(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】モジュール形式のベルトコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 21/06 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
B65G21/06
(21)【出願番号】P 2022544794
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(86)【国際出願番号】 DE2021100080
(87)【国際公開番号】W WO2021151433
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】102020102019.8
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506186673
【氏名又は名称】ヴィポテック ゲーエムベーハー
【住所又は居所原語表記】ADAM-HOFFMANN STRASSE 26, 67657 KAISERSLAUTERN,GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-セバスチャン フーラー
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-037433(JP,A)
【文献】特開2003-227804(JP,A)
【文献】特開2014-156353(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0054473(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/06
B65G 21/14
B65G 21/02
B65G 15/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を搬送するベルト(33)を支持するための搬送平面を形成するための、ローラホルダ部材(5,5’、5’’)とコア部材(3)の群からなる少なくとも2つの支持部材を有する、搬送方向(x)に製品を搬送するためのベルトコンベヤにおいて、
a)少なくとも2つの前記支持部材は別個に構成され、互いに直接的に連接する前記支持部材は取付装置によって互いに固定的に結合され、
b)組み立てられた状態のときに互いに搬送方向(x)で連接する前記支持部材は互いに突き合わされたストッパ面を有し、
c)前記ストッパ面は互いに相補的な断面形状を有し、前記断面形状は、互いに連接する前記支持部材の事前定義されたアライメントが互いに直交する3つの空間方向で保証されるように協同作用し、
d)第1の空間方向(x方向)は搬送平面で搬送方向に位置し、第2の空間方向(横方向y)は搬送平面で搬送方向に対して横向きに位置し、第3の空間方向(高さ方向z)は搬送平面に対して垂直に位置
し、
e)互いに連接する前記支持部材のうち少なくとも2つは特殊鋼からなる金属薄板曲げ部品として構成される、ベルトコンベヤ。
【請求項2】
前記断面形状は、前記ストッパ面に設けられた互いに係合する突起(45,45’,47,47’,49,49’,50,50’)と、これに対して相補的な切欠き(51,51’、53,53’、55,55’、57,57’)との形態で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のベルトコンベヤ。
【請求項3】
互いに結合される前記支持部材の、搬送平面を形成する表面(9,11)は一直線上に並ぶことを特徴とする、
請求項2に記載のベルトコンベヤ。
【請求項4】
前記取付装置は、互いに連接する前記支持部材の結合を非破壊式に外すことができるように構成されることを特徴とする、
請求項2または3に記載のベルトコンベヤ。
【請求項5】
互いに突き合わされる前記ストッパ面のうち少なくとも1つのストッパ面に、前記突起または前記切欠きの間でy方向および/またはz方向に延びる切込みが形成され、それにより互いに連接する前記支持部材の間にx方向で所定の幅を有する間隙が生じることを特徴とする、
請求項2から4のうちいずれか1項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項6】
請求項1から5のうちいずれか1項に記載のベルトコンベヤのためのローラホルダ部材において、前記ローラホルダ部材(5,5’、5’’)はそのストッパ面に、互いに連接する組み付けられるべき支持部材の相補的に構成されたストッパ面と協同作用して、互いに連接する前記支持部材の事前定義されたアライメントが3つの直交する空間方向で保証されるようにするための断面形状を有し、第1の空間方向(x軸)は搬送平面で搬送方向に位置し、第2の空間方向(y軸)は搬送平面で搬送方向に対して横向きに位置し、第3の空間方向(z軸)は搬送平面に対して垂直に位置することを特徴とする、ローラホルダ部材。
【請求項7】
互いに結合された前記支持部材の、搬送平面を形成する表面(9,11)は一直線上に並ぶことを特徴とする、請求項
6に記載のベルトコンベヤのためのローラホルダ部材。
【請求項8】
請求項1から
5のいずれか1項に記載のコンベヤベルトのためのコア部材において、前記コア部材(3)はそのストッパ面に、互いに連接する組み付けられるべき支持部材の相補的に構成されたストッパ面と協同作用して、互いに連接する前記支持部材の事前定義されたアライメントが3つの直交する空間方向で保証されるようにする断面形状を有し、第1の空間方向(x軸)は搬送平面で搬送方向に位置し、第2の空間方向(y軸)は搬送平面で搬送方向に対して横向きに位置し、第3の空間方向(z軸)は搬送平面に対して垂直に位置することを特徴とする、コア部材。
【請求項9】
互いに結合された前記支持部材の、搬送平面を形成する表面(9,11)は一直線上に並ぶことを特徴とする、請求項
8に記載のコンベヤベルトのためのコア部材。
【請求項10】
請求項1から
5のいずれか1項に記載のコンベヤベルトを有する検査装置、特にX線装置、計量装置、または金属探知装置。
【請求項11】
請求項
10に記載の検査装置を製造する方法において、ローラホルダ部材(5,5’、5’’)とコア部材(3)の群からなる少なくとも2つの支持部材が、製品を搬送するためのベルト(33)を支持するための搬送平面を形成するために互いに結合され、
a)少なくとも2つの前記支持部材が別個に構成され、互いに直接的に連接する前記支持部材が取付装置によって互いに固定的に結合され、
b)組み立てられた状態のときに搬送方向で互いに連接する前記支持部材が互いに突き合わされたストッパ面を有し、
c)前記ストッパ面は互いに相補的な断面形状を有し、前記断面形状は、互いに連接する前記支持部材の事前定義されたアライメントが互いに直交する3つの空間方向で保証されるように協同作用し、
d)第1の空間方向(x軸)は搬送平面で搬送方向に位置し、第2の空間方向(y軸)は搬送平面で搬送方向に対して横向きに位置し、第3の空間方向(z軸)は搬送平面に対して垂直に位置する
ことを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項
10に記載の検査装置を設備変更する方法において、前記コア部材が前記検査装置で変わらずに保たれ、それに対して搬送方向で互いに連接する少なくとも1つの支持部材が交換されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルの構成要件を有するベルトコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
このような種類のベルトコンベヤは、好ましくは離散した調査されるべき製品を検査領域を通して搬送することを可能にするために、たとえば自動式の秤、金属探知機、X線スキャナなどの検査装置に利用される。
【0003】
検査結果の情報提供能力は、特に測定精度は、検査領域を通過する、調査されるべき物体の運動の連続性と均一性に強く依存する。
【0004】
製品の姿勢の変化、並びにその速度の変化は、検査結果にマイナスの影響を及ぼし得る。
【0005】
特別に不都合な効果が生じるのは、たとえば一定に保たれない搬送速度、強すぎる側方の(ベルト衝撃ないし)帯材衝撃、ベルトとベルトを駆動するローラとの間のスリップ、または、上向き走行や下向き走行のときの製品流内部での製品相互の位置の変化の結果である。
【0006】
特に、X線スキャン設備装置の画像評価は、このような種類の効果によって誤った影響を受ける。
【0007】
検査装置が製造または設備変更されるときに、このような要求事項が考慮されなければならないが、それにもかかわらず、たとえばさまざまに異なる寸法ないしサイズ、特に搬送方向で異なる広がりを有する製品の検査など、さまざまに異なる利用目的が可能にされなければならない。
【発明の概要】
【0008】
したがって本発明の課題は、前述した欠点を回避し、所望の利用分野(調査されるべき製品の種類と寸法、製品間隔、搬送速度)に合わせた、検査装置のためのベルトコンベヤの適合化を簡易な方式で可能にすることにある。
【0009】
この課題は本発明によると、請求項1の構成要件を有するベルトコンベヤ、請求項7の構成要件を有するローラホルダ部材、請求項9の構成要件を有するコア部材、請求項11の構成要件を有する検査装置、並びに、請求項12の構成要件を有する検査装置のためのベルトコンベヤを製造する方法、および、請求項13の構成要件を有する設備変更をする方法によって解決される。
【0010】
本発明によるベルトコンベヤは、ローラホルダ部材とコア部材の群からなる少なくとも2つの支持部材で構成される。それに応じて、ローラホルダ部材とコア部材の任意の組合せが可能である。このことは、同一または別様に構成された少なくとも2つのローラホルダ部材と、同一または別様に構成された少なくとも2つのコア部材との組合せを含む。
【0011】
さまざまに異なる要求事項、特に製品寸法をカバーできるようにするために、本発明によるベルトコンベヤは、およびこれに伴ってこのような種類のベルトコンベヤを有する相応の検査装置は、別個に構成された少なくとも2つの支持部材からモジュール形式で製造または設備変更することができ、それにより、搬送方向へ製品を搬送するためのベルトを支持するための好ましくは平坦な搬送平面が形成される。
【0012】
組み立てられた状態のとき、搬送方向で互いに連接する支持部材は、互いに突き合わされたストッパ面(たとえば突合せエッジまたは突合せ縁部)を有する。これらのストッパ面は相互に相補的な断面形状(たとえば突起と切欠き、さねはぎ)を有し、これらの断面形状は、互いに連接する支持部材の事前定義されたアライメントが、互いに直交する3つの空間方向で保証されるように協同作用する。
【0013】
このような本発明に基づく実施形態により、少なくとも2つの支持部材をほぼ調節措置なしに、それにもかかわらずどの空間位置でも事前定義されたアライメントで、一義的に組み立てることが簡易な方式で可能となる。したがって、特定の目的に合わせて適合化されたベルトコンベヤのアライメント(調節)、および場合によりアライメントの管理を省略できるという利点がある。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、断面形状は、ベルトコンベヤの互いに連接する支持部材のストッパ面に設けられる、互いに係合する突起およびこれに対して相補的な切欠きの形態で構成される。このとき支持部材は、たとえば薄板曲げ部品として構成されて、搬送方向で見てU字型の断面形状を有することができ、それにより、その端面がストッパ面としての役目を果たす。直線状の、すなわち(下方または上方に向かって)湾曲していない端面が、ストッパ面としての役目を果たすのが好ましい。
【0015】
取付装置は、支持部材で相応に横方向支持体(搬送方向に対して横向き)として、下方に向かって湾曲するそれぞれの端面の間に構成されていてよく、互いに連接する支持部材の横方向支持体がねじ、ボルトなどと結合されていてよい。
【0016】
このようにして、たとえば溝や刻み目などの形態の不連続的な移行部を搬送平面で回避することができ、それにより、望ましくない汚れの堆積が防止される。
【0017】
本発明の特別に好ましい実施形態では、互いに結合された支持部材の、搬送平面を形成するそれぞれの表面が一直線上に並び、それにより平坦な搬送平面が形成され、それに応じて、それによって支持されるベルトが。製品の搬送時に隆起、飛躍などのいかなる起伏もほぼ有さない。
【0018】
好ましくは平坦な搬送平面は、本発明の意味において当然ながら、ローラないしその表面(ないし搬送方向に対して横向きの上側の線)の外側の寸法と、互いに連接する支持部材の表面とが一直線上に並ぶことによっても形成される。
【0019】
さまざまな製品寸法、製品間隔、搬送速度などに合わせた迅速な設備変更を可能にするために、本発明の別の実施形態では、ベルトコンベヤは、互いに連接する支持部材を固定的に結合するための取付装置を有することができ、この取付装置は、結合を非破壊式に(ねじ、止めピンを有するボルト、クリップなど)外すことができるように構成される。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、互いに連接する支持部材のストッパ面には、互いに突き合わされたストッパ面またはストッパエッジまたはストッパ縁部のうちの少なくとも1つのストッパ面で、突起または切欠きの間にy方向および/またはz方向へ延びる切込みが形成され、それにより、互いに連接する支持部材の間で少なくとも1つの部分領域に、x方向に所定の幅を有する間隙が生じる。このような種類の開いた1つの間隙(または複数の間隙)により、(特に未包装の食料品の取扱時に衛生上の理由から必要となる)装置の清掃が簡易化される。一方では、このような開いた間隙を有する領域で汚れが堆積し得ず、他方では、間隙を通して清掃(洗浄、蒸気ジェットなど)をすることができるからである。
【0021】
当然ながら、間隙はその幅(x方向)に関して、移送時に製品の落ち込みが生じることがなく、製品の垂直方向運動(z方向)または傾動(このことは回転を帰結し得る)が排除される程度の広さでのみ選択される。
【0022】
本発明によると、特別に好ましい実施形態において、検査装置、特にX線装置、金属探知機、または秤を製造することができ、それは、検査装置の一部、たとえば検査ユニット、特にカメラや計量セルないしその荷重導入部がコア部材と固定的に結合され、それにより製造後にコア部材と検査ユニットとの間で許容差が発生せず、ないしは調節によって補正する必要がないことによる。
【0023】
調査されるべき製品に合わせたさらなる適合化が、このケースでは-搬送方向で見て上流側および/または下流側で-本発明に基づいて組み立てられたローラホルダ部材によって行われ、それにより、ベルトコンベヤの搬送平面の所望の長さが実現される。それに応じて、すでに設置されている検査装置を事後的に(その全長に関して)、別の種類または寸法の製品を調査されるようにするために、簡易な方式で設備変更することができる。
【0024】
本発明の発展例では、ベルトコンベヤで受容容器、仕分け装置、光バリアなどのさらに別の任意の別個の部材を任意の組合せで、特に搬送方向における事前定義された位置で、ベルトコンベヤに、特に下方に向かって折曲された側面に、配置することができる。
【0025】
さらに本発明に基づき、好ましくは少なくとも1つの仕分け装置も(短い設計スペースの内部に)含むことができる、搬送方向で短い(かつ細い)検査装置、特にX線検査設備を提供することが可能である。
【0026】
本発明の意味においてベルトとは、複数の別々の(平行な)平坦または円形の帯材、ウェブ、チェーンなどであって、搬送平面としての共通の平坦な載置台によって支持されるものも意味する。それに対して平坦ではない載置台、たとえばベルトをローラで支持するだけのローラコンベヤや搬送ベルトなどはこれと区別される。
【0027】
本発明に基づくベルトコンベヤにより、調査されるべき製品の搬送が可能となり、その姿勢変化(回転)や、たとえば搬送平面での不連続な移行部によって引き起こされる、突発的で不連続的な運動が防止されるという利点がある。
【0028】
さらに本発明によって、および事前定義されたアライメントによって、ローラ軸の平行性(搬送平面に対して平行に位置するローラ)や搬送平面(ないし支持部材の表面)も、高さに関しての適正なアライメントと同様に簡易な方式で確保することができる。
【0029】
本発明のその他の好ましい実施形態は、従属請求項から明らかとなる。
【0030】
次に、図面に示されている実施例を参照しながら本発明について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】1つのコア部材と2つのローラホルダ部材とを有する本発明によるベルトコンベヤを上から見た斜視図である。
【
図2a】
図1のベルトコンベヤの個別部品としてのコア部材を下から見た斜視図である。
【
図2b】
図1のベルトコンベヤの個別部品としてのコア部材を下から見た斜視図である。
【
図3】
図1のベルトコンベヤを有するX線装置である。
【
図4】
図1に示すベルトコンベヤのローラホルダ部材の曲っていない(まだ曲げられていない)薄板曲げ部品である。
【
図5】
図4に示すローラホルダ部材の一区域を示す拡大詳細図である。
【
図6】
図1に示すベルトコンベヤのローラホルダ部材のまだ曲げられていない薄板曲げ部品である。
【
図7】
図6のローラホルダ部材を示す拡大詳細図である。
【
図8】本発明によるベルトコンベヤの第2の実施形態(中程度の長さ)を上から見た斜視図である。
【
図9】本発明によるベルトコンベヤの第3の実施形態(大きい長さ)を上から見た斜視図である。
【
図11】ベルトと駆動手段(トラクタ駆動装置)とを有する
図1のベルトコンベヤを示す側面図である。
【
図12】ベルトとともに示す
図10のS-S’線に沿った断面図である。
【
図13】ローラホルダ部材とこれに連接するコア部材との曲げ薄板部品を示す平面図であり、両者ともまだ曲げられていない状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1から明らかなとおり、本発明によるベルトコンベヤ1は例示として1つのコア部材3と、搬送方向xに両側(左側と右側)でこれに直接的に連接する2つのローラホルダ部材5とを有している。
【0033】
コア部材1は、平坦な長方形の表面9と、搬送方向xに対して横向きにこれに連接する、下方に向かって直角に曲げられた、実質的に同じく長方形の側方部分13(前側の側方部分)および13’(後側の側方部分)とを有する長方形の基本輪郭を有している。
【0034】
平坦な表面9に、好ましくは中央に、(y方向で)ほぼ幅全体にわたって延びる長方形の繰り抜き部7がある。この繰り抜き部7を通して、作動時に放射が、特にX線放射が、他に吸収されることなく表面を通過して、検出器により、特にカメラにより、検出することができる。
【0035】
相応の検出器が、たとえば表面9の下方でコア部材1に配置された槽17(
図2aおよび
図2bを参照)またはカメラハウジングに格納されていてよい。
【0036】
図1で左側と右側に示す両方のローラホルダ部材5は互いに対称に構成されているので、以下において行う左側に関する記述は、右側についても内容的に該当する。このように対称なローラホルダ部材5を、左側または右側に組み付けることができる。
【0037】
ローラホルダ部材5は平坦な表面11を有しており、表面11および9は、組み立てられた状態のときに好ましくは一直線上に並び、
図1には示さないベルト33を支持するための共通の平坦な搬送平面としての役目を果たす。
【0038】
このような事前定義された好ましくは一直線上に並ぶアライメントを、互いに直交する3つの空間方向で組立時に、好ましくはそれ以外の調節なしにあらゆるケースで保証するために、ローラホルダ部材5はその端面側の、断面で見てU字型をしたストッパ面で、コア部材3の端面側の(断面で見てU字型の)ストッパ面に相補的に構成された断面形状と協同作用する断面形状を有している。
【0039】
x方向では、それぞれの表面9および11および/または側方部分13および15,13’および15’の、互いに突き合わされて当たるストッパ面が互いに区切られており、その姿勢で組立時に固定される。
【0040】
y方向では、表面11のこのストッパ面ないしストッパエッジにある好ましくは半円形の第1および第2の突起45および47が、表面9のストッパ面ないしストッパエッジに相応に構成された第1および第2の切欠き51および53と協同作用し、それによってy方向の位置も固定される。
【0041】
z方向では、前側および後側の側方部分15および17のこのストッパ面ないしストッパエッジに構成された、好ましくは半円形の突起49および50が、前側および後側の側方部分13および13’のストッパ面ないしストッパエッジにある相応に構成された切欠き55および57と協同作用し、それによってz方向の位置も固定される。
【0042】
組立のために、コア部材1は表面9の下方でその連接側の領域に、好ましくはy方向で表面9に対して平行にそれぞれの端部をもって側方部分13および13’にたとえばねじ23によって配置される、それぞれ1つの横方向支持体19(
図2aおよび図b)を有している。
【0043】
図12から明らかなように、ローラホルダ部材5もこれに準ずる方式で、側方部分15および15’にたとえばねじ25によって配置される横方向支持体65を有している。
【0044】
横方向支持体19は2つの穴21を有するのが好ましく、横方向支持体65は、これに対応する個所に2つのねじ穴69を有し、それにより、ねじ67を差し込んで締めることで、ローラホルダ5が前述した断面形状により事前定義された姿勢でコア部材3に一義的に固定される。
【0045】
当然ながら、上に説明した取付手段に代えて、ねじ付きボルト、クリップなどの他の方式も考えられる。いずれのケースでも、(最終的な取付の前の)取付手段のクリアランスに関わりなく、上に説明した断面形状によって事前定義された姿勢が保証され、誤った姿勢での正しくない組立が回避される。
【0046】
さらに
図12に良く見られるとおり、ローラホルダ部材5および5’の側方部分15および15’は、少なくともローラ27,28の領域に、ローラ27,28の外側円周から(紙面でローラに対して横向きに)突き出す突出部を有している。これらの突出部によって、ベルト33の側方の案内が(搬送方向xに対して横向きに)保証され、それによりベルト33が側方へ移動し得ない。
【0047】
図3に示すように、本発明によるベルトコンベヤ1はX線スキャン装置31の一部であってよい。このようなケースではベルトコンベヤ1の上方に、図面には示さないX線源を有するアタッチメント39が配置される。
【0048】
ベルト体1の下方には、ベルト体を周囲と定置に結合する下側フレーム41がある。
【0049】
搬送方向xで、右側から製品がアタッチメント39の下方を通過するように搬送されて、X線放射により透過される。繰り抜き部7を通過する、物体によって吸収されなかった放射の成分が、(場合によりシンチレータを介して)カメラにより検出される。
【0050】
完全に組み立てられた状態のとき、ベルト33がベルトコンベヤ1のローラ27および28を介して、およびX線装置31の方向転換ローラ34を介して、ベルトコンベヤ1の下方かつそれに伴って外部に配置されたトラクタ駆動装置によって駆動される。トラクタ駆動装置は、モータ37と、これにより駆動される、ベルト33にあるベルト33の穴に係合してベルト33を駆動するトラクタ駆動ローラ35とで構成される。
【0051】
図11には、ベルト案内を明示するために(ただし方向転換ローラ34は図面には示さない)、ベルトコンベヤ1がベルト33およびトラクタ駆動ローラ35を含めて模式的に個別の図として示されている。
【0052】
図4および5は、薄板曲げ部品としてのローラホルダ5の表面11と側方部分15,15’を、曲げられていない状態で示している。この状態にあるとき、まだ角度をなすように折曲されていない側方部分15,15’にある穴25’および29’に加えて、上に述べたローラ28をねじ26によって取り付けるための穴28’も明らかに見られる。
【0053】
詳細図(
図5)に明らかなとおり、曲げエッジ46の領域には、紙面で上に向かって延びる切欠きないしそのように延びる切込み48が設けられている。好ましくは直線状の(x方向に対して横向きの)このような切込みによって、組み立てられた状態のとき、ストッパ面ないしストッパエッジに沿って間隙58(
図14参照)が生じ、その中に汚れが溜まることがなく、ベルトコンベヤ1の清掃可能性が改善される。このとき(x方向の)間隙幅はその幅に関して、上を搬送されるときに製品の落ち込みが起こらない程度に狭い。
【0054】
図6および
図7は、
図4および
図5の薄板曲げ部品の別の実施形態43’を示している。この実施形態では、切込み48はそれぞれ突起45,47,49および50’の近傍に延びており(
図13参照)、それにより、突起45,47,49,50’が段差ないし肩部44を有している。
【0055】
図13および
図14から明らかなとおり、このようなケースでは比較的小さい間隙58だけでなく、互いに連接する支持部材の互いに向かい合う残りすべての端面で(ストッパ面としての役目を果たす肩部44を例外として)、それぞれ切欠き51’と53’の間、53’と55’の間、並びに55’と57’の間に、および、それぞれ切欠き55’、57’と外側端部との間にも、間隙77,79,81が生じている。
【0056】
このとき前述した切込みは支持部材のストッパエッジで片側に構成され、または
図13および
図14に示すように、好ましくは互いに連接する支持部材の両方のストッパエッジに構成されていてよい。
【0057】
本発明の可能性をより良く図解するために、
図8および
図9には、本発明によるベルトコンベヤ1のさらに別の実施形態が示されている。
【0058】
図8から明らかなとおり、
図1および
図3に示すベルトコンベヤ1の短い設計形態に比べて、長さ(搬送方向xで見たとき)に関して拡大された、中程度のベルト長さを有するベルトコンベヤ1’が示されている。このような中程度のベルトサイズ或いは設計サイズは、好ましくは同じままのコア部材3のもとで、(x方向ないし搬送方向で)拡大された長さを有する、少なくとも片側のローラホルダ部材5’の組付けによって実現される。
【0059】
図9から明らかなように、変わらないままのコア部材3に、(ここでは左側に配置されている)長さに関してさらに拡大された(長い)ロールホルダ部材5’’が配置されていてよい。原則として、さまざまに異なるローラホルダ部材をその設計形態ないし設計長さに関して任意に個別的に製造可能である。ただし、大量の個数が製造される場合でさえ、相違する長さのローラホルダ標準部材の数が少ないことから、これらの任意の組み合わせによって高い可変性を可能にすることができ、それによってコストを削減することができる。
【0060】
当然ながら、それぞれ相違する長さのコア部材を製造し、それによって、それぞれ相違する要求事項に合わせた適合化を行えるようにすることも考えられる。このようなケースでは、ローラホルダ部材の長さが一定に保たれる。
【0061】
しかしながら本発明の好ましい実施形態では、コア部材1は(その複雑な構造に基づいて)製造時に、この中に格納される、これに配置される検出器と、特にカメラと、固定的に結合され、それにより、それ以外に必要な組立のときに現場で望ましくない許容差が生じ得なくなる。コア部材が変わらずに保たれるので、これを低コストに大量の個数で製造することができる。同様に、検査装置を短い基本器具として同一に(ローラホルダ部材5が組み付けられていないコア部材3を含めて)、大量の個数で予備生産することができる。そしてそのつどの適用ケースについて、相応のローラホルダ部材5が選択されてコア部材3に組み付けられる。
【0062】
さらに現場では、検査装置の発注時や製造時にはまだ未知であった、さまざまに異なる製品ジオメトリー(長さ)や、さまざまに異なる製品間隔および製品隙間に合わせた本発明によるベルトコンベヤの適合化が、作動時に可能であるという利点もある。
【0063】
いずれのケースでも本発明により、上述した支持部材(それぞれ異なるローラホルダ部材および/またはそれぞれ異なるコア部材)を別個に製造することができる。組立時には、支持部材が本発明に基づいて設計上自動的にアライメントされるので、このような事前定義された姿勢で、時間コストのかかる調節なしに、迅速に最終組立することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 ベルトコンベヤ(短い)
1‘ ベルトコンベヤ(中程度)
1‘‘ ベルトコンベヤ(長い)
3 コア部材
5 ローラホルダ部材(短い)
5‘ ローラホルダ部材(中程度)
5‘‘ ローラホルダ部材(長い)
7 X線放射(扇形)のための繰り抜き部
9 コア部材3の表面
11 ローラホルダ部材5の表面
13 コア部材の前側の側方部分
13‘ コア部材の後側の側方部分
15 ローラホルダ部材の前側の側方部分
15‘ ローラホルダ部材の後側の側方部分
17 X線カメラを収容するための槽
19 コア部材の横方向支持体
21 横方向支持体の穴(ボア)
23 コア部材3にある横方向支持体のための取付ねじ
25 ローラホルダ部材5にある横方向支持体のための取付ねじ
25‘ 取付ねじ25のために側方部分15にある穴
26 ローラ28のための取付ねじ
27 ローラ
28 ローラ
29 ローラ27のための取付ねじ
25‘ 取付ねじ29のために側方部分15にある穴
31 X線スキャン装置
33 ベルト
34 方向転換ローラ
35 ベルト33のためのトラクタ駆動ローラ
37 モータ
39 X線源を有するアタッチメント
41 下側フレーム
43 ローラホルダ部材5の薄板曲げ部品(曲げられていない)
43‘ 肩部44を有するローラホルダ部材5の薄板曲げ部品(曲げられていない)
44 肩部
45 ローラホルダ部材5の表面にある第1の突起
45‘ 薄板曲げ部品43’の表面にある第1の突起
46 曲げエッジ
47 ローラホルダ部材5の表面にある第2の突起
47‘ 薄板曲げ部品43’の表面にある第2の突起
48 切欠きないし切込み
48‘ 延長された切欠き
49 ローラホルダ部材5の前側の側方部分にある突起
49‘ 薄板曲げ部品43’の前側の側方部分にある突起
50 ローラホルダ部材5の後側の側方部分にある突起
50‘ 薄板曲げ部品43’の後側の側方部分にある突起
51 コア部材3の表面にある第1の切欠き
51‘ 薄板曲げ部品71の表面にある第1の切欠き
53 コア部材3の表面にある第2の切欠き
53‘ 薄板曲げ部品71の表面にある第2の切欠き
55 コア部材3の前側の側方部分13にある切欠き
55‘ 薄板曲げ部品71の前側の側方部分にある切欠き
57 コア部材3の後側の側方部分13’にある切欠き
57‘ 薄板曲げ部品71の後側の側方部分にある切欠き
58 間隙
59 方向転換ローラ
61 突出部
63 突出部
65 ローラ保持部材5の横方向支持体
67 ねじ
69 ねじ山
71 コア部材3の薄板曲げ部品(曲げられていない)
73 ローラホルダ部材5の薄板曲げ部品(曲げられていない)の第2の実施形態
77 51’と53’の間、ないし45’と47’の間の間隙
79 53’と55’の間、ないし47’と49’の間の間隙
81 51’と50’の間の間隙
A
図13の詳細部
D
図8の詳細部
S-S‘
図10の切断線
x 搬送方向 第1の空間方向
y 搬送平面ないし表面11における、Xに対して横向きの第2の空間方向
z 表面11に対して垂直の第3の空間方向