(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】配布処理装置、画像形成装置、配布処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240517BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240517BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H04N1/00 C
G06F3/12 303
G06F3/12 368
B41J29/38 201
B41J29/38 203
(21)【出願番号】P 2020140701
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】富田 央子
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-103068(JP,A)
【文献】特開2015-142969(JP,A)
【文献】特開2011-059253(JP,A)
【文献】特開2014-109971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資料の配布に関する処理を行う配布処理装置において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶部と、
前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計部と、
前記資料配布情報と前記集計部の集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理部と、
前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成部と、
を備え、
前記集計部は、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成部は、各配布メンバーと、前記集計部が集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成
し、
更に、前記資料配布情報の内容はそのままで印刷要否を変更して前記集計部に集計させ、前記記憶部に変更回数を保存し印刷の要否についての変更が所定回数以上あった場合に、前記資料配布情報に対して印刷要否を変更内容に更新する更新部を備えることを特徴とする配布処理装置。
【請求項2】
資料の配布に関する処理を行う配布処理装置において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶部と、
前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計部と、
前記資料配布情報と前記集計部の集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理部と、
前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成部と、
を備え、
前記集計部は、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成部は、各配布メンバーと、前記集計部が集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成し、
前記集計部は、前記資料データのページ数を集計し、
前記印刷情報生成部は、前記資料データのページ数が所定数以上であった場合、印刷部数をゼロとする
ことを特徴とする
配布処理装置。
【請求項3】
資料の配布に関する処理を行う配布処理装置において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶部と、
前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計部と、
前記資料配布情報と前記集計部の集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理部と、
前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成部と、
を備え、
前記集計部は、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成部は、各配布メンバーと、前記集計部が集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成し、
前記集計部は、前記配布メンバーの人数を集計し、
前記印刷情報生成部は、前記配布メンバーの人数が所定数以上であった場合、印刷部数をゼロとすることを特徴とする
配布処理装置。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれかに記載の配布処理装置を備え、
データ送付とともに、前記印刷情報に基づいて前記資料データの印刷処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
資料の配布に関する処理を行う配布処理方法において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶ステップと、
前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計ステップと、
前記資料配布情報と前記集計ステップの集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理ステップと、
前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成ステップと、
を備え、
前記集計ステップにより、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成ステップにより、各配布メンバーと、前記集計ステップにおいて集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成
し、
更に、前記資料配布情報の内容はそのままで印刷要否を変更して前記集計ステップにより集計させ、前記記憶ステップにより変更回数を保存し印刷の要否についての変更が所定回数以上あった場合に、前記資料配布情報に対して印刷要否を変更内容に更新する
ことを特徴とする配布処理方法。
【請求項6】
資料の配布に関する処理を行う配布処理方法において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶ステップと、
前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計ステップと、
前記資料配布情報と前記集計ステップの集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理ステップと、
前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成ステップと、
を備え、
前記集計ステップにより、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成ステップにより、各配布メンバーと、前記集計ステップにおいて集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成し、
前記集計ステップにより、前記資料データのページ数を集計し、
前記印刷情報生成ステップにより、前記資料データのページ数が所定数以上であった場合、印刷部数をゼロとする
ことを特徴とする配布処理方法。
【請求項7】
資料の配布に関する処理を行う配布処理方法において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶ステップと、
前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計ステップと、
前記資料配布情報と前記集計ステップの集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理ステップと、
前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成ステップと、
を備え、
前記集計ステップにより、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成ステップにより、各配布メンバーと、前記集計ステップにおいて集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成し、
前記集計ステップにより、前記配布メンバーの人数を集計し、
前記印刷情報生成ステップにより、前記配布メンバーの人数が所定数以上であった場合、印刷部数をゼロとすることを特徴とする配布処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項
5から7の何れか一項に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議資料などの配布処理をする、特に印刷物の配布処理をする配布処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議資料や仕様書等のデータを紙媒体ではなく、電子データをPC(Personal Computer)やタブレット等で閲覧して利用する人が増加している。そのため、資料を配布する際、メンバー全員分の部数を印刷する必要はなくなりつつあるが、印刷された資料を必要とするメンバーもいる。
【0003】
部門や何らかのグループに対して、MFP(Multifunction Peripheral)で配布用資料等の印刷を行う際、普段から資料を電子データで閲覧する人と、紙媒体を必要とする人は、ある程度決まっていると考えられるため、事前にグループを設定しメンバーを登録しておき、各メンバーが紙データを希望しているか、電子データの受け取りを希望しているか、場合によってはそのいずれも必要であるかを設定しておく。こうすることで、印刷を実行した際に、紙データが必要な人数分の部数を印刷し、電子データの受け取りを希望している人には、あらかじめ指定された場所に電子データを送付するようにできる。
【0004】
特許文献1の発明は、読み取った画像データを複数の送信方法(例えば電子メールとファックス)による同報送信可能な画像形成装置であり、更に同時に印刷指示も可能である。同報送信や印刷の指示は、その度にユーザが設定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザが、紙データを印刷して複数人に配布する場合、通常は自ら部数を設定して印刷を行う必要があり、また同データを電子データとして送信も行いたい場合は、上記の操作とは別に、グループや宛先を自ら設定し、スキャン送信などを行う必要があった。このように、1つの資料をグループのメンバー全員に配布したい場合、資料を配布する人が、印刷部数をカウントしたり送信先を指定したりする動作が必要であり、MFP上での操作も煩雑であった。
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、資料の送付先のメンバー毎に印刷の有無を調べて印刷部数を設定する必要が無く、業務効率を向上することができる配布処理装置等を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、資料の配布に関する処理を行う配布処理装置において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶部と、前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計部と、前記資料配布情報と前記集計部の集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理部と、前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成部と、を備え、
前記集計部は、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成部は、各配布メンバーと、前記集計部が集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成することを特徴とするものである。
【0009】
また、本開示は、前記配布処理装置を備え、データ送付とともに、前記印刷情報に基づいて前記資料データの印刷処理を行うことを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また、本開示は、資料の配布に関する処理を行う配布処理方法において、
資料データと、各メンバーについて前記資料データの送付先と印刷要否を含む資料配布情報を記憶する記憶ステップと、前記資料配布情報あるいは前記資料データに基づいて集計処理を行う集計ステップと、前記資料配布情報と前記集計ステップの集計結果に基づいて配布メンバーの前記資料データの送付先に送付を行うデータ送付処理ステップと、前記資料データの印刷をするための印刷情報を生成する印刷情報生成ステップと、を備え、
前記集計ステップにより、前記資料配布情報の印刷要否に基づいて配布する前記資料データの印刷部数を集計し、
前記印刷情報生成ステップにより、各配布メンバーと、前記集計ステップにおいて集計した印刷部数とを含む前記印刷情報を生成することを特徴とするものである。
【0011】
また、本開示は、コンピュータに、前記各ステップを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、会議等の資料配布を行う場合、印刷を必要とするメンバーを調査し毎回印刷部数を設定して印刷する必要がなく、資料配布のメンバーを指定するだけで、印刷を必要とするメンバーと印刷部数が分かるので、印刷部数に漏れが生じることもなく、業務効率が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る配布処理システムを示す構成図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像形成装置を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る画像形成装置の配布処理部を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る端末装置を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態に係る端末装置による配布指示処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態に係る画像形成装置の資料配布情報の更新処理を示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【
図11】第4実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る配布処理システムを示す構成図である。
この配布処理システム1は、画像形成装置10、端末装置30(30a~30i)から構成され、各装置はネットワーク50で接続されている。端末装置30a~30iは、利用者A~Iがそれぞれ使用する端末装置とする。
【0016】
第1実施形態の配布処理システム1では、会議における各メンバーの資料配布に関する資料配布情報を保存しておいて、資料配布時には、この資料配布情報のメンバーを指定すれば、資料配布情報に基づいて配布が行われる。自動的に資料配布情報を更新していくので、利用者は資料配布情報の更新操作を行う必要がない。なお、ユーザが、登録を更新する操作を行って更新してもよい。
【0017】
次に、各装置の構成について説明する。
【0018】
[各装置の機能構成]
[(1)画像形成装置]
図2に示す画像形成装置10は、コンビニエンスストアなどに配置されるMFP(Multifunction Peripheral)であり、複数のモードを有している。本実施形態における画像形成装置10は、以下のモードを有している。
【0019】
画像形成装置10においてのモードは、一般的なコピー機能、FAX機能、スキャナ機能を実現できるモードである。画像形成装置10がコピーモードの場合、コピージョブを実行することができ、FAXモードの場合、FAXジョブを実行することができ、スキャナモードの場合、スキャナジョブを実行することができる。
【0020】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御するための機能部である。制御部100は、記憶部120に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
【0021】
制御部100は、画像形成に関する処理を行う画像形成処理部101と、資料配布に関する処理を行う配布処理部102とを備える。
図3に示すように、配布処理部102は、集計部111と、データ送付処理部112、印刷情報生成部113、更新部114とを備える。
【0022】
集計部111は、後述する資料配布情報や資料データに関する集計を行う。例えば、配布メンバーを指定されると、資料配布情報に基づいて印刷部数の集計を行う。また、資料のページ数の集計や配布メンバーの人数の集計も行う。
【0023】
データ送付処理部112は、メールを指定されたアドレスに、通信部170を介して資料データを指定された保存場所に送付する。
印刷情報生成部113は、印刷に必要な情報(印刷するデータとその印刷部数)を生成して画像形成処理部101に出力する。
【0024】
更新部114は、例えば、端末装置30から印刷要否に関して変更指示があった場合、記憶部120に記憶されている資料配布情報の内容はそのままで、印刷要否を変更して集計部111に集計させる。また、記憶部120に変更回数を記憶する。
更新部114は、印刷の要否についての変更が所定回数以上あった場合に、前記資料配布情報に対して印刷要否を変更内容に更新する。
【0025】
記憶部120は、プログラムやデータが記憶されている機能部である。記憶部120は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0026】
記憶部120は、処理を行うプログラム以外に、
図2に示すように、資料配布情報121、資料データ122、印刷要否変更回数123を記憶する。ここで、印刷要否変更回数123は資料配布情報121に含むようにしてもよい。
【0027】
原稿読取部130は、原稿の画像を読み取って画像データを生成するものであり、例えばCIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)等の光学情報を電気信号に変換するデバイスを備えたスキャナ装置等により構成されている。
【0028】
例えば、原稿読取部130は、載置台に載置された原稿を、原稿サイズにより設定された範囲で読み取り、画像データとして出力する。なお、原稿は、載置台にセットされてもよいし、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)にセットされてもよい。
【0029】
画像形成部140は、画像データを記録媒体(例えば記録紙)に形成するための機能部である。例えば、用紙トレイから記録紙を給紙し、画像形成部140において記録紙の表面に画像が形成された後に排紙トレイから排紙される。画像形成部140は、例えば電子写真方式を利用したレーザプリンタ等により構成されている。
【0030】
表示部150は、画像形成装置10の各種状態を表示したり、操作入力の状態を表示したりする。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、有機EL(EL: electro-luminescence)パネル等により構成されている。
【0031】
操作部160は、利用者からの操作入力を受け付けるボタン、スイッチ等である。操作部160は、スイッチ、キーボードといったハードウェアの入力装置で実現してもよいし、表示部150と一体に形成されるタッチパネル等により実現してもよい。タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
【0032】
通信部170は、ネットワークを介して他の装置と通信を行う。例えば、ネットワーク通信部170は、ネットワークに接続可能なインタフェースを有し、有線/無線LAN(Local Area Network)を介して他の装置と通信できればよい。また、Bluetooth(登録商標)にも対応しており、他のBluetooth対応機器と通信可能である。
【0033】
また、通信部170は、FAX通信を行う為の機能部でもある。例えば、INS回線を通じて他のFAX装置、複合機、コンピュータ等と原稿として画像データ( 文章データ)の送受信を行う。なお、アナログの電話回線やISDN回線を利用した回線交換の通信であってもよいし、パケット通信や、インターネットを利用した通信(例えば、インターネットFAX)であっても良い。すなわち、受信された原稿が画像データとして記憶され、処理されるものであれば通信手段は問わない。
【0034】
図5は、資料配布情報を示す説明図である。
資料配布情報121は、メンバー、部門、メールアドレス、データ送付先、印刷要の各項目のリストになっている。
図5では、メンバーはA~Iであり、メンバーの所属する部門はW部、Y部、Z部となっている。メールアドレスは、メンバーのメール連絡先である。データ送付先は、ほとんどがメールアドレスであるが、メンバーCのように別の送付先を指定することもできる。また、メンバーGのようにデータ送付先が登録されていない場合は、データ送付を行わないことを意味する。印刷要において、○は印刷要、×は印刷不要を示す。
【0035】
資料データ122は、配布者(メンバーA)が使用する端末装置30aから画像形成装置10に送られたものである。
【0036】
[(2)端末装置]
図4に示す端末装置30は、例えばPC,ノートPC、タブレット等であり、制御部300と、記憶部320と、表示部350と、操作部360と、通信部370とを備える。
【0037】
制御部300は、端末装置30の全体を制御するための機能部である。制御部300は、記憶部320に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))等により構成されている。
【0038】
記憶部320は、プログラムやデータが記憶されている機能部である。記憶部320は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0039】
表示部350は、端末装置30の各種状態を表示したり、操作入力の状態を表示したりする。例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)や、有機ELパネル等により構成されている。
【0040】
操作部360は、利用者からの操作入力を受け付けるボタン、スイッチ等である。操作部160は、スイッチ、キーボードといったハードウェアの入力装置で実現してもよいし、表示部150と一体に形成されるタッチパネル等により実現してもよい。タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
【0041】
通信部370は、ネットワークを介して他の装置と通信を行う。例えば、ネットワーク通信部170は、ネットワークに接続可能なインタフェースを有し、有線/無線LAN(Local Area Network)を介して他の装置と通信できればよい。また、Bluetoothにも対応しており、他のBluetooth対応機器と通信可能である。
【0042】
[端末装置による資料配布指示等の処理]
メンバーAは、端末装置30aを用いて、会議の資料配布の指示及び画像形成装置10による配布用の資料印刷を行うものとする。ここでは、
図1で説明したように、メンバーA~Iは、端末装置30a~30iを使用するものとする。
図6は、第1実施形態に係る端末装置による配布指示処理を示すフローチャートである。
【0043】
まず、メンバーAは端末装置30aにより、画像形成装置10にアクセスする(ステップS101)。そして、資料配布情報121を取得し表示部350に表示する(ステップS102)。利用者(メンバーA)は、配布するメンバーを指定し(ステップS103)、資料データ122を画像形成装置10に送り、記憶部120に記憶登録する(ステップS104)。ここでは、配布対象は
図5の資料配布情報121に記載の全メンバーA~Iとする。
【0044】
なお、メンバーA~Iの中から配布メンバーを指定してもよい。また、資料配布情報は、例えば,各会議や各プロジェクトごとに複数設けられており、それらの中から選択するものでもよい。
【0045】
ステップS103で、端末装置30から配布メンバーを指定するときに、印刷日時や印刷処理を行うまでの時間(後述するステップS211の印刷変更通知処理の時間)を、所定時間として指定可能である。所定時間については、指定がなければ、デフォルトで任意の時間に設定されていてもよい。
【0046】
画像形成装置10は、指定された配布メンバーから、印刷要のメンバーと印刷部数、資料データを含む印刷情報を生成して端末装置30aに送信し、端末装置30aはこの印刷情報を受信する(ステップS105)。
【0047】
なお、利用者Aが画像形成装置10に対して印刷日時を指定した場合、画像形成装置10は、指定され印刷日時までに変更のあった印刷要のメンバーと、印刷部数とを、端末装置30aに送信し、指定した印刷日時に必要部数を印刷する。
【0048】
[画像形成装置の処理]
図7は、第1実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【0049】
画像形成装置10は、端末装置30からアクセスがあるか否かを判定し(ステップS201)、アクセスがあれば、記憶部120に保存されている資料配布情報121を端末装置30に送信する(ステップS202)。この場合は、端末装置30aよりアクセスがあったとする。画像形成装置10は、端末装置30aから配布メンバー(ここでは、メンバーA~Iとする)と資料データを取得し、資料配布情報121から配布メンバーに関する情報を抽出するとともに、資料データ122を記憶部120に記憶する(ステップS203)。
【0050】
このときに、端末装置30から所定時間が指定された場合、記憶部120に所定時間も記憶する。
【0051】
画像形成装置10の制御部100における配布処理部102のデータ送付処理部112は、通信部170を介して会議通知メールを配布メンバーのメールアドレスに送付するとともに、資料配布情報121のデータ送付先に資料データ122を送付する(ステップS204)。ここで、送付するメールには、印刷要の確認通知が含まれており、資料配布情報121の「印刷要」の部分の変更を行う場合の通知処理内容も含まれる。また、このメールには、記憶部120に記憶した所定時間も含まれていてもよい。
【0052】
詳しくは後述するが、次に資料配布情報121の更新処理を行い(ステップS205)、印刷処理に必要な印刷情報を端末装置30aに送信する(ステップS206)。ここで、印刷情報とは、印刷メンバー、印刷部数である。
【0053】
画像形成装置10の制御部100における画像形成処理部101は、印刷情報に従って資料データについて印刷部数だけ印刷処理を実行する(ステップS207)。
【0054】
次にステップS205の資料配布情報121の更新処理について説明する。
図8は、第1実施形態に係る画像形成装置の資料配布情報の更新処理を示すフローチャートである。
【0055】
画像形成装置10の配布処理部102における更新部114は、何れかの配布対象メンバーから印刷要否変更通知があるかを確認する(ステップS211)。印刷要否変更通知がなければ(ステップS211;No)、更新部114は、ステップS103で述べた所定時間に達したかを確認する(ステップS218)。所定時間に達していなければ、ステップS211に戻り、所定時間に達していれば、処理は終了する。
印刷要否変更通知があれば(ステップS211;Yes)、更新部114は、集計部111に変更内容で印刷部数を集計し直させる(ステップS212)。
【0056】
更新部114は、記憶部120の印刷要否変更回数123により、この変更通知をしたメンバーによる同じ変更内容が所定回数を超えたかを確認する(ステップS213)。更新部114は、同じ変更内容が所定回数を越えていなければ、変更内容と変更回数を記憶部120に記憶する(ステップS214)。所定回数を超えていれば、更新部114は資料配布情報121の登録内容を変更内容に更新する(ステップS215)。そして、記憶部120に保存していた変更内容と変更回数をクリアする(ステップS216)。
更新部114は、変更となった印刷メンバーと印刷部数をメールにて端末装置30aに送信する(ステップS217)。
【0057】
こうして、会議等の資料配布を行う場合、印刷を必要とするメンバーを調査し毎回印刷部数を設定して印刷する必要がなく、資料配布のメンバーを指定するだけで、印刷を必要とするメンバーと印刷部数が分かるので、印刷部数に漏れが生じることもなく、業務効率が向上するという効果を奏する。
【0058】
しかも、資料配布情報も、変更回数によって自動的に更新されるために、一々更新作業を行う必要も無いので、手間が省け、業務効率が向上するという効果を奏する。
【0059】
なお、ここでは画像形成装置10が配布指示されたメンバーの中で印刷要としたメンバー分だけ印刷処理を行うことになっているが、これに限定されるわけではない。画像形成装置10の制御部100内の配布処理部102と記憶部120の機能を有するサーバが配布処理装置として機能してもよい。この場合は、サーバが資料配布情報に基づいて、ネットワークを介して資料データを配信するとともに、印刷情報を画像形成装置に送付して印刷させるものである。
【0060】
<第2実施形態>
第2実施形態の資料配布管理システムでは、資料のページ数に応じて電子データにするか、印刷にするか等の送付判定を行うものである。
【0061】
[各装置の機能構成]
装置の構成は、第1実施形態と同じなので説明は省略する。
[端末装置による資料配布指示等の処理]
端末装置による処理も
図6に示す第1実施形態の処理と同じなので説明は省略する。
【0062】
[画像形成装置の処理]
図9は、第2実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【0063】
画像形成装置10は、端末装置30からアクセスがあるか否かを判定し(ステップS301)、アクセスがあれば、記憶部120に保存されている資料配布情報121を端末装置30に送信する(ステップS302)。この場合は、端末装置30aよりアクセスがあったとする。端末装置30aから配布メンバー(ここでは、メンバーA~Iとする)と配布資料データを取得し、資料配布情報から配布メンバーに関する情報を抽出するとともに、資料データ122を記憶部120に保存する(ステップS303)。
【0064】
画像形成装置10の制御部100における配布処理部102の集計部111は、資料データのページ数を集計し、資料が所定ページ数を超えるかを判定する(ステップS304)。この所定ページ数は例えば100ページとする。
【0065】
資料データの資料枚数が所定数を超えない場合は、ステップS305に進む。ステップS305~S307,S310は、
図7に示すステップS204~S207と同じ処理であり、説明は省略する。
【0066】
資料データの資料枚数が所定数を超える場合は、ステップS308に進み、データ送付処理部112が、会議通知メールとともに登録された送付先に資料データを送付する。そして、端末装置30aに印刷しない旨(印刷情報:印刷部数ゼロ)を通知するとともに、他の会議参加者の端末装置30b~30iにも印刷しない旨を通知する(ステップS309)。
【0067】
こうして、資料データの枚数が所定枚数を超えて印刷枚数が非常に多くなった場合、大量の印刷を行わずに資料データ配布にとどめることによって、印刷処理を行う必要がなくなり、資源の浪費と費用を抑えるとともに、手間が省け、業務効率が向上するという効果を奏する。
【0068】
<第3実施形態>
第3実施形態の資料配布管理システムでは、会議における各メンバーの人数に応じて、電子データにするか、印刷にするか等の送付判定を行うものである。
【0069】
[各装置の機能構成]
装置の構成は、第1実施形態と同じなので説明は省略する。
[端末装置による資料配布指示等の処理]
端末装置による処理も
図6に示す第1実施形態の処理と同じなので説明は省略する。
【0070】
[画像形成装置の処理]
図10は、第3実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【0071】
画像形成装置10は、端末装置30からアクセスがあるか否かを判定し(ステップS401)、アクセスがあれば、記憶部120に保存されている資料配布情報121を端末装置30に送信する(ステップS402)。この場合は、端末装置30aよりアクセスがあったとする。端末装置30aから配布メンバー(ここでは、メンバーA~Iとする)と配布資料データを取得し、資料配布情報から配布メンバーに関する情報を抽出するとともに、資料データ122を記憶部120に保存する(ステップS403)。
【0072】
画像形成装置10の制御部100における配布処理部102の集計部111は、会議の参加人数を集計し、会議の参加人数が所定数を超えるかを判定する(ステップS404)。この所定数は例えば50人とする。
【0073】
参加人数が所定数を超えない場合は、ステップS405に進む。ステップS405~S407,410は、
図7に示すステップS204~S207と同じ処理であり、説明は省略する。
【0074】
参加人数が所定数を超える場合は、ステップS408に進み、会議通知メールとともに登録された送付先に資料データを送付する。そして、端末装置30aに印刷しない旨(印刷情報:印刷部数ゼロ)を通知するとともに、他の会議参加者の端末装置30b~30iにも印刷しない旨を通知する(ステップS409)。
【0075】
こうして、会議の参加人数が所定数を超えた場合、印刷処理を行う必要がなくなり、資源の浪費と費用を抑えるとともに、手間が省け、業務効率が向上するという効果を奏する。
【0076】
<第4実施形態>
第4実施形態の資料配布管理システムでは、会議における各メンバーの部署に基づいて、電子データにするか、印刷にするか等の送付判定を行うものである。
【0077】
[各装置の機能構成]
装置の構成は、第1実施形態と同じなので説明は省略する。
[端末装置による資料配布指示等の処理]
端末装置による処理も
図6に示す第1実施形態の処理と同じなので説明は省略する。
【0078】
[画像形成装置の処理]
図11は、第4実施形態に係る画像形成装置の配布処理を示すフローチャートである。
【0079】
画像形成装置10は、端末装置30からアクセスがあるか否かを判定し(ステップS501)、アクセスがあれば、記憶部120に保存されている資料配布情報121を端末装置30に送信する(ステップS502)。この場合は、端末装置30aよりアクセスがあったとする。端末装置30aから配布メンバー(ここでは、メンバーA~Iとする)と配布資料データを取得し、資料配布情報から配布メンバーに関する情報を抽出するとともに、資料データ122を記憶部120に保存する(ステップS503)。
【0080】
画像形成装置10の制御部100における配布処理部102のデータ送付処理部112は、通信部170を介して会議通知メールを配布メンバーのメールアドレスに送付するとともに、資料配布情報121のデータ送付先に資料データ122を送付する(ステップS504)。ここで、送付するメールには、印刷要の確認通知が含まれており、資料配布情報121の「印刷要」の部分の変更を行う場合の通知処理内容も含まれている。
【0081】
次に、画像形成装置10は、印刷が必用な部署の選定を行う(ステップS505)。例えば、配布指定を行ったメンバーAの部門と同じ建物の部門のメンバーのみを印刷対象とする。メンバーAがW部であるので、同一建物にはY部があれば、W部とY部が印刷対象の部門として選定する。Z部は、離れた地域にあり、遠隔で参加する可能性が高いので、データ配布のみとする。あるいは、同部門のメンバーにのみを印刷対象とし、他の部門はデータ送付のみとしてもよい。また、勤怠管理と連動させて、出勤していないメンバー(出張,休暇,テレワーク等により)は、印刷対象とせず、データ送付としてもよい。
【0082】
通信部170を介して会議通知メールを配布メンバーのメールアドレスに送付するとともに、資料配布情報121のデータ送付先に資料データ122を送付する(ステップS505)。そして資料配布情報121の更新処理を行い(ステップS506)、印刷処理に必要な印刷情報を端末装置30aに送信する(ステップS507)。
【0083】
画像形成装置10の制御部100における画像形成処理部101は、印刷情報に従って資料データについて印刷部数だけ印刷処理を実行する(ステップS508)。
【0084】
ここで、ステップS506の更新処理は、
図7のステップ205における更新処理(
図8の処理内容)と同じなので説明は省略する。
【0085】
こうして、配布指示を行った利用者の部門から必要な印刷対象となる部門を選定し、その部門のメンバーに印刷配布を行うので、不要な印刷を行うことなく、資源の浪費と費用を抑えるとともに、手間が省け、業務効率が向上するという効果を奏する。
【0086】
<変形例>
本開示に関わる上記実施形態では、配布処理部が画像形成装置に組み込まれて処理を行うものとしたが、ネットワークに接続するサーバが配布処理装置として機能するものであってもよい。このサーバによる配布処理装置は、制御部が、画像形成装置10の制御部100における配布処理部と同様の機能を果たし、記憶部、通信部がそれぞれ画像形成装置10の記憶部120、通信部170と同様の機能を果たす。
【0087】
また、本開示による配布処理装置で動作するプログラムは、本開示に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU(Central Processing Unit)等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、Flash ROM(Read Only Memory)などの各種ROMやHDD(Hard Disk Drive)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。また、各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0088】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0089】
なお、上記の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載の発明の技術的範囲が、上記記載に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0090】
1 :資料配布処理システム
10 :画像形成装置
30 :端末装置
100 :制御部
101 :画像形成処理部
102 :配布処理部
111 :集計部
112 :データ送付処理部
113 :印刷情報生成部
114 :更新部
120 :記憶部
121 :資料配布情報
122 :資料データ
123 :印刷要否変更回数
170 :通信部