(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】取付け構造
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20240517BHJP
E04B 9/32 20060101ALI20240517BHJP
D06F 57/12 20060101ALI20240517BHJP
D06F 57/00 20060101ALI20240517BHJP
F21V 21/34 20060101ALI20240517BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A47G29/00 H
E04B9/32
D06F57/12 P
D06F57/00 390
F21V21/34 100
F21S8/04 110
(21)【出願番号】P 2019237415
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】清水 亨
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-066340(JP,A)
【文献】特開2018-181753(JP,A)
【文献】実開昭58-190626(JP,U)
【文献】特開2010-255304(JP,A)
【文献】特開2005-052456(JP,A)
【文献】特開2009-201802(JP,A)
【文献】特開2008-119425(JP,A)
【文献】実開昭60-138465(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00
E04B 9/32
D06F 57/12
D06F 57/00
F21V 21/34
F21S 8/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付け部材を天井に取付ける取付け構造であって、
前記天井に設けられるレールに着脱可能、かつ、該レールに沿ってスライド可能に装着される複数のベース部材を備え、
前記複数のベース部材は、径の異なる少なくとも2つのねじ孔をそれぞれ有し、
前記被取付け部材が、少なくとも1つの前記ベース部材に、該ベース部材が有する前記ねじ孔のうちの1つのねじ孔に対応するねじ部材を用いてねじ留めされ、
前記レールは、前記ベース部材が挿入される溝部を有するとともに、前記被取付け部材が取り付けられる側に開口して前記溝部と外部とを連通し、かつ、前記レールの延びる方向に延在する開口を有し、該開口の両側に係合部が一対の状態で設けられ、
前記ベース部材は、前記開口から前記溝部内に挿入可能とされ、前記溝部に挿入された前記ベース部材が、前記一対の係合部にまたがる状態で係合
し、
1つの前記被取付け部材が、複数の前記ベース部材のうちの、2つ以上の当該ベース部材のそれぞれに取り付けられる、取付け構造。
【請求項2】
前記レールは、前記ベース部材が係合して該レールに保持される係合部を有し、
前記ベース部材と、該ベース部材にねじ留めされる前記被取付け部材とが前記係合部を挟持した状態で、前記被取付け部材が前記レールに固定される、請求項1に記載の取付け構造。
【請求項3】
前記被取付け部材は、
前記ねじ部材が挿通される挿通孔を有し前記ベース部材とともに前記係合部を挟持する取付け具と、
前記取付け具に取付けられる本体部と、を有する請求項2に記載の取付け構造。
【請求項4】
前記取付け具は、前記レールおよび前記ベース部材に当接して前記レールに対する相対位置が位置決めされる位置決め部を有する、請求項3に記載の取付け構造。
【請求項5】
前記本体部は、竿が掛けられる竿掛け部材である、請求項3に記載の取付け構造。
【請求項6】
前記本体部は、照明器具である、請求項3に記載の取付け構造。
【請求項7】
前記天井は、採光室を構成する天井である、請求項1~6のいずれかに記載の取付け構造。
【請求項8】
前記採光室は、サンルームおよびガーデンルームのうちの一方である、請求項7に記載の取付け構造。
【請求項9】
前記レールは、日除けシートを開閉可能に支持する、請求項1~8のいずれかに記載の取付け構造。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の取付け構造を備える、採光室。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、屋根や天井を構成する屋根材としての垂木に、各種部材を取付けることが行われている。特許文献1には、垂木を挟持して固定されたコの字形の取付金具と、該コの字形の取付具にビス等にて固着された台座と、該台座に割りピン等の回転軸にて回転可能に設置された固定具とからなり、該固定具の一端に、竿掛けアームを下端に支持する吊り材を挿着して該吊り材を懸架する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示されるような取付け構造においては、利用者が天井に対し各種部材(例えば、竿掛け部材や照明機器等)を自身の手で施工することは難しい場合がある。また、特許文献1には、各種部材を容易に移動させたり取り外したりできる構造は開示されていない。そこで、利用者が任意の各種部材を自身の手で施工(いわゆるDIY:Do It Yourself)して上記のような各種部材を移動や取り外しが可能に容易に取付けることができる技術が望まれている。
【0005】
そこで本発明は、利用者が天井に対し任意の各種部材を移動や取り外しが可能なように自身の手で容易に取付けることができる取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被取付け部材を天井に取付ける取付け構造であって、前記天井に設けられるレールに着脱可能、かつ、該レールに沿ってスライド可能に装着される複数のベース部材を備え、前記複数のベース部材は、径の異なる少なくとも2つのねじ孔をそれぞれ有し、前記被取付け部材が、少なくとも1つの前記ベース部材に、該ベース部材が有する前記ねじ孔のうちの1つのねじ孔に対応するねじ部材を用いてねじ留めされる、取付け構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る取付け構造を用いて1本掛けタイプの竿掛け部材がレールに取付けられたガーデンルームを示す図である。
【
図2】
図1の竿掛け部材がレールに取付けられる状態を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の取付け構造を示す分解斜視図である。
【
図4】ベース部材がレールに装着される過程を示す断面図である。
【
図6】取付け具に対する竿掛け部材の着脱構造を示す斜視図である。
【
図7】第2実施形態に係る取付け構造を用いて複数本掛けタイプの竿掛け部材がレールに取付けられる状態を示す斜視図である。
【
図8】第2実施形態の取付け構造を示す分解斜視図である。
【
図10】第3実施形態に係る取付け構造を用いて照明器具がレールに取付けられる状態を示す斜視図である。
【
図11】取付け具に対する照明器具の取付け構造を示す分解斜視図である。
【
図12】各種吊りフック金具がベース部材を用いてレールに取付け可能な状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1は、採光室としてのガーデンルームGに、本発明の第1実施形態に係る取付け構造を用いて1本掛けタイプの竿掛け部材20が取付けられた状態を示している。
【0009】
ガーデンルームGは、床Fと、透明なガラスやアクリルパネル等からなる透光性の天井パネルP1による傾斜した天井Pと、を備える。天井Pは、ガーデンルームGの屋根の少なくとも一部を含んで構成される。天井Pは格子状の支持材Dを備え、天井パネルP1は支持材Dに支持される。天井Pの傾斜方向に延びる支持材Dを構成する垂木15の下面には、垂木15の延在方向に沿ってレールRが設けられている。レールRには、日除けシート(不図示)がレールRに沿って開閉可能に設けられる。ガーデンルームGの壁面は、腰壁10の上に腰窓Wが設けられて構成されている。
【0010】
図2に示すように、竿掛け部材20は、取付け具30を介してレールRに着脱可能に取付けられる。取付け具30は、
図3に示す一対のベース部材40を用いてレールRに着脱可能に取付けられる。取付け具30は、並列配置される2つのねじ39を用いてベース部材40に固定される。第1実施形態では、竿掛け部材20と取付け具30との組み合わせが本発明に係る被取付け部材20Aを構成する。また、竿掛け部材20は、本発明の本体部の一例を構成する。また、ねじ39は本発明のねじ部材の一例を構成する。
【0011】
図2に示すように、竿掛け部材20は、物干し等に用いられる1本の竿(不図示)が通されて掛けられるリング部22を1つ有する。竿掛け部材20は、ロッド部21の一端にリング部22を有し、他端に球状のフック部23を有する。ロッド部21は、フック部23側の端部にコイルばね21aの部分を有する。ロッド部21は、コイルばね21aが弾性変形して曲げられるようになっている。
【0012】
図3に示すように、取付け具30は、スペーサ31と、フック35と、を備えている。スペーサ31は、上方に開口を有する略直方体の箱状に形成されている。スペーサ31は、長手方向両端部に、ねじ39が挿通される挿通孔31aを有する。スペーサ31は、幅が、後述するレールRの開口14の幅よりも大きい寸法を有する。フック35は、ねじ39が挿通される挿通孔35aを有する。フック35は、2つの挿通孔35aの間に、竿掛け部材20のフック部23が着脱可能に係止されて竿掛け部材20を吊り下げるためのフック部36を有する。
【0013】
フック部36は内部が空洞となっている。フック部36は、フック部36の内部と外部とを連通するガイド孔37を有する。ガイド孔37は、竿掛け部材20のフック部23が挿通不可能な第1端部孔37aと、フック部23が挿通可能な第2端部孔37bと、第1端部孔37aと第2端部孔37bとを連通するスリット37cと、を含む。スリット37cは、竿掛け部材20のロッド部21のみが挿通可能な幅を有する。取付け具30がレールRに取付けられた状態で、第1端部孔37aはフック部36の下側に配置され、第2端部孔37bはフック部36の側面側に配置される。
【0014】
図4および
図5に示すように、ベース部材40は、長方形状の薄い板材で構成されている。ベース部材40は、竿掛け部材20をレールRに取付けるために、レールRに一対すなわち2つが装着される。ベース部材40は、レールRに着脱可能、かつ、レールRに沿ってスライド可能に装着される。
【0015】
図5に示すように、ベース部材40は、第1ねじ孔41と、第1ねじ孔41よりもねじ径が小さい第2ねじ孔42と、を有する。すなわちベース部材40は、ねじ径の異なる2つのねじ孔41、42を有する。各ねじ孔41、42は、ベース部材40の中心線(幅方向中央を通る線)L1上に配置されている。また、各ねじ孔41、42は、ベース部材40の長手方向の二等分線L2の両側にそれぞれ配置されている。ねじ39は、第2ねじ孔42に対応し、第2ねじ孔42に螺合する。
【0016】
図4に示すように、レールRは、垂木15の下面にねじ19を用いて固定される。レールRは、両側の側部に左右一対のレール部11を有する。隣接する2つのレールRの間に、上述した日除けシートが張られる。その日除けシートは、レール部11にスライド可能に装着されるランナー(不図示)を介してレールRに沿って開閉するように設けられる。
【0017】
図4に示すように、レールRは、ベース部材40がその内部に挿入される溝部12と、ベース部材40が上側から係合して保持される左右一対の係合部13と、係合部13の間に設けられた上下方向に開口するスリット状の開口14と、を有する。開口14は、レールRの下面の幅方向中央部に、レールRの延在方向に沿う状態に形成されている。溝部12は、開口14を介してレールRの下部に連通する。係合部13は、開口14の両側において、互いに対向する内側方向に突出し、かつ、レールRの延在方向に延びる細長い板状の部分で構成されている。
【0018】
図4に示すように、ベース部材40は、長手方向をレールRと概ね平行にした状態から、幅方向の一端部を開口14から溝部12内に挿入して全体が溝部12内に挿入される。この状態から、ベース部材40は、幅方向両端部を左右の係合部13の上にそれぞれ置くと、左右の係合部13にまたがる状態でこれら係合部13に係合して保持される。ベース部材40は。係合部13上をスライドしてレールRに沿ってスライド可能である。
【0019】
このようにして2つのベース部材40が、
図3に示すようにレールR内に着脱可能に装着される。
図3では、ねじ径の小さい第2ねじ孔42が、並列する2つのベース部材40の両端部に位置するように配置されている。取付け具30は、
図3に示すように、スペーサ31とフック35とを上下に配置し、各挿通孔35a、31aに挿通させたねじ39を、2つのベース部材40の各第2ねじ孔42にねじ込んでレールRに固定される。
【0020】
前述したようにスペーサ31は幅寸法が開口14の幅よりも大きいため、スペーサ31は左右の係合部13の下面に当接する。このため、2つのベース部材40と、これらベース部材40にねじ留めされる取付け具30のスペーサ31とが、左右の係合部13を挟持する。取付け具30は、2つのベース部材40と取付け具30のスペーサ31とが左右の係合部13を挟持した状態で、レールRに固定される。
【0021】
竿掛け部材20は、フック部23がフック35のフック部36に着脱可能に装着され、吊り下げ状態でレールRに支持される。
図6に示すように、竿掛け部材20は、フック部23およびフック部23に近接するロッド部21の上端部が、それぞれ外部からガイド孔37の第2端部孔37bおよびスリット37cに通されてフック部36内に挿入される。この後、下向き矢印のように竿掛け部材20を下げるとフック部23が第1端部孔37aに嵌合される。フック部23は、第1端部孔37aを挿通不可能なのでフック部36に係合し、これにより竿掛け部材20は取付け具30に吊り下げられる。また、上記と逆の過程で竿掛け部材20を移動させて、側方に向く矢印の方向にフック部23およびロッド部21をフック部36から外して、竿掛け部材20を取付け具30から取り外すことができる。
【0022】
上記第1実施形態の取付け構造では、以下の作用効果が奏される。第1実施形態の取付け構造は、被取付け部材20Aを天井Pに取付けるにあたり、天井Pに設けられる日除けシートを支持するレールRに着脱可能、かつ、レールRに沿ってスライド可能に装着される複数のベース部材40を備え、複数のベース部材40は、径の異なる少なくとも2つのねじ孔41、42をそれぞれ有し、被取付け部材20Aが、複数のベース部材40のうちの少なくとも1つに、ベース部材40が有するねじ孔41、42のうちの1つのねじ孔に対応するねじ39を用いてねじ留めされる。
【0023】
第1実施形態では、利用者が天井Pに対し各種部材のうちの一つである被取付け部材20Aを、移動や取り外しが可能なように自身の手で容易に取付けることができる。本実施形態では、径の異なるねじでねじ留めされる複数種類の竿掛け部材20を含む被取付け部材20Aに対応して、ベース部材40のねじ孔41、42を設けることにより、それら複数種類の被取付け部材20Aを、日除けシートを支持するレールRに取り付けることができる。すなわち、被取付け部材20Aが、ねじ径の小さい第2ねじ孔42に対応するねじで取付けられタイプの場合には、ベース部材40の第2ねじ孔42を用いて、その被取付け部材20AをレールRに取付けることができる。また、被取付け部材20Aのフック35の2つの挿通孔35a間の間隔が異なる場合でも、2つのベース部材40の間隔を調整してねじ孔41(42)間の間隔を2つの挿通孔35aに適合させることができる。これにより、被取付け部材20Aの挿通孔35a間の間隔に幅広く対応することができる。
【0024】
第1実施形態は、レールRは、ベース部材40が係合してレールRに保持される係合部13を有し、ベース部材40と、ベース部材40にねじ留めされる被取付け部材20Aのスペーサ31とが係合部13を挟持した状態で、被取付け部材20AがレールRに固定される。
【0025】
これにより、被取付け部材20Aを、レールRの延在方向の任意の位置でレールRに高い固定強度をもって確実に固定することができる。
【0026】
第1実施形態においては、被取付け部材20Aは、ねじ39が挿通される挿通孔31a、35aを有しベース部材40とともに係合部13を挟持する取付け具30と、取付け具30に取付けられる本体部としての竿掛け部材20と、を有する。これにより、竿掛け部材20をレールRの任意の位置に取付けることができる。
【0027】
第1実施形態においては、レールRは開口14を有し、開口14の両側に係合部13が一対の状態で設けられ、開口14に挿入されたベース部材40が、レールR側の一対の係合部13にまたがる状態で係合する。これによりベース部材40は簡素な構造でレールRに対して着脱可能、かつ、スライド可能に装着される。また、レールRに対しベース部材40を容易に装着することができる。
【0028】
第1実施形態では、取付け具30に取り付けられる本体部が、竿が掛けられる1本掛けタイプの竿掛け部材20である。これにより、レールRに対しその竿掛け部材20を容易に取付けることができる。
【0029】
第1実施形態では、天井Pは、ガーデンルームGを構成する天井である。これにより、被取付け部材20Aを構成する竿掛け部材20をガーデンルームGに容易に取付けることができる。
【0030】
次に、本発明の第2~第4実施形態について説明する。これら実施形態の説明において、上記実施形態と同一構成要素には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0031】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る取付け構造を用いて複数本掛けタイプの竿掛け部材50が上記レールRに取付けられた状態を示している。竿掛け部材50は、物干し等に用いられる竿(不図示)が4本掛けられるラック部54を有する。ラック部54は、該竿が通される4つの孔54aを有する。竿掛け部材50は、上下方向に伸縮する可動アーム部51を有する。可動アーム部51は、固定筒部52内に可動筒部53が進退自在、かつ、所定の複数位置で位置決め可能に挿入された構成を有する。これによりラック部54の高さ位置を可変とすることができる。竿掛け部材50は、固定筒部52の上端部に装着部56を有し、この装着部56が、
図8に示す取付け具60Aを構成する台座部材65に着脱可能に装着される。
【0032】
図8に示すように、取付け具60Aは、並列配置される2つのねじ69を用いて2つのベース部材40に固定される。第2実施形態では、竿掛け部材50と取付け具60Aとの組み合わせが本発明に係る被取付け部材50Aを構成する。また、竿掛け部材50は、本発明の本体部の一例を構成する。また、ねじ69は本発明のねじ部材の一例を構成する。
【0033】
図8に示すように、取付け具60Aは、2つのカバー部材60と、台座部材65と、を備えている。カバー部材60は、ベース部材40とほぼ同寸法の長方形状の薄い板材を主体としており、ベース部材40にぴったりと重ね合わされる。カバー部材60は、第1挿通孔61と、第1挿通孔61よりも径が小さい第2挿通孔62と、を有する。これら挿通孔61、62は、それぞれベース部材40の第1ねじ孔41および第2ねじ孔42に対応する位置に配置されている。ねじ69は、ベース部材40の第1ねじ孔41に対応し、第1ねじ孔41に螺合する。カバー部材60の第1挿通孔61に、ねじ69が挿通される。
【0034】
図8および
図9に示すように、カバー部材60は、その長手方向両端に、一面側に突出する板状の位置決め部63を有する。2つの位置決め部63の間にベース部材40は嵌合するようになっている。各位置決め部63はベース部材40を挟むように、ベース部材40の両端にそれぞれ当接する。また、位置決め部63は、レールRの開口14に嵌合し、開口14の両側の2つの係合部13の縁に当接する。
【0035】
図8に示すように、台座部材65は、竿掛け部材50の装着部56との組み合わせにより、装着部56が着脱可能に装着され得る機能を有する。台座部材65は、ねじ69が挿通される挿通孔68を有する。
【0036】
第2実施形態では、2つのベース部材40は、ねじ径の大きい第1ねじ孔41が、並列する2つのベース部材40の両端部に位置するように配置される。取付け具60Aは、2つのカバー部材60を、第1挿通孔61が第1ねじ孔41に対応するように各ベース部材40の下に対応させて配置する。このとき、各位置決め部63をレールRの開口14に嵌合し、ベース部材40とカバー部材60とによりレールRの左右の係合部13を挟む。各カバー部材60の下に台座部材65を配置し、各挿通孔68、61に挿通させたねじ69を、2つのベース部材40の各第1ねじ孔41にねじ込んで、取付け具60AがレールRに固定される。
【0037】
2つのベース部材40と、これらベース部材40にねじ留めされる取付け具60Aのカバー部材60とが、レールRの左右の係合部13を挟持する。取付け具60Aは、2つのベース部材40と取付け具60Aの各カバー部材60とが左右の係合部13を挟持した状態で、レールRに固定される。取付け具60Aは、位置決め部63がベース部材40に当接し、かつ、レールRの開口14に嵌合するため、レールRに対する相対位置(レールRの延在方向の位置、および幅方向の位置)が位置決めされる。
【0038】
竿掛け部材50は、装着部56が取付け具60Aの台座部材65に着脱可能に装着され、吊り下げ状態でレールRに支持される。
【0039】
第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、ねじ径の異なるねじでねじ留めされる複数種類の被取付け部材50Aに対応して、それら被取付け部材50AをガーデンルームGの天井PのレールRに取付けることができる。
【0040】
さらに第2実施形態では、取付け具60Aを構成するカバー部材60が、レールRの係合部13およびベース部材40に当接してレールRに対する相対位置が位置決めされる位置決め部63を有する。これにより、竿掛け部材50を含む被取付け部材50AのレールRに対する位置(レールRの延在方向の位置および幅方向の位置)がずれにくくなる。
【0041】
第2実施形態では、取付け具60Aに取り付けられる本体部が、竿が掛けられる複数本掛けタイプの竿掛け部材50である。これにより、レールRに対し竿掛け部材50を容易に取付けることができる。
【0042】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態に係る取付け構造を用いて照明器具(ダウンスポットライト)70が上記レールRに取付けられた状態を示している。照明器具70は、
図11に示すように、接続部72が一体に設けられた器具本体71を備える。照明器具70は、接続部72が取付け具73を介して2つのベース部材40に取付けられる。第3実施形態では、照明器具70と取付け具73との組み合わせが本発明に係る被取付け部材70Aを構成する。また、照明器具70は、本発明の本体部の一例を構成する。
【0043】
図11に示すように、照明器具70は、電源ケーブル74に接続ケーブル75を接続して接続部72が取付け具73に取付けられ、電気的に導通状態となる。接続部72と取付け具73とは、互いにワンタッチで着脱可能に係合する機能を有する。取付け具73は、並列配置される2つのねじ79が挿通され、これらねじ79を用いて2つのベース部材40に締結される。ねじ79は、ベース部材40の第1ねじ孔41に対応し、第1ねじ孔41に螺合する。ねじ79は、本発明のねじ部材の一例を構成する。
【0044】
2つのベース部材40と、これらベース部材40にねじ留めされる取付け具73とが、レールRの左右の係合部13を挟持する。取付け具73は、2つのベース部材40と取付け具73とが左右の係合部13を挟持した状態で、レールRに固定される。照明器具70は、接続部72が取付け具73に着脱可能に装着されて、レールRに支持される。
【0045】
第3実施形態によれば、上記第1および第2実施形態と同様に、ねじ径の異なるねじでねじ留めされる複数種類の照明器具70を含む被取付け部材70Aに対応して、それら被取付け部材70AをガーデンルームGの天井PのレールRに取付けることができる。
【0046】
第3実施形態では、取付け具73に取り付けられる本体部が、照明器具70である。これにより、レールRに対し照明器具70を容易に取付けることができる。
【0047】
図12は、上記第2実施形態で用いたカバー部材60を用いて、雄ねじ部を有する各種吊りフック金具81、82、83がベース部材40を介してレールRに取付け可能であることを示している。吊りフック金具81はリング状のフック部が閉塞したタイプであり、吊りフック金具82はリング状のフック部が開放したタイプである。吊りフック金具83は、外れ止め83aを有するスプリングフックである。
【0048】
各吊りフック金具81~83は、2つのベース部材40に、雄ねじ部がいずれかのねじ孔41、42にねじ込まれて締結され、レールRに支持される。各吊りフック金具81~83には、紐等を介して、例えば植木鉢等に植えられた植物が吊り下げられる。
【0049】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明に係る取付け構造は、各実施形態に共通するベース部材40を備えることにより、第1~第3実施形態の被取付け部材20A、50A、70Aにそれぞれ対応して、これら被取付け部材20A、50A、70AをレールRに取付けることができる。
【0050】
本発明は上記各実施形態の形状、組み合わせ等に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0051】
例えば、ベース部材40はレールRに一対装着されるとしているが、ベース部材40は3つ以上の複数個がレールRに装着されてよい。また、ベース部材40の形状や、レールRに対するベース部材40の取付け構造としては、本発明を含むものであれば上記実施形態に制限されずいかなる態様であってよい。
【0052】
また、レールRに取り付ける本体部を構成するものとしては、竿掛け部材や照明器具に制限されず、ガーデンルームGで用いられる他の各種機器や設備品等を取付けることができるようにしてよい。
【0053】
上記各実施形態は、採光室としてガーデンルームGを例示しているが、採光室としてはガーデンルームの他にサンルームが挙げられ、その場合にはサンルームの天井に設けられる日除けシートを支持するレール等のレールに、ベース部材40が適用される。
【符号の説明】
【0054】
13 係合部
14 開口
20 竿掛け部材(本体部)
20A、50A、70A 被取付け部材
30、60A、73 取付け具
31a、35a、61、68 挿通孔
39、69、79 ねじ(ねじ部材)
40 ベース部材
41、42 ねじ孔
63 位置決め部
70 照明器具(本体部)
P 天井
R レール