(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】電磁弁駆動装置
(51)【国際特許分類】
F02D 41/22 20060101AFI20240517BHJP
F02M 51/00 20060101ALI20240517BHJP
F02M 51/06 20060101ALI20240517BHJP
F16K 31/06 20060101ALI20240517BHJP
H01F 7/18 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
F02D41/22
F02M51/00 A
F02M51/06 M
F16K31/06 310A
F16K31/06 385A
H01F7/18 Z
(21)【出願番号】P 2020164330
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520133916
【氏名又は名称】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大顕
(72)【発明者】
【氏名】小川 功史
(72)【発明者】
【氏名】野村 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】黒田 啓介
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-143538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 41/22
F02M 51/00
F02M 51/06
F16K 31/06
H01F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドコイルを有する燃料噴射弁を駆動する電磁弁駆動装置であって、
前記ソレノイドコイルの第1端部とグランドとの間に配置される回生用スイッチング素子と、
前記回生用スイッチング素子をオン状態及びオフ状態のいずれかに制御する制御部と、
バッテリの出力電圧であるバッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、
前記昇圧回路と前記ソレノイドコイルの第1端部との間に配置される第1スイッチング素子と、
前記バッテリと前記第1端部との間に配置される第2スイッチング素子と、
前記ソレノイドコイルの第2端部とグランドとの間に配置される第3スイッチング素子と、
前記第2端部とグランドとの間に配置され、前記第3スイッチング素子とは異なる第1スイッチと、
を備え、
前記制御部は、
前記ソレノイドコイルの第1端部の電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部が検出した電圧に基づいて、前記回生用スイッチング素子の異常を検出する異常検出部と、を有し、前記異常検出部が前記回生用スイッチング素子の異常を検出した場合には前記燃料噴射弁の駆動を停止し、
前記異常検出部は、前記回生用スイッチング素子及び前記第1スイッチがともにオン状態である場合において前記電圧検出部が検出した電圧が
所定値以上である場合には前記回生用スイッチング素子の異常を検出する電磁弁駆動装置。
【請求項2】
前記第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子をオン状態にするために必要な電圧を生成するブートストラップコンデンサと、
前記ブートストラップコンデンサとグランドとの間に配置される第2スイッチと、
を備え、
前記制御部は、前記第2スイッチをオン状態に制御することで、前記ブートストラップコンデンサに対して充電させ、
前記異常検出部は、前記第2スイッチがオフ状態であって、且つ、前記回生用スイッチング素子及び前記第1スイッチがともにオン状態である場合において、前記電圧検出部が検出した電圧が前記所定値以上である場合には前記回生用スイッチング素子の異常を検出する、
請求項1に記載の電磁弁駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、燃料噴射弁のソレノイドコイルに通電することで燃料噴射弁を開弁させる電磁弁駆動装置が開示されている。前記電磁弁駆動装置は、ソレノイドコイルの逆起電圧によって発生する電流(以下、「回生電流」という。)を、グランドからスイッチング素子(以下、「同期スイッチング素子」という。)を介してソレノイドコイルに還流させる制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、様々な原因によって、同期スイッチング素子のドレイン端子がオープンになってしまうなどの異常が発生した場合には、ソレノイドコイルに回生電流を還流させる経路が無くなる。これにより、ソレノイドコイルに逆起電圧が発生した場合には、制御部からソレノイドコイルにむけて規定値を超える電流が流れてしまう可能性がある。そこで、同期スイッチング素子の異常を検出する構成が必要になるが、特許文献1には、その構成が記載されていない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、同期スイッチング素子の異常を検出することができる電磁弁駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、ソレノイドコイルを有する燃料噴射弁を駆動する電磁弁駆動装置であって、前記ソレノイドコイルの第1端部とグランドとの間に配置される回生用スイッチング素子と、前記回生用スイッチング素子をオン状態及びオフ状態のいずれかに制御する制御部と、バッテリの出力電圧であるバッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、前記昇圧回路と前記ソレノイドコイルの第1端部との間に配置される第1スイッチング素子と、前記バッテリと前記第1端部との間に配置される第2スイッチング素子と、前記ソレノイドコイルの第2端部とグランドとの間に配置される第3スイッチング素子と、前記第2端部とグランドとの間に配置され、前記第3スイッチング素子とは異なる第1スイッチと、 を備え、前記制御部は、前記ソレノイドコイルの第1端部の電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部が検出した電圧に基づいて、前記回生用スイッチング素子の異常を検出する異常検出部と、を有し、前記異常検出部が前記回生用スイッチング素子の異常を検出した場合には前記燃料噴射弁の駆動を停止し、前記異常検出部は、前記回生用スイッチング素子及び前記第1スイッチがともにオン状態である場合において前記電圧検出部が検出した電圧が所定値以上である場合には前記回生用スイッチング素子の異常を検出する電磁弁駆動装置である。
【0007】
(2)上記(1)の電磁弁駆動装置であって、前記第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子をオン状態にするために必要な電圧を生成するブートストラップコンデンサと、前記ブートストラップコンデンサとグランドとの間に配置される第2スイッチと、を備え、前記制御部は、前記第2スイッチをオン状態に制御することで、前記ブートストラップコンデンサに対して充電させ、前記異常検出部は、前記第2スイッチがオフ状態であって、且つ、前記回生用スイッチング素子及び前記第1スイッチがともにオン状態である場合において、前記電圧検出部が検出した電圧が前記所定値以上である場合には前記回生用スイッチング素子の異常を検出する。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、同期スイッチング素子の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る燃料噴射弁の構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る電磁弁駆動装置の構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る異常検出モードを説明する図である。
【
図4】本実施形態に係る異常検出モードを説明する図である。
【
図5】本実施形態に係る異常検出モードを説明する図である。
【
図6】本実施形態に係る電磁弁駆動装置の動作タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態に係る電磁弁駆動装置を、図面を用いて説明する。
【0015】
本実施形態に係る電磁弁駆動装置1は、燃料噴射弁Lを駆動する駆動装置である。具体的には、本実施形態に係る電磁弁駆動装置1は、車両に搭載された内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁L(電磁弁)を駆動対象とする電磁弁駆動装置である。
【0016】
燃料噴射弁Lは、車両に搭載されたガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジン等の内燃機関に燃料を噴射する電磁弁(ソレノイド弁)である。
以下に、燃料噴射弁Lの構成例について、
図1を用いて説明する。
【0017】
図1に示すように、燃料噴射弁Lは、固定コア2、弁座3、ソレノイドコイル4、ニードル5、弁体6、リテーナ7、ロアストッパ8、弁体付勢バネ9、可動コア10、及び可動コア付勢バネ11を備える。本実施形態では、固定コア2、弁座3、及びソレノイドコイル4が固定部材であり、ニードル5、弁体6、リテーナ7、ロアストッパ8、弁体付勢バネ9、可動コア10、及び可動コア付勢バネ11が可動部材である。
【0018】
固定コア2は、円筒状の部材であり、燃料噴射弁Lのハウジング(不図示)に固定されている。固定コア2は、磁性材料によって形成されている。
【0019】
弁座3は、燃料噴射弁Lのハウジングに固定されている。弁座3は、噴射孔3aを有する。
噴射孔3aは、燃料が噴射される孔であって、弁座3に弁体6が着座した場合に閉鎖し、弁体6が弁座3から離間した場合に開放される。
【0020】
ソレノイドコイル4は、電線が環状に巻回されることにより形成されている。ソレノイドコイル4は、固定コア2と同心状に配置されている。
ソレノイドコイル4は、電磁弁駆動装置1と電気的に接続されている。ソレノイドコイル4は、電磁弁駆動装置1から通電されることで、固定コア2及び可動コア10を含む磁路を形成する。
【0021】
ニードル5は、固定コア2の中心軸に沿って延在する長尺状の棒部材である。ニードル5は、固定コア2及び可動コア10を含む磁路により発生する吸引力によって、固定コア2の中心軸の軸方向(ニードル5の延在方向)に移動する。なお、以下の説明において、固定コア2の中心軸の軸方向において、上記吸引力により可動コア10が移動する方向を上方と称し、上記吸引力により可動コア10が移動する方向と反対の方向を下方と称する。
【0022】
弁体6は、ニードル5における下方の先端に形成されている。弁体6は、弁座3に着座することによって噴射孔3aを閉鎖し、弁座3から離間することによって噴射孔3aを開放する。
【0023】
リテーナ7は、ガイド部材71及びフランジ72を備える。
ガイド部材71は、ニードル5における上方の先端に固定された円筒状の部材である。
フランジ72は、上方におけるガイド部材71の端部において、ニードル5の径方向に突出するように形成されている。
フランジ72は、下方の端面が可動コア付勢バネ11との当接面である。また、フランジ72における上方の端面は、弁体付勢バネ9との当接面である。
【0024】
ロアストッパ8は、弁座3とガイド部材71との間のニードル5に固定された円筒状の部材である。このロアストッパ8は、上方の端面が可動コア10との当接面である。
【0025】
弁体付勢バネ9は、固定コア2の内部に収容された圧縮コイルバネであり、ハウジングの内壁面と、フランジ72と間に介挿されている。弁体付勢バネ9は、弁体6を下方に付勢する。すなわち、ソレノイドコイル4に通電されてない場合には、弁体付勢バネ9の付勢力により、弁体6が弁座3に当接される。
【0026】
可動コア10は、ガイド部材71とロアストッパ8との間に配置されている。可動コア10は、円筒状の部材であり、ニードル5と同軸に設けられている。この可動コア10は、中央にニードル5が挿通される貫通孔が形成されており、ニードル5の延在方向に沿って移動可能である。
可動コア10の上方の端面は、固定コア2及び可動コア付勢バネ11との当接面である。一方、可動コア10の下方の端面は、ロアストッパ8との当接面である。可動コア10は、磁性材料によって形成されている。
【0027】
可動コア付勢バネ11は、フランジ72と可動コア10との間に介挿されている圧縮コイルバネである。可動コア付勢バネ11は、可動コア10を下方に付勢する。すなわち、可動コア10は、ソレノイドコイル4に通電されていない場合には、可動コア付勢バネ11の付勢力により、ロアストッパ8に当接される。
【0028】
次に、本実施形態に係る電磁弁駆動装置1について、説明する。
【0029】
図2に示すように、電磁弁駆動装置1は、昇圧回路20、第1電圧生成部21、第2電圧生成部22、ブートストラップ回路23、切替部24、第1スイッチング素子25~第4スイッチング素子28、第1ダイオード29、第2ダイオード30、電流検出用抵抗器31、第1スイッチ32、制限抵抗器33、第2スイッチ34、制限抵抗器35、抵抗器36及び制御部37を備える。なお、第1スイッチ32等は制御部37内に実装されていてもよい。
【0030】
昇圧回路20は、車両に搭載されたバッテリBTの出力電圧であるバッテリ電圧Vbを所定の電圧まで昇圧する。例えば、昇圧回路20は、チョッパ回路である。昇圧回路20は、バッテリ電圧を昇圧することで昇圧電圧Vsを生成する。昇圧回路20は、昇圧比が例えば十~数十程度であり、制御部37によって動作が制御される。
【0031】
第1電圧生成部21は、バッテリ電圧Vbを降圧することで第1電圧V1を生成する。例えば、第1電圧生成部21は、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータなどのDC-DCコンバータを備える。
【0032】
第2電圧生成部22は、昇圧電圧Vsを降圧することで第2電圧V2を生成する。例えば、第2電圧生成部22は、リニアレギュレータやスイッチングレギュレータなどのDC-DCコンバータを備える。第1電圧V1及び第2電圧V2は、同一の電圧値である。ただし、第1電圧V1及び第2電圧V2は、互いに異なる電圧値であってもよい。
【0033】
ブートストラップ回路23は、ハイサイド側のスイッチング素子(以下、「ハイサイド側スイッチング素子」という。)をオン状態に制御するために必要な電圧(以下、「ブート電圧」という。)Vbootを生成する。ハイサイド側スイッチング素子とは、第1スイッチング素子25及び第2スイッチング素子26の少なくともいずれかである。ブートストラップ回路23は、第1電圧V1及び第2電圧V2のいずれかの電圧からブート電圧を生成する。ブートストラップ回路23は、ダイオード40及びブートストラップコンデンサ41を備える。
【0034】
ダイオード40は、アノードが切替部24に接続され、カソードがブートストラップコンデンサ41に接続されている。
【0035】
ブートストラップコンデンサ41は、第1端部がダイオード40のカソードに接続され、第2端部が第1スイッチング素子25及び第2スイッチング素子26の各ソースに接続されている。ブートストラップ回路23は、ブートストラップコンデンサ41が充電されることでブート電圧Vbootを生成する。
【0036】
切替部24は、ブートストラップコンデンサ41に対して充電する充電経路を、第1充電経路又は第2充電経路に切り替える。第1充電経路は、昇圧回路20を経由せずにバッテリBTからブートストラップコンデンサ41に対して充電する経路である。本実施形態の第1充電経路は、第1電圧生成部21で生成した第1電圧V1をブートストラップコンデンサ41に印加することでブートストラップコンデンサ41を充電する経路である。ただし、これに限定されず、第1充電経路は、バッテリ電圧Vbをブートストラップコンデンサ41に印加することでブートストラップコンデンサ41を充電する経路であってもよい。
【0037】
第2充電経路は、昇圧回路20からブートストラップコンデンサ41に対して充電する経路である。本実施形態の第2充電経路は、第2電圧生成部22で生成した第2電圧V2をブートストラップコンデンサ41に印加することでブートストラップコンデンサ41を充電する経路である。ただし、これに限定されず、第2充電経路は、昇圧電圧Vsをブートストラップコンデンサ41に印加することでブートストラップコンデンサ41を充電する経路であってもよい。
【0038】
切替部24は、ブートストラップコンデンサ41に対して充電する充電経路を、第1充電経路又は第2充電経路に切り替え可能であれば、その構成には特に限定されないが、例えば、三路スイッチを有してもよい。
【0039】
例えば、切替部24は、第1端子24a、第2端子24b及び第3端子24cを備える。切替部24は、第1端子24aと第3端子24cとを電気的に接続する第1状態と、第2端子24bと第3端子24cとを電気的に接続する第2状態と、を切り替え可能である。第1端子24aは、第1電圧生成部21の出力端子に接続されている。第2端子24bは、第2電圧生成部22の出力端子に接続されている。第3端子24cは、ダイオード40のアノードに接続されている。切替部24は、制御部37によって第1状態に制御されることで、ブートストラップコンデンサ41に対して充電する充電経路を第1充電経路に切り替える。切替部24は、制御部37によって第2状態に制御されることで、ブートストラップコンデンサ41に対して充電する充電経路を第2充電経路に切り替える。
【0040】
第1スイッチング素子25は、例えば、MOSトランジスタであり、昇圧回路20の出力端とソレノイドコイル4の第1端部との間に設けられている。すなわち、第1スイッチング素子25は、ドレインが昇圧回路20の出力端子に接続され、ソースが抵抗器36を介してソレノイドコイル4の第1端部に接続されている。第1スイッチング素子25のゲートは、制御部37に接続されている。第1スイッチング素子25は、制御部37によってオン/オフ(閉/開)動作が制御される。
【0041】
第2スイッチング素子26は、例えば、MOSトランジスタであり、バッテリBTの出力端子とソレノイドコイル4の第1端部との間に設けられている。第2スイッチング素子26は、ドレインが第2ダイオード30を介してバッテリBTの出力端子に接続され、ソースが抵抗器36を介してソレノイドコイル4の第1端部に接続されている。第2スイッチング素子26のゲートは、制御部37に接続されている。第2スイッチング素子26は、制御部37によってオン/オフ(閉/開)動作が制御される。
【0042】
第3スイッチング素子27は、例えば、MOSトランジスタであり、ソレノイドコイル4の第2端部に接続され、ソースが電流検出用抵抗器31の第1端部に接続されている。第3スイッチング素子27は、ゲートが制御部37に接続されている。第3スイッチング素子27は、制御部37によってオン/オフ(閉/開)動作が制御される。
【0043】
第4スイッチング素子28は、例えば、MOSトランジスタであり、ドレインがソレノイドコイル4の第1端部に接続され、ソースがグランド(GND:基準電位)に接続されている。第4スイッチング素子28のゲートは、制御部37に接続されている。第4スイッチング素子28は、制御部37によってオン/オフ(閉/開)動作が制御される。第4スイッチング素子28は、オン状態(開状態)となることで回生電流の経路を形成するスイッチである。第4スイッチング素子28は、上記同期スイッチング素子に相当する。
【0044】
第1ダイオード29は、カソードが昇圧回路20の出力端子に接続され、アノードがソレノイドコイル4の第2端部に接続されている。
【0045】
第2ダイオード30は、カソードが第2スイッチング素子26のドレインに接続され、アノードがバッテリBTの出力端子に接続されている。第2ダイオード30は、逆流防止用のダイオードである。第2ダイオード30は、第1スイッチング素子25及び第2スイッチング素子26がいずれもオン状態になった場合に、昇圧回路20の出力電流がバッテリBTの出力端に流入することを防止する。
【0046】
電流検出用抵抗器31は、第1端部が第4スイッチング素子28のソースに接続され、第2端部がGND(基準電位)に接続されたシャント抵抗器である。電流検出用抵抗器31は、第4スイッチング素子28を介してソレノイドコイル4に直列接続されており、ソレノイドコイル4を流れる電流が通過する。電流検出用抵抗器31は、第1端部と第2端部との間において、ソレノイドコイル4を流れる電流の大きさに応じた電圧(以下、「検出電圧」という。)が発生する。
【0047】
第1スイッチ32は、ソレノイドコイル4の第2端部と、GNDとの間に接続されている。第1スイッチ32は、第1端子32a及び第2端子32bを備え、第1端子32aと第2端子32bとを電気的に接続するオン状態と、当該接続を解除するオフ状態とを切り替え可能である。第1スイッチ32は、制御部37によって制御される。第1端子32aは、ソレノイドコイル4の第2端部に接続されている。第2端子32bは、制限抵抗器33の第1端部に接続されている。例えば、第1スイッチ32は、トランジスタなどの電気的なスイッチであってもよいし、機械スイッチであってもよい。
【0048】
制限抵抗器33は、第1端部が第1スイッチ32に接続され、第2端部がGNDに接続されている。
【0049】
第2スイッチ34は、ソレノイドコイル4の第1端部と、GNDとの間に接続されている。第2スイッチ34は、第1端子34a及び第2端子34bを備え、第1端子34aと第2端子34bとを電気的に接続するオン状態と、当該接続を解除するオフ状態とを切り替え可能である。第2スイッチ34は、制御部37によって制御される。第1端子34aは、抵抗器36を介してソレノイドコイル4の第1端部に接続されている。第2端子34bは、制限抵抗器35の第1端部に接続されている。第2スイッチ34は、例えば、トランジスタなどの電気的なスイッチであってもよいし、機械スイッチであってもよい。第2スイッチ34は、ブートストラップコンデンサ41を充電させるためのスイッチである。
【0050】
制限抵抗器35は、第1端部が第2スイッチ34に接続され、第2端部がGNDに接続されている。
抵抗器36は、第1端部がブートストラップコンデンサ41の第2端部及び第2スイッチ34の第1端子34aに接続され、第2端部がソレノイドコイル4の第1端部に接続されている。
【0051】
制御部37は、上位制御系から入力される指令信号に基づいて、昇圧回路20、切替部24、第1スイッチング素子25~第4スイッチング素子28、第1スイッチ32及び第2スイッチ34を制御する。例えば、制御部37は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどの集積回路(IC:Integrated Circuit)により構成されている。以下において、制御部37の機能部について説明する。
【0052】
制御部37は、昇圧制御部50、切替制御部51、駆動制御部52、電流検出部53、開弁検出部54、制限抵抗器55及び異常検出部56を備える。
【0053】
昇圧制御部50は、昇圧回路20の動作を制御するための昇圧制御信号(PWM信号)を生成して昇圧回路20に出力する。これにより、昇圧回路20は、昇圧電圧Vsを生成する。
【0054】
切替制御部51は、切替部24の切り替え動作を制御する。例えば、切替制御部51は、バッテリ電圧Vbが所定値Vthを下回った場合には、切替部24を制御して、ブートストラップ回路23に対する充電経路を第1充電経路から第2充電経路に切り替えさせる。例えば、切替制御部51は、バッテリ電圧Vbが所定値Vth以上である場合には、切替部24を第1状態に制御することでブートストラップ回路23に対する充電経路を第1充電経路に制御する。切替制御部51は、バッテリ電圧Vbが所定値Vthを下回った場合のみ切替部24を第2状態に制御することで前記充電経路を第2充電経路に制御する。例えば、所定値Vthは、バッテリBTの電圧が十分であるかを判定する閾値であり、予め設定されている。バッテリBTの電圧が十分であるとは、例えば、第1電圧生成部21で第1電圧V1を生成できるのに十分な電圧であることである。例えば、所定値Vthは、第1電圧V1に対して、第1電圧生成部21で降圧する分の電圧を加算した電圧よりも高い電圧値である。
【0055】
駆動制御部52は、充電制御部60、通電制御部61及び回生制御部62を備える。
【0056】
充電制御部60は、第2スイッチ34をオン状態又はオフ状態に制御する。充電制御部60は、第2スイッチ34をオン状態に制御することで、ブートストラップコンデンサ41に充電させる。これによって、ブートストラップ回路23は、ブート電圧Vbootを生成する。例えば、充電制御部60は、車両に搭載された内燃機関に燃料を噴射する前において、第2スイッチ34を一定周期T1ごとにオン状態に制御することで、ブートストラップコンデンサ41に間欠的に充電させる間欠充電を実行する。
【0057】
通電制御部61は、第1スイッチング素子25をオン状態又はオフ状態に制御する。具体的には、通電制御部61は、第1スイッチング素子25を制御するための第1ゲート信号を生成し、当該第1ゲート信号を第1スイッチング素子25のゲートに出力する。これにより、第1スイッチング素子25は、オン状態となる。
【0058】
通電制御部61は、第2スイッチング素子26をオン状態又はオフ状態に制御する。具体的には、通電制御部61は、第2スイッチング素子26を制御するための第2ゲート信号を生成し、当該第2ゲート信号を、第2スイッチング素子26のゲートに出力する。これにより、第2スイッチング素子26は、オン状態となる。
【0059】
通電制御部61は、第3スイッチング素子27をオン状態又はオフ状態に制御する。具体的には、通電制御部61は、第3スイッチング素子27を制御するための第3ゲート信号を生成し、当該第3ゲート信号を第3スイッチング素子27のゲートに出力する。これにより、第3スイッチング素子27は、オン状態となる。
【0060】
回生制御部62は、第4スイッチング素子28をオン状態又はオフ状態に制御する。具体的には、回生制御部62は、第4スイッチング素子28を制御するための第4ゲート信号を生成し、当該第4ゲート信号を第4スイッチング素子28のゲートに出力する。これにより、第4スイッチング素子28は、オン状態となる。
【0061】
異常制御部63は、第4スイッチング素子28の異常の有無を検出する異常検出モードにおいて、第4スイッチング素子28及び第1スイッチ32をともにオン状態に制御する。異常検出モードは、燃料噴射弁Lを開弁させる前の所定期間において実行される。例えば、前記所定期間は、車両のイグニッションスイッチがオン状態に操作されてから、燃料噴射弁Lを開弁させるためにソレノイドコイル4に対して通電を開始する前までの期間の任意の期間である。前記異常とは、例えば、第4スイッチング素子28のドレインとソレノイドコイル4の第1端部とを接続する配線が断線することによって、当該ドレインがオープンになってしまう場合である。
【0062】
電圧検出部64は、異常検出モードにおいて、ソレノイドコイル4の第1端部の電圧である電圧Vfbhを検出する。具体的には、電圧検出部64は、第4スイッチング素子28及び第1スイッチ32がともにオン状態である場合において、電圧Vfbhを検出する。ただし、電圧検出部64は、第2スイッチ34がオン状態である場合には、電圧Vfbhを検出しない。すなわち、本実施形態の電圧検出部64は、第2スイッチ34がオフ状態であって、且つ、第4スイッチング素子28及び第1スイッチ32がともにオン状態である場合において、電圧Vfbhを検出する。
【0063】
電流検出部53は、一対の入力端子を備え、一方の入力端子が電流検出用抵抗器31の一端に接続され、他方の入力端子が電流検出用抵抗器31の他端に接続されている。電流検出部53は、電流検出用抵抗器31で発生した検出電圧が入力され、この検出電圧に基づいて検出電流を検出する。電流検出部53は、検出した検出電流を開弁検出部54及び駆動制御部52に出力する。
【0064】
開弁検出部54は、電流検出部53から入力される検出電流に基づいて、燃料噴射弁Lの開弁を検出する。具体的には、開弁検出部54は、電流検出部53で検出された検出電流の1階微分値又は2階微分値における変曲点を特定することにより、燃料噴射弁Lが開弁したことを検出する。
【0065】
制限抵抗器55は、バッテリBTと第2スイッチ34との間に設けられている。制限抵抗器55は、第1端部がバッテリBTの出力端子に接続され、第2端部が第2スイッチ34の第1端子34aに接続されている。
【0066】
異常検出部56は、異常検出モードにおいて電圧検出部64が検出した電圧Vfbhに基づいて、第4スイッチング素子28の異常を検出する。異常検出部56は、駆動制御部52が第4スイッチング素子28をオン状態に制御した場合において電圧検出部64が検出した電圧Vfbhに基づいて、第4スイッチング素子28の異常を検出する。
【0067】
次に、本実施形態に係る電磁弁駆動装置1の異常検知モードの動作について
図3~
図6を用いて説明する。
燃料噴射弁Lを開弁させる前の第1期間T1において、制御部37は、異常検出モードに移行して、第4スイッチング素子28の異常の有無を一回以上判定する。例えば、制御部37に含まれているMCUは、イグニッションスイッチがオン状態に操作されると、第1期間T1において、イニシャル処理を実行する。制御部37は、このイニシャル処理が行われている期間において、異常検出モードに移行して、第4スイッチング素子28の異常の有無を判定する。
【0068】
制御部37は、異常検出モードに移行すると、第4スイッチング素子28及び第1スイッチ32をともにオン状態に制御し、ソレノイドコイル4の第1端部の電圧である電圧Vfbhを検出する。
【0069】
第4スイッチング素子28に異常が発生していない場合において、第4スイッチング素子28がオフ状態であり、第1スイッチ32がオン状態である場合には、バッテリBTからの電流は、抵抗器36、ソレノイドコイル4、第1スイッチ32を経由してGNDに流れる経路100を流れる(
図3)。このとき、抵抗分圧により、電圧VfbhがVb/2になるように、制限抵抗器55、抵抗器36及び制限抵抗器33の各抵抗値が調整されている。ここで、第4スイッチング素子28がオン状態に制御されると、バッテリBTからの電流は、抵抗器36、第4スイッチング素子28を経由してGNDに流れる経路200を通る(
図4)。したがって、電圧Vfbhは基準電位(例えば、0V)まで低下する。すなわち、第4スイッチング素子28に異常が発生していない場合において、第4スイッチング素子28及び第1スイッチ32がオン状態に制御されると、電圧Vfbhは基準電位(例えば、0V)となる。
【0070】
一方、
図5に示すうように、×で示す位置が断線する異常が発生した場合には、第4スイッチング素子28のドレインがオープンとなる。この場合において、第4スイッチング素子28及び第1スイッチ32がオン状態に制御されると、バッテリBTからの電流は、
図3と同様に、経路100を流れる。したがって、電圧VfbhはVb/2となる。
【0071】
そこで、制御部37は、異常検出モードで検出した電圧Vfbhが基準電位である場合には第4スイッチング素子28が正常であると判定し、電圧VfbhがVb/2である場合には第4スイッチング素子28が異常であると判定する。例えば、制御部37は、異常検出モードで検出した電圧Vfbhが所定値以上である場合には第4スイッチング素子28の異常を検出する。この所定値は、0VとVb/2との間の値である。
【0072】
このように、第4スイッチング素子28がオン状態である場合とオフ状態である場合とで電圧Vfbhに電位差が生じることから、制御部37は、この電位差を利用して第4スイッチング素子28の異常の有無を判定する。
【0073】
ここで、制御部37は、第1期間T1において、ブートストラップコンデンサ41を間欠充電する場合がある(
図6)。具体的には、制御部37は、第1期間T1において、第2スイッチ34を間欠的にオン状態に制御することで、ブートストラップコンデンサ41に間欠的に充電させる。これによって、ブートストラップ回路23は、ブート電圧Vbootを生成する。ただし、第2スイッチ34がオン状態である場合には、第4スイッチング素子28がオン状態か否かにかかわらず、電圧Vfbhが基準電位又は基準電位に近い値まで低下する。このため、このときの電圧Vfbhを第4スイッチング素子28の異常判定に用いると、誤判定を招く恐れがある。そのため、制御部37は、第2スイッチ34がオン状態でない期間Txの少なくとも1つ以上の期間において、電圧Vfbhを検出する。これにより、制御部37は、第1期間T1において、ブートストラップ回路23によるブート電圧Vbootの生成と、第4スイッチング素子28の異常判定とを行うことができる。なお、
図6に示す第1期間T1における電圧Vfbhの波形は、第4スイッチング素子28が正常の場合であって、異常検知モードを実施していない場合(第4スイッチング素子28をオン状態に制御していない場合)の波形である。
【0074】
電磁弁駆動装置1で燃料噴射弁Lを閉弁状態から開弁状態に駆動する場合には、制御部37は、異常検出モードを脱出して、
図6に示すように、駆動開始時の第2期間T2において昇圧回路20が生成する昇圧電圧Vsを燃料噴射弁Lに供給する。ただし、異常検出モードで第4スイッチング素子28に異常があると判定した場合には、燃料噴射弁Lを開弁状態に駆動せずに、システムを停止させる。すなわち、制御部37は、昇圧電圧Vsを燃料噴射弁Lに供給せず、燃料の噴射を停止する。
【0075】
例えば、第2期間T2は、ソレノイドコイル4に昇圧電圧Vsが供給されてから、ソレノイドコイル4に流れる電流が予め設定された閾値を超えるまでの期間である。
【0076】
この第2期間T2では、通電制御部61は、第1ゲート信号を第1スイッチング素子25のゲートに出力することによって昇圧電圧Vsをソレノイドコイル4の第1端部に供給すると共に、第3スイッチング素子27に第3ゲート信号を出力することによって、ソレノイドコイル4の第2端部を、電流検出用抵抗器31を介してGND(基準電位)に接続させる。
【0077】
この結果、第2期間T2では、
図6に示すように比較的高い昇圧電圧Vsがソレノイドコイル4に供給され、ピーク状の立ち上がり駆動電流がソレノイドコイル4に流れる。このような駆動電流は、固定コア2及び可動コア10を含む磁路を形成し、この磁路により発生する吸引力によって可動コア10を固定コア2側(上方)に移動させる。すなわち、ニードル5は、駆動電流に起因する吸引力によって上方に移動し、以って弁体6が弁座3から離間する。
【0078】
ここで、第2期間T2において、バッテリ電圧Vbよりも高い電圧の昇圧電圧Vsを用いるのは、駆動電流の立ち上がりを高速化させて燃料噴射弁Lの開弁動作を高速化するためである。すなわち、第2期間T2では、前記駆動電流によって燃料噴射弁Lの開弁速度がバッテリ電圧を用いた場合よりも高速化される。
【0079】
第2期間T2が経過すると、通電制御部61は、第1ゲート信号の出力を停止させて、ソレノイドコイル4に対する昇圧電圧Vsの供給を停止する。この場合には、第1スイッチング素子25、第2スイッチング素子26、及び第4スイッチング素子28はオフ状態であり、第3スイッチング素子27はオン状態である。
【0080】
回生制御部62は、通電制御部61によりソレノイドコイル4に対する昇圧電圧Vsの供給が停止されると、第4ゲート信号を第4スイッチング素子28のゲートに出力することにより、ソレノイドコイル4の逆起電力に起因する電流(以下、「回生電流」という。)をGNDに回生させる。
【0081】
具体的には、回生制御部62が第4スイッチング素子28をオン状態に制御すると、ソレノイドコイル4の逆起電力により発生した回生電流は、ソレノイドコイル4から、第3スイッチング素子27、電流検出用抵抗器31、GND、第4スイッチング素子28を経由してソレノイドコイル4に還流する。
ここで、第4スイッチング素子28に異常があると、ソレノイドコイル4に回生電流を還流させる経路が無くなる。これにより、ソレノイドコイル4に逆起電圧が発生した場合には、制御部37からソレノイドコイル4にむけて規定値を超える電流が流れてしまう可能性がある。本実施形態では、制御部37は、ソレノイドコイル4の第1端部の電圧である電圧Vfbhに基づいて、第4スイッチング素子28の異常を判定する。これにより、第4スイッチング素子28の異常を検出することができ、制御部37からソレノイドコイル4にむけて規定値を超える電流が流れてしまうことを抑制可能である。
【0082】
第4スイッチング素子28が正常である場合には、回生電流が流れることによってソレノイドコイル4の起電圧が時間の経過とともに徐々に低下する。そして、ソレノイドコイル4に流れる電流は、この起電圧の低下を主因として徐々に減衰するが、可動コア10は固定コア2側への移動を継続し、最終的に固定コア2に衝突する。
【0083】
開弁検出部54が燃料噴射弁Lの開弁を検出すると、通電制御部61は、昇圧電圧Vsよりも低いバッテリ電圧Vbをソレノイドコイル4に出力させる。例えば、通電制御部61は、第2ゲート信号を第2スイッチング素子26に出力することによってバッテリ電圧Vbをソレノイドコイル4の第1端部に供給すると共に、第3スイッチング素子27に第3ゲート信号を出力する。
【0084】
このように、開弁検出部54が燃料噴射弁Lの開弁を検出すると、通電制御部61は、燃料噴射弁Lの開弁状態を保持するために昇圧電圧よりも低いバッテリ電圧Vbをソレノイドコイル4に出力させる。このとき、第1スイッチング素子25及び第4スイッチング素子28はオフ状態であり、第2スイッチング素子26及び第3スイッチング素子27はオン状態である。
【0085】
ここで、通電制御部61は、電流検出部53が検出した検出電流の大きさに基づいて燃料噴射弁Lの開弁状態を保持するための保持電流が所定の目標値を維持するようにフィードバック制御する。これは、第2ゲート信号を適宜第2スイッチング素子26に供給することで行われるが、PWM信号を用いることもできる。PWM信号による場合は、所定のデューティ比のPWM信号を第2ゲート信号として第2スイッチング素子26に供給する。そのため、バッテリ電圧Vbはソレノイドコイル4に対して断続的に供給される。
【0086】
前記デューティ比は電流検出部53が検出した検出電流の大きさに基づいて設定される。すなわち、通電制御部61は、電流検出部53が検出した検出電流の大きさに基づいてPWM信号のデューティ比を設定することにより燃料噴射弁Lの開弁状態を保持するための保持電流が所定の目標値を維持するようにフィードバック制御する。この結果、燃料噴射弁Lの開弁状態が保持される。また、前記デューティ比を2段階に変更することによって、駆動電流を段階的に変化させてもよい。
【0087】
以上、説明したように、制御部37は、ソレノイドコイル4の第1端部の電圧である電圧Vfbhに基づいて、回生用スイッチング素子である第4スイッチング素子28の異常を検出する。この構成により、同期スイッチング素子の異常を検出することができ、同期スイッチング素子に異常が発生した場合に、制御部37の内部において規定値を超える電流が流れることを抑制することができる。
【0088】
上記制御部37は、燃料噴射弁Lを駆動する前において、電圧検出部が検出した電圧Vfbhが所定値以上である場合には第4スイッチング素子28の異常を検出したが、これに限定されない。例えば、制御部37は、燃料噴射弁Lを駆動している場合においても、定期的に異常検出モードに移行し、第4スイッチング素子28の異常を検出してもよい。この場合において、制御部37は、第4スイッチング素子28の異常を検出した場合には、即座に、燃料噴射弁Lの駆動を停止して、燃料の噴射を停止させてもよい。
【0089】
なお、上述した制御部37の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、上記コンピュータは、CPU、GPUなどのプロセッサ及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えてもよい。そして、上記制御部37の全部または一部の機能をコンピュータで実現するためのプログラムを上記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムを上記プロセッサに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。ここで、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 電磁弁駆動装置
23 ブートストラップ回路
25 第1スイッチング素子
26 第2スイッチング素子
27 第3スイッチング素子
28 第4スイッチング素子
32 第1スイッチ
34 第2スイッチ
37 制御部
63 異常制御部
64 電圧検出部