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特許7489970カプラ、物品検査システム及び物品検査方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】カプラ、物品検査システム及び物品検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/28 20060101AFI20240517BHJP
   G01N 29/06 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G01N29/28
G01N29/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021518689
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019054394
(87)【国際公開番号】W WO2020072712
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】62/741,973
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517388071
【氏名又は名称】ソニックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sonix, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンシン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・クリストファー・パトリック・マッキーオン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・アイヴァン・ジョーン・キートン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・レムリー・ライト
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-133007(JP,A)
【文献】特開平07-318539(JP,A)
【文献】特開平07-286994(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0178821(US,A1)
【文献】特開2012-038840(JP,A)
【文献】特開2003-194789(JP,A)
【文献】米国特許第6298727(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-29/52
G01B 17/00-17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプラの第1部分に配置され、物品の複数の検査の領域の検知を行うように構成される検知装置と、
上記カプラの第2部分に配置され、上記検知装置によって検査される上記物品の部分にカプラントを提供するように構成される1つ以上のカプラント注入口結合部と、
上記カプラの第3部分に配置される1つ以上の真空吸引口結合部と
関連する上記1つ以上の真空吸引口結合部に夫々動作可能に結合される1つ以上の真空発生装置と
を具え、
上記真空発生装置の動作状態が、関連する上記1つ以上の真空吸引口結合部の上記物品の複数の検査の領域における位置に応じて変化し、
上記1つ以上の真空吸引口結合部の少なくとも1つが、上記カプラの下面の凹部を通して吸引を提供し、上記検知装置によって検査される上記物品の部分以外の上記カプラントの少なくとも一部を除去するように構成されるカプラ。
【請求項2】
上記1つ以上のカプラント注入口結合部は、上記検知装置の検知部分の下の位置に上記カプラントを提供し、上記検知装置の上記検知部分と上記物品の検査対象部分との間に上記カプラントの加圧された膜を形成する請求項1のカプラ。
【請求項3】
第1カプラの第1部分に配置された第1検知装置であって、該第1検知装置に関連する物品の検査の領域の検知処理を実行するよう構成される上記第1検知装置と、
上記第1カプラの第2部に配置され、上記第1検知装置によって検査される上記物品の部分にカプラントを提供するように構成される1つ以上のカプラント注入口結合部の第1セットと、
上記第1カプラの第3部分に配置された1つ以上の真空吸引口結合部の第1セットであって、上記真空吸引口結合部の上記第1セットの中の少なくとも1つが、上記第1カプラの下面の凹部を通して吸引を提供し、上記第1検知装置で検査される上記物品の部分以外の上記カプラントを除去するように構成される上記1つ以上の真空吸引口結合部の上記第1セットと、
第2カプラの第1部分に配置される第2検知装置であって、該第2検知装置に関連する上記物品の検査の領域の検知処理を実行するよう構成される上記第2検知装置と、
上記第2カプラの第2部に配置され、上記第2検知装置によって検査される上記物品の部分に上記カプラントを提供するように構成される1つ以上のカプラント注入口結合部の第2セットと、
上記第2カプラの第3部分に配置された1つ以上の真空吸引口結合部の第2セットであって、上記真空吸引口結合部の上記第2セットの中の少なくとも1つが、上記第2カプラの下面の凹部を通して吸引を提供し、上記第2検知装置で検査される上記物品の部分以外にある上記カプラントを除去するように構成されている上記1つ以上の真空吸引口結合部の上記第2セットと
関連する複数の真空吸引口結合部からなるセットに夫々動作可能に結合される1つ以上の真空発生装置と
を具え
上記真空発生装置の動作状態が、関連する複数の真空吸引口結合部からなるセットの上記物品の検査の領域における位置に応じて変化す物品検査システム。
【請求項4】
物品の上面より上の第1位置に第1カプラを配置する処理と、
上記物品の上記上面より上の第2位置に第2カプラを配置する処理と、
上記第1カプラ及び上記第2カプラの1つ以上から上記物品の上記上面の一部分にカプラントを吐出する処理と、
上記第1及び第2カプラの位置を制御することによって上記物品の一部をスキャンして検査する処理と、
上記スキャンして検査する処理と同時に上記第1及び第2カプラが上記物品の上記上面から動作位置にある場合に上記物品の上記上面から上記カプラントの少なくとも一部を吸引する処理と
上記第1及び第2カプラが上記物品の上記上面から動作位置にない場合に吸引を制限する処理と
を具える物品検査方法。
【請求項5】
上記物品の以前に検査された部分を特定する処理と、
1つ以上のバキュームを動作させながら上記物品の上記上面の以前に検査された部分を再度横断し、上記カプラントの少なくとも一部を吸引するように上記第1及び第2カプラを配置する処理と
を更に具える請求項物品検査方法。
【請求項6】
物品の上面より上の第1位置にカプラを配置する処理と、
1つ以上のカプラント注入口結合部から上記物品の上記上面の一部にカプラントを吐出する処理と、
上記カプラの位置を制御することによって上記物品の一部をスキャンして検査する処理と、
上記スキャンして検査する処理と同時に上記カプラが上記物品の上記上面から動作位置にある場合に上記物品の上記上面から上記カプラントの少なくとも一部を吸引する処理と
上記カプラが上記物品の上記上面から動作位置にない場合に吸引を制限する処理と
を具える物品検査方法。
【請求項7】
上記物品の以前に検査された部分を特定する処理と、
上記カプラの1つ以上のバキュームを動作させながら、上記物品の上記上面の以前に検査された部分を再度横断し、上記カプラントの少なくとも一部を吸引するように上記カプラを配置する処理と
を更に具える請求項物品検査方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
超音波顕微鏡(Scanning Acoustic Microscope)は、半導体業界では、貼り合わせウエハ・ペア(bonded wafer pairs)、ウエハ・ペア、ストリップ、シングレーション・パッケージ(singulated package:ウエハを個片化したもののパッケージ)、そして、様々な形式のマイクロエレクトロニクス・サンプルについて、サンプル(試料)内部の欠陥、典型的には、内部インタフェースに欠陥がないかを非破壊で検査するために使用される。これらの欠陥は、空気型の欠陥である可能性がある。約500kHzを超える周波数での超音波検査では、トランスデューサからの超音波がサンプルへと伝播して再度戻ってくるのにカプラント(couplant:接触媒質)が必要である。水は、カプラントに適しているが、それは、望ましい減衰特性を有し、半導体設備において脱イオン(DI:De-ionized)水又は逆浸透(RO:Reverse Osmosis)水のいずれか又はこれらの両方として、容易に利用できるからである。検査中のウエハ又はサンプルは、チャックによって所定の位置に保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】米国特許出願公開第2004/0206180号明細書
【文献】米国特許第7284434号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/0284071号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水浴(water bath)システムと「バブラ(bubbler)」システムを使うと、検査中及び検査後に、サンプルの表面とエッジ(端部)には大量の水が存在し、水がウエハの間、又は、存在している溝若しくは空洞に流れ込んだり、しみ込む(wick in)ことが可能になる。
【0004】
従って、水は、典型的には、カプラントとして使用されるため、水がウエハの内部に入り込まないように、検査中の水の接触を制限し、乾燥時間を短縮する必要がある。これは、使用される任意の流体又は液体(つまり、カプラント)にも適用されるが、その理由は、過剰なカプラントは、検査中のウエハに、同様の有害な影響を及ぼす可能性があるためである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載される種々の方法、システム、装置及びデバイスは、大まかに言えば、超音波検査中の水その他のカプラントの接触を原因とする、貼り合わせウエハ・ペア、ウエハ・ペア、貼り合わせ半導体ウエハ、ストリップ、シンギュレーション・パッケージ及び各種形式のマイクロエレクトロニクス・サンプルの劣化を最小化するために提供される。
【0006】
この超音波検査は、本願で記載されるように、超音波センサを使用して、物品(article)又はサンプル(試料)の表面や表面近くの1つ以上の層に、不完全な箇所、欠陥その他の望ましくない特性がないかを検査するために行われても良い。超音波センサは、流体(つまり、カプラント)を利用するが、これは、もし被検査物品に吸収されるか又はしみ込むと、物品の性能に悪影響を及ぼすことがある。本願に記載の検査技術を用いれば、液体又はカプラントは、貼り合わせウエハ・ペア又はサンプルその他の被検査物品の上面上に載置(deposit)される。
【0007】
この液体は、超音波検知(sensing)装置用の媒体を提供するためには有益であるが、貼り合わせウエハ・ペアの任意の部分、表面又はエッジ(端部)に吸収されるか又は付着した場合には有害である。この吸収又は付着は、カプラントによって生じ、カプラントは、超音波検査プロセス中に、貼り合わせウエハ・ペアの上面上に置かれ、貼り合わせウエハ・ペアのエッジを流れて、貼り合わせウエハ・ペアの1つ以上の層に外周のエッジから吸収されるか若しくは染み込んだり、又は、貼り合わせウエハ・ペアの下を流れて貼り合わせウエハ・ペアの下面で吸収されるか若しくは貼り合わせウエハ・ペアの下面の穴を通して貼り合わせウエハ・ペアに入り込む。更に、貼り合わせウエハ・ペアの上面上の過剰な液体は、望ましくない。
【0008】
本開示技術は、専用のカプラ(coupler)及び専用のウエハ・チャックに関する。これら専用カプラと専用ウエハ・チャックは、別々に、又は相互に使用できる.
【0009】
カプラは、貼り合わせウエハ・ペア(以下、ウエハ)のような物品の任意の適切な表面で使用され、瑕疵(defects)、欠陥(imperfections)、その他の特性がないか表面をスキャンや検査できる。チャックは、表面から液体又は水を排出する処理を含む所望の方法で、ウエハその他の物品又は物体を支持するために使用されても良い。本願で説明するように、カプラとチャックは、チャックによって固定されたウエハをスキャンや検査するために、一緒に使用しても良い。
【0010】
過剰な流体又はカプラントは、カプラ上に配置された1つ以上の吸引バキュームによってウエハの上面から除去されても良い。ウエハの上面を流れる過剰な流体又はカプラントは、チャックに配置されたバキューム(vacuum)によってウエハの外周エッジから除去されても良い。
【0011】
本開示技術の一実施形態は、カプラに関し、カプラは、その第1部分に配置されたトランスデューサか、又は、圧電素子若しくは類似の装置を有する任意の適切なデバイスであっても良い検知(sensing:センサ)装置を含んでいる。この検知装置は、ウエハの複数の検査領域の検知を行うように構成される。カプラの第2部分には、1つ以上のカプラント注入口結合部が配置され、このカプラント注入口結合部は、ウエハの検知装置で検査されている部分にカプラントを提供するように構成される。カプラの第3部分には、複数の真空(バキューム)吸引口結合部が配置される。少なくとも1つの真空吸引口結合部は、カプラの下面の凹部を通して吸引を提供して、ウエハの検査されている部分(検知装置によって現在検知されている領域)以外にあるカプラントを除去するよう構成される。
【0012】
別の実施形態は、検査システムに関し、これには、2つの検知装置があり、各検知装置は、関連するカプラに配置される。第1検知装置は、例えば、トランスデューサであっても良く、第1カプラの第1部分に配置され、第1検知装置に関連するウエハの検査領域の検知を行うように構成される。1つ以上のカプラント注入口結合部が、第1カプラの第2部分に配置され、ウエハの第1検知装置によって検査されている部分に、多量のカプラントを提供するように構成される。1つ以上の真空吸引口結合部が、第1カプラの第3部分に配置され、これら真空吸引口結合部の少なくとも1つは、第1カプラの下面の凹部を通して吸引を提供して、ウエハの第1検知装置によって検査されている部分以外にあるカプラントを除去するように構成される。
【0013】
第2検知装置(トランスデューサ)は、第2カプラの第1部分に配置され、第2検知装置に関連付けられたウエハの検査領域の検知を行うように構成される。1つ以上の第2カプラント注入口結合部は、第2カプラの第2部分に配置され、これら第2カプラント注入口結合部は、ウエハの第2検知装置によって検査されている部分にカプラントを提供するように構成される。1つ以上の第2真空吸引口結合部は、第2カプラの第3部分に配置され、これら第2真空吸引口結合部の少なくとも1つは、第2カプラの下面の凹部を通して吸引を提供して、ウエハの第2検知装置によって検査されている部分以外にあるカプラントを除去するように構成される。
【0014】
本開示技術の更に別の実施形態は、物品(例えば、ウエハ)の表面に近づける(apply:接触させる、くっつける)1つ以上の第1真空吸引口を使用して、物品と接触するか又は物品と接触することなく、物品又はウエハを支持するよう構成された第1セクションを備える装置に関する。第2セクションは、物品(ウエハ)の外周に環状リングを形成し、1つ以上の関連する環状真空吸引口を使用して、物品のエッジ部分からカプラントを収集するように構成される。典型的には、物品(ウエハ、貼り合わせウエハ・ペア)のエッジからカプラントを吸引する1つ以上の関連する真空吸引口の吸引力は、物品上のカプラントが浸透していく力(wicking force)を超えている。第1セクション(フラット)には、複数の領域があっても良く、各領域は、物品又はウエハの表面に近づける(apply)関連する真空吸引口を有する。
【0015】
本開示技術の更に別の実施形態は、チャックの第1表面に物品を配置し、物品の表面に近づける1つ以上の真空吸引口を利用して、チャックの第1表面上で物品の少なくとも第1部分を吸引することによってウエハを固定する方法に関する。次に、チャック上に配置された1つ以上の環状真空吸引口を利用して、この物品の少なくとも第2部分をチャックの環状リング上で吸引する。
【0016】
更に、表面に近づける(apply:接触させる、くっつける)複数の真空吸引口と環状真空吸引口は、互いに独立して動作でき、1つ以上の関連する真空吸引口の吸引を選択的に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1Aは、本開示技術によるカプラの実施形態を示す。
図1B図1Bは、本開示技術によるカプラの実施形態を示す。
図1C図1Cは、本開示技術によるカプラの実施形態を示す。
図2A図2Aは、本開示技術によるカプラの別の実施形態を示す。
図2B図2Bは、本開示技術によるカプラの別の実施形態を示す。
図2C図2Cは、本開示技術によるカプラの別の実施形態を示す。
図3A図3Aは、本開示技術の実施形態によるウエハ支持及び吸引吸引口の実施形態を示す。
図3B図3Bは、本開示技術の実施形態によるウエハ支持及び吸引吸引口の実施形態を示す。
図3C図3Cは、本開示技術の実施形態によるウエハ支持及び吸引吸引口の実施形態を示す。
図4図4は、本開示技術による2部構成のチャックの実施形態を示す。
図5図5は、吸引のための空洞を示す略断面図を示す。
図6A図6Aは、複数の真空発生装置を含む実施形態を示す。
図6B図6Bは、複数の真空発生装置を含む実施形態を示す。
図7A図7Aは、過剰な流体を除去するパスの実施形態を示す。
図7B図7Bは、過剰な流体を除去するパスの実施形態を示す。
図8A図8Aは、取り外し部分を有するチャックの実施形態を示す。
図8B図8Bは、取り外し部分を有するチャックの実施形態を示す。
図8C図8Cは、取り外し部分を有するチャックの実施形態を示す。
図8D図8Dは、取り外し部分を有するチャックの実施形態を示す。
図8E図8Eは、取り外し部分を有するチャックの実施形態を示す。
図8F図8Fは、取り外し部分を有するチャックの実施形態を示す。
図9図9は、チャックの実施形態と共にカプラの実施形態を利用する一実施形態のフローチャートを示す。
図10図10は、本開示技術の実施形態を実施するためのフローチャートを示す。
図11図11は、本願に記載する実施形態による貼り合わせウエハ・ペアのエッジから流体を吸引するフローチャートを示す。
図12図12は、ラスタ・スキャン及び移動を表現したものを示す。
図12A図12Aは、ラスタ・スキャン及び移動を表現したものを示す。
図13図13は、本願に記載する実施形態によるカプラの位置を制御するフローチャートを示す。
図14図14は、本願に記載された実施形態による物品の表面からカプラントを除去するフローチャートを示す。
図15図15は、本願に記載された別の実施形態による物品の表面からカプラントを除去するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
貼り合わせウエハ・ペア(bonded wafer pair)は、通常、超音波検査される前に、何らかの形のウエハ・チャックの上に置かれて、1.5m/秒(1500mm/秒)に達することがある速度でスキャン中、固定される。これらのチャックは、例えば、セラミック、ステンレス・スチール、又は陽極酸化アルミニウムなどの材料で作ることができ、また、ウエハを所定の位置に保持するために表面バキューム(surface vacuum)の形態を組み込むことが多い。貼り合わせウエハ・ペアは、通常、5~6の標準サイズで提供され、例えば、2インチ、4インチ、5インチ、6インチ、8インチ及び12インチであり、6インチ、8インチ及び12インチが最も一般的である。これらは標準サイズであるが、任意の適切なサイズが、本願に記載される実施形態の範囲内にある。このため、ウエハ・チャックは、異なるサイズのウエハに関して、異なる表面バキューム(真空)領域を有していても良い。例えば、あるチャックは、4インチから8インチ・ウエハ・サイズをサポートしても良いし、別のチャックは、8インチと12インチのウエハ・サイズをサポートしていても良い。また、ウエハ・チャックは、歪んだウエハを固定するように改造されても良い。次に、水、脱イオン水、逆浸透水(reverse osmosis water)のような流体若しくはカプラント又は他の適切なカプラントが、検知装置(これは、超音波トランスデューサでも良い)とウエハ・サンプルの間に導入される。これは、ウエハとチャックを水浴に浸すか、「バブラ(bubbler)」を使用してトランスデューサの位置からサンプルまでの水の滝を作るか、又は、水カプラ(coupler)を使用してトランスデューサ面とサンプル表面との間に加圧された水の膜を形成するかのいずれかによって実現できる。
【0019】
サンプルは、ウエハの表面の上を横切ってラスタ・スキャンを実行し、複数の特定の位置で超音波パルスを送出して、各(x,y)の位置でサンプルからの反射を生成することによって検査される。これらの反射信号は、数値的に求められて、各インタフェースの画像が生成され、ウエハ領域全体又は特定の半導体デバイス領域の欠陥について、この画像を分析できる
【0020】
裏面照射型(BSI)CMOS(complementary metal oxide semiconductor)、MEMS(micro-electro-mechanical systems)ウエハのような接合デバイス・ウエハでは、水又はカプラントが侵入できる結合ウエハ・ペアの内部への開口部がある可能性がある。この水の侵入は、貼り合わせウエハ・ペアの内部の材料特性の変化又は貼り合わせウエハ・ペアの空洞の汚染につながる可能性がある。場合によっては、下部ウエハの底部に穴があり、水が穴を上がって内部デバイスの空洞に入ると、乾燥が非常に困難になる可能性がある。
【0021】
別の場合では、スポンジ状の材料がウエハのエッジ近くに存在し、水が2つのウエハの間に浸透して、その材料に吸収され、その超音波特性を変化させることがある。これにより、得られる画像の明るさが変化し、誤った結果や見落とす失敗につながることがある。更に別の場合では、ウエハ・ペアのエッジへと広がる溝があり、露出しているデバイスや水に対してシールされたデバイスに水が浸透する可能性がある。
【0022】
図1A~1C及び図2A~2Cに示すように、カプラ(coupler)は、水のような適切な流体若しくは液体、又は、他の適切なカプラントと共に使用されても良く、2つの流体注入口、4つの真空(バキューム)吸引口、カプラの底部又は下面に吸引のための凹部を有する。流体は、例えば、水であっても良く、これは任意の温度でも良い。水は、摂氏約15度から摂氏25度の間であっても良い。また、水は、約30度Cと摂氏45度の間の温度を有する温水であっても良い。また、流体は、脱イオン水、逆浸透水(reverse osmosis water)、又は他の適切な流体であっても良い。カプラの下面の2つの構成形態が、図1C及び2Cに示されている。
【0023】
図1A及び図1Bに示すように、カプラ100には、4つの真空(バキューム)吸引口102、104、106及び108がある。2つの流体又はカプラント注入口ポート112及び114も示されている。検知装置支持部110は、検知装置(トランスデューサ又は適切なスキャン装置など)140を支持するもので、検知装置140には結合部107がある。カプラ100には、上面116がある。処理が開始されると、カプラは、最初、表面よりも上の最初の高さにある。これは、スキャン/検査に適した表面より上のある距離(動作距離)まで下げられる。
【0024】
スキャン/検査距離は、ウエハの表面より上(Z軸次元)の約0.05mmと50mmの間であっても良く、また、ウエハの表面より上(Z軸次元)の約0.1mmと30mmの間であっても良い。この距離は、また、0.7mmと1mmの間でも良い。このスキャン距離により、カプラントの載置(deposit)及び超音波スキャンを効率的に生じさせることができる。スキャン/検査動作を実行するカプラは、通常、処理中、その距離を維持する。所望の表面スキャン/検査の完了時には、上昇させても良い。検知装置から取得したこのデータは、概要やレポートを生成するために使用したり、チャート、グラフなど、ほぼ任意の所望の形式で提供できる。これは、コンピュータのプロセッサ、メモリ、及び周辺装置によって生成されても良い。このデータは、品質又は他のパラメータを示す、貼り合わせウエハ・ペア又は物品のプロフィール(profile)として出力されても良い。
【0025】
図1Cは、カプラ100の下面118を示す。カプラ100の下面118には、凹部120(a)及び(b)があり、これは略楕円形として示されている。凹部120(a)及び(b)は、吸引経路を提供するチャネル(Channel:経路、導管、水路、溝)として使用されても良く、このため、カプラント又は流体は、カプラ100の下の領域から、除去又は吸引できる。検知装置又はトランスデューサ140は、貼り合わせウエハのような物品の表面を検知できる。検知されたデータは、蓄積、保存、又は転送されても良い。
【0026】
図1Cは、2スロット・カプラ100の底面図を示し、開口122と複数のスロット(つまり、バキューム(真空)領域120(a)及び120(b))を示している。
【0027】
開口、穴、ポート又はオリフィス122は、カプラント注入口から検査される表面へと流れる経路を提供し、開口122は、また、検知装置の少なくとも一部が、カプラントを媒体として利用して、物品の表面及び表面に近い部分を超音波スキャンするための開口部を提供する。よって、開口122は、水などのカプラントが流出して加圧された膜を形成する経路を提供すると共に、検知装置が超音波スキャンを行うためのポートを提供する。
【0028】
本願に記載されているように、スキャンは、貼り合わせウエハ・ペア、ウエハ等の物品の表面や表面に近い部分(即ち、物品の表面より下で肉眼では見えない部分)の不完全な箇所、欠陥、外形、その他の特性を検査や検知するのに適した検知装置又はスキャン装置を利用しても良い。検知/スキャン装置としては、浸漬環境(immersion environment)のような流体環境で、検知処理を行うことができる、トランスデューサ、任意の超音波装置、圧電素子又は超音波検知装置と、関連するハウジングや検知装置とが含まれていても良い。
【0029】
水、液体、流体、又はカプラントは、注入口結合部112、114から関連する開口部115(これは、図2Aに示すように、注入口114に関連する)を通って流れ、開口122から試験対象の表面へと流出する。注入口112にも同様の開口部があり、これは示された図では見えないが、開口部115と反対側にある。
【0030】
開口122の寸法は、超音波スキャン/検査を行うセンサにとって、望ましいカプラントの流量と、望ましい口径とによって決定される。従って、穴又は開口部122の寸法は、設計上の選択である。
【0031】
2つのスロット120(a)及び(b)も図示されており、これらは、真空吸引口で利用されるもので、実際、真空吸引口の一部として考えることができ、流体、カプラント又は水が、試験対象領域外の表面から吸引される領域を提供する。スロット又はチャネル120(a)及び120(b)の位置決めは、検知装置による試験、スキャン又は検査中の領域外にある流体、液体又はカプラントを除去するのに望ましい方法によって決定される。検査外にある領域には、検知装置が検知されたデータを現在取得していない領域が含まれる。このスキャン領域には、検知装置によって現在評価対象となっている領域が含まれる。検知装置によって利用されない流体は、検知領域外にある。
【0032】
超音波スキャンに必要ない流体又はカプラント(ウエハの検知装置による検査対象の位置の以外)は、真空吸引口を作動させ、スロット120(a)及び120(b)の使用によって促進されて望ましくないカプラントを表面から引き寄せることで吸引される。このように、スロット120(a)及び120(b)は、真空吸引口が貼り合わせウエハ・ペア又は物品の表面から流体又はカプラントを吸引するために使用するチャネル(channnel:経路、導管、水路)である。これらのスロット(おおよそ120)のサイズと形状は、所望の吸引特性に基づいており、特定の所望のスキャン/検査プロセスに合わせて変更しても良い。
【0033】
図2A及び2Bは、図1A及び1Bに示すようなカプラ100の別の実施形態200を示す。図2A及び図2Bに示す要素には、図1A及び1Bに示す要素と類似した要素が含まれる。
【0034】
図2Cは、下面118に検知装置140の検知コンポーネント用のポート、オリフィス又は開口122があることを示す。また、下面118には、凹部223があり、これは、吸引経路を提供するチャネルとして使用されても良く、このため、カプラ200の下側の領域からカプラントを除去又は吸引できる。この検知装置又はトランスデューサ140は、例えば、貼り合わせウエハ・ペア又は他の物品の表面又は表面近くの部分のような表面や表面近くの部分の不完全な箇所、欠陥又は他の特性を検知できる。カプラ200の下面118に図示されるように、凹部223は、ほぼ円形であっても良い。このように、図2Cは、カプラ200の円形スロットの底面図を図示して、水などのカプラントを流出して加圧された膜を形成するための開口122と、流体、カプラント又は水を吸い戻すスロット223とを示している。
【0035】
また、この開口122は、超音波がセンサから、試験対象の物品、ウエハ又は貼り合わせウエハ・ペアの表面へと進み、センサへと戻る経路も提供する。
【0036】
凹部223は、所望の吸引特性に合わせてサイズを設定しても良い。部分223の寸法は、本願中の図1A~C及び図2A~Cに示す真空(バキューム)吸引口102、112、106及び108の流量及び力によって決定できる。本願における説明と同様に、開口122を通した検知機能/スキャン機能/検査機能を実行するために使用されていないカプラントは、吸い取られても良い。
【0037】
図1A~1C及び図2A~2Cに関して、2つの流体又はカプラント注入口112、114は、水又は他のカプラントのような流体又は液体を、オリフィス122の上のトランスデューサの前面のような検知装置の検知面の下に、底部の開口122から外へ送り出して、水カプラ(100、200)とサンプルの表面(サンプル表面は、図1A~1C又は図2A~2Cには図示せず)との間に、加圧されたカプラント(水など)の膜を形成する。当業者であればわかるように、本願で使用される寸法は、一部は、開示される実施形態の特定のアプリケーションに基づく。
【0038】
寸法は、別のアプリケーションに基づけば変わるかもしれず、ここに開示される概念の方向を決定するものではない。これら4つの真空吸引口102、104、106及び108は、カプラ(100、200)の底部118の検査領域外の凹部(図1C、2Cのそれぞれ、120(a)、(b)、223)に接続され、ひとたびカプラント(例えば、水)が、表面や表面に近い部分であって、検知装置(例えば、トランスデューサ又は超音波装置で、圧電素子を有する任意の装置で良い)の検査領域外にあれば、カプラントを除去する。これら凹部(120(a)(b)、223)は、設計次第で、変更して良い。
【0039】
このカプラ(100,200)は、トランスデューサなどの検知装置によって表面が検査されている時に、水のようなカプラントが検査領域に存在する状態を生じさせるが、検査領域が検査された後、カプラントは、ウエハのような物品の表面上に、事実上、肉眼では見えないか、触っても認識できない。
【0040】
カプラ(100、200)は、本願では、図1A~1C及び図2A~2Cに関連して記載されているが、チャックが、ウエハ、貼り合わせウエハ・ペアのような物品のエッジや側面を吸引するのに使用されても良いという本開示技術の実施形態もある。この吸引は、ウエハのような物品の外周又はエッジからカプラント又は液体を吸引する吸引空洞を有するチャックを利用することによって実現されても良い。このチャックは、本願に記載されるように、上述のカプラ(100、200)と一緒に用いても良いし、一緒に用いなくても良い。実際、本開示技術によるチャックは、サンプル又はウエハのような物品の任意の適切な検査面やエッジから余分な流体又はカプラントを除去するために使用されても良い。このように、チャックは、物品のエッジ周辺や、潜在的な水の侵入につながるウエハとウエハの間や底面のウエハの表面下のような物品の領域の間に浸透する可能性のある流体を収集や除去するために使用されても良い。
【0041】
本願で上述したように、ウエハを検査するプロセスは、水のようなカプラントを利用する。これは、ウエハが、水の侵入を引き起こすサンプルの周辺エッジのようなエッジに沿って水との短時間の接触を経験する可能性があることを意味する。
【0042】
このため、本開示技術の別の実施形態は、リム(つまり、チャックの外周)の周りに吸引リングを有するウエハ・チャックに関する。例えば、200mm/300mmウエハ用に設計されたチャックを使用しても良いが、本願に開示される原理は、種々のウエハ径を支持するように設計されたチャックに対しても適用される。中央部には、チャック面(chuck face:チャック使用面)があり、これには、200mmウエハをサポートするリングと、300mmウエハをサポートするリングとがあり、対応するウエハ保持真空吸引口を有している。
【0043】
図3Aに示すように、外接吸引リングもあり、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハ・サンプルのエッジに接触するカプラント又は水のような任意の液体を除去する。これを行うため、外接リングの吸引力の大きさは、浸透力(wicking force)の大きさを超えている。これは、過剰な残留流体、カプラント又は水が、ウエハに不必要に流れ込むことなく、ウエハ・エッジ面から吸い取られることを意味する。
【0044】
具体的には、図3Aは、外接支持リング302を有するウエハ・チャック300の上面図を示し、外接支持リング302は、200mmウエハ用の内側(又は第1)真空リング領域308と、300mmウエハ用の外側(又は第2)真空リング領域310とに外接する。これらの真空リング領域308及び310は、チャック300の表面上のフラットな位置にウエハ、貼り合わせウエハ・ペア又は他の物品を固定するために使用される。各ウエハ・サイズ用の真空吸引口(図3Aでは、吸引口312のみが見える)と、吸引開口306(内側真空リング領域308)及び吸引開口307(外側真空リング領域310)も示されている。エッジ吸引機能は、部分304によって示されるような境界の外周又は支持リング302あたりにエッジ吸引を生じさせることによって実現され、これは、チャック300上で検査及び固定されるウエハ、貼り合わせウエハ・ペア、又は他の物品のエッジを流れるカプラント、水又は他の流体を吸引するのに利用される。
【0045】
図3Bは、図3Aのウエハ・チャック300の上面図を示し、外接境界又は支持リング302があり、300mmの貼り合わせウエハ・サンプル320を所定の位置に配置されている。真空吸引口312も示されている。
【0046】
図3Cは、ウエハ・チャック300の下面又は底面330を含む底面図を示し、外接支持リング302は、複数のウエハ保持真空吸引口と3つの水排出口を見せている。これら排出口と吸引口の数と構成は、異なっても良い。3つの水排出口306、307及び309は、単に例として示されている。真空吸引口312、322、332、342、344及び348が示されている。
【0047】
図4は、ウエハ支持チャックの外周などのエッジ又はリム(rim)の周りに吸引リングを形成する一実施形態を示す。これは、物品又はウエハのエッジ又は外周から水又はカプラントを吸引する真空吸引口を設けることによって実現される。ウエハのような物品のエッジに所望の真空吸引口を実現する1つの方法は、真空吸引口に接続できる空洞を形成することによる。具体的には、図4は、チャック300の分解図を示し、これは、2つの部分(350、380)があり、ウエハを支える上側部分(350)と、外接水吸引リング用のリング空洞を形成する下側部分(380)とから構成される。ポート362、364、368及び370及び外接リング構造302も示されている。
【0048】
上側部分350及び下側部分380それぞれのポート362及び368は、上側部分350が下側部分380に挿入されたときに位置合わせ(アライメント)される。同様に、ポート364と370も互いに位置合わせされる。これらのポートは、チャック300に固定されたウエハの平らな表面に対する吸引を提供する。
【0049】
このように、図4は、ウエハ(図4に示さず)を支持してウエハを押さえつける上側ディスク350と、上側ディスク350を支持すると共に、エッジから水又はカプラントを吸引するためのリング空洞を形成する下側部分380とを示す。こうして、部分350が部分380に挿入されると、空洞が形成され、ここにおいて、バキューム(vacuum)が、チャック300上に固定されたウエハ、貼り合わせウエハ・ペア又は他の物品のエッジから液体又はカプラントを除去できる。
【0050】
図5は、リング空洞を示す断面図500を示す。図5に示すように、外接境界又は支持リング302と貼り合わせウエハ320が示されている。水又はカプラント環状吸引室304も図示され、これは、本願で説明するように、吸引リングと、ウエハ吸引室562(a)・・・562(n)を形成するのに利用され、ここで、「n」は、任意の適切な数である。複数の吸引室(概して562)は、本願で説明するように、ウエハ・チャック上の所望の位置にウエハを保持する吸引力を提供する。環状吸引室304は、貼り合わせウエハ320のエッジを流れるカプラント又は水を、ウエハ320のエッジ面に沿ってウエハに吸収されるか又は侵入する前に吸い取るための吸引を生じさせる。
【0051】
図6A及び6Bは、複数の真空発生装置を有する実施形態を示す。図6A及び6Bに示されているカプラ100(a)と100(b)は、検査中にウエハを保持又は固定するために使用されるチャック(図6A及び6Bには示さず)と共に使用することができる。当業者であればわかるように、任意の適切なチャックが使用されても良い。当業者であればわかるように、ウエハ660は、図5に示すチャックの表面に、ウエハ660を吸引することによって固定されても良い。
【0052】
図6A及び6Bは、2つのカプラ100(a)と100(b)を示しているが、任意の適切な数のカプラを使用しても良いというのが、本開示技術の実施形態である。例えば、3番目のカプラを、示されている2つのカプラと組み合わせて使用することもできる。更に、4番目の、又は任意の追加の個数のカプラを使用して、偶数個のカプラではない、ある個数のカプラからなる第2のペア又は構成を形成することもしようとすればできる。カプラの個数は、目的とするシステムのセットアップに基づいており、2つのカプラの説明は、単に説明の都合によるものである。カプラは、また、チューブのような追加の連結部を持つことができ、言い換えると、別のカプラの連結部又はチューブに接続されても良い。これら追加のカプラは、システムの設計構成に応じて、1つ以上の真空発生装置に接続されても良い。
【0053】
一旦チャック上の所望の位置に保持される(これは、ウエハを保持するためにチャックの様々な部分に吸引を適用することを含んでも良い)と、スキャン/検査が行われる。このチャックは、本願に記載されているように、ウエハ660を固定するのに適しており、また、ウエハ660のエッジから余分なカプラントを吸引するために空洞内で環状バキューム(真空)を提供しても良い。
【0054】
図6A及び6Bに示す実施形態は、カプラの1つ以上の真空吸引口が動作位置(近接)にない場合である。動作位置は、通常、Z軸方向に、ウエハ表面に対して約0.05mmから60mmの間であり、好ましくは、Z軸方向に、ウエハ表面に対して約0.1mmから30mmの間である。このように、動作位置は、ウエハの検査される部分より上にある。真空吸引口の吸引は、ウエハ表面に関して動作位置にあっても、インパクト又は影響を受けない。ウエハの表面に対して動作位置にない真空ポートや吸引口は、吸引が生じず、カプラは、他の真空吸引口に関連する吸引が無くても良い。
【0055】
各真空吸引口に関連付けられた別々の真空発生装置があることにより、ウエハ表面に近接している(動作位置の)真空吸引口は、真空(バキューム)を維持する。ウエハ表面と動作位置にない真空吸引口に関連する真空発生装置は、「オフ」にして、次いで、ウエハ表面と動作位置にない真空吸引口が、再びウエハ表面と動作位置になったときに「オン」に戻すこともできる。
【0056】
図6Aは、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの表面に対して、全ての流体ノズル及び真空吸引口が動作位置に位置するように配置された2つのカプラ100(a)及び100(b)を有する実施形態を示し、これは、ウエハの検査される部分よりも上に、通常、約0.05mmから60mmの間であり、好ましくは、約0.1mmから30mmの間である。このカプラの動作位置によれば、カプラのコンポーネント(典型的には下面)が、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの表面と間で、表面上にカプラントが置かれ、真空吸引口が表面からカプラントを吸引するという、インタラクティブな動作が可能となる。これら動作は、カプラが動作位置に配置されたときに実行される。
【0057】
図6Bは、複数の流体ノズルの中の一部及び複数の真空吸引口の中の一部がウエハ表面と動作位置にない状態で、ウエハのエッジ部分がスキャンされることを示す。このため、複数の流体ノズルの中の一部及び複数の真空吸引口の中の一部は、それぞれ、表面にカプラントを置ける位置にはなく、表面からカプラントを吸引する位置にもない。
【0058】
図6Aに示すように、ウエハ660は、カプラ100(a)及び100(b)によって検査できる。2つのカプラ100(a)と100(b)が示されているが、任意の適切な数のカプラを使用することもできる。カプラ100(a)と100(b)は類似しており、カプラ100(a)が詳細に説明される。カプラ100(a)には、関連する真空吸引口ノズル102(a)、104(a)、106(a)及び108(a)がある。流体注入口112(a)及び114(a)も示されている。貼り合わせウエハ・ペアの表面をスキャンするために使用できるスキャナ、トランスデューサ又は他の装置を位置決めするためのオリフィス110(a)が図示されている。連結部605が、真空吸引口ノズル102(a)に接続され、連結部609が、真空吸引口ノズル104(a)に接続される。連結部又はコネクタ(605、609、611、635、637、641、615、619、621、625、627及び643)は、典型的には、チューブ(管)又は導管(conduit)である。これらチューブは、真空発生装置を真空吸引口に動作可能に(operatively)接続するために、プラスチック、PVC(ポリ塩化ビニル)又は他の適切な材料から作られても良い。これらチューブは、柔軟性があり、屈曲可能であり、真空を維持でき、流体やガスを漏らさず、その他の点では、吸引力又は流体の伝送を妨げない。同様のチューブ又はコネクタが、カプラント又は流体の注入口結合部をカプラントの供給源(図示せず)に接続するのに使用されても良い。コネクタ又は連結部605及び609は、コネクタ611と結合されても良い。コネクタ611は、真空発生装置652に結合される。真空吸引口106(a)及び108(a)は、連結部635及び637(ホース又はプラスチック・チューブ類でも良い)に結合される。連結部635及び637は、連結部又はチューブ641に結合されても良く、これは、真空発生装置658に動作可能に結合される。
【0059】
これに代えて、単一の真空発生装置を用いて、任意の適切な数の真空吸引口を制御しても良い。このように、真空発生装置の個数は、システムの構成に基づく設計事項である。実際、一実施形態では、真空吸引口に夫々接続された8個の真空発生装置がある。
【0060】
カプラ100(b)は、カプラ100(a)に関連して説明されているものと同様のコンポーネントを持っている。カプラ100(b)には、関連する真空吸引口ノズル102(b)、104(b)、106(b)及び108(b)がある。流体注入口112(b)及び114(b)も示されている。ウエハの表面をスキャンするために使用できるスキャナ、トランスデューサ又は他の装置を位置決めするためのオリフィス110(b)が示されている。連結部又はコネクタ615は、真空吸引口ノズル102(b)に接続され、連結部又はコネクタ619は、真空吸引口ノズル104(b)に接続される。コネクタ615及び619は、コネクタ621に結合されても良い。
【0061】
これに代えて、本願に示すように、コネクタは、専用の真空発生装置に個別に接続されても良い。このため、真空吸引口(102、104、106及び108)の夫々が、関連する真空発生装置を有しても良い。しかし、図示するように、コネクタ621は、真空発生装置654に結合される。真空吸引口106(b)と108(b)は、連結部625と627に夫々結合され、これらは、ホース又はプラスチック・チューブ類であっても良い。連結部625及び627は、連結部又はチューブ643に結合されても良く、これは、真空発生装置656に動作可能に(operatively)結合される。
【0062】
真空発生装置652、654、656及び658は、処理ユニット651に動作可能に結合されても良い。処理ユニット651には、メモリ又はストレージ・ユニット又はモジュール655に双方向で結合された中央処理装置(CPU)653がある。
【0063】
中央処理装置(CPU)651は、メモリ又はストレージ・ユニット又はモジュール655のデータにアクセスして、真空発生装置652、654、656及び658を動作させるのに十分な処理能力を有する。メモリ又はストレージ・ユニット655は、通常、ローカルか又は遠隔のいずれかに記憶されたプログラム・コードにアクセスするように構成された適切な電子的記憶装置である。電子的記憶媒体又は他の適切な記憶媒体は、実行されると所望の機能が実行される命令を記憶するよう構成された非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体であっても良い。モジュール655の電子的ストレージは、RAM、ROM、EEPROM、DRAM、サム・ドライブ、磁気ディスク、又はプログラム・コードを記憶するのに適した他の媒体であっても良い。
【0064】
コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラム・モジュール又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装された、揮発性及び不揮発性、リムーバブル及び非リムーバブル媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体としては、限定するものではないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリその他のメモリ技術、CD-ROM、DVD(digital versatile disk)その他の光ディスク・ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置その他の磁気記憶装置、又は、所望の情報を保存するために使用でき、コンピュータ310によってアクセスできる他の媒体がある。
【0065】
真空発生装置652、654、656及び658は、コントローラ651からの命令又はコマンドに基づいて個別に、又は、一括して動作するように構成されても良い。これに代えて、真空発生装置の制御は、手動制御、自動制御、又は手動制御と自動制御の組み合わせであっても良い。4つの真空発生装置が示されているが、本開示技術の実施形態としては、任意の適切な個数が使用されても良い。各真空発生装置の個別の制御により、本願に記載されているように、真空吸引口の選択的な動作が可能なる。
【0066】
実際、図6Bは、ウエハ検査中又はスキャン中に、真空吸引口及び流体注入口の選択的制御によって強化されるウエハの期間及び検査領域があることを示している。図示するように、カプラ100(a)は、真空吸引口106(a)及び108(a)に加えて流体注入口114(a)の一部が、ウエハ660の表面の外にある。同様に、カプラ100(b)の真空吸引口の一部(106(b)、108(b))は、ウエハ表面660の動作位置にはない。これは、カプラ又はカプラの一部が、ウエハ表面と接していないので、ウエハから「離れている(オフ)」と考えられる。
【0067】
スキャンや検査プロセスを改善するため、ウエハ表面660に関して動作位置にないことがある真空吸引口に関係する真空発生装置の選択的動作による真空吸引口の個別制御を行う。複数の真空吸引口の中の一部(106(a)、108(a))の位置が、ウエハの表面のエッジから離れている場合、関連する真空発生装置の動作状態が変化する。こうして、カプラの一部が表面に近接していない場合、表面から離れた真空吸引口に関連付けられた真空発生装置はオフになる。この位置は、スキャナ又はトランスデューサによって検知されても良い。このように、真空発生装置の動作状態は、関連する1つ以上の真空吸引口結合部の位置の関数である(位置に応じて変わる)。真空発生装置は、1つ以上の関連する真空吸引口ポートに動作可能に結合され、コントローラ又はコンピュータ651によって個別に操作できる。図6Bの他のコンポーネントは、図6Aに関連して説明されている。
【0068】
これに代えて、真空発生装置(652、654、656、658)は、吸引口(102(a)及び(b)、104(a)及び(b)、106(a)及び(b)、108(a)及び(b))の中の選択されたものに関連付けられても良い。このような実施形態では、特定の真空発生装置が特定の吸引口を制御する、又は、単一の真空発生装置が2つ以上の吸引口を制御するというように、吸引口に動作可能に結合された1つ以上の真空発生装置が含まれても良い。例えば、一部の真空吸引口が、xy平面においてウエハ表面から離れた位置にある場合、xy平面においてウエハ表面上にある真空吸引口は、吸引を維持するが、これは、これら「オン」の吸引口は、別の真空発生装置によって制御されているからである。
【0069】
図7A及び7Bは、過剰な流体を除去するためのパスの実施形態を示す。図7A及び7Bに示す処理は、ウエハ660の表面を用いて説明される。ウエハは、本願に記載されているようにチャックによって所定の位置に保持され、又は固定され、本願に記載されているようにカプラによってスキャン/検査されても良い。試験又は検査中の表面に向かい合っているカプラの動きの更なる説明は、図12に関連して提供される。
【0070】
図7Aに示すように、ウエハ表面660は、円形の表面として図示されているが、任意の形状の表面が使用されても良い。表面660には、1組のスキャン・パスがあり、これには、カプラ100(b)用のパス702と、別のカプラ100(a)用のパス704とが含まれる。パス702及び704は、表面660のy軸に沿った直線距離706で隔てられている。距離706は、ラスタ・スキャン距離(p(n))として定義されても良い。カプラ100(a)は、704で示されるスキャン・パスに沿って横断する。カプラ100(b)は、702で示されるスキャン・パスに沿って横断する。他のスキャン・パス(検査領域)は、パス708及び710として示されている。パス708は、パス704からY軸に沿って距離7111で配置されている。パス708及び710は、Y軸に沿った距離712で隔てられている。
【0071】
図7Bは、カプラ100(a)と100(b)が、それぞれパス708、710に沿ってスキャン/検査していることを示している。スキャン/検査プロセスは、ウエハの他の部分のスキャン/検査と同様である。パス708、710の後のウエハの次の領域は、パス724によって示され、これは、Y軸に沿って距離722がある。(複数の図の中の複数の距離は、一定の縮尺では示していない)
【0072】
図7A及び7Bに示すように、カプラ100(a)及び100(b)は、本願に記載されているように、チャックによって固定されたウエハ上の実質的に平行なパスをスキャン/検査するように構成できる。スキャン/検査の領域は、検査プロセス中の流体の導入に従ったものであるが、ウエハの当面の又は現在の検査領域外における流体の存在は、好ましいものではないことがある。
【0073】
カプラ100(a)と100(b)は、検査プロセスで使用されたカプラント又は水を吸引するために、最近検査された領域のスキャンを繰り返しても良い。これは、スキャン/検査動作の後に、カプラが、ウエハ表面から流体を吸引するパスを横断するように、1つ以上のカプラを配置することによって実現される。具体的には、カプラ(100(a))は、スキャン・パス704をスキャンした後、カプラントを載置することなく、同じ速度で、このスキャン・パスを繰り返すことができる。カプラ100(a)によるスキャン・パス704の反復(リピート)通過は、カプラントや液体を全く載置することなく行われ、真空吸引口は、スキャン・パス704に沿って表面を吸引するように動作する。このように、検知装置や流体注入口を動作させることなく、真空吸引口を利用して表面から流体を吸引する通過が行われる。
【0074】
これに代えて、通過するパスは、流体を用いて、もっと遅い速度で繰り返しても良い。即ち、スキャン・パスは、流体の載置と、吸引とを、もっと遅い速度で繰り返すことになる。
【0075】
図8A及び8Bは、取り外し(lift off:持ち上げて取り外す)部分を有するチャックの実施形態を示す。チャックは、貼り合わせウエハ・ペア、ウエハ又は支持するのに適した他のアイテムのような物品を支持又は固定するために使用されても良い。図8A~8Fに示された実施形態は、ほぼ円形のチャックを示すが、外周は、任意の適切な形状であるか、又は任意の適切な周縁を有していても良い。ほぼ円形の周縁を使用するのは、単に説明の都合ためである。
【0076】
図8Aは、ウエハ・チャック300が、外側領域310に真空吸引口822(a)~(f)を有し、内側領域308に真空吸引口820(a)~(c)を有することを示す。いくつかの真空吸引口が図示されているが、任意の適切な個数が使用されても良い。ウエハ・チャック300は、部分872、874及び876を含む部分870を有する。
【0077】
チャック300によって取り付けられた又は支持されたウエハ(ウエハは図示せず)に吸引を施すと、ウエハは、チャック300上の所定の位置に保持される。真空吸引口を含まない部分870を用いて、チャック300上にウエハを配置するのに加えて、チャック300からウエハをピックアップ又は取り外すことができる。彫込(carve out)部分870を有するこの実施形態を使用すると、吸引が「オフ」に変わったときに、ウエハをチャックの表面に配置したり、又は、取り外したりできる。加えて、外接支持リング310は、複数のセクションを含んでいても良い。これらのセクションの1つ以上は、貼り合わせウエハ・ペアの取り外しを可能にするために、垂直に上昇又は下降できても良い。
【0078】
図8Bは、ウエハ・チャック300が、外側領域310に真空吸引口823(a)~(f)を有し、内側領域308に真空吸引口821(a)~(c)を有することを示す。いくつかの真空吸引口が図示されているが、任意の適切な個数が使用されても良い。ウエハ・チャック300は、物品の取り外しに利用するように構成される部分880(a)及び(b)を有する。彫込(carve out)部分(840及び842)を有するこの実施形態を使用すると、吸引が「オフ」に切り換えられたときに、ウエハをチャックの表面に配置したり、又は、取り外すことが可能になる。同様の要素は、上記の図8Aに関連して説明されている。領域880(a)には、842があり、これは、リング302の1セクションであり、物品又はウエハの取り外しを容易にするための、より小さな部分がある。領域880(b)には、840があり、これは、リング302の1セクションであり、物品又はウエハの取り外しを容易にするための、より小さな部分がある。図8Bに示すように、2つの領域880(a)及び(b)は、ウエハの取り外しのために、吸引が低減された又はより小さい領域を提供する。
【0079】
図8Cは、小室836を有する部分834を有するリング302を示す。リング302は、真空チャネル・パス(概して838)もある。
【0080】
図8Dは、リング302、真空(バキューム)室836及び真空(バキューム)スリット(概して840)の別の図を示す。
【0081】
図8Eは、小室(本願では836として示す)の場所を提供する空洞832を有するリング302を示す。
【0082】
図8Fは、リング302を有するチャックの実施形態を示す。図8Fの他の要素については、本願で上述している。
【0083】
図9、10及び11は、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの表面の少なくとも一部や、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの表面に近い部分又は内部の層の少なくとも一部を検査やスキャン(「検査/スキャン」)を行い(方法900、100)、ウエハのような物品をチャックに固定する(方法1100)ための装置の動作方法、つまり、動作手順900、1000、1100を夫々説明する。これらの方法、つまり、手順900、1000及び1100は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令の実行で生じる工程(ステップ)の観点から記述できる。命令の実行は、関連する装置又は装置のコンポーネントを制御するために使用されても良い。
【0084】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されても良く、この命令は、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサによって実行されると、フローチャートやブロック図のブロックで特定される機能/動作を実施するための手段を生成するマシーンを生成できる。また、これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶されても良く、これは、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置に、フローチャートやブロック図のブロックで特定される機能/動作を実施するための命令手段を含む製品を生成するような特定の方法で機能するように指示できる。
【0085】
また、これらコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置(本願では、プロセッサ651として示されている)にロードされ、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で一連の動作手順を実行することで、コンピュータ又は他のプログラマブル・データ処理装置上で実行すると、フローチャートやブロック図のブロックで特定される機能/動作を実施するための処理を生じさせる命令のようなコンピュータ実装プロセスを生成する。
【0086】
コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体又は任意の適切な媒体であり、これは、電子的なメモリ中に命令を記憶し、この命令にアクセスするプロセッサによって実行される。これら形式の電子的ストレージ及び電子的メモリは、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)、ROM(読み取り専用メモリ)、EEPROMであっても良い。例えば、命令は、本願の図6A及び図6Bに示すように、メモリ655に記憶され、CPU653によって実行されても良い。
【0087】
本実施形態は、以下で、実施形態に従った方法、装置、システム及びコンピュータ・プログラム・プロダクトのフローチャート図やブロック図を参照して説明される。フローチャート図やブロック図の各ブロック、及び、フローチャート図やブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラムの命令によって実現できることが理解できよう。
【0088】
図9は、チャックと連動してカプラを利用する方法900の実施形態を示す。図9に示すように、方法900は、チャックとカプラを動作させてウエハを載置し、スキャン又は検査動作を実行し、チャックからウエハを取り外すことを説明する。
【0089】
ウエハは、チャック(904)上に載置(マウント)され、カプラ装置は、典型的には2つのカプラ・ユニットを有し、ウエハの領域のわずかに上に配置される。ウエハより上のこの領域は、スキャン/検査動作を開始する最初の場所である。このウエハ上の最初の位置を「初期位置」と定義することができ、これは、スキャン/検査されるウエハの表面から、通常、約0.05mmから60mmの間であり、好ましくは、約0.1mmから30mmの間である(906)。貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの表面からのこの距離は、本願では、動作距離と呼ばれる。こうして、スキャナ、センサ又はトランスデューサは、ウエハの表面、表面に近い部分、内部層や中間層の最適なスキャン/検査を得るように配置される。従って、先に言及した距離の範囲は、最適ではあるが、ウエハ表面からの他の距離も、本開示技術の実施形態である。
【0090】
カプラ装置は、典型的には2つのカプラを有し、検査/スキャン動作を、カプラントの塗布及び吸引とともに行う(912)。この検査/スキャン動作は、最初の初期位置(P(1))から、P2から最大で任意の個数の位置(P(N)、ここでNは任意の数、つまり、ウエハ上の任意の位置であり、ウエハ上のある1つの位置である)までの第2領域へと進む。この位置は、「X」「Y」の座標の組で定義できる。
【0091】
検査/スキャン動作中、吸引は、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの以前に検査/スキャンした領域又は現在の検査領域のいずれかであって、検知装置(センサ)周辺以外の部分に適用できる。この吸引工程は、カプラがウエハの表面の上を移動するときに、真空吸引口にウエハの表面から流体又はカプラントを吸引させることによって、余分な流体又はカプラントを除去することを可能にするプロセスである。
【0092】
第1領域(P1)の検査/スキャン(912)の後、カプラは、第2位置に移動するが、これは、後に続くウエハ表面上の任意の位置(P2~PN)とすることができる(918)。カプラの表面までの距離は、Z平面において約0.05mm~60mmであることから、カプラの一部がX又はY平面のウエハの外に位置しているか否かが判断される(924)。もし否なら、「No」(926)は、カプラの位置において、ウエハ表面に流体を塗布し、吸引を適用することで、検査/スキャン動作が続くことを示す(912)。
【0093】
カプラの一部が、X又はY面のいずれかでウエハ表面から「離れている」場合、「Yes」(928)は、1つ以上の真空吸引口の吸引がコントロール(control:制御、抑制)されることを示す(930)。このコントロールは、関連する真空発生装置を「オフ」状態に切り替える一方、他の真空吸引口の吸引は維持することによって実現されても良い。
【0094】
これに代えて、カプラの一部が、X又はY軸の位置に沿った動作位置にない場合、X平面又はY平面位置で表面から外れている真空吸引口は、吸引力が制限される。しかし、他の真空吸引口は、異なる真空発生装置によって制御され、ウエハの表面に対して動作位置にある吸引口に吸引を提供する。
【0095】
実施形態では、様々な真空発生装置が、真空吸引口の位置に応じて、選択された真空吸引口に真空吸引を提供するようにオプションで制御されても良い。このため、真空吸引口が表面のX又はY平面において表面上にない場合に、いずれかの真空吸引口に関連する真空発生装置が、関連する真空吸引口への吸引を実際にオフにするか否かは、オプションである。
【0096】
ウエハの更なる領域を検査/スキャンするかの判断が行われる(940)。もしするのであるなら、「Yes」(942)は、カプラを所望の位置に配置して検査/スキャンが実行されることを示す(906)。
【0097】
スキャン/検査するウエハの他の領域がない場合、「No」(944)は、カプラをZ平面においてウエハから移動し、別のウエハを検査しても良いことを示す(950)。
【0098】
図10は、本開示技術の実施形態を実施する方法1000を示す。スキャン・パス、又は検査エリアが特定される(1004)。これらのスキャン・パス又は検査パスは、通常、スキャン又は検査の間に、もう1つのカプラが横断する領域である。第1スキャン・パス/検査領域の検査/スキャン動作は、第1速度で実行される(1006)。この検査スキャンは、通常、本願に記載されているように、流体の塗布(application of fluid:流体の適用)を利用するのに加えて吸引を利用し、スキャナ又はトランスデューサで試験されている検査領域又はスキャン範囲の外にある流体を吸引する。
【0099】
カプラでスキャンされた領域は、カプラによって特定され、再スキャンされても良い(1008)。この再スキャン・プロセスは、流体の塗布(application of fluid)の有無にかかわらず、吸引を利用する。この再スキャンは、ウエハ表面に存在する残留流体を除去するために行われても良く、第2速度で行われる。この第2速度は、第1速度と同じ速度であっても良いし、又は、第1速度より遅いか、第1速度より速いかいずれかの異なる速度であっても良い。
【0100】
これに代えて、ライン1007は、吸引パスをスキップしても良いし、流体と吸引を用いた検査スキャンに続いて、判断が行われることを示す(1010)。
【0101】
流体を十分に除去したか否かが判断される(1010)。これは、吸引パス(1008)があったか否か、又は吸引パスがなかったか(1006から1007へ)か否かで判断されても良い。十分な流体の除去がなかった場合、「No」(1012)は、その領域が再びスキャンされて、液体を吸引することを示す。
【0102】
流体が十分に除去されたと判断された場合、「Yes」(1014)は、別のスキャン・パス/検査領域が特定されることを示す(1016)。これらのスキャン・パス/検査領域は、ウエハ上の別の検査領域であっても良い。
【0103】
1つ以上のカプラは、別のウエハ領域においてウエハ表面をスキャン/検査するために配置される(1018)。ウエハ表面の別のパス/領域のスキャン/検査は、1つ以上のカプラによって行われる(1020)。このスキャン/検査は、以前のスキャン(1006)と同様に、流体の塗布と吸引が伴って行われる。
【0104】
第2の(別の)領域の第2の又は反復のスキャンが行われても良い(1024)。この反復(リピート)スキャンは、流体有りか又は無しで実行されても良く、ウエハの表面から過剰な又は残留する流体、カプラント又は液体を吸い取るために利用される。この第2の又は反復スキャン中のカプラの速度は、検査スキャン手順と同じか又は異なっても良い。
【0105】
例えば、様々な動作態様がある。一つの実施形態(流体なし)は、同じパスの2回目の通過が行われるものである。この2回目の通過は、以前の通過と同じ速度で行われ、流体の載置機能は作動しない。従って、カプラは、流体を載置しないが、吸引機能を利用して余分な流体を除去する。
【0106】
別の実施形態(流体あり)は、カプラが以前にスキャンしたパスを横断して2回目の通過を行い、流体を載置させる。この通過は、最初の通過よりも低速で実行される。この遅い速度により、真空吸引口は、より長い時間、表面の部分に晒されるので、余分な液体を吸い取ることができる。
【0107】
これに代えて、第2の又は反復(リピート)吸引スキャン(1024)をスキップして(1022)、吸引スキャンを行わずに(1022)、流体、カプラント又は水の十分な除去があったか否かの判断を行っても良い(1026)。
【0108】
ウエハの表面上に残留する液体、カプラント又は水の量を検知した結果(1026)によって、液体、水又はカプラントの除去が十分でない場合に、吸引スキャン(1024)が繰り返されても良い(1034)。
【0109】
流体、水又はカプラントの十分な除去があった場合(1030)、試験又は検査するべきウエハの更なる領域があるか否かの判断が行われる(1044)。もしそうである場合、「Yes」(1042)は、ウエハの別のスキャン・パス/検査領域の特定が行われることを示す(1016)。ウエハの更なる領域は、この点について説明した(1016)ように、検査/スキャンされる。
【0110】
もし試験するウエハの更なる領域がない場合(1046)、別のウエハの検査を開始しても良い(1050)。
【0111】
図11は、チャックのような支持装置の動作を制御するための一連の工程(ステップ)又は命令1100を示す。チャックは、本願に記載されているように、カプラによって検査やスキャンされるウエハを固定するために使用されても良い。実際に、過剰なカプラントを吸引するための空洞付きチャックの使用は、ウエハの表面から過剰なカプラントを吸引するための吸引スキャンを行うカプラと相補的な関係を有する。物品(ウエハなど)は、チャックのような支持装置の第1面に配置される(1104)。物品は、物品が所望の位置に保持されるように、装置のフラットな面に配置されても良い。
【0112】
吸引が、装置の第1部分に適用される(1106)。この吸引は、典型的には、1つ以上のバキューム(1108(a)・・・(n)、ここで「n」は、任意の適切な数)を制御することによって適用される。吸引は、装置の下側の指定又は選択された領域に適用されても良く、これによって、ウエハのような物品を、装置又はチャック上の所定位置に保持しても良い。吸引の適用は、本願に記載されるように、関連する1つ以上の真空(バキューム)吸引口に吸引力を生じさせる1つ以上の真空発生装置を制御することによって制御されても良い。
【0113】
真空力又は吸引は、物品を異なるモードで固定するために、チャックなどの装置の第2部分に加えられても良い(1112)。この吸引は、ウエハ(又は貼り合わせウエハ・ペア)の外周付近でウエハの周りを囲むリング上の真空吸引口によって生成されても良い。この追加の吸引は、1つ以上の真空発生装置(1108)と協力して、真空吸引口によって適用されても良いが、この第2の真空は、貼り合わせウエハ・ペアのエッジに流れ込んだ流体を吸引するための吸引力であり、そうでなければ、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハのエッジ部分に浸透して吸収されてしまうであろうものである。このエッジ真空(バキューム)力は、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハのエッジからあふれた流体を引っ張るか吸引する。
【0114】
このバキューム(1106、1108、1112)の制御には、真空吸引口と真空発生装置の任意の組み合わせを使用しても良く、物品又はウエハの必要される複数の部分に吸引を生成できる。これには、表面(1106)及び環状(1112)の真空力が含まれても良い。
【0115】
水又は他の適切なカプラントのような流体は、物品の少なくとも一部に載置(deposit)される(1116)。流体又はカプラントのこの載置は、通常、スキャン又は検査機能の一部として行われる。流体又はカプラントは、貼り合わせウエハ・ペア又はウエハの表面に近い部分のような物品の内部又は物品上の不完全な箇所又は欠陥の領域を特定するスキャナと連動して使用される。流体又はカプラントの少なくとも一部は、バキューム(真空)よってエッジから吸引され、これらバキュームは、支持装置の空洞に位置していても良い(1118)。
【0116】
ウエハのような物品に追加の流体を載置させるか否かの判断が行われる(1120)。もしそうの場合、「Yes」(1124)は、流体又はカプラントが物品上に載置されることを示す(1116)。追加の流体を載置しないと判断された場合(1120)、「No」(1126)は、物品が支持装置から取り外されることを示す(1130)。
【0117】
図12は、カプラのスキャン及び移動を表現したもの1200を示す。これには、ある領域p(n)を横断するラスタ・スキャンや、別の領域P(N)を横断するスキャンが含まれる。
【0118】
図12に示すように、ウエハ又は貼り合わせウエハ・ペアのような物品の表面660を表現したもの1200には、第1カプラに関するラスタ・ライン又はスキャン・パス1230(1)...(4)と、第2カプラに関するラスタ・ライン1240(1)...(4)とが示されている。カプラ1230(1)...(4)及びカプラ1240(1)...(4)の夫々について、4つのラスタ・ライン(又はパス)が示されているが、任意の適切な個数のラスタ・パス又はスキャン・パスが、本開示技術の範囲内である。
【0119】
通常、ラスタ・ライン又はスキャン・パス1230、1240の夫々には、複数の収集位置(collection locations)がある。例えば、スキャン・ライン1230(1)には、複数の収集位置1280(a)...(n)があり、ここで「n」は、任意の適切な数である。これらのラスタ領域は、本願に記載されている検知装置による検査の対象となる。
【0120】
複数のラスタ・ライン又はスキャン・パスは、距離p(n)1252だけ離れている。第1カプラは、スキャン・パス1230(1)...(4)をスキャン又は横断し、第2カプラは、ラスタ・ライン1240(1)...(4)をスキャン又は横断し、各ラスタ・パス又はスキャン・パスは、Y軸に関してp(n)1252だけ離れている。吸引のみの通過の利用は、本願に記載されているように、ウエハの表面で検出又は検知された流体又はカプラントの量に応じて、生じる場合も、生じない場合もある。
【0121】
第1カプラがスキャン・パス1230(4)を完了するとき、第2カプラはスキャン・パス1240(4)を完了する。第1カプラは、1232に示すように、その位置を移動若しくは変更、又は、距離P(N)1254を「ジャンプ」する。第2カプラも、1242に示すように、距離P(N)1254を移動又はジャンプする。このように、第1カプラは、物品又はウエハの表面660の一部であって、第2カプラの最後のスキャン・パスより上の次のp(n)位置にある新しいスキャン・パスを開始する。この位置は、1240(4)プラスp(n)1252と定義できる。こうして、物品又は貼り合わせウエハ・ペア660の表面領域全体が、第1カプラ又は第2カプラのいずれかによってスキャンされる。必要に応じて、追加のスキャンが、流体を塗布することなく、また、吸引を利用することなく行われても良い。また、必要に応じて、追加のスキャンを、流体を伴って、もっと遅い速度で実行しても良い。また、追加のスキャンを、流体なしで、もっと遅い速度で実行しても良い実施形態もある。
【0122】
本願には、より遅い速度か若しくはより速い速度か、流体を塗布するか若しくは流体を塗布しないか、又は、速度と流体塗布の任意の組み替えかという吸引スキャンの使用が記載されている。本願に記載される実施形態は、スキャン処理で導入され、使用される流体に晒されるために、物品に表面の欠陥や表面に近い部分の欠陥が生じないように、物品の表面のスキャン処理手順を最適に実施するため、吸引、カプラの速度及びカプラントの塗布の任意の組み合わせを使用して良い。
【0123】
通常、ジャンプ1254の前に反復して吸引スキャンを実行すると都合が良い。このため、図12に示すように、吸引スキャンは、スキャン・パス1230(4)及び1240(4)に対して行われるであろう。
【0124】
図13は、本願に記載の実施形態による一対のカプラの位置決めを制御するフローチャート1300を示す。図13の説明は、位置決めされる2つのカプラについて説明するが、任意の個数のカプラを位置決めするのに利用してもほぼ同様であろう。第1カプラが、最初のスキャン又は検査パスを実行する(1304)。第2カプラが、最初のスキャン又は検査パスを実行する(1306)。これらカプラが物品の特定の領域で動作しているか否かの判断が行われる(1308)。この領域は、p(n)と考えられ、これは、別の領域にP(N)だけ「ジャンプする」又は移動する前の、複数のカプラからなる第1セットのスキャン領域である。
【0125】
もしこれらカプラが、領域(p(n))を依然としてスキャンしているなら、「Yes」(1310)は、これらカプラが、それぞれのパスの領域をスキャン/検査し続けていることを示す。
【0126】
これらカプラが、p(n)と考えられる領域のスキャンを完了したとき、「No」(1314)は、物品又はウエハの別の領域をスキャン/検査するために、第1カプラと第2カプラが別の位置に移動しても良いことを示す(1318)。この別の領域の位置は、Y軸に関して、P(N)の位置と考えることができる。
【0127】
次いで、スキャン/検査プロセスが、第1カプラ(1320)と第2カプラ(1324)によって、第2の領域で始まる。本願に記載されているようなラスタ・スキャンなどの各スキャンの後、その領域が現在のスキャン領域内にあるか否かの判断が行われる(1308)。こうして、p(n)のような、ある1つの領域でのスキャンが完了すると、これらカプラは移動する。次いで、プロセスは、目的の表面がスキャン/検査されるまで続行される。
【0128】
図14は、本願に記載された実施形態による貼り合わせウエハの表面から、水又は他の適切な流体のようなカプラントを除去するフローチャート1400を示す。貼り合わせウエハ・ペアの表面などの物品の検査が行われる(1404)。この検査には、カプラントの載置(deposition)、物品の表面や表面に近い部分の検知処理、検知を行う検知装置によってカプラントが使用されていない領域からカプラントを吸引する処理が含まれる。検知装置によって検知されることが望ましい別の領域があるか否かの判断が行われる(1408)。もしスキャン又は検知するべき更なる領域がある場合、「Yes」(1410)は、表面上に余分なカプラントがあるか否かの判断が行われることを示す(1412)。もし表面に余分なカプラントがある場合、「Yes」(1416)は、カプラのもう1回の通過が実行されることを示す(1418)。このカプラの通過は、吸引処理を伴うと共に、追加のカプラントの載置は無しで実行されても良い。
【0129】
これに代えて、通過(1418)が、吸引処理に加えて、カプラントの載置を含んでいても良い。カプラは、後続の(2番目、3番目など)領域に移動される(1420)。その後に続く領域が特定される(1426)と、検査は継続される(1404)。
【0130】
もし過剰な又は望ましくないカプラントがない場合(1412)、「No」(1422)は、後続の領域への移動が行われることを示す(1420)。
【0131】
スキャンする更なる領域が存在するか否かの判断(1408)を再度参照すると、表面にスキャンする別の領域がない場合、「No」(1428)は、表面上に過剰な流体が存在するか否かを判断が行われることを示す(1430)。その場合、「Yes」(1432)は、もう1回の通過が実行されることを示す(1444)。この通過(1414)は、吸引通過のみであってもよく、これは、表面から過剰な流体を吸引するために使用される。ウエハの表面に過剰な流体が存在しないと判断された場合、「No」(1458)は、カプラが移動して、物品の表面から離れても良いことを示す(1460)。
【0132】
図15は、貼り合わせウエハ・ペア、ウエハ又は他のアイテムなどの物品の表面からカプラントを除去するフローチャート1500を示す。図15は、本願に記載するもう1つの実施形態を示す。貼り合わせウエハ・ペア又はウエハのような物品は、チャック又は他の適切な取り付け(マウント)装置に配置される(1504)。本願に記載されたカプラのようなカプラは、物品の表面に対して動作位置に配置される(1506)。この動作位置は、通常、Z平面において、物品の表面より上に約0.05mmから45mmの間である。好ましくは、この動作位置は、Z平面において、物品の表面の上、約0.1mmから15mmの間である。この動作距離は、カプラントの載置、表面の検査、及び物品の表面からカプラントを吸引するのに適した距離である。
【0133】
物品の表面に対して所望の動作位置にあれば、カプラントのような流体の塗布や流体の吸引によって、表面の検査/スキャンが行われる(1510)。
【0134】
スキャンが望まれる物品の別の(後続の)部分があるか否かの判断が行われる(1514)。もしある場合、「Yes」(1522)は、物品の最も最近の領域の別のスキャン・パスが実行されることを示す(1526)。このスキャン・パスは、流体の載置なしに吸引を利用して行っても良い。吸引パスの後(1530)に、後続の領域に対する検査/スキャンが行われる(1506)。
【0135】
もし検査/スキャンが望まれる品物の後続する部分が存在しないと判断された場合(1514)、「No」(1516)は、物品がチャックから取り外されることを示す(1520)。
【0136】
種々の実施形態は、複数の実施形態の組み合わせを含むとして説明される。
【0137】
一実施形態は、カプラに関し、これは、カプラの第1部分に配置され、物品の複数の検査の領域の検知を行うように構成される検知装置と、カプラの第2部分に配置され、検知装置によって検査される物品の部分にカプラントを提供するように構成される1つ以上のカプラント注入口結合部と、カプラの第3部分に配置される1つ以上の真空吸引口結合部とを有し、1つ以上の真空吸引口結合部の少なくとも1つが、カプラの下面の凹部を通して吸引を提供し、検知装置による物品の検査中の位置以外のカプラントの少なくとも一部を除去するように構成されている。
【0138】
別の実施形態は、上述のカプラに関し、更に1つ以上の真空発生装置を具え、各真空発生装置は、関連する1つ以上の真空吸引口結合部に動作可能に結合される。
【0139】
更に別の実施形態は、上述のカプラに関し、このとき、真空発生装置の動作状態は、関連する1つ以上の真空吸引口結合部の位置に応じて変化する(位置の関数である)。
【0140】
更に別の実施形態は、上述のカプラに関し、カプラの下部は、物品の上面より上に約0.1ミリメートルから約50ミリメートルの間に位置している。
【0141】
更に別の実施形態は、上述のカプラに関し、1つ以上のカプラント注入口結合部は、検知装置の検知部分の下の位置にカプラントを提供し、検知装置の検知部分と物品の検査対象部分との間にカプラントの加圧された膜を形成する。
【0142】
更に別の実施形態は、上述のカプラに関し、上記カプラントは、水、脱イオン水及び逆浸透水(reverse osmosis water)からなるグループから選択される。
【0143】
更に別の実施形態は、上述のカプラに関し、上記カプラントは、摂氏30度と摂氏45度の間の温度を有する水である。
【0144】
更に別の実施形態は、上述のカプラに関し、検知装置が、検知中に検査データを蓄積し、蓄積された検査データをプロセッサに提供する。
【0145】
更に別の実施形態は、検査システムに関し、これは、第1カプラの第1部分に配置された第1検知装置であって、第1検知装置に関連する物品の検査の領域の検知処理を実行するよう構成される第1検知装置と、第1カプラの第2部に配置され、第1検知装置によって検査される物品の部分にカプラントを提供するように構成される1つ以上のカプラント注入口結合部の第1セットと、第1カプラの第3部分に配置された1つ以上の真空吸引口結合部の第1セットであって、真空吸引口結合部の第1セットの中の少なくとも1つが、第1カプラの下面の凹部を通して吸引を提供し、第1検知装置で検査される物品の部分以外のカプラントを除去するように構成される1つ以上の真空吸引口結合部の第1セットと、第2カプラの第1部分に配置される第2検知装置であって、第2検知装置に関連する物品の検査の領域の検知処理を実行するよう構成される第2検知装置と、第2カプラの第2部に配置され、第2検知装置によって検査される物品の部分にカプラントを提供するように構成される1つ以上のカプラント注入口結合部の第2セットと、第2カプラの第3部分に配置された1つ以上の真空吸引口結合部の第2セットであって、真空吸引口結合部の第2セットの中の少なくとも1つが、第2カプラの下面の凹部を通して吸引を提供し、第2検知装置で検査される物品の部分以外にあるカプラントを除去するように構成されている1つ以上の真空吸引口結合部の第2セットとを有している。
【0146】
更に別の実施形態は、上述の検査システムに関し、更に1つ以上の真空発生装置を具え、各真空発生装置は、関連する複数の真空吸引口結合部からなるセットに動作可能に(operatively)結合される。
【0147】
更に別の実施形態は、上述の検査システムに関し、真空発生装置の動作状態は、関連する複数の真空吸引口結合部からなるセットの位置に応じて変化する(位置の関数である)。
【0148】
更に別の実施形態は、上述の検査システムに関し、第1カプラと第2カプラが、物品の第1及び第2位置に夫々配置され、第1及び第2カプラは、物品の関連する部分を検査し、第1及び第2カプラは、物品からカプラントを吸引する。
【0149】
更に別の実施形態は、上述の検査システムに関し、第1及び第2カプラが、ウエハ上の第3及び第4位置に夫々配置される。
【0150】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、物品の上面より上の第1位置に第1カプラを配置する処理と、物品の上面より上の第2位置に第2カプラを配置する処理と、第1カプラ及び第2カプラの1つ以上から物品の上面の一部分にカプラントを吐出する(dispense)処理と、第1及び第2カプラの位置を制御することによって物品の一部をスキャンする処理と、第1及び第2カプラの位置に基づいて、物品の上面からカプラントの少なくとも一部を吸引する処理とを具えている。
【0151】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、スキャン工程から検査データを蓄積する処理と、蓄積された検査データを処理する処理とを更に具えている。
【0152】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、物品の以前にスキャンされた部分を特定する処理と、1つ以上のバキュームを動作させながら物品の上面の以前にスキャンされた部分を横断するように第1及び第2カプラを配置する処理とを更に具えている。
【0153】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、上記スキャンとほぼ同じ速度で物品の以前にスキャンされた部分を横断する処理を更に具えている。
【0154】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、物品上にカプラントを載置する処理と、上記スキャンよりも遅い速度で物品の以前にスキャンされた部分を横断する処理とを更に具えている。
【0155】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、第1カプラを物品の第3位置に配置する処理と、第2カプラを物品の第4位置に配置する処理と、第3位置及び第4位置に基づいて第1カプラ及び第2カプラの1つ以上から物品の関連する部分にカプラントを吐出する処理と、第1及び第2カプラの位置を制御することによって物品の関連する部分をスキャンする処理と、第1及び第2カプラの位置に基づいて物品からカプラントの少なくとも一部分を吸引する処理とを更に具え、第3位置は、第2位置と第4位置の間の領域であって、物品の試験されていない領域にある。
【0156】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、第3位置が、第1位置から物品のY軸に沿って約30から70ミリ・メートルの間にある。
【0157】
更に別の実施形態は、2つのカプラを利用する方法に関し、第1及び第2カプラが、物品の上面より上の約0.1ミリ・メートルから50ミリ・メートルの間に位置する。
【0158】
更に別の実施形態は、1つのカプラを利用する方法に関し、物品の上面より上の第1位置にカプラを配置する処理と、1つ以上のカプラント注入口結合部から物品の上面の一部にカプラントを吐出する処理と、カプラの位置を制御することによって物品の一部をスキャンする処理と、カプラの位置に基づいて物品の上面からカプラントの少なくとも一部を吸引する処理とを具えている。
【0159】
更に別の実施形態は、1つのカプラを利用する方法に関し、スキャン工程から検査データを蓄積する処理と、蓄積された検査データを処理する処理とを具えている。
【0160】
更に別の実施形態は、1つのカプラを利用する方法に関し、物品の以前にスキャンされた部分を特定する処理と、カプラの1つ以上のバキュームを動作させながら、物品の上面の以前にスキャンされた部分を横断するようにカプラを配置する処理とを具えている。
【0161】
更に別の実施形態は、1つのカプラを利用する方法に関し、上記スキャンとほぼ同じ速度で物品の以前にスキャンされた部分を横断する処理と、物品の上面からカプラントの少なくとも一部を吸引する処理とを具えている。
【0162】
更に別の実施形態は、1つのカプラを利用する方法に関し、物品上にカプラントを載置する処理と、上記スキャンよりも遅い速度で以前にスキャンされた部分を横断する処理と、物品の上面からカプラントの少なくとも一部を吸引する処理とを更に具えている。
【0163】
更に別の実施形態は、チャック装置に関し、物品の少なくとも一部を支持するように構成された第1セクションと、第1セクションの1つ以上の領域に配置された1つ以上の第1真空吸引口と、第1セクションの外周に環状リングを形成するように構成された第2セクションと、環状リングに配置され、物品の外周に沿って吸引を提供するように構成される1つ以上の第2真空吸引口とを具えている。
【0164】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、第1セクションは2つ以上の領域があり、第1セクションの各領域は、上記1つ以上の第1真空吸引口の中の1つ以上に関連する第1真空吸引口を有する。
【0165】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、第2セクションは、内部に空洞を有する構造的リング部材を有する。
【0166】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、1つ以上の第2真空吸引口の吸引力が、物品上のカプラントの浸透力(wicking force)を超えている。
【0167】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、1つ以上の第2真空吸引口の中の1つ以上の動作状態を制御するように構成される1つ以上の真空発生装置を更に具えている。
【0168】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、1つ以上の第1真空吸引口の中の1つ以上の動作状態を制御するように構成された1つ以上の真空発生装置を更に具えている。
【0169】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、第1真空吸引口の夫々が、第2真空吸引口の夫々から独立して動作する。
【0170】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、第1セクションは、複数の貼り合わせウエハの直径を支持するのに適した寸法を有する。
【0171】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、上記1つ以上の領域には、第1真空吸引口とは別の複数の部分がある。
【0172】
更に別の実施形態は、上述のチャック装置に関し、第1真空吸引口が、物品のゆがみを抑制するために物品の表面に吸引を加えるよう構成されている。
【0173】
更に別の実施形態は、物品を固定するためのチャック装置の別の実施形態に関し、物品をサポートするように構成された第1セクションと、物品の外周の周りに外周リングを形成するように構成される第2セクションと、環状リングに配置され、物品の外周に沿って吸引を提供するように構成される1つ以上の真空吸引口とを具えている。
【0174】
更に別の実施形態は、上述の物品を固定するためのチャック装置に関し、物品の外周に沿った吸引は、物品のエッジ部分又は物品の表面に近い部分にカプラントが侵入するのを抑制する。
【0175】
更に別の実施形態は、上述の物品を固定するためのチャック装置に関し、第2セクションは、内部に空洞を有する構造的リング部材を有する。
【0176】
更に別の実施形態は、上述の物品を固定するためのチャック装置に関し、1つ以上の真空吸引口の吸引力が、物品上のカプラントの浸透力を超えている。
【0177】
更に別の実施形態は、上述の物品を固定するためのチャック装置に関し、1つ以上の真空吸引口の吸引力は、物品のエッジ面へのカプラントの侵入を抑制する。
【0178】
別の実施形態は、チャックを利用する方法に関し、この方法は、チャックの第1面上に物品を配置する処理と、1つ以上の第1真空吸引口を使用してチャックの第1面上の物品の少なくとも第1部分を吸引する処理と、1つ以上の第2真空吸引口を使用してチャックの環状リングの少なくとも一部分上の物品の少なくとも第2部分を吸引する処理と、1つ以上の第2真空吸引口を使用する処理と、物品の上面の少なくとも一部にカプラントを載置する処理と、1つ以上の第2真空吸引口を使用して物品のエッジ部分からカプラントの少なくとも一部を吸引する処理とを具えている。
【0179】
上述のようなチャックを利用する方法であり、物品の第1部分が平面であり、物品の第2部分が環状の面である。
【0180】
上述のようなチャックを利用する方法は、第1真空吸引口と第2真空吸引口とを独立に動作させる処理を更に具えている。
【0181】
上述のようなチャックを利用する方法は、吸引領域とは異なる領域を与える、チャックの第1面の一部分を提供する処理を更に具えている。
【0182】
上述のようにチャックを利用する方法は、上記物品がウエハである。
【0183】
上述のようなチャックを利用する方法は、第2真空吸引口が、浸透力を超える吸引力を与える。
【0184】
上記のシステム、装置、方法、プロセスなどは、ハードウェア、ソフトウェア、又は特定のアプリケーションに適したこれらの任意の組み合わせで実現されても良い。ハードウェアとしては、汎用コンピュータや専用コンピューティング装置が含まれても良い。これには、内部メモリや外部メモリを伴う、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組み込みマイクロコントローラ、プログラマブル・デジタル・シグナル・プロセッサ又は処理回路での実現が含まれる。これに加えて、(又はこれに代えて)、これは、1つ以上のASIC、プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック・コンポーネント、又は電子的な信号を処理するように構成されたその他のデバイスが含まれても良い。更に、上述のプロセス又はデバイスの実現としては、Cなどの構造化プログラミング言語、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、又は、その他の高レベル又は低レベルのプログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、データベース・プログラミング言語と技術を含む)を使用して作成されたコンピュータ実行可能なコードが含まれていても良く、これは、上述の装置に加えて、複数のプロセッサ、複数のプロセッサ・アーキテクチャの異種の組み合わせ又は異なるハードウェアとソフトウェアの組み合わせの組み合わせで実行するために、記憶、コンパイル又はインタープリットされても良い。別の実装では、上記方法が、そのステップを実行するシステムで具体化され、いくつかのやり方で複数のデバイスに分散されても良い。同時に、これら処理が、上述の各種システムのような複数のデバイスに分散されても良いし、全ての機能が、1つの専用のスタンドアロンの装置又は他のハードウェアに統合されても良い。別の実装において、上述の処理に関連する複数のステップを実行するための手段が、上述のハードウェアやソフトウェアのいずれかを含んでも良い。このような入れ替え及び組み合わせは全て、本開示の範囲内に入ると考えられる。
【0185】
本開示は、多くの異なる形態の実施形態が可能であるが、本開示は、その原理の一例として考えるべきであって、説明する具体的な実施形態に限定することを意図したものではないとの理解の下に、具体的な実施形態について図を示し、説明している。説明では、図面のいくつかの表示において、同じ、類似又は対応する部分を記述するのに、同様の参照番号を利用することがある。
【0186】
本書では、第1、第2、上及び下などの関係を示す用語は、そのような物又はアクション間の実際の関係又は順序を必ずしも必要又は意味することなしに、ある物又はアクションを別の物又はアクションから単に区別するため利用することがある。用語「から構成される(comprise)」、「を具えている(comprising)」、「を含む(includes)」、「を含んでいる(including)」、「を有する(have)」、「を有している(having)」又はこれらの他のバリエーションは、非排他的な包含をカバーすることが意図されており、プロセス、方法、物品又は装置が、要素のリストからなるプロセス、方法、物品又は製品が、必ずしもこれら要素だけを含むのではなく、明示的に列挙されていないか又はこうしたプロセス、方法、物品又は装置に固有の他の要素を含んでいても良い。「を具える(comprises …a)」で導入される要素は、何らの制約なく、この要素を具えるプロセス、方法、物品又は装置において、追加で同一要素が存在することを妨げない。
【0187】
本文書全体を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「ある実施形態(a embodiment)」、「実施(implementation(s))」、「態様(aspect(s))」又は類似の用語への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本願全体を通じて、あるいは様々な場所におけるそのようなフレーズの出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされても良い。
【0188】
本願で使用される用語「又は(or)」は、全てを含むとして解釈されるか又は任意の1つ若しくは任意の組み合わせを意味すると解釈される。従って、「A、B又はC」は、「A」、「B」、「C」、「A及びB」、「A及びC」又は「A、B及びC」のいずれかを意味する。また、文法上の接続詞は、特に述べたり、文脈から明らかでない限り、結合された句、文、単語などのあらゆる離接的な(disjunctive)及び接続的な(conjunctive)組み合わせを表現することを意図している。従って、「又は」という用語は、一般的に「及び/又は」などを意味すると理解されるべきである。
【0189】
ここに言及されている全ての文書は、ここに言及することによって完全に組み込まれる。単数形の項目への言及は、明示的に記述されているか又は文章から明らかでない限り、複数形の項目を含むとして理解する必要がある。
【0190】
本願における値の範囲の列挙は、限定することを意図しておらず、特に示されない限り、範囲内に存在する全ての値を個別に言及しており、そのような範囲内の各々の個別値は、本願で個別に列挙したものとして明細書に組み込まれる。「約」、「およそ」等の単語は、数値を伴う場合、当業者であれば理解できるように、意図された目的で充分に動作する基準値からのずれ(偏差)を示すと解釈すべきである。値や数値の範囲は、本願では、単に例として提供されるものであり、説明した実施形態の範囲についての限定を構成するものではない。本願に提供される、あらゆる例又は例示的な言葉づかい(「例えば」、「のような」など)の使用は、実施形態を単により明確にすることを意図しており、実施形態の範囲に限定を与えるものではない。明細書の言葉づかいは、実施形態の実施に不可欠な請求項に記載の要素を示すと解釈されるべきではない。
【0191】
説明を簡潔で明確なものとするために、図面間で参照番号を反復して、対応又は類似する要素を示すことがある。多数の細部が、本願に記載される実施形態の理解を提供するために記載されている。実施形態は、これらの細部なしに実施されても良い。別の例では、よく知られた方法、手順及びコンポーネントは、記載される実施形態がわかりにくくなるのを避けるために、詳細には説明されていない。説明は、本願に記載される実施形態の範囲に限定されるものとは考えるべきではない。
【0192】
以下の説明では、「第1」、「第2」、「上(top)」、「下(bottom)」、「上方へ(up)」、「下方へ(down)」、「より上(above)」、「より下(below)」などの用語は、便宜上の単語であり、限定する用語と解釈されるべきではないことが理解されよう。
【0193】
上述の装置(デバイス)、システム及び方法は、例として記載されており、限定するものではないことが理解できよう。不可であることが明示されていない限り、開示されたステップは、この開示の範囲から逸脱することなく、変更、追加、省略又は並べ替えすることができる。当業者には、多くのバリエーション、追加、省略及び他の変更が明らかであろう。また、上記の説明及び図面における方法のステップの順序又は提示したものは、特定の順序が明示的に必要とされるか又は状況から明らかでない限り、列挙されたステップを実行するのに、この順序が必要であることを意図するものではない。
【0194】
本願に記載された実施の方法のステップは、異なる意味が明示的に与えられているか又は状況から明らかでない限り、以下の請求項の特許性と一貫性のある、そのような方法のステップを実行させる任意の適切な方法を含むことを意図している。そのため、例えば、Xのステップを実行することには、遠隔のユーザ、遠隔の処理リソース(例えば、サーバ若しくはクラウド・コンピュータ)又はマシンのような他のモノ(another party)が、Xのステップを実行するのに適した方法が含まれる。同様に、ステップX、Y、及びZを実行する処理は、こうした他の個人又はリソース(資源)の任意の組み合わせを指示又は制御してステップX、Y及びZを実行し、こうしたステップの利益を得るための任意の方法を含んでいても良い。従って、本願に記載された実施形態の方法のステップは、異なる意味が明示的に与えられているか又は状況から明らかでない限り、以下の請求項の特許性と一貫性のある、1つ以上の他のモノ又はエンティティにステップを実行させる任意の適切な方法を含むことを意図している。そのようなモノ(party)又はエンティティは、他のモノ(party)又はエンティティの指示又は管理下にある必要はなく、また、特定の法域(jurisdiction)内に配置される必要はない。
【0195】
また、上述の方法は、例として提供されていると理解されるべきである。不可であることが明示されていない限り、開示されたステップは、この開示の範囲から逸脱することなく、変更、追加、省略又は並べ替えすることができる。
【0196】
上記の方法やシステムは、例として記載されており、限定されるものではないことが理解できよう。当業者には、多くのバリエーション、追加、省略及び他の変更が明らかであろう。また、上記の説明及び図面における方法ステップの順序又は提示したものは、特定の順序が明示的に必要とされるか又は状況から明らかでない限り、列挙されたステップを実行するのに、この順序を必要とするものではない。従って、特定の実施形態が図示され、説明されているが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び細部の種々の変更及び改変を行うことができ、また、これら種々の変更及び改変は、以下の請求項によって定義される本開示技術の一部を形成することが意図されており、請求項は、法律で許容される最も広い意味で解釈されるべきことが理解できよう。
【0197】
本願で詳細に説明された様々な代表的な実施形態は、例として提示されたもので、限定するものではない。当業者であれば、記載された実施形態の形態及び細部に種々の変更を行っても良く、添付の特許請求の範囲内にとどまる等価な実施形態が得られることが理解できよう。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9
図10
図11
図12
図12A
図13
図14
図15