(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】物品アクセス装置
(51)【国際特許分類】
A47G 29/12 20060101AFI20240517BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20240517BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20240517BHJP
F16B 45/00 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A47G29/12 Z
E05B65/00 D
F16C11/04 F
F16B45/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019137982
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】201910121973.3
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 英
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12
E05B 65/00
F16C 11/04
F16B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎フレーム(1)と、
開閉するために前記基礎フレーム(1)に回転可能に配置される第1の扉(2)と、
開閉するために前記基礎フレーム(1)に回転可能に配置される第2の扉(3)であって、前記第1の扉(2)と前記第2の扉(3)の両方が閉じられるとき、前記第1の扉(2)は前記第2の扉(3)と前記基礎フレーム(1)との間に位置付けられる、第2の扉(3)と、
前記第1の扉(2)に対する前記第2の扉(3)の位置を係止するための扉-扉係止状態、および、前記第1の扉(2)に対する前記第2の扉(3)の前記位置の前記係止を解除するための扉-扉係止解除状態を有する扉-扉係止構造(6)であって、前記第1の扉(2)と前記第2の扉(3) の両方が閉じられた状態において、前記扉-扉係止構造(6)は前記扉-扉係止状態にあり、前記第1の扉(2)と前記第2の扉(3)とを同時に開ける作業において、前記扉-扉係止構造(6)は前記扉-扉係止状態から前記扉-扉係止解除状態へと切り替えられる、扉-扉係止構造(6)と
を備え、
前記扉-扉係止構造(6)は、
前記第1の扉(2)および前記第2の扉(3)のうちの一方に配置され、ピン本体(612)を備える係止ピン構造(61)と、
前記第1の扉(2)および前記第2の扉(3)のうちの他方に配置され、ピン溝(621)を備える係止フック(62)であって、
前記係止フック(62)は、前記係止フックが配置される扉が前記基礎フレーム(1)に対して回転させられるとき、前記係止フックが配置される扉の扉本体の少なくとも一部に対して前記係止フック(62)が回転させられるように構成され、そのため、前記ピン本体(612)は、前記扉-扉係止状態において前記ピン溝(621)に位置付けられ、前記扉-扉係止解除状態において前記ピン溝(621)から係合解除される、係止フック(62)と
を備える、物品アクセス装置。
【請求項2】
前記第1の扉(2)および前記第2の扉(3)を連続して閉じるかまたは同時に閉じる作業において、前記扉-扉係止構造(6)は前記扉-扉係止解除状態から前記扉-扉係止状態へと切り替えられる、請求項1に記載の物品アクセス装置。
【請求項3】
前記係止フック(62)は前記第2の扉(3)に配置され、前記第2の扉(3)と前記基礎フレーム(1)とは平行4リンク構造を構成し、前記係止フック(62)は前記平行4リンク構造に配置される、請求項1に記載の物品アクセス装置。
【請求項4】
前記第2の扉(3)は補強ロッド(34)を備え、前記補強ロッド(34)の2つの端は、前記平行4リンク構造の2つの相対するリンクにおいてそれぞれヒンジ留めされ、前記係止フック(62)は前記補強ロッド(34)に配置される、請求項
3に記載の物品アクセス装置。
【請求項5】
前記第2の扉(3)は、
第1の扉本体(31)であって、前記第1の扉本体(31)の第1の端が前記基礎フレーム(1)とヒンジ留めされる、第1の扉本体(31)と、
第2の扉本体(32)であって、前記第2の扉本体(32)の第1の端が前記第1の扉本体(31)の第2の端とヒンジ留めされる、第2の扉本体(32)と、
連結ロッド(33)であって、前記連結ロッド(33)の第1の端は前記基礎フレーム(1)とヒンジ留めされ、前記連結ロッド(33)の第2の端は前記第2の扉本体(32)の第2の端とヒンジ留めされ、前記基礎フレーム(1)、前記第1の扉本体(31)、前記第2の扉本体(32)、および前記連結ロッド(33)は前記平行4リンク構造を構成し、前記補強ロッド(34)の2つの端は、前記第1の扉本体(31)および前記連結ロッド(33)にそれぞれヒンジ留めされる、連結ロッド(33)と
を備える、請求項
4に記載の物品アクセス装置。
【請求項6】
前記係止ピン構造(61)は、
第1の弾性部材(613)であって、前記第1の弾性部材(613)の弾性力は前記ピン本体(612)に作用し、そのため前記ピン本体(612)は、前記ピン本体が
前記係止フック(62)の外力の下で配置される扉において伸縮自在に配置される、第1の弾性部材(613)と、
前記ピン本体(612)が配置される扉に対して前記ピン本体(612)の伸縮範囲を制限するように構成される制限部材(614)と
を備える、請求項1に記載の物品アクセス装置。
【請求項7】
押圧面が、前記係止フック(61)に合致する前記ピン本体(612)の一方の端の前記係止フック(61)の近くの一方の側に設けられ、前記押圧面は、中心部分の近くの位置から端部分へと前記ピン本体(612)の軸方向に沿って前記係止フック(61)から徐々に離れ、そのため前記係止フック(61)は、前記ピン本体(612)をそれ自体の軸方向に沿って内向きに引き込ませようとするために、前記ピン本体(612)の側面に力を加えることができる、請求項
6に記載の物品アクセス装置。
【請求項8】
前記係止ピン構造(61)は装着座部(611)を備え、前記係止ピン構造(61)は前記装着座部(611)を介して前記扉に装着され、前記装着座部(611)は、
収容孔(6112A)であって、前記第1の弾性部材(613)および前記ピン本体(612)が前記収容孔(6112A)に装着される、収容孔(6112A)と、
前記収容孔(6112A)と連通し、前記ピン本体(612)の軸方向に沿って延びる制限スロット孔(6112B)であって、前記制限部材(614)は、前記ピン本体(612)に配置され、前記ピン本体(612)の軸方向に沿って前記制限スロット孔(6112B)に滑り嵌めされている、制限スロット孔(6112B)と
を備える、請求項
6に記載の物品アクセス装置。
【請求項9】
前記基礎フレーム(1)に対する前記第1の扉(2)の回転の間に前記第1の扉(2)の回転速度を低下させるための減衰構造を備える、請求項1から
8のいずれか一項に記載の物品アクセス装置。
【請求項10】
前記減衰構造は第2の弾性部材(7)を備え、前記第2の弾性部材(7)の弾性力が、前記基礎フレーム(1)に対する前記第1の扉(2)の回転の間に前記第1の扉(2)の回転速度を低下させるために前記第1の扉(2)に作用する、請求項
9に記載の物品アクセス装置。
【請求項11】
前記第1の扉(2)と前記第2の扉(3)とは連結ピンシャフト(801)を介して前記基礎フレーム(1)とヒンジ留めされ、前記第2の弾性部材(7)は、前記連結ピンシャフト(801)において袖状とされ、前記連結ピンシャフト(801)の軸方向に沿って弾性力を前記第1の扉(2)に加える、請求項
10に記載の物品アクセス装置。
【請求項12】
前記基礎フレーム(1)に対する前記第1の扉(2)の位置を係止する扉係止状態と、前記基礎フレーム(1)に対する前記第1の扉(2)の位置の前記係止を解除する扉係止解除状態とを有する扉係止構造(5)を備える、請求項1から
8のいずれか一項に記載の物品アクセス装置。
【請求項13】
前記第2の扉(3)と前記基礎フレーム(1)とは平行4リンク構造を構成し、前記第2の扉(3)は、前記基礎フレーム(1)の両側にそれぞれ配置されて互いに平行である複数の補強ロッド(34)を備え、前記複数の補強ロッド(34)の各々の2つの端は、一方の側において前記平行4リンク構造の2つの相対するリンクにそれぞれヒンジ留めされる、請求項1から
8のいずれか一項に記載の物品アクセス装置。
【請求項14】
前記第2の扉は、
第1の扉本体(31)であって、前記第1の扉本体(31)の第1の端が前記基礎フレーム(1)とヒンジ留めされる、第1の扉本体(31)と、
第2の扉本体(32)であって、前記第2の扉本体(32)の第1の端が前記第1の扉本体(31)の第2の端とヒンジ留めされる、第2の扉本体(32)と、
連結ロッド(33)であって、前記連結ロッド(33)の第1の端は前記基礎フレーム(1)とヒンジ留めされ、前記連結ロッド(33)の第2の端は前記第2の扉本体(32)の第2の端とヒンジ留めされ、前記基礎フレーム(1)、前記第1の扉本体(31)、前記第2の扉本体(32)、および前記連結ロッド(33)は前記平行4リンク構造を構成し、前記複数の補強ロッド(34)の各々の2つの端は、一方の側において前記第1の扉本体(31)および前記連結ロッド(33)にそれぞれヒンジ留めされる、連結ロッド(33)と
を備える、請求項
13に記載の物品アクセス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、参照により本明細書で組み込まれている2019年2月19日に出願された中国出願番号CN201910121973.3からの優先権を主張する。
【0002】
本開示は、物流の技術分野に関し、詳細には、物品アクセス装置に関する。
【背景技術】
【0003】
物品を保管するための物品アクセス装置、具体的には速達箱などの公共の場所に置かれる保管箱について、物品アクセス装置が関係ない人に使用されるのを防止するために、および、物品の保管の安全性を確保するために、概して係止に対する要求がある。物品アクセス装置が特別な構造設計を採用する場合、合理的で人間味のある係止の構造が設計される必要がある。
【0004】
先行技術では、多重の扉を有する物品アクセス装置について、共通の係止構造設計は、係止を達成するために各々の扉と基礎フレームとを係止するためのものであり、扉同士の係止は互いから独立している。物品アクセス装置の係止構造は、相対的に、設計が複雑であり、製作コストが高く、使用中の操作が面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、操作作業を単純化でき、管理の難しさを低減できる物品アクセス装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、
基礎フレームと、
開閉するために基礎フレームに回転可能に配置される第1の扉と、
開閉するために基礎フレームに回転可能に配置される第2の扉であって、第1の扉と第2の扉の両方が閉じられるとき、第1の扉は第2の扉と基礎フレームとの間に位置付けられる、第2の扉と、
第1の扉に対する第2の扉の位置を係止するための扉-扉係止状態、および、第1の扉に対する第2の扉の位置の係止を解除するための扉-扉係止解除状態を有する扉-扉係止構造であって、第1の扉と第2の扉の両方が閉じられた状態において、扉-扉係止構造は扉-扉係止状態にあり、第1の扉と第2の扉とを同時に開ける作業において、扉-扉係止構造は扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えられる、扉-扉係止構造と
を備える物品アクセス装置を提供する。
【0007】
一部の実施形態では、第1の扉および第2の扉を連続して閉じるかまたは同時に閉じる作業において、扉-扉係止構造は扉-扉係止解除状態から扉-扉係止状態へと切り替えられる。
【0008】
一部の実施形態では、扉-扉係止構造は、
第1の扉および第2の扉のうちの一方に配置され、ピン本体を備える係止ピン構造と、
第1の扉および第2の扉のうちの他方に配置され、ピン溝を備える係止フックであって、ピン本体は、扉-扉係止状態においてピン溝に位置付けられ、扉-扉係止解除状態においてピン溝から係合解除される、係止フックと
を備える。
【0009】
一部の実施形態では、係止フックは、係止フックが配置される扉が基礎フレームに対して回転させられるとき、係止フックが配置される扉の扉本体の少なくとも一部に対して係止フックが回転させられるように構成される。
【0010】
一部の実施形態では、係止フックは第2の扉に配置され、第2の扉と基礎フレームとは平行4リンク構造を構成し、係止フックは平行4リンク構造に配置される。
【0011】
一部の実施形態では、第2の扉は補強ロッドを備え、補強ロッドの2つの端は、平行4リンク構造の2つの相対するリンクにおいてそれぞれヒンジ留めされ、係止フックは補強ロッドに配置される。
【0012】
一部の実施形態では、第2の扉は、
第1の扉本体であって、第1の扉本体の第1の端が基礎フレームとヒンジ留めされる、第1の扉本体と、
第2の扉本体であって、第2の扉本体の第1の端が第1の扉本体の第2の端とヒンジ留めされる、第2の扉本体と、
連結ロッドであって、連結ロッドの第1の端は基礎フレームとヒンジ留めされ、連結ロッドの第2の端は第2の扉本体の第2の端とヒンジ留めされ、基礎フレーム、第1の扉本体、第2の扉本体、および連結ロッドは平行4リンク構造を構成し、補強ロッドの2つの端は、第1の扉本体および連結ロッドにそれぞれヒンジ留めされる、連結ロッドと
を備える。
【0013】
一部の実施形態では、係止ピン構造は、
第1の弾性部材であって、第1の弾性部材の弾性力はピン本体に作用し、そのためピン本体は、ピン本体が外力の下で配置される扉において伸縮自在に配置される、第1の弾性部材と、
ピン本体が配置される扉に対してピン本体の伸縮範囲を制限するように構成される制限部材と
を備える。
【0014】
一部の実施形態では、押圧面が、係止フックに合致するピン本体の一方の端の係止フックの近くの一方の側に設けられ、押圧面は、中心部分の近くの位置から端部分へとピン本体の軸方向に沿って係止フックから徐々に離れ、そのため係止フックは、ピン本体をそれ自体の軸方向に沿って内向きに引き込ませようとするために、ピン本体の側面に力を加えることができる。
【0015】
一部の実施形態では、係止ピン構造は装着座部を備え、係止ピン構造は装着座部を介して扉に装着され、装着座部は、
収容孔であって、第1の弾性部材およびピン本体が収容孔に装着される、収容孔と、
収容孔と連通し、ピン本体の軸方向に沿って延びる制限スロット孔であって、制限部材は、ピン本体に配置され、ピン本体の軸方向に沿って制限スロット孔に滑り嵌めされている、制限スロット孔と
を備える。
【0016】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は、第1の扉が基礎フレームに対して回転させられるときに第1の扉の回転速度を低下させるための減衰構造をさらに備える。
【0017】
一部の実施形態では、減衰構造は第2の弾性部材を備え、第2の弾性部材の弾性力が、第1の扉が基礎フレームに対して回転させられるときに第1の扉の回転速度を低下させるために第1の扉に作用する。
【0018】
一部の実施形態では、第1の扉と第2の扉とは連結ピンシャフトを介して基礎フレームとヒンジ留めされ、第2の弾性部材は、連結ピンシャフトにおいて袖状とされ、連結ピンシャフトの軸方向に沿って弾性力を第1の扉に加える。
【0019】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は扉係止構造をさらに備え、扉係止構造は、基礎フレームに対する第1の扉の位置を係止する扉係止状態と、基礎フレームに対する第1の扉の位置の係止を解除する扉係止解除状態とを有する。
【0020】
一部の実施形態では、第2の扉と基礎フレームとは平行4リンク構造を構成し、第2の扉は、基礎フレームの両側にそれぞれ配置されて互いに平行である複数の補強ロッドを備え、複数の補強ロッドの各々の2つの端は、一方の側において平行4リンク構造の2つの相対するリンクにそれぞれヒンジ留めされる。
【0021】
一部の実施形態では、第2の扉は、
第1の扉本体であって、第1の扉本体の第1の端が基礎フレームとヒンジ留めされる、第1の扉本体と、
第2の扉本体であって、第2の扉本体の第1の端が第1の扉本体の第2の端とヒンジ留めされる、第2の扉本体と、
連結ロッドであって、連結ロッドの第1の端は基礎フレームとヒンジ留めされ、連結ロッドの第2の端は第2の扉本体の第2の端とヒンジ留めされ、基礎フレーム、第1の扉本体、第2の扉本体、および連結ロッドは平行4リンク構造を構成し、複数の補強ロッドの各々の2つの端は、一方の側において第1の扉本体および連結ロッドにそれぞれヒンジ留めされる、連結ロッドと
を備える。
【0022】
本開示によって提供される物品アクセス装置には扉-扉係止構造が設けられるため、物品アクセス装置が閉じられるとき、第2の扉に対する第1の扉の位置は係止状態となり、さらに、第1の扉および第2の扉を同時に開ける作業において、扉-扉係止構造は扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えられ、第1の扉および第2の扉を開けるために扉-扉係止構造において操作が実行される必要はなく、電磁的な係止部などの1つだけの扉係止構造が、物品保管状態および折り畳み状態において物品アクセス装置の係止を達成するために必要とされ、物品アクセス装置は、先行技術における2つの扉係止構造を係止解除する代わりに、扉係止構造を係止解除することだけで開けることができ、そのため操作作業が単純化でき、管理の難しさが低減できる。
【0023】
本開示の他の特徴と、本開示の利点とは、図面を参照すると共に本開示の例示の実施形態の以下の詳細な記載から明らかとなる。
【0024】
ここで描写されている図面は、本開示のさらなる理解を提供し、本用途の一部を構成するように意図されており、本開示の概略的な実施形態と図示とは、本開示への不適切な制限を構成するのではなく、本開示を説明するために用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】折り畳み状態での本開示の実施形態での物品アクセス装置の構造の概略図である。
【
図2】第1の扉が閉じられている物品収容状態にある、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の構造の概略図である。
【
図3】第1の扉が開けられており、カバーが示されていない物品収容状態にある、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の構造の概略図である。
【
図4】第1の扉が閉じられ、扉係止構造が扉係止状態にあるときの、
図1に示された実施形態における物品アクセス装置の部分的な構造の概略図である。
【
図5】第1の扉がある程度開けられ、扉係止構造が扉係止解除状態にあるときの、
図1に示された実施形態における物品アクセス装置の部分的な構造の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態での物品アクセス装置の第1の扉の構造の概略図である。
【
図7】本開示の実施形態での物品アクセス装置における扉-扉係止構造の係止ピン構造の分解した構造の概略図である。
【
図8】ピン本体が完全に延びた状態にある、
図7に示したような扉-扉係止構造の係止ピン構造の構造概略図である。
【
図9】ピン本体が完全に引き込んだ状態にある、
図7に示したような扉-扉係止構造の係止ピン構造の構造概略図である。
【
図10】
図1に示した実施形態での物品アクセス装置における扉-扉係止構造の第2の扉および係止フックの補強ロッドの構造の概略図である。
【
図11】係止フックが第2の扉の補強ロッドに配置されている位置における、
図1に示した実施形態における物品アクセス装置の一部の構造の概略図である。
【
図12】第2の扉が閉じる作業の後半の期間にあり、このとき、扉-扉係止構造の係止フックが係止ピン構造のピン本体と接触していないときの、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の部分的に断面の構造の概略図である。
【
図13】第2の扉が閉じる作業の後半の期間にあり、このとき、扉-扉係止構造の係止フックが係止ピン構造のピン本体を第1の扉へと完全に押し込んでいるときの、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の部分的に断面の構造の概略図である。
【
図14】第2の扉が閉じた状態にあり、このとき、扉-扉係止構造の係止フックにおけるピン溝が係止ピン構造のピン本体と合致しており、扉-扉係止構造が扉-扉係止状態にあるときの、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の部分的に断面の構造の概略図である。
【
図15】第1の扉および基礎フレームの結合部における、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の部分的な構造の概略図である。
【
図16】第1の扉および基礎フレームの結合部における、
図1に示した実施形態での物品アクセス装置の部分的な分解した構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施形態における技術的な解決策の明確で完全な記載が、本開示の実施形態における図面との組み合わせで、以下に提供される。明確には、以下に記載した実施形態は、本開示の実施形態の一部だけであり、すべてではない。少なくとも1つの例示の実施形態の以下の記載は、単なる例示であり、本開示およびその用途または使用の限定として用いられることはない。独創的な試み無しで、本開示の実施形態に基づいて当業者によって得られるすべての他の実施形態は、本開示の保護の範囲内にある。
【0027】
他に明示されていない場合、相対的な配置、数の表現、構成要素の数の値、および、これらの実施形態において述べられるステップは、本開示の範囲を制限しない。一方で、図面に示された様々な部品の寸法は、描写の便宜のために実際の縮尺で描かれていないことは、理解されるべきである。当業者に知られている技術、方法、および装置、詳細に論じられていない可能性があるが、適切な場合、技術、方法、および装置は、許可された明細書の一部と考えられるべきである。ここで図示および詳述したすべての例において、任意の特定の値は、単に例示として解釈されるべきであり、限定として用いられない。したがって、例示の実施形態の他の例が異なる値を有する可能性がある。同様の数字および文字が以下の図面において同様の物品を指示し、そのため、特定の物品がある図面において定められると、続く図面においてさらに詳述されることは必要とされないことは、留意されるべきである。
【0028】
本開示の記載において、「第1」、「第2」などの用語が部品および構成要素を定めるために使用され、対応する部品同士および構成要素同士の間の区別を容易にする目的のためだけであり、それらの言葉は、他に述べられていない場合には特別な意味を有しておらず、そのため、本開示の保護範囲を制限するとして解釈されることはできないことは、理解されるべきである。
【0029】
本開示の記載では、「前、後、上方、下方、左、右」、「横、縦、鉛直、水平」、および「上、下」などによって指示される配向または位置の関係は、図面に示された配向または位置の関係であり、本開示を記載すること、および、記載を簡単にすることのためだけであり、正反対の説明のない場合、これらの配向の言葉は、言及された装置または構成要素が特定の配向を有さなければならない、または、特定の配向で構築および操作されることを指示または意味しているのではなく、したがって、本開示の保護範囲を制限するとして解釈させることはできず、「内側」および「外側」の配向の言葉は、各々の構成要素自体の輪郭の内側および外側を言っていることは、留意されるべきである。
【0030】
図1~
図16に示されているように、本開示の実施形態は物品アクセス装置を提供する。物品アクセス装置は、基礎フレーム1と、第1の扉2と、第2の扉3と、扉-扉係止構造6とを主に備える。
【0031】
第1の扉2は、第1の扉2を開閉するために基礎フレーム1に回転可能に配置されている。第2の扉3は、第2の扉3を開閉するために基礎フレーム1に回転可能に配置されており、第1の扉2と第2の扉3の両方が閉じられるとき、第1の扉2は第2の扉3と基礎フレーム1との間に位置付けられる。
【0032】
扉-扉係止構造6は扉-扉係止状態と扉-扉係止解除状態とを有する。扉-扉係止状態では、扉-扉係止構造6は、第1の扉2に対する第2の扉3の位置を係止し、扉-扉係止解除状態では、扉-扉係止構造6は、第1の扉2に対する第2の扉3の位置の係止を解除する。第1の扉2と第2の扉3の両方が閉じられた状態において、扉-扉係止構造6は扉-扉係止状態にあり、第1の扉2と第2の扉3とを同時に開ける作業において、扉-扉係止構造6は扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えられる。
【0033】
物品アクセス装置には扉-扉係止構造6が設けられるため、物品アクセス装置が閉じられるとき、第1の扉2と第2の扉3とは相対位置係止状態にあり、さらに、第1の扉2および第2の扉3を同時に開ける作業において、扉-扉係止構造6は扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えられ、第1の扉2および第2の扉3を開けるために扉-扉係止構造6において操作が実行される必要はなく、電磁的な係止部などの1つだけの扉係止構造が、物品保管状態および折り畳み状態において物品アクセス装置の係止を達成するために必要とされ、物品アクセス装置は、先行技術における2つの扉係止構造を係止解除する代わりに、扉係止構造を係止解除することだけで開けることができ、そのため操作作業が単純化でき、管理の難しさが低減できる。
【0034】
一部の実施形態では、第1の扉2および第2の扉3を連続して閉じるかまたは同時に閉じる作業において、扉-扉係止構造6は扉-扉係止解除状態から扉-扉係止状態へと切り替えられる。設定することによって、第1の扉2は回転するように駆動させられ、扉-扉係止状態と扉-扉係止解除状態との間の扉-扉係止構造6の切り替えは、第2の扉3を直接的に押すおよび引っ張ることで達成でき、そのため操作がさらに単純化でき、物品アクセス装置は、より好都合に使用でき、管理するのが簡単である。
【0035】
一部の実施形態では、扉-扉係止構造6は係止ピン構造61と係止フック62とを備える。係止ピン構造61は、第1の扉2および第2の扉3のうちの一方に配置され、ピン本体612を備える。係止フック62は、第1の扉2および第2の扉3のうちの他方に配置され、ピン溝621を備える。ピン本体612は、扉-扉係止状態においてピン溝621に位置付けられ、扉-扉係止解除状態においてピン溝621から係合解除される。扉-扉係止構造6の構造設定は単純であり、コストはより小さい。
【0036】
一部の実施形態では、係止フック62は、係止フックが配置される扉が基礎フレーム1に対して回転させられるとき、係止フックが配置される扉の扉本体の少なくとも一部に対して係止フック62が回転させられるように構成される。設定は、扉-扉係止構造6の扉-扉係止状態と扉-扉係止解除状態との間の滑らかな切り替えの助けとなる。
【0037】
一部の実施形態では、係止フック62は第2の扉3に配置され、第2の扉3と基礎フレーム1とは平行4リンク構造を構成し、係止フック62は平行4リンク構造に配置される。係止フック62が平行4リンク構造に配置されるため、係止フック62は、特に係止操作または係止解除操作を実行することなく、扉係止状態と扉係止解除状態との間で切り替えるように、係止ピン構造61のピン本体612との協調関係を変化させるための第2の扉3の動作によって作動するように駆動でき、そのため操作作業は単純化される。
【0038】
一部の実施形態では、第2の扉3は補強ロッド34を備え、補強ロッド34の2つの端は、平行4リンク構造の2つの相対するリンクにおいてそれぞれヒンジ留めされる。補強ロッド34を設定することで、開状態における第2の扉3の安定性が向上でき、物品アクセス装置のカバーは、第2の扉によって定められる空間の外側に露出することからも防止でき、物品アクセス装置の状態切り替えが容易にされ、物品アクセス装置またはその中の物品が手作業で損傷させられる可能性を低減する助けともなる。
【0039】
一部の実施形態では、第2の扉3は、基礎フレーム1の両側にそれぞれ配置されて互いに平行である複数の補強ロッド34を備え、複数の補強ロッド34の各々の2つの端は、一方の側において平行4リンク構造の2つの相対するリンクにそれぞれヒンジ留めされる。複数の補強ロッド34が基礎フレーム1の両側にそれぞれ配置されるため、補強ロッド34の先の機能をより良好に実施する助けになる。
【0040】
例えば、
図1~
図3に示されているように、一部の実施形態では、第2の扉は、第1の扉本体31と、第2の扉本体32と、連結ロッド33と、複数の補強ロッド34とを備える。第1の扉本体31の第1の端が基礎フレーム1とヒンジ留めされる。第2の扉本体32の第1の端が第1の扉本体31の第2の端とヒンジ留めされる。連結ロッド33の第1の端は基礎フレーム1とヒンジ留めされ、連結ロッド33の第2の端は第2の扉本体32の第2の端とヒンジ留めされる。基礎フレーム1、第1の扉本体31、第2の扉本体32、および連結ロッド33は平行4リンク構造を構成し、複数の補強ロッド34の各々の2つの端は、一方の側において第1の扉本体31および連結ロッド33にそれぞれヒンジ留めされている。
【0041】
一部の実施形態では、係止フック62は補強ロッド34に配置される。係止フック62が補強ロッド34に配置されるため、第2の扉3の動作を介しての扉-扉係止構造6の扉-扉係止状態と扉-扉係止解除状態との間の切り替えを達成する助けとなり、一方、係止フック62の移動範囲を縮小し、他の構成要素への係止フック62の干渉を低減する助けともなる。
【0042】
一部の実施形態では、係止フック62と補強ロッド34とは係止ロッドとして一体に設定されてもよく、それによって係止フック62の処理を容易にし、係止フック62は特に設置される必要がない。
【0043】
図3に示しているように、2つの扉-扉係止構造6が基礎フレーム1の両側にそれぞれ配置され、そのため物品アクセス装置は、第2の扉3を閉じる間に折り畳みが解除された状態でしっかりと係止される。当然ながら、図面において示されていない一部の実施形態では、扉-扉係止構造6は一方の側に配置されるだけであってもよい。また、2つ以上の扉-扉係止構造6が、単一の側または両側などに配置されてもよい。
【0044】
一部の実施形態では、係止ピン構造61は第1の弾性部材613と制限部材614とを備える。第1の弾性部材613の弾性力はピン本体612に作用し、そのためピン本体612は、ピン本体が外力の下で配置される扉において伸縮自在に配置される。制限部材614は、ピン本体が配置される扉に対してピン本体612の伸縮範囲を制限するように構成される。扉-扉係止構造6の係止ピン構造61はバネのピン構成要素を採用しており、これは、係止または係止解除を達成するために、係止フック62におけるピン溝621と合致または係止解除し、係止および係止解除は簡単な構造を通じて信頼可能に達成できる。
【0045】
一部の実施形態では、係止フック61に合致するピン本体612の一方の端の係止フック61の近くの一方の側が押圧面を備え、押圧面は、中心部分の近くの位置から端部分へとピン本体612の軸方向に沿って係止フック61から徐々に離れ、そのため係止フック61は、ピン本体612をそれ自体の軸方向に沿って内向きに引き込ませようとするために、ピン本体612の側面に力を加えることができる。押圧面を設定することで、扉-扉係止構造6の状態が切り替えられるときに特別な操作ステップを減らす助けになる。前述の押圧面は平面、湾曲面、または、平面と湾曲面との組み合わせとなり得る。
【0046】
一部の実施形態では、係止ピン構造61は装着座部611を備え、係止ピン構造61は装着座部611を介して扉に装着される。装着座部611を設定することで、係止ピン構造61と係止ピン構造が配置される扉との迅速な組み立てと安定した連結との助けになり、係止ピン構造61の素早い交換を助けることにもなる。
【0047】
一部の実施形態では、装着座部は収容孔6112Aと制限スロット孔6112Bとを備える。第1の弾性部材613およびピン本体612は収容孔6112Aに装着される。制限スロット孔6112Bは、収容孔6112Aと連通し、ピン本体612の軸方向に沿って延び、制限部材614は、ピン本体612に配置され、ピン本体612の軸方向に沿って制限スロット孔6112Bに滑り嵌めされている。
【0048】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は減衰構造をさらに備え、減衰構造は、第1の扉2が基礎フレーム1に対して回転させられるときに第1の扉2の回転速度を低下させるために使用される。減衰構造は、その減衰の役目を、機械、液圧、または電磁的な手法で達成できる。減衰構造の設定は、扉-扉係止構造6を扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えるのを容易にする。
【0049】
一部の実施形態では、減衰構造は第2の弾性部材7を備え、第2の弾性部材7の弾性力が、第1の扉2が基礎フレーム1に対して回転させられるときに第1の扉2の回転速度を低下させるために第1の扉2に作用する。
図16に示した実施形態では、第2の弾性部材7は皿バネを備える。図に示されていない実施形態では、減衰構造は、コイルバネ、捩じりバネ、または弾性パッドなども備え得る。第1の扉2の減衰構造は単純であり、第2の弾性部材7によって実施されるのが容易であり、コストがより小さく、保守の作業負荷が小さい。
【0050】
一部の実施形態では、第1の扉2は連結ピンシャフト801を介して基礎フレーム1とヒンジ留めされ、第2の弾性部材7は、連結ピンシャフト801において袖状とされ、連結ピンシャフト801の軸方向に沿って弾性力を第1の扉2に加える。
【0051】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は扉係止構造5をさらに備える。扉係止構造5は扉係止状態と扉係止解除状態とを有する。扉係止状態では、扉係止構造5は、基礎フレーム1に対する第1の扉2の位置を係止する。扉係止解除状態では、扉係止構造5は、基礎フレーム1に対して第1の扉2の位置を係止することを解除する。扉係止構造5は、物品アクセス装置の扉係止として使用され、物品アクセス装置の開閉を良好に管理できる。
【0052】
扉係止構造5は、例えば、基礎フレーム1および第1の扉2のうちの一方に形成される係止溝と、係止溝と協働するために他方に配置される係止フック、係止ロッド、または係止突片とを備え得る。または、扉係止構造5は、基礎フレーム1および第1の扉2にそれぞれ配置されて互いと協働する係止キャッチ、係止フック、または係止ロッドを備える。身元確認構成要素が使用者によって提供された身元確認情報を成功裏に確認した後に扉係止構造5を直接係合解除させるために、電磁的な係止部が用いられ得る。当然ながら、扉係止構造5は、機械的な係止など、他の扉係止の形態を取ることもできる。
【0053】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は速達箱である。例えば、基礎フレーム1は装着面に固定されるように構成され、装着面は、鉛直の装着面または傾斜した装着面であり得る。鉛直の装着面は、水平平面と90°を形成する鉛直面と、所定の範囲での鉛直面との角度の逸脱を有する装着面とを備える。例えば、物品アクセス装置は、特定の使用者が物品を取り上げたり物品を置いたりするのに都合がよい位置に固定され得る。家庭用の使用者については、装着面は、使用者の戸口、通路、または建物の戸口の近くに位置付けられ得る。業務用の使用者については、装着面は、会社のオフィスの戸口などの近くに位置付けられ得る。配達人は、品物をいつでも扉へと届けることができ、小包を物品アクセス装置に直接届けることができ、使用者は物品を都合よく取ることができる。
【0054】
本開示の物品アクセス装置は、
図1~
図16との組み合わせで以下において詳細に示されている。
【0055】
図1~
図3に示されているように、本開示の実施形態は、基礎フレーム1と、第1の扉と、第2の扉3と、カバー4と、扉係止構造5と、扉-扉係止構造6とを主に備える物品アクセス装置を提供する。
【0056】
第1の扉2は、基礎フレーム1と第2の扉3との間に配置されている。第1の扉2と第2の扉3とは基礎フレーム1に同軸でヒンジ留めされている。したがって、第1の扉2は、第1の扉2を開閉するために基礎フレーム1に回転可能に配置されており、第2の扉3は、第2の扉3を開閉するために基礎フレーム1に回転可能に配置されている。
【0057】
第2の扉3は、基礎フレーム1の前側に配置されており、第1の扉本体31と第2の扉本体32とを備える。第1の扉本体31の第1の端は基礎フレーム1の下方端にヒンジ留めされており、第1の扉本体31の第2の端は第2の扉本体32の第1の端にヒンジ留めされている。
【0058】
物品アクセス装置は折り畳み状態と物品収容状態とを有する。物品アクセス装置は、物品を収容する必要がないときに折り畳み状態にあり、そのため、占有される空間は比較的小さく、規則性および美的外観が優れており、物品アクセス装置は、物品を収容する必要があるときに物品収容状態にあり、そのため収容空間がより大きい。配達のために使用された後、折り畳みが解除された構造設計は、都合がよく、使用するのが容易であり、人にやさしく合理的である。
【0059】
図1に示されているように、物品アクセス装置の折り畳み状態では、第1の扉2と第2の扉3との両方が閉状態にある。第2の扉3の第2の扉本体32は第1の扉本体31の上方に配置されており、第2の扉本体32および第1の扉本体31は、第1の収容空間を形成するために基礎フレーム1において覆われている。
【0060】
カバー4は第1の扉2と第2の扉3との間で連結されている。カバー4は、柔軟な材料から作られた柔軟な天蓋状の面などの変形可能なカバーである。物品アクセス装置の折り畳み状態において、カバー4は折り畳まれて第1の収容空間に配置される。
【0061】
図2および
図3に示されているように、物品アクセス装置の物品収容状態において、第2の扉本体32は第1の扉本体31の前に配置され、第1の扉本体31と挟角を形成し、第2の扉本体32の第2の端は第1の扉本体31より高い。基礎フレーム1、第1の扉本体31、第2の扉本体32、第1の扉2、およびカバー4は、第2の収容空間を形成するために包囲できる。一部の実施形態では、物品収容状態において、直角が第1の扉本体31と基礎フレーム1との間に形成され、直角が第2の扉本体32と第1の扉本体31との間に形成される。物品アクセス装置の物品収容状態において、第1の扉2は、開状態と閉状態とを切り替えるために、第2の扉3と基礎フレーム1との間で回転させることができる。第1の扉2が閉じられるとき、カバー4は、第2の収容空間を閉じるために折り畳み解除され、第1の扉2が開ける作業において完全に開けられるとき、カバー4は第2の収容空間を開けるために少なくとも部分的に折り畳まれる。
【0062】
本開示の実施形態の物品アクセス装置によれば、物品アクセス装置の折り畳み状態において、物品アクセス装置の大きさは小さく、物品アクセス装置の物品収容状態において、基礎フレーム1、第1の扉2、第2の扉3、およびカバー4は、物品を配置するための第2の収容空間を形成するために包囲でき、そのため、物品アクセス装置は、物品を受け入れる必要がないときにより小さい区間を占有することができ、物品を受け入れるときにより大きい収容空間を有することができる。物品アクセス装置が速達箱である場合、消費者の手渡し時間と配達人の手渡し時間とが完全に一致できないときでも訪問配送サービスが達成できる。
【0063】
第2の扉本体32に対する第1の扉本体31の高さ割合は、実際の必要に応じて異なって適用でき、例えば、1:1または2:1などであり得る。割合の設定は、第2の扉3の開状態に形成される第2の収容空間の前寸法、後寸法、上方寸法、および下方寸法を決定し、構成は自在であり、アクセスされる物品の大きさおよび形などの要因に応じて設定できる。
【0064】
図3に示しているように、物品アクセス装置は連結ロッド33をさらに備える。2つの連結ロッド33は、基礎フレーム1の前側の左端および右端にそれぞれ配置されている。2つの連結ロッド33の各々の第1の端は基礎フレーム1とヒンジ留めされ、2つの連結ロッド33の各々の第2の端は第2の扉本体32の第2の端とヒンジ留めされる。基礎フレーム、連結ロッド33、第1の扉本体31、および第2の扉本体32は平行4リンク構造を構成する。連結ロッド33を設定することで、移動経路は物品アクセス装置の状態切り替えの間により安定し、物品収容状態における物品アクセス装置の安定性も向上させられ得る。
【0065】
図3に示しているように、第2の扉3は、基礎フレーム1の両側にそれぞれ配置されて互いに平行である複数の補強ロッド34をさらに備え、複数の補強ロッド34の各々の2つの端は、一方の側において第1の扉本体31および連結ロッド33にそれぞれヒンジ留めされる。
【0066】
一部の実施形態では、
図2に示しているように、カバー4は柔軟な天蓋状の面を備え、物品アクセス装置の物品収容状態では、柔軟な天蓋状の面は第2の収容空間を完全に閉じることができる。柔軟な天蓋状の面は、布、プラスチック、ゴムシート、合成柔軟材料、または、2つ以上の柔軟な材料の組み合わせなど、柔軟な材料から作られ得る。
【0067】
図2に示しているように、第1の扉2はカバー4と連結される。物品アクセス装置の折り畳み状態において、第1の扉2とカバー4とは両方で第1の収容空間に配置される。物品アクセス装置の物品収容状態において、カバー4は、第1の扉2の駆動によって折り畳み解除または折り畳みされる。
【0068】
図3~
図6に示しているように、第1の扉2はU字形のフレームを備え、第1の扉2の2つの自由端は基礎フレーム1とヒンジ留めされ、カバー4の第1の端は第1の扉2と連結させられ、カバー4の第2の端は第2の扉3と連結させられる。第1の扉2がU字形のフレームとして設定され、そのため構造が単純であり、操作の都合がよく、第2の収容空間においてより大きい高さを伴う物品を配置するのを助ける。
【0069】
図2、
図15、および
図16に示しているように、カバー4をより秩序立てて折り畳むために、物品アクセス装置は、カバー4と連結される少なくとも1つの支持ロッド9をさらに備え、少なくとも1つの支持ロッド9は第1の扉2と第2の扉3との間に配置される。
【0070】
支持ロッド9はU字形である。支持ロッド9の2つの自由端は基礎フレーム1とヒンジ留めされ得る。
【0071】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は扉係止構造5を備え、扉係止構造5は、基礎フレーム1に対する第1の扉2の位置を係止するために使用される。
【0072】
扉係止構造5は扉係止状態と扉係止解除状態とを有する。扉係止状態では、扉係止構造5は、基礎フレーム1に対する第1の扉2の位置を係止する。扉係止解除状態では、扉係止構造5は、基礎フレーム1に対して第1の扉2の位置を係止することを解除する。扉係止構造5は、例えば、基礎フレーム1に対する第1の扉2の位置を係止するための電磁的な係止部を備える。
【0073】
第1の扉2に対する第2の扉3の位置が扉-扉係止構造6によって係止されるため、第2の扉3と第1の扉2とを一体に開け、そのためピン本体612が第2の扉3および第1の扉2の開ける作業においてピン溝621との合致を解除するように、扉係止構造5が基礎フレーム1に対して第1の扉2の位置を係止することを解除しない場合、第2の扉3は第1の扉2から離すことができず、独立して開けることができない。つまり、第1の扉2と第2の扉3の両方が閉じられ、扉係止構造5が扉係止状態にあるとき、物品アクセス装置は、第2の扉3を引っ張るだけでは開けることができない。
【0074】
図3に示しているように、基礎フレーム1は、左側および右側にそれぞれ配置される2つの側板と、下板と、上板とを備える。物品アクセス装置の折り畳み状態において、2つの側板、下板、上板、および第2の扉3は、閉じた第1の収容空間を形成するために包囲できる。第2の扉3の第1の扉本体31の第1の端は下板の前端にヒンジ留めされる。基礎フレーム1は後支持フレームをさらに備え、基礎フレーム1を固定して装着するための固定装着構造が後支持フレームに配置されている。
【0075】
図4および
図5に示されているように、扉係止構造5は、基礎フレーム1の上板の下方端に装着された伸縮係止ブロックを備える電磁的な係止部である。第1の扉2が閉じられるとき、係止ブロックは延び出し、第1の扉2の上部の前側にあり、扉係止構造5は、閉状態において第1の扉2を係止する扉係止状態にある。係止ブロックが上板へと引き込むとき、第1の扉2は自由に開閉できる。扉係止構造5の設定および操作は比較的簡単である。
【0076】
物品アクセス装置は、基礎フレーム1または第2の扉3に配置される情報入力装置をさらに備え得る。情報入力装置は、例えば、タッチスクリーンおよびカメラを備える。情報入力装置は、指紋認識装置、顔認識装置、キーボード入力装置などをさらに備え得る。情報入力装置は、受け入れた消費者情報を特定および確認して係合解除するために扉係止構造5と協働でき、それによって物品が他者によって取り去られるのを防止する。
【0077】
一部の実施形態では、物品アクセス装置は情報保持装置を備えることができ、情報保持装置は、例えば二次元コード、バーコードなどであり得る。操作者が扉係止構造5を開けたいとき、操作者はモバイルフォンを使用してコードを走査でき、モバイルフォンは情報保持装置の情報を特定し、情報をサーバへと送信し、サーバは係合解除するために扉係止構造5を遠隔から制御する。情報保持装置を設定することで、タッチスクリーンおよび他の電子的要素を設定することと比較して電力が節約できる。
【0078】
また、物品アクセス装置はエネルギー供給装置をさらに備えることができ、エネルギー供給装置は基礎フレーム1に配置され得る。エネルギー供給装置は、電池、太陽光パネル、および/または小型変圧器などを備え得る。エネルギー供給装置は、電力を情報入力装置または扉係止構造5および他の電子的要素へと供給するために使用される。エネルギー供給装置は太陽光パネルを備え得る。太陽光パネルは、明るい間に電気エネルギーを貯蔵し、したがって端末に電力供給を提供する。
【0079】
タッチスクリーンが提供される場合、電気エネルギーを節約するために、タッチスクリーンは、物品アクセス装置が使用されていないときに待機状態になるように設定でき、スクリーンは、物品アクセス装置が使用中のときだけあらかじめ設定された始動機構を動作させることで作動させられる。
【0080】
閉状態と完全に開いた状態との間の平行4リンク構造の切り替え状態を容易にするために、第2の扉3は取っ手部材をさらに備え得る。
【0081】
第2の扉3が閉状態から完全に開いた状態へと切り替えられるとき、第2の扉3は前方へと引っ張られ、第2の扉3は、軸としての下板との結合部の周りで前方へと回転させられ、このとき、第2の扉3は、左側および右側において連結ロッド33によって制限され、第1の扉本体31および第2の扉本体32は、軸としての第1の扉本体31と第2の扉本体32との連結位置の周りで回転させられ、
図2および
図3に示した完全に開いた状態を呈するように位置変化を作り出す。
【0082】
本開示の一部の実施形態における扉-扉係止構造6は、
図3、
図6~
図14を参照して以下に詳細に記載されている。
【0083】
図3に示しているように、2つの扉-扉係止構造6が基礎フレーム1の左側および右側にそれぞれ配置されており、そのため第1の扉2と第2の扉3との間の係止はより信頼できてよりしっかりとしており、外力が係止解除に向けて加えられるとき、第1の扉2の左側および右側における応力はより平衡させられて、構成要素の合致する精度および耐用期間に影響を与える横への偏向の現象を防止することができる。
【0084】
図2、
図3、および
図12~
図14に示しているように、各々の扉-扉係止構造6は係止ピン構造61と係止フック62とを備える。係止ピン構造61は第1の扉2に配置される。係止フック62は第2の扉3に配置される。
【0085】
図7~
図9に示されているように、一部の実施形態では、係止ピン構造61は、装着座部611と、ピン本体612と、第1の弾性部材613と、制限部材614とを備える。
【0086】
装着座部611は、固定座部6111と、固定座部6111に固定されるピン座部6112とを備える。2つの装着孔が固定座部6111に設けられる。
【0087】
収容孔6112Aおよび制限スロット孔6112Bはピン座部6112に設けられる。第1の弾性部材613およびピン本体612は収容孔6112Aに装着される。制限スロット孔6112Bは、収容孔6112Aと連通し、ピン本体612の軸方向に沿って延びる。制限部材614はピン本体612に配置され、ピン本体612の軸方向に沿って制限スロット孔6112Bと滑り嵌めしている。
【0088】
第1の弾性部材613の弾性力はピン本体612に作用し、そのためピン本体612は、ピン本体が外力の下で配置される扉において伸縮自在に配置される。第1の弾性部材613は、例えばコイルバネである。
【0089】
制限部材614は、ピン本体が配置される扉に対してピン本体612の伸縮範囲を制限するために使用される。制限部材614は、例えば円筒形のピンである。
【0090】
一部の実施形態では、ピン座部6112は、円筒部と、円筒部の両側に配置された羽根部とを備え、円筒部の一端が固定座部6111に固定される。収容孔6112Aは円筒部分の中空部分である。制限する長い孔6112Bは、羽根部と、羽根部が配置される円筒部の側壁とに同時に設けられる。設定は、係止ピン構造61のより大きい強度への助けとなり、ピン本体612がピン座部6112から逸脱するのを効果的に防止する助けとなる。
【0091】
装着孔は第1の扉2に設けられる。係止ピン構造61が第1の扉2において装着されるとき、ピン座部6112は第1の扉2において対応する装着孔へと差し込まれ、そのためピン本体612が延びた状態において第1の扉2の表面から突出し、ピン本体612が引き込むとき、ピン本体612は第1の扉2の表面へと戻る。
【0092】
また、係止フック61に合致するピン本体612の一方の端の係止フック61の近くの一方の側が、押圧面として供する傾斜平面6121を備え、傾斜平面6121は、中心から端部分への方向に沿って係止フック61から徐々に離れ、そのため係止フック61は、ピン本体612をそれ自体の軸方向に沿って内向きに引き込ませようとするために、ピン本体612の側面に力を加えることができる。
【0093】
係止フック62は第2の扉3に配置される。一部の実施形態では、係止フック62は、係止フックが配置される第2の扉3が基礎フレーム1に対して回転させられるとき、係止フックが配置される第2の扉3の板本体に対して係止フック62が回転させられるような手法で設定される。例えば、第2の扉3と基礎フレーム1とは平行4リンク構造を構成し、係止フック62は平行4リンク構造に配置される。
図10~
図14に示されているように、第2の扉3は補強ロッド34を備え、係止フック62は補強ロッド34に配置される。
【0094】
本実施形態の扉-扉係止構造6では、扉-扉係止状態において、ピン本体612は、第1の扉2に対する第2の扉3の位置を係止するためにピン溝621に配置される。扉-扉係止解除状態では、ピン本体612は、第1の扉2に対する第2の扉3の位置の係止を解除するためにピン溝621から係合解除される。扉-扉係止構造6は、第1の扉2と第2の扉3とが同時に閉じられる状態において扉-扉係止状態にある。扉-扉係止構造6は、第1の扉2と第2の扉3とを同時に開ける作業において、扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えられる。扉-扉係止構造6は、第1の扉2と第2の扉3とを連続して閉じるかまたは同時に閉じる作業において、扉-扉係止解除状態から扉-扉係止状態へと切り替えられる。
【0095】
扉係止構造5が第1の扉2と基礎フレーム1との間の係止を実現するために使用され、扉-扉係止構造6が第1の扉2と第2の扉3との間の係止を実現するために使用され、扉-扉係止構造6の係止ピン構造61がバネピン構成要素として設定されることが、先の記載から分かる。
図10を参照すると、扉-扉係止構造6の係止フック62と、係止フックが配置される補強ロッド34とが、係止ロッドを一体的に構成しており、係止フック62は、補強ロッド34と連結ロッド33とが連結される端部分に配置され、ピン溝621を有している。バネピン構成要素は、装着座部611の固定座部6111を介して第1の扉2における装着孔に装着される。ピン本体612の端頭部は、押圧面として傾斜面6121を有しており、傾斜面6121は係止フック62を向いており、それによって、係止フック62がピン本体612に向けて移動するときに傾斜面6121に沿ってピン本体612を押し出すのを助け、そのためピン本体612は第1の扉2の表面へと引き込む。2つの制限部材614が、ピン本体612の中間において、径方向における2つの反対の側にそれぞれ配置されている。第1の弾性部材613として供するコイルバネがピン本体612の外周において包囲されている。装着座部611はピン座部6112を備え、ピン座部6112は、ピン本体612および第1の弾性部材613を収容するための収容孔6112Aを有する。制限部材に直線的な運動を実施させることを可能とするための制限スロット孔6112Bは、ピン座部6112の側壁に設けられている。第1の弾性部材613は制限部材614と固定座部6111との間に配置されている。ピン本体612が、外から加えられる力を受けるとき、または、外から加えられる力を失うとき、ピン本体612は、制限スロット孔6112Bの延びる方向に沿って戻るように引き込むことができる、または、延び出すことができる。係止ロッドの構造は
図10に示されている通りであり、その主本体部分は第2の扉3の補強ロッド34であり、平行4リンク機構構造に配置され、係止フック62は係止ロッドの上方端に配置され、係止フック62は、第2の扉3に対する第1の扉2の位置を係止するためにピン本体612を引っ掛けるために使用される。
【0096】
図3に示されているように、第2の扉3では、互いに平行な複数の補強ロッド34が連結ロッド33と第1の扉本体31との間に配置され、補強ロッド34の数は、例えば2つまたは3つといった、明確に制限されておらず、連結ロッド33と、複数の補強ロッド34と、それらにヒンジ留めされる第1の扉本体31との間の連結の関係は、四辺形の原理を採用してもいる。
【0097】
補強ロッド34は、第2の扉3の開閉をより滑らかでしっかりと実現でき、完全に開いた状態において安定化させる助けとなる。一方、物品が取り出されるとき、第1の扉2は第2の扉3を閉じるために開けられる必要があり、このとき、カバー4は第1の扉2の移動で折り畳まれる。カバー4が柔軟な材料から概して作られるため、形は固定されておらず、補強ロッド34が設けられていない場合、カバー4の側部は、第2の扉3の扉本体と連結ロッド33とによって形成される空間を乗り越える傾向があり、物品が取り出された後、第2の扉3が基礎フレーム1に留め付けられるとき、カバー4は規則正しくされる必要があり、そうでない場合、カバー4の一部が挟まれてしまう。補強ロッド34が設けられた後、補強ロッド34はカバー4を妨げて配置させる。第1の扉2が第2の扉3に向けて回転させられるとき、カバー4の側部は補強ロッド34によって妨げられて第2の収容空間へと配置させられ、そのため、使用者は、物品を取り出した後、第1の扉2と第2の扉3とを直接閉じ、カバー4を手作業で整えることなく物品アクセス装置を係止でき、そのため使用者の使用の利便性が向上させられる。さらに、物品アクセス装置が物品収容状態にあるとき、補強ロッド34はフェンスのように作用できる。隣接する補強ロッド34同士の間の空間と、補強ロッド34と隣接する扉本体または基礎フレーム1との間の距離とが小さくなるように設定される場合、他のものが物品アクセス装置の下側面からカバー4の下へと意図的に延びることが防止でき、これは、カバー4の下またはカバー4内の物品への人為的な損傷を防止するのを助ける。
【0098】
本開示の実施形態の物品アクセス装置によれば、第1の扉2と、第2の扉3と、基礎フレーム1との係止は、物品アクセス装置の外側層における第2の扉3が閉じた状態にあり、第2の扉3が基礎フレーム1において覆われ、第1の扉2が、第2の扉3と基礎フレーム1とによって包囲される第1の収容空間に配置されるとき、扉係止構造5の電磁的な係止部と扉-扉係止構造6の機械的な構造とによって達成される。扉-扉係止構造6が設けられているため、第2の扉3は独立して開けることができず、そのため、第1の扉2と第2の扉3とは物品アクセス装置を係止するために扉係止構造5を共有でき、それによって、第1の扉2が独立して閉じられる物品収容状態と、第1の扉2と第2の扉3とが同時に閉じられる折り畳み状態とにおいて、物品アクセス装置が1つの扉係止構造5によって係止できる。
【0099】
図15および
図16に示しているように、物品アクセス装置は減衰構造をさらに備え、減衰構造は第2の弾性部材7を備え、第2の弾性部材7の弾性力が、第1の扉2が基礎フレーム1に対して回転させられるときに第1の扉2の回転速度を低下させるために第1の扉2に作用する。
【0100】
図15および
図16において、第1の扉2と、第2の扉の連結ロッド33と、支持ロッド9とは、同じ連結ピン801を介して基礎フレーム1の内側壁の後端にヒンジ留めされる。連結ロッド33の端部と、第2の弾性部材7として供する皿バネと、第1の扉2の端部と、支持ロッド9の端部と、ガスケット802とは、基礎フレーム1の側壁に近い側から側壁から離れた側へと、連結ピンシャフト801において連続して袖状とさせられ、ネジ803が連結ピンシャフト801の端部に連結され、そのため連結ロッド33の端部と、皿バネと、第1の扉2の端部と、支持ロッド9の端部と、ガスケット802とは、押し付けられて連結ピンシャフト801に装着でき、それによって構成要素と基礎フレーム1とのヒンジ留めを達成し、第1の扉2と第2の扉3との間の移動の減衰を達成する。
【0101】
減衰構造の採用によって、基礎フレーム1および他の連結された構成要素に対する第1の扉2の移動作業において摩擦抵抗があり、第2の扉3が外向きに引っ張られるとき、第1の扉2は減衰し、これは第2の扉3および基礎フレーム1からの自動的な係合解除を達成する助けとなり、扉-扉係止構造6の自立した係合解除を達成する助けとなる。
【0102】
第2の扉3を完全に開いた状態においてより安定させるために、第2の扉3が完全に開いた状態にあるときに第2の扉3の位置を係止するために板-板係止構造が設けられてもよく、板-板係止構造は、例えば外れ止めピン、締め金フックなど、任意の形態の係止構造とすることができる。第1の扉本体31の開く度合いを制限するための板本体制限構造が設けられてもよく、例えば制限突起などが基礎フレーム1の下方部に配置される。当然ながら、板-板係止構造と板本体制限構造とは必要とは限らず、完全に開かれたときの第2の扉3の安定および制限は、連結された構成要素同士の間の位置の協調によって達成されてもよい。
【0103】
物品アクセス装置を、折り畳み状態から、物品を置く物品収容状態へと切り替える作業は、次のとおりである。
【0104】
扉係止構造5が扉係止解除状態にされている。物品アクセス装置は、使用者による身元識別情報の成功した識別の後に扉係止構造5の状態を扉係止解除状態へと切り替えるために、身元識別構成要素を備え得る。
【0105】
第2の扉3は外向きに引っ張られる。第2の扉3が引っ張られ始めるとき、第1の扉2は、扉-扉係止構造6の係止動作のため、第2の扉3と一緒に外向きに移動することになる。第2の扉3の平行4リンク構造の変形により、ピン本体612に対する係止ロッドにおける係止フック62の位置は変化し、ピン溝621におけるピン本体612は係止フック62の開口に向けて移動し、その間、減衰構造は、第1の扉2への力の加わる方向と反対の摩擦力を発生させ、第1の扉2におけるピン本体612は係止フック62から係合解除され、そのため扉-扉係止構造6は、第1の扉2および第2の扉3を開ける作業において、扉-扉係止状態から扉-扉係止解除状態へと切り替えられる。
【0106】
第2の扉3が完全に開けられるとき、物品が基礎フレーム1、第1の扉2、第2の扉3などによって包囲される第2の収容空間に置かれた後、第1の扉2は閉じられ得、その間、カバー4は第2の収容空間を閉じるために折り畳み解除されるように動かされ、第1の扉2と基礎フレーム1とは扉係止構造5によって係止される。
【0107】
物品を物品アクセス装置から取り出し、物品アクセス装置を物品収容状態から折り畳み解除状態へと切り替える作業は、次のとおりである。
【0108】
扉係止構造5は扉係止解除状態へと切り替えられ、第1の扉2は下向きに回転させられ、複数の補強ロッド34は、カバー4が2つの側面から突出するのを防止するように徐々に折り畳まれるカバー4を妨げるために、第2の扉3の平行4リンク構造において配置される。
【0109】
物品が取り出された後、第2の扉3は、押す作業において、基礎フレーム1に向けて押され、係止ロッドにおける係止フック62の外側の縁は、係止フック62を向くようにピン本体612の傾斜面6121を押し、ピン本体612は、係止フック62の押し出しの下でピン座部6112へと戻るように引き込み、係止フック62がピン本体612を完全に通過するように移動し続けるとき、ピン本体612は第1の弾性部材613の弾性力の下で延び出し、係止フック62のピン溝621において留め付けられ、このとき、扉-扉係止構造6は、第2の扉3に対する第1の扉2の位置を係止するために扉-扉係止状態にある。第2の扉3が、閉じた状態で位置付けられるように基礎フレーム1において完全に覆われるとき、第1の扉2は、第2の扉3を押す下で閉じた状態にもあり、このとき、扉係止構造5は、第1の扉2を基礎フレーム1へと係止させるために扉係止状態へと切り替えられ、つまり、物品アクセス装置を閉じて係止することが完了される。
【0110】
物品アクセス装置に配置された扉-扉係止構造6のため、使用者などは、第1の扉2および第2の扉3を一回の作業で同時に折り畳み解除または折り畳みでき、それによって操作作業を簡単にし、使用を容易にする。物品アクセス装置が閉じられて係止された後、扉-扉係止構造6が扉-扉係止状態にあるため、扉係止構造5が扉係止状態にある限り、第2の扉3が外向きに引っ張られる場合であっても、第2の扉3は第1の扉2から係合解除できず、そのため物品アクセス装置は勝手に開けることができず、これは人為的な操作ミスなどの不適切な使用を防止する助けとなる。
【0111】
最後に、上記の実施形態が本開示を限定するのではなく本開示の技術的な解決策を示すために使用されただけであることは、留意されるべきである。本開示は好ましい実施形態を参照して詳細に記載されているが、本開示が属する技術の当業者は、本開示の特定の実施形態に変更をなおも行える、または、同等の置き換えが技術的な特徴の部分になおも行えることを当然ながら理解し、これらの変更および同等の置き換えは、本開示によって請求されている技術的な解決策の範囲に当然ながら含まれる。
【符号の説明】
【0112】
1 基礎フレーム
2 第1の扉
3 第2の扉
4 カバー
5 扉係止構造
6 扉-扉係止構造
7 第2の弾性部材
9 支持ロッド
31 第1の扉本体
32 第2の扉本体
33 連結ロッド
34 補強ロッド、補強棒
61 係止ピン構造、係止フック
62 係止フック
611 装着座部
612 ピン本体
613 第1の弾性部材
614 制限部材
621 ピン溝
801 連結ピンシャフト
802 ガスケット
803 ネジ
6111 固定座部
6112 ピン座部
6112A 収容孔
6112B 制限スロット孔
6121 傾斜平面