(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
G05G 1/08 20060101AFI20240517BHJP
B62D 1/04 20060101ALI20240517BHJP
B62D 1/14 20060101ALI20240517BHJP
G05G 9/047 20060101ALI20240517BHJP
G05G 1/04 20060101ALI20240517BHJP
B60K 20/02 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
G05G1/08 A
B62D1/04
B62D1/14
G05G9/047
G05G1/08 B
G05G1/04 Z
B60K20/02 Z
(21)【出願番号】P 2020023424
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚文
(72)【発明者】
【氏名】小杉 正則
(72)【発明者】
【氏名】村木 均至
(72)【発明者】
【氏名】江川 哲也
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-225384(JP,A)
【文献】特開2006-264512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 1/08
B62D 1/04
B62D 1/14
G05G 9/047
G05G 1/04
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の乗員に操作されることで変位可能とされた第1変位部と、
前記第1変位部に支持され、車両の乗員に操作されることで前記第1変位部に対して変位可能とされた第2変位部と、
車両のモードが第1のモードとされている際においては前記第1変位部の変位を許容すると共に前記第2変位部の前記第1変位部に対する変位を制限し、車両のモードが第2のモードとされている際においては前記第1変位部の変位を制限すると共に前記第2変位部の前記第1変位部に対する変位を許容するロック部と、
を備え、
前記ロック部は、前記第1変位部の変位を制限する制限状態と前記第1変位部の変位を許容する許容状態とに切替えられる第1ロック部と、前記第2変位部の変位を制限する制限状態と前記第2変位部の変位を許容する許容状態とに切替えられる第2ロック部と、を備えており、
前記第1ロック部及び前記第2ロック部の一方を制限状態に切替えると共に、前記第1ロック部及び前記第2ロック部の他方を許容状態に切替えることで、前記第1変位部を変位させる操作と前記第2変位部を前記第1変位部に対して変位させる操作とを同時に行うことが不能となっている操作装置。
【請求項2】
前記第1変位部は、回転可能に支持され、
前記第2変位部は、前記第1変位部に傾動可能に支持された請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記第1変位部は、傾動可能に支持され、
前記第2変位部は、前記第1変位部に傾動可能に支持された請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記第2変位部は、前記第1変位部に回転可能に支持された請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、直進方向(前方側及び後方側)へ移動させることができることに加えて直進方向に対して垂直な方向へ移動させることができる車両が開示されている。この文献に記載された車両のように、複数の走行モードで走行可能な車両においては、複数の走行モードに対応できる操作装置が必要になる。
【0003】
また、複数の変速モードを有する車両においても、複数の変速モードに対応した操作装置が必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、複数のモードに対応できる操作装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る操作装置は、車両の乗員に操作されることで変位可能とされた第1変位部と、前記第1変位部に支持され、車両の乗員に操作されることで前記第1変位部に対して変位可能とされた第2変位部と、車両のモードが第1のモードとされている際においては前記第1変位部の変位を許容すると共に前記第2変位部の前記第1変位部に対する変位を制限し、車両のモードが第2のモードとされている際においては前記第1変位部の変位を制限すると共に前記第2変位部の前記第1変位部に対する変位を許容するロック部と、を備えている。
【0007】
第2の態様に係る操作装置は、第1の態様の操作装置において、前記第1変位部は、回転可能に支持され、前記第2変位部は、前記第1変位部に傾動可能に支持されている。
【0008】
第3の態様に係る操作装置は、第1の態様の操作装置において、前記第1変位部は、傾動可能に支持され、前記第2変位部は、前記第1変位部に傾動可能に支持されている。
【0009】
第4の態様に係る操作装置は、第1の態様~第3の態様のいずれか1つの態様の操作装置において、前記第2変位部は、前記第1変位部に回転可能に支持されている。
【発明の効果】
【0010】
第1の態様に係る操作装置では、車両のモードが第1のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の変位を許容すると共に第2変位部の第1変位部に対する変位を制限する。この状態では、車両の乗員は第1変位部を変位させる操作を行うことができる。車両のモードが第2のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の変位を制限すると共に第2変位部の第1変位部に対する変位を許容する。この状態では、車両の乗員は第2変位部を第1変位部に対して変位させる操作を行うことができる。このように、第1の態様に係る操作装置では、車両の第1のモード及び第2のモードに対応する操作を行うことができる。
【0011】
第2の態様に係る操作装置では、車両のモードが第1のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の回転を許容すると共に第2変位部の第1変位部に対する傾動を制限する。この状態では、車両の乗員は第1変位部を回転させる操作を行うことができる。車両のモードが第2のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の回転を制限すると共に第2変位部の第1変位部に対する傾動を許容する。この状態では、車両の乗員は第2変位部を第1変位部に対して傾動させる操作を行うことができる。このように、第2の態様に係る操作装置では、車両の第1のモード及び第2のモードに対応する操作を行うことができる。
【0012】
第3の態様に係る操作装置では、車両のモードが第1のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の傾動を許容すると共に第2変位部の第1変位部に対する傾動を制限する。この状態では、車両の乗員は第1変位部を傾動させる操作を行うことができる。車両のモードが第2のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の傾動を制限すると共に第2変位部の第1変位部に対する傾動を許容する。この状態では、車両の乗員は第2変位部を第1変位部に対して傾動させる操作を行うことができる。このように、第3の態様に係る操作装置では、車両の第1のモード及び第2のモードに対応する操作を行うことができる。
【0013】
第4の態様に係る操作装置では、車両のモードが第1のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の変位を許容すると共に第2変位部の第1変位部に対する回転を制限する。この状態では、車両の乗員は第1変位部を変位させる操作を行うことができる。車両のモードが第2のモードとされている際においては、ロック部が、第1変位部の変位を制限すると共に第2変位部の第1変位部に対する回転を許容する。この状態では、車両の乗員は第2変位部を第1変位部に対して回転させる操作を行うことができる。このように、第4の態様に係る操作装置では、車両の第1のモード及び第2のモードに対応する操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る操作装置を示す正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る操作装置を示す正面図であり、車両が第1のモードとなっている状態で操作装置が操作された状態を示している。
【
図3】第1実施形態に係る操作装置を示す正面図であり、車両が第2のモードとなっている状態で操作装置が操作された状態を示している。
【
図4】第1のモードとなっている状態で操作装置が操作された際の車両を示す模式図である。
【
図5】第2のモードとなっている状態で操作装置が操作された際の車両を示す模式図である。
【
図6】第2実施形態に係る操作装置を示す斜視図であり、車両が第2のモードとなっている状態で操作装置が操作された状態を示している。
【
図7】第2のモードとなっている状態で操作装置が操作された際の車両を示す模式図である。
【
図8】第3実施形態に係る操作装置を示す側面図であり、車両が第1のモードとなっている状態で操作装置が操作された状態を示している。
【
図9】第3実施形態に係る操作装置を示す側面図であり、車両が第2のモードとなっている状態で操作装置が操作された状態を示している。
【
図10】第4実施形態に係る操作装置を示す斜視図であり、車両が第2のモードとなっている状態で操作装置が操作された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態に係る操作装置10)
図1~
図3を用いて本発明の第1実施形態に係る操作装置10について説明する。なお、以下の説明において前後、左右、上下の方向を示して説明するときは、車両の前後方向、車両の左右方向(車両の幅方向)、車両の上下方向を示すものとする。また、各図に適宜示す矢印FRは車両の前方向、矢印RRは車両の後方向、矢印UPは車両の上方向、矢印RHは車両の右方向、矢印LHは車両の左方向をそれぞれ示すものとする。
【0016】
図1に示されるように、本実施形態の操作装置10は、車両の乗員に操作されることで回転可能とされた第1変位部12と、第1変位部12に傾動可能に支持された左右一対の第2変位部14と、を備えている。また、操作装置10は、第1変位部12の回転を許容又は制限するロック部としての第1ロック部16と、第2変位部14の第1変位部12に対する傾動を許容又は制限するロック部としての第2ロック部18と、を備えている。
【0017】
第1変位部12は、左右方向へ延びると共に左右方向の中央部が回転可能に支持された基部12Aと、基部12Aの左側の端部及び右側の端部からそれぞれ上方側へ向けて延びると共に上方側へ向かうにつれて基部12Aの左右方向の中央部側へ向けて傾斜された把持部12Bと、を備えている。そして、車両の乗員が左右の把持部12Bを把持した状態で、第1変位部12を回転させることが可能となっている。なお、基部12Aが左右方向と平行になっている状態の第1変位部12の位置を中立位置P1と呼ぶ。
【0018】
一方(左側)の第2変位部14は、第1変位部12の左側の把持部12Bにおける基部12Aとは反対側の端部に図示しない傾動機構を介して左右方向へ所定の範囲で傾動可能に支持されている。なお、
図1においては、第2変位部14が中立位置P2に配置されている状態を実線で示し、第2変位部14が最も左側へ傾動された位置P2L及び最も右側へ傾動された位置P2Rをそれぞれ二点鎖線で示している。
【0019】
また、他方(右側)の第2変位部14は、第1変位部12の右側の把持部12Bにおける基部12Aとは反対側の端部に図示しない傾動機構を介して左右方向へ所定の範囲で傾動可能に支持されている。なお、右側の第2変位部14は、左側の第2変位部14と同様の範囲で左右方向へ傾動可能となっている。
【0020】
第1ロック部16は、一例として第1変位部12の基部12Aの左右方向の中央部(基部12Aにおいて回転可能に支持された部分)に設けられている。この第1ロック部16は、一例として通電が切替えられること等により許容状態と制限状態との2つの状態に切替え可能となっている。そして、第1ロック部16が許容状態となっている際においては、第1変位部12の回転が許容される。その一方で、第1ロック部16が制限状態となっている際においては、第1変位部12の回転が制限される。なお、第1ロック部16の許容状態と制限状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。
【0021】
第2ロック部18は、一例として第2変位部14を第1変位部12に対して傾動可能とする傾倒機構と一体に設けられている。この第2ロック部18は、一例として通電が切替えられること等により許容状態と制限状態との2つの状態に切替え可能となっている。そして、第2ロック部18が許容状態となっている際においては、第2変位部14の第1変位部12に対する傾動が許容される。その一方で、第2ロック部18が制限状態となっている際においては、第2変位部14の第1変位部12に対する傾動が制限される。なお、第2ロック部18の許容状態と制限状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。
【0022】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0023】
以上説明した本実施形態に係る操作装置10は、一例として以下の操作に適用できる。
【0024】
図2に示されるように、車両のモードが第1のモードとなっている場合においては、第1ロック部16が許容状態となると共に第2ロック部18が制限状態となる。ここで、第1のモードとは、「通常の操舵モード」のことであり、この通常の操舵モードでは、通常の走行をしている車両20を左側や右側へ曲げることができる。第1のモードでは、第1変位部12の回転が許容されると共に第2変位部14の中立位置P2からの傾動が制限される。そして、車両のモードが第1のモードとなっている場合においては、車両の乗員が、第1変位部12の一対の把持部12Bを両手でそれぞれ把持した状態で、第1変位部12を回転させることができる。一例として、第1変位部12を左側へ回転させることにより、
図4に示されるように、前方側へ直進走行している車両20を左側(矢印A1方向側)へ曲げることができる。なお、図示は省略するが、第1変位部12を右側へ回転させることにより、前方側へ直進走行している車両20を右側へ曲げることができる。
【0025】
図3に示されるように、車両のモードが第2のモードとなっている場合においては、第1ロック部16が制限状態となると共に第2ロック部18が許容状態となる。ここで、第2のモードとは、「車両20の直進方向に対して垂直な方向へ移動できるモード」のことである。なお、前述の第1のモードと第2のモードとの切替えは、図示しない切替スイッチにより切替えられる。第2のモードでは、第1変位部12の中立位置P1からの回転が制限されると共に第2変位部14の第1変位部12に対する傾動が許容される。そして、車両のモードが第2のモードとなっている場合においては、車両の乗員が、一対の第2変位部14を両手でそれぞれ把持した状態で、第2変位部14を第1変位部12に対して傾動させることができる。一例として、一対の第2変位部14を左側へ同時に傾動させることにより、
図5に示されるように、前後方向と直交する方向である左側(矢印A2方向側)へ車両20を移動させることができる。なお、図示は省略するが、一対の第2変位部14を右側へ同時に傾倒させることにより、前後方向と直交する方向である右側へ車両20を移動させることができる。
【0026】
(第2実施形態に係る操作装置)
次に、
図6を用いて本発明の第2実施形態に係る操作装置22について説明する。なお、第2実施形態に係る操作装置22において前述の第1実施形態に係る操作装置10と対応する部材及び部分には、第1実施形態に係る操作装置10と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0027】
図6に示されるように、本実施形態の操作装置22では、左右一対の第2変位部14が、左右方向及び前後方向へ所定の範囲で傾動可能に支持されている。この構成の操作装置22では、前述の第1実施形態に係る操作装置10の操作に加えて、以下の操作を行うことができる。
【0028】
具体的には、車両のモードが第2のモードとなっている場合において、左側の第2変位部14を後側へ傾動させると共に右側の第2変位部14を前側へ傾動させることにより、
図7に示されるように、車両20の前後位置及び左右位置をほとんど動かさない状態で当該車両20を左回りに回転させる(矢印A3方向へ回転させる)ことができる。なお、図示は省略するが、左側の第2変位部14を前側へ傾動させると共に右側の第2変位部14を後側へ傾動させることにより、車両20の前後位置及び左右位置をほとんど動かさない状態で当該車両20を右回りに回転させることができる。
【0029】
(第3実施形態に係る操作装置)
次に、
図8及び
図9を用いて本発明の第3実施形態に係る操作装置24について説明する。
【0030】
図8に示されるように、本実施形態の操作装置24は、車両の乗員に操作されることで傾動可能とされた第1変位部12と、第1変位部12に傾動可能に支持された第2変位部14と、を備えている。また、操作装置24は、第1変位部12の傾動を許容又は制限するロック部としての第1ロック部16と、第2変位部14の第1変位部12に対する傾動を許容又は制限するロック部としての第2ロック部18と、を備えている。
【0031】
第1変位部12は、上下方向へ延びる棒状に形成されている。この第1変位部12の下端部は、図示しない傾動機構を有するベース部26に支持されている。そして、この第1変位部12は、ベース部26に対して前後方向に傾動可能となっている。これにより、車両の乗員が後述する第2変位部14を把持した状態で、第1変位部12を傾動させることが可能となっている。なお、第1変位部12が上下方向と平行になっている状態の第1変位部12の位置を中立位置P1と呼ぶ。また、
図8においては、第1変位部12が中立位置P1に配置されている状態を実線で示し、第1変位部12が最も前側へ傾動された位置P1FR及び最も後側へ傾動された位置P1RRをそれぞれ二点鎖線で示している。
【0032】
図9に示されるように、第2変位部14は、第1変位部12の上端部に図示しない傾動機構を介して前後方向へ所定の範囲で傾動可能に支持されている。なお、
図9においては、第2変位部14が中立位置P2に配置されている状態を実線で示し、第2変位部14が最も前側へ傾動された位置P2FR及び最も後側へ傾動された位置P2RRをそれぞれ二点鎖線で示している。
【0033】
第1ロック部16は、一例としてベース部26に設けられた傾動機構と一体に設けられている。この第1ロック部16は、一例として通電が切替えられること等により許容状態と制限状態との2つの状態に切替え可能となっている。そして、第1ロック部16が許容状態となっている際においては、第1変位部12の傾動が許容される。その一方で、第1ロック部16が制限状態となっている際においては、第1変位部12の傾動が制限される。なお、第1ロック部16の許容状態と制限状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。
【0034】
第2ロック部18は、一例として第2変位部14を第1変位部12に対して傾動可能とする傾倒機構と一体に設けられている。この第2ロック部18は、一例として通電が切替えられること等により許容状態と制限状態との2つの状態に切替え可能となっている。そして、第2ロック部18が許容状態となっている際においては、第2変位部14の第1変位部12に対する傾動が許容される。その一方で、第2ロック部18が制限状態となっている際においては、第2変位部14の第1変位部12に対する傾動が制限される。なお、第2ロック部18の許容状態と制限状態との切替えは、電気的な構成ではなく機械的な構成で切替えられるようになっていてもよい。
【0035】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0036】
以上説明した本実施形態に係る操作装置24は、一例として以下の操作に適用できる。
【0037】
図8に示されるように、車両のモードが第1のモードとなっている場合においては、第1ロック部16が許容状態となると共に第2ロック部18が制限状態となる。ここで、第1のモードとは、「通常のシフトモード」のことである。第1のモードでは、第1変位部12の傾動が許容されると共に第2変位部14の中立位置P2からの傾動が制限される。そして、車両のモードが第1のモードとなっている場合においては、車両の乗員が、第2変位部14を把持した状態で、第1変位部12を傾動させることができる。一例として、第1変位部12が最も前側へ傾動された位置P1FRに配置されている状態では、車両の変速機がパーキング状態となり、車両の走行が不能となる。また、第1変位部12が中立位置P1に配置されている状態では、車両の変速機が前進可能状態となり、車両の前進が可能となる。さらに、第1変位部12が最も後側へ傾動された位置P1RRに配置されている状態では、車両の変速機が後進可能状態となり、車両の後進が可能となる。
【0038】
図9に示されるように、車両のモードが第2のモードとなっている場合においては、第1ロック部16が制限状態となると共に第2ロック部18が許容状態となる。ここで、第2のモードとは、「スポーツモード」のことである。なお、前述の第1のモードと第2のモードとの切替えは、図示しない切替スイッチにより切替えられる。第2のモードでは、第1変位部12の中立位置P1からの傾動が制限されると共に第2変位部14の第1変位部12に対する傾動が許容される。そして、車両のモードが第2のモードとなっている場合においては、車両の乗員が、第2変位部14を把持した状態で、第2変位部14を第1変位部12に対して傾動させることができる。一例として、第1変位部12が中立位置P1に配置されている状態でかつ車両が前進している状態で、車両のモードが第2のモードとなる。そして、第2変位部14を中立位置P2から最も前側へ傾動された位置P2FRへ傾動させると、車両の変速機が当該操作時よりも高いギヤ比となるようにシフトアップする。また、第2変位部14を中立位置P2から最も後側へ傾動された位置P2RRへ傾動させると、車両の変速機が当該操作時よりも低いギヤ比となるようにシフトダウンする。
【0039】
(第4実施形態に係る操作装置)
次に、
図10を用いて本発明の第4実施形態に係る操作装置28について説明する。なお、第4実施形態に係る操作装置28において前述の第3実施形態に係る操作装置24と対応する部材及び部分には、第3実施形態に係る操作装置24と対応する部材及び部分と同じ符号を付して、その説明を省略することがある。
【0040】
図10に示されるように、本実施形態の操作装置28では、第2変位部14が第1変位部12に対して回転可能に支持されている。具体的には、第2変位部14は、第1変位部12の上端部に図示しない回転機構を介して上下方向を軸方向として左右方向(矢印C方向)へ所定の範囲で回転可能に支持されている。なお、
図9においては、第2変位部14が中立位置P2に配置されている状態を示している。
【0041】
以上説明した本実施形態の操作装置28では、車両のモードが第2のモードとなっている場合において、第1ロック部16が制限状態となると共に第2ロック部18が許容状態となる。この状態では、車両の乗員が、第2変位部14を第1変位部12に対して左右へ回転させることができる。一例として、第1変位部12が中立位置P1に配置されている状態でかつ車両が前進している状態で、車両のモードが第2のモードとなる。そして、第2変位部14を中立位置P2から最も右側へ傾動された位置へ傾動させると、車両の変速機が当該操作時よりも高いギヤ比となるようにシフトアップする。また、第2変位部14を中立位置P2から最も左側へ傾動された位置へ傾動させると、車両の変速機が当該操作時よりも低いギヤ比となるようにシフトダウンする。
【0042】
以上各実施形態の操作装置10、22、24、28について説明したが、これらの各実施形態の操作装置10、22、24、28によれば、車両の複数のモードに対応することができる。
【0043】
なお、第1実施形態及び第2実施形態に係る操作装置10、22を車両の向きや位置を変えるための操作を行う操作装置として用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1実施形態及び第2実施形態に係る操作装置10、22を第3実施形態及び第4実施形態に係る操作装置24、28のような変速等のための操作を行う操作装置として用いてもよい。また、第3実施形態及び第4実施形態に係る操作装置24、28のような変速等のための操作を行う操作装置として第1実施形態及び第2実施形態に係る操作装置10、22を用いてもよい。また、各実施形態の構成は、互いに組み合わせてもよい。
【0044】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10…操作装置、12…第1変位部、14…第2変位部、16…第1ロック部(ロック部)、18…第2ロック部(ロック部)、22…操作装置、24…操作装置、28…操作装置