に示すように、減衰部材が第1位置から第2位置に移動する過程において、伸縮シリンダ32は、ガイド溝1211によって位置規制部材31内において上昇して第1リミット位置から第2リミット位置に移動する。伸縮シリンダ32は、移動時に圧縮されて位置規制溝312に対して逆方向の圧力を生じるとともに、ガイド溝1211により減衰部材の移動時の抵抗力に変換して減衰作用を発揮する。
【0088】
本発明の実施例では、ガイド溝構造を設置することで、伸縮シリンダが圧縮される場合に生じる力を、ダンパーが第1位置から第2位置に摺動する過程の抵抗力に変換して減衰作用を発揮することができる。さらに、ガイド溝により、伸縮シリンダの伸縮方向がダンパーの移動方向と異なり、従来のダンパーによるシリンダのサイズへの要求を低減し、減衰部材に必要なスペースを減らし、減衰構造のサイズを小さくする。
【0089】
なお、図28図30に示すように、前記ダンパーは、レバーをさらに含む。前記レバーは、減衰部材に取り付けられる。
【0090】
特に、図28図30に示すように、前記レバーは、減衰部材に回動可能に連結される。前記ハウジング1には、第1係止部材82が設けられる。前記減衰部材が第1位置に位置する場合、前記レバーは回動して第2係止部材81を第1係止部材82に係止させる。
【0091】
なお、図28図30に示すように、第2係止部材81は係止溝構造を有する。減衰部材が第1位置に位置する場合は、レバーを回動させて第2係止部材81を第1係止部材82に係合させ、減衰部材を第1位置に固定させることを確保する。
【0092】
好ましくは、図31に示すように、前記位置規制溝312は、台形溝である。前記位置規制溝312は、傾斜側壁を有する。前記位置規制溝312の幅は、第1リミット位置から第2リミット位置まで徐々に狭くなる。前記伸縮シリンダ32が第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、前記伸縮シリンダ32の少なくとも一端は、位置規制溝312の傾斜側壁に当接する。
【0093】
なお、図31に示すように、伸縮シリンダ32が第1リミット位置から第2リミット位置に移動する過程において、位置規制溝312の幅が狭くなり、伸縮シリンダ32が圧縮されて位置規制溝312の側壁を付勢し、圧力を引張力と逆方向の抵抗力に変換して減衰作用を発揮する。
【0094】
特に、図31に示すように、前記伸縮シリンダ32の少なくとも一端には、接触部材321が設けられる。前記伸縮シリンダ32は、接触部材321により位置規制溝312に当接する。
【0095】
なお、図31に示すように、接触部材321は、スリーブ状構造であり、伸縮シリンダ32の両端に外嵌される。接触部材321は、プラスチック部材であってもよく、伸縮シリンダ32と位置規制溝312との接触面積を増やし、伸縮シリンダ32(シリンダ)の耐久性を向上させ、ピストンの損傷を回避することができる。
【0096】
特に、前記接触部材321には、ボールがさらに設けられる。前記伸縮シリンダ32は、ボールにより位置規制溝312に当接する。
【0097】
なお、ボールは、接触部材321内に係止され、接触部材321に対して摺動可能に連結される。
【0098】
本発明の実施例では、ボールにより接触部材と位置規制溝との摩擦を低減し、接触部材の耐久性を向上させるとともに、伸縮シリンダの摺動性を向上させる。
【0099】
好ましくは、図31に示すように、前記減衰部材は、位置規制溝312内に摺動可能に取り付けられる固定スリーブ322をさらに含む。前記伸縮シリンダ32は、固定スリーブ322を内に挿入される。
【0100】
なお、図31に示すように、固定スリーブ322は、両端が開口するスリーブ構造である。伸縮シリンダ32は、固定スリーブ322内に挿入されるとともに、その両端が固定スリーブ322外に位置する。
【0101】
特に、図32及び図33に示すように、前記位置規制溝312の固定スリーブ322に連結する一側には、位置規制シュート3111が設けられる。前記固定スリーブ322は、位置規制シュート3111内に摺動可能に係止される。前記位置規制シュート3111の延在方向は、伸縮シリンダ32の位置規制部材31内における移動方向と同じである。
【0102】
なお、図32及び図33に示すように、位置規制溝312の固定スリーブ322に連結する一側には、凹む位置規制シュート3111構造が設けられる。固定スリーブ322の一側は位置規制シュート3111内に摺動可能に係止されることで、固定スリーブ322を位置規制シュート3111の延在方向のみに沿って移動させる。
【0103】
特に、図31に示すように、前記固定スリーブ322には、ガイド柱3221が設けられる。前記ガイド柱3221は、ガイド溝1211内に挿入される。
【0104】
なお、図31に示すように、位置規制溝312には、位置規制シュート3111の延在方向と同じの長円孔3112が設けられる。固定スリーブ322のガイド柱3221は、長円孔3112を貫通してガイド溝1211内に挿入される。ダンパーの移動時に、長円孔3112はガイド溝1211と重なって位置規制孔構造を形成する。
【0105】
本発明の実施例では、長円孔によりダンパーの移動時に、長円孔がガイド溝に合わせて位置規制孔構造を形成し、ガイド柱が位置規制孔構造によって伸縮シリンダを第1リミット位置から第2リミット位置に移動させる。
【0106】
好ましくは、本発明に係る隠し減衰構造は、伸縮レールに係合可能である。図34及び図35に示すように、伸縮レールは、アウターレール91、インナーレール92を含む。第1係止部材82は、水平溝14の一端の傾斜溝構造であり、第2係止部材81は、水平溝14内に摺動可能に取り付けられる。第2係止部材81は、水平溝14の一端まで摺動すると、回動して第1係止部材82の傾斜溝構造内に滑り込んで係止を実現する。
【0107】
以上の実施例は、本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。上記の実施例を参照しながら本発明を詳細に説明した。ただ、本領域の当業者は、本発明の明細書を精読した後に本発明の具体的な実施形態を修正や同等置き換え可能であるが、これらの修正や変更は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
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