(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】推定装置、推定システム、推定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B09B 5/00 20060101AFI20240517BHJP
G06V 30/00 20220101ALI20240517BHJP
【FI】
B09B5/00 Z ZAB
G06V30/00 S
(21)【出願番号】P 2022143629
(22)【出願日】2022-09-09
【審査請求日】2022-10-11
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 宏則
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康宏
(72)【発明者】
【氏名】瀬賀 博文
【合議体】
【審判長】林 毅
【審判官】山崎 慎一
【審判官】打出 義尚
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016549(JP,A)
【文献】特開2011-197929(JP,A)
【文献】特開2021-051044(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111914589(CN,A)
【文献】特開2022-109421(JP,A)
【文献】特開2020-198054(JP,A)
【文献】特開2012-068879(JP,A)
【文献】国際公開第2012/157252(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B5/00
G06V30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データの文字認識結果に基づいて、
前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出部と、
前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出部によって抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定部と、
前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果を出力する出力部と、
を備え、
前記出力部は、
前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、
前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち
前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、
前記判定部は、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記
製品型番について一致しないと判定された場合、前記
製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、
前記出力部は、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力する推定装置。
【請求項2】
前記残余文字列は、
前記製品型番を示す前記抽出文字列に含まれる複数の文字のうち、下桁の所定文字数を消去した文字列である、
請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記抽出文字列に特定の文字が含まれる場合、前記特定の文字を、前記特定の文字に対応させて予め登録される所定の文字に置換した置換文字列と、前記製品文字列とが一致するか否かの前記一致判定を行う、
請求項1または2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記廃家電製品が特殊品であることを示す特殊品文字列を記憶し、
前記判定部は、前記抽出文字列が前記特殊品文字列に該当するか否かの特殊品判定を行い、
前記出力部は、前記特殊品判定の判定結果に基づいて、前記廃家電製品が前記特殊品である旨を示す情報を出力する、
請求項1または2に記載の推定装置。
【請求項5】
前記特殊品文字列は、前記廃家電製品がリコール品であることを示すリコール品文字列を含み、
前記特殊品判定は、前記抽出文字列が前記リコール品文字列に該当するか否かのリコール判定を含み、
前記出力部は、前記リコール判定の判定結果に基づいて、前記廃家電製品が前記リコール品である旨を示す情報を出力する、
請求項
4に記載の推定装置。
【請求項6】
前記特殊品文字列は、前記廃家電製品が環境負荷物質を含む環境負荷品であることを示す環境負荷品文字列を含み、
前記特殊品判定は、前記抽出文字列が前記環境負荷品文字列に該当するか否かの環境負荷判定を含み、
前記出力部は、前記環境負荷判定の判定結果に基づいて、前記廃家電製品が前記環境負荷品である旨を示す情報を出力する、
請求項
5に記載の推定装置。
【請求項7】
端末装置と、推定装置とを含む推定システムであって、
前記端末装置は、
廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データを生成する撮像部と、
前記撮像データを前記推定装置へ送信する送信部と、
を備え、
前記推定装置は、
前記送信部によって送信された前記撮像データの文字認識結果に基づいて、
前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出部と、
前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出部によって抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定部と、
前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果を前記端末装置へ出力する出力部と、
を備え、
前記出力部は、
前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、
前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち
前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、
前記判定部は、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記
製品型番について一致しないと判定された場合、前記
製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、
前記出力部は、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力し、
前記端末装置は、
前記出力部によって出力された前記推定結果を受信する受信部と、
前記推定結果を表示する表示部と、
を備える推定システム。
【請求項8】
推定装置のコンピュータが、
廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データの文字認識結果に基づいて、
前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出ステップと、
前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出ステップにおいて抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定ステップと、
前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおける推定結果を出力する出力制御ステップと、
を含む処理を実行し、
前記出力制御ステップでは、
前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、
前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち
前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、
前記判定ステップでは、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記
製品型番について一致しないと判定された場合、前記
製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、
前記出力制御ステップでは、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力する推定方法。
【請求項9】
コンピュータを推定装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データの文字認識結果に基づいて、
前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出部、
前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出部によって抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定部、
前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定部、
前記推定部の推定結果を出力する出力部、
として機能させ、
前記出力部は、
前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、
前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち
前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、
前記判定部は、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記
製品型番について一致しないと判定された場合、前記
製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、
前記出力部は、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推定装置、推定システム、推定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用済みの家電製品は、リサイクル工場等に回収される。回収された家電製品の分別では、作業スタッフが目視で製品ラベルを確認して、家電製品を分別することが行われている。使用済みの家電製品の製品ラベルは、経年劣化により文字が読みにくくなっていることがある。
【0003】
また、近年では、OCR(Optical Character Recognition)技術が進歩している。関連する技術として、紙面に汚れがある場合のOCR認識精度を向上させるために、多数の文字フォントにおけるOCRの誤認識パターンを、誤りパターンとして辞書に蓄積し、これを用いて誤認識を修正するOCR誤り修正装置が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、製品ラベルの文字を作業スタッフが読み取って、家電製品を分別するため、作業スタッフの作業負荷となってしまう。仮にOCRを利用して、製品ラベルを読み取って文字を得るようにしたとしても、OCRによって得られた文字の中から必要な情報を作業スタッフが読み取ることに変わりはなく、作業負荷が十分に軽減されるものとはならない。また、経験の浅い作業スタッフであれば、製品ラベルの読み取りや家電製品の分別に時間を要してしまうこともある。このため、従来技術では、簡単且つ迅速に精度よく家電製品を分別することができないことがあり、すなわち、回収した家電製品の分別を効率よく行うことができないことがある、という問題があった。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、回収した家電製品を効率よく分別することができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である推定装置は、廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データの文字認識結果に基づいて、前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出部と、前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出部によって抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定部と、前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定部と、前記推定部の推定結果を出力する出力部と、を備え、前記出力部は、前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、前記判定部は、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記製品型番について一致しないと判定された場合、前記製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、前記出力部は、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力する推定装置である。
【0008】
本発明の一態様である推定システムは、端末装置と、推定装置とを含む推定システムであって、前記端末装置は、廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データを生成する撮像部と、前記撮像データを前記推定装置へ送信する送信部と、を備え、前記推定装置は、前記送信部によって送信された前記撮像データの文字認識結果に基づいて、前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出部と、前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出部によって抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定部と、前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定部と、前記推定部の推定結果を前記端末装置へ出力する出力部と、を備え、前記出力部は、前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、前記判定部は、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記製品型番について一致しないと判定された場合、前記製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、前記出力部は、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力し、前記端末装置は、前記出力部によって出力された前記推定結果を受信する受信部と、前記推定結果を表示する表示部と、を備える推定システムである。
【0009】
本発明の一態様である推定方法は、推定装置のコンピュータが、廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データの文字認識結果に基づいて、前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出ステップと、前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出ステップにおいて抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定ステップと、前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定ステップと、前記推定ステップにおける推定結果を出力する出力制御ステップと、を含む処理を実行し、前記出力制御ステップでは、前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、前記判定ステップでは、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記製品型番について一致しないと判定された場合、前記製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、前記出力制御ステップでは、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力する推定方法である。
【0010】
本発明の一態様であるプログラムは、コンピュータを推定装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、廃家電製品に付された製品ラベルを撮像した撮像データの文字認識結果に基づいて、前記廃家電製品の製品型番を示す項目と、前記廃家電製品の製造業者名を示す項目と、前記廃家電製品に含まれる冷媒の識別情報を示す項目と、を含む複数の項目のそれぞれについて文字列を抽出する抽出部、前記廃家電製品の推定に用いられる製品文字列を前記複数の項目ごとに記憶する記憶部を参照し、前記複数の項目のそれぞれについて、前記抽出部によって抽出された抽出文字列と前記製品文字列とが一致するか否かの一致判定を行う判定部、前記一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品を推定する推定部、前記推定部の推定結果を出力する出力部、として機能させ、前記出力部は、前記一致判定において、前記各項目について完全一致すると判定された場合、前記完全一致した前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第1推定結果を出力し、前記一致判定において、前記完全一致ではなく且つ前記複数の項目のうち前記製品型番が一致する一部一致と判定された場合、前記一部一致した前記製品文字列が示す前記廃家電製品を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第2推定結果を出力し、前記判定部は、前記一致判定において、前記複数の項目のうち前記製品型番について一致しないと判定された場合、前記製品型番の前記抽出文字列に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を含む前記製品文字列が前記記憶部に記憶されているか否かの候補判定を行い、前記出力部は、前記候補判定によって得られた前記製品文字列を、前記製品ラベルが示す前記廃家電製品の候補とする第3推定結果を出力するプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回収した家電製品を効率よく分別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る製品推定システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
【
図2】製品推定装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】ハンディターミナル110のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】製品推定情報DB400の一例を示す図である。
【
図5】リコール品DB500の一例を示す図である。
【
図6】環境負荷品DB600の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る製品推定システム1機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】製品推定システム1が行う一連の工程の概要を示す図である。
【
図9】ハンディターミナル110に表示される回収製品の推定結果を示す図である。
【
図10】ハンディターミナル110に表示される特殊品の判定結果を示す図である。
【
図11】製品推定装置100が行う製品推定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】製品推定装置100が行う文字列一致判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】製品推定装置100が行う特殊品判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
(製品推定システム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係る製品推定システム1のネットワーク構成を示す説明図である。製品推定システム1は、リサイクル工場に回収される使用済みの家電製品(以下「回収製品」という)の分別を支援する。
図1に示すように、製品推定システム1は、製品推定装置100と、ハンディターミナル110とOCR(Optical Character Recognition)サーバ120とを備える。それぞれの装置は、ネットワーク140(例えば、TCP/IPによるネットワーク、モバイルネットワーク等)によって通信可能に接続されている。また、それぞれの装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0014】
(製品推定装置100)
製品推定装置100は、推定装置の一例である。製品推定装置100は、製品情報DB101を備え、回収製品の製品型番などを判定する。また、製品推定装置100は、製品型番の判定結果や、作業スタッフが行った回収作業の作業内容などを記憶する。リサイクル工場は、回収製品をリサイクルに用いるために、例えば、回収製品を粉砕機で粉砕し、各種金属やプラスチックに分類する。分類された物品は、製造メーカに運搬されて、リサイクルされる。回収製品は、例えば、冷媒を備える製品であり、本実施形態ではエアコン(室外機および室内機を含む)とする。なお、回収製品は、冷蔵庫、洗濯機など、冷媒を備える他の家電製品とすることも可能である。製品推定装置100は、リサイクル工場内に配置される。製品推定装置100は、例えば、パソコンであり、作業スタッフから種々の情報を受け付けることが可能である。なお、製品推定装置100は、リサイクル工場の内部または外部に配置されるサーバ装置であってもよい。
【0015】
(ハンディターミナル110)
ハンディターミナル110は、端末装置の一例である。ハンディターミナル110は、データ収集を行う可搬型の端末装置(モバイル情報端末)である。ハンディターミナル110は、リサイクル工場の作業スタッフによって操作される。ハンディターミナル110は、カメラを備え、回収製品に付された製品ラベルを撮像する。ハンディターミナル110は、データの送受信機能を備え、カメラによって撮像された撮像データを製品推定装置100へ送信する。また、ハンディターミナル110は、製品推定装置100によって判定された製品型番の判定結果を受信し、受信した製品型番を表示する。
【0016】
(OCRサーバ120)
OCRサーバ120は、撮像データのテキスト部分を認識して、文字データに変換する装置である。OCRサーバ120は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)により、文字認識に係る機能を随時学習する。OCRサーバ120は、製品推定装置100から撮像データを受信すると、撮像データを基に文字認識を行う。OCRサーバ120は、文字認識によって文字データを得ると、当該文字データを製品推定装置100へ送信する。
【0017】
OCRサーバ120は、外部のサーバ装置である。リサイクル工場を運営する会社は、所定の使用料金を支払うことにより、OCRに係るサービスの提供を受けることが可能である。なお、文字認識を行う機能は、OCRサーバ120に具備されることに限らず、他の装置(例えば、製品推定装置100)に具備されてもよい。
【0018】
(製品推定装置100のハードウェア構成)
図2は、製品推定装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、製品推定装置100は、CPU201と、メモリ202と、通信I/F(インターフェース)203と、入力デバイス204と、ディスプレイ205と、出力デバイス206とを備える。各部は、バス220によってそれぞれ接続される。
【0019】
CPU201は、製品推定装置100の全体の制御を司る。メモリ202は、例えば、ROMおよびRAMを含む。例えば、ROMは、本実施形態に係る製品推定プログラムなどの各種プログラムを記憶する。RAMは、CPU201のワークエリアとして使用される。メモリ202に記憶されるプログラムは、CPU201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU201に実行させる。また、メモリ202は、製品情報DB101を含む。なお、メモリ202は、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光ディスクを含む。
【0020】
通信I/F203は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、ハンディターミナル110やOCRサーバ120)に、有線または無線で接続される。また、通信I/F203は、ネットワーク140と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0021】
入力デバイス204は、タッチパネル、操作ボタン、キーボード、マウス、マイク等を含む。
ディスプレイ205は、画像を表示する。ディスプレイ205は、タッチパネルディスプレイを含む。
出力デバイス206は、ディスプレイ205を除いた出力用のデバイスであり、例えば、プリンタやスピーカである。
【0022】
(ハンディターミナル110のハードウェア構成)
図3は、ハンディターミナル110のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、ハンディターミナル110は、それぞれ、CPU301と、メモリ302と、通信I/F303と、操作キー304と、タッチパネルディスプレイ305と、カメラ306とを備える。各部は、バス320によってそれぞれ接続される。
【0023】
CPU301は、ハンディターミナル110の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROMおよびRAMなどを含む。例えば、ROMは、本実施形態に係る推定結果表示プログラムなどの各種プログラムを記憶する。
【0024】
RAMは、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0025】
通信I/F303は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、製品推定装置100)に、有線または無線で接続される。また、通信I/F303は、ネットワーク140と自装置内部とのインターフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。
【0026】
操作キー304は、ハンディターミナル110に設けられるハードキーである。
タッチパネルディスプレイ305は、各種画像を表示するとともに、オペレータから各種入力を受け付ける。
【0027】
カメラ306は、例えば、静止画を撮像する。カメラ306には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラ306は、オペレータの操作に応じて、回収製品に付された製品ラベルを撮像する。
なお、ハンディターミナル110は、コードリーダ(スキャナ)を備えていてもよい。製品ラベルに、製品ラベルの記載内容を示すコード(例えばバーコード)が記載されている場合には、コードリーダで当該コードを読み取るようにしてもよい。
【0028】
(製品情報DB101が記憶する製品情報の一例)
図4~
図6を用いて、製品情報DB101が記憶する製品情報について説明する。製品情報は、製品型番の情報を含む。例えば、製品情報は、製品推定情報と、特殊品情報とを含む。製品情報DB101は、以下に説明する製品推定情報DB400と、リコール品DB500と、環境負荷品DB600とを含む。なお、以下の説明では、各データベースに重複する項目については、適宜説明を省略する。
【0029】
(製品推定情報DB400が記憶する製品推定情報の一例)
まず、回収製品の推定に用いられる製品推定情報DB400について説明する。
図4は、製品推定情報DB400の一例を示す図である。
図4に示すように、製品推定情報DB400は、「製品型番」と、「メーカ名」と、「冷媒番号」との各項目を含む。製品推定情報DB400に示す各項目は、それぞれ、回収製品の推定に用いられる製品文字列の一例である。
【0030】
「製品型番」は、回収製品の型番を示す。具体的には、「製品型番」は、製造メーカが個別の製品ごとに付与する識別情報であり、例えば、アルファベットと数字の組合せである。「製品型番」は、製造メーカごとに法則のある番号である。例えば、「製品型番」に含まれる上位のアルファベットは、製造メーカを示す。なお、製品型番は、「型式」、「品番」、「モデルナンバー」などと称される場合がある。
【0031】
「メーカ名」は、製造業者名(製造メーカ)を示す。
「冷媒番号」は、エアコンの冷媒の識別情報を示す。エアコンの冷媒は、例えば、室外機に設けられる。各項目に情報が入力されることにより、製品推定情報401(401a~401d)がレコードとして記憶される。
【0032】
図示において、製品推定情報401dは、例えば、室外機を示す製品推定情報であり、製品型番、メーカ名、冷媒番号の各項目にいずれも情報が入力されている。また、製品推定情報401dは、例えば、室内機を示す製品推定情報であり、冷媒番号の項目に情報が入力されていない。
【0033】
ここで、冷媒は、製品の年式によって変わることがある。このため、同じ製品型番でも冷媒番号が異なる場合がある。具体的には、例えば、製品推定情報401b、401cに示すように、製品型番とメーカ名とが同じでも、冷媒番号が異なることがある。なお、製品推定情報401b、401cにおいて、冷媒番号は、少なくともいずれか一方が入力されるようにしてもよい。言い換えれば、製品推定情報401b、401cのうち、少なくともいずれか一方が登録されるようにしてもよい。これにより、製品推定情報DB400に記憶するデータ量を削減することができる。ただし、この場合、登録されていない他方の冷媒番号については、判別されないことになる。
【0034】
(リコール品DB500が記憶する特殊品情報の一例)
次に、リコール品DB500について説明する。回収製品にリコール品が含まれている場合、リサイクル工場は、製品を製造した製造メーカにリコール品を回収した旨を届け出る必要がある。このため、本実施形態では、リコール品DB500を記憶しておくことにより、リコール品を特定できるようにしている。
【0035】
図5は、リコール品DB500の一例を示す図である。
図5に示すように、リコール品DB500は、「製品型番」と、「メーカ名」と、「製造番号」と、「リコールフラグ」との各項目を含む。
「製造番号」は、製造時に製品ごとに付される一続きの番号であり、製品ごとに割り当てられる固有の番号である。「製造番号」は、メーカ側で所有者を管理する目的や、製品の偽装を防止する目的で用いられる番号である。「製造番号」は、メーカによっては製品ラベルに付されていないことがある。リコール品DB500において、「製造番号」の項目における「-」は、製品ラベルに製造番号が付されていないことを示している。なお、製造番号は、「シリアル番号」や「シリアルナンバー」などと称される場合がある。
【0036】
「リコールフラグ」は、リコール品であることを示すフラグである。「リコールフラグ」のうち、「1」がリコール品を示し、「0」がリコール品ではないことを示す。図示において、一例を挙げて説明すると、リコール品情報501aは、製品型番が「AB2345H2」であるA社の製品のうち、製造番号が(D003456~D010023)の製品については、リコール品であることを示している。また、リコール品情報501cは、製品型番が「AB1234H1」であるA社の製品については、リコール品ではないことを示している。
各項目に情報が入力されることにより、特殊品情報としてのリコール品情報501(501a、501b、501c)がレコードとして記憶される。
【0037】
(環境負荷品DB600が記憶する特殊品情報の一例)
次に、環境負荷品DB600について説明する。回収製品に環境負荷物質が含まれている場合、製品を粉砕する前に、環境負荷物質を取り除く必要がある。このため、本実施形態では、環境負荷品DB600を記憶しておくことにより、環境負荷物質が含まれる製品を特定できるようにしている。
【0038】
図6は、環境負荷品DB600の一例を示す図である。
図6に示すように、環境負荷品DB600は、「製品型番」と、「メーカ名」と、「環境負荷物質フラグ」との各項目を含む。
環境負荷物質とは、地球環境や人体に悪影響を及ぼす有害物質であり、エアコンの室内機に含まれる。「環境負荷物質フラグ」、例えば、「水銀ランプ」、「水銀リレー」、「PCB(Poly Chlorinated Biphenyl)部品」などの項目を含む。各項目は、フラグ設定される。具体的には、図示において、「環境負荷物質フラグ」のうち、「1」が対象の環境負荷物質を含むことを示し、「0」が対象の環境負荷物質を含まないことを示す。各項目に情報が入力されることにより、特殊品情報としての環境負荷情報601(601a、601b、601c)がレコードとして記憶される。
【0039】
図示において、一例を挙げて説明すると、環境負荷情報601aは、製品型番が「AB3456H3」であるA社の製品に、水銀ランプが含まれていることを示している。また、環境負荷情報601cは、製品型番が「AB1234H1」であるA社の製品について、環境負荷物質が含まれていないことを示している。
【0040】
図4~
図6に示したように、本実施形態では、各製品について、製品型番、メーカ名、冷媒番号、製造番号、リコールフラグ、環境物質フラグが登録されている。これにより、製品推定システム1は、回収製品を推定したり、リコール品および環境負荷品の判定を行うことができる。以下に、製品推定システム1の機能的構成について説明する。
【0041】
(製品推定システム1の機能的構成について)
図7は、本実施形態に係る製品推定システム1機能的構成の一例を示すブロック図である。製品推定装置100は、抽出部701と、判定部702と、推定部703と、出力部704と、生成部705と、記憶部710とを備える。各機能部701~704は、製品推定装置100が備えるCPU201によって実現される。すなわち、CPU201が、メモリ202に記憶される製品推定プログラムを実行することにより、各機能部を実現する。また、記憶部710は、メモリ202(製品情報DB101)によって実現される。なお、記憶部710は、外部のサーバ装置など外部の装置に具備されていてもよい。
【0042】
ハンディターミナル110は、撮像部711と、送信部712と、受信部713と、表示部714とを備える。各機能部711~714は、ハンディターミナル110が備えるCPU301によって実現される。すなわち、CPU301が、メモリ302に記憶される推定結果表示プログラムを実行することにより、各機能部を実現する。
以下では、
図7に示す製品推定システム1の各機能部について、製品推定システム1が行う一連の工程とともに説明する。
【0043】
(製品推定システム1が行う一連の工程の概要について)
図8は、製品推定システム1が行う一連の工程の概要を示す図である。
【0044】
(ステップS801:製品ラベル810の撮像)
図8において、まず、ハンディターミナル110の撮像部711は、作業スタッフの操作に応じてカメラ306を起動し、製品ラベル810を撮像させる。撮像部711は、カメラ306によって撮像された撮像データを送信部712に出力する。送信部712は、撮像部711から出力された撮像データを、製品推定装置100を介して、OCRサーバ120へ送信する。
【0045】
(ステップS802:文字認識)
OCRサーバ120は、製品推定装置100から撮像データを受信する。OCRサーバ120は、撮像データに基づいて文字認識を行う。当該文字認識によって、文字認識結果820が得られる。文字認識結果820は、製品ラベル810の撮像データから、文字が抽出されたデータである。OCRサーバ120は、文字認識結果820を製品推定装置100へ送信する。
【0046】
(ステップS803:抽出部701による文字列の抽出)
製品推定装置100は、OCRサーバ120から文字認識結果820を受信する。製品推定装置100の抽出部701は、文字認識結果820の中から、複数の項目のそれぞれについて抽出文字列831(831a~831d)を抽出する。複数の項目は、製品型番、メーカ名、冷媒番号、および製造番号を含む。
【0047】
(製品型番を示す抽出文字列831aの抽出について)
抽出文字列831は、項目(製品型番、メーカ名等)ごとに抽出される。例えば、抽出部701は、文字認識結果820のうち、予め登録されている所定の桁数(製品型番の桁数)に合致する文字列を、製品型番を示す抽出文字列831aとして抽出する。なお、抽出文字列831aの抽出において、抽出部701は、先に、製品型番の項目を特定してもよい。具体的には、抽出部701は、文字認識結果820のうち、予め登録されている製品型番を示す文字(「型式」、「品番」、「モデルナンバー」など)に合致する文字列(図示では「品番821」)を製品型番の項目として特定してもよい。そして、抽出部701は、特定した製品型番の項目に後続する文字列を、製品型番を示す抽出文字列831aとして抽出してもよい。
【0048】
(メーカ名を示す抽出文字列831bの抽出について)
メーカ名を示す抽出文字列831bの抽出において、抽出部701は、例えば、予め登録されている複数のメーカ名(A社、B社、…)に合致する文字列(図示ではA社)を、メーカ名を示す抽出文字列831bとして抽出する。なお、製品ラベル810の先頭にメーカ名が記載されることが大部分であることから、抽出部701は、文字認識結果820のうち、先頭に表示される文字列を、メーカ名を示す抽出文字列831bとして抽出してもよい。
【0049】
(冷媒番号を示す抽出文字列831cの抽出について)
冷媒番号を示す抽出文字列831cの抽出において、抽出部701は、文字認識結果820のうち、予め登録されている所定の桁数(冷媒番号の桁数)に合致する文字列を、冷媒番号を示す抽出文字列831cとして抽出する。なお、抽出文字列831cの抽出において、抽出部701は、先に、冷媒番号の項目を特定してもよい。具体的には、抽出部701は、文字認識結果820のうち、「冷媒」を含む文字列(図示では「冷媒量822」)を冷媒番号の項目として特定してもよい。そして、抽出部701は、特定した冷媒番号の項目に後続する文字列のうち、予め登録されている冷媒番号の桁数に合致する文字列を、冷媒番号を示す抽出文字列831cとして抽出してもよい。
【0050】
(ステップS804:判定部702による文字列一致判定)
抽出部701は、抽出文字列831を判定部702に出力する。判定部702は、複数の項目(メーカ名、製品型番など)のそれぞれについて、文字列一致判定を行う。文字列一致判定は、例えば、以下の3つの判定を含む。
・製品型番一致判定:製品型番が一致するか否か。
・メーカ名一致判定:メーカ名が一致するか否か。
・冷媒番号一致判定:冷媒番号が一致するか否か。
【0051】
具体的に説明すると、製品型番一致判定は、記憶部710(
図4の製品推定情報DB400)に記憶される製品型番のうち、抽出文字列831aに一致する製品型番があるか否かの判定である。
メーカ名一致判定は、記憶部710(
図4の製品推定情報DB400)に記憶されるメーカ名のうち、抽出文字列831bに一致するメーカ名があるか否かの判定である。
冷媒番号一致判定は、記憶部710(
図4の製品推定情報DB400)に記憶される冷媒番号のうち、抽出文字列831cに一致する冷媒番号があるか否かの判定である。
【0052】
(ステップS805:推定部703による回収製品の推定)
推定部703は、文字列一致判定における各項目の一致度合いに基づいて、製品ラベル810が示す回収製品を推定する。一致度合いとは、例えば、「全て一致(完全一致)」、「一部一致」、「該当なし」といった一致度合いである。「一部一致」は、例えば、型番が一致して、他の2つの文字列のうち少なくとも一方が一致しないことであり、後述する「候補あり」と「曖昧一致」とを含む。推定部703は、推定結果を出力部704に出力する。
【0053】
出力部704は、推定部703の推定結果を出力する。出力部704による各種情報の出力先は、ハンディターミナル110である。すなわち、出力部704は、推定結果を含む各種情報をハンディターミナル110へ送信する。
【0054】
(ステップS806:推定結果の表示)
ハンディターミナル110の受信部713は、出力部704から送信された推定結果を受信する。表示部714は、受信部713が受信した推定結果をタッチパネルディスプレイ305に表示させる。なお、タッチパネルディスプレイ305に表示される推定結果を含む各種情報の詳細については、
図9および
図10を用いて後述する。
【0055】
(文字の置き換えについて)
ここで、OCRサーバ120によって文字認識された文字のうち、誤認識される文字が含まれることがある。誤認識される文字を以下に例示する。
・アルファベットの「x」と、記号の「×」。
・アルファベットの「O」と、数字の「0」。
・アルファベットの「I」と、数字の「1」。
上記の対応関係にある各文字は、予め登録されている。以下において、上記の対応関係にある文字のうち、いずれか一方の文字を「特定の文字」といい、他方の文字を「他の文字」という。
【0056】
判定部702は、抽出文字列830に特定の文字が含まれる場合、特定の文字を他の文字に置き換えた置換文字列を生成する。そして、判定部702は、文字列一致判定において、置換文字列と、記憶部710(製品推定情報DB400)に記憶される製品文字列(
図4の製品型番、メーカ名、冷媒番号)とが一致するか否かの判定を行う。
【0057】
(生成部705による文字列の消去について)
ここで、文字列一致判定における各項目の一致度合いが「一部一致」の場合について説明する。文字列一致判定において、複数の項目のうち一部の項目について一致しないと判定された場合、生成部705は、残余文字列を生成する。本実施形態において、一部の項目は、製品型番である。すなわち、ここでいう、文字列一致判定は、製品型番一致判定である。このため、生成部705は、製品型番一致判定において、製品型番について一致しないと判定された場合に、残余文字列を生成する。
【0058】
残余文字列は、例えば、製品型番の抽出文字列831aに含まれる一部の文字(例えば、下桁の2文字)を消去した文字列である。例えば、抽出文字列831aが「AB1234H1」であるとすると、生成部705は、下桁の2文字を消去した「AB1234」を残余文字列として生成する。このように、本実施形態では、残余文字列は、抽出文字列831に含まれる複数の文字のうち、下桁の所定文字数を消去した文字列としている。
【0059】
なお、文字列の消去の対象とするのは、製品型番に限らない。例えば、冷媒番号についても、文字列の消去の対象としてもよい。具体的には、冷媒番号一致判定において、冷媒番号の項目について一致しないと判定された場合、生成部705は、冷媒番号について残余文字列を生成してもよい。
【0060】
(候補判定について)
判定部702は、残余文字列を含む製品文字列の有無を判定する。以下において、この判定を「候補判定」という。本実施形態において、候補判定は、製品型番について、残余文字列(例えば「AB1234」)を含む製品文字列(例えば、製品型番「AB1234H1」)が記憶部(製品推定情報DB400)に記憶されているか否かの判定である。候補判定において、残余文字列(例えば「AB1234」)を含む一または複数の製品文字列(例えば、製品型番「AB1234H1」)が記憶されていると判定された場合、出力部704は、当該一または複数の製品文字列を、製品ラベルが示す回収製品の候補として出力する。
【0061】
なお、文字列の消去の対象を冷媒番号とすることも可能であり、このようにした場合、候補判定は、冷媒番号について、残余文字列(例えば「F123」)を含む製品文字列(例えば、冷媒番号「F123G」)が記憶部(製品推定情報DB400)に記憶されている否かの判定とすればよい。当該候補判定において、残余文字列(例えば「F123」)を含む一または複数の製品文字列(例えば、冷媒番号「F123G」)が記憶されていると判定された場合、出力部704は、当該一または複数の製品文字列を、製品ラベルが示す回収製品の候補として出力すればよい。
【0062】
(出力部704が出力する推定結果について)
出力部704は、以下の(1)~(4)に示すように、文字列一致判定および候補判定の判定結果に応じて異なる推定結果を出力する。
(1)文字列一致判定(製品型番一致判定、メーカ名一致判定、冷媒番号一致判定)において、全て一致すると判定された場合、「完全一致」の推定結果を出力する。
(2)文字列一致判定(製品型番一致判定、メーカ名一致判定、冷媒番号一致判定)において、製品型番一致判定が一致すると判定され、メーカ名一致判定および冷媒番号一致判定の少なくとも一方が一致しないと判定された場合、「曖昧一致」の推定結果を出力する。
(3)候補判定において、残余文字列を含む製品文字列があると判定された場合、出力部704は、残余文字列を含む製品文字列があることを示す「候補あり」の推定結果を出力する。また、出力部704は、複数の製品文字列がある場合、複数の製品文字列を回収製品の候補として出力する。
(4)文字列一致判定(少なくとも製品型番一致判定)において一致しないと判定され、さらに、候補判定においても残余文字列を含む製品文字列がないと判定された場合、「候補なし」の推定結果を出力する。
【0063】
(リコール品の特定について)
記憶部710(
図5のリコール品DB500)は、回収製品がリコール品(特殊品)であることを示すリコール品文字列を記憶する。リコール品文字列は、特殊品文字列の一例であり、例えば、製品型番と、メーカ名と、製造番号とを含む。判定部702は、特殊品判定としてのリコール判定を行う。リコール判定は、抽出文字列831がリコール品文字列に該当するか否かの判定である。出力部704は、リコール判定の判定結果に基づいて、回収製品がリコール品である旨を示す情報を出力する。具体的には、出力部704は、抽出文字列831がリコール品文字列に該当する場合、回収製品がリコール品である旨を示す情報を出力する。
【0064】
(環境負荷物質を含む特殊品の特定について)
記憶部710(
図6の環境負荷品DB600)は、回収製品が環境負荷物質を含む環境負荷品(特殊品)であることを示す環境負荷品文字列を記憶する。環境負荷品文字列は、特殊品文字列の一例であり、例えば、製品型番と、メーカ名とを含む。判定部702は、特殊品判定としての環境負荷判定を行う。環境負荷判定は、抽出文字列831が環境負荷品文字列に該当するか否かの判定である。出力部704は、環境負荷判定の判定結果に基づいて、回収製品が環境負荷品である旨を示す情報を出力する。具体的には、出力部704は、環境負荷判定において、抽出文字列831が環境負荷品文字列に該当する場合、回収製品が環境負荷品である旨を示す情報を出力する。
【0065】
(ハンディターミナル110に表示される推定結果の画面例)
図9は、ハンディターミナル110に表示される回収製品の推定結果を示す図である。
図9(A)は、タッチパネルディスプレイ305に表示される完全一致を示す推定結果画面910を示す。推定結果画面910は、判定型番欄911と、型番候補912と、推定結果913とを含む。推定結果画面910において、判定型番欄911は、製品型番の抽出文字列831aを示す。型番候補912は、文字列一致判定(製品型番一致判定、メーカ名一致判定、冷媒番号一致判定)において、全てにおいて一致の判定結果が得られた際の製品型番を示す。推定結果913は、「完全一致」を示している。
【0066】
図9(B)は、曖昧一致を示す推定結果画面920を示す。推定結果画面920において、判定型番欄911は、製品型番の抽出文字列831aを示す。型番候補912は、文字列一致判定(製品型番一致判定、メーカ名一致判定、冷媒番号一致判定)において、製品型番一致判定に一致した製品型番と、メーカ名一致判定および冷媒番号一致判定の少なくともいずれか一方が一致しないことを示す「該当なし」を示している。推定結果913は、「曖昧一致」を示している。
【0067】
図9(C)は、候補ありを示す推定結果画面930を示す。推定結果画面930において、判定型番欄911は、残余文字列(2文字が消去された抽出文字列)を示す。型番候補912は、候補判定によって得られた製品型番を示す。推定結果913は、「候補あり」を示している。
【0068】
図9(D)は、一致型番無を示す推定結果画面940を示す。推定結果画面940において、判定型番欄911は、「候補なし」を示す。なお、判定型番欄911には、製品型番の抽出文字列831aを表示してもよい。型番候補912は、文字列一致判定(少なくとも製品型番一致判定)において、一致したものがないことを示す「候補なし」を示している。推定結果913は、「一致型番無」を示している。
【0069】
図9(E)は、型番の読取りが不可を示す推定結果画面940を示す。推定結果画面940において、判定型番欄911は、「分析なし」を示す。なお、判定型番欄911には、製品型番の抽出文字列831aがない旨を表示してもよい。型番候補912は、文字列一致判定(製品型番一致判定、メーカ名一致判定、冷媒番号一致判定)の、いずれも行っていないことを示す「分析なし」を示している。推定結果913は、「型番読取り不可」を示している。
【0070】
(ハンディターミナル110に表示される特殊品の判定結果を示す画面例)
図10は、ハンディターミナル110に表示される特殊品の判定結果を示す図である。
図10(A)は、特殊品に該当しないことを示す判定結果画面1010を示す。判定結果画面1010は、判定型番欄1011と、判定結果欄1012と、推定結果1013とを含む。判定型番欄1011は、製品型番の抽出文字列831aを示す。判定結果欄1012は、回収製品が特殊品に該当しないことを示す「OK」を示している。推定結果1013は、「該当なし」を示している。
【0071】
図10(B)は、リコール品に該当することを示す判定結果画面1020を示す。判定結果画面1020において、判定型番欄1011は、製品型番の抽出文字列831aを示す。判定結果欄1012は、回収製品がリコール品であることを示す「リコール」を示している。推定結果1013は、「該当あり」を示している。
【0072】
図10(C)は、回収製品から得られた抽出文字列831がリコール品DB500および環境負荷品DB600にいずれも登録されていないことを示す判定結果画面1030を示す。判定結果画面1030において、判定型番欄1011は、抽出文字列831がいずれにも登録されていないことを示す「データなし」を示している。判定結果欄1012は、抽出文字列831と、作業スタッフによる確認を促す通知とを示している。推定結果1013は、「DB未登録」を示している。これにより、作業スタッフ自身で回収製品がリコール品であるか否かを確認する。
【0073】
図10(D)は、環境負荷品に該当することを示す判定結果画面1040を示す。判定結果画面1040において、判定型番欄1011は、製品型番の抽出文字列831aを示す。判定結果欄1012は、回収製品に含まれる環境負荷物質「水銀ランプ」を示している。推定結果1013は、「該当あり」を示している。
【0074】
図10(E)は、型番の読取りが不可を示す判定結果画面1040を示す。判定結果画面1040において、判定型番欄911は、「分析なし」を示す。なお、判定型番欄911には、抽出文字列831がない旨を表示してもよい。判定結果欄1012は、空欄を示している。推定結果1013は、「型番読取り不可」を示している。
【0075】
(製品推定装置100が行う製品推定処理の一例)
図11は、製品推定装置100が行う製品推定処理の一例を示すフローチャートである。
図11において、製品推定装置100は、ハンディターミナル110から製品ラベル810の撮像データを取得するまで待機する(ステップS1101:NO)。製品推定装置100は、撮像データを取得すると(ステップS1101:YES)、撮像データをOCRサーバ120へ送信する(ステップS1102)。
【0076】
そして、製品推定装置100は、OCRサーバ120から文字認識結果820を受信すると(ステップS1103)、各項目の文字列を抽出する(ステップS1104)。次に、製品推定装置100は、抽出した各項目の抽出文字列831のうち、製品型番を示す抽出文字列831aを抽出できたか否かを判断する(ステップS1105)。
【0077】
製品型番を示す抽出文字列831aを抽出できない場合(ステップS1105:NO)、製品推定装置100は、文字の読取りが不可能である旨を示す推定結果をハンディターミナル110に送信し(ステップS1106)、一連の処理を終了する。一方、製品型番を示す抽出文字列831aを抽出できた場合(ステップS1105:YES)、製品推定装置100は、文字列一致判定処理(
図12参照)を行う(ステップS1107)。そして、製品推定装置100は、特殊品判定処理(
図13参照)を行い(ステップS1108)、一連の処理を終了する。
【0078】
なお、本フローチャートでは、文字列一致判定処理(
図12参照)と特殊品判定処理(
図13参照)とを行う例を示しているが、これらの処理は、別々に行われてもよい。具体的には、これらの処理は、別々の作業工程で行われる処理であってもよく、すなわち、別々のフローチャートで表される処理としてもよい。
【0079】
(製品推定装置100が行う文字列一致判定処理)
図12は、製品推定装置100が行う文字列一致判定処理の一例を示すフローチャートである。
図12において、製品推定装置100は、抽出文字列831を用いて、製品型番一致判定を行う(ステップS1201)。製品型番一致判定において、製品型番が一致しない場合(ステップS1202:NO)、製品推定装置100は、置換文字列を生成する(ステップS1203)。そして、製品推定装置100は、置換文字列を用いて、製品型番一致判定を行う(ステップS1203)。
【0080】
製品型番が一致しない場合(ステップS1205:NO)、製品推定装置100は、残余文字列を生成する(ステップS1206)。そして、製品推定装置100は、候補判定を行い(ステップS1207)、残余文字列を含む製品型番が製品推定情報DB400に記憶されているか否かを判断する(ステップS1208)。
【0081】
残余文字列を含む製品型番が製品推定情報DB400に記憶されている場合(ステップS1208:YES)、製品推定装置100は、残余文字列を含む製品型番があることを示す「候補あり」の推定結果をハンディターミナル110へ送信し(ステップS1209)、一連の処理を終了する。
【0082】
一方、残余文字列を含む製品型番が製品推定情報DB400に記憶されていない場合(ステップS1208:NO)、製品推定装置100は、「候補なし」の推定結果をハンディターミナル110へ送信し(ステップS1210)、一連の処理を終了する。
【0083】
ステップS1202またはステップS1205において、製品型番が一致した場合、製品推定装置100は、メーカ名一致判定を行う(ステップS1211)。メーカ名一致判定において、メーカ名が一致した場合(ステップS1212:YES)、製品推定装置100は、冷媒番号一致判定を行う(ステップS1213)。冷媒番号一致判定において、冷媒番号が一致した場合(ステップS1214:YES)、製品推定装置100は、「完全一致」の推定結果をハンディターミナル110へ送信し(ステップS1215)、一連の処理を終了する。
【0084】
一方、冷媒番号一致判定において、メーカ名が一致しない場合(ステップS1211:NO)や、冷媒番号一致判定において、冷媒番号が一致しない場合(ステップS1214:NO)、製品推定装置100は、「曖昧一致」の推定結果をハンディターミナル110へ送信し(ステップS1216)、一連の処理を終了する。
【0085】
(製品推定装置100が行う特殊品判定処理)
図13は、製品推定装置100が行う特殊品判定処理の一例を示すフローチャートである。
図13において、製品推定装置100は、抽出文字列831がリコール品文字列に該当するか否かのリコール判定を行う(ステップS1301)。リコール判定において、抽出文字列831がリコール品文字列に該当する場合(ステップS1302:YES)、製品推定装置100は、対象の回収製品がリコール品に該当する旨をハンディターミナル110へ送信する(ステップS1303)。
【0086】
一方、リコール判定において、抽出文字列831がリコール品文字列に該当しない場合(ステップS1302:NO)、製品推定装置100は、対象の回収製品がリコール品に該当しない旨をハンディターミナル110へ送信する(ステップS1304)。そして、製品推定装置100は、抽出文字列831が環境負荷品文字列に該当するか否かの環境負荷判定を行う(ステップS1305)。
【0087】
環境負荷判定において、抽出文字列831が環境負荷品文字列に該当する場合(ステップS1306:YES)、製品推定装置100は、環境負荷物質を特定して(ステップS1307)、特定した環境負荷物質と、対象の回収製品が環境負荷品に該当する旨とをハンディターミナル110へ送信し(ステップS1308)、一連の処理を終了する。
【0088】
一方、環境負荷判定において、抽出文字列831が環境負荷品文字列に該当しない場合(ステップS1306:NO)、製品推定装置100は、対象の回収製品が環境負荷品に該当しない旨をハンディターミナル110へ送信し(ステップS1309)、一連の処理を終了する。
【0089】
(特殊品判定処理における置換文字列の生成について)
なお、ステップS1302において、抽出文字列831がリコール品文字列に該当しない場合(ステップS1302:NO)、製品推定装置100は、置換文字列を生成し、置換文字列を用いて、リコール判定を行うようにしてもよい。この場合、製品推定装置100は、当該リコール判定において、置換文字列が環境負荷品文字列に該当する場合に、ステップS1303の処理に進むようにし、一方で、置換文字列がリコール品文字列に該当しない場合に、ステップS1304の処理に進むようにしてもよい。
【0090】
同様に、ステップS1306において、抽出文字列831が環境負荷品文字列に該当しない場合(ステップS1302:NO)、製品推定装置100は、置換文字列を用いて、環境負荷判定を行うようにしてもよい。この場合、製品推定装置100は、当該環境負荷判定において、置換文字列が環境負荷品文字列に該当する場合に、ステップS1307の処理に進むようにし、一方で、置換文字列が環境負荷品文字列に該当しない場合に、ステップS1309の処理に進むようにしてもよい。
【0091】
(残余文字列の生成において、消去する文字数について)
本実施形態において、残余文字列の生成において、消去する文字数を、製品型番の下桁の2文字とした。これについて説明する。まず、上位の桁について補足すると、製品型番は、上位の桁数に、製造メーカを示すアルファベットが含まれる。このアルファベットにより、製造メーカを特定することができることから、上位の桁を消去することはしないようにしている。
【0092】
一方で、製品型番はシリーズ化されることがあり、例えば、同じ製品でも年式等によって下位の桁だけが変わることがある。このような理由から、下位の桁を消去して、候補判定を行うようにしている。また、消去する下位の桁数について補足すると、仮に、1文字を消去したとすると、候補を検出できないこと(少な過ぎること)がある。また、3文字を消去したとすると、候補が多く検出されてしまうことがある。また、下位の桁を1文字ずつ消去して候補判定を行うことも可能であるが、このようにしたとすると、製品推定装置100における製品推定情報DB400への問合せ回数が増加してしまうことがある。具体的には、下位の桁を1文字消去して候補判定を行い、候補が検出されない場合、さらに、もう1文字を消去して、候補判定を行うことになる。すなわち、候補判定ごとに製品推定情報DB400に問合せを行うことになる。このように、問合せ回数が増えると、推定結果の出力に時間を要してしまうことがあり、迅速な回収作業を行う作業スタッフの作業効率が低下してしまうおそれがある。
【0093】
そこで、本実施形態では、残余文字列に生成において、消去する文字数を、製品型番の下桁の2文字とすることにより、迅速且つ的確な推定結果を提示することができるようにしている。
【0094】
(実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る製品推定装置100は、製品ラベル810の撮像データに基づく抽出文字列831と、製品推定情報DB400(
図4)に記憶される製品文字列との一致判定(文字列一致判定)を行い、当該判定における各項目の一致度合いに基づいて、回収製品を推定する。これにより、作業スタッフが製品ラベル810を撮像することによって、ハンディターミナル110に推定結果を表示させることができる。具体的には、「完全一致」または「曖昧一致」を表示させることができるため、推定結果の推定精度を作業スタッフに示唆することができる。このため、作業スタッフの作業負荷を軽減することができるとともに、「完全一致」の場合には経験の浅い作業スタッフでも回収製品の分別を適切に行うことができる。したがって、本実施形態によれば、簡単且つ迅速に精度よく回収製品を分別することができ、すなわち、回収製品を効率よく分別することができる。
【0095】
また、本実施形態に係る製品推定装置100は、製品型番一致判定において、製品型番について一致しないと判定された場合、製品型番の抽出文字列831に含まれる一部の文字を消去した残余文字列を生成する。そして、製品推定装置100は、残余文字列を含む製品文字列が製品推定情報DB400に記憶されているか否かの候補判定を行い、残余文字列を含む製品文字列を、製品ラベル810が示す家電製品の候補として出力する。これにより、推定結果として、「候補あり」の推定結果を出力することができるため、推定結果の推定精度を作業スタッフに示唆することができる。したがって、作業スタッフは、推定精度の低い「曖昧一致」の場合には、作業スタッフが自ら製品ラベル810を確認することによって、回収製品を分別することができる。よって、推定精度の低い回収製品についても、効率よく分別することができる。
【0096】
また、本実施形態において、残余文字列は、抽出文字列831に含まれる複数の文字のうち、下桁の所定文字数(製品型番を示すの下桁の2文字)を消去した文字列とする。これにより、製品推定装置100による製品推定情報DB400への問合せ回数が増加してしまうことを抑え、迅速且つ的確な推定結果を提示することができる。
【0097】
また、本実施形態では、製品推定情報DB400において、複数の項目は、回収製品の型番(製品型番)を示す項目と、製造業者名(メーカ名)を示す項目と、回収製品に含まれる冷媒の識別情報(冷媒番号)を示す項目と、を含む。これにより、簡単且つ迅速に精度よく、冷媒を備える回収製品を分別することができる。
【0098】
また、本実施形態において、抽出文字列831に特定の文字(例えば、アルファベットの「O」)が含まれる場合、文字列一致判定では、当該特定の文字を、所定の文字(例えば、数字の「0」)に置き換えた置換文字列と製品文字列とが一致するか否かを判定する。これにより、撮像データの文字認識に誤認識があった場合でも、適切な文字に置換して、文字列一致判定を行うことができる。したがって、回収製品の推定精度を向上させることができるため、回収製品を効率よく分別することができる。
【0099】
また、本実施形態に係る製品推定装置100は、抽出文字列831がリコール品であることを示すリコール品文字列に該当するか否かのリコール判定を行い、当該判定結果に基づいて、回収製品がリコール品である旨を示す情報を出力する。これにより、作業スタッフが製品ラベルを撮像することによって、回収製品がリコール品に該当するか否かをハンディターミナル110に表示させることができる。このため、作業スタッフの作業負荷を軽減することができるとともに、経験の浅い作業スタッフでも合、リコール品の分別を適切に行うことができる。したがって、本実施形態によれば、簡単且つ迅速に精度よくリコール品を分別することができ、よって、リコール品を効率よく分別することができる。
【0100】
また、本実施形態に係る製品推定装置100は、抽出文字列831が環境負荷品であることを示す環境負荷品文字列に該当するか否かの環境負荷判定を行い、当該判定結果に基づいて、回収製品が環境負荷品である旨を示す情報を出力する。これにより、作業スタッフが製品ラベルを撮像することによって、回収製品が環境負荷品に該当するか否かをハンディターミナル110に表示させることができる。このため、作業スタッフの作業負荷を軽減することができるとともに、経験の浅い作業スタッフでも合、環境負荷品の分別を適切に行うことができる。したがって、本実施形態によれば、簡単且つ迅速に精度よく環境負荷品を分別することができ、よって、環境負荷品を効率よく分別することができる。
【0101】
なお、本実施形態において、特殊品は、リコール品または環境負荷品であるが、これに限らない。特殊品は、この他にも、リサイクル工場において、通常の回収製品と分別する必要がある他の特殊品とすることも可能である。この場合、記憶部710は、家電製品が当該他の特殊品であることを示す他の特殊品文字列を記憶しておくようにすればよい。また、判定部702は、抽出文字列831が他の特殊品文字列に該当するか否かの他の特殊品判定を行えばよい。さらに、出力部704は、他の特殊品判定の判定結果に基づいて、家電製品が他の特殊品である旨を示す情報を出力すればよい。これにより、作業スタッフは、他の特殊品についても効率よく分別することができる。
【0102】
なお、上記において説明した製品推定装置100における各機能(入出力、記憶、処理)の全部又は一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。具体的には、上述した説明では、抽出部701と、判定部702と、推定部703と、出力部704と、生成部705とが、製品推定装置100に具備される構成について説明した。ただし、これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。具体的には、例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、ハンディターミナル110に具備されていてもよいし、外部のサーバ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であってもよいし、1台であってもよい。
【0103】
なお、実施形態について説明したが、具体的な構成は上述した実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0104】
以上に示した実施形態に係る装置等(例えば、製品推定装置100、ハンディターミナル110)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶して、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティングシステム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、USB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0105】
さらに、「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合の情報処理装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…製品推定システム、100…製品推定装置、101…製品情報DB、110…ハンディターミナル、120…OCRサーバ、201…CPU、202…メモリ、203…通信I/F、301…CPU、302…メモリ、303…通信I/F、304…操作キー、305…タッチパネルディスプレイ、306…カメラ、400…製品推定情報DB、500…リコール品DB、600…環境負荷品DB、701…抽出部、702…判定部、703…推定部、704…出力部、705…生成部、710…記憶部