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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】配膳車
(51)【国際特許分類】
   A47B 31/00 20060101AFI20240517BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20240517BHJP
   A47J 39/02 20060101ALI20240517BHJP
   F25D 23/12 20060101ALI20240517BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240517BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A47B31/00 H
A47B31/02 B
A47B31/02 D
A47J39/02
F25D23/12 M
F25D11/00 101D
F25D23/02 306H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020149995
(22)【出願日】2020-09-07
(65)【公開番号】P2022044394
(43)【公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝口 岳博
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 浩
(72)【発明者】
【氏名】加賀 進一
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-065915(JP,A)
【文献】特開2008-275694(JP,A)
【文献】実開平06-002751(JP,U)
【文献】特開平09-287871(JP,A)
【文献】実開昭49-104051(JP,U)
【文献】実開平01-170770(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 31/00
A47B 31/02
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方に開口し、貯蔵室を有する断熱箱体と、
前記貯蔵室内の温度を調整するための温調手段と、
前記断熱箱体の下方に設けられる移動用の車輪と、
前記断熱箱体の下方に設けられる重りと、を備え、
前記重りは、複数の板状部材により構成され、前記板状部材の数が可変なように前記断熱箱体の下方において着脱可能に取り付けられており、
前記断熱箱体の下方に設けられ、前記板状部材が着脱可能に取り付けられる底面を有する取付箱をさらに備え、
前記板状部材は、その板面が前記取付箱の前記底面に重なるように取り付けられ、
前記板状部材の前記板面、及び前記取付箱の前記底面には、これらを貫通する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔には締結部材が挿入されており、
前記貫通孔のうち前記板面を貫通する第1貫通孔は、大きさの異なる2つの開口が繋がったダルマ形状をなしている配膳車。
【請求項2】
前記板状部材を下方から覆うカバー部材を備え、
前記板状部材及び前記カバー部材は、平面に視て前記車輪と重ならない位置に設けられており、
前記カバー部材の下端と前記車輪の下端との距離は、前記車輪の回転軸及び前記車輪の前記下端の接線方向と交わる方向について30mm以上である請求項1に記載の配膳車。
【請求項3】
前記貯蔵室内の空気を循環するためのファンと、
前記断熱箱体の上方に設けられ、前記ファンを駆動するためのモーターが収容される機械室と、を備え、
前記機械室内には、少なくともリレーを含む電気部品が収容されており、
前記電気部品は、前記機械室の内部空間に露出されるように前記機械室を構成するパネル壁に直接的に取り付けられている請求項1又は請求項2に記載の配膳車。
【請求項4】
前方に開口し、貯蔵室を有する断熱箱体と、
前記貯蔵室内の温度を調整するための温調手段と、
前記断熱箱体の下方に設けられる移動用の車輪と、
前記断熱箱体の下方に設けられる重りと、
揺動軸回りに揺動可能に前記断熱箱体に取り付けられ、前記開口を開閉可能な扉と、を備え、
前記重りは、複数の板状部材により構成され、前記板状部材の数が可変なように前記断熱箱体の下方において着脱可能に取り付けられており、
前記断熱箱体の開口縁部には、揺動可能な最大角度を規制するための扉ストッパが設けられており、
前記扉ストッパは、前記最大角度を規制するように前記扉の側部と当接する当接部と、前記側部が前記当接部と当接していない状態において前記当接部と前記側部との隙間の一部を塞ぐように、前記当接部から延出する延出部と、を有する配膳車。
【請求項5】
前記扉ストッパは、前記開口縁部に固定される扉ストッパ固定部と、前記扉ストッパ固定部と前記当接部とを連結するように前記開口縁部から前方に延出する連結部と、を有し、
前記最大角度は、前記連結部と前記当接部とのなす角度によって規定される請求項4に記載の配膳車。
【請求項6】
前記扉は、前記開口縁部に設けられたヒンジ部材に対して、上方から差し込まれて係合する少なくとも1つの係合部を有し、
前記扉ストッパは、少なくとも1つの前記係合部より上方に設けられている請求項4又は請求項5に記載の配膳車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、配膳車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品等の被貯蔵物を保温した状態で運搬する配膳車が知られており、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の温蔵庫(配膳車)は、内部に物品を貯蔵する貯蔵室を有する断熱箱と、断熱箱の底面に取り付けられた移動用の車輪と、貯蔵室内の温度を調節する電気ヒーターと、電気ヒーターに給電するための蓄電池と、を備えている。蓄電池は、断熱箱の下方に配置され比較的重量が大きいため、重りとしても作用して配膳車の重心位置を低下し、移動時の転倒を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3030118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、使用環境や被貯蔵物の重量によっては、配膳車の移動時の安定性が不十分なのが実情である。具体的には、被貯蔵物の重量が大きい場合や、移動路の床面に段差、継ぎ目、又は破損に伴う凹凸等が発生している場合には、蓄電池の重りとしての作用が不足し、移動時に配膳車が大きく傾いてしまうことがある。この場合、使用者は配膳車の移動速度を減速せざるを得ず、運搬時間の増大を招いてしまう。そこで、蓄電池の重量を増大して重りとしての作用を向上させると、被貯蔵物の重量が小さい場合であっても配膳車が重くなってしまい、移動に伴う使用者の労力が増大してしまう。
【0005】
本願明細書に記載の技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、移動時の安定性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願明細書に記載の技術に関わる配膳車は、前方に開口し、貯蔵室を有する断熱箱体と、貯蔵室内の温度を調整するための温調手段と、断熱箱体の下方に設けられる移動用の車輪と、断熱箱体の下方に設けられる重りと、を備え、重りは、複数の板状部材により構成され、板状部材の数が可変なように断熱箱体の下方において着脱可能に取り付けられている。このようにすれば、板状部材の数を増減することによって、使用環境や被貯蔵物の重量に合わせて重りの重量を調整可能となり、配膳車の安定性を向上できる。
【0007】
また、配膳車は、断熱箱体の下方に設けられ、板状部材が着脱可能に取り付けられる底面を有する取付箱を備える。このようにすれば、温蔵配膳車における板状部材の取り付け位置を低くし、配膳車の重心位置を低下しやすくなると共に、板状部材を容易に着脱可能に取り付けることができる。
【0008】
また、板状部材は、その板面が取付箱の底面に重なるように取り付けられ、板状部材の板面、及び取付箱の底面には、これらを貫通する貫通孔が設けられており、貫通孔には締結部材が挿入されている。このようにすれば、所望の数の板状部材を重ねて取付箱の底面に締結部材によって固定することで、板状部材の数を容易に増減可能となる。
【0009】
また、貫通孔のうち板状部材の板面を貫通する第1貫通孔は、大きさの異なる2つの開口が繋がったダルマ形状をなしている。このようにすれば、締結部材を取り外すことなく、板状部材の数を容易に増減可能となる。
【0010】
また、配膳車は、板状部材を下方から覆うカバー部材を備え、板状部材及びカバー部材は、平面に視て車輪と重ならない位置に設けられており、カバー部材の下端と車輪の下端との距離は、車輪の回転軸及び車輪の下端の接線方向と交わる方向(設置床面の法線方向)について30mm以上である。このようにすれば、カバー部材が移動路の段差に接触して、カバー部材や板状部材が損傷したり、設置床面に敷設されたカーペットの長い毛足等を損傷する事態を抑制できる。
【0011】
また、貯蔵室内の空気を循環するためのファンと、断熱箱体の上方に設けられ、ファンを駆動するためのモーターが収容される機械室と、を備え、機械室内には、少なくともリレーを含む電気部品が収容されており、電気部品は、機械室の内部空間に露出されるように機械室を構成するパネル壁に取り付けられている。このようにすれば、仮に電気部品を電装箱に収容し、電装箱を機械室内に配設する場合に比べて、電装箱が不要となるため機械室を軽量化できる。また、電気部品は、機械室の内部空間に露出しており、機械室の内部空間に熱が放出されるため、電装箱に収容される場合に比べて放熱対策の負担が軽減される。
【0012】
また、配膳車は、揺動軸回りに揺動可能に断熱箱体に取り付けられ、断熱箱体の開口を開閉可能な扉を備え、断熱箱体の開口縁部には、揺動可能な最大角度を規制するための扉ストッパが設けられている。このようにすれば、扉の開放による重心位置の移動が制限され、配膳車をより倒れにくくすることができる。
【0013】
また、扉ストッパは、最大角度を規制するように扉の側部と当接する当接部と、側部が当接部と当接していない状態において当接部と側面との隙間の一部を塞ぐように、当接部から延出する延出部と、を有する。このようにすれば、延出部によって、扉の側面と扉ストッパとの隙間に手指等が挟まれてしまう事態を防止できる。
【0014】
また、扉ストッパは、開口縁部に固定される扉ストッパ固定部と、扉ストッパ固定部と当接部とを連結するように開口縁部から前方に延出する連結部と、を有し、最大角度は、連結部と当接部とのなす角度によって規定される。このようにすれば、扉の揺動可能な最大角度を容易に調整できる。
【0015】
また、扉は、断熱箱体の開口縁部に設けられたヒンジ部材に対して、上方から差し込まれて係合する少なくとも1つの係合部を有し、扉ストッパは、少なくとも1つの係合部より上方に設けられている。このようにすれば、扉が上方にずれた場合に、係合部が扉ストッパの下端に当たって、ヒンジ部材から抜け出てしまう事態を抑制できる。その結果、配膳車が扉を開いた状態で傾いた場合であっても、扉が上方にずれて外れてしまう事態を防止できる。
【発明の効果】
【0016】
本願明細書に記載の技術によれば、移動時の安定性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る温蔵配膳車の斜視図
図2】温蔵配膳車の正面図
図3】温蔵配膳車の側面図
図4図2のA-A線断面図
図5】重り付近を拡大した斜視図
図6】重りの取り付け方法を示す分解斜視図
図7】カバー部材の取り付け方法を示す分解斜視図
図8】ヒンジ部材及び扉ストッパ付近を拡大した図1の拡大図
図9図2のB-B線断面図
図10】扉ストッパ付近を拡大した図9の拡大図
図11】扉が扉ストッパに当接した状態において、図2のB-B線位置で切断した断面図
図12】扉ストッパ付近を拡大した図11の拡大図
図13】扉ストッパを示す斜視図
図14】扉が扉ストッパに当接した状態を示す斜視図
図15】扉が開かれた状態で傾斜面を移動する温蔵配膳車の下部側面図
図16図15の状態において扉ストッパ付近を拡大した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る温蔵配膳車10(ホットカート、配膳車の一例)について、図1から図16を参照して説明する。各図面の一部には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。また、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向とする。
【0019】
温蔵配膳車10は、図1から図4に示すように、全体として縦長の直方体状をなしており、調理した食品(被貯蔵物の一例)を温かい状態(例えば60℃から95℃程度)で保温しつつ運搬する。温蔵配膳車10は、機械室11と、断熱箱体20と、断熱性の扉30と、加熱ユニット40と、車輪(キャスター)50と、車輪50が取り付けられる車輪用台座60と、重り70と、重り70が取り付けられる取付箱80と、を備える。
【0020】
断熱箱体20は、図1から図4に示すように、前方に開口された箱状をなし、図4に示すように、グラスウール等の耐熱性を有する断熱材を充填した壁によって構成されている。扉30は、断熱箱体20の前面開口を開閉可能に上下に2つ並んで設けられており、各扉30には正面から見て左側に取手31が設けられている。機械室11は、断熱箱体20の上方に配され、その内部には機械類(具体的には後述するモーター43及び電気部品48,49等)が収容されている。車輪用台座60は、その上面に断熱箱体20が載置されるように、断熱箱体20の下方に設けられている。車輪用台座60は、全体として矩形の板状をなし、その外周部には下方に立ち下がるように突出して枠状をなす枠部61が形成されている。また、枠部61の4つの角部には、衝突等から保護するための保護部材62が装着されている。車輪用台座60の下面には断熱箱体20を移動可能に支持する車輪50が取り付けられている。車輪50は、車輪用台座60の下面の四隅に1つずつ設けられている(図5)。
【0021】
断熱箱体20内には、図4に示すように、前面開口と対向する後壁(背壁)20Aに沿って延在する形でダクト22が設けられている。断熱箱体20内において、ダクト22より前側であって断熱箱体20の内部空間の大部分を占める部分が、食品を収容するための貯蔵室23となっている。貯蔵室23には、加熱ユニット40からの暖気が供給され、食品が温蔵した状態で収容される。貯蔵室23には、食品を載置したトレー24を支持するための棚柱25、及びトレー受け(棚受け)26が設けられている。棚柱25は、断熱箱体20の左側壁20B及び右側壁20Cに固定されている。トレー受け26は、前後方向に沿って延在するレール状をなしており、複数が棚柱25に掛止されている。トレー24は、扉30を開いた状態でトレー受け26に沿って前後方向に出し入れされ、上下方向に複数段並んで収容される。
【0022】
加熱ユニット40は、貯蔵室23内に暖気を供給する。加熱ユニット40は、図4に示すように、ダクト22と、ヒーター41(温調手段の一例)と、ファン42と、ファン42を駆動するためのモーター43と、を具備する。加熱ユニット40のうち、ダクト22及びヒーター41は断熱箱体20内に配されており、ファン42及びモーター43は機械室11内に張り出す形で断熱箱体20の上方に画成されたファンルーム13内に配されている。
【0023】
ダクト22は、図4及び図9に示すように、後壁20Aからの距離が異なるように、2つが前後方向に並んで設けられている。各ダクト22は、長尺のアルミニウム合金板が断面略コの字型に折り曲げられて形成されており、その上部及び下部は開放されている。貯蔵室23寄りに配された外側ダクト22Aは、後壁20A寄りに配された内側ダクト22Bよりも、左右方向、上下方向、及び前後方向の寸法がいずれも大きくなるように形成されている。外側ダクト22Aと内側ダクト22Bとに囲まれた空間、及び内側ダクト22Bと後壁20Aとに囲まれた空間はそれぞれ、貯蔵室23を加熱する暖気の流路となる。また、各ダクト22には、ダクト22の内外を通気するための長穴状の通気孔が複数、互いに離間して設けられている。
【0024】
各ダクト22において後壁20Aと対向する側の面には、図9に示すように、ヒーター(具体的にはコードヒーター)41が配され、アルミ箔テープによって固定されている。各ダクト22は、ヒーター41を支持するヒーターパネルの役割を兼ねている。
【0025】
ファンルーム13は、図1及び図4に示すように、断熱箱体20の天井壁20Dの後方中央部分において天井壁20D及び機械室11のボトムパネル11C(パネル壁の一例)を貫通し、天井壁20Dと後壁20Aとの間において上方に張り出して、機械室11に侵入している。ファンルーム13の下面には、貯蔵室23の空気を吸い込むための吸気口13Aが形成されている。また、ファンルーム13には、吸気口13Aの上方にサーミスタ44が備えられており、ファンルーム13に取り込まれた貯蔵室23の空気の温度が検知されている。
【0026】
ファンルーム13には、図1及び図4に示すように、貯蔵室23内の空気を循環するためのファン42として2つ横断流型のファンが設けられている。また、各ファン42の左方に隣り合う形でモーター43が接続されている。ファン42からの送風は、ダクト22の上部開口からダクト22内に流入される。モーター43によってファン42が駆動されると、貯蔵室23の空気は吸気口13Aを通じてファンルーム13内に吸引される。また、ファン42が駆動されると、ファン42からダクト22に空気が流入し、ヒーター41によって加熱されて暖気となる。暖気は、ダクト22に形成された通気孔から貯蔵室23に吹き出され、貯蔵室23が加熱される。
【0027】
機械室11は、図1及び図4に示すように、上方及び後方がトップパネル11Aに、前方がフロントパネル11B(パネル壁の一例)に、下方がボトムパネル11Cにそれぞれ覆われている。ボトムパネル11Cは、断熱箱体20の天井壁20Dと間隔をあけて並行しており、その後部にはファンルーム13が貫通するように開口11C1が形成されている。機械室11の左方及び右方は、断熱箱体20の左側壁20B及び右側壁20Cがそれぞれ上方に延出する形で覆われている。従って、機械室11は、トップパネル11A、フロントパネル11B、ボトムパネル11C、左側壁20B、右側壁20Cによった囲まれた箱体となっている。
【0028】
機械室11のフロントパネル11Bには、図1及び図4に示すように、CPUを主体に構成され温蔵配膳車10の各部と電気的に接続される制御部、及びROMやRAM等からなる記憶部を含む制御基板46が設けられている。フロントパネル11Bの前面(機械室11と反対側の面)には、表示部及び操作部45が設けられており、使用者は、操作部45を操作することで、温蔵配膳車10の加熱運転や各種設定(設定温度の変更等)を行うことができる。制御部は、記憶部に記録された制御プログラムを実行することで、作業者による操作、及び各センサ(サーミスタ44等)の検出結果に基づいて、ヒーター41、及びファン42(モーター43)の動作を制御する。
【0029】
フロントパネル11Bには、図4に示すように、制御基板46と各部からの配線を接続するための複数のコネクタ47が、機械室11に突出する形で設けられている。また、ボトムパネル11Cには、図1及び図4に示すように、電気部品(電源トランス48、及び制御部品であるリレー49)が、機械室11内に突出する形で設けられている。制御基板46、コネクタ47、電源トランス48、リレー49は、機械室11の内部空間に露出しており、これら電気部品46,47,48,49からの熱は機械室11の内部空間に放熱される。なお、ファンルーム13において、図1に示すようにモーター43の上方は開放されており、モーター43からの熱も機械室11の内部空間に放熱可能となっている。
【0030】
次に、重り70、及び取付箱80について説明する。取付箱80は、図5に示すように、車輪用台座60の下面において前後方向及び左右方向について中央であって、4つの車輪50と平面に視て重ならない位置に取り付けられている。取付箱80は、ウレタン材料製で、上方が開口した横長の直方体状をなし、内部が空洞となっている。取付箱80は、上部にフランジ81が一体形成されており、フランジ81に形成された孔が締結部材(具体的にはネジ)82によって車輪用台座60に固定されている。
【0031】
重り70は、図6に示すように、4枚の板状部材70A, 70B, 70C,70Dから構成されている。各板状部材70A, 70B, 70C,70Dは、矩形状をなす金属製の平板(具体的には亜鉛メッキ鋼板)であって重量は2kg程度である。板状部材70A, 70B, 70C,70Dは、その板面が取付箱80の底面83に重なるように積み重ねられて取り付けられる。各板状部材70A, 70B, 70C,70Dの四隅には、第1貫通孔70Hが形成されており、取付箱80の底面83には、第1貫通孔70Hと重なるように第2貫通孔83Hが形成されている。第1貫通孔70H及び第2貫通孔83Hには、締結部材(具体的にはネジ)84が挿入され、これにより板状部材70A, 70B, 70C,70Dが取付箱80に着脱可能に取り付けられている。
【0032】
第1貫通孔70Hは、図6に示すように、大きさの異なる2つの孔が左右に繋がった形状(いわゆるダルマ形状)をなしている。第1貫通孔70Hの一方の孔(左側の孔)70H1は、ネジ84のネジ山の平面サイズより小さく、もう一方の孔(右側の孔)70H2は、ネジ84のネジ山の平面サイズより大きく形成されている。
【0033】
次に、板状部材70A, 70B, 70C,70Dの着脱方法について説明する。板状部材70A, 70B, 70C,70Dの取り付け時には、まずネジ84の先端部分を第2貫通孔83Hに螺入し、次にネジ84のネジ山に対して、所望の枚数の板状部材70A, 70B, 70C,70Dの孔70H2を通す。次に、板状部材70A, 70B, 70C,70Dを右方にスライドさせて、ネジ84が孔70H1と重なるようにする。この状態で、ネジ84を締め付けて板状部材70A, 70B, 70C,70Dを固定する。また、取り付け後に、例えば板状部材70A, 70B, 70C,70Dの枚数を4枚から3枚に1枚減少する場合には、ネジ84を緩めて、一番下側(設置床面側)に位置する板状部材70Dを左方にスライドさせて、孔70H2がネジ84と重なるようにする。そして、板状部材70Dを下方に動かして、ネジ84から板状部材70Dを抜き出す。このようにすれば、ネジ84を外すことなく、板状部材70A, 70B, 70C,70Dの枚数を容易に減少することができる。また、逆の手順で作業をすれば、ネジ84を外すことなく、板状部材70A, 70B, 70C,70Dの枚数を容易に増大することができる。このようにしてネジ84を取り外すことなく、板状部材70A,70B,70C,70Dの数を容易に増減可能となっている。
【0034】
重り70(板状部材70A, 70B, 70C,70D)は、図7に示すように、下方からカバー部材72で覆われており、これにより重り70が保護されている。カバー部材72は、上方が開口した浅いトレー状をなしている。カバー部材72は、取付箱80に重り70が取り付けられた後、重り70を下方から覆って収容するように取り付けられる。カバー部材72は、ステンレス製で、これにより床面からの水はねによる腐食を抑制している。カバー部材72の開口縁部には、取付箱80の底面83と当接するフランジ73が形成されており、フランジ73に形成された孔に締結部材74(具体的にはネジ)によって底面83に固定される。フランジ73の孔は、上記した第1貫通孔70Hと同様にダルマ形状をなしており、カバー部材72を容易に着脱可能となっている。
【0035】
カバー部材72の下端の位置は、図3に示すように、車輪50が接触する設置床面からの高さH1が30mm以上となっている。すなわち、カバー部材72の下端と車輪50の下端との距離は、車輪の回転軸50(図3のX軸方向)及び車輪50の下端の接線方向(図3のY軸方向)と交わる方向(Z軸方向、設置床面の法線方向)について30mm以上となっている。なお、重り70(板状部材70A, 70B, 70C,70D)、及びカバー部材72の着脱作業は、作業者が車輪50間から取付け箱80の底面83に手を伸ばして行うことができるが、食品を収容していない場合等には、作業者が温蔵配膳車10を横倒した状態で行っても構わない。
【0036】
続いて、扉30及びその取り付け構造について詳しく説明する。扉30は、図1から図4に示すように、2つが上下に並んで設けられている。断熱箱体20の1つの開口を2つの扉30で独立して開閉することで、貯蔵室23の温度変動を抑制しつつ食品を出し入れすることができる。各扉30は、断熱箱体20の開口縁部の右部(以下、開口右縁部と記す)27において、開口右縁部27に沿う揺動軸R1回りに揺動可能に、ヒンジ部材28によって取り付けられている。ヒンジ部材28は、各扉30に対して2つずつ係合するように、開口右縁部27において所定の間隔をあけて設けられている。
【0037】
各ヒンジ部材28は、図8に示すように、側面(Y-Z面)に視てL字状をなしており、ヒンジ固定部28Aと、扉受け部28Bと、を有する。ヒンジ固定部28Aは、上下方向(Z軸方向)に延在し、開口右縁部27にネジ止め固定されている。扉受け部28Bは、ヒンジ固定部28Aの下部から前方に延出している。扉受け部28Bは、中空状であり、内部に後述する扉30の係合部34の一部(突出部34A)が挿入されている。
【0038】
各扉30は、図1及び図2に示すように、取手31と、本体部32と、係合部34と、を具備する。取手31は、使用者が扉30を開閉する際に手をかけて操作する部分であり、使用者が握りやすい高さとなるように、上側の扉30においては下部に、下側の扉30においては上部に設けられている。各扉30の構造、及びその取り付け構造は、取手31の配設位置以外は基本的に同じである。本体部32は、断熱箱体20の開口を覆うように矩形の板状をなし、断熱性を有している。本体部32の後面(断熱箱体20側の面)の外縁部には、扉30が閉じられた際に断熱箱体20(貯蔵室23)との気密性を確保するためのパッキン33が設けられている(図15)。
【0039】
係合部34は、図8に示すように、本体部32の右の側面32A(側部の一例)において上下2カ所に設けられており、全体として柱状をなしている。各係合部34の下部には、下方に突出する円柱状の突出部34Aが形成されており、突出部34Aはヒンジ部材28の扉受け部28B内に挿入されている。扉30は、突出部34Aが扉受け部28Bに上方から差し込まれることで、突出部34Aの中心軸を揺動軸R1として揺動可能に取り付けられている。扉30は、図9から図12に示すように、揺動軸R1を中心に揺動する。なお、温蔵配膳車10の組み立て工程において、扉30をヒンジ部材28に係合する段階では、後述する扉ストッパ90は未装着とされ、ヒンジ部材28の上方には突出部34Aを上方から差し込むための十分なスペースが確保されている。
【0040】
次に、扉ストッパ90について説明する。扉ストッパ90は、扉30の揺動可能な最大角度を規制するために設けられている。扉ストッパ90は、図1図2及び図8に示すように、各扉30に対して2つずつ設けられたヒンジ部材28の間に位置するように、開口右縁部27に取り付けられている。換言すると、扉ストッパ90は、ヒンジ部材28と係合する2つの係合部34の一方より上方に位置するように取り付けられている。
【0041】
各扉ストッパ90は、図10及び図13に示すように、金属製の板状部材(より詳しくはステンレス製の平板)が板金加工によって複数回(具体的には3回)折り曲げられた形状をなしている。各扉ストッパ90は、折り曲げられて区画された4つの平板部にそれぞれ対応する形で、扉ストッパ固定部91と、当接部92と、延出部94と、連結部96と、を有する。
【0042】
扉ストッパ固定部91は、図10図12及び図13に示すように、開口右縁部27にネジ止め固定される。当接部92は、図12及び図14に示すように、扉30が開かれた際に、扉30の本体部32の側面32Aと当接することで、扉30の揺動可能な最大角度を規制する。なお、本体部32の側面32Aには、当接部92と当接する際の衝撃を緩和するために緩衝シート36が貼り付けられている。延出部94は、図10に示すように、扉30の側面32Aが当接部92と当接していない状態において、当接部92の扉30側の端部と側面32A(緩衝シート36)との隙間G1の一部を塞ぐように、当接部92から延出している。連結部96は、扉ストッパ固定部91と当接部92とを連結している。連結部96と扉ストッパ固定部91とのなす第1角θ1は直角である一方、連結部96と当接部92とのなす第2角θ2、及び当接部92及び延出部94とのなす第3角θ3は、鈍角となっている。当該第2角θ2を調整することで、扉30の揺動可能な最大角度が調整される。本実施形態においては、第2角θ2が120°に設計されており、これにより扉30の揺動可能な最大角度は120°に設定されている。延出部94は、扉30の開閉時に側面32A(緩衝シート36)に接触せず、かつ延出部94と側面32A(緩衝シート36)との隙間G2が、使用者の手指が挿入不可能な大きさとなるように、その延出長、及び第3角θ3が調整されている
【0043】
以上説明したように、温蔵配膳車10は、前方に開口し、貯蔵室23を有する断熱箱体20と、貯蔵室23内の温度を調整するためのヒーター41と、断熱箱体20の下方に設けられる移動用の車輪50と、断熱箱体20の下方に設けられる重り70と、を備え、重り70は、複数の板状部材70A,70B,70C,70Dにより構成され、板状部材70A,70B,70C,70Dの数が可変なように断熱箱体20の下方において着脱可能に取り付けられている。
【0044】
このようにすれば、板状部材70A,70B,70C,70Dの数を増減することによって、使用環境や被貯蔵物の重量に合わせて重り70の重量を調整可能となり、移動時の安定性を向上できる。例えば、被貯蔵物が貯蔵室23の上部寄りに収容される場合や、移動路の床面に段差や継ぎ目、破損に伴う凹凸等が発生している場合には、板状部材70A,70B,70C,70Dの数を増やして重り70の重量を増大すると、温蔵配膳車10が移動時に大きく傾いたり、転倒したりする事態を抑制できる。また、被貯蔵物の重量が小さかったり、貯蔵室23において下部寄りに収容されたりする場合や、移動路の床面が平坦である場合には、板状部材70A,70B,70C,70Dの数を減らして重り70の重量を低減することで、移動に伴う使用者の労力の増大を抑制できる。
【0045】
また、温蔵配膳車10は、断熱箱体20の下方に設けられ、板状部材70A,70B,70C,70Dが着脱可能に取り付けられる底面83を有する取付箱80を備える。このようにすれば、温蔵配膳車10における板状部材70A,70B,70C,70Dの取り付け位置を低くできる。その結果、温蔵配膳車10の重心位置を低下し、移動時の安定性を向上しやすくなる。また、板状部材70A,70B,70C,70Dを着脱可能に取り付けやすくなる。
【0046】
また、板状部材70A,70B,70C,70Dは、その板面が取付箱80の底面83に重なるように取り付けられ、板状部材70A,70B,70C,70Dの板面、取付箱80の底面83には、これらを貫通する貫通孔70H,83Hが設けられており、貫通孔にはネジ84が挿入されている。このようにすれば、所望の数の板状部材70A,70B,70C,70Dを重ねて取付箱80の底面83にネジ84によって固定することで、板状部材70A,70B,70C,70Dの数を容易に増減可能となる。
【0047】
また、貫通孔70H,83Hのうち板状部材70A,70B,70C,70Dの板面を貫通する第1貫通孔70Hは、大きさの異なる2つの開口が繋がったダルマ形状をなしている。このようにすれば、ネジ84を取り外すことなく、板状部材70A,70B,70C,70Dの数を増減可能となる。
【0048】
また、温蔵配膳車10は、板状部材70A,70B,70C,70Dを下方から覆うカバー部材72を備え、板状部材70A,70B,70C,70D及びカバー部材72は、平面に視て車輪50と重ならない位置に設けられており、カバー部材72の下端と車輪50の下端との距離H1は、車輪の回転軸50(X軸方向)及び車輪50の下端の接線方向(Y軸方向)と交わる方向(Z軸方向)について30mm以上となっている。このようにすれば、カバー部材72によって板状部材70A,70B,70C,70Dが保護されると共に、これらを断熱箱体20の下方において車輪50が配置されない部分(平面に視て車輪50と重ならない位置)に設けることで、車輪50の非配置スペースを有効活用することができる。また、カバー部材72の下端の設置床面からの高さH1が30mm以上であるため、カバー部材72が移動路の設置床面の段差に接触して、カバー部材72や板状部材70A,70B,70C,70Dが損傷したり、設置床面に敷設されたカーペットの長い毛足等を損傷してしまう事態を抑制できる。
【0049】
また、温蔵配膳車10は、貯蔵室23内の空気を循環するためのファン42と、断熱箱体20の上方に設けられ、ファン42を駆動するためのモーター43が収容される機械室11と、を備え、機械室11内には、少なくともリレー49を含む電気部品が収容されており、電気部品49は、機械室11の内部空間に露出されるように機械室11を構成するボトムパネル11Cに直接的に取り付けられている。このようにすれば、仮に電気部品49を電装箱に収容し、電装箱を機械室11内に配設する場合に比べて、電装箱が不要となるため機械室11を軽量化できる。その結果、温蔵配膳車10の重心位置を低下し、移動時の安定性を向上しやすくなる。また、電気部品49は、機械室11の内部空間に露出しており、機械室11の内部空間に熱が放出されるため、電装箱に収容される場合に比べて放熱対策の負担が軽減される。具体的には、放熱用の開口を形成したり、当該開口から異物の侵入を防止したりする放熱対策が不要となる。
【0050】
また、温蔵配膳車10は、揺動軸R1回りに揺動可能に断熱箱体20に取り付けられ、断熱箱体20の開口を開閉可能な扉30を備え、断熱箱体20の開口縁部には、揺動可能な最大角度を規制するための扉ストッパ90が設けられている。扉30が開かれると、温蔵配膳車10の重心位置が進行方向前方に移動し、温蔵配膳車10が傾きやすくなってしまう。そこで、扉ストッパ90によって、扉30が開かれる最大角度(揺動可能な最大角度)を規制することで、扉30の開放に伴う重心位置の移動を制限し、倒れにくくすることができる。
【0051】
また、扉ストッパ90は、扉30の揺動可能な最大角度を規制するように扉30の側面32Aと当接する当接部92と、側面32Aが当接部92と当接していない状態において当接部92と側面32Aとの隙間の一部を塞ぐように、当接部92から延出する延出部94と、を有する。このようにすれば、延出部94によって、扉30の側面32Aと扉ストッパ90との隙間に手等が挟まれてしまう事態を防止できる。
【0052】
また、扉ストッパ90は、開口右縁部27に固定される扉ストッパ固定部91と、扉ストッパ固定部91と当接部92とを連結するように開口右縁部27から前方に延出する連結部96と、を有し、扉30の揺動可能な最大角度は、連結部96と当接部92とのなす角度によって規定される。このようにすれば、扉30の揺動可能な最大角度を容易に調整できる。
【0053】
また、扉30は、断熱箱体20の開口縁部に設けられたヒンジ部材28に対して、上方から差し込まれて係合する少なくとも1つの係合部34を有し、扉ストッパ90は、少なくとも1つの係合部34より上方に設けられている。扉30は、ヒンジ部材28に対して上方から差し込まれているため、移動路の傾斜が大きい場合等には、図15及び図16に示すように扉30が上方にずれ動き、係合部34(より詳しくは突出部34A)がヒンジ部材28(より詳しくは扉受け部28B)から抜け出てしまう恐れがある。そこで、扉ストッパ90を少なくとも1つの係合部34より上方に設けることで、扉30が上方にずれた場合に、係合部34が扉ストッパ90の下端に当たって、ヒンジ部材28から抜け出てしまうことを抑制できる。その結果、温蔵配膳車10が扉30を開いた状態で傾いた場合であっても、扉30が上方にずれて外れてしまう事態を防止できる。なお、図15では、扉ストッパ90は塗りつぶして明示化されている。
【0054】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
【0055】
(1)重り70を構成する複数の板状部材70A, 70B, 70C,70Dの数、形状、材質、重量は一例に過ぎず、適宜変更可能である。また、全ての板状部材70A, 70B, 70C,70Dが同一の形状、材質、重量でなくても構わない。
【0056】
(2)機械室11に設けられた電気部品は、フロントパネル11B及びボトムパネル11Cに限らず、機械室11を構成する他のパネル壁に設けられていても構わない。例えば、断熱箱体20の左側壁20B及び右側壁20Cが、機械室11の左方及び右方まで上方に延出しておらず、機械室11の左方や右方がパネル壁(サイドパネル)によって覆われている場合には、サイドパネルに設けられていても構わない。
【0057】
(3)ファン42、及びこれを駆動するモーター43の数及び種類は一例に過ぎず、適宜変更可能である。ファン42は、断熱箱体20内に配されていても構わない。
【0058】
(4)扉30は、1つまたは3つ以上設けられていても構わない。また、扉30の係合部34、及びヒンジ部材28は、各扉30に対して1つまたは3つ以上設けられていても構わない。
【0059】
(5)本明細書に記載の技術は、温蔵配膳車以外の配膳車(例えば、温調手段として冷却器を備える冷蔵配膳車(コールドカート)、温調手段としてヒーター41及び冷却器を共に備える温冷配膳車)に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
10:温蔵配膳車(配膳車)、11:機械室、11C:ボトムパネル(パネル壁)、20:断熱箱体、23:冷蔵室、27:開口右縁部(開口縁部)、28:ヒンジ部材、30:扉、34:係合部、41:ヒーター(温調手段)、42:ファン、43:モーター、48:電源トランス(電気部品)、49:リレー(電気部品)、50:車輪、70:重り、70A,70B,70C,70D:板状部材、70H:第1貫通孔(貫通孔)、72:カバー部材、80:取付箱、83H:第2貫通孔(貫通孔)、84:ネジ(締結部材)、90:扉ストッパ、91:扉ストッパ固定部、92:当接部、94:延出部、96:連結部、R1:揺動軸
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図1
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