(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ソフトウェア更新システム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20240517BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240517BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240517BHJP
【FI】
G06F8/65
H04Q9/00 301D
H04L67/00
(21)【出願番号】P 2020052948
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼溝 将輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】山本 碧
(72)【発明者】
【氏名】牟田 幹彦
【審査官】北川 純次
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-144959(JP,A)
【文献】特開2008-021322(JP,A)
【文献】特開2018-088034(JP,A)
【文献】特開2013-037647(JP,A)
【文献】国際公開第2019/087295(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/65
H04Q 9/00
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに通信ケーブルを介して接続される住宅設備機器と当該住宅設備機器を遠隔操作可能なリモコンとの夫々で利用されるソフトウェアを更新するソフトウェア更新システムであって、
前記リモコンとネットワークを介して接続されるサーバに設けられ、前記リモコンで利用される更新用ソフトウェアを構成する電子ファイルをリモコン用ファイルとして記憶するリモコン用ファイル記憶部と、
前記サーバに設けられ、前記住宅設備機器で利用される更新用ソフトウェアを構成する電子ファイルを本体用ファイルとして記憶する本体用ファイル記憶部と、
前記サーバに設けられ、前記ネットワークを介して前記リモコン用ファイルを
分割することなく前記リモコンに一括配信するリモコン用ファイル配信部と、
前記本体用ファイルを所定のサイズに分割した分割本体用ファイルを、前記ネットワークを介して前記リモコンに配信する本体用ファイル配信部と、
前記リモコンに設けられ、前記リモコン用ファイル配信部から配信される前記リモコン用ファイルを記憶するリモコン側第1記憶部と、
前記リモコンに設けられ、前記本体用ファイル配信部から配信される前記分割本体用ファイルを記憶するリモコン側第2記憶部と、
前記リモコン側第2記憶部に記憶された前記分割本体用ファイルを、前記通信ケーブルを介して前記住宅設備機器に送信するリモコン側ファイル配信部と、
前記住宅設備機器に設けられ、前記リモコン側ファイル配信部からの前記分割本体用ファイルを順次記憶する本体側記憶部と、
前記本体側記憶部に前記分割本体用ファイルが記憶される毎に、前記リモコンを介して、次の前記分割本体用ファイルの配信を前記本体用ファイル配信部に要求する要求部と、
を備えるソフトウェア更新システム。
【請求項2】
前記本体側記憶部に前記本体用ファイルを分割した全ての前記分割本体用ファイルが記憶された場合に、前記本体用ファイルに復元する請求項1に記載のソフトウェア更新システム。
【請求項3】
前記本体用ファイル配信部は、前記リモコン側第2記憶部の記憶容量に応じて前記本体用ファイルを分割する請求項1又は2に記載のソフトウェア更新システム。
【請求項4】
前記リモコン側第1記憶部に前記リモコン用ファイルを記憶している状態で、前記リモコン側第2記憶部への前記分割本体用ファイルの記憶及び当該分割本体用ファイルの前記住宅設備機器への送信が行われる請求項1から3のいずれか一項に記載のソフトウェア更新システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに通信ケーブルを介して接続される住宅設備機器と当該住宅設備機器を遠隔操作可能なリモコンとの夫々で利用されるソフトウェアを更新するソフトウェア更新システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅において給湯器や燃料電池等の住宅設備機器が設けられてきた。これらの住宅設備機器は、遠隔操作を行うことができるように住宅設備機器とセットでリモコンも設けられる。一方、これらの住宅設備機器やリモコンは、動作を制御するためにソフトウェアが組み込まれ、適宜、ソフトウェアの更新が行われる。このようなソフトウェアの更新に係る技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1-3に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムは、構成装置の制御ソフトウェアの更新中における構成装置の運転形態を制約するように構成されている。
【0004】
特許文献2には、コントローラが開示されている。このコントローラは、第1の領域に記憶されている制御ソフトウェアを実行することによる制御中に、外部から新たな制御ソフトウェアを受信した場合に、新たな制御ソフトウェアを第2の領域に記憶してから、データの出力を停止し、第1の領域に記憶されている制御ソフトウェアから第2の領域に記憶されている制御ソフトウェアに切り替えるリセット処理を実行した後、第2の領域に記憶されている新たな制御ソフトウェアを実行するように構成されている。
【0005】
特許文献3には、燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムは、制御プログラムを記憶する第1領域と更新された制御プログラムを記憶する第2領域とを含むメモリを備え、燃料電池の運転状況に応じて、第1領域に記憶された制御プログラムから第2領域に記憶された制御プログラムに切り替えるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6280778号公報
【文献】特開2018-22367号公報
【文献】特開2018-73546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した更新用のソフトウェアは、ファイルのサイズが例えば1MBから数MB程度になる。通信モジュールが搭載されたリモコンにあっては、ネットワークを介して更新用のソフトウェアが記憶されたサーバと直接接続されるため、最新のソフトウェアをリモコンの空き領域に一旦ダウンロードした後、更新することが可能である。しかしながら、住宅設備機器本体にあっては、サーバから一旦、リモコンの記憶領域に住宅設備機器本体側のソフトウェアをダウンロードし、その後、リモコンから住宅設備機器本体に転送する必要がある。また、リモコンから住宅設備機器本体に対して更新用のソフトウェアを転送している間はリモコンの記憶領域が占有されるため、住宅設備機器本体のソフトウェアを更新しているときには、リモコン自体のソフトウェアの更新を行う事ができない。
【0008】
そこで、適切にリモコン及び住宅設備機器本体のソフトウェアを更新することが可能なソフトウェア更新システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るソフトウェア更新システムの特徴構成は、互いに通信ケーブルを介して接続される住宅設備機器と当該住宅設備機器を遠隔操作可能なリモコンとの夫々で利用されるソフトウェアを更新するソフトウェア更新システムであって、前記リモコンとネットワークを介して接続されるサーバに設けられ、前記リモコンで利用される更新用ソフトウェアを構成する電子ファイルをリモコン用ファイルとして記憶するリモコン用ファイル記憶部と、前記サーバに設けられ、前記住宅設備機器で利用される更新用ソフトウェアを構成する電子ファイルを本体用ファイルとして記憶する本体用ファイル記憶部と、前記サーバに設けられ、前記ネットワークを介して前記リモコン用ファイルを分割することなく前記リモコンに一括配信するリモコン用ファイル配信部と、前記本体用ファイルを所定のサイズに分割した分割本体用ファイルを、前記ネットワークを介して前記リモコンに配信する本体用ファイル配信部と、前記リモコンに設けられ、前記リモコン用ファイル配信部から配信される前記リモコン用ファイルを記憶するリモコン側第1記憶部と、前記リモコンに設けられ、前記本体用ファイル配信部から配信される前記分割本体用ファイルを記憶するリモコン側第2記憶部と、前記リモコン側第2記憶部に記憶された前記分割本体用ファイルを、前記通信ケーブルを介して前記住宅設備機器に送信するリモコン側ファイル配信部と、前記住宅設備機器に設けられ、前記リモコン側ファイル配信部からの前記分割本体用ファイルを順次記憶する本体側記憶部と、前記本体側記憶部に前記分割本体用ファイルが記憶される毎に、前記リモコンを介して、次の前記分割本体用ファイルの配信を前記本体用ファイル配信部に要求する要求部と、を備えている点にある。
【0010】
このような特徴構成とすれば、リモコンのソフトウェアの更新と住宅設備機器のソフトウェアの更新とを容易に行うことが可能となる。また、リモコンから住宅設備機器に更新用ソフトウェアを配信する通信ケーブルの通信速度が遅く、通信に時間を要する場合であっても、住宅設備機器で利用される更新用ソフトウェアについてはサーバから細かく分割して配信されるので、必要に応じて割り込み処理を行うことにより、リモコンの処理が滞ることを抑制できる。また、リモコンに設ける住宅設備機器で利用される更新用ソフトウェアを記憶する領域(リモコン側第2記憶部)のサイズは、分割本体用ファイルのサイズで良いので、大容量の記憶領域を確保する必要がない。このように本ソフトウェア更新システムによれば、適切にリモコン及び住宅設備機器本体のソフトウェアを更新することが可能となる。
【0011】
また、前記本体側記憶部に前記本体用ファイルを分割した全ての前記分割本体用ファイルが記憶された場合に、前記本体用ファイルに復元すると好適である。
【0012】
このような構成とすれば、全ての分割本体用ファイルが配信された場合に、住宅設備機器において更新用ソフトウェアを利用することが可能となる。
【0013】
また、前記本体用ファイル配信部は、前記リモコン側第2記憶部の記憶容量に応じて前記本体用ファイルを分割すると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、サーバからリモコンへの分割本体用ファイルの配信回数を低減することが可能となる。
【0015】
また、前記リモコン側第1記憶部に前記リモコン用ファイルを記憶している状態で、前記リモコン側第2記憶部への前記分割本体用ファイルの記憶及び当該分割本体用ファイルの前記住宅設備機器への送信が行われると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、サーバからリモコンに対する当該リモコンで利用される更新用ソフトウェアの配信と、サーバからリモコンを介した住宅設備機器に対する当該住宅設備機器で利用される更新用ソフトウェアの配信とを同時に行うことが可能となる。したがって、更新用ソフトウェアの配信に要する時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ソフトウェア更新システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るソフトウェア更新システムは、互いに通信ケーブルを介して接続される住宅設備機器と当該住宅設備機器を遠隔操作可能なリモコンとの夫々で利用されるソフトウェアを更新することができるように構成される。以下、本実施形態のソフトウェア更新システム1について説明する。
【0019】
図1は、ソフトウェア更新システム1の構成を模式的に示したブロック図である。
図1に示されるように、ソフトウェア更新システム1は、リモコン2、住宅設備機器3、及びサーバ4を備えて構成される。
【0020】
住宅設備機器3とは、住宅に備えられる設備の機器であって、具体的には、住宅に設けられる給湯器、コンロ、ファンヒータ、警報器、エアコン、蓄電池等の住宅設備が挙げられる。もちろん、これら以外の住宅設備であっても良い。リモコン2は、住宅設備機器3を遠隔操作するための操作機器にあたり、住宅設備機器3と通信ケーブル10を介して接続される。この通信ケーブル10は、基本的にリモコン2から住宅設備機器3に対する操作指令の伝達に利用されることから、後述するインターネット回線による通信よりも低速な通信のみ行うことができるものである。したがって、リモコン2と住宅設備機器3との間では、リモコン2と住宅設備機器3との間における操作指令の伝達に支障をきたさないよう大容量の電子ファイルの伝達は行わないように構成される。
【0021】
リモコン2は、リモコン側第1記憶部21、リモコン側第2記憶部22、リモコン側ファイル配信部23を備えて構成される。住宅設備機器3は、本体側記憶部31、要求部32を備えて構成される。サーバ4は、リモコン2と、例えばインターネット回線等のネットワークを介して接続され、本体用ファイル記憶部41、リモコン用ファイル記憶部42、本体用ファイル配信部43、リモコン用ファイル配信部44を備えて構成される。これらの各機能部は、ソフトウェアの更新に係る処理を行うために、CPUを中核部材としてハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
【0022】
リモコン用ファイル記憶部42は、リモコン2で利用される更新用ソフトウェアを構成する電子ファイルをリモコン用ファイル91として記憶する。リモコン2で使用される更新用ソフトウェアとは、リモコン2に組み込まれたソフトウェアを更新するソフトウェアである。このような更新用ソフトウェアは電子ファイルの形態でリモコン用ファイル記憶部42に記憶される。本ソフトウェア更新システム1においては、リモコン用ファイル記憶部42に記憶される更新用ソフトウェアの電子ファイルはリモコン用ファイル91と称される。リモコン用ファイル91は、例えば数MBのファイルサイズからなる。
【0023】
本体用ファイル記憶部41は、住宅設備機器3で利用される更新用ソフトウェアを構成する電子ファイルを本体用ファイル92として記憶する。住宅設備機器3で使用される更新用ソフトウェアとは、住宅設備機器3に組み込まれたソフトウェアを更新するソフトウェアである。このような更新用ソフトウェアは電子ファイルの形態で本体用ファイル記憶部41に記憶される。本ソフトウェア更新システム1においては、本体用ファイル記憶部41に記憶される更新用ソフトウェアの電子ファイルは本体用ファイル92と称される。本体用ファイル92は、例えば数MBのファイルサイズからなる。
【0024】
リモコン用ファイル配信部44は、ネットワークを介してリモコン用ファイル91をリモコン2に一括配信する。ネットワークとは、リモコン2とサーバ4とが互いに接続される通信形態であって、例えばインターネット回線である。リモコン用ファイル91は、リモコン用ファイル記憶部42に記憶されている。「リモコン2に一括配信する」とは、リモコン2に対して、リモコン用ファイル91を分割することなく、単一の電子ファイルとして送信することを意味する。したがって、リモコン用ファイル配信部44は、インターネット回線を通じて、リモコン用ファイル記憶部42に記憶されているリモコン用ファイル91を、リモコン2に対して、リモコン用ファイル91を分割することなく、単一の電子ファイルとしてそのまま送信する。
【0025】
本体用ファイル配信部43は、本体用ファイル92を所定のサイズに分割した分割本体用ファイル93を、ネットワークを介してリモコン2に配信する。本体用ファイル92は、本体用ファイル記憶部41に記憶されている。所定のサイズとは、少なくとも本体用ファイル92のファイルサイズよりも小さいファイルサイズであって、本実施形態では、後述するリモコン側第2記憶部22の記憶容量に応じたファイルサイズである。すなわち、リモコン側第2記憶部22における空き容量に応じたファイルサイズにあたる。本体用ファイル92を、このようなファイルサイズに複数に分割した夫々の電子ファイルが、ソフトウェア更新システム1では、分割本体用ファイル93と称される。上述したように本体用ファイル92は数MBのファイルサイズからなるが、分割本体用ファイル93は数kB程度のファイルサイズからなるように分割される。したがって、本体用ファイル配信部43は、本体用ファイル記憶部41に記憶されている本体用ファイル92を、リモコン側第2記憶部22における空き容量に応じた数kB程度のファイルサイズからなる分割本体用ファイル93に分割し、インターネット回線を通じて、リモコン2に送信する。詳細は後述するが、本体用ファイル配信部43からリモコン2への分割本体用ファイル93の送信は、本体側記憶部31に分割本体用ファイル93が記憶される毎に、一つずつ送信される。
【0026】
リモコン側第1記憶部21は、リモコン用ファイル配信部44から配信されるリモコン用ファイル91を記憶する。上述したように、リモコン用ファイル配信部44はリモコン用ファイル記憶部42に記憶されている数MBのファイルサイズからなるリモコン用ファイル91を、インターネット回線を通じて一括送信する。リモコン側第1記憶部21は、このリモコン用ファイル91を記憶する。このため、リモコン側第1記憶部21は、数MBの空き容量が設けられる。
【0027】
リモコン側第2記憶部22は、本体用ファイル配信部43から配信される分割本体用ファイル93を記憶する。上述したように、本体用ファイル配信部43は、本体用ファイル記憶部41に記憶されている本体用ファイル92を、数kBのファイルサイズからなる複数の分割本体用ファイル93に分割して、インターネット回線を通じて送信する。リモコン側第2記憶部22は、この分割本体用ファイル93を記憶する。このため、リモコン側第2記憶部22は、数kBの空き容量が設けられる。すなわち、記憶容量は他の記憶部(本体用ファイル記憶部41、リモコン用ファイル記憶部42、リモコン側第1記憶部21、後述する本体側記憶部31)に比べて小さくても良い。
【0028】
リモコン側ファイル配信部23は、リモコン側第2記憶部22に記憶された分割本体用ファイル93を、通信ケーブル10を介して住宅設備機器3に送信する。上述したように、分割本体用ファイル93は、本体用ファイル配信部43から配信され、リモコン側第2記憶部22に記憶されている。通信ケーブル10とは、リモコン2と住宅設備機器3とを互いに接続し、リモコン2から住宅設備機器3に対する操作指令の伝達に利用される、インターネット回線による通信よりも低速な通信のみ行うことができるケーブルである。したがって、リモコン側ファイル配信部23は、本体用ファイル配信部43から配信され、リモコン側第2記憶部22に記憶されている分割本体用ファイル93を、リモコン2と住宅設備機器3とを互いに接続し、リモコン2から住宅設備機器3に対する操作指令の伝達に利用される、インターネット回線による通信よりも低速な通信のみ行うことができる通信ケーブル10を通じて、住宅設備機器3に送信する。
【0029】
本体側記憶部31は、リモコン側ファイル配信部23からの分割本体用ファイル93を順次記憶する。上述したように、リモコン側ファイル配信部23は、リモコン側第2記憶部22に記憶されている分割本体用ファイル93を、通信ケーブル10を通じて送信する。本体側記憶部31は、この分割本体用ファイル93を記憶する。ここで、分割本体用ファイル93は数kB程度のファイルサイズであるが、本体側記憶部31には全ての分割本体用ファイル93が記憶されるだけの空き容量が設けられる。
【0030】
要求部32は、本体側記憶部31に分割本体用ファイル93が記憶される毎に、リモコン2を介して、次の分割本体用ファイル93の配信を本体用ファイル配信部43に要求する。分割本体用ファイル93は、本体用ファイル配信部43から配信されるが、本体用ファイル配信部43から1つの分割本体用ファイル93が配信されてから、リモコン側第2記憶部22及びリモコン側ファイル配信部23を介して本体側記憶部31に記憶されるまでは、本体用ファイル配信部43から次の分割本体用ファイル93は配信されないように構成されている。すなわち、インターネット回線、リモコン2、通信ケーブル10にあっては、複数の分割本体用ファイル93が存在しないように構成される。そこで、本体側記憶部31に分割本体用ファイル93が記憶されると、記憶されたことを示す情報が要求部32に伝達され、要求部32はこの情報を受けて、通信ケーブル10、リモコン2、インターネット回線を介して、本体用ファイル配信部43に、次の分割本体用ファイル93の配信を要求する。
【0031】
本体用ファイル配信部43は、要求部32から要求を受けると、次の分割本体用ファイル93を、インターネット回線を通して、上述したように配信する。このような要求と配信を継続して行って、全ての分割本体用ファイル93が本体側記憶部31に記憶される。この時、最後の分割本体用ファイル93の配信する際に、最後の分割本体用ファイル93であることを示す情報も配信されるように構成すると良い。また、複数の分割本体用ファイル93を一つの本体用ファイル92に復元する復元用ファイルを送信するように構成しても良い。
【0032】
本体側記憶部31に本体用ファイル92を分割した全ての分割本体用ファイル93が記憶された場合に、本体用ファイル92に復元する。これにより、本体側記憶部31において住宅設備機器3で利用される更新用ソフトウェアを、住宅設備機器3に配信することが可能となる。
【0033】
以上のように本実施形態にあっては、リモコン側第1記憶部21にリモコン用ファイル91を記憶している状態で、リモコン側第2記憶部22への分割本体用ファイル93の記憶及び当該分割本体用ファイル93の住宅設備機器3への送信が行われる。すなわち、本ソフトウェア更新システム1によれば、サーバ4からリモコン2に対する当該リモコン2で利用される更新用ソフトウェアの配信と、サーバ4からリモコン2を介した住宅設備機器3に対する当該住宅設備機器3で利用される更新用ソフトウェアの配信とを同時に(すなわち「リアルタイム処理で」)行うことが可能となる。
【0034】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、住宅設備機器3に通信ケーブル10を介して接続されるリモコン2が1つである場合の例を挙げて説明した。例えば、1つの住宅設備機器3に対して、複数のリモコン2が設けられる場合もある。具体的には、住宅設備機器3が給湯器である場合に、キッチン及び浴室の夫々にリモコン2が設けられることがある。係る場合、ソフトウェア更新システム1は、キッチンのリモコン2に対して更新用ソフトウェアを構成するリモコン用ファイル91を配信すると共に、浴室のリモコン2に対しても更新用ソフトウェアを構成するリモコン用ファイル91を配信するように構成することが可能である。係る場合、夫々の更新用ソフトウェアは、互いに異なるものであっても良いし、互いに同じものであっても良い。また、キッチンのリモコン2と浴室のリモコン2とは、
図2に示されるように、住宅設備機器3からの通信ケーブル10を所定の位置で分岐して接続されるように構成することも可能であるし、
図3に示されるように、キッチンのリモコン2と浴室のリモコン2と住宅設備機器3とが、所謂デイジーチェーン型で接続されるように構成しても良い。
【0035】
上記実施形態では、リモコン2がネットワークを介してサーバ4に接続されるとして説明したが、住宅設備機器3がネットワークを介してサーバ4に接続されるように構成することも可能である。係る場合、住宅設備機器3からリモコン2へは、リモコン用ファイル91を分割して配信するように構成すると良い。
【0036】
上記実施形態では、本体側記憶部31に本体用ファイル92を分割した全ての分割本体用ファイル93が記憶された場合に、本体用ファイル92に復元するとして説明したが、本体用ファイル92への復元は自動で行っても良いし、ユーザの操作(例えばリモコン操作)に応じて復元するように構成しても良い。
【0037】
上記実施形態では、本体用ファイル配信部43は、リモコン側第2記憶部22の記憶容量に応じて本体用ファイル92を分割するとして説明したが、本体用ファイル配信部43は、予め設定されたファイルサイズに応じて本体用ファイル92を分割するように構成することも可能である。
【0038】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0039】
上記実施形態では、リモコン側第1記憶部21にリモコン用ファイル91を記憶している状態で、リモコン側第2記憶部22への分割本体用ファイル93の記憶及び当該分割本体用ファイル93の住宅設備機器3への送信が行われ、サーバ4からリモコン2に対する当該リモコン2で利用される更新用ソフトウェアの配信と、サーバ4からリモコン2を介した住宅設備機器3に対する当該住宅設備機器3で利用される更新用ソフトウェアの配信とを同時に行うことが可能であるとして説明したが、サーバ4からリモコン2に対する当該リモコン2で利用される更新用ソフトウェアの配信と、サーバ4からリモコン2を介した住宅設備機器3に対する当該住宅設備機器3で利用される更新用ソフトウェアの配信とは互いにバッチ処理で行うように構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、互いに通信ケーブルを介して接続される住宅設備機器と当該住宅設備機器を遠隔操作可能なリモコンとの夫々で利用されるソフトウェアを更新するソフトウェア更新システムに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:ソフトウェア更新システム
2:リモコン
3:住宅設備機器
4:サーバ
10:通信ケーブル
21:リモコン側第1記憶部
22:リモコン側第2記憶部
23:リモコン側ファイル配信部
31:本体側記憶部
32:要求部
41:本体用ファイル記憶部
42:リモコン用ファイル記憶部
43:本体用ファイル配信部
44:リモコン用ファイル配信部
91:リモコン用ファイル
92:本体用ファイル
93:分割本体用ファイル