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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】自動車両の照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/237 20180101AFI20240517BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20240517BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240517BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240517BHJP
   F21V 29/10 20150101ALI20240517BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240517BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20240517BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240517BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20240517BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240517BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240517BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240517BHJP
【FI】
F21S43/237
F21S43/245
F21S43/14
F21V8/00 300
F21V29/10
F21V29/503
F21V29/70
F21V19/00 170
H01L33/64
F21W103:20
F21W103:55
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021547911
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2019079259
(87)【国際公開番号】W WO2020089108
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】18382774.0
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ、カラビア
(72)【発明者】
【氏名】フアン、エウヘニオ、バルディビエルソ
(72)【発明者】
【氏名】マカレナ、ブエノ
(72)【発明者】
【氏名】カルロス、ゴメス、ルイス
(72)【発明者】
【氏名】マリ-アンヘレス、バルラガン
(72)【発明者】
【氏名】ヘスス、タロン
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-203135(JP,A)
【文献】特開2014-160567(JP,A)
【文献】特開2016-048625(JP,A)
【文献】特開2018-120669(JP,A)
【文献】特開2010-097939(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0198879(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0114168(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/237
F21S 43/245
F21S 43/14
F21V 8/00
F21V 29/10
F21V 29/503
F21V 29/70
F21V 19/00
H01L 33/64
F21W 103/20
F21W 103/55
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光方向(d)に従って光を放出するように構成された複数の固体光源(2)であって、それぞれが光源中心(20)を有すると共に、それぞれが光源平面(21)を定めており、その光源平面(21)は、対応する光源中心(20)を含んだ前記光方向(d)に垂直な平面である、固体光源(2)と、
前記光方向(d)に従って最も近い前記光源平面(21)上に光学的輪郭(41)を投影する受入口(40)を有したライトガイド(4)であって、前記光学的輪郭(41)が光学的中心(42)を有している、ライトガイド(4)と、
を備え、
前記ライトガイド(4)に導入される光を放出する前記複数の固体光源(2)の全てが、平坦なプリント回路基板(3)上に配置され、これにより、全ての光源中心(20)が同一平面内に配置されており、
前記ライトガイド(4)の前記受入口(40)へ光ビームを投射するように前記固体光源(2)が配置され、その固体光源(2)の配置は、前記光源中心(20)のうちの少なくとも70%が、前記光学的中心(42)よりも前記光学的輪郭(41)の方に近いようになされており、
前記ライトガイド(4)はロッドの形状を有し、前記ライトガイド(4)は、前記光学的輪郭(41)を有する単一の第1末端部を有しており、この単一の第1末端部が、前記複数の固体光源(2)からの光を前記ライトガイド(4)内に受け入れるための前記受入口(40)を提供し、前記光学的輪郭(41)の形状が、前記ロッドの断面形状と同じである、自動車両の照明装置(1)。
【請求項2】
前記光源中心(20)のうちの少なくとも80%が前記光学的中心(42)よりも前記光学的輪郭(41)の方に近くなっている、請求項1に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項3】
前記ライトガイドは円形ライトガイドであり、前記光学的輪郭(41)が円であって、その円の中心が前記光学的中心(42)である、請求項1または2に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項4】
前記ライトガイドは、ライトガイド半径を定める円形断面を備えている、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項5】
前記光源中心のうちの少なくとも70%が、大きい方の半径と小さい方の半径とによって定められる円冠内に含まれ、当該円冠は前記光学的輪郭(41)の内側にある、請求項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項6】
前記小さい方の半径は、前記大きい方の半径の少なくとも80%であり、前記大きい方の半径は、前記ライトガイド半径の少なくとも80%である、請求項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項7】
前記円冠内に含まれた光源中心(20)を有する前記固体光源(2)同士は、前記円冠内で隣り合う固体光源の最も近い辺同士の間の最短距離が、対応する固体光源の各辺の寸法よりも小さくなるように配置されている、請求項または請求項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項8】
前記固体光源(20)のうちの1つは中央にある、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項9】
各固体光源(2)が1mmから3mmの間のケース表面積を有したケースを備え、最も近い2つの前記光源中心(20)同士の間の距離が、これらの最も近い2つの前記光源中心(20)を備えた前記固体光源(2)における前記ケース表面積の平方根の1.25倍よりも大きくなっている、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項10】
前記ケースは真っ直ぐな辺を備え、少なくとも1対の固体光源における前記ケースの辺同士が平行になっていない、請求項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項11】
各固体光源は自らの周囲に、前記ケース表面積の3倍よりも大きい総銅箔面積(5)を有し、当該総銅箔面積は、幾つかの銅箔面積部分へと分割されていてもよい、請求項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【請求項12】
前記固体光源は、方向指示器またはデイランニングライトの少なくとも一方を為す、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の自動車両の照明装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車両の照明装置内に含まれる光源群の分野、より特定的には、それらの光源の組分け配置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
幾つかの照明機能性は、照明上の要求を満たすのに十分な強さの光束をもたらすように光源同士の組を使用する。
【0003】
一部の光源(例えばLEDなど)は、自らの作動中に大量の熱を発生する。この熱は、それらの光源を通過する電流と関連し、適切に放散されないとすれば光源への深刻な被害を与え得るものである。
【0004】
従って電流は通常、光源によって生じる熱が放散できないほどには多くならないように選択される。
【0005】
この問題は、照明装置の狭い部分で十分強い光束をもたらすよう多数の光源が要求される場合に特に深刻である。
【発明の概要】
【0006】
それゆえ、上述した問題の解決策が求められるのである。
【0007】
本発明は、請求項1記載の自動車両の照明装置によって、上述した欠点を改善するための解決策を提供するものである。本発明の好適な諸実施形態が、各従属請求項に定められている。
別様に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術的、科学的用語を含む)は、当該技術において通例であるように解釈されるべきものである。さらに、一般的な語法による用語類も、やはり関連技術において通例であるように解釈されるべきであって、本明細書で明確にそう定義されない限り、理想化されたり過度に形式的であったりする意味に解釈されるべきではない。
【0008】
この本文において、用語「備える/含む(comprises)」や、その派生語(例えば「備えている/含んでいる(comprising)」など)は、排他的な意味に理解されるべきではない。即ち、これらの用語は、説明されたり定義されたりするものが更なる要素や段階などを含み得るという可能性を排除するように解釈されるべきではないのである。
【0009】
第1の発明態様において本発明は、
光方向に従って光を放出するように構成された複数の固体光源であって、それぞれが光源中心を有すると共に、それぞれが光源平面を定めており、その光源平面は、対応する光源中心を含んだ光方向に垂直な平面である、光源と、
光方向に従って最も近い光源平面上に光学的輪郭を投影する受入口を有したライトガイドであって、光学的輪郭が光学的中心を有している、ライトガイドと、
を備え、
ライトガイドの受入口へ光ビームを投射するように光源が配置され、その光源の配置は、光源の中心のうちの少なくとも70%が、光学的中心よりも光学的輪郭の方に近いようになされている、自動車両の照明装置をもたらすものである。
【0010】
用語「固体(ソリッドステート)(solid state)」は、電力を光へと変換するために半導体を用いる固体電界発光によって放出される光を表す。白熱照明に比べて、固体照明は、熱の発生を減少させ、より少ないエネルギー消散で可視光を作り出す。固体電子照明装置の概して小さな嵩は、もろいガラス管/球や長細いフィラメント線に比べて、衝撃や振動に対してより強い耐性を与えるものである。それらはまた、フィラメントの蒸発を排除して、発光装置の寿命を増大させる可能性を有している。これらの型式の照明における幾つかの例は、光源として、電気フィラメント、プラズマ、またはガスよりも寧ろ、半導体発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、または高分子発光ダイオード(PLED)を備えている。
【0011】
この自動車両の照明装置は、中心よりも光学的輪郭の周縁の方に最も近く配置された複数の固体光源を備え、かくして、それらの光源同士の間に幾らかの付加された(光源の製造者によって推奨される最短距離よりも長い)間隔を生じさせる。この距離は、より優れた熱放散を可能とすることで、光源が、発生した熱によって被害を受けることなく、より大きな電流を供給されてもよく、従って、より強力な光束をもたらし得ると言う理由から重要なのである。
【0012】
本発明の目的のため、用語「中心」は光源の幾何学的な中心とみなされる。各光源は通常、平行六面体のケース(筐体)内に封入されているので、中心を定めるのは当業者にとって極めて容易なことである。ケースが標準的な幾何学形状を有していない場合には、対応するケースの質量中心が光源の中心とみなされることとなる。
【0013】
この発明は、光学素子がライトガイドである場合に特に有利である。それは、ライトガイドが通常、比較的小さな断面を有し、照明機能性を果たすのに強い光束を必要とすることから、先行技術において既知の照明装置では通常、できるだけより高い表面積当たりの光源の密度を得ようとして、複数の光源同士が互いに非常に近接しているからである。
【0014】
幾つかの特定の実施形態においては、光源の中心のうちの少なくとも80%が光学的中心よりも光学的輪郭の方に近くなっている。
【0015】
周縁に最も近い光源の比率が高いほど、それらの光源同士の間に、より大きい付加的な間隔が生じる。
【0016】
本発明によれば、ライトガイドは、例えばロッドの形状を有し、当該ロッドは第1末端部を有し、その第1末端部が受入口を備え、および/または形成していることができる。本発明は、そのような場合に特に有用である。そのような場合には、光学的輪郭の寸法が実質的にロッドの断面と同じであるため、光学的輪郭が狭いのである。各光源中心は光学的輪郭内に配置されるが、複数の光源が狭い場所に配置されるにもかかわらず、優れた熱放散が可能となる。
【0017】
本発明によれば、例えばライトガイドは円形ライトガイドであり、当該光学的輪郭が円であって、その円の中心が光学的中心であることができる。
【0018】
幾つかの特定の実施形態においては、ライトガイドは、ライトガイド半径を定める円形断面を備えている。
【0019】
円形のライトガイドは、自動車両の用途では極めて一般的なものであり、この発明はこの形状に特に適しているのである。
【0020】
幾つかの特定の実施形態においては、光源中心のうちの少なくとも70%が、大きい方の半径と小さい方の半径とによって定められる円冠内に含まれ、当該円冠は特に輪郭の内側にある。例えば、小さい方の半径は、大きい方の半径の少なくとも80%であり、大きい方の半径は、ライトガイド半径の少なくとも80%である。
【0021】
円形のライトガイドが用いられる場合に有利な配置は、より広い面積が存在して光源同士が互いの間に付加的な間隔を有し得るライトガイドの周縁に近い円冠内に、光源の大部分を含んでいる。その結果、熱的な挙動が改善されるのである。
【0022】
例えば、円冠内に含まれた光源中心を有する光源同士は、冠内で隣り合う光源の最も近い辺同士の間の最短距離が、対応する光源の各辺の寸法よりも小さくなるように配置されている。それは、狭い光学的輪郭内への配置に相当するが、この配置は、光源の大部分が光学的輪郭の周縁部に配置されることで熱的に最適化されているのである。
【0023】
本発明によれば、光源のうちの1つは中央にあることができる。これにより、特に他の各光源が周縁に近接して配置されている場合において、より多くの光源が受入口と協働するようにしておくことが可能となる。例えば、この中央の光源の光学的中心を、光学的輪郭の光学的中心上に配置することができる。
【0024】
幾つかの特定の実施形態においては、光源が1mmから3mmの間のケース表面積を有したケースを備え、最も近い2つの光源中心同士の間の距離が、これらの最も近い2つの光源中心を備えた光源におけるケース表面積の平方根の1.25倍よりも大きくなっている。
【0025】
これらの実施形態では、特に付加的な間隔が確保される。
【0026】
幾つかの特定の実施形態においては、光源ケースは真っ直ぐな辺を備え、少なくとも1対の光源における光源ケースの辺同士が平行になっていない。
【0027】
向きが異なっているという事実もまた、光源同士の間に更なる付加的な間隔を生じさせることに貢献する。
【0028】
幾つかの特定の実施形態においては、各光源は自らの周囲に、ケース表面積の3倍よりも大きい総銅箔面積を有し、当該銅箔面積は、幾つかの銅箔面積部分へと分割されていてもよい。
【0029】
付加的な間隔が十分広い銅箔面積を生じさせるように、光源同士が配置される。銅箔面積が、光源に発生する熱の適切な放散のための鍵なのである。この銅箔面積を増大させることによって、より多くの熱が放散されるようになり、かくして光源の作動状態が改善される。
【0030】
幾つかの特定の実施形態においては、光源中心同士が同一平面内に配置されるように、光源同士がある1つの平坦な表面内に置かれている。
【0031】
固体光源の全てが平坦な支持体(例えば、平坦なプリント回路基板)に配置される場合に、それらの光源の発光が、より一層制御されるのである。
【0032】
幾つかの特定の実施形態においては、光源は、方向指示器またはデイランニングライト(昼間走行灯)の少なくとも一方を為す。
【0033】
これらの特定の例は、照明機能性を果たすためのガイド光を採用している。従って、それらの例が、この発明に得に適しているのである。
【0034】
明細書を完全なものとするよう、また本発明のより深い理解に備えるために、一組の図面が与えられている。当該図面は、明細書と一体を成す部分を形成し、本発明の実施形態を示すものであるが、それは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、如何にして本発明を実施することができるかの一例に過ぎない。図面は、以下の各図を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による自動車両の照明装置の一部における特定例の斜視図。
図2】光学的輪郭に対する各LEDの配置を示すためのプリント回路基板の図。
図3】自動車両の車内に設置された本発明による自動車両の照明装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書で説明されるシステムやプロセスを当業者が具体化したり実施したりすることを可能とするのに十分なほど詳細に、例示の諸実施形態を説明する。諸実施形態は、多くの代替形態で与えられ得るものであって、本明細書で示される各例に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0037】
従って実施形態は、種々のやり方で改変されたり、種々の代替形態を呈したりすることができるものであるが、その特定の諸実施形態が、例として、図面に示され、下記で詳細に説明される。開示された特定の諸形態に限定するという意図はないのである。それどころか、添付特許請求の範囲の範囲内にある全ての改変や、等価のものや、代替となるものが含まれるべきである。例示の諸実施形態における各要素は、適切な場合には、図面および詳細な説明を通じて一貫して同じ参照符号によって示される。
【0038】
図1は、本発明による自動車両の照明装置1の一部における特定例の斜視図を示している。
【0039】
この照明装置1は、光方向dに従って光を放出するように構成された複数のLED2を備えている。各LED2は、LED構造の幾何学的中心とみなされるLED中心20を有している。この図に示す特定の実施形態においては、各LED2が平坦なプリント回路基板3内に置かれている。その結果、LED中心20同士が同一平面21内に配置されている。この平面21は、光方向dに対して垂直である。全てのLEDが同一方向へ光を放出するからである。
【0040】
この照明装置1は、受入口40を有したライトガイド4をも備えている。その受入口40は、光方向dに従って、各LED中心20を包含する平面21上に光学的輪郭41を投影する。この場合、ライトガイド4が円形断面を有しているので、光学的輪郭41は光学的中心42を有した円である。
【0041】
図2は、光学的輪郭41に対する各LED2の配置を示すためのプリント回路基板3の図である。
【0042】
この図で見られるであろうように、9つのLED中心20のうち8つが、光学的中心42よりも光学的輪郭41の方に近くなっている。実際には、この絵には円冠も表されている。その円冠は、大きい方の半径r1と小さい方の半径r2とを有し、小さい方の半径r2が大きい方の半径の80%で、大きい方の半径がライトガイド半径r0の80%になっている。前述したように、9つのLED中心20のうち8つが、この円冠の内部にある。
【0043】
この特定の場合において、各LED2のケースは、1.6mmの辺を持った正方形の輪郭を有している。これらのLEDは、正方形のアレイには配置されず、互いの間に付加的な距離を有していることから、如何なる一対のLED中心20同士の間の距離も、少なくとも2mmとなっている。
【0044】
さらに、これらの光源ケースは、真っ直ぐな各辺22を備えている。この実施形態においては辺22同士が平行であるが、別の有利な実施形態においては、光源ケースの辺同士が平行ではなく、それが互いの間に付加的な間隔を作り出すことに寄与している。
【0045】
各LED2は、プリント回路基板3内に配置されているため、銅箔面積5によって取り囲まれている。この銅箔面積は、特定のLEDに接している銅箔の表面積と定義される。
【0046】
この図で見られるであろうように、各LED2が銅箔面積5によって取り囲まれている。多くの他のLEDによって取り囲まれてはいないLEDは、広大な銅箔面積を有しているので、熱的な挙動が良好である。しかしながら、先行技術の装置において多くの他のLEDによって取り囲まれたLEDに関しては、その他のLEDが近接していることによって、取り囲まれたLEDが大きな銅箔面積を有することが困難となっている。
【0047】
この場合は、多くの他のLEDによって取り囲まれたLEDであっても、大きな銅箔面積を有している。取り囲まれたLEDにケース表面積の3倍を超える銅箔面積を残すのに十分なほど、その他のLEDが遠くなっているからである。この例においては、ケースが1.6mmの辺を持った正方形であることから、ケース表面積は2.56mmである。最小の銅箔面積を有したLEDであるところの中央のLED20cを取り囲む銅箔面積は8mmと、先行技術において既知の照明装置に在る取り囲まれたLEDよりも遙かに大きくなっている。この場合、この銅箔面積は2つの銅箔面積部分51,52へと分割されている。この大きな値の銅箔面積が、LEDの良好な熱的挙動にとって極めて重要なのである。
【0048】
その結果、全てのLED2が相応の銅箔面積によって適切に冷却されるため、その電流値が増大されてもよく、従って、より少数のLEDで同じ光束値が得られるであろうことから、費用や製造時間が低減されるのである。
【0049】
図3は、自動車両100の車内に設置された本発明による自動車両の照明装置1を示している。その装置1においては、方向指示器の機能性とデイランニングライトの機能性との両方を果たすように、各光源がライトガイド4へ光を供給する。
図1
図2
図3