IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホシザキ電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-冷温蔵装置 図1
  • 特許-冷温蔵装置 図2
  • 特許-冷温蔵装置 図3
  • 特許-冷温蔵装置 図4
  • 特許-冷温蔵装置 図5
  • 特許-冷温蔵装置 図6
  • 特許-冷温蔵装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】冷温蔵装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/12 20060101AFI20240517BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20240517BHJP
   F25D 11/02 20060101ALI20240517BHJP
   A47J 39/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F25D23/12 P
A47B31/02 Z
F25D11/02 Z
A47J39/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020051107
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021148387
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深谷 学
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-040345(JP,U)
【文献】実開平04-061291(JP,U)
【文献】特開2003-322463(JP,A)
【文献】特開2005-241040(JP,A)
【文献】特開2003-194359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/12
A47B 31/02
F25D 11/02
A47J 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に貯蔵物を貯蔵可能な貯蔵室を有する冷温蔵装置であって、
前記貯蔵室は、
前記貯蔵物を冷却可能な冷蔵室と、
前記貯蔵物を加熱可能な温蔵室と、を備え、
前記温蔵室は、
第1温蔵室と、
前記第1温蔵室に隣接する第2温蔵室と、
気体が内部を流通可能な構成とされ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室とを隔てる壁部と、
前記壁部もしくは前記壁部の側方に設けられ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室との間の気体の流通を許容する流通部と、を備え、
当該冷温蔵装置は、前記第1温蔵室から気体を吸引して前記壁部の内部に送る吸引部を備え、
前記壁部は、前記第2温蔵室に向けて開口した開口部を備え、
前記壁部の側方には、一対の前記流通部が設けられており、
前記開口部は、前記一対の流通部の間に設けられていることを特徴とする冷温蔵装置。
【請求項2】
室内に貯蔵物を貯蔵可能な貯蔵室を有する冷温蔵装置であって、
前記貯蔵室は、
前記貯蔵物を冷却可能な冷蔵室と、
前記貯蔵物を加熱可能な温蔵室と、を備え、
前記温蔵室は、
第1温蔵室と、
前記第1温蔵室に隣接する第2温蔵室と、
気体が内部を流通可能な構成とされ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室とを隔てる壁部と、
前記壁部もしくは前記壁部の側方に設けられ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室との間の気体の流通を許容する流通部と、を備え、
当該冷温蔵装置は、前記第1温蔵室から気体を吸引して前記壁部の内部に送る吸引部を備え、
前記壁部は、前記第2温蔵室に向けて開口した開口部を備え、
前記第2温蔵室には、前記開口部に臨む形で突条をなす突条部が設けられていることを特徴とする冷温蔵装置。
【請求項3】
室内に貯蔵物を貯蔵可能な貯蔵室を有する冷温蔵装置であって、
前記貯蔵室は、
前記貯蔵物を冷却可能な冷蔵室と、
前記貯蔵物を加熱可能な温蔵室と、を備え、
前記温蔵室は、
第1温蔵室と、
前記第1温蔵室に隣接する第2温蔵室と、
気体が内部を流通可能な構成とされ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室とを隔てる壁部と、
前記壁部もしくは前記壁部の側方に設けられ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室との間の気体の流通を許容する流通部と、を備え、
当該冷温蔵装置は、前記第1温蔵室から気体を吸引して前記壁部の内部に送る吸引部を備え、
前記壁部は、前記第2温蔵室に向けて開口した開口部を備え、
前記吸引部は、前記温蔵室の上方に設けられ、
前記開口部は、前記壁部の下方に設けられ、
前記第2温蔵室には、前記開口部に臨む形で上方に突条をなす突条部が設けられていることを特徴とする冷温蔵装置。
【請求項4】
前記突条部は、前記開口部よりも高くなる形で突条をなしていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の冷温蔵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷温蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷温蔵装置として、特許文献1に記載のものが知られている。具体的には、複数の冷蔵室と複数の温蔵室とを備え、一つのトレイに乗せられた冷食と温食のうち、冷食が冷蔵室に収容され温食が温蔵室に収容されて、冷蔵または温蔵されることが可能な構成の冷温蔵装置(温蔵庫)が開示されている。また、特許文献1では、隣り合う2つの温蔵室において、片方の温蔵室の上方に設けられた吸込口から吸い込まれた空気が暖気ダクトを通ることで暖められ、両方の温蔵室の下方に設けられた吹出口から吹き出される構成とされていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-198095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、温められた空気が隣り合う2つの温蔵室において偏って吹き出されたり、仮に均等に吹き出されたとしても、隣り合う2つの温蔵室において空気の流れに差異があることで温度のムラが生じたりする可能性が考えられる。その場合、温食が所望の温度よりも冷たかったり熱かったりする虞があり、喫食者に不快感を与えてしまう。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、気体が好適に循環することができる冷温蔵装置を提供することを目的の一つとする。また、温度のムラが生じにくい冷温蔵装置を提供することをさらなる目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、室内に貯蔵物を貯蔵可能な貯蔵室を有する冷温蔵装置であって、前記貯蔵室は、前記貯蔵物を冷却可能な冷蔵室と、前記貯蔵物を加熱可能な温蔵室と、を備え、前記温蔵室は、第1温蔵室と、前記第1温蔵室に隣接する第2温蔵室と、気体が内部を流通可能な構成とされ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室とを隔てる壁部と、前記壁部もしくは前記壁部の側方に設けられ、前記第1温蔵室と前記第2温蔵室との間の気体の流通を許容する流通部と、を備え、当該冷温蔵装置は、前記第1温蔵室から気体を吸引して前記壁部の内部に送る吸引部を備え、前記壁部は、前記第2温蔵室に向けて開口した開口部を備えることに特徴を有する。
【0007】
このような冷温蔵装置によると、第1温蔵室の気体が、吸引部によって吸引されて壁部の内部を流通した後に、開口部から第2温蔵室に向けて送られることとなる。そして、第1温蔵室と第2温蔵室との間を気体が流通部を通って往来することで、第2温蔵室から第1温蔵室に流れ込んだ気体が再び吸引部によって吸引されることができる。これにより、貯蔵室の室内において2つの温蔵室(第1温蔵室及び第2温蔵室)間を暖気が好適に循環することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記壁部の側方には、一対の前記流通部が設けられており、前記開口部は、前記一対の流通部の間に設けられていることとすることができる。このような冷温蔵装置によると、開口部から第2温蔵室に向けて送られた気体が、その側方に設けられた一対の流通部を通して第1温蔵室に流れ込むことができる。これにより、温蔵室の室内において温度のムラが生じにくい冷温蔵装置を提供することができる。
【0009】
また、上記構成において、前記第2温蔵室には、前記開口部に臨む形で突条をなす突条部が設けられていることとすることができる。このような冷温蔵装置によると、開口部から第2温蔵室に向けて送られた気体が、突条部にぶつかって第2温蔵室の室内に好適に拡散することができる。そして、第1温蔵室と第2温蔵室との間を気体が往来して、温蔵室内において好適に気体が循環することができる。
【0010】
また、上記構成において、前記吸引部は、前記温蔵室の上方に設けられ、前記開口部は、前記壁部の下方に設けられ、前記第2温蔵室には、前記開口部に臨む形で上方に突条をなす突条部が設けられていることとすることができる。このような冷温蔵装置によると、第1温蔵室で暖められて上昇する気体が、温蔵室の上方に設けられた吸引部に吸引され、壁部の内部を流通し、当該壁部の下方に設けられた開口部に向かって流れ込むことができる。開口部から第2温蔵室に向けて送られた気体は、上方に突条をなす突条部によって上方に拡散することができる。そして、第1温蔵室と第2温蔵室との間を気体が往来することで、温蔵室内において効果的に気体が循環することができる。
【0011】
また、上記構成において、前記突条部は、前記開口部よりも高くなる形で突条をなしていることとすることができる。このような冷温蔵装置によると、開口部から第2温蔵室に向けて送られた気体が、開口部よりも高くなる形で突条をなす突条部にぶつかることで、より好適に第2温蔵室に拡散することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、気体が好適に循環することができる冷温蔵装置を提供することが可能となる。また、温度のムラが生じにくい冷温蔵装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る温冷配膳車を前上方から視た斜視図
図2】温冷配膳車の断面図(図1のII-II線断面)
図3】温冷配膳車の断面図(図2のIII-III線断面)
図4】温冷配膳車の一部の断面図(図3のIV-IV線断面)
図5】温冷配膳車の開口部付近を前上方から視た斜視図
図6図2において、開口部付近を拡大した断面図
図7】吸引部付近を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1から図7によって説明する。本実施形態では、冷温蔵装置として、床面を移動可能な温冷配膳車10を例示する。尚、以下の説明では、矢印方向Fを前方、矢印方向Bを後方、矢印方向Lを左方、矢印方向Rを右方、矢印方向Uを上方、矢印方向Dを下方として説明する。
【0015】
図1及び図2に示すように、温冷配膳車10は、機械室11と、キャスタ12,13と、ハンドル14と、断熱箱20と、を備える。断熱箱20は、直方体状をなし、発泡ウレタン等の断熱材を充填した壁部によって構成されている。キャスタ12,13は、自由輪12と、駆動輪13とからなり、それぞれ断熱箱20の下側に取り付けられている。機械室11は、断熱箱20の上側に配されており、その内部には後述する冷却装置30等が収容されている。ハンドル14は、断熱箱20の前後側において上下方向に回動可能に取り付けられている。使用者は、ハンドル14を手で引いたり押したりすることで、温冷配膳車10を任意の方向に移動することができる。尚、ハンドル14の回動に伴って駆動輪13が駆動し、温冷配膳車10の移動が補助される。
【0016】
図1から図3に示すように、断熱箱20は、左側及び右側に配された複数の取付部22に対し観音開き式となる形で取り付けられた複数の扉21と、当該断熱箱20の内部に設けられた貯蔵室26と、を備える。使用者は、扉21を開閉することで左側又は右側から飲食料品等の貯蔵物を貯蔵室26の室内に収容して貯蔵することができる。図2に示すように、貯蔵室26は、貯蔵物を冷却可能な3つの冷蔵室26C1,26C2,26C3と、貯蔵物を加熱可能な3つの温蔵室26W1,26W2,26W3と、を備える。貯蔵室26の室内には、後方から、温蔵室26W1、冷蔵室26C1、冷蔵室26C2、温蔵室26W2、温蔵室26W3、及び冷蔵室26C3がこの順で並んで設けられている。冷蔵室26C1の前方には、冷蔵室26C2が隣接する形で設けられている。温蔵室26W2の前方には、温蔵室26W3が隣接する形で設けられている。尚、以下の説明では、温蔵室26W2を第1温蔵室と呼び、温蔵室26W3を第2温蔵室と呼ぶことがある。
【0017】
また、貯蔵室26は、図2及び図3に示すように、各室を隔てる複数の壁部31,33,34と、取付部22の室内側に配され、上下方向に延在する四角柱状の柱状部32と、を備える。壁部31,33,34は、温冷壁部31と、冷冷壁部33と、温温壁部34と、からなる。温冷壁部31は、温蔵室26W1と冷蔵室26C1の間、冷蔵室26C2と温蔵室26W2の間、及び温蔵室26W3と冷蔵室26C3の間にそれぞれ設けられており、隣り合う室のうち温度が異なる室を隔てている。冷冷壁部33は、冷蔵室26C1と冷蔵室26C2の間に設けられており、隣り合う室のうち貯蔵物を冷却する室を隔てている。温温壁部34は、温蔵室26W2と温蔵室26W3の間に設けられており、隣り合う室のうち貯蔵物を加熱する室を隔てている。
【0018】
温冷壁部31には、上下方向に並ぶ複数の単位壁部31Aと、単位壁部31Aから前後方向に延在する板状のトレイ受け31Bと、が設けられている。使用者は、温食や冷食等の貯蔵物を載せたトレイを、例えば、温蔵室26W1と冷蔵室26C1の間に設けられた温冷壁部31において、上下に隣り合う単位壁部31Aの間に差し込み、トレイ受け31Bに載置することで、温食を温蔵室26W1で加熱し、冷食を冷蔵室26C1で冷却することができる。
【0019】
機械室11には、圧縮機41、凝縮器42、冷却器43等から構成された冷凍装置40と、第1温蔵室26W2の上方に配された吸引部50と、が設けられている。冷凍装置40は、冷蔵室26C1及び冷蔵室26C2の上方と、冷蔵室26C3の上方とに配されており、冷却器43によって気体を冷却し、得られた冷気を図示しないファンによって冷蔵室26C1,26C2,26C3に送り、循環させている。冷蔵室26C1と冷蔵室26C2の上方に配された冷凍装置40は、冷気を中空状の冷冷壁部33の内部に流下させ、冷蔵室26C1と冷蔵室26C2の室内に循環させている。
【0020】
図2及び図7に示すように、吸引部50は、温蔵室26W2の上側に設けられた吸引口51を通して温蔵室26W2の気体を吸引するとともに、吸引した気体を温温壁部34の内部に送る構成とされている。断熱箱20は、温蔵室26W2の前上側と温温壁部34の後上側とに跨る形をなし、上下方向に貫通形成した貫通部23を備える。吸引部50は、貫通部23に上方から挿入される形で取り付けられている。図7に示すように、吸引部50は、吸引口51と、排出口52と、ファン53と、曲面部54と、を備える。吸引口51は、温蔵室26W2の前上側に繋がり、温蔵室26W2の気体が吸引部50の内部に流通可能とされている。排出口52は、温温壁部34の後上側において上下方向に貫通形成した流入部38に繋がり、吸引部50の内部の気体が温温壁部34の内部に流通可能とされている。曲面部54は、吸引部50の内部において、上側から前側に向けて曲がった曲面をなしている。吸引部50は、ファン53を回転させることで、温蔵室26W2の気体を吸引口51から当該吸引部50の内部に吸引し、吸引した気体の流れを曲面部54によって温温壁部34の流入部38側へ変更して、当該気体を排出口52から流入部38を通して温蔵室26W2の内部に流通させる。
【0021】
図2から図6に示すように、温温壁部34は、直方体状かつ中空状とされており、気体が内部を流通可能な構成とされる。温温壁部34は、その内部側の面において、例えば図示しないコードヒータが取り付けられており、当該温温壁部34の内部を流通する気体を温めて暖気を生成するものとされる。温温壁部34の左右方向(側方)には、温温壁部34の前後方向における厚みと同じ厚みをなす一対の柱状部32,32が設けられている。温温壁部34と一対の柱状部32,32との間は、所定間隔が設けられており、第1温蔵室26W2と第2温蔵室26W3との間の気体の流通を許容する一対の流通部35,35とされる。
【0022】
温温壁部34の下方には、第2温蔵室26W3に向けて開口した開口部36が設けられている。開口部36は、貯蔵室26の底をなす底面20Dとの間であって、一対の流通部35,35の間において、正面視(前方から視た場合に)左右方向を長手とする長方形状をなす開口を形成している。第2温蔵室26W3には、開口部36に臨む位置において左右方向に延在し、底面20Dから上方に立ち上がって突条をなす突条部37が設けられている。突条部37は、最も下方に位置する単位壁部31A(図2参照)上に差し込まれたトレイを下方から支持する部分とされる。図4に示すように、突条部37の左右方向の長さL3は、開口部36の左右方向の長さL1や、一対の流通部35,35間の左右方向の距離L2よりも長い。図6に示すように、突条部37の高さ(底面20Dから上面37Uまでの距離)H2は、開口部36の高さ(開口の上下方向における距離)H1よりも高い。
【0023】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、室内に貯蔵物を貯蔵可能な貯蔵室26を有する温冷配膳車10であって、貯蔵室26は、貯蔵物を冷却可能な冷蔵室26C1,26C2,26C3と、貯蔵物を加熱可能な温蔵室26W1,26W2,26W3と、を備え、温蔵室26W1,26W2,26W3は、第1温蔵室26W2と、第1温蔵室26W2に隣接する第2温蔵室26W3と、気体が内部を流通可能な構成とされ、第1温蔵室26W2と第2温蔵室26W3とを隔てる温温壁部34と、温温壁部34の側方に設けられ、第1温蔵室26W2と第2温蔵室26W3との間の気体の流通を許容する流通部35と、を備え、当該温冷配膳車10は、第1温蔵室26W2から気体を吸引して温温壁部34の内部に送る吸引部50を備え、温温壁部34は、第2温蔵室26W3に向けて開口した開口部36を備えることとされる、温冷配膳車10を示した。
【0024】
このような温冷配膳車10によると、第1温蔵室26W2の気体が、吸引部50によって吸引されて温温壁部34の内部を流通した後に、開口部36から第2温蔵室26W3に向けて送られることとなる。そして、第1温蔵室26W2と第2温蔵室26W3との間を気体が流通部35を通って往来することで、第2温蔵室26W3から第1温蔵室26W2に流れ込んだ気体が再び吸引部50によって吸引されることができる。これにより、貯蔵室26の室内において2つの温蔵室(第1温蔵室26W2及び第2温蔵室26W3)間を暖気が好適に循環することができる。
【0025】
また、温温壁部34の側方には、一対の流通部35が設けられており、開口部36は、一対の流通部35の間に設けられている。このような温冷配膳車10によると、開口部36から第2温蔵室26W3に向けて送られた気体が、その側方に設けられた一対の流通部35を通して第1温蔵室26W2に流れ込むことができる。これにより、温蔵室26W2,26W3の室内において温度のムラが生じにくい温冷配膳車10を提供することができる。
【0026】
また、第2温蔵室26W3には、開口部36に臨む形で突条をなす突条部37が設けられている。このような温冷配膳車10によると、開口部36から第2温蔵室26W3に向けて送られた気体が、突条部37にぶつかって第2温蔵室26W3の室内に好適に拡散することができる。そして、第1温蔵室26W2と第2温蔵室26W3との間を気体が往来して、温蔵室26W2,26W3内において好適に気体が循環することができる。
【0027】
また、吸引部50は、第1温蔵室26W2の上方に設けられ、開口部36は、温温壁部34の下方に設けられ、第2温蔵室26W3には、開口部36に臨む形で上方に突条をなす突条部37が設けられている。このような温冷配膳車10によると、第1温蔵室26W2で暖められて上昇する気体が、その上方に設けられた吸引部50に吸引され、温温壁部34の内部を流通し、当該温温壁部34の下方に設けられた開口部36に向かって流れ込むことができる。開口部36から第2温蔵室26W3に向けて送られた気体は、上方に突条をなす突条部37によって上方に拡散することができる。そして、第1温蔵室26W2と第2温蔵室26W3との間を気体が往来することで、温蔵室26W2,26W3内において効果的に気体が循環することができる。
【0028】
また、突条部37は、開口部36よりも高くなる形で突条をなしている。このような温冷配膳車10によると、開口部36から第2温蔵室26W3に向けて送られた気体が、開口部36よりも高くなる形で突条をなす突条部37にぶつかることで、より好適に第2温蔵室26W3に拡散することができる。
【0029】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0030】
(1)上記実施形態以外にも、圧縮機と凝縮器とを含む機械室の位置は適宜変更可能である。上記実施形態では、機械室は、貯蔵室の上方に配されるものとしたが、これに限られない。例えば、機械室は、貯蔵室の下方や側方に配されるものであってもよい。
【0031】
(2)冷蔵室及び温蔵室の配置態様は、上記実施形態で例示したものに限定されない。例えば、冷蔵室及び温蔵室が上下方向に並ぶ構成であってもよい。また、冷蔵室及び温蔵室の数は、上記実施形態で例示した数に限定されない。少なくとも、隣り合う2つの温蔵室を備える冷温蔵装置であればよい。
【0032】
(3)上記実施形態では、冷温蔵装置として温冷配膳車を例示したが、これに限られない。例えば、冷温蔵装置としては、設置型の貯蔵庫としてもよい。
【0033】
(4)上記実施形態では、流通部は、温温壁部の側方に設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、流通部は、温温壁部において当該温温壁部を前後方向に貫通形成してなるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10…温冷配膳車(冷温蔵装置)、26…貯蔵室、26W2…温蔵室(第1温蔵室)、26W3…温蔵室(第2温蔵室)、34…温温壁部(壁部)、35…流通部、36…開口部、37…突条部、50…吸引部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7