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特許7489748開閉制御装置、車両、開閉制御方法、および、開閉制御プログラム
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  • 特許-開閉制御装置、車両、開閉制御方法、および、開閉制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】開閉制御装置、車両、開閉制御方法、および、開閉制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/074 20060101AFI20240517BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20240517BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B60R1/074
B60R99/00 330
B60W30/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020147526
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2022042212
(43)【公開日】2022-03-14
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福本 賢
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-094169(JP,A)
【文献】特開2020-040517(JP,A)
【文献】特開昭61-146653(JP,A)
【文献】特開2003-104123(JP,A)
【文献】特開昭61-046739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/074
B60R 99/00
B60W 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースに車両が自動で入出庫する際に前記車両の側方空間の空き具合を示す情報を取得する情報取得部と、
前記空き具合を示す情報に基づいて、前記車両の側面に設けられる車体外後写装置の開閉を自動入出庫中に行う制御部と、
自動入庫中に人が乗車しているか否かを検知する検知部と、
を備え、
前記制御部は、自動入庫中に人が乗車していない場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行い、自動入庫中に人が乗車している場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行わない
開閉制御装置。
【請求項2】
前記情報取得部はさらに、前記車両の経路情報を取得し、
前記制御部は、前記空き具合を示す情報に基づき前記駐車スペースの幅が所定の閾値以下であり、かつ、前記経路情報に基づき前記車両が自動入庫時の入庫経路における最終の直進経路を走行していると判断した場合に、前記車体外後写装置を前記自動入庫中に前記開状態から前記閉状態とする制御を行う、
請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項3】
前記車両が入庫する場合において、前記側方空間の空き具合は、前記車両が入庫する駐車枠の両隣りの駐車枠に、駐車している車両間の距離に基づく請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項4】
前記車両が出庫する場合において、前記側方空間の空き具合は、前記車両と隣接車両との間の距離に基づく請求項1に記載の開閉制御装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記車両の速度情報を取得し、前記制御部は、前記空き具合を示す情報、および、前記速度情報に基づいて、前記車体外後写装置の前記自動入出庫中に前記開状態から前記閉状態とする制御を行う請求項1~のいずれか一項に記載の開閉制御装置。
【請求項6】
前記車体外後写装置は、サイドミラーである請求項1~5のいずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項7】
前記車体外後写装置は、カメラである請求項1~5のいずれか1項に記載の開閉制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記カメラの開閉動作中には、前記カメラの映像を表示装置に表示させ
ない請求項7に記載の開閉制御装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の開閉制御装置を備える車両。
【請求項10】
駐車スペースに車両が自動で入出庫する際に前記車両の側方空間の空き具合を示す情報を取得する情報取得ステップと、
前記空き具合に基づいて、前記車両の側面に設けられ、車体外後写装置の開閉を自動入出庫中に行う制御ステップと、
自動入庫中に人が乗車しているか否かを検知する検知ステップと、
を含み、
前記制御ステップでは、自動入庫中に人が乗車していない場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行い、自動入庫中に人が乗車している場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行わない
開閉制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
駐車スペースに車両が自動で入出庫する際に前記車両の側方空間の空き具合を示す情報を取得する情報取得手順と、
前記空き具合に基づいて、前記車両の側面に設けられ、車体外後写装置の開閉を自動入出庫中に行う制御手順と、
自動入庫中に人が乗車しているか否かを検知する検知手順と、
を実行させ、
前記制御手順では、自動入庫中に人が乗車していない場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行い、自動入庫中に人が乗車している場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行わない
開閉制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サイドミラーやサイドカメラなどの車体外後写装置の開閉を制御する開閉制御装置、車両、開閉制御方法、および、開閉制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の側方に設けられたサイドミラーを開閉する電動開閉式サードミラーが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、自動駐車システムを備えた車両において、運転モードが手動運転モードから自動運転モードに切り替えられたときにサイドミラーを自動的に閉じるサイドミラー制御装置が開示されている。
【0004】
具体的には、運転モードが手動運転モードから自動運転モードに切り替えられたときに、サイドミラーを自動的に閉じ、その後、自動駐車システムにより所定の駐車枠に車両を自動的に駐車させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-94169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の従来技術では、自動駐車を行う前にサイドミラーを閉じるため、サイドミラーが閉じるまで待ち時間が発生し、迅速な自動駐車を行うことが難しいという課題があった。
【0007】
本開示発明の目的は、迅速な自動入出庫を行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る開閉制御装置は、駐車スペースに車両が自動で入出庫する際に車両の側方空間の空き具合を示す情報を取得する情報取得部と、空き具合を示す情報に基づいて、車両の側面に設けられ、車体外後写装置の開閉を自動入出庫中に行う制御部と、自動入庫中に人が乗車しているか否かを検知する検知部と、を備え、前記制御部は、自動入庫中に人が乗車していない場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行い、自動入庫中に人が乗車している場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行わない。
【0009】
また、本開示の一態様に係る車両は、上記開閉制御装置を備える。
【0010】
また、本開示の一態様に係る開閉制御方法は、駐車スペースに車両が自動で入出庫する際に車両の側方空間の空き具合を示す情報を取得する情報取得ステップと、空き具合を示す情報に基づいて、車両の側面に設けられ、車体外後写装置の開閉を自動入出庫中に行うる制御ステップと、自動入庫中に人が乗車しているか否かを検知する検知ステップと、を含み、前記制御ステップでは、自動入庫中に人が乗車していない場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行い、自動入庫中に人が乗車している場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行わない
【0011】
また、本開示の一態様に係る開閉制御プログラムは、コンピュータに、駐車スペースに車両が自動で入出庫する際に車両の側方空間の空き具合を示す情報を取得する情報取得手順と、空き具合を示す情報に基づいて、車両の側面に設けられ、車体外後写装置の開閉を自動入出庫中に行う制御手順と、自動入庫中に人が乗車しているか否かを検知する検知手順と、を実行させ、前記制御手順では、自動入庫中に人が乗車していない場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行い、自動入庫中に人が乗車している場合、前記車体外後写装置を自動入庫中に開状態から閉状態とする制御を行わない
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、迅速な自動入出庫を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施の形態に係る車両の入出庫中の動作例を示す図
図2】本開示の実施の形態に係る開閉制御システムの構成例を示すブロック図
図3】本開示の実施の形態に係る車両の自動入庫時における開閉制御処理の処理手順の一例を示すフローチャート
図4】本開示の実施の形態に係る車両の自動出庫時における開閉制御処理の処理手順の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0015】
まず、本開示の実施の形態に係る車両10の入出庫中の動作について、図1を用いて説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る車両10の入出庫中の動作例を示す図である。なお、本明細書では、入出庫は車庫への駐車または発車を一例として説明するが、入出庫は車庫への駐車または発車に限定されず、駐車枠への駐車または発車でもよい。
【0016】
図1には、駐車スペースSと、駐車スペースSに自動出入庫する車両10とを真上からみた状態が示されている。また、矢印Lは、出入庫する車両10の移動方向を示している。なお、本明細書における前後左右は、車両10の前方を向いて運転者が座ったときの運転者の向きを基準に決定されるものとする。
【0017】
図1に示すように、車両10は、車両10の右側に車体外後写装置100R、左側に車体外後写装置100Lを備える。
【0018】
車体外後写装置100R,100Lは、車両10の側面よりも外側に突出して設けられている。
【0019】
この車体外後写装置100R,100Lは、例えば、車両10の後方を写すサイドミラーである。車体外後写装置100Rが写す後方領域には、車両10の右斜め後方の領域を含んでいてもよく、車体外後写装置100Lが写す後方領域には、車両10の左斜め後方の領域を含んでいてもよい。
【0020】
なお、ここでは、車体外後写装置100R,100Lがサイドミラーである場合について説明するが、車体外後写装置100R,100Lは車両10の後方を撮影するサイドカメラであってもよい。
【0021】
車体外後写装置100R,100Lがサイドカメラである場合、サイドカメラは後方だけでなく前方を撮影し、例えば車内の表示装置(図示せず)にサイドカメラが撮影した映像を表示してもよい。
【0022】
車体外後写装置100R、100Lは、図2を用いて後に詳しく説明する開閉制御装置600により制御され、開状態から閉状態へ、または、閉状態から開状態へ状態が変化する。
【0023】
ここで、車体外後写装置100R,100Lは、車両10が駐車スペースSの外にある場合には、後方の安全を確認するために開状態であることが好ましい。また、車体外後写装置100R,100Lがサイドカメラである場合には、後方にある物体の検知精度も高くなる。
【0024】
また、車体外後写装置100R,100Lは、車両10が駐車スペースSの内にあるときには、駐車スペースSの壁、人、または物などにぶつからないように閉状態であることが好ましい。
【0025】
つぎに、本開示の実施の形態に係る開閉制御システム700の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本開示の実施の形態に係る開閉制御システム700の構成例を示すブロック図である。
【0026】
図2に示すように、この開閉制御システム700では、開閉制御装置600は、車体外後写装置100R,100L、幅検知装置200、舵角検知装置300、乗員検知装置400、自動運転制御装置500に接続されている。
【0027】
幅検知装置200は、車体10の側方にある物体との間の幅を検知するセンサである。例えば、幅検知装置200は、車両10の側面に設けられるソナーやカメラである。
【0028】
この幅は、車両10の側方空間の空き具合を示す情報の一種である。車両10の側方空間の空き具合は、入庫時と出庫時とでは異なる。自動入庫時における、車両10の側方の空き具合は、例えば車両10が駐車する駐車枠の両隣の駐車枠に駐車している車両間の幅をいう。また、自動出庫時における、車両10の側方の空き具合は、例えば車両10と隣接車両との間の距離をいう。また、舵角検知装置300は、車両10のハンドルの舵角を検知するセンサである。
【0029】
乗員検知装置400は、車両10に人が乗車しているか否かを検出するセンサである。例えば、乗員検知装置400は、赤外線センサや超音波センサ、重量センサなどのセンサである。
【0030】
自動運転制御装置500は、駐車スペースSの外から駐車スペースSの内まで、車両10を制御して自動走行させる装置である。また、自動運転制御装置500は、駐車スペースSの内から駐車スペースSの外まで、車両10を制御して自動走行させる。
【0031】
開閉制御装置600は、情報取得部601、検知部602、制御部603を備える。
【0032】
情報取得部601は、幅検知装置200により検知された駐車スペースSの幅の情報を取得する。また、情報取得部601は、舵角検知装置300により検知されたハンドルの舵角の情報を取得する。
【0033】
さらに、情報取得部601は、自動運転制御装置500から車両10の速度の情報を取得する。また、情報取得部601は、自動運転制御装置500から、車両10の経路情報を取得する。
【0034】
例えば、車両10の経路情報には、入出庫時に車両10が直進するか否かを示す情報や、入庫予定の駐車スペースSの幅の情報が含まれる。ここで、入庫予定の駐車スペースSの幅の情報は、車両10の側方空間の空き具合を示す情報の一種である。
【0035】
検知部602は、乗員検知装置400の出力信号に基づいて、車両10に人が乗車しているか否かを検知する。
【0036】
制御部603は、例えば情報取得部601が取得した駐車スペースSの幅の情報に基づいて、車体外後写装置100R,100Lの自動入出庫中の開閉動作を制御する。
【0037】
例えば、制御部603は、駐車スペースSの幅が所定の閾値以下である場合に、自動入庫中の車体外後写装置100R,100Lの開閉動作を制御する。
【0038】
具体的には、制御部603は、駐車予定である駐車スペースSの幅が所定の閾値以下ある場合に、車両10が自動入庫している最中に、車両10の車体外後写装置100R,100Lが開状態から閉状態となるよう開閉動作を制御する。
【0039】
また、制御部603は、車両10が自動出庫している最中に、車両10の側方空間の空き具合が所定の閾値以上となった場合に、車両10の車体外後写装置100R,100Lが閉状態から開状態となるよう開閉動作を制御する。上述したように、自動入庫時における車両10の側方の空き具合は、例えば車両10が駐車する駐車枠の両隣の駐車枠に駐車している車両間の幅をいう。また、自動出庫時における車両10の側方の空き具合は、例えば車両10と隣接車両との間の距離をいう。
【0040】
また、制御部603は、複数種類の情報に基づいて、車体外後写装置100R,100Lの自動入出庫中の開閉動作を制御してもよい。
【0041】
例えば、制御部603は、駐車スペースSの幅および自動駐車の経路情報に基づいて、車体外後写装置100R,100Lの自動入出庫中の開閉動作を制御してもよい。
【0042】
具体的には、制御部603は、車両10が自動入庫時の最終段階である直進経路を走行しており、かつ、駐車予定の駐車スペースSの幅が所定の閾値以下である場合に、自動入庫中に車体外後写装置100R,100Lが開状態から閉状態となるよう開閉動作を制御してもよい。
【0043】
これは、自動駐車の経路が直進経路となるまでは、車体外後写装置100R,100Lを開状態としておいた方が車両10の後方をよく認識でき、安全であるためである。すなわち、車体外後写装置100R,100Lがサイドカメラである場合、サイドカメラは開状態において写す領域が最も広くなるように設置されているので、車体外後写装置100R,100L(サイドカメラ)を開状態としておくと安全であるためである。例えば、サイドカメラが開状態である場合、後方だけでなく前方も写すことができる。
【0044】
また、制御部603は、自動出庫中、ハンドルの舵角が所定の閾値以下で、かつ、車両10の側方空間の幅が所定の閾値以上となった場合に、自動出庫中に車体外後写装置100R,100Lが閉状態から開状態となるよう開閉動作を制御してもよい。
【0045】
さらに、制御部603は、上述した各情報にさらに車両10の速度情報を組み合わせて、車体外後写装置100R,100Lの自動入出庫中の開閉動作を制御してもよい。
【0046】
例えば、制御部603は、自動入出庫中、上述した車体外後写装置100R,100Lの開閉状態を変更する条件を満たし、かつ、車両10の速度が所定の速度以下である場合にのみ、車体外後写装置100R,100Lの開閉状態が変更されるよう制御を行ってもよい。
【0047】
また、車体外後写装置100R,100Lがサイドカメラである場合、車体外後写装置100R,100Lの開閉動作中にはバードビューなどが乱れ、入庫時に検知した駐車スペースSの幅の検知位置を誤るおそれがあるため、制御部603は、サイドカメラが写した画像を表示装置に表示させない。
【0048】
さらに、制御部603は、検知部602が自動入庫中に人が乗車していないことを検知した場合に、車体外後写装置100R,100Lを自動入庫中に開状態から閉状態とする上述したような制御を行い、検知部602が自動入庫中に人が乗車していることを検知した場合に、当該制御を行わないこととしてもよい。
【0049】
これにより、人が乗車している場合には車体外後写装置100R,100Lを開状態に維持できるので、後方確認が容易となり安全性を高めることができる。
【0050】
また、車体外後写装置100R,100Lを閉状態となるのは駐車スペースが狭い場合であるので、人が乗車している場合には人が下車できないことも考えられる。
【0051】
そのため、人が乗車している場合は、制御部603は、自動入庫を行う前に、スピーカ(図示せず)による音声出力やディスプレイ(図示せず)による表示により人に下車を促して車両10を無人にし、その後自動入庫を開始して車体外後写装置100R,100Lを閉状態としてもよい。
【0052】
つぎに、本開示の実施の形態に係る車両10の自動入庫時における開閉制御処理の処理手順について説明する。図3は、本開示の実施の形態に係る車両10の自動入庫時における開閉制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0053】
まず、開閉制御装置600の情報取得部601は、駐車予定の駐車スペースSの幅の情報を自動運転制御装置500から取得する(ステップS10)。
【0054】
つぎに、自動運制御装置500は、車両10を制御して自動入庫を開始する(ステップS11)。
【0055】
その後、開閉制御装置600の制御部603は、現時点で走行している駐車スペースSへの入庫経路が入庫の最終段階である直進経路で、かつ、駐車予定の駐車スペースSの幅が所定の閾値以下か否かを判定する(ステップS12)。
【0056】
現時点で走行している駐車スペースSへの入庫経路が直進経路であり、かつ、駐車スペースSの幅が所定の閾値以下である場合(ステップS12においてYES)、制御部603は、アクチュエータ(図示せず)を制御して、車体外後写装置100R,100Lを閉じる制御を実行する(ステップS13)。
【0057】
そして、自動運制御装置500は、自動入庫が完了したか否かを判定する(ステップS14)。自動入庫が完了した場合(ステップS14においてYES)、この自動入庫時の開閉制御処理は終了する。
【0058】
自動入庫が完了していない場合(ステップS14においてNO)、自動運転制御装置500は自動入庫を継続し(ステップS15)、再度ステップS12の判定処理を行う。
【0059】
また、現時点で走行している駐車スペースSへの入庫経路が直進経路でないか、駐車スペースSの幅が所定の閾値以下でない場合(ステップS12においてNO)、ステップS13の処理は行われず、自動運制御装置500は、ステップS12の判定処理を実行する。
【0060】
つぎに、本開示の実施の形態に係る車両10の自動出庫時における開閉制御処理の処理手順について説明する。図3は、本開示の実施の形態に係る車両10の自動出庫時における開閉制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、開閉制御装置600の情報取得部601は、現時点での車両10の側方空間の幅の情報を幅検知装置200から取得する(ステップS20)。
【0062】
つぎに、自動運制御装置500は、車両10を制御して自動出庫を開始する(ステップS21)。
【0063】
その後、開閉制御装置600の制御部603は、車両10のハンドルの舵角が所定の閾値以下で、かつ、車両10の側方空間の空き具合が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0064】
舵角が所定の閾値以下であり、かつ、側方空間の空き具合が所定の閾値以上である場合(ステップS22においてYES)、制御部603は、アクチュエータ(図示せず)を制御して、車体外後写装置100R,100Lを開く制御を実行する(ステップS23)。
【0065】
そして、自動運制御装置500は、自動出庫が完了したか否かを判定する(ステップS24)。自動出庫が完了した場合(ステップS24においてYES)、この自動出庫時の開閉制御処理は終了する。
【0066】
自動出庫が完了していない場合(ステップS24においてNO)、自動運転制御装置500は、自動入庫を継続し(ステップS25)、再度ステップS22の判定処理を行う。
【0067】
また、舵角が所定の閾値以下でないか、側方空間の空き具合が所定の閾値以上でない場合(ステップS22においてNO)、ステップS23の処理は行われず、自動運転制御装置500は、ステップS24の判定処理を実行する。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、自動入出庫中に、ドアミラーの開閉動作が行われることから、迅速な自動入出庫を行うことができる。
【0069】
また、自動入庫が開始されてから車体外後写装置100R,100Lの状態が開状態から閉状態へと変更されるので、できるだけ車体外後写装置100R,100Lを開状態としておくことができ、安全性を高めることができる。
【0070】
なお、本実施の形態で説明した技術は、車両10がオートバレー駐車やリモート駐車、駐車支援を伴う駐車にも適用可能である。
【0071】
以上、本開示に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した各装置の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0072】
上述した各装置の機能をプログラムにより実現するコンピュータの読取装置が、上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。あるいは、ネットワークカードが、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置に記憶させる。
【0073】
そして、CPUが、記憶装置に記憶されたプログラムをRAMにコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、上記各装置の機能が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示の開閉制御装置、車両、開閉制御方法および開閉制御プログラムは、車体外後写装置の開閉を制御する技術に有用である。
【符号の説明】
【0075】
10 車両
100R,100L 車体外後写装置
200 幅検知装置
300 舵角検知装置
400 乗員検知装置
500 自動運転制御装置
600 開閉制御装置
601 情報取得部
602 検知部
603 制御部
700 開閉制御システム
図1
図2
図3
図4