IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホシザキ電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-洗浄機 図1
  • 特許-洗浄機 図2
  • 特許-洗浄機 図3
  • 特許-洗浄機 図4
  • 特許-洗浄機 図5
  • 特許-洗浄機 図6
  • 特許-洗浄機 図7
  • 特許-洗浄機 図8
  • 特許-洗浄機 図9
  • 特許-洗浄機 図10
  • 特許-洗浄機 図11
  • 特許-洗浄機 図12
  • 特許-洗浄機 図13
  • 特許-洗浄機 図14
  • 特許-洗浄機 図15
  • 特許-洗浄機 図16
  • 特許-洗浄機 図17
  • 特許-洗浄機 図18
  • 特許-洗浄機 図19
  • 特許-洗浄機 図20
  • 特許-洗浄機 図21
  • 特許-洗浄機 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20240517BHJP
   A47L 15/22 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
A47L15/42 Z
A47L15/42 G
A47L15/22
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020086020
(22)【出願日】2020-05-15
(65)【公開番号】P2021137532
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2020034057
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】武田 博充
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 光司
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠治
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-010160(JP,A)
【文献】特開2003-106720(JP,A)
【文献】特開平11-325684(JP,A)
【文献】特開2011-143130(JP,A)
【文献】特開2002-153407(JP,A)
【文献】特開平11-281755(JP,A)
【文献】特開平04-348730(JP,A)
【文献】特開平03-039134(JP,A)
【文献】特開平05-199975(JP,A)
【文献】特開平10-241173(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0749059(KR,B1)
【文献】特開2012-180145(JP,A)
【文献】特開2009-186837(JP,A)
【文献】特開2004-141355(JP,A)
【文献】特開2018-183359(JP,A)
【文献】特開平05-079080(JP,A)
【文献】特開2012-040316(JP,A)
【文献】米国特許第05345957(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/42
A47L 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室に収容された被洗浄物の洗浄を行う洗浄機であって、
前記被洗浄物に噴射された洗浄水に含まれる固形物を分離する分離部と、
前記分離部によって分離された前記固形物を収容する収容空間を有する収容部と、
回動軸に設けられる検知部材であって、前記回動軸を回動中心に第1方向及び第2方向の双方向に回転自在に設けられると共に、前記収容部に収容された前記固形物に押されることで前記第1方向に回動する前記検知部材と、
前記検知部材が所定の回動状態となったことを検知する回動検知部と、を備え、
前記収容部は、前記収容空間に着脱可能に設けられ、前記固形物と水とを分離すると共に前記固形物を貯留するかご部と、前記かご部により分離された前記水を流出させる流出部と、を有しており、
前記検知部材は、前記固形物に押されていない状態かつ前記収容部に前記かご部が設置されていない状態において、第1状態となるように設けられると共に、前記固形物に押されていない状態かつ前記収容部に前記かご部が設置された状態において、前記かご部の一部に接触することで前記第1状態から前記第1方向に所定量回動した第2状態となるように設けられており、
前記回動検知部は、前記検知部材の前記第1状態及び前記第2状態を区別して検知する、洗浄機。
【請求項2】
洗浄室に収容された被洗浄物の洗浄を行う洗浄機であって、
前記被洗浄物に噴射された洗浄水に含まれる固形物を分離する分離部と、
前記分離部によって分離された前記固形物を収容する収容空間を有する収容部と、
回動軸に設けられる検知部材であって、前記回動軸を回動中心に第1方向及び第2方向の双方向に回転自在に設けられると共に、前記収容部に収容された前記固形物に押されることで前記第1方向に回動する前記検知部材と、
前記検知部材が所定の回動状態となったことを検知する回動検知部と、を備え、
前記収容部は、前記収容空間に着脱可能に設けられ、前記固形物と水とを分離すると共に前記固形物を貯留するかご部と、前記かご部により分離された前記水を流出させる流出部と、を有しており、
前記回動軸には、前記検知部材に加えて前記回動軸の回動に連動して回動する連動部材が設けられており、
前記検知部材には、水に対して浮力を有する浮き部が設けられ、
前記連動部材には、前記浮き部が設けられた前記検知部材及び前記連動部材の重心位置が前記回動軸の鉛直方向下方に位置するように錘が取り付けられており、
前記検知部材及び前記連動部材が釣り合う状態かつ前記検知部材が前記固形物に押されていない状態において、前記検知部材は、前記浮き部が前記かご部の内部に位置する第6状態となるように設けられている、洗浄機。
【請求項3】
前記回動検知部は、
前記連動部材としての第1ブラケットと、前記第1ブラケットに固着される被検知部及び前記被検知部を検知する検知部の一方と、
前記第1ブラケットの回動動作において、前記第1ブラケットが近接及び離反するように配置されている第2ブラケットと、前記第2ブラケットに固着された前記被検知部及び前記検知部の他方と、を備え、
前記検知部材及び前記第1ブラケットの重心位置が前記回動軸の鉛直方向下方に位置するように、前記第1ブラケットに錘が取り付けられており、
前記検知部材及び前記第1ブラケットが釣り合う状態かつ前記検知部材が前記固形物に押されていない状態において、前記検知部材は、前記第6状態となるように設けられており、
前記回動検知部は、前記検知部材の前記第6状態及び前記第6状態から前記第1方向に回動した第7状態を区別して検知する、請求項記載の洗浄機。
【請求項4】
洗浄室に収容された被洗浄物の洗浄を行う洗浄機であって、
前記被洗浄物に噴射された洗浄水に含まれる固形物を分離する分離部と、
前記分離部によって分離された前記固形物を収容する収容空間を有する収容部と、
回動軸に設けられる検知部材であって、前記回動軸を回動中心に第1方向及び第2方向の双方向に回転自在に設けられると共に、前記収容部に収容された前記固形物に押されることで前記第1方向に回動する前記検知部材と、
前記検知部材が所定の回動状態となったことを検知する回動検知部と、を備え、
前記収容部は、開口部を有する収容部本体と前記開口部を覆うカバーとを有し、
前記カバーは、前記収容部本体対して回動することで、前記開口部を覆う閉状態から前記開口部を覆わない開状態となり、
前記検知部材は、前記カバーの回動に連動して回動するように設けられており、前記カバーが閉じた状態において第4状態となるように設けられると共に、前記カバーが開いた状態において第5状態となるように設けられており、
前記回動検知部は、前記検知部材の前記第4状態及び前記第5状態を区別して検知する、洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
食器等の被洗浄物の洗浄を行う洗浄機が知られている。例えば、特許文献1には、残菜を収容する収容部(濾器手段)と、収容部に向けて斜め下方に配置された分離部(ストレーナ)とを備える洗浄機が開示されている。この洗浄機によれば、ノズルから噴射される水によって洗い落とされた固形物は分離部によって分離されて収容部に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-10160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、収容部に収容された固形物が満杯になっていることに気付かずに運転を継続した場合には、清浄機能に支障をきたしたり、固形物の詰まりによって外部へ水が溢れ出たりするおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、固形物を収容する収容部を備える構成において、収容部への固形物の収容状況を検知することができる洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗浄機は、洗浄室に収容された被洗浄物の洗浄を行う洗浄機であって、被洗浄物に噴射された洗浄水に含まれる固形物を分離する分離部と、分離部によって分離された固形物を収容する収容空間を有する収容部と、回動軸に設けられる検知部材であって、回動軸を回動中心に第1方向及び第2方向の双方向に回転自在に設けられると共に、収容部に収容された固形物に押されることで第1方向に回動する検知部材と、検知部材が所定の回動状態となったことを検知する回動検知部と、を備える。
【0007】
この構成の洗浄機では、収容部に収容された固形部の収容量が増えてくると、検知部材の少なくとも一部が当該固形物によって押されることで検知部材が第1方向に回動する。検知部は、当該検知部材の回動が所定の状態となったことを検知できるので、固形物を収容する収容部を備える構成において、収容部への固形物の収容状況を検知することができる。
【0008】
本発明の洗浄機では、収容部は、収容空間に着脱可能に設けられ、固形物と水とを分離すると共に固形物を貯留するかご部と、かご部により分離された水を流出させる流出部と、を有しており、かご部が収容部に収容されているか否かを検知するかご部検知部を更に備えてもよい。この構成では、収容部にかご部が設置されていないことが検知されるので、流出部に固形物が詰まることで発生する不具合を未然に防ぐことができる。
【0009】
本発明の洗浄機では、収容部は、収容空間に着脱可能に設けられ、固形物と水とを分離すると共に固形物を貯留するかご部と、かご部により分離された水を流出させる流出部と、を有しており、検知部材は、固形物に押されていない状態かつ収容部にかご部が設置されていない状態において、第1状態となるように設けられると共に、固形物に押されていない状態かつ収容部にかご部が設置された状態において、かご部の一部に接触することで前記第1状態から第1方向に所定量回動した第2状態となるように設けられており、回動検知部は、検知部材の第1状態及び第2状態を区別して検知してもよい。この構成では、収容部におけるかご部の設置の有無を、回動検知部と別個の検知部を設けることなく、回動検知部を利用して検出することが可能となる。
【0010】
本発明の洗浄機では、検知部材は、固形物に押された状態かつかご部が設置された状態において、第2状態から第1方向に回動した第3状態となるように設けられており、回動検知部は、回動軸の回動に連動して回動する第1ブラケットと、第1ブラケットに固着される被検知部及び被検知部を検知する検知部の一方と、第1ブラケットの回動動作において、第1ブラケットが近接及び離反するように配置されている第2ブラケットと、第2ブラケットに固着された被検知部及び検知部の他方と、を備え、回動検知部は、第1状態において、第1ブラケットの一部及び第2ブラケットの一部の一方が検知部と被検知部との間に介在することで検知部が被検知部を検知不能、第2状態において、検知部が被検知部を検知可能、第3状態において、第1ブラケットの一部及び第2ブラケットの一部の他方が検知部と被検知部との間に介在することで検知部が被検知部を検知不能、となるように構成されていてもよい。この構成では、第1状態から第2状態までの回動量、及び第2状態から第3状態までの回動量のそれぞれが相対的に小さい場合であっても、その回動量に基づいて検知部材の状態を精度高く区別して検知することができる。
【0011】
本発明の洗浄機では、収容部は、収容空間に着脱可能に設けられ、固形物と水とを分離すると共に固形物を貯留するかご部と、かご部により分離された水を流出させる流出部と、を有しており、回動軸には、検知部材に加えて回動軸の回動に連動して回動する連動部材が設けられており、検知部材には、水に対して浮力を有する浮き部が設けられ、連動部材には、浮き部が設けられた検知部材及び連動部材の重心位置が回動軸の鉛直方向下方に位置するように錘が取り付けられており、検知部材及び連動部材が釣り合う状態かつ検知部材が固形物に押されていない状態において、検知部材は、浮き部がかご部の内部に位置する第6状態となるように設けられていてもよい。この構成では、検知部材が固形物によって押されていない第6状態(すなわち、検知部材と連動部材とが釣り合っている状態)において、検知部材には、モーメントが作用していない。したがって、検知部材は、浮き部に相対的に小さな力が作用するだけで第1方向に回動する。この結果、検知部材による固形物の検知精度を高めることができる。
【0012】
本発明の洗浄機では、回動検知部は、連動部材としての第1ブラケットと、第1ブラケットに固着される被検知部及び被検知部を検知する検知部の一方と、第1ブラケットの回動動作において、第1ブラケットが近接及び離反するように配置されている第2ブラケットと、第2ブラケットに固着された被検知部及び検知部の他方と、を備え、検知部材及び第1ブラケットの重心位置が回動軸の鉛直方向下方に位置するように、第1ブラケットに錘が取り付けられており、検知部材及び第1ブラケットが釣り合う状態かつ検知部材が固形物に押されていない状態において、検知部材は、第6状態となるように設けられており、回動検知部は、検知部材の第6状態及び第6状態から第1方向に回動した第7状態を区別して検知してもよい。この構成では、かご部に収容された固形物によって押されることで第1方向に回動する検知部材を検知することで、かご部への固形物の収容状況を検知することができる。
【0013】
本発明の洗浄機では、検知部材は、収容部に収容された固形物に押された状態において、第7状態となるように設けられており、回動検知部は、第6状態において、検知部が被検知部を検知可能、第7状態において、検知部が被検知部を検知不能、又は第1ブラケットの一部若しくは第2ブラケットが検知部と被検知部との間に介在することで検知部が被検知部を検知不能、となるように構成されていてもよい。この構成では、第6状態から第7状態までの回動量が相対的に小さい場合であっても、その回動量に基づいて検知部材の状態を精度高く区別して検知することができる。
【0014】
本発明の洗浄機では、被検知部が固着される第1ブラケットの一部又は第2ブラケットの一部には、検知部に接続される配線が支持されていてもよい。この構成では、回動する第1ブラケット又は第2ブラケットと配線との接触が防止できるので、配線が断線したり、配線が第1ブラケット又は第2ブラケットの回動を阻害したりすることを回避できる。
【0015】
かご部において固形物の収容量が増えると、固形物と水とを分離する部分が固形物で塞がっていくのでかご部から水が分離され難くなり、かご部に水が溜まる現象が発生する。そこで、本発明の洗浄機では、検知部材には、水に対して浮力を有する浮き部が設けられてもよい。この構成では、かご部に水が溜まると、その水によって浮き部が浮き上がり、検知部材が回動する。回動検知部は、このような現象によって浮き上がる検知部材の回動を検知することができるので、かご部へ収容された固形物の収容状況の検知精度を高めることができる。
【0016】
本発明の洗浄機では、浮き部は、検知部材の回動方向における第1方向側の面に設けられていてもよい。検知部材の回動方向における第1方向側に固形物がある場合、検知部材の動きを阻害される不具合が発生することがある。この構成では、浮き部が、検知部材の回動方向における第1方向側の面に設けられることで、検知部材の動きを阻害する位置へ固形物が流れることが少なくなるので、上述したような不具合の発生を抑制できる。
【0017】
本発明の洗浄機では、検知部材が設けられる回動軸の端部は、軸受部に回動可能に支持されると共に、軸受部に対して着脱可能に設けられていてもよい。この構成では、検知部材が設けられる回動軸を軸受部から取り外した後に、収容部からかご部を取り出すことできるようになり、かご部の取り出しが格段に容易になる。
【0018】
本発明の洗浄機では、収容部は、開口部を有する収容部本体と、開口部を覆うカバーと、を有し、洗浄機は、カバーに取り付けられた被検知部を検知するカバー検知部を更に備え、カバーは、収容空間に収容されたかご部の一部に支持されることで収容部本体に取り付けられると共に、収容部本体に対して取り外し可能に設けられており、カバー検知部は、カバーが収容空間に収容されたかご部の一部に支持されたときに、カバーに取り付けられた被検知部を検知するように配置されていてもよい。カバーがかご部の一部に支持されることで収容部本体に取り付けられた状態を正常状態としたとき、この構成のカバー検知部では、当該正常状態でカバーが取り付けられたときにしかカバーに取り付けられた被検知部を検知することができない。言い換えれば、この構成では、収容部にかご部が設けられない限り、カバーに設けられた被検知部がカバー検知部によって検知されることはない。このため、この構成の洗浄機では、一つのカバー検知部によってかご部とカバーとの両方が正常に取り付けられていることを検知することができる。
【0019】
本発明の洗浄機では、収容部は、開口部を有する収容部本体と開口部を覆うカバーとを有し、カバーは、収容部本体に対して回動することで、開口部を覆う閉状態から開口部を覆わない開状態となってもよい。この構成では、収容部に収容された固形物の取り出しを容易にすると共に開口部から水が外部に放出されることを防止できる。
【0020】
本発明の洗浄機では、検知部材は、カバーの回動に連動して回動するように設けられており、カバーが閉じた状態において第4状態となるように設けられると共に、カバーが開いた状態において第5状態となるように設けられており、回動検知部は、検知部材の第4状態及び第5状態を区別して検知してもよい。この構成では、収容部のカバーが開いている状態を、回動検知部と別個の検知部を設けることなく、回動検知部を利用して検出することが可能となる。
【0021】
本発明の洗浄機では、カバーは、収容空間を視認可能にする透明部又はスリット部を有していてもよい。この構成では、収容空間が可視化されるので、作業者は、洗浄サイクルの都度、収容空間の状況を確認することができる。このため、仮に回動検知部によって固形物の収容状態が検知されなくなった場合であっても、固形物の容量オーバによる不具合の発生を未然に回避することができる。
【0022】
本発明の洗浄機では、検知部材が設けられる回動軸は、軸受部によって回動自在に支持されており、軸受部に支持される回動軸の端部は、先端に向かって細くなるように形成されていてもよい。この構成では、回動軸と軸受部との接触面積を小さくすることができるので、回動軸をスムーズに回転させることができる。また、この構成では、回動軸と軸受部との間に入り込んだ固形物の詰まりを低減できる。
【0023】
本発明の洗浄機では、回動軸の延在方向に沿った回動軸及び軸受部の断面形状において、上記延在方向に対する軸受部の内周面の角度は、上記延在方向に対する回動軸の端部における外周面の角度よりも大きくなるように形成されていてもよい。この構成では、回動軸の外周面と軸受部の内周面との間にクリアランスが設けられるので、回動軸と軸受部との間に入り込んだ固形物の詰まりを低減できる。
【0024】
本発明の洗浄機では、回動検知部は、収容空間の外部に設けられ、検知部材の回動軸の一方の端部は、収容空間の外部に突出しており、軸受部は、収容空間の外部において収容部に設けられると共に収容部に対して着脱可能に設けられていてもよい。この構成では、回動検知部が収容空間の外部に配置されているため、水がかかることによる不具合の発生を抑制することができる。更に、この構成では、軸受部が収容空間の外部に設けられるので、組立性及びメンテナンス性に優れる。
【0025】
本発明の洗浄機では、軸受部は、回動軸の延在方向における回動軸の端部を支持する位置が、スペーサによって調整可能に設けられていてもよい。ここで、回動軸両端の軸受部間の寸法が回動軸の長さに対して短い場合には、回動軸がスムーズに回動しないが、この構成では、スペーサによって軸受部間の長さを容易に調整することができるので、回動軸を最適な状態に調整することができる。これにより、収容部へ収容された固形物の収容状況の検知精度を高めることができる。
【0026】
本発明の洗浄機では、検知部材は、回動軸の延在方向と直交する方向に延在しており、延在方向の長さを調整可能に構成されていてもよい。この構成では、検知部材による固形物の検知位置を変更することができる。言い換えれば、固形物の収容量に基づく検知板の回動量を変更することができる。この構成では、回動検知部によって検知したい固形物の収容状況の条件を容易に変更することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、固形物を収容する収容部を備える構成において、収容部への固形物の収容状況を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
図2図2は、一実施形態に係る食器洗浄機の概略構成を示す断面図である。
図3図3は、セパレータ及び分離部の斜視図である。
図4図4は、カバー及び右側面カバーが取り除かれた収容部及び回動検知部を示した斜視図である。
図5図5は、右側面カバーが取り除かれた収容部及び回動検知部を示した斜視図である。
図6図6(A)は、検知板の第1状態(第4状態)を示した側面図であり、図6(B)は、検知板の第2状態(第4状態)を示した側面図である。
図7図7(A)は、検知板の第3状態(第4状態)を示した側面図であり、図7(B)は、検知板の第5状態を示した側面図である。
図8図8は、検知板の第1状態から第3状態における近接センサとマグネットとの関係を示した図である。
図9図9(A)は、回動軸と軸受部とを示した分解斜視図であり、図9(B)は、回動軸と軸受部とを示した断面図である。
図10図10は、変形例2に係る検知板の第2状態を示した側面図である。
図11図11(A)及び図11(B)は、変形例3に係る検知板の斜視図である。
図12図12(A)は、変形例5に係る収容部にカバーが取り付けられた状態を示した斜視図であり、図12(B)は、変形例5に係る収容部からカバーが取り外された状態を示した斜視図である。
図13図13(A)は、変形例5に係る収容部からカバー及び検知部材が取り外された状態を示した斜視図であり、図13(B)は、変形例5に係る収容部からカバー、検知部材、及びかご部が取り外された状態を示した斜視図である。
図14図14は、変形例5に係る収容部を左右方向から見た断面斜視図である。
図15図15は、変形例5に係る収容部を前後方向から見た断面斜視図である。
図16図16(A)は、変形例5に係る回動検知部を側方から見た側面図であり、図16(B)は、変形例5に係る検知板及び回動検知部を側方から見た側面図である。
図17図17(A)は、変形例5に係る回動部材に検知板及び回動検知部が取り付けられた状態の斜視図であり、図17(B)は、変形例5に係る回動部材から回動検知部が取り外された状態の斜視図である。
図18図18(A)及び図18(B)は、変形例5に係る回動検知部の揺動状態を示す側面図である。
図19図19(A)及び図19(B)は、変形例5の更なる変形に係る回動検知部の揺動状態を示す側面図である。
図20図20(A)及び図20(B)は、変形例5に係る回動部材の構成を示す正面図である。
図21図21(A)は、変形例5に係る回動部材の本体軸を示す斜視図であり、図21(B)は、変形例5に係る回動部材の端部軸を示す斜視図である。
図22図22は、変形例5に係る回動部材の端部軸及び第1ブラケットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
【0030】
図1及び図2に示されるように、食器洗浄機(洗浄機)1は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体2を有している。洗浄機本体2は、洗浄室3が形成された上側部分2Aと、機械室4が形成された下側部分2Bとに仕切られている。洗浄機本体2の背面側におけるコーナ部には、上側部分2Aと下側部分2Bとに渡って上下方向に延びる支柱6が配置され、支柱6,6間には背面パネル5が配置されている。
【0031】
洗浄機本体2の上側部分2Aには、洗浄室3の開閉を行うための箱型のドア7が設けられている。このドア7は、ステンレス製の一対の支柱6,6により上下動自在に案内されると共に、前方において水平方向に延在するハンドル8Aによって上下動する。
【0032】
ハンドル8Aの両端には左右一対の回動アーム8B,8Bの先端が固定され、回動アーム8B,8Bはドア7の側面7Aに沿って斜めに配置されている。回動アーム8B,8Bには、ドア7の側面7Aに沿って配置されたリンク部8Cの一端が回動自在に連結され、リンク部8Cの他端は、軸ピン8Dを介してドア7に連結されており、ハンドル8Aの回動運動に対してドア7が上下運動可能となっている。洗浄機本体2の底面の四隅には脚部9が取り付けられている。
【0033】
操作表示部90は、作業者による食器洗浄機1の各種操作を受け付ける。また、操作表示部90は、食器洗浄機1の各種状態を視覚的に表示させる。操作表示部90は、各種ボタン及びランプ等により構成されていてもよいし、各種ボタン及び食器洗浄機1の状態が表示されたタッチパネルとして構成されてもよい。操作表示部90は、コントローラ35によって制御される。
【0034】
図2に示されるように、洗浄室3内には、ラックレール11が着脱自在に配置されており、このラックレール11上に、飲食後の皿や茶碗などの食器(被洗浄物)が並べられた格子状の食器ラックが載置される。洗浄室3の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル12Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル13Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室3の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル12Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル13Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックに並べられた食器は、上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12Bによって上下から洗浄水が噴射され、すすぎノズル13A,13Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
【0035】
洗浄水タンク15の前壁には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ23が接続されている。洗浄ポンプ23の吐出口には洗浄水吐出管21が接続されている。洗浄水吐出管21は、第1洗浄水吐出管21Aと第2洗浄水吐出管21Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管21Aは上側洗浄ノズル12Aに接続され、第2洗浄水吐出管21Bは下側洗浄ノズル12Bに接続されている。
【0036】
機械室4内には、外部から給水管25Aを介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク25が配置されている。すすぎ水タンク25には、すすぎ水吸込管29を介してすすぎポンプ27が接続されている。すすぎポンプ27の吐出口にはすすぎ水吐出管31が接続されている。すすぎ水吐出管31は、第1すすぎ水吐出管31Aと第2すすぎ水吐出管31Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管31Aは上側すすぎノズル13Aに接続され、第2すすぎ水吐出管31Bは下側すすぎノズル13Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管31Aは、第1洗浄水吐出管21A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管21A及び第1すすぎ水吐出管31Aは、二重管構造を成している。
【0037】
機械室4内には、食器洗浄機1の動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)などが収容されている。
【0038】
洗浄室3と洗浄水タンク15との間には、セパレータ18及び分離部40が設けられている。ここで、洗浄室3と洗浄水タンク15との間とは、厳密に洗浄室3と洗浄水タンク15との境界部分を意味するものではない。セパレータ18及び分離部40のそれぞれは、洗浄室3内に配置されていてもよいし、洗浄水タンク15内に配置されていてもよい。
【0039】
セパレータ18は、洗浄室3と洗浄水タンク15との間の空間を区切っている。セパレータ18は、洗浄水タンク15の上方の領域を覆うように配置されている。図3及び図4に示されるように、セパレータ18には、開口部18Hが設けられている。開口部18Hは、セパレータ18上の水などを流出させる。開口部18Hは、例えば、セパレータ18において、洗浄機本体2の前側で且つ左側に配置されている。開口部18Hは、例えば、矩形状(長方形状)を呈している。セパレータ18は、開口部18Hが最も低い位置となるように、開口部18Hに向かって傾斜していてもよい。
【0040】
セパレータ18には、壁部19が設けられている。壁部19は、開口部18Hに流れ込む水の入口を辺18Haに集中させる。壁部19は、セパレータ18の洗浄室3側の面上に配置されている。壁部19は、上方から見て、コの字状を呈している。壁部19は、第1壁部材19Aと、第2壁部材19Bと、第3壁部材19Cと、から構成されている。第1壁部材19A、第2壁部材19B及び第3壁部材19Cは、セパレータ18に立設されている。
【0041】
分離部40は、開口部18Hから斜め前下方に向かって延在する部材である。洗浄室3の被洗浄物に向けて上側洗浄ノズル12A及び下側洗浄ノズル12B、及び、上側すすぎノズル13A及び下側すすぎノズル13Bから噴射されて被洗浄物を洗浄した後の水を通過させると共に、水から固形物を分離する部材である。その部材の例には、ウェッジワイヤースクリーン、パンチングメタル、及びメッシュフィルタが含まれる。なお、分離部40によって分離される水には、実際には被洗浄物に触れていない洗浄水及びすすぎ水も含まれ得る。
【0042】
分離部40を通過した水は、水受部45を介して洗浄水タンク15に流入する。水受部45は、分離部40の下方に配置されている。水受部45は、水平方向に対して傾斜して配置されている。水受部45は、分離部40を通過した水を洗浄水タンク15に導く。
【0043】
図1及び図2に示されるように、洗浄機本体2には、収容部50が設けられている。収容部50は、洗浄機本体2の下側部分2Bにおいて、下側部分2Bの前面に配置されている。すなわち、洗浄機本体2の外部に設けられている。なお、収容部50は、下側部分2Bの前面だけでなく、他の面に設けることも可能である。また、収容部50の設置位置に応じて、分離部40の設置態様、開口部18Hの位置等も適宜変更が可能である。
【0044】
図4及び図5に示されるように、収容部50は、分離部40によって分離された固形物を主に収容する。なお、収容部50は、固形物と共に誘導される水も収容され得る。収容部50は、収容部本体51と、カバー52と、かご部53と、接続管(流出部)54と、右側面カバー55と、左側面カバー56と、検知板(検知部材)61と、回動軸63と、回動検知部70と、を有している。
【0045】
収容部本体51は、洗浄機本体2に固定されている。収容部本体51は、かご部53を収容する収容空間Sを有している。また、収容部本体51は、開口部51Aを有している。
【0046】
カバー52は、収容部本体51の上部の開口部51Aを覆う。カバー52は、収容部本体51に対して回動することで、開口部51Aを覆う閉状態から開口部51Aを覆わない開状態となるように設けられている。カバー52は、収容部本体51に蝶番で固定されている。カバー52の外面には、作業者の持ち手となる取っ手52Aが設けられている。また、カバー52の内面には、後段にて詳述する検知板61を引っ掛けて、カバー52の回動に連動して回動させるフック52Bが形成されている。
【0047】
かご部53は、収容空間Sに着脱可能に設けられ、固形物と水とを分離すると共に固形物を貯留する。かご部53の少なくとも一部は、排水性を有するメッシュ部材等で形成されている。かご部53には、作業者が持ち上げるための取っ手53Aが形成されている。
【0048】
接続管54は、収容部本体51と洗浄水タンク15とを接続している。接続管54は、かご部53により分離された水を流出させ、洗浄水タンク15に流入させる。接続管54の一端部は、収容部本体51の底部に接続されており、接続管54の他端部は、洗浄水タンク15の底部に形成された孔部に接続されている。
【0049】
右側面カバー55は、収容部本体51の右側面に着脱可能に設けられている。右側面カバー55は、収容部本体51に取り付けられたとき、後段にて詳述する軸受部65及び回動検知部70を覆う。右側面カバー55は、収容部本体51の右側面に設けられた取付部51Bを介して収容部本体51に取り付けられる。左側面カバー56は、収容部本体51の左側面に着脱可能に設けられている。左側面カバー56は、収容部本体51に取り付けられたとき、軸受部65を覆う。左側面カバー56は、収容部本体51の左側面に設けられた取付部(図示せず)を介して収容部本体51に取り付けられる。
【0050】
検知板61は、回動軸63と直交する方向に延在する、例えば金属又は樹脂からなる板状部材である。検知板61は、回動軸63を回動中心に第1方向D1及び第2方向D2の双方向に回転自在に設けられると共に、収容部50に収容された固形物に押されることで第1方向D1に回動する。検知板61は、ボルト等により回動軸63に固定されている。検知板61の延在方向の長さは、検知すべき固形物の収容量に基づいて適切に設定されている。
【0051】
検知板61は、図6(A)に示されるように、固形物に押されていない状態かつ収容部50にかご部53が設置されていない状態において、第1状態S1となるように設けられる。なお、検知板61が回動軸63からほぼ鉛直下方に延び、第1ブラケット71が回動軸63から鉛直方向に対し斜め下方に延びる第1状態S1となるのは、検知板61の重量と第1ブラケット71の重量とのバランス(検知板61の重量が第1ブラケット71の重量よりも重い)による。また、検知板61は、図6(B)に示されるように、固形物に押されていない状態かつ収容部50にかご部53が設置された状態において、かご部53の一部53Cに接触することで第1方向D1に所定量回動した第2状態S2となるように設けられている。また、検知板61は、図7(A)に示されるように、固形物に押された状態かつかご部53が設置された状態において、第2状態S2から第1方向D1に回動した第3状態S3となるように設けられている。
【0052】
また、検知板61は、カバー52の回動に連動して回動するように設けられており、図6(A)、図6(B)及び図7(A)に示されるように、カバー52が閉じた状態において第4状態S4となるように設けられている。更に、検知板61は、図7(B)に示されるように、カバー52が開いた状態において第5状態S5となるように設けられている。なお、第4状態S4には、固形物に押されていない状態かつ収容部50にかご部53が設置されていない状態(第1状態S1:図6(A)参照)、固形物に押されていない状態かつ収容部50にかご部53が設置された状態であって、かご部53の一部53Cに接触することで第1状態S1から第1方向D1に所定量回動した状態(第2状態S2:図6(B)参照)、及び固形物に押された状態かつかご部53が設置された状態であって、第2状態S2から第1方向D1に所定量回動した状態(第3状態S3:図7(A)参照)が含まれる。
【0053】
回動軸63は、収容部50に対して回動自在に設けられている、例えば金属からなる断面円形の棒状部材である。回動軸63は、ボルト等により検知板61が取り付けられており、検知板61と一体的に回動する。回動軸63の両端は、収容部50に固定される軸受部65に回転自在に支持される。図9(A)及び図9(B)に示されるように、回動軸63の両端は、先端に向かって細くなるように形成されている。なお、図9(A)及び図9(B)は、回動軸63の一端のみを示している。
【0054】
軸受部65は、収容部50における収容部本体51の右外側面及び左外側面のそれぞれに固定されている。すなわち、軸受部65は、収容部本体51の外側に着脱可能に設けられている。より詳細には、収容部本体51の右側面及び左側面には、回動軸63を回動可能に挿通させる挿通部67が設けられている。軸受部65は、当該挿通部67に挿通された状態で収容部本体51から右側(又は左側)に突出した回動軸62の端部を支持すると共に、挿通部67に対してスペーサ69を挟んだ状態でボルト等により固定される。なお、図9(A)に示される例では、スペーサ69は一枚のみが示されているが、左右の軸受部65,65間の距離と、回動軸63の延在方向における長さとに合わせて、適切な枚数及び/又は適切な厚みのスペーサ69が配置される。
【0055】
回動軸63の延在方向に沿った回動軸63及び軸受部65の断面形状において、回動軸63の延在方向に対する軸受部65の内周面65Aの角度α2は、回動軸63の延在方向に対する回動軸63の端部における外周面の角度α1よりも大きくなるように(α1<α2)形成されている。
【0056】
図5に示されるように、回動検知部70は、収容部50の収容空間Sの外部に設けられている。より詳細には、回動検知部70は、収容部本体51の右外側面に配置される第1ブラケット71及びマグネット(被検知部)73と、第1ブラケット71及びマグネット73に近接させて配置されると共に洗浄機本体2の下側部分2Bの被固定部に設けられる第2ブラケット75及び近接センサ(検知部)77と、を有している。
【0057】
第1ブラケット71は、一方向に延在する、フェライト系ステンレス等の磁性体からなる板状部材である。図9(A)に示されるように、第1ブラケット71の一方の端部は挿通孔が形成されており、回動軸63に挿通された状態で固定されている。すなわち、第1ブラケット71は、回動軸63の回動に連動して一体的に回動する。図8に示されるように、第1ブラケット71には、本体部71Aと、本体部71Aの一部に形成される遮蔽部71B(後段にて詳述する)とが形成されている。マグネット73は、本体部71Aにボルト等によって固定されている。マグネット73は磁力を放出する部材であって、近接センサ77によりその磁力が検知される。なお、第1ブラケット71は、少なくとも遮蔽部71Bとなる部分が磁性体で形成され、他の部分は磁性体以外の材料により形成されていてもよい。
【0058】
図6(A)、図6(B)、図7(A)、及び図7(B)に示されるように、第2ブラケット75は、第1ブラケット71の回動動作において、第1ブラケット71が近接及び離反するように配置されている。第2ブラケット75は、第1ブラケット71が回動するときのマグネット73の軌跡沿いの一箇所に移動不能に固定されている。図8に示されるように、第2ブラケット75は、フェライト系ステンレス等の磁性体からなる板状部材であり、本体部75Aと、本体部75Aの一部に形成される遮蔽部75B(後段にて詳述する)とが形成されている。近接センサ77は、本体部75Aにボルト等によって固定されている。近接センサ77は、マグネット73が放出する磁力を検知する。なお、第2ブラケット75は、少なくとも遮蔽部75Bとなる部分が磁性体で形成され、他の部分は磁性体以外の材料により形成されていてもよい。
【0059】
図7(B)に示されるように、近接センサ77が固着される第2ブラケット75の一部(遮蔽部75B)には、近接センサ77に接続される配線77Aが支持されている。詳細には、図1における右方から見たときに、配線77Aは、第2ブラケット75における遮蔽部75Bの裏側に配置されることで位置が決定され、図示しない結束バンド等によって第2ブラケット75に固定されている。
【0060】
次に、回動検知部70が検知する検知板61の所定の回動状態について詳細に説明する。回動検知部70は、上述したような、収容部50にかご部53が設置されていない第1状態S1(図6(A)参照)、かご部53に収容された固形物の収容量が所定量よりも大きな第3状態S3(図7(A)参照)、及び収容部50のカバー52が開いた状態である第5状態S5(図7(B)参照)と、かご部53に収容された固形物の収容量が所定量以下の第2状態S2(図6(B)参照)と、を区別して検知する。以下、第1状態S1、第3状態S3及び第5状態S5を異常状態と称し、第2状態S2を通常状態と称する。
【0061】
図8に示されるように、回動検知部70では、第1状態S1において、第2ブラケット75における本体部75Aの一部が、近接センサ77とマグネット73との間に介在するように構成されている。すなわち、本体部75Aの一部が磁力の遮蔽部75B(図8の斜線部)として機能する。このような状態となることで、マグネット73から近接センサ77への磁力の流れが遮蔽される。これにより、第1状態S1において、回動検知部70の近接センサ77は、マグネット73を検知しない。
【0062】
コントローラ35は、近接センサ77がマグネット73を検知しない(検知できない)状態を異常状態と判定する。コントローラ35は、異常状態であることを判定すると、その旨を操作表示部90に表示させる。また、コントローラ35は、異常状態であることを判定すると、洗浄運転前においては食器の洗浄運転が開始されることを禁止したり、洗浄運転中においては洗浄運転を中断したりする。
【0063】
回動検知部70では、第2状態S2において、第2ブラケット75における本体部75Aの一部及び第1ブラケット71における本体部71Aの一部の両方が、近接センサ77とマグネット73との間に介在しないように構成されている。このような状態となることで、マグネット73から近接センサ77への磁力の流れが確保される。これにより、第2状態S2において、回動検知部70の近接センサ77は、マグネット73を検知する。
【0064】
コントローラ35は、近接センサ77がマグネット73を検知する状態を通常状態と判定する。コントローラ35は、通常状態であることを判定すると、その旨を操作表示部90に表示させる。また、コントローラ35は、通常状態であることを判定すると、洗浄運転前においては食器の洗浄運転が開始されることを許容する。
【0065】
回動検知部70では、第3状態S3において、第1ブラケット71における本体部71Aの一部が、近接センサ77とマグネット73との間に介在するように構成されている。すなわち、本体部71Aの一部が磁力の遮蔽部71B(図8の斜線部)として機能する。このような状態となることで、マグネット73から近接センサ77への磁力の流れが遮蔽される。これにより、第3状態S3において、回動検知部70の近接センサ77は、マグネット73を検知しない。
【0066】
コントローラ35は、近接センサ77がマグネット73を検知しない(検知できない)状態を異常状態と判定する。コントローラ35は、異常状態であることを判定すると、その旨を操作表示部90に表示させる。また、コントローラ35は、異常状態であることを判定すると、第1状態S1であると判定したときと同様に、洗浄運転前においては食器の洗浄運転が開始されることを禁止したり、洗浄運転中においては洗浄運転を中断したりする。
【0067】
続いて、回動検知部70の動作について説明する。作業者は、洗浄運転を開始する前に、収容部50にかご部53を設置する。収容部50にかご部53が設置されていない場合には、検知板61は、図6(A)及び図8に示されるような第1状態S1となり、近接センサ77はマグネット73を検知しない。コントローラ35は、このような状態を異常状態と判定し、その旨を操作表示部90に表示すると共に洗浄運転の開始を禁止する。
【0068】
収容部50にかご部53が設置されると、かご部53の一部53Cに検知板61の一部が接触し、図6(B)に示されるような第2状態S2となる。これにより、近接センサ77がマグネット73を検出する。コントローラ35は、このような状態を通常状態と判定し、洗浄運転の開始を許容する。すなわち、コントローラ35は、その旨を操作表示部90に表示すると共に食器洗浄機1における洗浄運転を可能にする。
【0069】
洗浄運転開始後、洗浄室3内に噴射された水は、食器に付着した残菜等の固形物を洗い流す。これらの水は、セパレータ18で受け止められ、セパレータ18の開口部18Hに向かって流れる。開口部18Hから流出した水及び固形物は、分離部40の上端部に流れ込む。分離部40に流れ込んだ水の大部分は、スリットを通過して洗浄水タンク15に流入して、洗浄水タンク15内に回収される。分離部40に流れ込んだ固形物のうちスリット幅よりも大きいものは、分離部40上に残留する。この固形物は、分離部40に流れ込んだ水の一部と共に分離部40上を流れて、収容部50のかご部53に排出される。
【0070】
かご部53に収容される固形物の収容量が所定量以下の場合、かご部53に収容された固形物が検知板61を第1方向D1に押し上げることはない。したがって、コントローラ35は、通常状態との判定を継続し、洗浄運転の継続を可能にする。かご部53に収容される固形物の収容量が所定量よりも多くなると、かご部53に収容された固形物が検知板61を第1方向D1に押し上げ始める。そして、検知板61は、図7(A)及び図8に示されるように、回動量が所定量より大きくなった第3状態S3となり、近接センサ77はマグネット73を検知しない。コントローラ35は、このような状態を異常状態と判定し、その旨を操作表示部90に表示すると共に洗浄運転を中断する。
【0071】
ここで、作業者は、収容部50からかご部53を取り出し、固形物を取り出した後に収容部50に再設置すると、図6(B)に示されるような第2状態S2となる。すなわち、コントローラ35は、その旨を操作表示部90に表示すると共に食器洗浄機1における洗浄運転の再開を可能にする。
【0072】
作業者は、メンテナンス等のため、カバー52を開けることがある。また、作業者は、上述したように、固形物を取り出した際に、カバー52を閉め忘れたり、閉め方が不完全であったりする場合がある。この場合、検知板61は、図7(B)に示されるように第5状態S5となり、近接センサ77はマグネット73を検知しない。この場合は、近接センサ77とマグネット73との距離が所定距離以上離れているので、近接センサ77はマグネット73を検知しない。コントローラ35は、このような状態を異常状態と判定し、その旨を操作表示部90に表示すると共に洗浄運転の開始を禁止したり、洗浄運転を中断したりする。
【0073】
上記実施形態の食器洗浄機1では、収容部50に収容された固形部の収容量が増えてくると、検知板61は、当該固形物によって押されることで第1方向D1に回動する。回動検知部70は、当該検知板61の回動が所定の状態となったことを検知できるので、固形物を収容する収容部50を備える構成において、収容部50への固形物の収容状況を検知することができる。
【0074】
上記実施形態の食器洗浄機1では、検知板61は、固形物に押されていない状態かつ収容部50にかご部53が設置されていない状態において、第1状態S1(図6(A)参照)となるように設けられると共に、固形物に押されていない状態かつ収容部50にかご部53が設置された状態において、かご部53の一部53Cに接触することで第1方向D1に所定量回動した第2状態S2(図6(B)参照)となるように設けられている。そして、回動検知部70は、検知板61の第1状態S1及び第2状態S2を区別して検知する。これにより、収容部50におけるかご部53の設置の有無を、回動検知部70と別個の検知部を設けることなく、回動検知部70を利用して検出することが可能としている。
【0075】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図8に示されるように、第1状態S1において、第2ブラケット75の一部(遮蔽部75B)が近接センサ77とマグネット73との間に介在することで近接センサ77がマグネット73を検知不能、第2状態S2において、近接センサ77がマグネット73を検知可能、第3状態S3において、第1ブラケット71の一部(遮蔽部71B)が近接センサ77とマグネット73との間に介在することで近接センサ77がマグネット73を検知不能、となるように構成されている。これにより、第1状態S1から第2状態S2までの回動量、及び第2状態S2から第3状態S3までの回動量のそれぞれが相対的に小さい場合であっても、その回動量に基づいて回動軸63の状態を精度高く区別して検知することができる。
【0076】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図7(B)に示されるように、近接センサ77が固着される第2ブラケット75の一部で遮蔽部75Bとなり得る部位に、近接センサ77に接続される配線77Aが支持されている。これにより、回動する第1ブラケット71と配線77Aとの接触が防止できるので、配線77Aが断線したり、配線77Aが第1ブラケット71の回動を阻害したりすることを回避できる。
【0077】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図5に示されるように、収容部本体51に対して回動することで、開口部51Aを覆う閉状態から開口部51Aを覆わない開状態となるカバー52を有している。これにより、収容部50に収容された固形物の取り出しを容易にすると共に開口部51Aから水が外部に放出されることを防止できる。
【0078】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図5に示されるように、検知板61は、カバー52の回動に連動して回動するように設けられている。これにより、収容部50のカバー52が開いている状態を、回動検知部70と別個の検知部を設けることなく、回動検知部70を利用して検出することを可能としている。
【0079】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図9(B)に示されるように、回動軸63の端部は、先端に向かって細くなるように形成されている。これにより、回動軸63と軸受部65との接触面積を小さくすることができるので、回動軸63をスムーズに回転させることができる。また、上記実施形態の食器洗浄機1では、回動軸63と軸受部65との間に入り込んだ固形物の詰まりを低減できる。
【0080】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図9(B)に示されるように、回動軸63の延在方向に沿った回動軸63及び軸受部65の断面形状において、回動軸63の延在方向に対する軸受部65の内周面65Aの角度α2は、回動軸63の延在方向に対する回動軸63の端部における外周面の角度α1よりも大きくなるように形成されている。これにより、回動軸63の外周面63Aと軸受部65の内周面65Aとの間にクリアランスが設けられるので、回動軸63と軸受部65との間に入り込んだ固形物の詰まりを低減できる。
【0081】
上記実施形態の食器洗浄機1では、図4に示されるように、回動検知部70が収容空間Sの外部に配置されているため、水がかかることによる不具合の発生を抑制することができる。更に、この構成では、軸受部65が収容空間Sの外部に設けられるので、組立性及びメンテナンス性に優れる。
【0082】
上記実施形態の食器洗浄機1では、スペーサ69によって軸受部65,65間の長さを容易に調整することができるので、回動軸63を最適な状態に調整することができる。これにより、収容部50へ収容された固形物の収容状況の検知精度を高めることができる。
【0083】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0084】
(変形例1)
上記実施形態の食器洗浄機1では、回動検知部70によってかご部53が収容部50に収容されているか否かが検知される例を挙げて説明したが、例えば、かご部53が収容部50に収容されているか否かを検知する専用のセンサ等のかご部検知部が設けられていてもよい。
【0085】
(変形例2)
変形例2に係る食器洗浄機1は、上記実施形態及び変形例の食器洗浄機1の構成に加えて、図10に示されるように、水に対して浮力を有する浮き部80が設けられている。より詳細には、検知板61の回動軸63側と反対側の端部には、水に対する浮力を有する浮き部80が設けられている。浮き部80は、例えば樹脂部材からなる角状の物体である。なお、本変形例2では、浮き部80の水に対する浮力が検知板61の水に対する浮力よりも大きい。
【0086】
かご部53において固形物の収容量が増えると、固形物と水とを分離する部分(排水性を有する例えばメッシュ部材、パンチングメタルのような部分)が固形物で塞がっていく。これにより、かご部53から水が分離され難くなり、かご部53に水が溜まる現象が発生する。浮き部80を有する変形例2に係る構成では、かご部53に水が溜まると、その水によって浮き部80が浮き上がり、検知板61が回動する。回動検知部70は、このような現象によって浮き上がる検知板61の回動を検知することができるので、かご部53へ収容された固形物の収容状況の検知精度を高めることができる。
【0087】
更に、上記のような浮き部80は、検知板61の回動方向における第1方向D1側の面に設けられていてもよい。検知板61の回動方向における第1方向D1側に固形物がある場合、検知板61の動きを阻害される不具合が発生することがあるが、この変形例2に係る構成では、検知板61の動きを阻害する位置へ固形物が流れ込むことが少なくなるので、上述したような不具合の発生を抑制できる。
【0088】
(変形例3)
変形例3に係る食器洗浄機1は、上記実施形態及び変形例の食器洗浄機1の検知板61の構成に代えて、検知板61A(261)は、回動軸63の延在方向と直交する方向に延在しており、延在方向の長さを調整可能に構成されている。延在方向の長さを調整可能にする検知板として、例えば図11(A)に示されるように、長孔161Cが形成された第1検知板161Aと、丸孔161Dが形成された第2検知板161Bとからなる二つの部材によって構成される検知板61Aが考えられる。この構成では、長孔161Cのどの位置にボルト161Eを通して第1検知板161Aと第2検知板161Bとを一体化するかで、検知板61Aの延在方向における長さを調整することができる。
【0089】
また、延在方向の長さを調整可能にする他の検知板として、例えば図11(B)に示されるように、延在方向に延在する側面に複数の被係合部が形成された第1検知板261Aと、丸孔261Dが形成された第2検知板261Bとからなる二つの部材と、接合部材263とによって構成される検知板261が考えられる。接合部材263は、いわゆるC型チャンネル部材であり、内面に一対の係合部263B,263Bが形成されている。係合部263B,263Bと被係合部262Cとは互いに係合可能に形成されている。この構成では、第1検知板261Aのどの被係合部262Cに、接合部材263の係合部263Bを係合させるかで、検知板261の延在方向における長さを調整することができる。この後、挿通孔262D及び挿通孔263Cを挿通させたボルト262Eによって第2検知板261Bと接合部材263を固定する。
【0090】
このように、検知板61B、261の延在方向の長さが調整可能な変形例3に係る構成では、検知板61B、261による固形物の検知位置を容易に変更することができる。言い換えれば、変形例3に係る構成では、固形物の収容量に基づく検知板61B、261の回動量を変更することができる。この変形例3に係る構成では、回動検知部70によって検知したい固形物の収容状況の条件を容易に変更することができる。例えば、使用者の好みや体力に合わせて、固形物の収容量(溜まり量)を調整できる。
【0091】
(変形例4)
変形例4に係る食器洗浄機1は、上記実施形態及び変形例の食器洗浄機1の構成に加えて、収容部50のカバー52が、収容空間Sを視認可能にする透明部又はスリット部を有している。この変形例4に係る構成では、収容空間Sが可視化されるので、作業者は、洗浄サイクルの都度、収容空間Sの状況を確認することができる。このため、仮に回動検知部70によって固形物の収容状態が検知されなくなった場合であっても、固形物の容量オーバによる不具合の発生を未然に回避することができる。
【0092】
(変形例5)
変形例5に係る食器洗浄機1は、収容部50のカバー52が収容部50に対して回動可能に構成されている上記実施形態及び変形例の食器洗浄機1の構成に代えて、図12(A)及び図12(B)に示される収容部150のカバー152が、収容部本体151に対して取り外し可能に設けられている。より詳細には、図14及び図15に示されるように、カバー152の内面に設けられた係止部152Cが、収容部本体151の収容空間Sに収容されたかご部153の一部である把持部153Aに支持されることで収容部本体151に取り付けられる。カバー152には、上記変形例4に述べたような透明部152Aと、カバー152を把持するための把持部152Bが設けられている。把持部152Bは、かご部153の両端に設けられているので、作業者は両手でしっかりとかご部153を持ち上げることができる。
【0093】
図14に示されるように、変形例5に係る食器洗浄機1には、収容部本体151に取り外し可能に設けられたカバー152に取り付けられたマグネット(被検知部)171を検知する近接センサ(カバー検知部)172が設けられている。近接センサ172は、カバー152の係止部152Cがかご部153の把持部153Aに支持されたときに、マグネット171を検知可能な位置に配置されている。本変形例5に係る近接センサ172は、食器洗浄機1を正面から見たときにカバー152の背後の洗浄機本体2に取り付けられている。
【0094】
カバー152がかご部153の一部である把持部153Aに支持されることで収容部本体151に取り付けられた状態を正常状態としたとき、変形例5に係る構成の近接センサ172では、当該正常状態のカバー152しか検知することができない。言い換えれば、変形例5に係る構成では、収容部150にかご部153が設けられない限り、カバー152に設けられたマグネット171が近接センサ172によって検知されることはない。このため、変形例5に係る食器洗浄機1では、一つの近接センサ172を設けるだけで、かご部153とカバー152との両方が正常に取り付けられていることを検知することができる。
【0095】
コントローラ35は、上記近接センサ172によるマグネット171の検知がないときには、かご部153とカバー152との両方が正常に取り付けられていないと判定し、洗浄運転が開始できないように制御したり、かご部153とカバー152との両方が正常に取り付けられていないことを操作表示部90を介して報知したりしてもよい。このような制御により、食器洗浄機1における安全性を高めることができる。
【0096】
図12(B)に示されるように、変形例5に係る食器洗浄機1の回動検知部170は、図16(A)、図16(B)、図17(A)、及び図17(B)に示されるように、上記実施形態及び変形例と同様に、回動軸163の回動に連動して回動する第1ブラケット(連動部材)71と、第1ブラケット71に固着されるマグネット73と、第1ブラケット71の回動動作において、第1ブラケット71が近接及び離反するように配置されている第2ブラケット75と、第2ブラケット75に固着された近接センサ77と、を備えている。回動軸163に取り付けられる検知板61には、水に対して浮力を有する浮き部80が設けられている。
【0097】
変形例5に係る食器洗浄機1では、下記の点で特徴的な構成を有している。すなわち、図16(B)に示されるように、検知板61及び回動検知部170の重心位置が回動軸163の鉛直方向下方(本実施形態では回動軸163の真下)に位置するように、第1ブラケット71に錘175が取り付けられている。また、検知板61及び第1ブラケット71が釣り合う状態かつ検知板61が固形物に押されていない状態において、検知板61は、浮き部80がかご部153の内部に位置する状態(第6状態)となるように設けられている。回動検知部170は、検知板61の第6状態及び第6状態から第1方向に回動した状態(第7状態)を区別して検知することができる。
【0098】
具体的には、検知板61は、かご部153に収容された固形物に押された状態において、上記第7状態となるように設けられている。このような各種状態において、回動検知部170は、第6状態において、近接センサ77がマグネット73を検知可能となるように構成され、第7状態において、近接センサ77がマグネット73を検知不能、又は第1ブラケット71の一部である遮蔽部71Bが近接センサ77とマグネット73との間に介在することで近接センサ77がマグネット73を検知不能となるように構成されている。この構成では、第6状態から第7状態までの回動量が相対的に小さい場合であっても、その回動量に基づいて検知板61の状態を精度高く区別して検知することができる。
【0099】
変形例5に係る食器洗浄機1では、かご部153に収容された固形物によって押されることで第1方向に回動する検知板61を検知することで、かご部153への固形物の収容状況を検知することができる。また、変形例5に係る食器洗浄機1では、検知板61が固形物によって押されていない第6状態(すなわち、検知板61と第1ブラケット71とが釣り合っている状態)において、検知板61には、モーメントが作用していない。したがって、浮き部80に相対的に小さな力が作用するだけで検知板61を第1方向に回動させることができる。この結果、検知板61による固形物の検知精度を高めることができる。
【0100】
変形例5に係る食器洗浄機1では、回動自在の回動軸163が、検知板61と第1ブラケット71との釣り合いによって図16(A)及び図16(B)に示されるような静状態に維持されている。このため、検知板61及び回動検知部170が取り付けられた回動軸163を軸受部65,165に支持させた直後には、回動軸163は第1方向及び第2方向に揺動し、時間の経過と共に揺動幅が小さくなり、やがて静状態に落ち着く。
【0101】
そこで、変形例5に係る食器洗浄機1では、図18(A)及び図18(B)に示されるように、第1ブラケット71の揺動範囲の少なくとも一方(本変形例では両方)に錘175を接触させる緩衝部材181,182を設けている。緩衝部材181は、ブラケット180等の適宜の取付部材によって洗浄機本体2に取り付けられる。緩衝部材182は、洗浄機本体2に直接取り付けられる。緩衝部材181,182は、第1ブラケット71に取り付けられた錘175が接触したときに衝撃を吸収する、例えば発泡ポリエチレン等の材料により形成される部材である。第1ブラケット71は、錘175の緩衝部材181,182への接触によって揺動速度が吸収されるので、回動軸163が静状態となるまでの時間を早めることができる。
【0102】
また、変形例5に係る食器洗浄機1では、図17(B)に示されるように、検知板61及び回動軸163の本体軸163Aが軸受部65,165から取り外されると(回動軸163の着脱構成の詳細については後述)、検知板61と第1ブラケット71との釣り合いバランスが崩れ、図18(B)に示されるように、錘175が取り付けられた回動検知部170の第1ブラケット71は、軸受部65から下方に垂れ下がった状態となる。
【0103】
そこで、変形例5に係る食器洗浄機1では、第1ブラケット71が軸受部65から下方に垂れ下がった状態となったときに接触する緩衝部材182を設けている。このような構成では、検知板61及び回動軸163の本体軸163Aが軸受部65,165から取り外され、第1ブラケット71が軸受部65から下方に垂れ下がったとしても、第1ブラケット71の錘175は、緩衝部材182に衝突し、洗浄機本体2に直接衝突することはない。これにより、第1ブラケット71の錘175が洗浄機本体2に直接衝突する場合に発生する騒音を抑制できる。
【0104】
なお、図18(A)及び図18(B)に示されるように、上述の緩衝部材181,182は、洗浄機本体2に取り付けられる例を挙げて説明したが、図19(A)及び図19(B)に示されるように、緩衝部材181,182は、第1ブラケット71の錘175における第1方向側及び第2方向側の端部に取り付けられてもよい。この場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0105】
また、図13(A)に示されるように、変形例5に係る食器洗浄機1の回動検知部170では、洗浄機本体2に取り付けられている軸受部65,165から検知板61が取り付けられた回動軸163が着脱自在に設けられている。以下、軸受部65,165に対して回動軸163を着脱可能にする構成について詳細に説明する。
【0106】
図20(A)に示されるように、回動軸163は、本体軸163Aと、端部軸163Bと、を有している。本体軸163Aは、上述した浮き部80が取り付けられた検知板61が取り付けられている(図14参照)。本体軸163Aと端部軸163Bとは、互いに嵌合されることにより一体的な回動軸163を形成している。より詳細には、図21(A)に示されるように、本体軸163Aは、円筒状に形成されており、その端部軸163B側の端部には、切欠部163Abが形成されている。図21(B)に示されるように、端部軸163Bの本体軸163A側の端部には、本体軸163Aの中空部163Aaに内挿される突出部163Baと、突出部163Baに設けられると共に切欠部163Abに嵌合される被嵌合部163Bbとが形成されている。本体軸163Aと端部軸163Bとは、端部軸163Bにおける突出部163Baが本体軸163Aの中空部163Aaに内挿されることで直線状に接続され、端部軸163Bにおける被嵌合部163Bbが本体軸163Aの切欠部163Abに嵌合されることで互いの部材が円周方向に回転することを規制する。すなわち、切欠部163Ab及び被嵌合部163Bbは、回り止めとして機能する。
【0107】
上述したように、検知板61及び回動軸163の本体軸163Aが軸受部65,165から取り外されると、第1ブラケット71が軸受部65から下方に垂れ下がる(図18(B)参照)。このとき、端部軸163Bは、第1ブラケット71の動きに連動して回動する。第1ブラケット71が軸受部65から下方に垂れ下がった状態のとき、端部軸163Bの被嵌合部163Bbは、図22に示されるように、食器洗浄機1の前側(正面側)に向かって突出する状態となっている。このような構成では、作業者が本体軸163Aを端部軸163Bに取り付けるときに、被嵌合部163Bbの位置を確認し易い。これにより、本体軸163Aを端部軸163Bに取り付けるときの作業性を向上させることができる。
【0108】
図20(A)に示されるように、回動軸163の端部軸163Bの端部は、上記実施形態及び変形例と同じの構成の軸受部65によって回転可能に支持される。一方、回動軸163の本体軸163Aの端部は、上記実施形態及び変形例と異なる構成の軸受部165によって回転可能に支持される。軸受部165は、収容部165Aと、弾性部165Bと、軸支持部165Cと、を有している。収容部165Aは、弾性部165Bと、軸支持部165Cの抜止部165Caを含む一部を収容する。弾性部165Bは、軸支持部165Cを付勢する。軸支持部165Cは、本体軸163Aの端部を回動可能に支持する。本変形例5では、軸支持部165Cにおける右端面(本体軸163Aを受ける面)が、本体軸163Aの先端を受ける形状となっている。
【0109】
回動軸163の両端のそれぞれ(本体軸163Aの左端及び端部軸163Bの右端)は、先細り形状に形成されている。回動軸163の両端のそれぞれを支持する軸支持部165C及び軸受部65は、先細り形状の回動軸163を点接触によって回転可能に支持する構成とされているので、軸支持部165Cを収容部165Aの奥に押し込むだけの簡易な操作によって、軸受部65,165から回動軸163を簡単に取り外すことができる。
【0110】
洗浄機本体2に取り付けられている軸受部65,165から検知板61(図14参照)が取り付けられた回動軸163を取り外すには、図20(B)に示されるように、軸支持部165Cを収容部165Aに押し込んで、本体軸163Aと端部軸163Bと嵌合を解除すればよい。これにより、軸受部65による端部軸163Bの支持と、軸受部165による本体軸163Aの支持とを解除でき、軸受部65,165から回動軸163を取り外すことができる。
【0111】
そして、変形例5に係る食器洗浄機1は、図13(B)に示されるように、収容部本体151に取り付けられる軸受部65,165から回動軸163を取り外した後にかご部153を取り出すことができる。これにより、かご部153を取り出すときには、かご部153の取り出し方向に広く空間が形成されるので、かご部153の取り出しが容易となる。
【0112】
なお、変形例5に係る食器洗浄機1では、錘175が回動検知部170の一部を構成する第1ブラケット71に取り付けられている例、言い換えれば、検知板61と第1ブラケット71との釣り合いを保つ機構が回動検知部170の一部に組み込まれている例を挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、錘175が取り付けられる連動部材が、回動検知部170の一部を構成する第1ブラケット71とは別体として構成され、当該連動部材が、回動軸163の回動に連動して回動するように回動軸163に取り付けられてもよい。
【0113】
(その他の変形例)
上記実施形態及び変形例の構成に代えて、第1ブラケット71に近接センサ77を設け、第2ブラケット75にマグネット73を設けてもよい。
【0114】
上記実施形態及び変形例1~4では、軸受部65が収容部50に設けられる構成を例に挙げて説明したが、例えば洗浄機本体2等、他の部材に設けられてもよい。また、上記変形例5では、軸受部165が洗浄機本体2に設けられる構成を例に挙げて説明したが、例えば収容部150に設けられる等、他の部材に設けられてもよい。
【0115】
上記実施形態及び変形例の構成に代えて、第1状態S1において、第1ブラケット71の一部(遮蔽部71B)が近接センサ77とマグネット73との間に介在することで近接センサ77がマグネット73を検知不能とし、第3状態S3において、第2ブラケット75の一部(遮蔽部75B)が近接センサ77とマグネット73との間に介在することで近接センサ77がマグネット73を検知不能となるように、回動検知部70を構成してもよい。
【0116】
上記実施形態及び変形例の近接センサ77を光学センサに代え、上記実施形態及び変形例のマグネット73を反射板等に代えてもよい。
【0117】
上記実施形態及び変形例では、コントローラ35は、回動検知部70における検知結果を操作表示部90に表示させると共に運転を中断したり、運転の開始を禁止したりする例を挙げて説明したが、例えば、コントローラ35は、異常状態と判定した場合に、回動検知部70における検知結果を操作表示部90に表示させるのみであってもよいし、運転を中断したり、運転の開始を禁止したりするのみであってもよい。また、上記実施形態及び変形例の構成に代えて又は加えて、コントローラ35は、異常状態と判定した場合に、警報ブザーを鳴らすようにしてもよいし、携帯端末等にその旨を送信したりしてもよい。
【0118】
上記実施形態及び変形例では、検知部材の例として板状の検知板61を例に挙げて説明したが、棒状等の検知部材であってもよい。
【0119】
上記実施形態及び変形例の収容部50は、上述したようなドアが上下に開閉するタイプの食器洗浄機1に適用するだけでなく、例えば、オーブンのように洗浄機本体の前面側にドアが設けられたタイプの食器洗浄機や、食器を収容するためのラックを搬送しながら洗浄を行うコンベアタイプの食器洗浄機などにも適用することができる。
【0120】
本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態、上記変形例及びその他の変形例として記載の内容を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1…食器洗浄機(洗浄機)、2…洗浄機本体、3…洗浄室、40…分離部、50,150…収容部、51,151…収容部本体、52,152…カバー、53,153…かご部、53C…かご部の一部、54…接続管(流出部)、61,61A,261…検知板(検知部材)、63,163…回動軸、65,165…軸受部、69…スペーサ、70,170…回動検知部、71…第1ブラケット(連動部材)、73…マグネット(被検知部)、75…第2ブラケット、77…近接センサ(検知部)、77A…配線、80…浮き部、90…操作表示部、171…マグネット(カバーに取り付けられた被検知部)、172…近接センサ(カバー検知部)、175…錘、181,182…緩衝部材、D1…第1方向、D2…第2方向、S…収容空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22