(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】セグメント連結継手
(51)【国際特許分類】
E21D 11/04 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
E21D11/04 A
(21)【出願番号】P 2020213789
(22)【出願日】2020-12-23
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅義
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勇希
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-320807(JP,A)
【文献】特開2001-152792(JP,A)
【文献】特開2020-090778(JP,A)
【文献】特開2019-143461(JP,A)
【文献】特開2005-213948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
継手部と、前記継手部に接続されているアンカー部とを含む継手本体と、
アンカー筋と、
接着部材とを備え、
前記アンカー部には、孔が設けられており、
前記アンカー部は、前記孔を規定する内周面を含み、前記内周面は、前記継手部の方を向く第1面と、前記第1面に対向する第2面とを含み、
前記第1面は、前記アンカー筋に沿って延在しており、
前記第2面は、前記アンカー筋に沿う形状を有しておらず、
前記アンカー筋は、前記孔に挿入されており、かつ、前記第1面に接触しており、
前記接着部材は、樹脂接着剤またはモルタルであり、
前記接着部材は、前記孔に設けられており、かつ、前記アンカー筋を前記アンカー部に接着している、セグメント連結継手。
【請求項2】
前記第1面は、前記アンカー筋に接触している複数の突部を含み、
前記複数の突部のうちの少なくとも二つは、前記孔の長手方向における前記第1面の両端に設けられている、請求項
1に記載のセグメント連結継手。
【請求項3】
前記継手本体には貫通孔が設けられており、前記貫通孔は、
前記接着部材の注入孔であり、かつ、前記孔に連通するとともに前記継手本体の表面まで延在している、請求項1または請求項2に記載のセグメント連結継手。
【請求項4】
前記継手本体上に設けられている緩衝シートをさらに備える、請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のセグメント連結継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セグメント連結継手に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2005-320807号公報(特許文献1)は、トンネルを構成するコンクリート製のセグメントを互いに接合するために用いられる継手金具を開示している。継手金具は、金具本体と、アンカー筋とを備える。金具本体は、ダクタイル鋳鉄製である。金具本体は、鉄筋連結部と、接合部とを含む。接合部には、連結孔が形成されている。アンカー筋は、連結孔に挿入されている。アンカー筋の屈曲部は、金具本体に溶接されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、継手本体にアンカー筋がより強固に固定されるセグメント連結継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のセグメント連結継手は、継手本体と、アンカー筋と、接着部材とを備える。継手本体は、継手部と、継手部に接続されているアンカー部とを含む。アンカー部には、孔が設けられている。アンカー部は、孔を規定する内周面を含む。内周面は、継手部の方を向く第1面と、第1面に対向する第2面とを含む。アンカー筋は、孔に挿入されており、かつ、第1面に接触している。接着部材は、孔に設けられており、かつ、アンカー筋をアンカー部に接着している。
【発明の効果】
【0006】
本開示のセグメント連結継手によれば、アンカー筋は継手本体により強固に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1のセグメント連結継手の使用例を示す概略部分拡大平面図である。
【
図2】実施の形態1のセグメント連結継手の使用例を示す概略部分拡大断面図である。
【
図3】実施の形態1のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図4】実施の形態1のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図5】実施の形態1のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図3に示される断面線V-Vにおける概略部分拡大断面図である。
【
図6】実施の形態1のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図7】実施の形態1のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図8】実施の形態1のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図7に示される矢印VIII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図9】実施の形態1のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図6に示される断面線IX-IXにおける概略部分拡大断面図である。
【
図10】実施の形態1のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の製造方法の一工程を示す概略平面図である。
【
図11】実施の形態1のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の製造方法の、
図10に示される工程の次工程を示す概略平面図である。
【
図12】実施の形態1の第1変形例のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図13】実施の形態1の第2変形例のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図14】実施の形態1の変形例のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図15】実施の形態2のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図16】実施の形態2のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図17】実施の形態2のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図16に示される断面線XVII-XVIIにおける概略部分拡大断面図である。
【
図18】実施の形態2のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図19】実施の形態2のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図20】実施の形態2のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図19に示される断面線XX-XXにおける概略部分拡大断面図である。
【
図21】実施の形態3のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図22】実施の形態3のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図23】実施の形態3のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図21に示される矢印XXIII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図24】実施の形態3のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図21に示される断面線XXIV-XXIVにおける概略部分拡大断面図である。
【
図25】実施の形態3のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図21に示される断面線XXV-XXVにおける概略部分拡大断面図である。
【
図26】実施の形態3のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図27】実施の形態3のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図28】実施の形態3のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図26に示される矢印XXVIII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図29】実施の形態3のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図26に示される断面線XXIX-XXIXにおける概略部分拡大断面図である。
【
図30】実施の形態3のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図26に示される断面線XXX-XXXにおける概略部分拡大断面図である。
【
図31】実施の形態4のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図32】実施の形態4のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図31に示される矢印XXXII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図33】実施の形態4のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図34】実施の形態4のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図33に示される矢印XXXIV方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図35】実施の形態5のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図36】実施の形態5のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図37】実施の形態5のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図36に示される矢印XXXVII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図38】実施の形態5のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図36に示される断面線XXXVIII-XXXVIIIにおける概略部分拡大断面図である。
【
図39】実施の形態5のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図36に示される断面線XXXIX-XXXIXにおける概略部分拡大断面図である。
【
図40】実施の形態5のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大正面図である。
【
図41】実施の形態5のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図42】実施の形態5のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図41に示される矢印XLII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図43】実施の形態5のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図43に示される断面線XLIII-XLIIIにおける概略部分拡大断面図である。
【
図44】実施の形態5のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図43に示される断面線XLIV-XLIVにおける概略部分拡大断面図である。
【
図45】実施の形態6のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図46】実施の形態6のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手)の、
図45に示される矢印XLVI方向から見た概略部分拡大側面図である。
【
図47】実施の形態6のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の概略部分拡大平面図である。
【
図48】実施の形態6のセグメント連結継手(雄型セグメント連結継手)の、
図47に示される矢印XLVIII方向から見た概略部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0009】
(実施の形態1)
図1から
図9を参照して、実施の形態1のセグメント連結継手を説明する。
【0010】
図1及び
図2を参照して、シールド工法によってトンネルを作る場合、複数のセグメント1,5を連結することによって、トンネルの壁を構築する。
【0011】
セグメント1は、セグメント本体2と、雌型セグメント連結継手3とを含む。セグメント本体2は、例えば、主に鉄筋コンクリートで形成されており、セグメント1は、例えば、RCセグメントである。セグメント本体2は、連結面4を含む。雌型セグメント連結継手3は、セグメント本体2の連結面4から露出している。セグメント5は、セグメント本体6と、雄型セグメント連結継手7とを含む。セグメント本体6は、例えば、主に鉄筋コンクリートで形成されており、セグメント5は、例えば、RCセグメントである。セグメント本体6は、連結面8を含む。雄型セグメント連結継手7は、セグメント本体6の連結面8から露出している。セグメント1,5は、セグメント本体2の連結面4とセグメント本体6の連結面8とを互いに対向させながら、雌型セグメント連結継手3及び雄型セグメント連結継手7によって互いに連結される。
【0012】
図3から
図5を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3を説明する。雌型セグメント連結継手3は、継手本体10と、アンカー筋37と、接着部材35とを備える。雌型セグメント連結継手3は、緩衝シート39をさらに備えてもよい。
【0013】
継手本体10は、例えば、ダクタイル鋳鉄のような鋳鉄で形成されている。継手本体10は、継手部11と、アンカー部20とを含む。
【0014】
継手部11には、雄型セグメント連結継手7の挿入部42(
図6及び
図7を参照)を受容する受容孔12が設けられている。
【0015】
継手部11には、受容孔12に連通するスリット13が設けられている。スリット13の長手方向は、受容孔12の長手方向である。雄型セグメント連結継手7の挿入部42を受容孔12に挿入する際に、雄型セグメント連結継手7の連結部43(
図6及び
図7を参照)は、スリット13に挿入されて、スリット13を貫通する。スリット13の幅は、連結部43の厚さより大きいが、挿入部42(
図6を参照)の厚さより小さい。スリット13の幅は、スリット13の短手方向におけるスリット13の長さである。挿入部42の厚さは、挿入部42の短手方向における挿入部42の長さである。連結部43の厚さは、挿入部42の短手方向における連結部43の長さである。挿入部42の短手方向は、スリット13の短手方向である。
【0016】
継手部11は、壁14を含む。壁14は、受容孔12の一方端とスリット13の一方端とを閉塞する。壁14は、セグメント1を製造する際に、セグメント本体2に含まれるコンクリートが受容孔12に流入することを防ぐ。また、壁14を形成することによって、継手部11の強度を高めることができる。
【0017】
アンカー部20は、継手部11に接続されている。継手部11とアンカー部20とは、一体化されてもよいし、互いに別部品であってもよい。
図1及び
図2に示されるように、アンカー部20は、セグメント本体2に埋め込まれている。
【0018】
アンカー部20は、継手部11(受容孔12)から最も遠位する外表面20aと、外表面20aに接続されている外表面20bと、外表面20cと、外表面20dと、外表面20eとを含む。外表面20cは、外表面20aに接続されており、かつ、外表面20bに対向している。外表面20dは、外表面20aと外表面20bと外表面20cとに接続されている。外表面20eは、外表面20aと外表面20bと外表面20cとに接続されており、かつ、外表面20dに対向している。外表面20aと外表面20dと外表面20eとは、各々、受容孔12の長手方向に沿って延在している。
【0019】
アンカー部20には、孔21が設けられている。孔21は、貫通孔であり、外表面20bから外表面20cまで延在している。アンカー部20は、孔21を規定する内周面22を含む。内周面22は、継手部11の方を向く第1面22aと、第1面22aに対向する第2面22bとを含む。第1面22aは、内周面22のうち、継手部11から遠位する面である。第2面22bは、継手部11とは反対方向を向いている。第2面22bは、内周面22のうち、継手部11に近位する面である。
【0020】
第1面22aは、アンカー筋37に沿って延在してもよい。例えば、アンカー筋37の中間部に屈曲部が形成されている場合、第1面22aは、アンカー筋37の屈曲部に沿って湾曲してもよい。
【0021】
第1面22aは、複数の突部24を含んでもよい。複数の突部24は、アンカー筋37の長手方向に沿って配置されている。複数の突部24のうちの少なくとも二つは、孔21の長手方向における第1面22aの両端に設けられてもよい。第1面22aの両端に設けられている複数の突部24のうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋37及び接着部材35に対してアンカーとして機能する。複数の突部24のうちの少なくとも一つは、第1面22aの両端を除く第1面22aの中間部(例えば、孔21の長手方向における第1面22aの中央部)に設けられてもよい。第1面22aの中間部に設けられている複数の突部24のうちの少なくとも一つは、接着部材35に食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋37及び接着部材35に対してアンカーとして機能してもよい。
【0022】
第2面22bは、アンカー筋37に沿う形状を有していなくてもよい。例えば、アンカー筋37の中間部に屈曲部が形成されている場合、第2面22bは平面であってもよい。
【0023】
第2面22bは、複数の突部25を含んでもよい。複数の突部25のうちの少なくとも二つは、孔21の長手方向における第2面22bの両端に設けられてもよい。第2面22bの両端に設けられている複数の突部25のうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋37及び接着部材35に対してアンカーとして機能する。複数の突部25のうちの少なくとも一つは、第2面22bの両端を除く第2面22bの中間部(例えば、孔21の長手方向における第2面22bの中央部)に設けられてもよい。第2面22bの中間部に設けられている複数の突部25のうちの少なくとも一つは、接着部材35に食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋37及び接着部材35に対してアンカーとして機能してもよい。複数の突部25は、アンカー筋37から離間されてもよい。
【0024】
アンカー筋37は、一例として、異形鉄筋である。
図1及び
図2に示されるように、アンカー筋37は、セグメント本体2に埋め込まれる。そして、後述するように、アンカー筋37は、接着部材35を用いて、継手本体10に強固に固定されている。そのため、継手本体10は、セグメント本体2に強固に固定される。
図3から
図5を参照して、アンカー筋37の長手方向におけるアンカー筋37の中間部に屈曲部が形成されてもよい。アンカー筋37は、U字の形状を有してもよい。アンカー筋37は、孔21に挿入されている。特定的には、アンカー筋37の屈曲部が、孔21に挿入されている。
【0025】
アンカー筋37は、第1面22aに接触している。そのため、雄型セグメント連結継手7が雌型セグメント連結継手3に連結されている場合に、雄型セグメント連結継手7に向けた引張応力が雌型セグメント連結継手3に印加されても、アンカー筋37は、雌型セグメント連結継手3がセグメント本体2に対して動くことを防止する。例えば、アンカー筋37は、孔21の長手方向における第1面22aの両端において第1面22aに接触してもよい。アンカー筋37は、第1面22aの両端を除く第1面22aの中間部(例えば、孔21の長手方向における第1面22aの中央部)においてさらに第1面22aに接触してもよい。アンカー筋37は、複数の突部24に接触してもよい。
【0026】
アンカー筋37は、第2面22bから離間されてもよい。アンカー筋37は、複数の突部25から離間されてもよい。そのため、アンカー筋37の中間部に屈曲部が形成されていても、アンカー筋37の屈曲部は孔21に容易に挿入され得る。
【0027】
継手本体10には、貫通孔30が設けられている。貫通孔30は、孔21に連通するとともに、継手本体10の表面まで延在している。特定的には、貫通孔30は、孔21の長手方向における孔21の中央部において孔21に連通している。貫通孔30は、受容孔12を規定する内周面まで延在しており、受容孔12に連通している。貫通孔30は、接着部材35を孔21に供給する際に、接着部材35の注入孔として機能する。なお、貫通孔30が設けられる位置は、本実施の形態に限られるものではない。
【0028】
接着部材35は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂接着剤、または、モルタルである。接着部材35は、孔21に設けられている。接着部材35は、孔21の少なくとも一部に充填されている。接着部材35は、孔21の体積の50%以上に充填されてもよい。接着部材35は、孔21の体積の80%以上に充填されてもよいし、孔21の全てに充填されてもよい。接着部材35は、アンカー筋37をアンカー部20に接着する。接着部材35は、アンカー筋37に接着されて、アンカー筋37と一体化される。接着部材35は、貫通孔30の少なくとも一部にさらに設けられてもよい。
【0029】
緩衝シート39は、例えば、発泡ポリエチレンシートまたは発泡ゴムシートのような弾力を有するシートである。緩衝シート39は、継手本体10上に設けられている。緩衝シート39は、例えば、継手部11上とアンカー部20上とに貼り付けられている。
図2を参照して、緩衝シート39は、セグメント本体2と継手本体10との間に配置される。雄型セグメント連結継手7が雌型セグメント連結継手3に連結されている時に、雄型セグメント連結継手7に向けた非常に大きな引張応力が雌型セグメント連結継手3に印加されることがある。このような場合であっても、緩衝シート39は、雌型セグメント連結継手3がセグメント本体2に対してわずかに動くことを許容して、セグメント本体2が割れることを防止する。
【0030】
図6から
図9を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雄型セグメント連結継手7を説明する。雄型セグメント連結継手7は、継手本体40と、アンカー筋62と、接着部材60とを備える。雄型セグメント連結継手7は、緩衝シート64をさらに備えてもよい。
【0031】
継手本体40は、例えば、ダクタイル鋳鉄のような鋳鉄で形成されている。継手本体40は、継手部41と、アンカー部45とを含む。
【0032】
継手部41は、挿入部42と、連結部43とを含む。雄型セグメント連結継手7を雌型セグメント連結継手3に連結する際に、挿入部42は、雌型セグメント連結継手3に設けられている受容孔12に挿入される。連結部43は、挿入部42をアンカー部45に接続する。連結部43は、挿入部42より薄い。雄型セグメント連結継手7を雌型セグメント連結継手3に連結する際に、連結部43は、雌型セグメント連結継手3に設けられているスリット13に挿入されて、スリット13を貫通する。
【0033】
アンカー部45は、継手部41に接続されている。継手部41とアンカー部45とは、一体化されてもよいし、互いに別部品であってもよい。特定的には、アンカー部45は、連結部43に接続されている。
図1及び
図2に示されるように、アンカー部45は、セグメント本体6に埋め込まれている。
【0034】
アンカー部45は、継手部41(挿入部42)から最も遠位する外表面45aと、外表面45aに接続されている外表面45bと、外表面45cと、外表面45dと、外表面45eとを含む。外表面45cは、外表面45aに接続されており、かつ、外表面45bに対向している。外表面45dは、外表面45aと外表面45bと外表面45cとに接続されている。外表面45eは、外表面45aと外表面45bと外表面45cとに接続されており、かつ、外表面45dに対向している。外表面45aと外表面45dと外表面45eとは、各々、挿入部42の長手方向に沿って延在している。
【0035】
アンカー部45には、孔46が設けられている。孔46は、貫通孔であり、外表面45bから外表面45cまで延在している。アンカー部45は、孔46を規定する内周面47を含む。内周面47は、継手部41の方を向く第1面47aと、第1面47aに対向する第2面47bとを含む。第1面47aは、内周面47のうち、継手部41から遠位する面である。第2面47bは、継手部41とは反対方向を向いている。第2面47bは、内周面47のうち、継手部41に近位する面である。
【0036】
第1面47aは、アンカー筋62に沿って延在してもよい。例えば、アンカー筋62の中間部に屈曲部が形成されている場合、第1面47aは、アンカー筋62の屈曲部に沿って湾曲してもよい。
【0037】
第1面47aは、複数の突部49を含んでもよい。複数の突部49は、アンカー筋62の長手方向に沿って配置されている。複数の突部49のうちの少なくとも二つは、孔46の長手方向における第1面47aの両端に設けられてもよい。第1面47aの両端に設けられている複数の突部49のうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋62及び接着部材60に対してアンカーとして機能する。複数の突部49のうちの少なくとも一つは、第1面47aの両端を除く第1面47aの中間部(例えば、孔46の長手方向における第1面47aの中央部)に設けられてもよい。第1面47aの中間部に設けられている複数の突部49のうちの少なくとも一つは、接着部材60に食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋62及び接着部材60に対してアンカーとして機能してもよい。
【0038】
第2面47bは、アンカー筋62に沿う形状を有していなくてもよい。例えば、アンカー筋62の中間部に屈曲部が形成されている場合、第2面47bは平面であってもよい。
【0039】
第2面47bは、複数の突部50を含んでもよい。複数の突部50のうちの少なくとも二つは、孔46の長手方向における第2面47bの両端に設けられてもよい。第2面47bの両端に設けられている複数の突部50のうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋62及び接着部材60に対してアンカーとして機能する。複数の突部50のうちの少なくとも一つは、第2面47bの両端を除く第2面47bの中間部(例えば、孔46の長手方向における第2面47bの中央部)に設けられてもよい。第2面47bの中間部に設けられている複数の突部50のうちの少なくとも一つは、接着部材60に食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋62及び接着部材60に対してアンカーとして機能してもよい。複数の突部50は、アンカー筋62から離間されてもよい。
【0040】
アンカー筋62は、一例として、異形鉄筋である。
図1及び
図2に示されるように、アンカー筋62は、セグメント本体6に埋め込まれる。そして、後述するように、アンカー筋62は、接着部材60を用いて、継手本体40に強固に固定されている。そのため、継手本体40は、セグメント本体6に強固に固定される。
図6から
図9を参照して、アンカー筋62の長手方向におけるアンカー筋62の中間部に屈曲部が形成されてもよい。アンカー筋62は、U字の形状を有してもよい。アンカー筋62は、孔46に挿入されている。特定的には、アンカー筋62の屈曲部が、孔46に挿入されている。
【0041】
アンカー筋62は、第1面47aに接触している。雄型セグメント連結継手7が雌型セグメント連結継手3に連結されている場合に、雌型セグメント連結継手3に向けた引張応力が雄型セグメント連結継手7に印加されても、アンカー筋62は、雄型セグメント連結継手7がセグメント本体6に対して動くことを防止する。例えば、アンカー筋62は、孔46の長手方向における第1面47aの両端において第1面47aに接触してもよい。アンカー筋62は、第1面47aの両端を除く第1面47aの中間部(例えば、孔46の長手方向における第1面47aの中央部)においてさらに第1面47aに接触してもよい。アンカー筋62は、複数の突部49に接触してもよい。
【0042】
アンカー筋62は、第2面47bから離間されてもよい。アンカー筋62は、複数の突部50から離間されてもよい。そのため、アンカー筋62の中間部に屈曲部が形成されていても、アンカー筋62の屈曲部は孔46に容易に挿入され得る。
【0043】
継手本体40には、貫通孔55が設けられている。貫通孔55は、孔46に連通するとともに、継手本体40の表面まで延在している。特定的には、貫通孔55は、孔46の長手方向における孔46の中央部において孔46に連通している。貫通孔55は、アンカー部45の外表面45aまで延在している。貫通孔55は、接着部材60を孔46に供給する際に、接着部材60の注入孔として機能する。なお、貫通孔55が設けられる位置は、本実施の形態に限られるものではない。
【0044】
接着部材60は、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂接着剤、または、モルタルである。接着部材60は、孔46に設けられている。接着部材60は、孔46の少なくとも一部に充填されている。接着部材60は、孔46の体積の50%以上に充填されてもよい。接着部材60は、孔46の体積の80%以上に充填されてもよいし、孔46の全てに充填されてもよい。接着部材60は、アンカー筋62をアンカー部45に接着する。接着部材60は、アンカー筋62に接着されて、アンカー筋62と一体化される。接着部材60は、貫通孔55の少なくとも一部にさらに設けられてもよい。
【0045】
緩衝シート64は、例えば、発泡ポリエチレンシートまたは発泡ゴムシートのような弾力を有するシートである。緩衝シート64は、継手本体40上に設けられている。緩衝シート64は、例えば、連結部43上とアンカー部45上とに貼り付けられている。
図2及び
図6を参照して、緩衝シート64のうち挿入部42に近位する端は、連結面8上に位置してもよい。
図2を参照して、緩衝シート64は、セグメント本体6と継手本体40との間に配置される。雄型セグメント連結継手7が雌型セグメント連結継手3に連結されている時に、雌型セグメント連結継手3に向けた非常に大きな引張応力が雄型セグメント連結継手7に印加されることがある。このような場合であっても、緩衝シート64は、雄型セグメント連結継手7がセグメント本体6に対してわずかに動くことを許容して、セグメント本体6が割れることを防止する。
【0046】
図3から
図5、
図10及び
図11を参照して、雌型セグメント連結継手3を例に挙げて、本実施の形態のセグメント連結継手の製造方法を説明する。なお、雄型セグメント連結継手7も同様の製造方法によって製造される。
【0047】
図10を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3)の製造方法は、継手本体10を鋳造することを備える。継手本体10は、例えば、ダクタイル鋳鉄のような鋳鉄で形成されている。継手本体10は、継手部11と、アンカー部20とを含む。アンカー部20には、孔21が設けられている。アンカー部20は、孔21を規定する内周面22を含む。内周面22は、継手部11の方を向く第1面22aと、第1面22aに対向する第2面22bとを含む。第1面22aは、複数の突部24を含んでもよい。第2面22bは、複数の突部25を含んでもよい。
【0048】
継手本体10には、貫通孔30が設けられている。貫通孔30は、孔21に連通するとともに、継手本体10の表面まで延在している。特定的には、貫通孔30は、受容孔12を規定する内周面まで延在しており、受容孔12に連通している。
【0049】
図10を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3)の製造方法は、アンカー部20に設けられている孔21に、アンカー筋37を挿入することを備える。具体的には、アンカー筋37の中間部に屈曲部が形成されている。アンカー筋37の屈曲部を、アンカー部20の孔21に挿入する。アンカー筋37は、第1面22aに接触している。アンカー筋37は、複数の突部24に接触してもよい。アンカー筋37は、第2面22bから離間されてもよい。アンカー筋37は、複数の突部25から離間されてもよい。
【0050】
図11を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3)の製造方法は、孔21に接着部材35を供給することを備える。具体的には、孔21の長手方向の両端における孔21の内周面22とアンカー筋37との間のすき間を、栓65を用いて閉塞する。栓65は、例えば、ゴム栓である。ディスペンサ(図示せず)の注入口を貫通孔30内に配置する。ディスペンサから貫通孔30を通して接着部材35を孔21に供給する。第1面22aの両端に設けられている複数の突部24のうちの少なくとも二つと第2面22bの両端に設けられている複数の突部25のうちの少なくとも二つとは、孔21に注入される接着部材35に対して堰として機能する。接着部材35は、貫通孔30の少なくとも一部にさらに供給されてもよい。それから、接着部材35を硬化させる。こうして、孔21に接着部材35が設けられる。複数の突部24及び複数の突部25は、一体化されたアンカー筋37及び接着部材35に対してアンカーとして機能する。それから、栓65を取り除く。なお、栓65を取り除かなくともよい。
【0051】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3)の製造方法は、緩衝シート39を継手本体10(継手部11)上に設けることを備える。具体的には、緩衝シート39は、例えば、継手部11上とアンカー部20上とに貼り付けられる。こうして、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3(
図3から
図5を参照)が得られる。
【0052】
図12を参照して、本実施の形態の第1変形例の雌型セグメント連結継手3では、貫通孔30は、アンカー部20の外表面20aまで延在してもよい。
図13を参照して、本実施の形態の第2変形例の雌型セグメント連結継手3では、貫通孔30は、アンカー部20の外表面20dまたは外表面20eまで延在してもよい。
図14を参照して、本実施の形態の変形例の雄型セグメント連結継手7では、貫通孔30は、外表面45dまたは外表面45eまで延在してもよい。
【0053】
本実施の形態のセグメント連結継手の効果を説明する。
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)は、継手本体(継手本体10、継手本体40)と、第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)と、第1接着部材(接着部材35、接着部材60)とを備える。継手本体は、継手部(継手部11、継手部41)と、継手部に接続されているアンカー部(アンカー部20、アンカー部45)とを含む。アンカー部には、第1孔(孔21、孔46)が設けられている。アンカー部は、第1孔を規定する第1内周面(内周面22、内周面47)を含む。第1内周面は、継手部の方を向く第1面(第1面22a、第1面47a)と、第1面に対向する第2面(第2面22b、第2面47b)とを含む。第1アンカー筋は、第1孔に挿入されており、かつ、第1面に接触している。第1接着部材は、第1孔に設けられており、かつ、第1アンカー筋をアンカー部に接着している。
【0054】
そのため、第1接着部材(接着部材35、接着部材60)を介したアンカー部(アンカー部20、アンカー部45)と第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)との接合面積が増加する。第1アンカー筋は、継手本体(継手本体10、継手本体40)により強固に固定される。また、継手本体が溶接によって脆くなることが防止され得る。セグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)の強度の低下が防止され得る。さらに、第1アンカー筋は、第1内周面(内周面22、内周面47)の第1面(第1面22a、第1面47a)に接触している。セグメント連結継手に引張応力が印加されても、セグメント連結継手がセグメント本体(セグメント本体2、セグメント本体6)に対して動くことが防止され得る。
【0055】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)では、第1面(第1面22a、第1面47a)は、第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)に沿って延在している。そのため、第1孔(孔21、孔46)の体積を小さくすることができる。第1孔が設けられるアンカー部(アンカー部20、アンカー部45)の機械的強度の低下が低減され得る。
【0056】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)では、第1面(第1面22a、第1面47a)は、第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)に接触している複数の第1突部(複数の突部24、複数の突部49)を含む。複数の第1突部のうちの少なくとも二つは、第1孔(孔21、孔46)の長手方向における第1面の両端に設けられている。
【0057】
そのため、セグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)に引張応力が印加されても、セグメント連結継手がセグメント本体(セグメント本体2、セグメント本体6)に対して動くことが防止され得る。また、第1面(第1面22a、第1面47a)の両端に設けられている複数の第1突部(複数の突部24、複数の突部49)のうちの少なくとも二つは、第1孔(孔21、孔46)に注入される第1接着部材(接着部材35、接着部材60)に対して堰として機能する。複数の第1突部は、第1接着部材が第1孔から溢れることを防止して、第1孔内への第1接着部材の供給を容易にする。また、複数の第1突部(複数の突部24、複数の突部49)は、一体化された第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)及び第1接着部材に対してアンカーとして機能する。第1アンカー筋は、継手本体(継手本体10、継手本体40)により強固に固定される。
【0058】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)では、継手本体(継手本体10、継手本体40)には、貫通孔(貫通孔30、貫通孔55)が設けられている。貫通孔は、第1孔(孔21、孔46)に連通するとともに、継手本体の表面まで延在している。
【0059】
そのため、第1接着部材(接着部材35、接着部材60)は、貫通孔(貫通孔30、貫通孔55)を通して、第1孔(孔21、孔46)の大部分または全体に容易に供給され得る。第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)は、継手本体(継手本体10、継手本体40)により強固に固定される。
【0060】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)は、継手本体(継手本体10、継手本体40)上に設けられている緩衝シート(緩衝シート39、緩衝シート64)をさらに備える。
【0061】
セグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)に非常に大きな引張応力が印加されても、緩衝シート(緩衝シート39、緩衝シート64)は、セグメント連結継手がセグメント本体(セグメント本体2、セグメント本体6)に対してわずかに動くことを許容して、セグメント本体が割れることを防止する。
【0062】
(実施の形態2)
図15から
図20を参照して、実施の形態2のセグメント連結継手を説明する。
【0063】
図15から
図17を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3bは、実施の形態1の雌型セグメント連結継手3と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。雌型セグメント連結継手3bでは、第1孔(孔21)は、第2外表面(例えば、外表面20d)から第3外表面(例えば、外表面20e)まで延在している。
【0064】
図18から
図20を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雄型セグメント連結継手7bは、実施の形態1の雄型セグメント連結継手7と同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。雄型セグメント連結継手7bでは、第1孔(孔46)は、第2外表面(例えば、外表面45d)から第3外表面(例えば、外表面45e)まで延在している。
【0065】
本実施の形態の第1変形例の雌型セグメント連結継手3bでは、貫通孔30は、アンカー部20の外表面20aまで延在してもよい。本実施の形態の第2変形例の雌型セグメント連結継手3bでは、貫通孔30は、アンカー部20の外表面20bまたは外表面20cまで延在してもよい。本実施の形態の変形例の雄型セグメント連結継手7bでは、貫通孔55は、アンカー部20の外表面20bまたは外表面20cまで延在してもよい。
【0066】
(実施の形態3)
図21から
図30を参照して、実施の形態3のセグメント連結継手を説明する。
【0067】
図21から
図25を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3cは、実施の形態1の第1変形例の雌型セグメント連結継手3(
図12を参照)と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
【0068】
雌型セグメント連結継手3cは、アンカー筋37bと、接着部材35bとをさらに備える。
【0069】
アンカー部20には、孔21bがさらに設けられている。孔21bは、貫通孔であり、外表面20bから外表面20cまで延在している。アンカー部20は、孔21bを規定する内周面23を含む。内周面23は、継手部11の方を向く第3面23aと、第3面23aに対向する第4面23bとを含む。第3面23aは、内周面23のうち、継手部11から遠位する面である。第4面23bは、継手部11とは反対方向を向いている。第4面23bは、内周面23のうち、継手部11に近位する面である。
【0070】
第3面23aは、アンカー筋37bに沿って延在してもよい。例えば、アンカー筋37bの中間部に屈曲部が形成されている場合、第3面23aは、アンカー筋37bの屈曲部に沿って湾曲してもよい。
【0071】
第3面23aは、複数の突部24bを含んでもよい。複数の突部24bは、アンカー筋37bの長手方向に沿って配置されている。複数の突部24bのうちの少なくとも二つは、孔21bの長手方向における第3面23aの両端に設けられてもよい。第3面23aの両端に設けられている複数の突部24bのうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋37b及び接着部材35bに対してアンカーとして機能するとともに、孔21bに注入される接着部材35bに対して堰として機能する。複数の突部24bのうちの少なくとも一つは、第3面23aの両端を除く第3面23aの中間部(例えば、孔21bの長手方向における第3面23aの中央部)に設けられてもよい。第3面23aの中間部に設けられている複数の突部24bのうちの少なくとも一つは、接着部材35bに食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋37b及び接着部材35bに対してアンカーとして機能してもよい。
【0072】
第4面23bは、アンカー筋37bに沿う形状を有していなくてもよい。例えば、アンカー筋37bの中間部に屈曲部が形成されている場合、第4面23bは平面であってもよい。
【0073】
第4面23bは、複数の突部25bを含んでもよい。複数の突部25bのうちの少なくとも二つは、孔21bの長手方向における第4面23bの両端に設けられてもよい。第4面23bの両端に設けられている複数の突部25bのうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋37b及び接着部材35bに対してアンカーとして機能するとともに、孔21bに注入される接着部材35bに対して堰として機能する。複数の突部25bのうちの少なくとも一つは、第4面23bの両端を除く第4面23bの中間部(例えば、孔21bの長手方向における第4面23bの中央部)に設けられてもよい。第4面23bの中間部に設けられている複数の突部25bのうちの少なくとも一つは、接着部材35bに食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋37b及び接着部材35bに対してアンカーとして機能してもよい。複数の突部25bは、アンカー筋37bから離間されてもよい。
【0074】
アンカー筋37bは、一例として、異形鉄筋である。アンカー筋37bは、セグメント本体2(
図1及び
図2を参照)に埋め込まれる。そのため、継手本体10は、セグメント本体2に強固に固定される。アンカー筋37bの長手方向におけるアンカー筋37bの中間部に屈曲部が形成されてもよい。アンカー筋37bは、U字の形状を有してもよい。アンカー筋37bは、孔21bに挿入されている。特定的には、アンカー筋37bの屈曲部が、孔21bに挿入されている。
【0075】
アンカー筋37bは、第3面23aに接触している。そのため、雄型セグメント連結継手7cが雌型セグメント連結継手3cに連結されている場合に、雄型セグメント連結継手7cに向けた引張応力が雌型セグメント連結継手3cに印加されても、アンカー筋37bは、雌型セグメント連結継手3cがセグメント本体2に対して動くことを防止する。例えば、アンカー筋37bは、孔21bの長手方向における第3面23aの両端において第3面23aに接触してもよい。アンカー筋37bは、第3面23aの両端を除く第3面23aの中間部(例えば、孔21bの長手方向における第3面23aの中央部)においてさらに第3面23aに接触してもよい。アンカー筋37bは、複数の突部24bに接触してもよい。
【0076】
アンカー筋37bは、第4面23bから離間されてもよい。アンカー筋37bは、複数の突部25bから離間されてもよい。そのため、アンカー筋37bの中間部に屈曲部が形成されていても、アンカー筋37bの屈曲部は、孔21bに容易に挿入され得る。
【0077】
貫通孔30は、貫通孔部分31と、貫通孔部分32とを含む。貫通孔部分31は、孔21に連通するとともに継手本体10の表面まで延在している。具体的には、貫通孔部分31は、アンカー部20の外表面20aまで延在している。貫通孔部分32は、孔21bに連通するとともに継手本体10の表面まで延在している。具体的には、貫通孔部分32は、アンカー部20の外表面20aまで延在している。貫通孔部分31は、貫通孔部分32に連通していない。貫通孔部分31は、接着部材35を孔21に供給する際に、接着部材35の注入孔として機能する。貫通孔部分32は、接着部材35bを孔21bに供給する際に、接着部材35bの注入孔として機能する。
【0078】
接着部材35bは、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂接着剤、または、モルタルである。接着部材35bは、孔21b内に設けられている。接着部材35bは、孔21bの少なくとも一部に充填されている。接着部材35bは、孔21bの体積の50%以上に充填されてもよい。接着部材35bは、孔21bの体積の80%以上に充填されてもよいし、孔21bの全てに充填されてもよい。接着部材35bは、アンカー筋37bをアンカー部20に接着する。接着部材35bは、アンカー筋37bに接着されて、アンカー筋37bと一体化される。接着部材35bは、貫通孔30(貫通孔部分32)の少なくとも一部にさらに設けられてもよい。
【0079】
図26から
図30を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雄型セグメント連結継手7cは、実施の形態1の雄型セグメント連結継手7と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
【0080】
雄型セグメント連結継手7cは、アンカー筋62bと、接着部材60bとをさらに備える。
【0081】
アンカー部45には、孔46bがさらに設けられている。孔46bは、貫通孔であり、外表面45bから外表面45cまで延在している。アンカー部45は、孔46bを規定する内周面48を含む。内周面48は、継手部41の方を向く第3面48aと、第3面48aに対向する第4面48bとを含む。第3面48aは、内周面48のうち、継手部41から遠位する面である。第4面48bは、継手部41とは反対方向を向いている。第4面48bは、内周面48のうち、継手部41に近位する面である。
【0082】
第3面48aは、アンカー筋62bに沿って延在してもよい。例えば、アンカー筋62bの中間部に屈曲部が形成されている場合、第3面48aは、アンカー筋62bの屈曲部に沿って湾曲してもよい。
【0083】
第3面48aは、複数の突部49bを含んでもよい。複数の突部49bは、アンカー筋62bの長手方向に沿って配置されている。複数の突部49bのうちの少なくとも二つは、孔46bの長手方向における第3面48aの両端に設けられてもよい。第3面48aの両端に設けられている複数の突部49bのうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋62b及び接着部材60bに対してアンカーとして機能するとともに、孔46bに注入される接着部材60bに対して堰として機能する。複数の突部49bのうちの少なくとも一つは、第3面48aの両端を除く第3面48aの中間部(例えば、孔46bの長手方向における第3面48aの中央部)に設けられてもよい。第3面48aの中間部に設けられている複数の突部49bのうちの少なくとも一つは、接着部材60bに食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋62b及び接着部材60bに対してアンカーとして機能してもよい。
【0084】
第4面48bは、アンカー筋62bに沿う形状を有していなくてもよい。例えば、アンカー筋62bの中間部に屈曲部が形成されている場合、第4面48bは平面であってもよい。
【0085】
第4面48bは、複数の突部50bを含んでもよい。複数の突部50bのうちの少なくとも二つは、孔46bの長手方向における第4面48bの両端に設けられてもよい。第4面48bの両端に設けられている複数の突部50bのうちの少なくとも二つは、一体化されたアンカー筋62b及び接着部材60bに対してアンカーとして機能するとともに、孔46bに注入される接着部材60bに対して堰として機能する。複数の突部50bのうちの少なくとも一つは、第4面48bの両端を除く第4面48bの中間部(例えば、孔46bの長手方向における第4面48bの中央部)に設けられてもよい。第4面48bの中間部に設けられている複数の突部50bのうちの少なくとも一つは、接着部材60bに食い込んでもよく、一体化されたアンカー筋62b及び接着部材60bに対してアンカーとして機能してもよい。複数の突部50bは、アンカー筋62bから離間されてもよい。
【0086】
アンカー筋62bは、一例として、異形鉄筋である。アンカー筋62bは、セグメント本体6(
図1及び
図2を参照)に埋め込まれる。そのため、継手本体40は、セグメント本体6に強固に固定される。アンカー筋62bの長手方向におけるアンカー筋62bの中間部に屈曲部が形成されてもよい。アンカー筋62bは、U字の形状を有してもよい。アンカー筋62bは、孔46bに挿入されている。特定的には、アンカー筋62bの屈曲部が、孔46bに挿入されている。
【0087】
アンカー筋62bは、第3面48aに接触している。雄型セグメント連結継手7cが雌型セグメント連結継手3cに連結されている場合に、雌型セグメント連結継手3cに向けた引張応力が雄型セグメント連結継手7cに印加されても、アンカー筋62bは、雄型セグメント連結継手7cがセグメント本体6に対して動くことを防止する。例えば、アンカー筋62bは、孔46bの長手方向における第3面48aの両端において第3面48aに接触してもよい。アンカー筋62bは、第3面48aの両端を除く第3面48aの中間部(例えば、孔46bの長手方向における第3面48aの中央部)においてさらに第3面48aに接触してもよい。アンカー筋62bは、複数の突部49bに接触してもよい。
【0088】
アンカー筋62bは、第4面48bから離間されてもよい。アンカー筋62bは、複数の突部50から離間されてもよい。そのため、アンカー筋62bの中間部に屈曲部が形成されていても、アンカー筋62bの屈曲部は孔46bに容易に挿入され得る。
【0089】
貫通孔55は、貫通孔部分56と、貫通孔部分57とを含む。貫通孔部分56は、孔46に連通するとともに継手本体10の表面まで延在している。具体的には、貫通孔部分56は、アンカー部45の外表面45aまで延在している。貫通孔部分57は、孔46bに連通するとともに継手本体10の表面まで延在している。具体的には、貫通孔部分57は、アンカー部45の外表面45aまで延在している。貫通孔部分56は、貫通孔部分57に連通していない。貫通孔部分56は、接着部材60を孔46に供給する際に、接着部材60の注入孔として機能する。貫通孔部分57は、接着部材60bを孔46bに供給する際に、接着部材60bの注入孔として機能する。
【0090】
接着部材60bは、例えば、エポキシ樹脂を主成分とする樹脂接着剤、または、モルタルである。接着部材60bは、孔46b内に設けられている。接着部材60bは、孔46bの少なくとも一部に充填されている。接着部材60bは、孔46bの体積の50%以上に充填されてもよい。接着部材60bは、孔46bの体積の80%以上に充填されてもよいし、孔46bの全てに充填されてもよい。接着部材60bは、アンカー筋62bをアンカー部45に接着する。接着部材60bは、アンカー筋62bに接着されて、アンカー筋62bと一体化される。接着部材60bは、貫通孔55(貫通孔部分57)の少なくとも一部にさらに設けられてもよい。
【0091】
本実施の形態の第1変形例の雌型セグメント連結継手3cでは、貫通孔部分31,32は、受容孔12を規定する内周面まで延在しており、受容孔12に連通してもよい。本実施の形態の第2変形例の雌型セグメント連結継手3cでは、貫通孔部分31,32は、アンカー部20の外表面20dまたは外表面20eまで延在してもよい。本実施の形態の変形例の雄型セグメント連結継手7cでは、貫通孔部分56,57は、アンカー部20の外表面20dまたは外表面20eまで延在してもよい。
【0092】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3c、雄型セグメント連結継手7c)は、実施の形態1のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3、雄型セグメント連結継手7)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0093】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3c、雄型セグメント連結継手7c)は、第2アンカー筋(アンカー筋37b、アンカー筋62b)と、第2接着部材(接着部材35b、接着部材60b)とをさらに備える。アンカー部(アンカー部20、アンカー部45)には、第2孔(孔21b、孔46b)が設けられている。アンカー部は、第2孔を規定する第2内周面(内周面23、内周面48)を含む。第2内周面は、継手部41の方を向く第3面(第3面23a、第3面48a)と、第3面に対向する第4面(第4面23b、第4面48b)とを含む。第2アンカー筋は、第2孔に挿入されており、かつ、第3面に接触している。第2接着部材は、第2孔に設けられており、かつ、第2アンカー筋をアンカー部に接着している。
【0094】
そのため、第2接着部材を介したアンカー部(アンカー部20、アンカー部45)と第2アンカー筋(アンカー筋37b、アンカー筋62b)との接合面積が増加する。第2アンカー筋は、継手本体(継手本体10、継手本体40)により強固に固定される。また、さらに、第2アンカー筋は、第2内周面(内周面23、内周面48)の第3面(第3面23a、第3面48a)に接触している。セグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3c、雄型セグメント連結継手7c)に引張応力が印加されても、セグメント連結継手がセグメント本体(セグメント本体2、セグメント本体6)に対して動くことが防止され得る。
【0095】
継手本体(継手本体10、継手本体40)は、第1アンカー筋(アンカー筋37、アンカー筋62)及び第2アンカー筋(アンカー筋37b、アンカー筋62b)の両方でセグメント本体(セグメント本体2、セグメント本体6)に固定されている。そのため、継手本体は、セグメント本体により強固に固定され得る。あるいは、本実施の形態の第1アンカー筋及び第2アンカー筋の各々の直径を、実施の形態1の第1アンカー筋の直径より小さくしても、本実施の形態のセグメント本体への継手本体の固定強度を、実施の形態1のセグメント本体への継手本体の固定強度以上とすることができる。第1アンカー筋及び第2アンカー筋として低コストのアンカー筋を用いることができる。セグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3c、雄型セグメント連結継手7c)のコストが低減され得る。
【0096】
(実施の形態4)
図31から
図34を参照して、実施の形態4のセグメント連結継手を説明する。
【0097】
図31及び
図32を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3dは、実施の形態3の雌型セグメント連結継手3cと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
【0098】
雌型セグメント連結継手3dでは、貫通孔部分31は、孔21と孔21bとに連通している。貫通孔部分32は、貫通孔部分31に連通するとともに、継手本体10の表面まで延在している。具体的には、貫通孔部分32は、アンカー部20の外表面20aまで延在している。接着部材35は、孔21に加えて、孔21bにも設けられている。貫通孔部分31,32は、接着部材35を孔21,21bに供給する際に、接着部材35の注入孔として機能する。
【0099】
図33及び
図34を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雄型セグメント連結継手7dは、実施の形態3の雄型セグメント連結継手7cと同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
【0100】
雄型セグメント連結継手7dでは、貫通孔部分56は、孔46と孔46bとに連通している。貫通孔部分57は、貫通孔部分56に連通するとともに、継手本体40の表面まで延在している。具体的には、貫通孔部分57は、アンカー部45の外表面45aまで延在している。接着部材60は、孔46に加えて、孔46bにも設けられている。貫通孔部分56,57は、接着部材60を孔46,46bに供給する際に、接着部材60の注入孔として機能する。
【0101】
本実施の形態の第1変形例の雌型セグメント連結継手3dでは、貫通孔部分32は、受容孔12を規定する内周面まで延在しており、受容孔12に連通してもよい。本実施の形態の第2変形例の雌型セグメント連結継手3dでは、貫通孔部分32は、アンカー部20の外表面20bまたは外表面20cまで延在してもよい。本実施の形態の変形例の雄型セグメント連結継手7dでは、貫通孔部分57は、アンカー部20の外表面45bまたは外表面45cまで延在してもよい。
【0102】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3d、雄型セグメント連結継手7d)は、実施の形態3のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3c、雄型セグメント連結継手7c)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0103】
本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3d、雄型セグメント連結継手7d)では、貫通孔(貫通孔30、貫通孔55)は、第1孔(孔21、孔46)と第2孔とに連通する第1貫通孔部分(貫通孔部分31、貫通孔部分56)と、第1貫通孔部分に連通するとともに継手本体(継手本体10、継手本体40)の表面まで延在している第2貫通孔部分(貫通孔部分32、貫通孔部分57)とを含む。第1接着部材(接着部材35、接着部材60)は、第2孔にさらに設けられており、かつ、第2アンカー筋をアンカー部に接着している。
【0104】
第2貫通孔部分(貫通孔部分32、貫通孔部分57)から第1接着部材(接着部材35、接着部材60)を注入することによって、第1孔(孔21、孔46)と第2孔(孔21b、孔46b)とに第1接着部材を供給することができる。本実施の形態のセグメント連結継手(雌型セグメント連結継手3d、雄型セグメント連結継手7d)によれば、第1接着部材は、第1孔と第2孔とにより少ない工程数で設けられ得る。
【0105】
(実施の形態5)
図35から
図44を参照して、実施の形態5のセグメント連結継手を説明する。
【0106】
図35から
図39を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3eは、実施の形態3の雌型セグメント連結継手3cと同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。雌型セグメント連結継手3eでは、第1孔(孔21)及び第2孔(孔21b)は、各々、第2外表面(例えば、外表面20d)から第3外表面(例えば、外表面20e)まで延在している。
【0107】
図40から
図44を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雄型セグメント連結継手7eは、実施の形態3の雄型セグメント連結継手7cと同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。雄型セグメント連結継手7eでは、第1孔(孔46)及び第2孔(孔46b)は、各々、第2外表面(例えば、外表面45d)から第3外表面(例えば、外表面45e)まで延在している。
【0108】
本実施の形態の第1変形例の雌型セグメント連結継手3eでは、貫通孔部分31,32の各々は、受容孔12を規定する内周面まで延在しており、受容孔12に連通してもよい。本実施の形態の第2変形例の雌型セグメント連結継手3eでは、貫通孔部分31はアンカー部20の外表面20bまで延在してもよく、かつ、貫通孔部分32はアンカー部20の外表面20cまで延在してもよい。本実施の形態の変形例の雄型セグメント連結継手7eでは、貫通孔部分57はアンカー部20の外表面45bまで延在してもよく、かつ、貫通孔部分57はアンカー部20の外表面45cまで延在してもよい。
【0109】
(実施の形態6)
図45から
図48を参照して、実施の形態6のセグメント連結継手を説明する。
【0110】
図45及び
図46を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雌型セグメント連結継手3fは、実施の形態4の雌型セグメント連結継手3dと同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。雌型セグメント連結継手3fでは、第1孔(孔21)及び第2孔(孔21b)は、各々、第2外表面(例えば、外表面20d)から第3外表面(例えば、外表面20e)まで延在している。
【0111】
図46及び
図47を参照して、本実施の形態のセグメント連結継手の一例である雄型セグメント連結継手7fは、実施の形態4の雄型セグメント連結継手7dと同様の構成を備え、同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。雄型セグメント連結継手7fでは、第1孔(孔46)及び第2孔(孔46b)は、各々、第2外表面(例えば、外表面45d)から第3外表面(例えば、外表面45e)まで延在している。
【0112】
本実施の形態の第1変形例の雌型セグメント連結継手3fでは、貫通孔部分32は、受容孔12を規定する内周面まで延在しており、受容孔12に連通してもよい。本実施の形態の第2変形例の雌型セグメント連結継手3fでは、貫通孔部分32はアンカー部20の外表面20dまたは外表面20eまで延在してもよい。本実施の形態の変形例の雄型セグメント連結継手7fでは、貫通孔部分57はアンカー部20の外表面45bまで延在してもよく、かつ、貫通孔部分57はアンカー部20の外表面45dまたは外表面45eまで延在してもよい。
【0113】
今回開示された実施の形態1から実施の形態6及びそれらの変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、実施の形態1から実施の形態6において、第1孔(孔21、孔46)をめねじ孔とし、第1アンカー筋(アンカー筋37,アンカー筋62)を、ねじ節鉄筋(異形鉄筋の一例)としてもよい。めねじ孔の圧力側フランクが第1面であり、めねじ孔の遊び側フランクが第2面であり、ねじ節鉄筋の節が第1面に接触している。第1孔(孔21、孔46)は、外表面(外表面20a,外表面45a)から継手部(継手部11,継手部41)に向けて直線状に延在してもよい。第1アンカー筋(アンカー筋37,アンカー筋62)は、直線形状を有してもよい。第2孔(孔21b、孔46b)をめねじ孔とし、第2アンカー筋(アンカー筋37b,アンカー筋62b)を、ねじ節鉄筋としてもよい。めねじ孔の圧力側フランクが第3面であり、めねじ孔の遊び側フランクが第4面であり、ねじ節鉄筋の節が第3面に接触している。第2孔(孔21b、孔46b)は、外表面(外表面20a,外表面45a)から継手部(継手部11,継手部41)に向けて直線状に延在してもよい。第2アンカー筋(アンカー筋37b,アンカー筋62b)は、直線形状を有してもよい。本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0114】
1 セグメント、2 セグメント本体、3,3b,3c,3d,3e,3f 雌型セグメント連結継手、4 連結面、5 セグメント、6 セグメント本体、7,7b,7c,7d,7e,7f 雄型セグメント連結継手、8 連結面、10 継手本体、11 継手部、12 受容孔、13 スリット、14 壁、20 アンカー部、20a,20b,20c,20d,20e 外表面、21,21b 孔、22,23 内周面、22a,23a 第1面、22b,23b 第2面、24,24b,25,25b 突部、30 貫通孔、31,32 貫通孔部分、35,35b 接着部材、37,37b アンカー筋、39 緩衝シート、40 継手本体、41 継手部、42 挿入部、43 連結部、45 アンカー部、45a,45b,45c,45d,45e 外表面、46,46b 孔、47,48 内周面、47a,48a 第3面、47b,48b 第4面、49,49b,50,50b 突部、55 貫通孔、56,57 貫通孔部分、60,60b 接着部材、62,62b アンカー筋、64 緩衝シート、65 栓。