(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】二成分薬剤送達のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/24 20060101AFI20240517BHJP
A61M 5/28 20060101ALI20240517BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A61M5/24 530
A61M5/28 520
A61M5/315 580
(21)【出願番号】P 2020571495
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 US2019038302
(87)【国際公開番号】W WO2019246435
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-05-18
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518438944
【氏名又は名称】コスカ ファミリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー ジェイ エス
(72)【発明者】
【氏名】コスカ マーク アンドリュー
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/187262(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/001925(WO,A1)
【文献】特表2017-530832(JP,A)
【文献】特表2017-526431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/24
A61M 5/28
A61M 5/315
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の送達のための送達システムであって、前記送達システムは、
単回用量の流体剤を含有し、突出部および突起の少なくとも1つを画定するネックを含む成形同時充填バイアル(BFSバイアル)と、
前記BFSバイアルにしっかりと連結され、前記流体剤の前記単回用量を送達するように構成された送達アセンブリ、とを含み、前記送達アセンブリは、
ハブボアを画定する近位端と、インサートボアを画定する遠位端と、を含み、前記ハブボアと前記インサートボアとの間に延在する流体経路を提供するチャネルを有するハブ部材であって、前記チャネルは内部寸法を画定し、前記ハブ部材は、前記BFSバイアルの前記ネックを前記ハブボア内に配置して前記BFSバイアルを前記ハブ部材に固定する際に前記BFSバイアルの前記ネックの
前記突出部および
前記突起の少なくとも1つを受け入れて保持するように構成された凹部、凹み部、および開口のうちの少なくとも1つを有する、ハブ部材と、
前記ハブ部材の前記チャネル内において前記流体経路と交わるように配置される基材であって、前記チャネルの前記内部寸法の大部分を横切って延在するように構成され、有効成分を有し、前記有効成分が前記基材及び前記流体経路を通過する前記流体剤と相互作用して患者への送達のための薬剤を生成するように動作可能である、基材と、
前記ハブ部材の前記インサートボア内に配置され、前記流体経路と整列するチャネルを有する、インサート部材と、
前記薬剤を前記患者に投与するための投与部材であって、前記インサート部材に結合されている、投与部材と、を含
み、
前記基材は、細長く、前記流体剤が前記基材を通過するための基材通路を画定し、前記流体剤と前記有効成分との相互作用を促進する、送達システム。
【請求項2】
前記BFSバイアルが、加えられた圧縮力に応答して、前記流体剤を前記流体経路内に、前記インサート部材の前記チャネルを通して、前記投与部材内に放出するように構成された内容積を有する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記BFSバイアルが、前記流体剤を前記ハブ部材の前記流体経路内に放出し、前記流体剤と
前記基材の前記有効成分との間の相互作用を引き起こし、結果として生じる薬剤を、それに加えられる圧縮力に応答して、前記インサート部材の前記チャネルを通して前記投与部材内に放出するように構成された内容積を有する、請求項1に記載の送達システム。
【請求項4】
前記投与部材が、前記患者への前記薬剤の投与を制御するように構成されたノズルを備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項5】
前記凹部、前記凹み部、または前記開口は、前記突出部または前記突起の対応する形状を受け入れるような形状およびサイズである、請求項1に記載の送達システム。
【請求項6】
前記突出部または前記突起は、前記突出部または前記突起が前記凹部、前記凹み部、または前記開口内に受け入れられ、かつそれらと係合すると、前記ハブ部材の前記ハブボアからの前記BFSバイアルの前記遠位端の引き抜きを防止するように成形およびサイズ決定される、請求項5に記載の送達システム。
【請求項7】
前記BFSバイアルは、前記流体剤を記述するデータを記憶する電子デバイスを備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項8】
前記電子デバイスは、近距離通信デバイス(NFCデバイス)を含む、請求項7に記載の送達システム。
【請求項9】
前記NFCデバイスは、前記BFSバイアルの地理的移動を定義するデータの処理を容易にするように動作可能である、請求項8に記載の送達システム。
【請求項10】
前記ハブ部材が、前記有効成分を記述したデータを記憶する電子デバイスを備える、請求項1に記載の送達システム。
【請求項11】
前記電子デバイスは、近距離通信(NFC)デバイスを含む、請求項10に記載の送達システム。
【請求項12】
前記基材は細長い螺旋形状を画定する、
請求項1に記載の送達システム。
【請求項13】
前記基材は、間隔をあけて配置された少なくとも2つの基材を含み、前記少なくとも2つの基材のそれぞれは、前記有効成分を含み、前記基材通路を有する、
請求項1に記載の送達システム。
【請求項14】
前記基材は、前記有効成分が堆積、付着、注入、および/または保持される挿入構造をさらに含む、請求項1に記載の送達システム。
【請求項15】
前記流体経路と整列して前記ハブ部材に取り付けられたバルブ部材を含み、前記基材は前記バルブ部材の末端にある、請求項1に記載の送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、(i)2018年6月20日に出願された、名称「デュアルチャンバーBFS薬物送達システム」の米国仮特許出願第62/687340号の非仮出願と、(ii)2018年10月24日に出願された、名称「流体送達のためのシステムと方法」の米国特許出願第16/169983号の一部継続(CiP:Continuation-in-Part)出願の優先権を主張するものであり、これらの先の出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明の実施形態は、一般に、薬などの物質を送達するための送達デバイスに関し、より詳細には、単回投与の治療剤を成形同時充填(BFS:Blow-Fill-Seal)バイアルから患者に送達することを可能にするように構成されたモジュール式送達アセンブリを含む、送達システムに関する。
【背景技術】
【0003】
毎年、数百万人の人々が様々な疾患に感染して死亡するが、その中にはワクチンで予防できるものある。ワクチン接種により、いくつかの感染性の症例数が劇的に減少したが、これらの疾患のいくつかは、依然としてかなり一般的である。多くの場合、世界の大規模な人口、特に発展途上国では、不十分な実施、入手可能なワクチンの欠如、またはワクチンを投与するための不適切なデバイス、またはそれらの組合せのいずれかのために、無効な免疫化プログラムに起因するワクチンで予防可能な疾患の蔓延に苦しんでいる。
【0004】
免疫化プログラムのいくつかの実施は、一般に、典型的な再使用可能なシリンジによるワクチンの投与を含む。しかしながら、多くの状況において、特に発展途上国において、ワクチンの投与は、病院の外で行われ、シリンジへのアクセスを注意深く制御することなく注射が患者に行われるように、専門家ではない人によって提供される場合がある。このような状況下で再使用可能なシリンジを使用すると、特に、以前に使用され、もはや無菌ではなくなったシリンジを使用して後続の注射を行う場合に、血液感染症の感染と蔓延のリスクが高まる。例えば、世界保健機関(WHO:World Health Organization)は、肝炎およびヒト免疫不全ウイルス(HIV:human immunodeficiency virus)などの血液感染症が、そのようなシリンジの再使用により伝染し、毎年百万人を超える人々が死亡していると推定している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、現在の送達デバイスおよび方法の欠点を克服する送達システムを提供する。特に、いくつかの実施形態による送達システムは、薬、ワクチンおよび/または治療薬、回復剤、予防剤および/または治療剤(本明細書では集合的に「薬剤」または「薬剤群」)などの物質を送達するためのモジュール式送達アセンブリを含み、より具体的には、モジュール式二成分注入型送達システムを含む。二成分注入型送達システムは、例えば、以下の2つの物質の形態で最初に保管および輸送される薬剤の単回投与の患者への送達/注入を可能にするように構成することができる。(i)脱水された形態、凍結乾燥された形態、低温乾燥された形態、乾燥された形態または粉末の形態で、送達システムの第1の成分(本明細書では、送達アセンブリまたはハブ構成要素と呼ばれる)中に最初に保管および輸送される活性物質、および(ii)送達システムの第2の成分(例えば、プラスチックの成形同時充填(BFS)バイアル)中に最初に保管および輸送される不活性物質(例えば、生理食塩水などの希釈剤)。活性物質は、第2の不活性物質と混合または組み合わされることによって(例えば、ハブ構成要素がBFSバイアルに取り付けられるかまたは接続され、2つの物質が混合される場合)、患者への注入の直前に液体または流体形態に最終的に再構成されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、モジュール式送達アセンブリは、BFSバイアルを含むがこれに限定されない、流体剤を含む供給源に結合されるように構成されてもよい。送達アセンブリは、協働して配置され、互いに連結された、別個に構築されたモジュール式構成要素からなるモジュール設計を含んでもよい。送達アセンブリの構成要素は、例えば、BFSバイアルにしっかりと結合されるように構成されたハブ部材と、ハブ部材内に位置付けられ、流体の流れを順行方向に制限するように構成された一方向バルブ部材と、ハブ部材内に位置付けられ、BFSバイアルから流体剤を受け入れ、流体剤を患者に投与するための投与部材を受け入れて保持するように構成されたインサートとを含んでもよい。投与部材は、例えば、針(流体剤の皮下、筋肉内、皮内、または静脈内注射用)またはノズル(例えば、流体剤のスプレーへの分散を促進するためのスプレーノズルまたは液滴の形成のための液滴ノズル)を含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、ハブ部材は、入口ポートを画定する近位端と、出口ポートを画定する遠位端と、近位端から遠位端まで完全に延在するチャネルとを含んでもよく、これによって、入口ポートと出口ポートとの間に流体経路を提供することができる。入口ポートは、BFSバイアルの対応する特殊非標準接続継手と結合されるように構成された特殊非標準(非ルアー型接続)接続継手を含んでもよい。例えば、入口ポートは、BFSバイアル上の対応する形状および/またはサイズの突出部、突起部などを受け入れるような形状および/またはサイズである特定の形状または幾何学的形状の凹部、凹み部、または完全な開口部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、入口ポートは、ハブ部材の両側に2つの対向する開口を含んでもよい。BFSバイアルは、一般に、少なくとも単回投与の流体剤を中に含有するのに十分な内部容積を有する可撓性本体を含んでもよい。BFSバイアルは、概して、本体から延在し、バイアル本体の圧搾時に流体剤を分注するための出口を画定する遠位端で終端する、ネックを含んでもよい。いくつかの実施形態では、バイアルは、遠位端に隣接するネックの両側に画定され、ハブ部材上の開口部に略対応する形状を有する2つの突出部を含んでもよい。ユーザがバイアルの遠位端をハブ部材の入口ポートに挿入すると、例えば、突出部は、対応する開口部と摺動係合するように成形されてもよいが、ハブ部材からのBFSバイアルの引き抜きを防止するようにさらに成形されてもよい。これによって、開口部内でそれら自体を効果的に係止でき、BFSバイアルを効果的に送達アセンブリと係合できる。バイアルをハブ部材に固定することによって、ユーザは、バイアル本体に力を加える(即ち、圧搾する)だけで、流体剤がバイアルから送達アセンブリを通って患者に流れるようにすることができる。
【0008】
いくつかの実施形態におけるハブ部材とBFSバイアルとの間の特殊な非標準接続継手は、対応する薬剤を有する承認された供給源(例えば、単回投与BFSバイアル)のみが、本明細書に記載されるモジュール式送達アセンブリとともに使用されることを可能にし、それによって、セキュリティのレベルを高めることができる。例えば、送達方法は、一般に、送達される流体剤のタイプに依存している。例えば、いくつかの薬は静脈内に最もよく送達されるが、いくつかのワクチンは皮内に最もよく送達され、さらに、いくつかの流体剤は液滴またはスプレーを介して投与される。したがって、送達アセンブリは、特定の流体剤の送達のために構成されてもよく、即ち、ハブ部材上の接続継手は、その特定の流体剤を含有するBFSバイアルの対応する接続継手のみを受け入れて係合するように設計されてもよい。したがって、本明細書に記載される特殊接続継手設計は、合致するBFSバイアル(その特定の送達アセンブリのための正しい流体剤を含有する)のみが、モジュール式送達アセンブリに接続できることを保証してもよく、それによって、安全性を確保し、リスクを低減することができる。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、送達アセンブリは、ハブ部材内に一方向バルブおよび/またはインサートを含んでもよい。一方向バルブは、例えば、ハブ部材のチャネル内に位置付けられてもよく、および/または入口ポートから出口ポートに向かう順行方向への流体の流れを制限するように構成されてもよく、それによって、バイアル本体が送達のために圧搾されるとき、流体が単一方向に流れることを確実にする。インサートは、いくつかの実施形態では、ハブ部材の出口に隣接するチャネル内に配置されてもよい。インサートは、近位端と、反対側の遠位端と、近位端から遠位端までインサート全体を通って延びるチャネルとを含んでもよい。インサートのチャネルは、流体経路がハブ部材の入口ポートから、一方向バルブを通り、インサートのチャネルを通ってインサートの遠位端に向かって全体に延在するように、ハブ部材のチャネルと同軸整列していてもよい。投与部材(例えば、針、ノズル等)は、BFSバイアルから送達アセンブリの流体経路を通して流体剤が送達されると、流体剤が投与部材から流出し、それによって、患者への流体剤の送達を可能にするように、インサートのチャネル内に受容および保持されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、送達アセンブリは、投与部材を覆って汚染を防止し、針刺し損傷のリスクをさらに低減し、したがって血液感染症が広がる可能性を低減するための安全カバーを含んでもよい。送達アセンブリは、概して、針またはノズルを覆って提供される安全カバーを含めて、完全に組み立てられた状態で包装され、送達されてもよい。したがって、ユーザは、BFSバイアルを送達アセンブリに最初に取り付けるときに、露出した針またはノズルを取り扱う必要がない。むしろ、ユーザは、BFSバイアルが送達アセンブリにしっかりと取り付けられ、それによって流体剤送達のために針またはノズルを露出させると、安全カバーを取り外すだけでよい。次いで、ユーザは、送達が完了すると、カバーを交換してもよい。
【0011】
送達アセンブリのモジュール式構造により、最小限のコストで1つまたは複数の構成要素の迅速な製造再構成が可能になり、特定のニーズ(即ち、皮下、筋肉内、皮内、静脈内注射、スプレー、または液滴送達などの、送達される薬剤に応じた異なる送達モード)を満たす新しい送達アセンブリ構成を作成することができる。例えば、ハブ部材および一方向バルブは、同じ構造(寸法および材料)のままであってもよく、一方、インサートは、送達のタイプおよび/または送達される流体剤のタイプに応じて、異なる針サイズおよび/またはノズルタイプを考慮するように変更されてもよい。
【0012】
送達アセンブリ自体は、事前に充填されなくてもよい。そのため、送達アセンブリは、輸送または保管中に特定の温度(例えば、摂氏2~8度(2℃~8℃))に維持される必要がなく、したがって、全体的なコストを削減することができる。現在のデバイスの場合のように、送達アセンブリを一定温度に維持するのではなく、流体剤を含有する供給源(例えば、BFSバイアル内に提供される単回投与供給)のみを、一定温度に維持する必要がある。したがって、複数の空の送達アセンブリを、低コストで出荷および保管し、次いで、現場で直接、必要に応じて充填さしてもよく、その結果、単回投与BFSバイアルのみを保管および維持する必要がある。さらに、送達デバイスが事前に充填されていない場合、送達デバイスを、流体剤で充填される前の任意の時点で滅菌してもよく、これによって、このようなデバイスの大量出荷および保管がさらに改善される。いくつかの実施形態では、送達アセンブリは、固体形態の有効成分が注入された、またはそうでなければ固体形態の有効成分を担持する基材を含んでもよく、これはまた、または代替的に、あまり厳格でない保管または輸送要件が必要となる場合がある。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、送達アセンブリは、薬剤を投与するための特別な訓練を必要とせずに、比較的単純な方法で患者への薬剤の送達を可能にするように構成されてもよい。特に、送達アセンブリは、流体剤を投与する人(例えば、管理者)(これはまた、自己投与を含み得る)が、投与部位(例えば、肩、腕、胸、鼻、耳、目など)上にデバイスを配置することのみを必要とし、次いで、流体剤の投与量を含むBFSバイアル本体を完全に圧縮し、それによって、正確な所定の投与量を患者に送達するように設計してもよい。送達アセンブリはまた、または代替として、針が必要とされる場合(即ち、送達方法が注射であるため)、針貫通が投与部位内の正しい長さおよび配向に限定されるように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、針は、針が略垂直な角度で患者の皮膚に挿入されるように構成され、インサートの遠位端が患者の皮膚に接触して流体剤の注射のための適切な貫通深さを示すように構成されるように、インサートの遠位端が位置する平面に対して略垂直に位置付けられてもよい。したがって、本明細書に記載されるモジュール式送達アセンブリの実施形態は、ワクチンまたは薬物の投与のために、訓練を受けた熟練した医療専門家を必要としない場合がある。したがって、送達アセンブリは、ワクチンまたは薬物が非医療関連施設(例えば、診療所または病院の外)で投与され、非専門家によって短期間にわたって多数の個人に与えられる状況において特に有用である可能性がある。
【0014】
図面は、例示のみを目的として実施形態を示す。当業者は、以下の説明から、本明細書で説明される原理から逸脱することなく、本明細書で示されるシステムおよび方法の代替実施形態が使用され得ることを容易に認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】いくつかの実施形態によるBFSバイアルパッケージの斜視図である。
【
図1B】いくつかの実施形態によるBFSバイアルパッケージの部分拡大斜視図である。
【
図2A】いくつかの実施形態による流体送達システムの右側面図である。
【
図2B】いくつかの実施形態による流体送達システムの右側面図である。
【
図2C】いくつかの実施形態による流体送達システムの部分右側面図である。
【
図2D】いくつかの実施形態による流体送達システムの部分右側面図である。
【
図2E】いくつかの実施形態による流体送達システムのハブアセンブリの分解右側面図である。
【
図2F】いくつかの実施形態による流体送達システムの一部の右側斜視部分断面図である。
【
図2G】いくつかの実施形態による流体送達システムのハブアセンブリの右側斜視組立断面図である。
【
図2H】いくつかの実施形態による流体送達システムのハブアセンブリの右側斜視断面図である。
【
図2I】いくつかの実施形態による流体送達システムのハブアセンブリの右後方斜視断面図である。
【
図2J】いくつかの実施形態による流体送達システムの一部の右側斜視部分断面図である。
【
図2K】いくつかの実施形態による流体送達システムの一部の右側部分断面図である。
【
図2L】いくつかの実施形態による流体送達システムの一部の右前方斜視部分断面図である。
【
図2M】いくつかの実施形態による流体送達システムの一部の右側部分断面図である。
【
図2N】いくつかの実施形態による流体送達システムで使用するための様々な基材の上面図および側面図である。
【
図3A】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの右前斜視図である。
【
図3B】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの上面図である。
【
図3C】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの底面図である。
【
図3D】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの左側面図である。
【
図3E】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの右側面図である。
【
図3F】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの正面図である。
【
図3G】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの背面図である。
【
図3H】いくつかの実施形態によるモジュール式ハブの前断面図である。
【
図4A】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの右前斜視図である。
【
図4B】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの上面図である。
【
図4C】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの底面図である。
【
図4D】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの左側面図である。
【
図4E】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの右側面図である。
【
図4F】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの正面図である。
【
図4G】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの背面図である。
【
図4H】いくつかの実施形態によるモジュラーバルブの前断面図である。
【
図5A】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの右前斜視図である。
【
図5B】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの上面図である。
【
図5C】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの底面図である。
【
図5D】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの左側面図である。
【
図5E】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの右側面面図である。
【
図5F】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの正面図である。
【
図5G】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの背面図である。
【
図5H】いくつかの実施形態によるモジュール式インサートの前断面図である。
【
図6A】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの右前方斜視図である。
【
図6B】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの上面図である。
【
図6C】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの底面図である。
【
図6D】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの左側面図である。
【
図6E】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの右側面図である。
【
図6F】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの正面図である。
【
図6G】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの図である。
【
図7A】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの右前方斜視図である。
【
図7B】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの上面図である。
【
図7C】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの底面図である。
【
図7D】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの左側面図である。
【
図7E】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの右側面図である。
【
図7F】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの正面図である。
【
図7G】いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアルの図である。
【
図8】いくつかの実施形態に係る方法の斜視フロー図である。
【
図10】いくつかの実施形態によるハブアセンブリの変形例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
I.序論
本発明の実施形態は、現在の送達デバイスおよび方法の欠点を克服するモジュール式薬剤送達システムを提供する。例えば、いくつかの実施形態の送達システムは、流体剤(例えば、ワクチン、薬物、薬、希釈剤など)を含有する供給源に結合されるように構成されたモジュール式薬剤送達アセンブリを含み、供給源から患者への流体剤の単回投与の送達をさらに容易にする。送達アセンブリは、滅菌されたままであり、充填プロセス中の汚染の可能性を防止しながら、現場で単回投与の流体剤で充填されるように構成することができる。送達アセンブリはまた、または代替的に、制御された様式で、そのような流体剤の送達を投与する際に専門的な技術を必要とすることなく、流体剤を送達することができる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、モジュール式薬剤送達システムは、以下の2つの物質の形態で最初に保管および輸送される薬剤の単回投与の患者への送達/注入を可能にするように構成することができる。(i)脱水された、凍結乾燥された、低温乾燥された、乾燥された、または粉末の形態で、送達システムの第1の構成要素(本明細書では送達アセンブリまたはハブ構成要素と呼ばれる)に最初に保管および輸送される活性物質、および(ii)送達システムの第2の構成要素(例えば、BFSバイアル)に最初に保管および輸送される不活性物質(例えば、生理食塩水溶液などの希釈剤)。活性物質は、第2の不活性物質と混合または組み合わされることによって(例えば、ハブ構成要素がBFSバイアルに取り付けられるかまたは接続され、2つの物質が混合される場合)、患者への注入の直前に液体または流体の形態に最終的に再構成することができる。
【0018】
本明細書に記載されるように、モジュール式薬剤送達システムは、BFSバイアル、容器、またはリザーバを含むことができる。BFS技術は、少量(例えば、0.1mL)および大量(例えば、500mL+)の液体充填容器を製造するために使用される製造技法である。BFS製造プロセスの間、容器は、機械内部の無菌の密閉された領域において、人の介入なしに連続プロセスで形成され、充填され、密封される。特に、BFS製造プロセスは、医薬品グレードのプラスチック樹脂を、円形開口部を通して垂直に熱押出しして、パリソンと呼ばれる吊り下げ管を形成する多段階プロセスである。次に、この押し出されたチューブを2つの部分からなる型内に封入する。成形型は、充填領域または無菌充填スペースに配置され、充填針(マンドレル)がパリソン内に配置され、成形型壁に対して真空によって成形された成形型内のプラスチック容器を充填するために使用される。容器を部分的に形成した後、マンドレルを使用して容器に液体を充填する。充填後、パリソンをBFS機の型とともに落下させ、第2の上部金型で容器を密封する。全ての動作は、機械内部の無菌シュラウドチャンバ内で行われる。その後、製品は、ラベル付け、包装、流通のために非無菌領域に排出される。
【0019】
いくつかの実施形態による送達アセンブリは、限定されないが、BFSバイアルを含む、流体剤を含有する供給源に結合されるように構成することができる。送達アセンブリは、一般に、互いに協働的に配置および結合された別個に構築された構成要素からなるモジュール設計を含むことができる。送達アセンブリの構成要素は、例えば、BFSバイアルにしっかりと結合されるように構成されたハブ部材、ハブ部材内に位置付けられ、順行方向への流体の流れを制限するように構成された一方向バルブ部材、および/またはハブ部材内に位置付けられ、BFSバイアルから流体剤を受け入れ、流体剤を患者に投与するための投与部材を受け入れおよび保持するように構成されたインサートを含むことができる。投与部材は、例えば、針(流体剤の皮下、筋肉内、皮内、または静脈内注射用)またはノズル(例えば、流体剤のスプレーへの分散を促進するためのスプレーノズルまたは液滴の形成のための液滴ノズル)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハブ部材は、固体形態の有効成分が注入されるか、またはそうでなければ固体形態の有効成分を含むかもしくは担持する基材を含むことができ、基材は、ハブ部材が希釈剤を含有するBFSバイアルに結合される場合に再構成されるように動作可能である。
【0020】
送達アセンブリのモジュラー構造は、特定の必要性(即ち、皮下、筋肉内、皮内、静脈内注射、スプレー、または液滴送達等の送達される薬剤に応じた異なる送達モード)を満たす新しい送達アセンブリ構成を作成するために、最小コストで1つ以上の構成要素の迅速な製造再構成を可能にし得る。例えば、ハブ部材および一方向バルブは、同じ構造(寸法および材料)のままにすることができ、一方、インサートは、送達のタイプおよび/または送達される流体剤のタイプに応じて、異なる針サイズおよび/またはノズルタイプを考慮するように変更することができる。
【0021】
送達アセンブリは、概して、薬剤を投与するための特別な訓練を必要とすることなく、比較的単純な様式で患者への薬剤の送達を可能にするように構成することができる。特に、送達アセンブリは、流体剤を投与する人(例えば、管理者)(これはまた、自己投与を含み得る)が、投与部位(例えば、肩、腕、胸、鼻、耳、目など)上にデバイスを配置することのみを必要とし、次いで、流体剤の用量を含むBFSバイアル本体を完全に圧縮し、それによって、正確な所定の投与量を患者に送達できるように設計される。
【0022】
送達アセンブリ自体は、事前充填はできない、または薬剤の有効成分の固体形態を収容することができる。したがって、いくつかの実施形態による送達アセンブリは、輸送または保管中に特定の温度(例えば、摂氏2~8度(2℃~8℃))に維持する必要はなく、よって、全体的なコストを削減することができる。現在の装置の場合のように、送達アセンブリを一定温度に維持するのではなく、流体剤を含有する供給源(例えば、BFSバイアル内に提供される単回投与供給)のみを、例えば、一定温度に維持する必要がある。したがって、複数の空の送達アセンブリは、低減されたコストで出荷および保管され、次いで、現場で直接、必要に応じて充填することができ、その結果、単回投与BFSバイアルのみを保管および維持する必要がある。さらに、送達デバイスが予め充填されていない場合、送達デバイスは、流体剤で充填される前の任意の時点で滅菌することができ、これは、このようなデバイスのばら積み輸送および保管をさらに改善する。
【0023】
II.薬剤送達システム
最初に
図1Aと
図1Bを参照すると、いくつかの実施形態による、BFSバイアルパッケージ102の斜視図、およびBFSバイアルパックまたはパッケージ102の部分拡大斜視図が示されている。BFSバイアルパッケージ102は、例えば、プラスチックおよび/または他の成形された、押し出された、および/または形成されたマニホールド104を含むことができる。いくつかの実施形態では、マニホールド104は、複数のBFSユニット、容器、および/またはバイアル110a~eが、例えば、分離取り外し設計によって接続される複数の取り付け点106を含むことができる。
図1Bは第1のBFSバイアル110aの分離取り外し設計の拡大斜視図を示す。図示されるように、各BFSバイアル110a~eは、単回投与の流体剤(例えば、薬剤または不活性希釈剤)を含有することができ、ユーザの準備ができたとき、第1のBFSバイアル110a等の単一バイアルは、第1のBFSバイアル110aの第1の出口または第1のBFSバイアル110aの近位端110a-1(近位端110a-1は、マニホールド104に近位であり、第2のまたは遠位端110a-2は、そこから遠位である)と、それぞれの取り付け点106との間に配置される引き離しタイプの接続を介して、マニホールド104から除去することができる。図示されるようないくつかの実施形態によれば、例えば、第1のBFSバイアル110aの近位端110a-1(例えば、
図1Aと
図1Bに別個にラベル付けされていない出口を備えるおよび/または画定することができる)を、取り付け点106においてマニホールド104に結合することができる。いくつかの実施形態では、所望の第1のBFSバイアル110aを取り付け点106から引き離すだけで、ユーザは、第1のBFSバイアル110aを残りのBFSバイアル110b~eから分離し、より大きな流体剤源(複数用量シリンジまたはバイアル、図示せず)を使用するのではなく、必要および/または所望される単回投与のみを使用することができ、これによって、第1のBFSバイアル110a内に配置された単一の流体剤源(例えば、薬剤または不活性希釈剤)を汚染するリスクを完全に防止することができる。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、各BFSバイアル110a~eは、成形された、形成された、切断された、接着された、および/または他の方法でそれに結合された特徴などの様々な特徴を備える、および/または画定することができる。
図1Aおよび
図1Bに示すように、例えば、第1のBFSバイアル110aは、様々な嵌合特徴部が形成される(または他の方法で結合される)ネック112a(例えば、近位端110a-1の近く)を備えることができる。いくつかの実施形態では、ネック112aは、第1の外側半径方向フランジ114a、第2の外側半径方向フランジ116a、および/または嵌合タブ118aを備えることができる。いくつかの実施形態によれば、嵌合タブ118aは、第2の外側半径方向フランジ116a上に、第2の外側半径方向フランジ116aとともに、または第2の外側半径方向フランジ116aの一部として配置された、(例えば、近位端110a-1付近から遠位端110a-2に向かって増加する傾斜を有する)くさび形半径方向突出部を備えることができる。いくつかの実施形態では、第1のBFSバイアル110aは、ネック112aと連通する流体リザーバ120aを備えることができる。いくつかの実施形態によれば、流体リザーバ120aは、単回投与の流体(例えば、薬剤または不活性希釈剤)を保管、収容、および/または受け入れることができ、および/またはグリッププレート122aに結合することができる。グリッププレート122aは、例えば、軸方向の力を流体リザーバ120aに加えることなく第1のBFSバイアル110aにそのような軸方向の力を加えることを可能にする平坦な要素を備えることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、パッケージ102は、マニホールド104自体および/または各個別のBFSバイアル110a~e上(例えば、第1のBFSバイアル110aのグリッププレート122a上)に刻印された印(図示せず)を備えることができる。例示的な印は、ロット番号、有効期限、薬剤情報、セキュリティスタンプ(BFSバイアル110a~eが必要な温度で維持されたか否かの表示を提供するための変色温度センサ)、ならびに各BFSバイアル110a~e上に提供される投与ラインを含むことができるが、これらに限定されない。5つのBFSバイアル110a~eがマニホールド104に結合するように
図1Aに示されているが、より少ないまたはより多いBFSバイアル110a~eを、望ましいおよび/または実用的であるように、または望ましいおよび/または実用的になるように、マニホールド104に結合することができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、BFSバイアルパッケージ102および/またはBFSバイアル110a~eのうちの1つまたは複数(および/または本明細書で説明するハブデバイス)は、1つまたは複数の電子デバイス(明示的に図示せず)を備えることができ、および/またはそれに結合することができる。電子デバイスは、例えば、1つまたは複数の受動誘導デバイス、無線周波数識別(RFID:Radio Frequency IDentification)デバイス、近距離通信(NFC:Near-Field-Communication)デバイス、処理デバイス、蓄電デバイス、および/またはメモリ記憶デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、電子デバイスは、BFSバイアルパッケージ102の地理的移動を追跡するため、および/または特定のBFSバイアル110a~eが特定の受信者への投与のために利用されるべきであることを検証または確認するためなど、様々なデータ要素を記憶、処理、受信、および/または送信することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、例えば、ユーザ(医療従事者であれ、自己注射している患者であれ、または患者に注射している友人もしくは家族であれ)が、NFCチップなどの第1の電子デバイスを備える第1のBFSバイアル110aを利用して薬剤を注射しようとしている場合、ユーザは、最初に、ユーザのモバイルデバイス(図示せず)上の適切なアプリを開き、第1のBFSバイアル110aおよび/または第1の電子デバイスをモバイルデバイスにタップし(または近接させ)、それらの間の通信を開始することができる。これにより、いくつかの実施形態では、アプリが、(i)流体または薬剤が、患者が(例えば、第1の電子デバイスによって記憶された流体データと、例えば、ユーザのモバイルデバイスの別個のメモリデバイス内に記憶された患者情報との比較に基づいて)受信していると想定される正しい流体または薬剤であること、(ii)注射が、適切な時間枠内に投与されていること(例えば、現在の時間および/または日付を、第1の電子デバイスのデータによって記憶および/または参照される時間および/または日付と比較することによって)、(iii)第1のBFSバイアル110aおよび/またはその中の流体が、損なわれていない、および/または期限切れでないことのうちの1つまたは複数を検証および/または認証することによって、注射を検証することが可能になる。いくつかの実施形態によれば、前述のいずれも、モバイルデバイス上のアプリに記憶された、および/またはインターネットもしくはクラウドベースのシステムを介してアプリにアクセス可能な患者の記録、および/または第1の電子デバイスに記憶されたデータに基づいて検証することができる。いくつかの実施形態では、必要な(または所望の)検証が正常に行われた場合、ユーザは、注射を実行することを許可され得る(例えば、承認インジケータが、アプリの画面を介してユーザに出力され得る)。ユーザは、承認された注射を実行した場合にのみアプリを介して報酬を受け取ることができるので、アプリを介して承認を受け取ったときにのみ注射するように動機付けられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザはまた、注射後に第1のBFSバイアル110aおよび/または注射部位(図示せず)の写真をアップロードするように要求される可能性がある(例えば、報酬の資格を確定するため、および/または追加の報酬の資格を得るため)。いくつかの実施形態によれば、報酬は、例えば、流体の投与および/または第1のBFSバイアル110aの使用を記述するデータの受信に応答して、ユーザのモバイルデバイスを介してユーザに提供され得る。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、BFS製造公差は、射出成形および他の製造技術ほど正確ではないので、第1の外側半径方向フランジ114a、第2の外側半径方向フランジ116a、および/または嵌合タブ118aを含むようなBFSバイアル110a~eの構成は、BFSバイアル110a~eが、本明細書で説明されるようなモジュール式送達システム(図示せず)に結合されることを可能にし得る一方で、広範囲の製造寸法にもかかわらず機能を有効にする。このようにして、例えば、以前のシステムでは達成できなかったモジュール式の流体送達機能を維持しながら、BFS技術を採用することでコストを削減できる。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、より少ないまたはより多い構成要素104、106、110a~e、110a-1、110a-2、112a、114a、116a、118a、120a、122a、および/または図示の構成要素104、106、110a~e、110a-1、110a-2、112a、114a、116a、118a、120a、122aの様々な構成をBFSバイアルパッケージ102に含むことができる。いくつかの実施形態では、構成要素104、106、110a~e、110a-1、110a-2、112a、114a、116a、118a、120a、122aは、構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、BFSバイアルパッケージ102(および/またはその部分および/または構成要素104、106、110a~e、110a-1、110a-2、112a、114a、116a、118a、120a、122a)は、本件の
図8および/または
図9の方法800、900および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0030】
ここで、
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図2E、
図2F、
図2G、
図2H、
図2I、
図2J、
図2K、
図2L、
図2Mおよび
図2Nは、いくつかの実施形態による流体送達システム200の様々な図を示す。具体的には、
図2Aおよび2Bは流体送達システム200の右側面図であり、
図2Cおよび
図2Dは流体送達システム200の部分右側面図であり、
図2Eは流体送達システム200の部分分解右側面図であり、
図2Fは流体送達システム200の右側断面図であり、
図2Gは流体送達システム200の一部の右側断面組立図であり、
図2Hは流体送達システム200の部分右側断面図であり、
図2Iは流体送達システム200の右後方斜視部分断面図であり、
図2Jは流体送達システム200の右側斜視部分断面図であり、
図2Kは流体送達システム200の右側部分断面図であり、
図2Lは流体送達システム200の一部の右前方斜視断面図であり、
図2Mは流体送達システム200の右側部分断面図であり、
図2Nは流体送達システム200の一部の上面図および側面図である。
【0031】
いくつかの実施形態では、流体送達システム200は、バイアルネック212、第1のフランジ214、第2のフランジ216、複数の係止タブ218a~b、圧潰可能リザーバ220、および/またはグリッププレート222を備える、および/または画定する、BFSバイアル210(例えば、第1の端部210-1および第2の端部210-2を有する)等の種々の相互接続および/またはモジュール式構成要素を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、流体送達システム200は、安全カバーまたはキャップ228(例えば、円筒形キャップ本体228-1、内部空隙228-2、テーパ状キャップ本体228-3、および/またはヘッドスペース228-4を備えるおよび/または画定する)、ハブ230(例えば、ハブ本体232、ハブボア径232-2を画定するハブボア232-1、バイアルベベル232-3、複数の係止スロット234a~b、アセンブリフランジ236、バルブスロット238、流体出口ボア径240-1を画定する流体出口ボア240、バルブシート240-2、インサートボア径242-1を画定するインサートボア242、インサートベベル242-2、インサート凹部242-3、および/またはインサートシート244を備える)、バルブ250(例えば、バルブ本体252、バルブチャネル252-1、バルブフラップ252-2、取り付け翼254a、ライザ256、順行空隙258、バイアルフランジ260、および着座面262を備えるおよび/または画定する)、インサート270(例えば、インサート本体272、流体チャネル272-1、チャネルストップ272-2、出口漏斗274、入口漏斗276、着座フランジ278、および/または着座フランジカラー278-1を備えるおよび/または画定する)、投与部材280(例えば、細長い本体282、流体ボア282-1、第1の端部282-2、第2の端部282-3、および/または針、ポイントまたは先端部284を備えるおよび/または画定する)、および/または基材290(例えば、流れプロファイル292および/またはチャネル294を備えるまたは画定する)、送達またはハブアセンブリ226を含むことができる。いくつかの実施形態によれば、流体送達システム200および/またはハブアセンブリ226は、互いに協働的に配置および結合された別々に構築された構成要素228、230、250、270、280、290からなるモジュール設計を含むことができる。ハブアセンブリ226の構成要素228、230、250、270、280は、例えば、BFSバイアル210を含むがこれに限定されない流体剤を含有する供給源に結合されるように構成されたハブ230と、ハブ230内に配置され、順行方向への流体の流れを制限するように構成された一方向バルブ250と、ハブ230内に配置され、BFSバイアル210から流体剤を受け入れ、流体剤を患者(図示せず)に投与するための投与部材280を受け入れて保持するように構成されたインサート270と、ハブ230内に配置された基材290(例えば、基材290によって保持された有効成分の純度および/または有効性を維持するためなどに、それ自体が封止されてもよい(図示せず))と、を含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、投与部材280は、患者への流体剤の皮下、筋肉内、皮内、および静脈内注射のうちの少なくとも1つのための針284を含むことができる。説明および記述を容易にするために、本明細書の図および記述は、概して、投与部材280を針284と呼ぶ。しかしながら、他の実施形態では、投与部材280は、患者への流体剤の投与を制御するように構成されたノズル(図示せず)を含むことができることに留意されたい。ノズルは、例えば、流体剤のスプレーへの分散を容易にするように構成されたスプレーノズルを含むことができる。したがって、スプレーノズルが取り付けられたハブアセンブリ226は、例えば、鼻道、またはスプレー塗布から利益を得る身体の他の部分(例えば、外耳道、他の開口部)への流体剤の投与において特に有用であり得る。他の実施形態では、ノズルは、流体剤の液滴の形成を促進するように構成することができる。したがって、液滴ノズルを含むハブアセンブリ226は、眼への投与、局所投与など、液滴による流体剤の投与に有用であり得る。
【0033】
一般的に理解されているように、薬剤は、患者(例えば、ヒトまたは非ヒトのいずれかの哺乳動物)に注入され、(単独で、または基材290によって保持され得るような有効成分と組み合わせて)効果を生じ得る任意のタイプの薬剤を含むことができる。したがって、薬剤は、ワクチン、薬物、治療剤、薬、希釈剤、および/または同等物を含むことができるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態によれば、流体剤および有効成分(即ち、薬剤および/またはその成分)のいずれかまたは両方は、本明細書に記載されるように、BFSバイアル210およびハブ230などの様々なモジュールまたは構成要素に結合された電子データ記憶デバイス(図示せず)の利用などによって、互いとの適合性について追跡、監視、チェックなどされ得る。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、ハブ230は、例えば、
図2Eに示すように軸「A-A」に沿って、入口ポートを画定する第1の端部と出口を画定する第2の端部とを有するハブボア232-1を画定するハブ本体232を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハブボア232-1は、入口ポートと出口ポートとの間に流体経路を設けることができる。ハブ230は、BFSバイアル210の対応する特殊な非標準接続継手、例えば、(
図2Aおよび2Fに示された)係止タブ218a~b、と結合されるように構成された係止スロット234a~bなどの特殊な非標準(非ルアー型)接続継手を含むことができる。例えば、第1の端部に隣接するハブ本体232の一部は、BFSバイアル210の対応する形状および/またはサイズの突出部、突起など(例えば、係止タブ218a~b)を受け入れるような形状および/またはサイズである特定の形状または幾何学的形状の凹部、凹み部、または完全な開口部(例えば、係止スロット234a~b)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハブ本体232は、ハブ本体232の両側に、第1の端部に隣接して対向する開口部を画定する2つの係止スロット234a~bを含むことができ、係止スロット234a~bは、BFSバイアル210のネック212上に画定された対応する係止タブ218a~bを受け入れて保持するような形状および/またはサイズにされる。いくつかの実施形態によれば、ハブ230は、ハブ本体232上に形成され、バルブスロット238などの1つまたは複数の窓またはポート部分を備えることができ、バルブ250の一部(例えば、取り付け翼254a)を内部に受け入れて保持するための手段を提供するように構成される。
【0035】
例えば、バルブ250は、一般にハブボア232-1内に配置することができ、および/またはゴム、合成ゴム、ラテックス、および/または他のエラストマーポリマー材料などのポリマー材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、バルブ250は、バルブ250の部分(例えば、取り付け翼254a)がバルブスロット238を通って延在し、少なくとも水密シールを提供するように任意のギャップを充填し得るように、ハブボア232-1内に圧入することができる。バルブスロット238を通ってハブ230の外面まで延在するバルブ250(および/またはその取り付け翼254a)の露出した1つまたは複数の部分は、一般に、キャップ228がハブアセンブリ226の上に配置され、かつ/またはそれに結合される場合に、キャップ228の内面内部空隙228-2に摩擦嵌合を提供することができる。言い換えれば、バルブ250(および/またはその取り付け翼254a)の露出したポリマー材料は、一般に、キャップ228との十分な摩擦を提供して、キャップ228をハブアセンブリ226上に保持し続けることができる。いくつかの実施形態では、バルブ250は、それを通って延在し、例えば、軸「A-A」に沿って、ハブボア252-1と同軸整列する、バルブチャネル232-1を備え、および/または画定することができる。いくつかの実施形態によれば、バルブ250は、バルブチャネル252-1内に設けられ、ハブ230から投与部材280に向かう順行方向への流体の流れを制限するように構成されたバルブフラップ252-2を備えることができ、それによって、流体剤がBFSバイアル210から送達されるときに流体が単一方向に流れることを確実にする。
【0036】
いくつかの実施形態では、インサート270を、ハブ230の第2の端部に隣接するハブボア232-1内に配置することができる。インサート270は、いくつかの実施形態によれば、インサート270を通って完全に軸線方向に延在する流体チャネル272-1を備えるおよび/または画定することができる。流体チャネル272-1は、流体経路が、ハブ230の第1の端部から、ハブボア232-1を通り、バルブ250のバルブチャネル252-1を通り、インサート270の流体チャネル272-1を通って全体的に延在するように、例えば、軸「A-A」に沿って、ハブボア232-1および/またはバルブチャネル252-1と同軸に整列することができる。いくつかの実施形態によれば、インサート270の着座フランジカラー278-1は、バルブチャネル252-1内、例えば、ライザ256内に嵌合されるように構成することができる。投与部材280(例えば、針284)は、インサート270の流体チャネル272-1内で受け入れられ、および/または保持されることができ、その結果、流体剤がBFSバイアル210からハブアセンブリ226の流体経路を通して流体剤が送達されると、流体剤が針284の流体ボア282-1から流出し、それによって流体剤の患者への送達を可能にする。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、ハブアセンブリ226は、汚染を防止し、針刺し損傷のリスクをさらに低減し、したがって血液感染症が広がる可能性を低減する針284を覆うためのキャップ228を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハブアセンブリ226を、概して、針284を覆って提供されるキャップ228を含む、および/または(例えば、シールが破壊されるまで、および/またはBFSバイアル210がハブ230と嵌合されるまで)汚染物質がハブ230に進入することを防止する、箔、プラスチック、および/または収縮包装シール等のシール(図示せず)を含む、完全に組み立てられた状態で包装および送達することができる。したがって、ユーザは、BFSバイアル210をハブアセンブリ226に最初に取り付けるときに、露出した針284を取り扱う必要がなく、ハブアセンブリ226は、その中に保管された任意の活性剤を保護するために封止されてもよい。(例えば、
図2Mに示されるような基材290)。むしろ、ユーザは、BFSバイアル210がハブアセンブリ226にしっかりと取り付けられ、それによって流体剤送達のために針284を露出させると、キャップ228を取り外すだけでよい。次いで、ユーザは、送達が完了すると、キャップ228を交換することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ハブ230、バルブ250、インサート270、基材290、および/またはキャップ228は、医療グレード材料から構成することができる。いくつかの実施形態では、ハブ230、インサート270、基材290、および/またはキャップ228は、限定はしないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリベンズイミダゾール、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS:acrylonitrile butadiene styrene)ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、PVCなどを含む熱可塑性ポリマーから構成することができる。
【0039】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、流体送達システム200の右側面図は、ハブアセンブリ226へのBFSバイアル210の取り付けを示す。
図2Aに組み立てられていない状態で示されるように、例えば、ハブアセンブリ226は、BFSバイアル210に係合し、および/または選択的に割り出され、および/または結合されるように、矢印に軸「A-A」に沿って軸方向に(例えば、
図2Aの左に)付勢され得る。いくつかの実施形態では、BFSバイアル210は、内部に流体剤の少なくとも1回分の投与量を収容するのに十分な内部容積を有する可撓性本体を一般に含むことができる圧潰可能リザーバ220を画定することができる。BFSバイアル210は、いくつかの実施形態では、圧潰可能リザーバ220の本体から延在し、圧潰可能リザーバ220の本体の圧搾時に流体剤を分注するための出口を画定する第1の端部210-1で終端する、ネック212を備えることができる(例えば、
図2Fの半径方向内向き矢印に従って)。いくつかの実施形態によれば、BFSバイアル210は、BFS技術によって形成することができる。BFSバイアル210は、圧潰可能リザーバ220、ネック212、ならびに第1および第2の端部210-1、210-2が形成され、流体薬内に充填され、人の介入なしに連続プロセスで、マシン内部の無菌の密閉された領域内に封止されるという点で、BFS技術によって形成することができる。したがって、無菌の薬液体剤形を無菌的に製造するためにこのプロセスを使用することができる。BFS技術は、人の介入を低減し、無菌医薬品の無菌調製のためのより堅牢な方法にするので、市場において特に魅力的であり得る。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、ハブ本体232は、一般に、BFSバイアル210の対応する特殊非標準接続継手(例えば、係止タブ218a~b)と結合されるように構成された特殊非標準接続継手(係止スロット234a~b)を含むことができる。例えば、BFSバイアル210は、第1の端部210-1に隣接するネック212の両側に画定され、ハブ230上の係止スロット234a~bに対応する略形状を有する、2つの係止タブ218a~bを含むことができる。ユーザがBFSバイアル210の第1の端部210-1をハブ230内に挿入すると、係止タブ218a~bは、対応する係止スロット234a~bとそれぞれ摺動係合(
図2Bおよび
図2Fに示すような)するように成形(例えば、くさび形)することができる。
図2Fはハブアセンブリ226に取り付けられたBFSバイアル210を示し、BFSバイアル210の接続継手(例えば、係止タブ218a~bおよび係止スロット234a~b)とハブアセンブリ226のハブ230との間の係合をそれぞれ示す、部分断面の斜視図である。図示されるように、BFSバイアル210のネック212上の係止タブ218a~bは、ハブ230の対応する係止スロット234a~bと係合することができる。いくつかの実施形態では、係止タブ218a~bは、ハブ230からのBFSバイアル210の引き抜きを防止または阻止するように成形することができ、これによって、それら自体を係止スロット234a~b内に効果的に係止し、BFSバイアル210をハブアセンブリ226と係合するように効果的に係止することができる。BFSバイアル210をハブアセンブリ226に固定することによって、ユーザは、例えば、
図2Fの矢印によって示されるように、圧潰可能リザーバ220に力を加える(例えば、圧搾する)だけで流体剤は軸「A-A」に沿って、および針284の流体ボア282-1から流れ、BFSバイアル210から、針284を含むハブアセンブリ226を通って、患者(図示せず)の中に移動する。
【0041】
いくつかの実施形態では、ハブアセンブリ226とBFSバイアル210との間の特殊な非標準接続継手は、対応する薬剤を伴う承認された供給源(例えば、単回用量BFSバイアル210)のみが流体送達システム200とともに使用されることを可能にし、これによって、セキュリティのレベルを高めることができる。例えば、送達方法は、一般に、送達される流体剤のタイプに依存する。いくつかの薬は、例えば、静脈内に最良に送達され、一方、いくつかのワクチンは、皮内に最良に送達され、さらになお、いくつかの流体剤は、液滴またはスプレーを介して投与される。したがって、ハブアセンブリ226は、特定の流体剤の送達のために構成することができ、即ち、ハブアセンブリ226上の接続継手は、その特定の流体剤を含有するBFSバイアル210の対応する接続継手のみを受け入れおよび係合するように設計することができる。したがって、特殊接続継手設計により、一致するBFSバイアル210(その特定の送達アセンブリに適切な流体剤を含有する)のみが、ハブアセンブリ226に接続できることが保証され、これによって、安全性を確実にし、リスクを低減することができる。
【0042】
図2Gはハブアセンブリ226の分解斜視断面図である。
図2Hは互いに組み立てられ、それらの間に連続的な流体経路を形成する構成要素を示すハブアセンブリ226の斜視断面図であり
図2Iは互いに組み立てられた構成要素を示すハブアセンブリ226の別の斜視断面図である。図示されるように、いくつかの実施形態によれば、ハブ230は、それを通って延在するハブボア232-1を備える、および/または画定することができる。ハブ230はまた、または代替として、バルブ250およびインサート270が結合される流体出口ボア240を備えることができる。いくつかの実施形態では、バルブ250のライザ256は、流体出口ボア240の一方の側(例えば、図示されるように左側)に位置付けることができ、インサート270の着座フランジカラー278-1は、概して、流体出口ボア240を通してまたはその中に(および/またはバルブ250のライザ256を通してまたはその中に)突出することができ、流体出口ボア240の他方の側(例えば、図示されるように右側)に位置付けることができる。いくつかの実施形態によれば、インサート270の着座フランジカラー278-1は、バルブ250のライザ256のバルブチャネル252-1内に受け入れられ、概して、バルブフラップ252-2に当接して延在することができる。いくつかの実施形態では、投与部材280は、中空であることができ、および/または別様に流体ボア282-1を画定することができ、および/または概して鈍い第2の端部282-3を備えることができる、細長い本体282と、第1の端部282-2における穿孔先端284とを備える。いくつかの実施形態では、投与部材280の第2の端部282-3は、インサート270の流体チャネル272-1内に位置付けることができ、流体チャネル272-1は、投与部材280の第2の端部282-3が流体チャネル272-1を行き過ぎて移動することを防止する、チャネルストップ272-2または端部分(例えば、内部フランジまたは縮径するようにテーパ状にされる)を備えることができる。完全に組み立てられると、流体経路は、ハブアセンブリ226を完全に通って、ハブ230から投与部材280の先端284まで延在し、それらの間の構成要素のそれぞれを通過する(例えば、ハブ230、バルブ250、およびインサート270を通って)ことができる。
【0043】
図2JはBFSバイアル210の接続継手とハブアセンブリ226のハブ230との間の係止係合を示す、部分断面の拡大斜視図である。いくつかの実施形態では、ハブ本体232は、一般に、BFSバイアル210の対応する特殊非標準接続継手と結合されるように構成された特殊非標準接続継手(係止スロット234a~b)を含むことができる。例えば、BFSバイアル210は、第1の端部210-1に隣接するネック212の両側に画定され、ハブ230上の係止スロット234a~bに対応する略形状を有する、2つの係止タブ218a~bおよび/または他の突出部もしくは特徴を含むことができる。ユーザがBFSバイアル210の第1の端部210-1をハブ230に挿入すると、係止タブ218a~bは、それぞれ対応する係止スロット234a~bと摺動係合するようにスライドするように形成することができる。図示されるように、BFSバイアル210のネック上の係止タブ218a~bは、ハブ230の対応する係止スロット234a~bと係合し得る。係止タブ218a~bは、いくつかの実施形態では、ハブ230からのBFSバイアル210の引き出しを防止するようにさらに成形されてもよく、これによって、それら自体を係止スロット234a~b内に効果的に係止し、BFSバイアル210をハブアセンブリ226と係合するように効果的に係止することができる。
【0044】
図2Kと
図2LはBFSバイアル210がハブアセンブリ226にしっかりと結合されたときの、BFSバイアル210の第1の端部210-1(および出口)とハブアセンブリ226のバルブ250との間の係合を示す、部分断面の拡大斜視図である。BFSバイアル210をハブ230に固定することによって、BFSバイアル210の第1の端部210-1の出口は、いくつかの実施形態によれば、バルブ250のバルブフラップ252-2と直接整列して(例えば、軸方向に整列して)配置される。したがって、BFSバイアル210の出口は、(例えば、軸「A-A」に沿って)流体経路と直接軸方向に整列していてもよい。BFS製造プロセス中に一般に生じるいくつかの小さな変動のために、BFSバイアルの寸法が不正確になる場合があることに留意されたい。例えば、任意の所与のBFSバイアル210の第2の端部210-1は、(マイクロスケールで)互いに比較したときに異なる寸法を有することがある。そのような変動を補償するために、BFSバイアル210とハブ230との間の接続継手は、BFSバイアル210の第1の端部210-1が、バルブ250(例えば、そのバイアルフランジ260)に対して位置付けられ、それと係合することをさらに確実にする。いくつかの実施形態では、バルブ250のポリマー材料により、BFSバイアル210の第1の端部210-1とバルブ250のバイアルフランジ260との間にシールが形成され、それにより、BFSバイアル210の不正確な製造を考慮することができる。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、
図2Aに示されるように、流体送達システム200は、ハブアセンブリ226をBFSバイアル210上に付勢する(示される矢印に従って)対向する軸方向の力の印加によって組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、ユーザ(図示せず)は、グリッププレート222およびハブ230(および/またはキャップ228)を把持し、BFSバイアル210をハブアセンブリ226のハブボア232-1に押し込むことができる。シール(図示せず)がハブボア232-1を覆うように配置される場合、BFSバイアル210(または第1の端部210-1などのその一部)の挿入は、シールを破壊し得る。いくつかの実施形態によれば、使用されるシールの構成に応じて、ユーザは、流体送達システム200を組み立てる前にシールを取り外す必要があり得る。いくつかの実施形態では、グリッププレート222は、ユーザが、圧潰可能リザーバ220に力を加える必要なく、ハブアセンブリ226の方向に軸方向の力を加えることを可能にし得る(例えば、圧潰可能リザーバ220に保管された流体の偶発的な放出を防止する)。いくつかの実施形態によれば、ユーザは、ハブ230のアセンブリフランジ236に軸方向の力を加え、グリッププレート222に反対の軸方向の力を加えて、例えば、
図2Bに示されるように、BFSバイアル210をハブアセンブリ226とまたは嵌合させることができる。
【0046】
図2Cおよび
図2Dを参照すると、キャップ228は、ハブアセンブリ226に結合するように選択的に係合することができる。ハブアセンブリ226は、例えば、円筒形キャップ本体228-1の内部空隙228-2内に配置することができ、および/またはその投与部材280は、テーパ状キャップ本体228-3のヘッドスペース228-4内に配置することができ、これにより、針284は、例えば、清潔さおよび安全のために、保護および/または覆われている。いくつかの実施形態では、ハブ本体232の外径は、内部空隙228-2内に嵌合するようにサイズを決定することができる(例えば、内部空隙228-2の内径よりも小さい外径で構成することができる)。いくつかの実施形態によれば、バルブ250の1つ以上の部分は、ハブ本体232の側面を通って延在することができ、ハブアセンブリ226の外径の局所的な増加を引き起こす。いくつかの実施形態では、ハブアセンブリ226のこの局所化された最大外径は、ハブ本体232とキャップ228との間に中間嵌合(例えば、「H7/j6」または「締まり嵌め」)を提供するように構成することができ、キャップ228が選択的に除去されることを可能にする(例えば、
図2Dに示されるように)、および/または必要に応じて、手動で設置される。いくつかの実施形態によれば、バルブ250がゴムまたは別の摩擦面を備える場合、そのような材料の摩擦係数および/または内部空隙228-2の内側の材料の圧縮は、嵌合の性質を提供および/または強化することができる。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、
図2Eの組立図に示すように、流体送達システム200は、ハブ230、バルブ250、インサート270、および投与部材280などの複数のモジュール式構成要素から構成されるハブアセンブリ226を備えることができる。
図2Fに示すように、モジュール式構成要素230、250、270、280は、一緒に結合され、BFSバイアル210に取り付けられて、流体送達システム200を形成することができる。
図2Gの断面組立図に示されるように、モジュール式構成要素230、250、270、280は、その様々な部分および/または特徴の位置合わせおよび/または結合によって、軸「A-A」に沿って組み立てることができる。ハブ230は、ハブ本体232(いくつかの実施形態では、略円筒形であってもよい)を備えることができ、ハブ本体は、内側ハブボア径232-1を有するハブボア232-2を備えることができ、および/または画定することができ、および/またはBFSバイアル210の挿入時にBFSバイアルと係合するバイアルベベル232-3を画定することができる。BFSバイアル210の第1のフランジ214および/または係止タブ218a~bは、例えば、ハブボア径232-2を越えて半径方向外向きに延在することができ、即ち、それらがバイアルベベル232-3の中により深く挿入されるにつれて、ハブボア232-1の側壁と係合することができる。いくつかの実施形態では、そのような係合は、BFSバイアル210のネック212(および/またはその第1のフランジ214および/または係止タブ218a~b)を半径方向内向きに圧縮させることができ、および/またはハブ本体232を半径方向外向きに(例えば、弾性的に)拡張させることができ、例えば、締まり嵌めおよび/または締まり嵌め係合に従って、BFSバイアル210のハブ230内への継続的な前進を可能にする。いくつかの実施形態によれば、BFSバイアル210のネック212をハブ230内に押し込むことによって加えられる半径方向の圧力は、半径方向のバネ効果を係止タブ218a~bに付与することができ、その結果、軸方向の前進が係止タブ218a~bを対応する係止スロット234a~bと整列させるとき、係止タブ218a~bは、半径方向外側に、対応する係止スロット234a~b内に跳ね返り、それによって、内部ハブボア径232-2と係止タブ218a~bの外径および/または半径方向範囲との間の差によってそこに加えられる半径方向の圧力を低減および/または除去する。
【0048】
いくつかの実施形態では、ハブ230は、流体出口ボア径240-1を有する流体出口ボア240を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、
図2Gに示すように、流体出口ボア径240-1は、ハブボア径232-2よりも小さくすることができる。流体出口ボア径240-1とバルブボア径232-2との差は、例えば、バルブシート240-2および/またはインサートシート244を提供および/または画定することができる。いくつかの実施形態では、バルブ250は、ハブボア232-1に挿入することができ、ハブボア232-1内に嵌合するようにサイズ決定された外径を有するバルブ本体252を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、バルブ本体252の径は、ハブボア径232-2よりも大きくすることができ、これにより、バルブ250は、締まり嵌めのためにハブボア232-1内に圧縮されなければならない。いくつかの実施形態によれば、バルブ250は、バルブシート240-2内に着座することができ、および/または取り付け翼254aは、ハブ本体232の側壁内のバルブスロット238内におよび/またはそれを通して嵌合するように係合することができ、例えば、バルブ本体252とハブ本体232との間に水密シールを生成する。いくつかの実施形態では、ハブ230は、インサートボア径242-1を有するインサートボア242を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、インサート270は、インサートボアの内径242-1よりも大きい外径を有することができる着座フランジ278を備えることができる。インサートボア242内へのインサート270の軸方向の前進または挿入は、それに応じて、着座フランジ278をハブ230のインサートベベル242-2に係合させることができ、これは、インサートベベル242-2に半径方向外向きの力を及ぼすことができ、これは、ハブ本体232を半径方向に拡張させて(例えば、弾性的に)着座フランジ238を収容することができる。いくつかの実施形態では、ハブ230のインサート凹部242-3は、着座フランジ238を収容するようにサイズ決めすることができ、即ち、着座フランジ238がインサート凹部242-3と軸線方向に整列するようにインサート270がインサートボア242内に前進すると、インサート270は所定の位置にスナップ嵌めすることができ、ハブ本体232はその元の径に戻ることができる。いくつかの実施形態によれば、着座フランジ278および/または着座フランジカラー278-1は、着座フランジ238がインサート凹部242-3内に着座される場合に、インサートシート244と係合することができ、および/または水密シールを形成することができる。いくつかの実施形態では、インサート270は、順行方向に移動する流体および/または薬剤を流体チャネル272-1の中へ漏斗するように構成された入口漏斗276を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、投与部材280は、出口漏斗274に入り、流体チャネル272-1内にチャネルストップ272-2まで延びることによって、インサート270内に挿入され得る。
【0049】
図2Hと
図2Iを参照すると、ハブ230、バルブ250、およびインサート270の間の着座および封止が図示されている。例えば、
図2Hでは、インサート270の着座フランジカラー278-1は、バルブ250のライザ256内のバルブチャネル252-1の内径よりも小さい外径を有するように示され、着座フランジ238がインサート凹部242-3内に着座される場合、着座フランジカラー278-1は、バルブ250のライザ256内のバルブチャネル252-1内に配置される。いくつかの実施形態では、着座フランジカラー278-1と、ライザ256と、流体出口ボア240との間の嵌合は、水密シールを提供するように構成することができ、これにより、順行方向にバルブ250を通して軸線方向に向けられる任意の流体は、入口漏斗276の中に、および投与部材280の流体ボア282-1を通して通過しなければならない。
図2Hおよび
図2Iに示すように、いくつかの実施形態によれば、バルブフラップ252-2は、流体流の経路の中心に位置し、バルブフラップ252-2とインサート270の入口漏斗276との間に設けられた自由空間によって妨げられないことによって順行方向に自由に曲がることができるバルブ250の柔軟な部分を含むことができ、および/または入口漏斗276自体に移動することができる。
【0050】
図2Jと
図2Kを参照すると、BFSバイアル210とハブアセンブリ226との間の嵌合および/または封止が示されている。BFSバイアル210の第1のフランジ214は、例えば、ハブボア径232-1以上の外径および/または半径方向範囲を有し、即ち、ハブボア232内に流体密封シールを生成するように図示されている。第2のフランジ216および/または係止タブ218a~bは、ハブ230内に着座するように、かつハブ本体232の側壁と係合するように径方向外向きに突出する特徴を有することによって、ハブ230に対するBFSバイアル210の逆行軸方向移動を防止するように成形されるように図示されている。いくつかの実施形態では、図示されるように、係止タブ218a~bおよびハブボア232の空間構成は、BFSバイアル210の第1の端部210-1を、バルブ250のバイアルフランジ260と接触させ、結合させ、および/またはそれに対して着座させ、これによって、それらの間に流体密封シールを生成することができる。いくつかの実施形態によれば、バルブ250は、バルブシート240-2とのシールを形成することができ、および/またはインサート270(および/またはその着座フランジ238)は、インサートシート244とのシールを形成することができる。いくつかの実施形態では、バルブフラップ252-1は、BFSバイアル210内への流体の任意の逆流を防止するように、BFSバイアル210の第1の端部210-1の上に位置付けられ、および/またはそれに対して付勢され得る。BFSバイアル210の第1の端部210-1は、例えば、バルブ250に対して位置付けられ、
図2Kのバイアルフランジ260内に着座することができ、BFSバイアル210の方向におけるバルブフラップ252-2の逆行移動または軸方向変位を防止し、これによって、BFSバイアル210の第1の端部210-1内の任意の開口部が、任意の逆行力に応答して露出されることを防止する(一方で、バルブフラップ252-2は、少なくともバルブチャネル252-1内の任意の物体によって遮断されないことによって、順行方向に自由に屈曲または移動する)。いくつかの実施形態によるそのような構成は、
図2Lに示されており、圧潰可能リザーバ220は、ヒンジ/フラップ付きバルブフラップ252-2の順行性変位を強制するそのような流体の流れによって、BFSバイアル210の第1の端部210-1を介して流体を提供することができるが、バルブフラップ252-2の逆行性変位を阻止または防止するBFSバイアル210の第1の端部210-1の性質によって、逆行流は不可能であろう。
【0051】
ここで、
図2Mを参照すると、いくつかの実施形態による流体送達システム200の一部の右側部分断面図が示されている。
図2Mに示される実施形態は、例えば、投与される薬剤が複数の成分または物質で提供される場合を例示することができる。BFSバイアル210は、例えば、患者(図示せず)に送達されるべき薬剤を製剤化するために、脱水された、乾燥した、または固体の有効成分などの第2の成分または物質(やはり明示的に図示せず)に導入されるように動作可能である、不活性担体流体(例えば、生理食塩水)または希釈剤などの流体剤(例えば、第1の成分または物質、明示的に図示せず)を保持または、または充填することができる。BFSバイアル210は、BFS製造押出プロセス中にBFSバイアル210に導入される所定量の第1の成分または物質で、例えば、第1の成分または物質が無菌のままであること、および/または充填プロセス中の汚染の可能性を防止または最小化することを可能にする様式で、予め充填することができる。いくつかの実施形態によれば、BFSバイアル210(またはその第1の端部210-1)は、第1のフランジ214、第2のフランジ216、および/または係止タブ218a~bが配置および/または形成されるネック212を備えることができる。いくつかの実施形態では、BFSバイアル210は、図示されるように、ネック212をハブ本体232に挿入することなどによって、ハブ230と嵌合または結合するように係合することができる。本明細書で説明されるようないくつかの実施形態によれば、アセンブリフランジ238は、BFSバイアル210をハブ230の中へ付勢するための軸方向てこ作用を提供するために利用することができる。いくつかの実施形態では、ハブ230は、ハブ230内のバルブ250に隣接して配置することができる流体出口ボア240を画定することができる。いくつかの実施形態によれば、バルブ250は、流体剤(または第1の成分もしくは物質)がBFSバイアル210から流体出口ボア240内に順行方向に(例えば、本明細書に記載されるようにBFSバイアル210を圧搾する際に)通過することができるバルブチャネル252-1を画定することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、流体出口ボア240内に通された流体剤は、バルブ250のバルブフラップ252-2を介した逆行移動(例えば、BFSバイアル210内に戻る)を防止することができる。このようにして、例えば、流体剤は、流体出口ボア240内およびインサート270内に選択的に放出することができる。いくつかの実施形態によれば、インサート270は、投与部材280を収容するインサート本体272を備えることができる。そのような構成では、流体剤は、BFSバイアル210から順行方向に、バルブ250およびそのバルブチャネル252-1を通って、流体出口ボア240の中へ、インサート本体272の中へ、および投与部材280を通って(例えば、最終的には患者へ)移動することができる。いくつかの実施形態によれば、薬剤の第2の成分または物質は、薬剤の2つの成分間の相互作用を可能にするために、この流体経路に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、流体経路は、2つの構成要素の導入またはインターフェース接続を可能にし、指示し、および/または強化する複数の経路(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、薬剤の3つ以上の成分を提供することができ、および/または各流体経路は、薬剤の異なる成分間の相互作用を可能にし、指示し、および/または増強してもよい。第1の流体経路は、例えば、薬剤の第1および第2の成分の導入を引き起こすことができ、第2の流体経路は、薬剤の第3および第4の成分の導入を引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、これらの経路は、全ての薬剤成分を導入できるように(例えば、別個の多成分導入後に)合流することができる。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、流体送達システム200(およびハブ230)は、基材290を備える、収容する、および/または保持することができる。基材290は、例えば、薬剤の有効成分(即ち、第2の成分またはその物質)、または有効成分を保持、担持、もしくは保持する物体を備えることができる。
図2Mに示すように、基材290は、ハブ230の流体出口ボア240内に(例えば、製造プロセス中に)配置することができ、および/または例えば、流体剤と有効成分との相互作用を促進するために、螺旋形状に構成することができる。いくつかの実施形態では、基材290は、第2の成分または物質(例えば、有効成分)を含有するバッグ、パウチ、カプセル、紙ディスク、および/または錠剤などの不活性物体を含むことができる。第2の成分または物質は、例えば、粉末形態、乾燥形態、顆粒形態、脱水形態、凍結乾燥形態、低温乾燥形態、乾燥形態、粉末形態、および/または固体形態で配置することができ、そして基材290の中または上に保管することができる。いくつかの実施形態では、第2の成分または物質は、ピル、ケーキ、錠剤(例えば、環状錠剤)、微粉末、および/または通気形態などの固体および/または含気形状で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の成分または物質は、高分子糖、増粘剤と組み合わせるなどによって、他の物質(例えば、不活性および/または非反応性物質)と組み合わせるか、または混合することができる。いくつかの実施形態によれば、ハブ230は、基材290および/または有効成分を収容または保持することができる空隙、チャネル、突起、溝、トラック、ディフューザ、または他の特徴(図示せず)を含むかまたは画定することができる。いくつかの実施形態では、基材290は、有効成分とは別個の物体を含まなくてもよく、ハブ230(またはその流体出口ボア240)内の第2の成分または物質の廃棄を表すことができる。第2の成分または物質は、例えば、流体出口ボア240の内側表面上に、例えば、螺旋(例えば、旋条)パターン等の1つ以上のパターンで直接付着(例えば、印刷)されてもよい。いくつかの実施形態によれば、流体出口ボア240(またはその一部)の内面は、第2の成分または物質(または第2の成分または物質を含有または担持する混合物)でコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、印刷または付着は、流体剤の流れに曝される第2の成分または物質の表面積を増加させる様式(例えば、隆起した十字パターン、隆起した旋条リッジ)で行うことができる。第2の成分または物質と流体剤(または他の第1の成分または物質)との間の接触表面積の増加は、例えば、第2の成分または物質の溶解を増加させ、および/または所望の溶解レベルに必要とされる時間を短縮することができる。有効成分の寸法、形状、厚さ、および/または用量についての種々の異なるパラメータは、異なるタイプの有効成分について選択することができ、パラメータ値は、特定の目標を満たすように選択される。このような目標の例としては、(i)第2の成分または物質の表面積を最大化すること、(ii)溶解時間を最小化すること、(iii)溶解される第2の成分または物質の割合を最大化すること(例えば、特定の時間以内および/または特定の量もしくは種類の希釈剤が与えられる)、ならびに(iv)得られる薬剤の所望の濃度(例えば、濃度範囲の所望の曲線)を挙げることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2の成分または物質の量、パターンまたは構成は、第2の成分または物質(および/または有効成分)の90パーセント(90%)が、第1の成分または物質がBFSバイアル210から流体出口ボア240に放出される5から6(5-6)秒以内に特定の第1の成分または物質(例えば、流体剤)に溶解するように設計することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の成分または物質および第2の成分または物質は、2つの別個の製造プロセスによって充填または製造することができ、および/または2つの別個の製品として包装および販売することができる。BFSバイアル210は、例えば、第1の施設における第1の製造プロセス中に、および/または第1の機械(例えば、BFS機械、図示せず)によって、第1の成分または物質で充填することができ、一方、第2の成分または物質および/または基材290は、第2の施設における第2の製造プロセス中に、および/または第2の機械(例えば、有効成分印刷デバイス、図示せず)によって、ハブ230内に配置または付着してもよい。いくつかの実施形態によれば、BFSバイアル210およびハブ230(例えば、基材を収容する)は、別々に保管、輸送、および/または販売することができる。いくつかの実施形態では、BFSバイアル210およびハブ230は、一緒に、例えば、パックまたはセット(例えば、ブリスターパック)で製造および/または販売することができ、および/または部分的に予め組み立てることができる。いくつかの実施形態では、BFSバイアル210およびハブ230は、個別に封止されてもよく、またはパッケージ内で一緒に封止されてもよい。BFSバイアル210は、例えば、BFS製造プロセス中に封止されてもよく、ハブ230(および/またはその流体出口ボア240)は、ハブ230の1つ以上の端部を閉鎖することによって基材290(および/または有効成分)を保護および/または隔離する(例えば、その流体経路を封止する)プラスチックまたは箔シール(図示せず)などによって別個に封止されてもよい。ハブ230および基材290は、例えば、清潔な環境で組み立てられ、その後、保護のために封止されてもよい。いくつかの実施形態では、BFSバイアル210およびハブ230は、事前に組み立てることができ、任意のシールは、例えば、システム200がユーザによって起動され、患者に送達される薬剤を混合、再構成、および/または形成するまで、第1の成分または物質と第2の成分または物質との間の分離を維持する、内部動作シール(紙、箔、気泡)を備えることができる。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、ハブ230(および/またはバルブ250などのその構成要素)は、BFSバイアル210のシール(例えば、第1の端部210-1)を穿孔するための要素(明示的に図示せず)を備えることができる。突起、カッター、尖端、および/または他の突出部(例えば、プラスチックまたは金属性、図示せず)は、例えば、ハブ230内に配置することができ、そしてハブ本体232内のBFSバイアル210の結合の際に、BFSバイアル210の第1の端部210-1と係合するように方向付けすることができる。要素は、BFSバイアル210の第1の端部210-1を貫通してもよく、例えば、その中に保管された流体剤が、バルブチャネル252-1および/または流体出口ボア240に流れこむことを可能にする(例えば、基材290および/またはその有効成分と係合および/または界面接触する)。いくつかの実施形態では、そのような穿孔要素は、ハブ本体232内でBFSバイアル210が回転すると、例えば、その任意のシールの中に、またはそれを通して円周を穿孔または切断する、切断縁を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、BFSバイアル210は、その第1の端部210-1上に配置された切断または貫通要素(図示せず)を備えることができ、これにより、ハブ230のシールと係合されたときに、BFSバイアル210がハブ本体232に入るおよび/または結合され得るように、シールを穿孔する、切断する、または別様に傷つけることができる。
【0056】
BFSバイアル210内の第1の成分または物質は、概して、生理食塩水または他の流体剤等の不活性成分と称され、基材290のまたはその上の第2の成分または物質は、概して、薬剤の有効成分または原料と称されるが、いくつかの実施形態では、それらは、逆であってもよい。BFSバイアル210に保管された第1の成分または物質は、例えば、活性剤を含むことができ、基材290は、不活性成分(糖化合物など)であり得る第2の成分または物質を含むかまたは保持することができる。いくつかの実施形態によれば、第1の成分または物質および第2の成分または物質の両方は、例えば、導入または混合時に反応して薬剤を形成する有効成分を含むことができる。
【0057】
図2Nを参照すると、いくつかの実施形態による流体送達システム200で使用するための様々な基材290a~cの上面図および側面図が示されている。基材290a~cは、例えば、第2の成分または物質が付着、接着、注入、および/または他の方法で保持もしくは担持されるプラスチックおよび/または紙のインサートまたは構造を含むことができる。基材290a~cは、第2の成分または物質の溶解および/または分散を促進するために、および/またはハブ230を通る流体剤の流れを方向付けるために、様々な様式で構成することができる。第1の基材290aは、例えば、第1の軸方向流れプロファイル292a(例えば、軸方向に露出した表面領域)を画定する軸方向に細長い螺旋構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の基材290aは、第1の基材290aによって妨げられることも方向転換されることもなく、流体経路を通って軸方向に流れることを可能にする第1のチャネル294aを備え、および/または画定することができる。いくつかの実施形態によれば、第2の基材290bは、第2の軸方向流れプロファイル292bを画定する軸方向に細長い螺旋構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、第3の基材290cは、第3の軸方向流れプロファイル292cを画定するように互いに結合された軸方向に分散された1組の環状構造を含むことができる。第3の基材290cは、例えば、流体剤の一部が第3の基材290cを通って流れることを可能にする一方で、流体剤の他の部分がその第3の軸流プロファイル292cのうちの1つ以上と相互作用するように強制され得る、第2のチャネル294cを画定することができる。異なる基板290a~cを利用して、基材290a~c上に配置または保持することができる、または既知または実行可能となる異なる物質に対して、異なる混合作用および/または溶解時間を誘導することができる。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、基材290a~cは、第2の成分または物質がその上(および/またはその中に)付着または保持される、ハブ230に挿入された構造を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板290a~cは、第2の成分または物質を印刷材料として利用する付加製造によって形成された構造など、第2の成分または物質の付着されたインスタンスを含むことができる。第2の成分または物質は、例えば、糖化合物またはタンパク質などの構造促進剤と組み合わせて、基板290a~cおよび/またはその一部のうちの1つまたは複数を画定するように所定のパターンで付着させることができる。本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、そのような付着または「印刷」は、ハブ230の1つまたは複数の内面(流体出口ボア240の内壁など)上で直接達成することができる。いくつかの実施形態によれば、基材290a~cおよび/または第2の要素もしくは物質は、システム200の様々な構成要素内に配置することができ、および/または様々な構成要素上に付着することができる。流体出口ボア240は、概して、第2の成分または物質のための場所として説明されるが、例えば、1つ以上の第2の成分または物質は、ハブ230の種々の他の部分内、インサート270内、投与部材280内、および/またはシステム200の他の部分内に、であるか、または実行可能になるように配置することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、所定の投与量または量の第2の成分または物質を含むおよび/または保持する基材290a~cのうちの1つまたは複数は、製造プロセス中にハブ230に挿入または付着することができ、BFSバイアル210は、BFS製造プロセス中に所定の投与量または量の第1の成分または物質で充填することができる。製造組立中に達成されようと現場で達成されようと、BFSバイアル210は、次いで、第1の成分または物質および第2の成分または物質の各々が流体経路および/または互いに露出されるように、ハブ230に結合することができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、ユーザがハブ230および投与部材280を(例えば、針カバー(図示せず)上またはアセンブリフランジ238上、およびBFSバイアル210上に「押し下げる」ことによって)作動させ、それにより、BFSバイアル210とハブ230との間のシール(図示せず)の穿刺を引き起こし、送達システム200のアーミングを引き起こすことが想定される。次いで、ユーザは、必要に応じて注射部位を洗浄し、針カバーを取り外した後に注射カニューレを正しい身体位置に挿入し、BFSバイアル210をつまむことによってシステム200を展開することができる。流体剤は、ハブ230を通って流れ、粉末(または他の形態の第2の物質)を溶解し、それを、投与部材280を通って患者の体内に放出する。これは、速溶性の粉末で良好に機能する。溶解が遅い製剤は、より長い「トラック」(例えば、ハブ230および/または投与部材280を通るより長いまたはより複雑な流体経路)を必要とする場合があり、即ち、溶解が起こることを確認するための相互作用、流れ、渦、乱流は、所望に応じて修正することができる。いくつかの実施形態では、粉末薬物の微粒子をハブ230の中に、および/または基材290a~cの上もしくは中に噴霧乾燥または印刷することは、より速い溶解速度を促進する。ユーザ(例えば、薬剤が注射されている人、自己注射の場合には医療従事者または他の人)は、次いで、例えば、BFSバイアル210を圧搾し、それによって、第2の成分または物質(例えば、有効成分)の適切な投与量/用量を有するハブ230の中に第1の成分または物質を押し込み、即ち、流体剤がハブ230および/または第2の成分または物質を含有する流体出口ボア240を通って移動するときに薬剤が再構成されると、有効成分を含む薬剤が再構成されおよび適切な投与量の薬剤が投与部材280を介して患者の中に注射される。システム200は、一般に、制御された様式で、そのような薬剤の送達を投与する際に専門的な技術を必要とすることなく、多成分薬剤を送達することができる。
【0060】
活性物質(例えば、粉末形態のワクチンまたは薬物)がハブ230内に堆積および貯蔵され、不活性物質(例えば、希釈剤)がBFSバイアル210内に保管される実施形態において、本明細書に記載されるモジュール式二成分送達システム200は、現在の送達デバイスおよび方法の多くの欠点、特に公知の二室シリンジ機構の欠点を克服する。第1に、BFSバイアル210は、ユーザが流体の正確な投与量を測定することを必要とせずに、正確な投薬量および用量の流体を非常に高い公差まで保管および送達できるように構成される。さらに、流体は、BFSバイアル210内に数年間保管することができ、これは、数十年にわたる使用が証明されている。BFS送達システムは、訓練をほとんど必要としないかまたは全く必要としないユーザ(例えば、自己注射の場合の患者、または訓練をほとんど必要としないかもしくは緊張した条件下で作業しており、したがってユーザエラーの影響を受けやすい医療専門家)による患者への薬物作用物質の所望のまたは推奨される単回用量を容易にするように構成される。本明細書に記載されるモジュール式二成分送達システム200は、ユーザが希釈剤の正確な投与量を測定することを必要とせずに薬物作用物質の再構成を可能にし、BFSバイアル210から流体を絞り出す通常の行為は、ハブ230内に不活性流体物質を導入するための力または作用を提供し、即ち、BFSバイアル210を介して注射を投与するときにユーザが通常行うもの以外の、ユーザの側のいかなる追加の測定または作用も必要とせずに、基材290内または上に保管された(またはそうでなければハブ230内に配置された)活性物質の再構成を可能にする。今日のデュアルチャンバシリンジでは、薬物はガラスバイアル内に供給され、液体は針または他のデバイスを用いてバイアル内に添加され、完全に溶解するまで振盪される。従来技術のシステムの要件は、ユーザが、針を介して液体を吸い上げることによって、正確な量の液体を測定すること、液体を別の容器内に入れること、次いで、適切な量の粉末/薬物を溶解させるために、得られた混合物を適切な時間にわたって振盪することを含んでいる。これらのステップの各々は、本明細書に説明される実施形態に存在しないユーザエラーおよび汚染の潜在的なポイントを導入する。加えて、従来技術のデバイスは、製造がより複雑であり、通常は複数の部品、複数の組立プロセスを含み、無菌性を維持することが困難であり、適正製造基準(GMP:Good Manufacturing Practices)は、大きな面積のデッドスペースおよび大量の薬剤の廃棄を伴う。
【0061】
いくつかの実施形態では、より少ないまたはより多い構成要素210、210-1、210-2、212、214、216、218a~b、220、222、226、228、228-1、228-2、228-3、228-4、230、232、232-1、232-2、232-3、234a~b、236、238、240、240-1、240-2、242、242-1、242-2、242-3、244、250、252、252-1、252-2、254a、256、258、260、262、270、272、272-1、272-2、274、276、278、278-1、280、282、282-1、282-2、282-3、284、290、290a~c、292、292a~c、294、294a、292c、および/または図示された構成要素210、210-1、210-2、212、214、216、218a~b、220、222、226、228、228-1、228-2、228-3、228-4、230、232、232-1、232-2、232-3、234a~b、236、238、240、240-1、240-2、242、242-1、242-2、242-3、244、250、252、252-1、252-2、254a、256、258、260、262、270、272、272-1、272-2、274、276、278、278-1、280、282、282-1、282-2、282-3、284、290、290a~c、292、292a~c、294、294a、292cの様々な構成を、本明細書に記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、流体送達システム200に含むことができる。いくつかの実施形態では、構成要素210、210-1、210-2、212、214、216、218a~b、220、222、226、228、228-1、228-2、228-3、228-4、230、232、232-1、232-2、232-3、234a~b、236、238、240、240-1、240-2、242、242-1、242-2、242-3、244、250、252、252-1、252-2、254a、256、258、260、262、270、272、272-1、272-2、274、276、278、278-1、280、282、282-1、282-2、282-3、284、290、290a~c、292、292a~c、294、294a、292cは、構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、流体送達システム200(および/またはその部分および/またはその構成要素210、210-1、210-2、212、214、216、218a~b、220、222、226、228、228-1、228-2、228-3、228-4、230、232、232-1、232-2、232-3、234a~b、236、238、240、240-1、240-2、242、242-1、242-2、242-3、244、250、252、252-1、252-2、254a、256、258、260、262、270、272、272-1、272-2、274、276、278、278-1、280、282、282-1、282-2、282-3、284、290、290a~c、292、292a~c、294、294a、292c)は本件の
図8および/または
図9の方法800、900、および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0062】
ここで、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図3E、
図3F、
図3G、および
図3Hに目を向けると、いくつかの実施形態によるモジュール式ハブ330の右前斜視図、上断面図、下断面図、左断面図、右断面図、前断面図、後断面図、および前断面図が示されている。いくつかの実施形態では、モジュール式ハブ330は、本明細書に説明されるような流体送達システムのモジュール式構成要素を備えることができる。モジュール式ハブ330は、例えば、それを通るハブボア332-1を画定する円筒形ハブ本体332を備えることができ、ハブボア332-1は、内側ハブボア径332-2を有する。いくつかの実施形態によれば、モジュール式ハブ330は、ハブボア332-1の開口部に配置されたバイアルベベル332-3を備えることができ、および/またはハブ本体332の側面に配置された複数の係止スロット334a~bを備えることができる。いくつかの実施形態では、モジュール式ハブ330は、ハブボア332-1の開口部に配置されたアセンブリフランジ336を備えることができ、および/またはハブ本体332の側面に配置された複数のバルブスロット338a~bを備えることができる。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、モジュール式ハブ330は、内部流体出口ボア径340-1を有する流体出口ボア340を備えることができる。いくつかの実施形態では、バルブシート340-2は、ハブボア332-1内に、および/またはハブボア332-1と流体出口ボア340との間に形成または配置することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式ハブ330は、内部インサートボア径342-1を有するインサートボア342を備えることができ、および/またはインサートベベル342-2および/またはインサート凹部342-3を備え、および/または画定することができる。いくつかの実施形態によれば、インサート凹部342-3は、インサートシート344を画定することができ、および/または、インサートボア342は、インサートシートを備えることができ、および/または、インサートシートを画定することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、
図3Cに最もよく見られるように、ハブボア332-1は、楕円形、正方形、長方形、三角形などの非円形断面、および/または図示すような「目」形状などの他の形状を含むことができる。このようにして、例えば、同様の形状のネック(図示せず)を有するBFSバイアルのみが、ハブボア332-1に挿入することができ、および/または、その中に水密シールを形成するように正しく着座して挿入および着座させることができる。いくつかの実施形態によれば、ハブボア径332-2は、インサートボア径342-1と等しくすることができ、および/または流体出口ボア径340-1は、ハブボア径332-2およびインサートボア径342-1のいずれかまたは両方より小さくすることができる。いくつかの実施形態では、バルブシート340-2および/またはインサートシート344は、それぞれ、バルブおよびインサート(いずれも図示せず)を受け入れるように成形することができる。いくつかの実施形態によれば、バルブシート340-2は、ハブボア322-1に挿入されたバルブの一部がバルブシート340-2に着座および/またはシールし得る一方で、バルブシートの別の部分が各それぞれのバルブスロット338a~b内に突出する、および/またはそうでなければ各それぞれのバルブスロット338a~bと係合されるように、バルブスロット338a~bに軸線方向に隣接して位置付けすることができる。いくつかの実施形態によれば、バイアルベベル332-3およびインサートベベル342-2は、その中に軸線方向に挿入された物体に作用する円錐形状の部分であり得る。例えば、ハブボア径332-2を超える外径および/または半径方向の広がりを有する柔軟なおよび/または圧縮可能な物体(図示せず)が、ハブボア径332-1内に軸線方向に付勢される場合、バイアルベベル332-3は、半径方向内側に反対の力をそこに提供または及ぼし、物体を、例えば、バイアルベベル332-3の径が軸線方向挿入経路に沿って減少するにつれて、ますます圧縮、後退、および/または変形させることができる。いくつかの実施形態では、流体出口ボア340は、有効成分(図示せず:例えば、本件の
図2Mおよび/または2Nの基材290)を含むおよび/または収容することができる。流体出口ボア340は、固体有効成分で裏打ちされてもよく、固体成分錠剤を収容することができ、および/または有効成分が輸送される(例えば、接着および/または含有される)不活性基材を収容することができる。いくつかの実施形態によれば、流体出口ボア340は、流体出口ボア340を通って流れる流体が溶解することができる固体物質を格納、収容、および/または保持する戻り止め、空隙、および/または隆起などの1つまたは複数の特徴(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態では、流体出口ボア340の全長および/または内部流体出口ボア径340-1は、有効成分および/または関連する物質もしくは物体を収容するようにサイズ決定および/または構成することができる。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、より少ないまたはより多い構成要素332、332-1、332-2、332-3、334a~b、336、338、340、340-1、340-2、342、342-1、342-2、342-3、344、および/または図示される構成要素332、332-1、332-2、332-3、334a~b、336、338、340、340-1、340-2、342、342-1、342-2、342-3、344の様々な構成を、本明細書に記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、モジュール式ハブ330に含むことができる。いくつかの実施形態では、構成要素332、332-1、332-2、332-3、334a~b、336、338、340、340-1、340-2、342、342-1、342-2、342-3、344は、構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式ハブ330(および/またはその部分および/または構成要素332、332-1、332-2、332-3、334a~b、336、338、340、340-1、340-2、342、342-1、342-2、342-3、344)は、本件の
図8および/または
図9の方法800、900および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0066】
ここで、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4E、
図4F、
図4Gおよび
図4Hを参照すると、いくつかの実施形態によるモジュラーバルブ450の右前斜視図、上断面図、下断面図、左断面図、右断面図、前断面図、後断面図、および前断面図が示されている。いくつかの実施形態では、モジュラーバルブ450は、本明細書に記載されるような流体送達システムのモジュール式構成要素を備えることができる。モジュラーバルブ450は、例えば、それを通るバルブチャネル452-1を画定する円筒形および/または環状形状のバルブ本体452を備えることができ、バルブチャネル452-1は、その中に配置されたバルブフラップ452-2を有し、および/またはバルブ本体452から半径方向に突出する1つ以上の取り付け翼454a~bを有する。いくつかの実施形態によれば、モジュラーバルブ450は、バルブ本体452から軸方向に延びる円筒形ライザ456、および/またはライザ456の基部に形成された順行性空隙458を備えることができる。いくつかの実施形態では、モジュラーバルブ450は、バルブ本体452の軸方向に面する表面上に形成および/または配置されるバイアルフランジ460を備えることができ、および/またはバルブ本体452の反対側の軸方向に面する表面上に配置および/または形成される着座面462を備えることができる。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、バルブ本体452は、モジュール式ハブ部材(図示せず)のボア内に嵌合するように成形することができる。バルブ本体452は、例えば、略円筒形または円形に成形されてもよく、または
図4A、
図4Bおよび
図4Cに示されるように、「目」または「アーモンド」形状であってもよい。いくつかの実施形態では、バルブフラップ452-2は、バルブチャネル452-1の内部の円周の一部のみに沿って取り付けられた柔軟な材料の一部を含むことができ、それにより、バルブフラップは、軸方向の力がバルブフラップ隙間に加えられると選択的かつ一時的に軸方向に変位することができる。いくつかの実施形態では、バルブフラップ452-2を曲げるためにより大きな軸方向の力が必要となるように、および/またはバルブフラップ452-2が、バルブフラップ452-2をデフォルトまたは「閉」位置、例えば、モジュラーバルブ450の軸に対して垂直な位置に付勢またはバイアスする増大した自然のバネ効果を含むように、より剛性の高いゴムまたはプラスチック化合物を利用してバルブフラップ452-2を構築することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、より少ないまたはより多い構成要素452、452-1、452-2、454a~b、456、458、460、462、および/または図示の構成要素452、452-1、452-2、454a~b、456、458、460、462、の様々な構成をモジュラーバルブ450に含むことができる。いくつかの実施形態では、構成要素452、452-1、452-2、454a~b、456、458、460、462、は構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、モジュラーバルブ450(および/またはその部分および/または構成要素452、452-1、452-2、454a~b、456、458、460、462)は、本件の
図8および/または
図9の方法800、900および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0069】
ここで、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、
図5F、
図5Gおよび
図5Hを参照すると、いくつかの実施形態によるモジュール式インサート570の右前斜視図、上断面図、下断面図、左断面図、右断面図、前断面図、後断面図、および前断面図が示されている。いくつかの実施形態では、モジュラーインサート570は、本明細書に記載されるような流体送達システムのモジュール式構成要素を備えることができる。モジュラーインサート570は、例えば、それを通る流体チャネル572-1を画定し、その対向する端部に配置された出口漏斗574および/または入口漏斗576を有する、円筒形状のインサート本体572を備えることができる。いくつかの実施形態によれば、出口漏斗574は、本明細書に記載されるような様々な所望の流体送達用途のために(例えば、異なるゲージの針、ノズル、および/または他の送達方法もしくは用途の受け入れのため)構成された内径574-1を備えることができる。いくつかの実施形態では、モジュラーインサート570は、着座フランジ578および/または着座フランジカラー578-1を備えることができる。図示のように、着座フランジカラー578-1は、入口漏斗576を収容および/または画定することができる。いくつかの実施形態によれば、着座フランジ578は、着座フランジ578の直径よりも小さい直径を有するボア(図示せず)内への着座フランジ578の挿入を容易にするように、その半径方向範囲において丸くすることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載より多い構成要素572、572-1、572-2、574、574-1、576、578、578-1、および/または図示の構成要素572、572-1、572-2、574、574-1、576、578、578-1の様々な構成をモジュール式インサート570に含めることができる。いくつかの実施形態では、構成要素572、572-1、572-2、574、574-1、576、578、578-1は、構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、モジュラーインサート570(および/またはその部分および/または構成要素572、572-1、572-2、574、574-1、576、578、578-1)は、本件の
図8および/または
図9の方法800、900および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0071】
ここで、
図6A、
図6B、
図6C、
図6D、
図6E、
図6F、
図6Gを参照すると、いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアル610の右前方斜視図、上面図、底面図、左側面図、右側面図、正面図、および図が示されている。BFSバイアル610は、例えば、一方の端部に底部610-2を備え、その反対側の端部にネック612、遠位または第1のフランジ614、近位または第2のフランジ616、および/または複数の指標付けまたは結合要素618a~bを備える、概してフラスコ形状の要素を備えることができる。第1のフランジ614、第2のフランジ616、および/または結合要素618a~bは、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるように、流体送達のためにハブアセンブリ(図示せず)と嵌合および/または結合するように動作することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式BFSバイアル610は、底部610-2とネック612との間に配置されたフラスコ形状の流体リザーバ620、および/または底部610-2に隣接しておよび/または底部に配置された圧縮脚部622を備えることができる。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、フラスコ形状の流体リザーバ620は、圧縮脚部622をネック612に向かって付勢する軸方向の力を加えることなどによって、その中に保管された任意の流体(例えば、不活性希釈剤または薬剤の有効成分)を放出するために軸方向に圧縮および/または圧潰することができる。いくつかの実施形態では、フラスコ形状の流体リザーバ620は、ユーザが2本以上の指(図示せず)をフラスコ形状の流体リザーバ620の上部に置き、その親指(同様に図示せず)が底部610-2の圧縮脚部622の下に配置されることによって、ユーザ(図示せず)が容易に操作できるようになり、有利に人間工学的にすることができる。指を親指に向かって圧縮する圧搾運動は、次いで、いくつかの実施形態では、フラスコ形状流体リザーバ620を圧縮および/または変形させ、その結果、略ディスク形状の圧潰された外観を達成し、即ち、その中に以前に保管されたほぼ全ての流体を放出することによって、フラスコ形状流体リザーバ620の容積をほぼゼロに低減することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、より少ないまたはより多い構成要素610-2、612、614、616、618a~b、620、622、および/または図示の構成要素610-2、612、614、616、618a~b、620、622の様々な構成をモジュール式BFSバイアル610に含めることができる。いくつかの実施形態では、構成要素610-2、612、614、616、618a~b、620、622は、構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式BFSバイアル610(および/またはその部分および/または構成要素610-2、612、614、616、618a~b、620、622)は、本件の
図8および/または
図9の方法800、900、および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0074】
ここで、
図7A、
図7B、
図7C、
図7D、
図7E、
図7Fおよび
図7Gを参照すると、いくつかの実施形態によるモジュール式BFSバイアル710の右前方斜視図、上面図、底面図、左側面図、右側面図、正面図、および図が示されている。BFSバイアル710は、例えば、上部または出口710-1および底部710-2を含むアコーディオンまたは「コンサーティーナ」形状の要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、BFSバイアル710は、ネック712、遠位または第1のフランジ714、近位または第2のフランジ716、および/または複数のインデックス要素または結合要素718a~bを(例えば、出口710-1に、または出口に隣接して)備えることができる。第1のフランジ714、第2のフランジ716、および/または結合要素718a~bは、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるように、流体送達のためにハブアセンブリ(図示せず)と嵌合および/または結合するように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、モジュール式BFSバイアル710は、上部710-1と底部710-2との間に配置された「コンサーティーナ」形状の流体リザーバ720a~b、および/または底部710-2に隣接しておよび/または底部に配置された圧縮脚722を備えることができる。いくつかの実施形態では、「コンサーティーナ」形状の流体リザーバ720a~bは、それらの間に形成および/または接合された、上側または第1のローブ720aおよび下側または第2のローブ720bなどの複数のセグメント、容積、および/またはローブを備える、および/または画定することができる。いくつかの実施形態では、より少ないまたはより多いローブ720a~bを利用することができる。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、ローブ720a~bは、圧縮脚722をネック712および/または上部710-1に向かって付勢する軸方向の力を加えることなどによって、その中に保管された任意の流体を排出するために、軸方向に圧縮および/または圧潰することができる。いくつかの実施形態では、ローブ720a~bは、ユーザ(図示せず)が2本以上の指(図示せず)を第1のローブ720aの上部の上に置き、親指(また図示せず)が底部710-2部で圧縮脚722の下に配置されることによって、ユーザ(図示せず)が容易に操作できるようにすることによって、有利に人間工学的にすることができる。指を親指に向かって圧縮する圧搾運動は、次いで、いくつかの実施形態では、ローブ720a~bのそれぞれを圧縮および/または変形させ、その結果、それらはそれぞれ、ほぼディスク形状の圧潰外観を達成し、即ち、その中に以前に保管されたほぼ全ての流体を放出することによって、「コンサーティーナ」形状流体リザーバ720a~bの容積をほぼゼロに低減することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態の範囲から逸脱することなく、より少ないまたはより多い構成要素710-1、710-2、712、714、716、718a~b、720a~b、722および/または図示の構成要素710-1、710-2、712、714、716、718a~b、720a~b、722の様々な構成をモジュール式BFSバイアル710に含めることができる。いくつかの実施形態では、構成要素710-1、710-2、712、714、716、718a~b、720a~b、722は、構成および/または機能性において本明細書に記載されたものと同様の名称および/または番号の構成要素と類似することができる。いくつかの実施形態では、モジュール式BFSバイアル710(および/またはその部分および/または構成要素710-1、710-2、712、714、716、718a~b、720a~b、722)は、本件の
図8および/または
図9の方法800、900および/またはその一部または組合せに従って利用することができる。
【0077】
III.薬剤送達方法
図8はいくつかの実施形態によるメソッド800の斜視フロー図である。方法800は、例えば、本明細書に記載されるような様々な薬剤送達システムおよび/またはその構成要素の例示的な使用を示すことができる。本明細書で説明されるプロセス図およびフロー図は、必ずしも、任意の示された行為、工程、および/または手順に対する固定された順序を暗示すものではなく、実施形態は、一般に、別段断りのない限り、実行可能な任意の順序で実行され得る。本明細書で説明する行為、工程、および/または手順の順序は一般に固定されないが、いくつかの実施形態では、行為、工程、および/または手順は、列挙され、図示され、および/または説明された順序で具体的に実行され得、および/または任意の前に列挙され、図示され、および/または説明された行為、工程、および/または手順に応答して実行され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、
図8に示されるように、薬剤送達システムは、801において、BFSバイアル802のパック、および対応する数の完全に組み立てられた送達アセンブリ826(例えば、安全カバー828を有する、および/またはその中に配置された固体もしくは乾燥有効成分を含む)を備えることができる。ユーザは、次いで、いくつかの実施形態によれば、803において、単回用量の流体剤を送達する準備ができたときに、バイアル810のうちの1つをパック802から簡単に引き離すことができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、次いで、805において、例えば、バイアル810が送達アセンブリ826内の定位置にスナップ留め、クリック留め、および/または係止するまで、それらを一緒に(例えば、軸方向に)押圧することによって、除去されたバイアル810を送達アセンブリ826のうちの1つに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、バイアル810のうちの1つと送達アセンブリ826との嵌合または結合は、1つ以上のシールの穿孔または除去を引き起こし得る。有効成分が送達アセンブリ826内に保管される場合、例えば、バイアル810の挿入は、シールを破壊または除去し得る。同様に、送達アセンブリ826は、バイアル810のシール(またはその一部)を穿孔して、その中に保管された流体を露出させる要素を備えることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、結合されたバイアル810および送達アセンブリ826を振って、送達アセンブリ826内の有効成分とともにバイアル810から流体を導入してもよい(またはその逆も同様である)。いくつかの実施形態によれば、ユーザは、次いで、807において、組み合わされたバイアル810および送達アセンブリ826から安全カバー828を取り外し、それによって針880(または他の適切な投与部材)を露出させることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは次いで、809において、流体剤を投与することができる(自己投与または別の人への投与のいずれかに)。完了すると、安全カバー828を送達アセンブリ826上に戻すことができ、811において、内容物を適切なバイオハザード廃棄物容器内に廃棄することができる。
【0079】
送達アセンブリ826は、概して、薬剤を投与するための特別な訓練を必要とすることなく、比較的簡単な様式で薬剤を患者に送達できるように構成される。いくつかの実施形態では、送達アセンブリ828は、流体剤を投与する人(例えば、管理者)(これはまた、自己投与を含み得る)が、投与部位(例えば、肩、腕、胸、鼻、耳、目など)上にデバイスを配置することのみを必要とし、次いで、流体剤の投与量を含むBFSバイアル810(および/またはその流体リザーバ)を完全に圧縮し、それによって、正確な所定の投薬量を患者に送達できるように設計される。送達アセンブリ826はさらに、針880が必要とされる場合(即ち、送達方法が注射であるため)、針貫通が投与部位内の正しい長さと向きに限定されるように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、針880は、針880が略垂直な角度で患者の皮膚に挿入されるように構成され、インサートの遠位端が患者の皮膚に接触して流体剤の注射のための適切な浸透深さを示すように構成されるように、インサートの遠位端が位置する平面に対して略垂直に配置される。
【0080】
したがって、送達アセンブリ826は、ワクチンまたは薬物の投与のために、訓練された、熟練した医療専門家を必要としなくてもよい。したがって、送達アセンブリ826は、ワクチンまたは薬物が非医療関連施設(例えば、診療所または病院の外)で投与され、非専門家によって短期間にわたって多数の個人に与えられる状況において特に有用であり得る。
【0081】
ここで、
図9を参照すると、いくつかの実施形態による方法900のフロー図が示されている。方法900は、例えば、902において、BFSバイアルをBFSマニホールドから分離することを含むことができる。ユーザは、個々のバイアルを把持し、それを捻るかまたは曲げて、例えば、1つ以上の事前に構成された破損または接合点において、それをBFSマニホールドから分離することができる。いくつかの実施形態によれば、方法900は、904において、BFSバイアルを送達ハブに結合することを含むことができる。結合は、例えば、BFSバイアルに一体化された係合要素がアセンブリハブの適切に割り出された保持機構にクリックまたはスナップ嵌めされるまで、BFSバイアルを(例えば、本明細書に記載されるような)モジュール式アセンブリハブのボア内に軸方向に付勢する軸方向の力を(例えば、BFSバイアルのグリッププレートおよびアセンブリハブのアセンブリフランジを介して)加えることを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、1つ以上のシールは、結合中または結合前に除去または破壊することができ、および/または結合されたアセンブリは、その異なる構成要素内に別個に保管された成分を混合するために振盪することができる。いくつかの実施形態では、方法900は、906において、安全キャップを取り外すことを含むことができる。軸方向の力を加えて、キャップをアセンブリハブから分離し、例えば、針、ノズル、点滴器などの投与部材を露出させることができる。いくつかの実施形態によれば、方法900は、908において、ある投与量の流体(例えば、流体剤またはキャリア流体もしくは希釈剤中に再構成もしくは溶解された有効成分を含む薬剤)を投与することを含むことができる。アセンブリハブの投与要素は、例えば、患者と係合することができ、BFSバイアルの圧潰可能で一体型リザーバは、そこから流体を押し出す(および/または別個に保管された有効成分の混合もしくは溶解を引き起こす)ように、圧搾することができる(例えば、半径方向内向きの力を加えることによって)。いくつかの実施形態によれば、流体は、一方向バルブのバルブフラップを変位させ、それによって流体が投与要素内に軸方向に進み、患者に送達されることを可能にするように、順行軸方向に押し込まれ得る。いくつかの実施形態では、方法900は、910において、安全キャップを交換することを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、方法900は、912において、送達システムを廃棄することを含むことができる。このようにして、例えば、熟練していないユーザが投与および/または自己投与することを可能にする、低コストで、容易に輸送され、より容易に保管される流体送達システムが提供され得る。
【0082】
IV.追加の実施形態
図10は異なる送達方法(例えば、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、および皮内注射)のために構成されたモジュール式送達またはハブアセンブリ1026a~dの斜視図を示す。いくつかの実施形態では、各モジュール式ハブアセンブリ1026a~dは、それぞれのモジュール式ハブ要素1030a~d(例えば、乾燥または固体有効成分を収容または含有することができる)、モジュラーバルブ要素1050a~d、モジュラーインサート要素1070a~d、および/またはモジュール式針(または他の投与)要素1080a~dを備えることができる。
図10に示すように、様々なそれぞれの針要素1080a~dは、異なる送達/投与要件のために構成することができる。例えば、針要素1080a~dは、約1.5ミリメートル(1.5mm)~25ミリメートル(25mm)の範囲の様々な長さを有することができ、例えば、第1の針要素1080aが最も長く、第2の針要素1080bが第1の針要素1080aより短く、第3の針要素1080cが第2の針要素1080bより短く、および/または第4の針要素1080dが第3の針要素1080cより短い。いくつかの実施形態によれば、針要素1080a~dの長さは、2分の1ミリメートル(0.5mm)~50ミリメートル(50mm)の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、様々なハブアセンブリ1026a~d間の唯一の構造上の違いは、針要素1080a~dの長さ(および/または厚さ)であり得る。他のモジュール式構成要素1030a~d、1050a~d、1070a~dの各々は、例えば、同一であり得る。したがって、送達アセンブリ1026a~dのモジュラー構造は、特定の必要性(即ち、皮下、筋肉内、皮内、静脈内注射、スプレー、または液滴送達など、送達される薬剤に応じた異なる送達モード)を満たす新しい送達アセンブリ構成を作成するために、最小限のコストで1つまたは複数の構成要素の迅速な製造再構成を可能にすることができる。例えば、モジュール式ハブ要素1030a~dおよびモジュラーバルブ要素1050a~dは、同じ構造(寸法および材料)のままであり得るが、一方、モジュラーインサート要素1070a~dは、送達のタイプおよび/または送達される流体剤のタイプに応じて、異なるサイズの針要素1080a~dおよび/またはノズルタイプを考慮するように変更することができる。
【0083】
V.解釈のルール
本明細書の説明全体を通して、別段の指定がない限り、以下の用語は、提供される例示的な意味を含み、かつ/または包含することができる。これらの用語および例示的な意味は、本明細書および添付の特許請求の範囲の両方において実施形態を説明するために選択された言語を明確にするために提供され、即ち、一般的に限定することを意図するものではない。一般的に限定するものではなく、記載される全ての実施形態を限定するものではないが、いくつかの実施形態では、用語は、提供される例示的な定義および/または例に具体的に限定される。他の用語は、本明細書を通して定義されている。
【0084】
多数の実施形態が本特許出願に記載されており、例示目的のためにのみ提示されている。記載された実施形態は、いかなる意味においても限定するものではなく、限定することを意図するものでもない。本開示から容易に明らかであるように、本開示の発明は、多くの実施形態に広く適用可能である。当業者は、開示された発明が、構造的、論理的、ソフトウェア的、および電気的な修正などの様々な変更および改変とともに実施され得ることを認識するであろう。開示された発明の特定の特徴は、1つ以上の特定の実施形態および/または図面を参照して説明され得るが、そのような特徴は、明示的に別段の定めがない限り、それらが説明される1つ以上の特定の実施形態または図面における使用に限定されないことを理解されたい。
【0085】
互いに通信しているデバイスは、特に明記しない限り、互いに連続的に通信している必要はない。
【0086】
いくつかの構成要素または特徴を有する実施形態の説明は、そのような構成要素および/または特徴の全てまたはいずれかが必要であることを意味するものではない。それどころか、本発明の多種多様な可能な実施形態を例示すために、様々な任意の構成要素が説明されている。明示的に別段の定めがない限り、構成要素および/または特徴は必須または必要ではない。
【0087】
さらに、プロセスステップ、アルゴリズムなどは、順序で説明され得るが、そのようなプロセスは、異なる順番で動作するように構成され得る。言い換えれば、明示的に説明され得るステップの任意の順序または順番は、ステップがその順番で実行されるという要件を必ずしも示しているものではない。本明細書に記載されるプロセスのステップは、実用的な任意の順番で実行され得る。さらに、いくつかのステップは、(例えば、一方のステップが他方のステップの後に説明されるので)非同時に生じるものとして説明または暗示されるにもかかわらず、同時に実行され得る。さらに、図面におけるその描画によるプロセスの例示は、例示されたプロセスが他の変形および変更を排除することを意味するものではなく、例示されたプロセスまたはそのステップのいずれかが本発明に必要であることを意味するものではなく、例示されたプロセスが好ましいことを意味するものではない。
【0088】
本開示は、当業者に、いくつかの実施形態および/または発明の有効な説明を提供する。これらの実施形態および/または発明のいくつかは、本出願において特許請求されなくてもよいが、それにもかかわらず、本出願の優先権の利益を主張する1つまたは複数の継続出願において特許請求されてもよい。出願人は、本出願において開示され、有効にされているが、特許請求されていない主題の特許を追求するために追加の出願を提出する意向がある。
【0089】
本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に対して様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。したがって、上記の説明は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではなく、単にその実施形態として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で他の変更を想定するであろう。
【0090】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書で説明および図示されたが、当業者は、本明細書で説明された機能を実行し、および/または結果および/または利点のうちの1つまたは複数を取得するための様々な他の手段および/または構造を容易に想定し、そのような変形および/または変更の各々は、本開示の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、本開示の教示が使用される特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。
【0091】
当業者は、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または日常的な実験のみを使用して確認することができる。したがって、前述の実施形態は、例としてのみ提示され、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、本開示は、具体的に記載および請求されている以外の方法で実施できることを理解されたい。本開示は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組合せは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0092】
本明細書で定義および使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するように理解されるべきである。
【0093】
本明細書および特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」および「an」は、反対のことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0094】
本明細書および特許請求の範囲で使用される「および/または」という語句は、そのように結合された要素、即ち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。反対のことが明確に示されない限り、「および/または」節によって具体的に特定された要素以外の他の要素が、具体的に特定されたそれらの要素に関連するかしないかにかかわらず、任意選択で存在し得る。
【0095】
本明細書全体を通して、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所に「一実施形態では」または「ある実施形態では」という語句が現れることは、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0096】
本明細書で使用された用語および表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語および表現の使用において、示され説明された特徴(またはその部分)の任意の等価物を除外する意図はなく、様々な変更が特許請求の範囲内で可能であることが認識される。したがって、特許請求の範囲は、全てのそのような等価物を包含することを意図している。
【0097】
本明細書に示され、記載されるものに加えて、本発明の様々な変更およびその多くのさらなる実施形態は、本明細書に引用された科学文献および特許文献への参照を含む、本明細書の全内容から当業者に明らかになるであろう。本明細書の主題は、本発明の様々な実施形態およびその等価物における本発明の実施に適合させることができる重要な情報、例示および指針を含む。