IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ WOTA株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-判定装置及び判定方法 図1
  • 特許-判定装置及び判定方法 図2
  • 特許-判定装置及び判定方法 図3
  • 特許-判定装置及び判定方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】判定装置及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20240517BHJP
   G01N 21/15 20060101ALI20240517BHJP
   C02F 1/00 20230101ALI20240517BHJP
【FI】
G01N21/59 J
G01N21/15
C02F1/00 V
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023174174
(22)【出願日】2023-10-06
【審査請求日】2023-10-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 京柱
(72)【発明者】
【氏名】吉田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】向原 穂高
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00058576(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0156729(US,A1)
【文献】特開2011-106900(JP,A)
【文献】特開2023-001969(JP,A)
【文献】特開2022-059278(JP,A)
【文献】特開平05-045213(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0278827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0041682(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0370287(US,A1)
【文献】中国実用新案第201488943(CN,U)
【文献】韓国登録特許第10-1748367(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00 - G01J 1/60
G01J 11/00
G01N 21/00 - G01N 21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一測定対象の所定の物理量を検出する同種の複数のセンサと、
前記同種の複数のセンサで検出された複数の検出値の相対的な変化量を算出する算出部と、
前記算出部で算出された所定時間における前記相対的な変化量を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定部と
を備える判定装置。
【請求項2】
前記同種の複数のセンサとは、以下の(1)及び/又は(2)である
請求項1に記載の判定装置。
(1)異なる測定レンジの同種センサを複数用いること。
(2)同じ測定レンジの同種センサを異なる距離又は抵抗値にして複数用いること。
【請求項3】
記相対的な変化量とは、相対差の変化量、相対比の変化量、対数比の変化量、微分値の変化量又は積分値の変化量であり、
前記判定部は、前記算出部で算出された前記相対的な変化量を用いて、前記劣化判定対象の劣化の程度を検出するように構成されている
請求項1又は2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記判定部は、所定時間における前記相対的な変化量が所定の閾値以上である場合に、前記劣化判定対象の異常の予兆及び/又は故障の予兆を検出するように構成されている
請求項1又は2に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記相対的な変化量を用いて、前記劣化判定対象の異常及び/又は故障を検出するように構成されている
請求項1又は2に記載の判定装置。
【請求項6】
同種の複数のセンサにより、同一測定対象の所定の物理量を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出された複数の検出値の相対的な変化量を算出する算出工程と、
前記算出工程で算出された所定時間における前記相対的な変化量を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定工程と
を含む判定方法。
【請求項7】
前記測定対象は、水処理装置の流路及び該流路を流れる流体であり、
前記検出工程は、複数の光源から前記流路に向けて照射された光を前記流路を介して複数の光センサにより受光する工程を含み、
前記算出工程は、前記検出工程で検出された複数の光量の相対的な変化量を算出する工程を含み、
前記判定工程は、前記算出工程で算出された前記相対的な変化量を用いて、前記水処理装置の劣化状態を判定する工程を含む
請求項6に記載の判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化判定対象の劣化状態を判定するための判定装置及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流路を介して互いに対向するように配置された光源及び光センサを備え、光センサにより流路を透過した光の光量を検出することで、流路を流れる水の濁度を検出する検出方法が知られている(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-61217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検出方法では、流路や光センサに汚れが付着した場合や、流路や光センサに傷が付いた場合には、光センサによる光量の検出精度が低下するという問題がある。また、汚れや傷は、日々の使用によって徐々に蓄積されるものであることから、光センサによる光量の検出がより一層困難になるという問題もある。
【0005】
このような問題、すなわち、汚れや傷等によってセンサの検出精度が低下することは光センサに限られたものではなく、種々の公知のセンサにも該当するものである。これに対し、本発明者らは、同種のセンサを複数用いると共に、各センサで検出された検出値を用いることで、劣化判定対象の劣化状態を判定することができることを見出した。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、劣化判定対象の劣化状態を判定することが可能な判定装置及び判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る判定装置は、同一測定対象の所定の物理量を検出する同種の複数のセンサと、前記同種の複数のセンサで検出された複数の検出値を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定部とを備える。
【0008】
本発明に係る判定装置において、前記同種の複数のセンサとは、以下の(1)及び/又は(2)であることが好ましい。
(1)異なる測定レンジの同種センサを複数用いること。
(2)同じ測定レンジの同種センサを異なる距離又は抵抗値にして複数用いること。
【0009】
本発明に係る判定装置において、前記同種の複数のセンサで検出された複数の検出値の相対的な変化量を算出する算出部を更に備え、前記判定部は、前記算出部で算出された前記変化量を用いて、前記劣化判定対象の劣化の程度を検出するように構成されていても良い。
【0010】
本発明に係る判定装置において、前記判定部は、所定時間における前記変化量が所定の閾値以上である場合に、前記劣化判定対象の異常の予兆及び/又は故障の予兆を検出するように構成されていることが好ましい。
【0011】
本発明に係る判定装置において、前記判定部は、前記変化量を用いて、前記劣化判定対象の異常及び/又は故障を検出するように構成されていても良い。
【0012】
また、本発明に係る判定方法は、同種の複数のセンサにより、同一測定対象の所定の物理量を検出する検出工程と、前記検出工程で検出された複数の検出値を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定工程とを含む。
【0013】
本発明に係る判定方法において、前記測定対象は、流路及び該流路を流れる流体であり、前記検出工程は、複数の光源から前記流路に向けて照射された光を前記流路を介して複数の光センサにより受光する工程を含み、前記判定工程は、前記検出工程で検出された複数の光量を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する工程を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明の判定装置及び判定方法によれば、劣化判定対象の劣化状態を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る判定装置の構成を示すブロック図である。
図2】複数のセンサで検出された複数の検出値の相対的な変化量を示すグラフである。
図3】本実施形態に係る判定装置の一例の構成を示す概略図である。
図4】本実施形態に係る判定装置の一例における制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
【0017】
[判定装置の全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係る判定装置1は、同一測定対象の所定の物理量を検出する同種の複数のセンサ10と、該複数のセンサ10に接続された制御装置20とを備えている。
【0018】
本明細書において、「同種の複数のセンサ」とは、以下の(1)及び/又は(2)をいう。
(1)異なる測定レンジの同種センサを複数用いること。
(2)同じ測定レンジの同種センサを異なる距離又は抵抗値にして複数用いること。
【0019】
また、本明細書において、「所定の物理量」とは、センサ10として採用されるセンサに応じて変化するものである。例えば、センサ10として光センサを採用した場合には光量が所定の物理量となり、センサ10として熱電対等の温度センサを採用した場合には温度が所定の物理量となる。
【0020】
上述したとおり、センサ10は、同一測定対象の所定の物理量を検出するように構成されている。センサ10としては、種々の公知のセンサを採用することができ、例えば、光センサや熱電対等の温度センサ、圧力センサ等を採用することができる。
【0021】
図1に示すように、制御装置20は、各センサ10が検出した検出値情報を各センサ10からそれぞれ取得する取得部21と、閾値情報を格納する記憶部22と、同種の複数のセンサ10で検出された複数の検出値の相対的な変化量を算出する算出部23とを有している。
【0022】
記憶部22は、取得部21が取得した各検出値情報を格納するように構成されている。また、記憶部22は、閾値情報として第1閾値情報と第2閾値情報とを格納するように構成されている。ここで、第1閾値情報とは、後述する判定部24が後述する劣化判定対象に異常の予兆及び/又は故障の予兆があるか否かを判定するために用いる基準値(予兆判定閾値)に関する情報である。また、第2閾値情報とは、判定部24が劣化判定対象に異常及び/又は故障があるか否かを判定するために用いる基準値(故障判定閾値)に関する情報である。第2閾値情報(故障判定閾値)は、任意に設定可能であり、第1閾値情報(予兆判定閾値)は、第2閾値情報(故障判定閾値)よりも早期に検知可能な閾値の範囲内において、任意に設定可能である。
【0023】
図2に示すように、算出部23は、記憶部22に格納された各検出値情報に基づいて、各センサ10で検出された各検出値(図示の例では、検出値1及び検出値2)の相対的な変化量を算出するように構成されている。ここで、「相対的な変化量」とは、例えば、相対差、相対比、対数比の変化量、微分値の変化量又は積分値の変化量等があるが、特に対数比の変化量が好ましい。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る制御装置20は、同種の複数のセンサ10で検出された複数の検出値を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定部24を更に有している。
【0025】
本明細書において、「劣化判定対象」とは、測定対象と、センサ10自体と、測定対象を含む装置(例えば、水処理装置等)等における測定対象以外の任意の部位との少なくとも1つをいう。また、本明細書において、「劣化」とは、例えば、汚れによる劣化、傷や摩耗による劣化及び経年劣化等を包含する用語である。
【0026】
判定部24は、算出部23で算出された各検出値の相対的な変化量を用いて、劣化判定対象の劣化の程度を検出するように構成されている。すなわち、判定部24は、図2に示す変化量1のように、算出部23で算出された各検出値の所定時間における相対的な変化量が小さい場合(グラフの傾きが小さい場合)には、劣化判定対象の劣化の程度が小さいと判定する。一方、判定部24は、図2に示す変化量2のように、算出部23で算出された各検出値の所定時間における相対的な変化量が大きい場合(グラフの傾きが大きい場合)には、劣化判定対象の劣化の程度が大きいと判定する。
【0027】
また、判定部24は、算出部23で算出された各検出値の相対的な変化量を用いて、劣化判定対象の異常の予兆及び/又は故障の予兆を検出するように構成されている。具体的には、判定部24は、記憶部22に格納された第1閾値情報及び第2閾値情報と、算出部23で算出された各検出値の相対的な変化量とに基づいて、算出部23で算出された各検出値の所定時間における相対的な変化量が予兆判定閾値以上かつ故障判定閾値未満である場合に、劣化判定対象の異常の予兆及び/又は故障の予兆を検出するように構成されている。
【0028】
さらに、判定部24は、算出部23で算出された各検出値の相対的な変化量を用いて、劣化判定対象の異常及び/又は故障を検出するように構成されている。具体的には、判定部24は、記憶部22に格納された第2閾値情報と、算出部23で算出された各検出値の相対的な変化量とに基づいて、算出部23で算出された各検出値の所定時間における相対的な変化量が故障判定閾値以上である場合に、劣化判定対象の異常及び/又は故障を検出するように構成されている。
【0029】
なお、制御装置20は、上述した取得部21、記憶部22、算出部23及び判定部24に加えて、判定部24で検出された劣化判定対象の劣化の程度等を表示可能な表示部を備えていても良い。
【0030】
[判定装置の一例]
次に、本実施形態に係る判定装置1の一例として、判定装置100の構成について説明をする。図3に示すように、判定装置100は、流路Fに向けて光を照射する複数の光源110と、複数の光源110から照射された光を流路Fを介して受光する複数の光センサ120と、複数の光センサ120と電気的に接続された制御装置130とを備えている。
【0031】
なお、判定装置100の説明において、測定対象は流路F及び該流路Fを流れる流体であり、劣化判定対象は流路F及び光センサ120であり、所定の物理量及び検出値は光量(光の強度又は測定値と表現されても良い)であり、センサ10は光センサ120である。また、判定装置100の説明において、光センサ120は、後述するように、同じ測定レンジの光センサ120を異なる距離にして複数用いている。さらに、判定装置100の説明において、相対的な変化量は、後述するように、対数比(log値)の変化量である。
【0032】
図3に示すように、光源110は、第1光源110Aと第2光源110Bとを有している。第1光源110A及び第2光源110Bは、例えば、LED等の任意の発光素子を有している。なお、第1光源110Aが有する発光素子と第2光源110Bが有する発光素子とは、同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0033】
図3に示すように、光センサ120は、第1光センサ120Aと第2光センサ120Bとを有している。第1光センサ120A及び第2光センサ120Bは、例えば、フォトダイオード等の任意の受光素子を有しており、かつ、同じ測定レンジを有している。第1光センサ120Aは、第1光源110Aから照射され、流路Fを透過した光を受光するように構成されている。同様に、第2光センサ120Bは、第2光源110Bから照射され、流路Fを透過した光を受光するように構成されている。なお、第1光センサ120Aが有する受光素子と第2光センサ120Bが有する受光素子とは、同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0034】
第1光源110A及び第1光センサ120Aと、第2光源110B及び第2光センサ120Bとは、第2光源110Bから第2光センサ120Bに至る光路長が第1光源110Aから第1光センサ120Aに至る光路長よりも長くなるように配置されている。
【0035】
図4に示すように、制御装置130は、第1光センサ120A及び第2光センサ120Bが検出した光量情報を第1光センサ120A及び第2光センサ120Bから取得する取得部131と、閾値情報を格納する記憶部132と、第1光センサ120Aで検出された光量及び第2光センサ120Bで検出された光量の対数比の変化量を算出する算出部133とを有している。
【0036】
記憶部132は、取得部131が取得した光量情報を格納するように構成されている。また、記憶部132は、閾値情報として第1閾値情報と第2閾値情報とを格納するように構成されている。算出部133は、記憶部132に格納された光量情報に基づいて、第1光センサ120Aで検出された光量と、第2光センサ120Bで検出された光量との対数比の変化量を算出するように構成されている。
【0037】
図4に示すように、制御装置130は、第1光センサ120Aで検出された光量と、第2光センサ120Bで検出された光量とを用いて、流路Fの劣化状態を判定する判定部134を更に有している。判定部134は、算出部133で算出された対数比の変化量を用いて、流路Fの劣化の程度を検出するように構成されている。
【0038】
また、判定部134は、算出部133で算出された対数比の変化量を用いて、流路Fの異常及び/又は故障の予兆を検出するように構成されている。具体的には、判定部134は、記憶部132に格納された第1閾値情報及び第2閾値情報と、算出部133で算出された対数比の変化量とに基づいて、算出部133で算出された対数比の所定時間における変化量が予兆判定閾値以上かつ故障判定閾値未満である場合に、流路Fの異常及び/又は故障(傷や汚れ蓄積等の発生)や光センサ120の異常及び/又は故障等の予兆を検出するように構成されている。
【0039】
さらに、判定部134は、算出部133で算出された対数比の変化量を用いて、流路Fの異常及び/又は故障を検出するように構成されている。具体的には、判定部134は、記憶部132に格納された第2閾値情報と、算出部133で算出された対数比の変化量とに基づいて、算出部133で算出された対数比の所定時間における変化量が故障判定閾値以上である場合に、流路Fの異常及び/又は故障(傷や汚れ蓄積等の発生)や光センサ120の異常及び/又は故障等を検出するように構成されている。
【0040】
[判定方法]
次に、本実施形態に係る判定装置1を用いた判定方法について説明する。
【0041】
[検出工程]
先ず、検出工程において、同種の複数のセンサ10により、同一測定対象の所定の物理量を検出する。
【0042】
[取得工程、記憶工程及び算出工程]
次に、取得工程において、各センサ10が検出した検出値情報を取得部21が各センサ10からそれぞれ取得する。その後、記憶工程において、取得部21が取得した各検出値情報を記憶部22が格納する。そして、算出工程において、記憶部22に格納された各検出値情報に基づいて、算出部23が各センサ10で検出された各検出値の相対的な変化量を算出する。
【0043】
[判定工程]
最後に、判定工程において、検出工程で検出された複数の検出値を用いて、判定部24が劣化判定対象の劣化状態を判定する。具体的には、判定部24は、算出部23で算出された各検出値の相対的な変化量を用いて、劣化判定対象の劣化の程度や、異常の予兆及び/又は故障の予兆、異常及び/又は故障の発生を検出する。
【0044】
[本実施形態に係る判定装置の利点]
このように、本実施形態に係る判定装置1は、同一測定対象の所定の物理量を検出する同種の複数のセンサ10と、同種の複数のセンサ10で検出された複数の検出値を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定部24とを備えている。
【0045】
このような構成を備える判定装置1によれば、簡易な構成で、劣化判定対象の劣化状態を判定することができるという利点がある。また、同種の複数のセンサ10を備えるだけで良いため、設備コストを過度に高めることなく導入することができるという利点がある。
【0046】
また、本実施形態に係る判定装置1は、同種の複数のセンサ10で検出された複数の検出値の相対的な変化量を算出する算出部23を更に備え、判定部24は、算出部23で算出された変化量を用いて、劣化判定対象の劣化の程度を検出するように構成されている。このような構成を備える判定装置1によれば、検出実測値(絶対値)では判別できないような劣化の初期段階における僅かな変化を精度よく捉え、検出精度を向上させることができるという利点がある。
【0047】
さらに、本実施形態に係る判定装置1において、判定部24は、所定時間における変化量が所定の閾値以上である場合に、劣化判定対象の異常の予兆及び/又は故障の予兆を検出するように構成されている。このような構成を備える判定装置1によれば、算出部23で算出される相対的な変化量の変化傾向から、劣化判定対象に生じる劣化状態の原因を推定することができる。例えば、算出部23で算出される相対的な変化量の変化傾向が通常の変化傾向から逸脱している場合に、劣化判定対象における異常の予兆及び/又は故障の予兆を検知することができる。このように、上記の構成を備える判定装置1によれば、劣化判定対象の劣化状態のみならず、劣化判定対象の異常の予兆及び/又は故障の予兆も検出することができ、異常及び/又は故障が実際に発生する前に対処することが可能となるため、利便性が高いという利点がある。
【0048】
また、本実施形態に係る判定装置1において、判定部24は、変化量を用いて、劣化判定対象の異常及び/又は故障を検出するように構成されている。このような構成を備える判定装置1によれば、上述したとおり、算出部23で算出される相対的な変化量の変化傾向から、劣化判定対象に生じる劣化状態の原因を推定することができる。すなわち、劣化判定対象の劣化状態のみならず、劣化判定対象の異常及び/又は故障も検出することができるため、利便性が高いという利点がある。
【0049】
さらに、本実施形態に係る判定装置1によれば、特に循環型の水処理装置内において発生した劣化状態や劣化の程度を判定し、早期に異常及び/又は故障を予知することが容易となり、水処理装置の適宜適切なメンテナンスによる故障回避と安定運用が可能になるという利点がある。
【0050】
[変形例]
本発明に係る判定装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、判定部24は、算出部23で算出された変化量を用いて、劣化判定対象の劣化の程度と、異常の予兆及び/又は故障の予兆と、異常及び/又は故障とを検出するものとして説明をしたが、これに限定されず、例えば、複数のセンサ10で検出された複数の検出値を用いて、AI判定を行う構成としても良い。
【0052】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0053】
1 :判定装置
10 :センサ
20 :制御装置
21 :取得部
22 :記憶部
23 :算出部
24 :判定部
100 :判定装置
110 :光源
110A :第1光源
110B :第2光源
120 :光センサ
120A :第1光センサ
120B :第2光センサ
130 :制御装置
131 :取得部
132 :記憶部
133 :算出部
134 :判定部
F :流路

【要約】
【課題】劣化判定対象の劣化状態を判定することが可能な判定装置及び判定方法を提供する。
【解決手段】同一測定対象の所定の物理量を検出する同種の複数のセンサと、同種の複数のセンサで検出された複数の検出値を用いて、劣化判定対象の劣化状態を判定する判定部とを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4