(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】物品の保管及び小出しのための装置、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20240517BHJP
B65G 1/137 20060101ALN20240517BHJP
【FI】
A61J3/00 300Z
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2022549052
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021016229
(87)【国際公開番号】W WO2021194638
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-12
(32)【優先日】2020-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505411125
【氏名又は名称】オムニセル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ジェインズ ロバート ウォーレン
(72)【発明者】
【氏名】マクレガー マイケル エドワード
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-518133(JP,A)
【文献】特開2006-109899(JP,A)
【文献】特表2001-506571(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0043953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
小出しシステムに係合するようになった1つ以上のトレーについての保管構成内容を決定するために少なくとも1つの入力パラメータを受け取るようになった構成内容インターフェースを含み、前記1つ以上のトレーの各々は、1つ以上の物品を保持するようになっており、
前記1つ以上の入力パラメータに基づいて前記1つ以上の物品をしっかりと保持するために前記1つ以上のトレーの推奨レイアウトを作成するようになった構成内容決定モジュールを含み、前記構成内容決定モジュールは、処理回路系をさらに含み、
前記1つ以上のトレーが前記推奨レイアウトに従って構成されているかどうかを判定し、前記1つ以上のトレーが前記推奨レイアウトに従って構成されていないという判定に応答して警告を出すように構成されたコントローラを含み、
前記1つ以上の物品の各々について、前記1つ以上の入力パラメータは、以下の内容、すなわち、前記物品の種類、前記物品の大きさ、前記物品の容量、前記物品の表示、前記物品内に保持される内容物の体積、前記トレーの特性および前記小出しシステム内の利用可能な空間のうちの少なくとも1つを含む、システム。
【請求項2】
前記1つ以上のトレーの前記推奨レイアウトは、セパレータの数、前記セパレータの方位、または前記セパレータの配置場所のうちの少なくとも1つを指定する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のトレーの各々の前記推奨レイアウトは、ビンの推奨レイアウトを含むとともに、ビンの数、ビンの各々の大きさ、前記ビンの各々内に保持されるのが良い前記1つ以上の物品の量、前記1つ以上の物品を保持するために必要なトレーの数、および前記推奨レイアウト内の前記1つ以上のビンの相対的位置のうちの少なくとも1つを指定する、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記処理回路系はさらに、
前記ビンの前記
推奨レイアウトに属する前記1つのビン中に装填されるべき物品の表示を受け取り、
前記物品が装填される前記ビンの前記
推奨レイアウトに属する前記1つのビンの一意的識別子を受け取り、
前記ビンの前記一意的識別子と前記ビン中に装填された前記物品との相互関係をメモリに記憶させるよう構成されている、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記処理回路系はさらに、
前記ビンの前記
推奨レイアウトに対応したトレーの一意的識別子の表示を受け取り、
前記ビンの前記一意的識別子および前記ビン中に装填された前記物品を前記トレーの前記一意的識別子と相関させるよう構成されている、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上の物品をしっかりと保持するためにビンの前記推奨レイアウトを作成するよう構成された前記処理回路系は、
前記1つ以上の物品の各々の大きさを決定し、
前記1つ以上の物品の各々について、前記受け取った物品に適したビンの大きさを特定するよう構成された処理回路系を含む、請求項3記載のシステム。
【請求項7】
前記推奨レイアウトを作成するように構成された処理回路系は、
トレー上に1つ以上のビンを形成する1つ以上のセパレータを用いて推奨レイアウトを作成するよう構成された処理回路系を含み、前記
推奨レイアウトは、前記トレー上の前記1つ以上のビンの位置および方位をさらに含む、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のトレーのための保管構成内容を決定するよう少なくとも1つの入力パラメータを受け取るための前記構成内容インターフェースは、
物品の種類を選択するためのユーザインターフェースエレメント、
1種類の物品の量を選択するためのユーザインターフェースエレメント、および
前記量の1種類の物品をトレー内に保管されるべき前記1つ以上の物品のリストに追加するためのユーザインターフェースエレメントを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記処理回路系はさらに、
前記1つ以上のトレーの前記推奨レイアウトを構成するための命令を提供し、
前記1つ以上のトレーの前記推奨レイアウトの前記
保管構成内容をアセンブルするよう構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記処理回路系はさらに、
前記1つ以上の物品を小出しするとともに前記推奨レイアウトに従って配置するよう構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
1つ以上のトレーを構成する方法であって、
前記1つ以上のトレー内に保管されるべき1つ以上の物品についての情報を受け取るステップと、
前記少なくとも1つ以上の物品の特性および前記1つ以上のトレーの特性を表すデータに基づいて、前記1つ以上の物品を保持するよう1つ以上のセパレータまたはビンを選択するステップと、
前記少なくとも1つ以上の物品の特性を用いて、前記1つ以上のトレーのレイアウトマップを決定するステップと、
前記レイアウトマップに基づいて前記1つ以上の物品を保持するトレー用のトレーレイアウトを作成するステップと、
構成済みのトレー用の前記トレーレイアウトが前記レイアウトマップに従って構成されているかどうかを判定するステップと、
前記構成済みのトレーが前記レイアウトマップに従って構成されていないという判定に応答して警告を出すステップとを含む、方法。
【請求項12】
前記トレーレイアウト内の前記1つ以上の物品の配置場所を特定するステップと、
前記1つ以上のトレーを前記トレーレイアウトに従って構成するステップとをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記トレーレイアウト内の配置場所に装填されるべき物品の表示を受け取るステップと、
前記物品が装填される前記配置場所の一意的識別子を受け取るステップと、
前記配置場所の前記一意的識別子と前記配置場所に装填された前記物品との相関をメモリに記憶させるステップとをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記物品が装填された前記配置場所に従ってトレーの一意的識別子の表示を受け取るステップと、
前記配置場所の前記一意的識別子および前記配置場所に装填された前記物品を前記トレーの前記一意的識別子と相関させるステップとをさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記トレーのレイアウトマップを決定する前記ステップは、
前記1つ以上の物品の各々の大きさを求めるステップと、
前記1つ以上の物品の各々について、それぞれの前記物品に適したビンの大きさを特定するステップとを含む、請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のトレーの前記レイアウトマップを作成する前記ステップは、
前記トレー上の前記1つ以上のセパレータまたはビンのレイアウトを作成するステップとを含み、前記レイアウトは、前記トレー上の前記1つ以上のセパレータまたはビンの位置および方位を含む、請求項11記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上のトレー内に保管されるべき前記1つ以上の物品に関する情報を受け取る前記ステップは、
物品の種類の選択を受け取るステップと、
前記種類の物品の量の選択を受け取るステップと、
前記量の1種類の物品を前記1つ以上のトレー内に保管されるべき前記複数の物品のリストに追加する指示を受け取るステップとを含む、請求項11記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上のトレーの前記レイアウトマップを構成するための命令を提供するステップと、
前記レイアウトマップの構成内容をアセンブルするステップとをさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサおよびプログラムコード命令が記憶された少なくとも1つの非一過性コンピュータ可読記憶媒体を備えた装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記プログラムコード命令の実行時、前記装置が少なくとも、
トレー内に保存されるべき複数の物品の表示を受け取り、
前記複数の物品に対応した複数のビンを決定し、
前記トレー上の前記複数のビンのレイアウトを生成し、
前記トレー上の前記複数のビン内の前記複数の物品の配置場所を特定し、
前記トレーが前記トレー上の前記複数のビンの前記レイアウトに従って構成され、
構成済みのトレーがレイアウトマップに従って構成されているかどうかを判定し、
前記構成済みのトレーが前記レイアウトマップに従って構成されていないという判定に応答して警告を出すようにする構成になっている、装置。
【請求項20】
前記1つ以上のトレーの画像を取り込むように構成された画像補足装置をさらに備え、前記1つ以上のトレーが前記推奨レイアウトに従って構成されているかどうかを判定するように構成された前記コントローラは、前記1つ以上のトレーの前記画像から、前記1つ以上のトレーが前記推奨レイアウトに従って構成されているかどうかを判定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、物品の保管および小出し、特に、物品の保管およびユーザ設定できかつカスタマイズ可能なトレーからの物品の小出し、ならびにこれらトレーを構成するためのソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の保管および小出しは、ありふれたことであり、こうしたことは、時間がかかりかつ非効率的である場合が多い。自動および半自動小出しシステムは、小出しの効率を向上させるとともに潜在的なミスを減らすことができ、その結果、スループットが向上する。様々な形状および大きさ(サイズ)の物品を保管したり小出ししたりするよう構成されたシステムは、物品の最も効率的かつ有用な配置にかかわらず、デフォルト状態では大きさがほぼ同じ物品をまとめる組織的戦略を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
保管されたり小出しされたりする物品の中には、種々の大きさの容器内で混じり合うのに適している場合があるが、物品、例えば薬物は、人の健康に影響を及ぼす場合のある物品の正確な追跡および小出しを保証するよう多大な配慮を必要とする場合がある。ヘルスケア関連物品の保管では、大きさがほぼ同じ物品をその共通サイズの物品のためのトレー内に保管する場合があり、他方、保管物品の配置効率は、同一サイズの物品をまとめて保管する利便性よりも優先順位が低い。かかる保管は、小出し効率を低下させる場合があり、しかも特定種類の物品のための保管スペースの利用性に悪影響を及ぼす場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、物品の保管および小出し、特に、物品の保管およびユーザ設定可能でありかつカスタマイズ可能なトレーからの物品の小出しのための装置、およびこれらトレーを構成するためのソフトウェアを提供することができる。本発明の実施形態は、物品の保管および小出しのためにトレーを構成するシステムを含むことができる。本システムは、小出しシステムに係合するようになった1つ以上のトレーについての保管構成内容を決定するために少なくとも1つの入力パラメータを受け取るようになった構成内容インターフェースを含み、1つ以上のトレーの各々は、1つ以上の物品を保持するようになっており、本システムは、1つ以上の入力パラメータに基づいて1つ以上の物品をしっかりと保持するために1つ以上のトレーの推奨レイアウトを作成するようになった構成内容決定モジュールをさらに含み、構成内容決定モジュールは、処理回路系をさらに含み、1つ以上の物品の各々について、1つ以上の入力パラメータは、以下の内容、すなわち、物品の種類、物品の大きさ、物品の容量、物品の表示、物品内に保持される内容物の体積、トレーの特性および小出しシステム内の利用可能な空間のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0005】
例示の実施形態によれば、1つ以上のトレーの推奨レイアウトは、セパレータの数、セパレータの方位、またはセパレータの配置場所のうちの少なくとも1つを指定する。1つ以上のトレーの各々の推奨レイアウトは、ビンの推奨レイアウトを含むとともに、ビンの数、ビンの各々の大きさ、ビンの各々内に保持されるのが良い1つ以上の物品の量、1つ以上の物品を保持するために必要なトレーの数、および推奨レイアウト内の1つ以上のビンの相対的位置のうちの少なくとも1つを指定する。処理回路系はさらに、ビンのレイアウトに属する1つのビン中に装填されるべき物品の表示を受け取り、物品が装填されるビンのレイアウトに属する1つのビンの一意的識別子を受け取り、ビンの一意的識別子とビン中に装填された物品との相互関係をメモリに記憶させるよう構成されるのが良い。
【0006】
幾つかの実施形態の処理回路系は、ビンのレイアウトに対応したトレーの一意的識別子の表示を受け取り、ビンの一意的識別子およびビン中に装填された物品をトレーの一意的識別子と相関させるよう構成されるのが良い。1つ以上の物品をしっかりと保持するためにビンの推奨レイアウトを作成するよう構成された処理回路系は、1つ以上の物品の各々の大きさを決定し、1つ以上の物品の各々について、受け取った物品に適したビンの大きさを特定するよう構成された処理回路系を含むのが良い。推奨レイアウトを作成するように構成された処理回路系は、トレー上に1つ以上のビンを形成する1つ以上のセパレータを用いて推奨レイアウトを作成するよう構成された処理回路系を含むのが良く、レイアウトは、トレー上の1つ以上のビンの位置および方位をさらに含む。
【0007】
1つ以上のトレーのための保管構成内容を決定するよう少なくとも1つの入力パラメータを受け取るための構成内容インターフェースは、物品の種類を選択するためのユーザインターフェースエレメント、1種類の物品の量を選択するためのユーザインターフェースエレメント、および上記量の1種類の物品をトレー内に保管されるべき1つ以上の物品のリストに追加するためのユーザインターフェースエレメントを含むのが良い。処理回路系はさらに、1つ以上のトレーの推奨レイアウトを構成するための命令を提供し、1つ以上のトレーの推奨レイアウトの構成内容をアセンブルするようさらに構成されるのが良い。処理回路系はさらに、1つ以上の物品を小出しするとともに推奨レイアウトに従って配置するよう構成されるのが良い。
【0008】
本明細書において提供される実施形態は、1つ以上のトレーを構成する方法であって、1つ以上のトレー内に保管されるべき1つ以上の物品についての情報を受け取るステップと、少なくとも1つ以上の物品の特性および1つ以上のトレーの特性を表すデータに基づいて、1つ以上の物品を保持するよう1つ以上のセパレータまたはビンを選択するステップと、少なくとも1つ以上の物品の特性を用いて、1つ以上のトレーのレイアウトマップを決定するステップと、1つ以上の物品を保持するトレーレイアウトを作成するステップとを含むことを特徴とする方法を含むのが良い。方法の中には、トレーレイアウト内の1つ以上の物品の配置場所を特定するステップと、1つ以上のトレーをトレーレイアウトに従って構成するステップとを含む方法がある。
【0009】
方法の中には、トレーレイアウト内の配置場所に装填されるべき物品の表示を受け取るステップと、物品が装填される配置場所の一意的識別子を受け取るステップと、配置場所の一意的識別子と配置場所に装填された物品との相関をメモリに記憶するステップとを含む方法がある。方法の中には、物品が装填された配置場所に従ってトレーの一意的識別子の表示を受け取るステップと、配置場所の一意的識別子および配置場所に装填された物品をトレーの一意的識別子と相関させるステップとを含む方法がある。トレーのレイアウトマップを決定するステップは、1つ以上の物品の各々の大きさを求めるステップと、1つ以上の物品の各々について、それぞれの物品に適したビンの大きさを特定するステップとを含むのが良い。1つ以上のトレーのレイアウトマップを作成するステップは、トレー上の1つ以上のセパレータまたはビンのレイアウトを作成するステップを含むのが良く、レイアウトは、トレー上の1つ以上のセパレータまたはビンの位置および方位を含む。
【0010】
例示の実施形態によれば、1つ以上のトレー内に保管されるべき1つ以上の物品に関する情報を受け取るステップは、物品の種類の選択を受け取るステップと、該種類の物品の量の選択を受け取るステップと、上記量の1種類の物品を1つ以上のトレー内に保管されるべき複数の物品のリストに追加する指示を受け取るステップとを含むのが良い。方法の中には、構成済みのトレーがレイアウトマップに従って構成されているかどうかを判定するステップと、構成済みのトレーがレイアウトマップに従って構成されていないという判定に応答して警告を出すステップとを含む方法がある。方法の中には、1つ以上のトレーのレイアウトマップを構成するための命令を提供するステップと、レイアウトマップの構成内容をアセンブルするステップとを含む方法がある。
【0011】
本明細書において提供される実施形態は、少なくとも1つのプロセッサおよびプログラムコード命令が記憶された少なくとも1つの非一過性コンピュータ可読記憶媒体を備えた装置であって、少なくとも1つのプロセッサは、プログラムコード命令の実行時、装置が少なくとも、トレー内に保存されるべき複数の物品の表示を受け取り、複数の物品に対応した複数のビンを決定し、トレー上の複数のビンのレイアウトを生成し、トレー上の複数のビン内の複数の物品の配置場所を特定し、そして、トレーがトレー上の複数のビンのレイアウトに従って構成されるようにする構成になっていることを特徴とする装置を含むのが良い。
【0012】
次に、必ずしも縮尺通りには描かれていない添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の例示の実施形態に係る小出しシステムのトレーを構成するためのシステムのブロック図である。
【
図2】本発明の例示の実施形態に従ってコントローラとして具体化できる例示の装置のブロック図である。
【
図3】本発明の例示の実施形態に係る自動小出しシステムの例示の実施形態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態を採用することができるナースカートの例示の実施形態を示す図である。
【
図5】本発明の例示の実施形態に係るトレーおよび複数の構成可能なビンを示す図である。
【
図6】本発明の例示の実施形態に従って複数のビンが載せられたトレーを示す図である。
【
図7】本発明の例示の実施形態に係るトレーおよび複数の構成可能なセパレータを示す図である。
【
図8】本発明の例示の実施形態に係るトレー構成内容決定用のユーザインターフェースを示す図である。
【
図9】本発明の例示の実施形態に係る別のトレー構成内容決定用ユーザインターフェースを示す図である。
【
図10】本発明の例示の実施形態に従ってトレー上に配置された複数の一意的に識別可能なビンを示す図である。
【
図11】本発明の例示の実施形態に従って自動小出しシステムを操作する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態は、ヘルスケア施設内の薬物分配の効率を向上させる種々の装置、システム、および方法を提供することができる。次に、添付の図面を参照して本発明の幾つかの実施形態およびコンポーネントについて以下に十分に説明するが、本発明の全てではなく幾つかの実施形態が図示されている。確かに、本発明の種々の実施形態は、多くの互いに異なる形態で具体化できるので、本明細書に記載した実施形態に限定されるものと解されてはならず、そうではなく、これら実施形態は、本開示が適用可能な法律上の要件を満たすよう提供される。
【0015】
本発明の例示の実施形態は、物品の保管、追跡、および小出しを容易にすることができる方法、装置、およびコンピュータプログラム製品を提供することができる。実施形態は、ユーザ設定可能な保管手段および保管手段の自動構成を介する、物品の保管、追跡、および小出し精度および効率を向上させる。実施形態は、特に、物品が様々な大きさ、形状、および重量のものである場合、かかる物品の保管、追跡、および小出しを自動化する際に本出願人が相当大きなハードルとして認識する課題を解決するメカニズムを含むのが良い。
【0016】
本明細書において説明する例示の実施形態の保管、追跡、および小出しシステムは、種々の種類の物品を小出しするために使用できるが、本明細書において説明する主要な実施形態は、ユーザによりまたは保管トレーの自動構成および最適化により種々の大きさおよび形状の物品を小出しするのに最適である。
【0017】
本明細書において説明する実施形態は、物品の保管、追跡、および小出しが必要な業界であればどのような業界にも使用するのに適しているといえる。実施形態は、以下の開示から明らかであるように、薬物の保管、追跡、および小出しに最適であるといえる。本明細書において説明する実施形態のある特定の観点は、薬物または医療用品小出しおよびこれに必要な関連精度に特有であるといえるが、同様の具体化例は、ある特定の特徴を省くことができまたは当業者には明らかな他の特徴を含むことができる。
【0018】
カスタマイズされた構成可能な保管トレーの実施形態は、自動保管/小出しと手動保管/小出しの両方に採用できる。医療分野では、手動保管および小出しは、例えば、内容物が施設ごとにかつ季節ごとにばらつきのある場合のある種々のシナリオに対応するよう、カートが種々の大きさおよび形状因子の薬物および医療用品を備えた状態でストックされる場合、ナースカートまたは緊急カートの形態をとることができる。医療分野における自動保管および小出しは、自動薬物小出しシステムの形態をとることができる。手動保管/小出し方式であれ自動保管/小出し方式であれいずれにせよ、保管されるとともに小出しされる物品は、個々のピルまたはカプセルから容量が最高1リットルまでの点滴バッグまでの種々の形態因子のものであるのが良い。他の形態因子としては、注射器、Carpujects(商標)、バイアル、多数回投与型薬物容器などが挙げられる。医療用品、例えば点滴薬物用チューブ、空の注射器などもまた、保管でき、そして手動または自動システムから小出しできる。医療用品と薬物の両方は、種々の大きさおよび形状で売られており、また、従来型の自動小出し装置から容易かつ効率的には小出しできずまたは標準構成の手動保管・小出しシステムに効率的に保管できない。
【0019】
本明細書において説明する実施形態は、当業者には理解されるように、自動小出しシステム、半自動小出しシステム、または手動小出しシステムに採用できる。本明細書において説明するような自動小出しシステムは、在庫物品のリクエストを受け取るとまたはこれを処理すると、小出しされるべき物品の在庫を必要とする。自動小出しでは、一般に、ロボット手段、例えば物品を回収したり小出ししたりするための腕先(アームエンド)ツールを備えた多軸アームを用いて物品の回収が必要とされる。半自動小出しシステムは、何らかの自動化、例えば配置場所へのユーザの誘導および小出しのためにユーザにより回収されるべき物品の識別を含むのが良い。手動小出しシステムでは、ユーザが物品を見つけ出してこの物品を最小限の支援で小出ししなければならない。本明細書において説明する例示の実施形態の構成可能なトレーは、これら小出しシステムのどれにも採用できる。
【0020】
本解決手段の一実施形態によれば、小出しシステム用の構成ツール100が
図1に示されている。構成ツール100は、構成インターフェース120のところでユーザ入力110を受け取るための手段を含む。ユーザ入力は、種々の形態をなすことができる。例えば、ユーザがアイテム、例えば、薬物の単位用量をストックしているときに、ユーザ入力としては、情報、例えば薬物の種類、薬物の大きさ、薬物の形態、アイテムの体積、薬物の重量などが挙げられる。情報の多様性は、説明目的のためだけに提供されている。アイテム(この場合、薬物)の特性の理解を助ける情報であればどれも許容できるものとみなされ得る。2つ以上のアイテムが検討されている場合、構成インターフェース120は、1つ以上のアイテムの各々の特性に関するユーザ入力を受け取ることになる。
【0021】
次に、構成インターフェース120のところで受け取られたユーザ入力110をコンフィグレータモジュール130に送り、ここで、ユーザ入力は、ユーザが1つ以上のアイテムを配置しながら検討するのが良い推奨レイアウト(この時点では示されていない)を決定するよう処理される。本技術のある特定の観点では、1つ以上のアイテムの配置は、トレー(この時点では示されていない)上で実施されるのが良い。代表的な場合では、1つ以上の物品の配置は、セパレータまたは境界要素の使用を含む場合がある。1つ以上の境界要素は、保管領域または空所を表すよう利用されるのが良い。これは、幾つかの場合においては、ビンに似ているのが良い。境界が1つ以上のセパレータによって画定される場合のあるかかる保管領域の寸法決めは、1つ以上の物品の特性に基づいて構成内容決定モジュールによって決定されるのが良い。トレーは、少なくとも1つのかかる保管領域を含むのが良い。代表的な場合では、2つ以上の物品がトレー内に保管されることが必要な場合、多くのセパレータが2つ以上の保管領域を画定するために利用できる。幾つかの実施例では、2つの隣り合う保管領域は、共通のセパレータを共有することができる。しかしながら、2つの別々の保管領域が共通のセパレータを備えないこともまた可能である。次に、かかる保管領域または空所を備えたトレーを、1つ以上のアイテムが収納された状態でストックするのが良く、そして有利には、小出しシステム中に装填する。1つ以上の物品/アイテムの保管は、物品の種類、または物品の形状のいずれかによって、あるいは、意図したレシピエント、例えば最終使用者(例えば、患者)によって定められる幾つかの群をなして行われるのが良い。保管領域を画定するために用いられるセパレータの選択は、1つ以上のアイテムの大きさに基づいて行われるのが良く、その結果、全てのアイテムは、安全かつ確実に保管されることが可能になっている。1つ以上のアイテムを幾つかの群をなして保管することが有利な場合がある。例示の一実施形態では、「鎮痛剤」と分類されている薬物は全て、1つの保管領域に保管されるのが良い。別の例示の実施形態では、“IBUPROFEN 200mg ”と分類される薬物は全て、ブランドまたは製造者とは無関係に単一の保管領域に保管されるのが良い。別の例示の実施形態では、ファイザー(Pfizer)社によって製造されたイブプロフェン(Ibuprofen )という特定のブランドである“ADVIL ”と(一例として)分類される薬物は全て、単一の保管領域内に保管されるのが良い。また、当業者には明らかであるはずのこととして、薬物が臨床的に同一である限り、同一の場所で互いに異なる製造業者からのアイテム、例えば薬物の互いに異なる形態を有することができる。
【0022】
幾つかの場合、1つ以上のアイテムの配置は、本質的には、1つ以上のアイテムの量によって、しかしながら、他の幾つかの場合においては、大きさ、体積または重量によっても強いられて2つ以上のトレーを必要とする場合がある。かかる場合、構成内容決定モジュール130は、必要とされる1つ以上のアイテムの全てが1つ以上のトレー内に完全に配置されるまで、1つ以上のアイテムの各々のうちのどれほど多くがトレー1、トレー2など内に配置されなければならないかについての命令を提供することができるものと見なし得る。構成内容決定モジュール130は、構成内容推奨策150の形態で示唆されたレイアウトをユーザに提供することもまた理解されなければならない。ユーザは、有利には、推奨策150を用いて1つ以上のアイテムを小出しシステム中に装填する前に効率的に配置することができる。推奨策150は、電子ディスプレイの形態でまたは印刷可能なフォーマットで提供できる。幾つかの場合においては、システム100は、推奨を表示するための表示装置(この時点では示されていない)を含むのが良い。幾つかの他の場合に関しては、システム100はまた、実際に準備されたレイアウトがコンフィグレーション推奨策150の形態の推奨レイアウトと同一であるかどうかを確認する機能をさらに備えるのが良い。
【0023】
自動および半自動小出しシステムは、自動小出しの諸機能を制御するよう構成されたコントローラを必要とする場合がある。コントローラは、種々の仕方で構成されるのが良く、その一例が
図2に示されている。例示の実施形態のコントローラは、処理回路系を含むのが良い。処理回路系は、本明細書において開示される1つ以上の例示の実施形態に従って行為を実施するよう構成されているのが良い。この点に関し、処理回路系は、種々の例示の実施形態に従って、物品、例えば薬物および/または各種医療用品の取り扱い、保管、または分布の1つ以上の機能性のパフォーマンスを実行するとともに/あるいは制御するよう構成されるのが良い。処理回路系は、1つ以上の例示の実施形態に従って、データ処理、アプリケーション実行、および/または他の処理および管理サービスを実施するよう構成されるのが良い。幾つかの実施形態では、コンピューティングデバイスまたはその一部分もしくはコンポーネント、例えば処理回路系は、回路チップとして具体化でき、または回路チップを含むのが良い。回路チップは、本明細書において記載する機能性を提供するための1つ以上のオペレーションまたは演算を実行する手段を構成することができる。
【0024】
自動または半自動小出しシステム200のコントローラとして具体化できる装置の概略的な記載が、
図2に示されている。小出しシステム200のコントローラは、
図1の構成内容決定モジュール130として具体化でき、または小出しシステム140の一部として具体化された別個の要素であって良い。図示のように、幾つかの例示の実施形態では、処理回路系は、プロセッサ230を含むのが良く、幾つかの実施形態では、メモリ232をさらに含むのが良い。処理回路系は、ユーザインターフェース234および/または通信インターフェース236と連絡状態をなすことができ、これらを含むことができ、または違ったやり方で制御することができる。したがって、処理回路系は、本明細書において説明するオペレーションまたは演算を実行するよう構成された(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを備えた)回路チップ(例えば、集積回路チップ)として具体化できる。
【0025】
プロセッサ230は、多種多様な仕方で具体化できる。例えば、プロセッサは、種々の処理手段、例えばマイクロプロセッサまたは他の処理要素、コプロセッサ、コントローラ、もしくは、集積回路、例えばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などを含む種々の他のコンピューティングまたは処理デバイスのうちの1つ以上として具体化できる。単一のプロセッサとして図示されているが、このプロセッサは、複数のプロセッサから成っていても良いことが理解されよう。複数のプロセッサは、互いに作用的連絡状態にあるのが良く、そして本明細書において説明するような薬物を取り扱い、保管し、輸送し、または分布させるためのシステムの1つ以上の機能を実行するようひとまとめに構成されても良い。複数のプロセッサは、単一のコンピューティングデバイス上に具体化されても良く、あるいは複数のコンピューティングデバイス全体に分散配置されても良い。幾つかの例示の実施形態では、プロセッサは、メモリに記憶された命令を実行しまたは違ったやり方でプロセッサに接近可能であるよう構成されているのが良い。したがって、ハードウェアによって構成されているにせよ、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成されているにせよ、いずれにせよ、プロセッサは、本発明の実施形態に従ってオペレーションまたは演算を実行することができる一方でそれに従って構成された要素(例えば、物理的に回路内に具体化された―処理回路系の形態をなしている)を表しているといえる。かくして、例えば、プロセッサがASIC、FPGAなどとして具現化されている場合、プロセッサは、本明細書において説明するオペレーションまたは演算を遂行するための特別に構成されたハードウェアであるのが良い。変形例として、別の例として、プロセッサがソフトウェア命令の実行手段として具体化されている場合、命令は、本明細書において説明する1つ以上のオペレーションまたは演算を実行するようプロセッサを具体的に構成するのが良い。
【0026】
幾つかの例示の実施形態では、メモリ232は、固定状態であっても良くまたはリムーバブルであっても良い1つ以上の非一過性メモリデバイスまたは記憶装置、例えば、揮発性および/または非揮発性メモリを含むのが良い。この点に関し、メモリ232は、非一過性コンピュータ可読記憶媒体を含むのが良い。理解されるように、メモリ232が、単一のメモリとして図示されているが、このメモリは、複数のメモリから成っていても良い。複数のメモリは、単一のコンピューティングデバイス上に具体化されても良く、複数のコンピューティングデバイス全体にわたって分散配置されても良い。メモリは、本発明の実施形態が1つ以上の例示の実施形態に従って種々の機能を実行することができるようにするための情報、データ、アプリケーション、命令、および/またはその他を記憶するよう構成されているのが良い。例えば、メモリは、プロセッサによる処理可能に入力データをバッファするよう構成されているのが良い。追加的にまたは代替的に、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するよう構成されていても良い。さらに別の変形例として、メモリは、種々のファイル、コンテンツ、またはデータセットを記憶することができる1つ以上のデータベースを含んでも良い。メモリのコンテンツのうちで、アプリケーションは、それぞれの各アプリケーションと関連した機能を実施するようプロセッサによって実行可能に記憶されるのが良い。
【0027】
例示の実施形態のユーザインターフェース234、例えば自動小出しシステムのユーザモジュールのユーザインターフェースは、ユーザインターフェースにおけるユーザ入力の指示を受け取るとともに/あるいは可聴、可視、機械的、または他の出力をユーザに提供するよう処理回路と通信状態にあるのが良い。したがって、ユーザインターフェースとしては、例えば、ユーザ入力インターフェース234、例えばキーボード、マウス、ジョイスティック、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、マイクロフォン、スピーカ、および/または他の入力/出力機構が挙げられる。したがって、ユーザインターフェース234は、幾つかの例示の実施形態では、本発明の実施形態のユーザによる制御のための手段となる。本発明がサーバ、クラウドコンピューティングシステムなどとして具体化される幾つかの例示の実施形態では、ユーザインターフェースの諸観点は、限定される場合があり、またはユーザインターフェースが存在しない場合がある。幾つかの例示の実施形態では、ユーザインターフェースの1つ以上の観点は、ユーザ端末上で具体化されても良い。したがって、具体化とは無関係に、ユーザインターフェースは、1つ以上の例示の実施形態に従って、薬物の取り扱い、保管、輸送、または配送を容易にする入力および出力手段となることができる。
【0028】
通信インターフェース236は、他のデバイスおよび/またはネットワークとの通信を実行可能にする1つ以上のインターフェース機構を含むのが良い。幾つかの場合、通信インターフェースは、処理回路系と通信状態にあるネットワークおよび/または任意他のデバイスまたはモジュールへのデータの送受を行うよう構成された任意の手段、例えば、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせのいずれかに具体化されたデバイスまたは回路系であって良い。一例として、通信インターフェース236は、本発明の実施形態がアプリケーションサーバ(1つまたは複数)および/または各種ネットワークおよび/または各種情報データベースと通信することができるようにするよう構成されているのが良い。したがって、通信インターフェースとしては、例えば、ケーブル、デジタル加入者回線(DSL)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(Ethernet)、または他の方法による通信を可能にする支援ハードウェアおよび/またはソフトウェアが挙げられる。
【0029】
図3は、本発明の例示の実施形態に係る自動小出しシステム200の一実施形態を示しており、この自動小出しシステムは、
図2を参照して上述したコントローラによって制御されるのが良い。図示の実施形態は、ロボット204に近接して配置された複数の保管モジュール202を含み、ロボット204は、例えば、以下にさらに説明するように物品の回収および小出しのための多軸ロボットアームであるのが良い。ロボット204は、このロボットが軌道に沿って動くことができるようにする軌道システム206上に位置決めされるのが良く、それにより、保管モジュールへのアクセスを高めるとともに、自動小出しシステムの拡張性およびモジュール性を可能にする。ロボット204は、物品に必要に応じて回収可能に、運動可能に、および配置可能に結合するよう構成された腕先(アームエンド)ツール208を含むのが良い。本明細書において説明する例示の実施形態は、軌道システム206上に位置決めされたロボット204を採用するが、実施形態の中には、定置状態にかつ固定場所にあるロボット、またはオプションとして、ある形態の自己推進方式により本明細書において説明するモジュール相互間を自由に動くことができるロボットを含む実施形態がある。
【0030】
幾つかの実施形態によれば、以下の開示によって明らかであるように、物品の分配および物品の操作を容易にするために、ワークプラットフォーム210が設けられるのが良い。このワークプラットフォーム210は、有利には、ロボット204に結合されるのが良く、しかもロボット204を備えた軌道システム206を横切って延びるのが良い。ロボットおよびワークプラットフォーム210は、任意の従来方法で、例えばピニオン歯車がロボット204のベースに取り付けられるとともに、ラック歯車が軌道システムに沿って延びる状態で、軌道システムに沿って動く。オプションとして、ロボット204は、軌道システム206に沿ってベルト駆動されるのが良い。軌道システムに沿うロボットの原動力としての機構とは無関係に、軌道システムに沿うロボットの位置は、軌道システム内の埋め込みセンサまたはタグ、ロボット204の変位量測定、または軌道システムに沿う位置を正確に測定する任意の方法により精密にモニタされるのが良い。軌道システム206に沿う位置の測定は、ロボット204のアームの正確かつ再現可能な運動、および腕先ツール208の位置決めを容易にして、システム200全体を通じて物品の回収および運動の精度を高めることができる。電力、水力(必要であれば)、空気圧連絡手段(例えば、真空または圧力)、およびハードワイヤード通信が、全ての必要なワイヤリング、配管などを束ねることができる1つのアンビリカル205または多数のアンビリカルによりロボット204と連絡状態にあるのが良く、そしてこれらにより、ロボット204は、定置機器、例えばコントローラ、油圧ポンプ、空気圧ポンプ、および電力源との電気および流体連通状態のままの状態で、軌道206を横切ることができる。
【0031】
保管モジュール202は、複数の物品を保管するように構成されているのが良く、各物品は、ロボット204の腕先ツール208に接近可能である。垂直棚の配置は、複数の物品を保管するのに十分であるといえるが、保管密度を高めるためには、利用可能な保管場所は、保管能力の実質的な増加を提供するよう水平に延びるのが良い。この保管能力の増大を達成するために、保管モジュールは、保管モジュール202内に受け入れられるのが良い複数のトレー212を有するのが良く、これらトレーは、トレー202が保管モジュール内に受け入れられる保管位置と、トレー212が保管モジュールからスライドして出てきてロボット204および腕先ツール208に接近可能な回収位置との間で動かされるよう構成されるのが良い。これらトレーは、以下にさらに詳細に説明するように注文構成されるのが良い。
【0032】
例示の実施形態の自動小出しシステム200は、ユーザモジュール214をさらに含むのが良く、このユーザモジュールは、
図2のコントローラによって具体化できまたはこれとは別体であっても良い。例示の実施形態の自動小出しシステム200は、遠隔インターフェースまたは遠隔注文リクエスト/フルフィルメント装置、例えば遠隔ワークステーション、コンピュータ、コントローラなどにより完全に制御可能であっても良いが、図示の実施形態は、自動小出しシステムと一体化されたユーザモジュール214を含む。ユーザモジュール214は、ユーザインターフェース216を含むのが良い。ユーザインターフェース216は、情報をユーザに提供する手段、例えばディスプレイ(例えば、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイなど)、およびユーザが情報を提供する手段を含むのが良い。情報を提供する手段としては、タッチスクリーンディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス)、スキャンデバイス(例えば、バーコードスキャナまたは無線認証(RFID)スキャナなど)などが挙げられる。ユーザモジュール214は、物品の小出しを要求し、小出しされるべき物品のキューをレビューし、エラーをレビューし、または問題を是正するなどのために用いられるのが良い。
【0033】
例示の実施形態の自動小出しシステム200は、物品を自動的な仕方で回収したり、小出ししたりすることができ、しかも配送装置に対してこのようにするのが良い。例えば、自動小出しシステム200は、物品をトレー212から、例えばビンに小出しするのが良い。ヘルスケア施設の自動小出しシステムの例示の実施形態によれば、このシステムは、特定の患者向けに1種類以上の薬物を小出しするためのリクエストを受け取るのが良い。これに応答して、ロボット204は、軌道システム206に沿って、リクエストされた薬物のうちの1つ以上を収容したトレーに接近できる位置まで前進するのが良い。トレー212を、保管モジュール202の機構によるか、ロボット204を用いてトレーを回収位置に動かすかのいずれかにより回収位置まで送り進められるのが良い。トレーがいったん回収位置に至ると、ロボットの腕先ツール208は、ロボット204によってリクエストされた薬物のうちの1つが保管されるトレー内の場所の上方の位置まで動かされるのが良い。腕先ツール208は、当該場所に保管された薬物を回収することができ、そして薬物を小出し場所に動かすことができる。小出し場所は、例えば、患者専用ビンであるのが良く、患者専用ビンは、ワークプラットフォーム210上に位置決めさてもよく、あるいは自動小出しシステム200のモジュールの小出し領域のところに位置決めされても良い。患者のためのリクエストされた薬物の各々がいったん取り出されて患者専用ビンに小出しされると、ビンは、患者まで輸送可能な場所に動かされるのが良い。運搬装置のかかる一例は、カート、例えばナースカートである。
【0034】
図3の例示の実施形態は、カートモジュール218およびカート220を含む。カート220は、複数のトレーを含む補充カートとして具体化されるのが良く、かかる補充カートは、本明細書において説明する例示の実施形態に従ってカスタマイズされてもよく、あるいは、例えば、ナースカートまたは緊急カートを含んでも良い。ナースカートまたは緊急カートは、カートをストックしまたは補充するために、自動小出しシステムによって小出しされた物品を受け入れるのが良い。カートは、このカートの1つ以上のトレー内に小出し物品を受け入れるのが良く、かかるトレーは、以下にさらに説明するようにカスタマイズされるのが良い。追加的にまたは代替的に、自動小出しシステム200は、カスタマイズされたトレーを交換して、カートに小出しされる物品により適切な構成を有するトレーを提供するように構成されてもよい。オプションとして、カスタマイズされたトレーは、物品をあらかじめ備えるとともにあらかじめストックしているのが良く、これは、特にあらかじめストックされているトレーが特定の目的に共通でありかつ施設内でしばしば用いられる物品を備えた状態でストックされる場合にそうである。
【0035】
カートの例としては、補充カートであるにせよ、ナースカートであるにせよ、緊急カートなどであるにせよ、いずれにせよ、自動小出しシステム200の外部の位置からカートモジュール218内に受け入れられるのが良く、その結果、カートモジュールへのカートの出し入れ動作は、システム内のロボット204の作動を妨害することがないようになっている。カートは、カートモジュール218内でロボット204に接近可能であるのが良い。ロボットは、物品、例えば薬物またはあらかじめストックされたトレーをカートモジュール218のカート220まで動かすのが良く、その結果、物品は、カート上のトレーに小出しされ、あるいはストックされたトレーがカート220中に挿入されるようになっている。
【0036】
本明細書において説明する例示の実施形態によれば、自動小出しシステム200は、手動介入を必要としないで、複数の物品、例えば薬物を運搬装置、例えばカート220に小出しするのが良い。この自動小出しは、物品が自動小出しシステム200内に受け入れられるときに、および物品が小出しのためにシステム内に回収されるときに物品を適正に識別することによって達成されるのが良い。例示の実施形態としてのカート250が
図4に示されており、このカートは、ナースカートであるのが良い。図示のように、カート250は、ワークステーション252を含むのが良く、ワークステーション252は、
図2の装置によって具体化されるのが良く、そしてこのワークステーションは、処理回路系、ユーザインターフェース、通信インターフェース、メモリなどを含むのが良い。ユーザインターフェースとしては、情報をエンターすることができまたはディスプレイ256上に示されたオプションを選択することができるキーボード254、マウス、タッチスクリーン、トラックボールなどが挙げられる。カート250は、物品を保持するよう構成された複数の引き出しまたはスライディングトレー258,260を含むのが良い。トレーは、互いに異なる大きさの物品を収容するために、浅めのトレー258および深めのトレー260などの互いに異なる高さのトレーを含むのが良い。
【0037】
小出し装置内の物品についての接近可能な組織化された保管を可能にするため、小出し装置が
図3の自動小出しシステム200であるにせよ
図4のナースカート250であるにせよいずれにせよ、トレーは、ユーザによってまたは自動ロボット手段によって回収可能に物品を提供するために用いられる。従来、トレーは、1つ以上の規定された保管領域を有し、仕切りが必要に応じてトレーの内容物を分離するために保管領域相互間に設けられていた。しかしながら、これら規定保管領域は、様々な物品が単一のトレーに保管される場合に、様々な大きさおよび形状の物品の効率的な保管には好適ではない場合がある。例えば、再び医療分野に注目すると、トレーは、極めて小さい場合のある薬物の単位用量ブリスタと極めて大きい場合のある点滴バッグの両方を保管するために用いられる場合がある。トレーは、大きな保管領域と小さな保管領域の両方を備えている場合があるが、大きさおよび形状が異なる物品の量は、トレーごとに様々な場合があり、その結果、全てのシナリオにおいて有用な一定のトレー形態は存在しない。
【0038】
本明細書において提供される実施形態により、単一のトレーが、例えばトレー内における保管効率を最大にするために、増加する互いに異なる大きさおよび形状の物品をユーザによって規定される混在状態に対応するよう構成できる。トレーは、種々の目的およびシナリオ向きに構成でき、しかもトレーは、要望の変化に合わせて必要に応じて再構成されるのが良い。
【0039】
本発明の実施形態は、様々な産業のうちの任意のものに採用することができるが、本明細書では、例示の実施形態を医療分野に関して説明する。医療分野は、様々なやり方でかつ多種多様なケア施設での物品のフルフィルメントおよび小出しを採用しており、したがって、同一である小出し作業は2つとしてない場合がある。薬剤師、看護師、および自動小出し装置は、施設の個別的要求および単一の施設の異なる領域内におけるさらに様々な要望に合わせるために、ナースカート、緊急カート、オフライン保管トレーなど向きのトレーに一様ではない薬剤および医療用品を並べるのが良い。本発明の実施形態は、自動化を用いてカスタマイズ可能なトレーを作ってこれらの要求を一意的に満たす。
【0040】
ナースカートまたは緊急カートの元の機器製造業者は、特定施設の要求または個人の好みに合う特定のトレー形式に対応することができず、その結果、トレーは、手でトレー内の空間が最適化されない非効率的なやり方で満たされる場合が多い。さらに、物品は、一意的な保管場所を備えていない場合があり、その結果、物品は、他の物品と混じり合う場合があり、それにより、看護師または医師に多大な重荷を課して混ざり合った物品をくまなく探して看護師または医師が探している物品を取り出すようになっている。
【0041】
本明細書において説明する実施形態によれば、ユーザの要望に特に対応し、かつユーザの要望の変化に応じて変更することができるカスタマイズされたトレーを作成することができる。
図5は、カスタマイズ可能なトレー400の例示の実施形態を示しており、このカスタマイズ可能なトレーは、種々の形状および大きさのビンを受け入れることができる一連の穴402または窪みを有するのが良い。
図5は一連の穴402を示しているが、実施形態の中には、構成可能なビンをトレーに固定するための様々な取り付け手段、例えば磁石、ペグ/ピン、吸引カップ、クリップ、ベルクロ(登録商標)(Velcro)、ならびにビン(ネスト、ビンおよびセパレータ)とトレーとの間の取り付けを可能にする任意他のカスタム嵌まり合い幾何学的配置を含む実施形態がある。また、複数の互いに異なる大きさのビン404,406,408,410,412もまた
図5に示されている。ビン、例えばビン404,406,408,410,412は、単一のコンパートメントを有するのが良く、例えばビン408のようなビンは、複数のこれよりも小さなコンパートメントを有するのが良い。ビンは、任意適当な大きさおよび形状のものであって良く、これらビンは、互いに異なる目的でトレー内に保管されたり小出しされたりする物品に基づいてカスタマイズされるのが良い。
【0042】
上述したように、
図5に示されているようなビン404,406,408,410,412は、ビンの1つ以上の側部を形成するセパレータの使用を含むサブコンポーネント(この時点では図示せず)を用いてあらかじめ形成されていても良く、または形成されても良い。かかる特徴の利点としては、ビンの大きさをカスタマイズして標準寸法のものではないアイテムに正確に適合し、または非標準型アイテムを含むことができるということが挙げられる。本明細書における「ビン」という用語の使用は、一定形状、一定サイズおよび一定深さのあらかじめ形成されたビンを含むものとして、ならびにセパレータを用いてビンをカスタム形成することができるものとして解されるべきである。さらに、例えば、ビン408を模倣するようカスタムビンを形成するため、多数のセパレータを使用して外側境界および1つ以上の仕切りを形成して内側境界を形成しなければならない場合がある。セパレータの各々は、1つ以上の穴402を用いてトレーに固定されるのが良い。幾つかの実施形態では、セパレータは、仕切りを固定するための手段を含むのが良く、すなわち、仕切りは、常に穴402に取り付けられるわけではなく、これとは異なり、仕切りは、セパレータに取り付けられる場合がある。
【0043】
ビンを固定するための取り付け手段、例えばトレー400の穴402を用いて、ビンを固定して、
図6に示されているような種々の大きさ・形状のビンのカスタマイズされたレイアウトを備えたトレーを形成するのが良い。図示のように、
図5に示された種々の大きさのビンは、トレー400上に位置決めされるとともに、穴402という取り付け手段を用いてトレーに固定される。ビンは、嵌合取り付け手段、例えば穴402内に受け入れられるピンを含むのが良い。別の取り付け手段の使用としては、ビンに設けられた磁石がビンを磁性または鉄製金属サブストレートに取り付けること、ビンをトレー400のクリップ内に入れること、トレーから延びるピンを受け入れるよう構成された穴を備えたビンを提供すること、またはビンをトレーが動かされている間に固定位置に保つ仕方でビンをトレーに固定するのに利用できる任意の手段を提供することが挙げられる。また、幾つかの例示の実施形態において、トレーへのネスト、ビン、またはセパレータの機械的固定が、機械的固定によって生じる電気/電子信号をトリガーできることもまた想定される。かかる電気/電子信号を用いると、この固定をさらに検出するとともにこの固定位置を確認することができる。これは、ネスト、ビン、セパレータの位置、配置、および/または方位を確認するための一次的または二次的手段としての役目を果たすことができる。
【0044】
例示の実施形態によれば、ビン404,406,408,410,412は、ビンの形式または大きさの識別子を含むのが良く、この識別子は無線認証(RFID)またはバーコード識別子であるのが良い。ビン識別子を例えばトレーと関連したRFIDリーダーを用いて、トレー400への装着時に読み取るのが良く、それにより識別されたビンが設置された場所を特定することができる。オプションとして、ビンの構成またはビンをそれぞれトレー400に取り付ける他の機構は、各ビンサイズについて一意的であるのが良く、その結果、トレーは、トレーとの係合に基づいてビンの形式/大きさ/形状を認識することができるようになっている。
【0045】
ビンのカスタマイズ可能な構成を用いて、実施形態は、かかる保管・小出しが適切である任意の目的についてカスタマイズされたトレーを提供することができる。ビンをトレー上に配置する仕方および選択されるビンの大きさは、本明細書で説明するように、自動化されまたは半自動化されるのが良い。さらに、トレーは、ユーザの要望が変わり、しかも異なる大きさ、形状、または量の物品が必要とされる場合には必要に応じて再構成されるのが良い。
【0046】
図5および
図6は、トレー400をカスタマイズして構成するために使用できる大きさの異なるビンを示しているが、
図7は、セパレータまたは種々の大きさのセパレータがビンの境界またはビン内の保管領域を画定するために用いられる別の実施形態を例示している。図示のように、セパレータは、種々の大きさのものであるのが良く、例えば、短いセパレータ602、中くらいのセパレータ604、および長いセパレータ606であるのが良い。3つのセパレータサイズが図示されているが、任意の数のセパレータを用いることができる。セパレータは、取り付け手段を用いてトレー400上に配置されるのが良く、それによりビン、例えばビン608およびビン610を形成することができる。セパレータは、2つ以上のビンで共有されるのが良く、例えば、長いセパレータ612は、数個のビン616を画定するために用いられる中くらいのセパレータ614と組み合わせて用いられる。さらに、セパレータは、可撓性材料のものであるのが良く、その結果、これらセパレータは、トレーのビンに2つ以上の側部を提供するよう湾曲することができるようになっている。かくして、本明細書において説明するように、ビンは、あらかじめ形成されたビンか図示のように1つ以上のセパレータを用いてカスタム形成されたビンかのいずれかを用いてトレー内に形成されるのが良い。幾つかの場合、セパレータは、長さと幅だけで画定されるわけではなく、高さによっても画定される空間を形成するために使用されるのが良い。
【0047】
例示の実施形態によれば、ユーザは、例えばユーザインターフェース(例えば、
図2のユーザインターフェース234)上に示された物品の選択により、どの物品がトレー内に保管されるべきであるかを決定することができる。
図8は、トレー上に適切な大きさのビンまたはビン領域を並べるためにトレーの内容物を選択するユーザインターフェース500の例示の実施形態を示している。図示のように、ドロップダウンメニュー504を用いてトレー502を設定可能に選択し、ドロップダウンメニューは、図示の実施形態では、緊急カートのトレー番号「1」を示している。プロダクト506をドロップダウンメニュー508で選択し、形態510をメニュー512により、数量514をドロップダウンメニュー516により選択する。いったん選択すると、内容物を「トレーに追加」ボタン518によりトレー在庫に追加するのが良い。現在のトレー内容物が窓520に示されており、物理的トレーレイアウトが522のところに示される。適切な大きさのビンがソフトウェアによって選択され、内容物の互いに異なる要素を収容することができるようになる。トレー内容物の個々のアイテムがそれぞれ別々のビンに指定されても良いが、実施形態では、ユーザは、特定のプロダクトを幾つも単一のビン内に保管することができ、例えば、薬物の多くの単位用量ブリスタをトレー内の単一のビン内に保管することができる。
【0048】
図8のトレーレイアウト522を構成するソフトウェアは、トレー内容物520を収容するのに必要とされるビンの大きさ(ビンサイズ)に基づいてトレーのレイアウトを最適化することができる空間最適化ソフトウェアを含むのが良い。オプションとして、トレーが多トレー型カート向きに保管されるとともにカスタマイズされている場合、ソフトウェアは、数個のトレーの全体にわたって数個のトレーの内容物のレイアウトを最適化し、それにより、ソフトウェアがトレー中の空間を最適化するためのフレキシビリティを提供するよう作成されるのが良い。しかしながら、単一のトレーが構成されている例示の実施形態では、ソフトウェアは、当該トレーの所望の内容物に基づいて単一のトレーを最適化することができ、しかもトレーの容量がオーバーしたときにソフトウェアがユーザに通知し、ユーザが1つ以上のアイテムを取り除いて単一のトレーの保管容量内に納まるようにする方法を提供することができる。
【0049】
幾つかの実施形態によれば、ユーザは、
図9に示すような、ビン/セパレータのビルディングブロックを用いてトレーを見た目に構築することができ、この場合ユーザは、特定の設定を選択して、1つ以上のセパレータ/あらかじめ寸法決めされたビンレイアウトをトレー522のレイアウト上に置くことができる。これは、ドラグ・アンド・ドロップ操作であるのが良く、この場合、ユーザは、選択されたセパレータまたはビンをトレー522のレイアウトにドラグする。セパレータ/ビンは、ビンをトレーと良好に整列させるために、視覚的には、ユーザがセパレータ/ビンをドロップした場所の最も近くの位置に「スナップ」動作でカチッと動くように見える。変形例として、ユーザは、セパレータ/ビンをトレー522のレイアウトまでドラグすると、ソフトウェアがトレー522のレイアウトを再構成して選択されたセパレータ/ビンのレイアウトを最適化することができる。
【0050】
図7および
図8を参照して説明したユーザインターフェースを用いてトレーのレイアウトを生成することができるが、実施形態によっては、トレーを手動または自動化された方法で、指定された場所内のセパレータ/ビンとアセンブルすることができる。ソフトウェアにより特定されたトレー522のレイアウトは、ユーザがビンを複数の保管状態のビンの中から選択する手段としてのマップを提供することができ、そしてこれらの選択されたビンをレイアウトによって指示されるようにトレーにアセンブルすることができる。オプションとして、自動手段によってトレーをアセンブルすることができ、それにより、ロボットは、レイアウト中の特定されたセパレータ/ビンを選択し、そしてこれらビンを指定されたトレー上に載せる。自動小出しシステム、例えば
図3のシステム200は、かかるカスタマイズされたトレーを必要な場合に構築することができる。
【0051】
トレーレイアウトを物理的に構築するための半自動機構は、特定されたレイアウトに適したセパレータ/ビンの自動小出しを含み、この場合、ユーザは、レイアウトを特定されたレイアウトに従って構築する。トレーレイアウトは、画像捕捉装置によってモニタされるのが良く、画像捕捉装置は、ビンがレイアウト中に特定された場所に正しく配置されていることを確認することができ、そしてビンが置き間違えられた場合または不適切な大きさのビンが特定の位置に用いられている場合にはユーザに警告を出すことができる。これは、ユーザがソフトウェアで特定されたトレーに相応したトレーを構築するのを助けることができる。
【0052】
オプションとして、トレー上の複数のビンの各々の配置場所をトレー上に投影するために光源が用いられるのが良く、その結果、ユーザは、トレー上の投影レイアウトに基づいてトレーを構築することができるようになっている。この投影レイアウトは、ユーザが穴またはピンを数えるのに依存するのではなく、ビンまたはセパレータに適した取り付け手段を識別してビンまたはセパレータの適切な配置場所を確認するのを助けることができる。
【0053】
本発明の別の観点によれば、ユーザは、セパレータ/ビンの初期セットを用いてトレーレイアウトを形成することができる。このトレーレイアウトは、有利には、ソフトウェアを用いて、このトレーレイアウトを改善しまたは最適化することができ、それによりセパレータ/ビンの初期配置を機能性の向上のためにどのように変更すればよいかについての推奨策を提供することができる。
【0054】
本発明のさらに別の観点によれば、システムは、機械学習/人工知能を用いて、ビン/セパレータの作成されたレイアウトの各々からさらに学習し、そして各レイアウトを特定のアイテム、特定のユーザ、または自動小出しシステムの特定のモデルに対して関連づけることができる。かかる相関は、システムが学習してセパレータ/ビンのより効果的なレイアウトを提供することができるようさらに利用でき、この場合、レイアウトの新たに推奨された各構成内容は、トレー内のセパレータ/ビンの過去に作成されたレイアウトおよび構成内容の全てを考慮した十分な情報に基づいたレイアウトである。さらに、多数回の設置にわたりかかる好ましいレイアウトまたは構成内容のライブラリを作成し、維持し、共有し、そしてアイテムの形式、大きさ、形状、体積、およびフォーマットならびに自動小出しシステム、ユーザ、または手順のクラスによってマップされたトレーのレイアウトおよび構成内容のかかるライブラリへの接近を可能にするよう会員登録する機能を顧客に提供することがさらに想定できる。
【0055】
幾つかの実施形態によれば、各ビンは、一意的識別子を有するのが良い。一意的識別子としては、例えば、無線認証(RFID)タグまたはバーコードが挙げられる。
図10は、トレー400が複数のビン(404~412)を有するかかる実施形態を示しており、各ビンは一意的バーコード識別子420を有する。この一意的ビン識別子は、各ビンをビン内に受け入れられた物品と関連づけるために使用できる。ビンは、自動または手動手段により装填されるのが良く、各ビンをこれが装填されるときに、このビン内に受け入れられた物品に関連づけるのが良い。例えば、自動装填プロセスでは、ロボットは、トレーについて指定されたプロダクトをビンに装填することができ、そして装填されるときにビンの識別子420をスキャンすることができる。変形例として、手動操作では、ユーザは、装填されている物品の識別コードをスキャンし、そしてこのプロダクトが装填されたビンの識別子420をスキャンしても良い。このようにして、トレー内の各プロダクトを一意的に識別されたビンと一意的に関連づける。かかる関連づけにより、ビンの内容物およびトレーの内容物のより正確な追跡が可能になる一方でさらにビンからの物品の正確な小出しが容易になる。物品が小出しされるとき、ビン識別子420を走査するのが良く、それにより適切な物品の取り出しを確認するのが良い。
【0056】
本明細書において説明している実施形態は、オプションとして、トレー400それ自体に施された一意的識別子422を含むのが良い。かかる識別子は、トレーを一意的に識別することができ、次に、トレーの内容物をユーザに知らせることができる。さらに、トレーを特定の使用に必要な場合のある特定の構成内容に従ってカスタマイズして構築することができる。トレーを保管場所に保管することができ、そして特定の構成内容のトレーについて必要性が生じたときに取り出すことができる。例えば、トレーは、インフルエンザ患者の治療のために特別に特定された物品について構成内容を含むのが良い。かかるトレーは、1年の間に常時必要とされるとは限らず、ナースカートは、インフルエンザのピーク流行期中にかかるトレーを多く必要とする場合がある。かかる実施形態では、インフルエンザ患者用に特別に識別された物品を保管するよう構成されている一意的に識別されたトレーを、地域でインフルエンザが流行していないときにはナースカートの外に保管し、インフルエンザ流行期中にはナースカートに入れて使用できるよう取り出すのが良い。
【0057】
トレー構成内容を構築するために用いられるコントローラのユーザインターフェースは、必要に応じてソフトウェアのアップデートおよび修正を提供することができるサービスプロバイダと、例えば通信インターフェース236経由で連絡状態にあるのが良い。さらに、サービスプロバイダは、コントローラからのデータを用いて顧客により良いサービスを提供することができる。例えば、サービスプロバイダは、異なる顧客によって構築されたカスタマイズされたトレー相互間の共通の特徴を特定することができ、これらの特定された共通特徴を用いて、異なるタイプの顧客に用いられるよう独特のトレーを構築することができる。養護施設は、第1の構成内容のカスタムトレーを患者向けに構築することができ、この第1の構成内容は、他の養護施設で構築されたカスタムトレーと多くの共通の特徴を有する。サービスプロバイダは、これら共通特性を見極めて養護施設向けに独自に構成されたトレーを構築することができる。これは、例えば、養護施設の要望向けの独自のビンを含むのが良い。
【0058】
例示の実施形態によれば、トレーの各配置場所は、例えば
図10のバーコード420により一意的に識別でき、その結果、トレー内の配置場所の位置が分かるようになっている。例示の実施形態のソフトウェアによって生成されたトレーの幾何学的配置およびこの中の配置場所をメモリ、例えば
図2に例示されたコントローラのメモリ232に記憶させることができる。各トレーは、メモリ232が各トレーについての配置場所識別子と一緒に一意的レイアウトおよび幾何学的配置を含むように、一意的であるのが良い。かかる実施形態では、各トレーは、一意的識別子、例えばバーコード、2次元バーコード、RFIDタグなどを含むのが良い。オプションとして、トレーについては特定の数の構成内容が存在している場合があり、各構成内容は一意的識別コードを有するのが良い。かかる実施形態では、トレーの識別コードは、構成内容情報を提供するだけであっても良く、他方、保管モジュール内のトレーの配置場所をコントローラ232のメモリ内に記憶してトレーからの物品の取り出しを容易にすることができる。
【0059】
自動保管システム、例えば
図3の自動小出しシステム200の例示の実施形態では、トレー400は、特定の保管モジュール内に維持されるのがよく、またはこれと関連づけられるのが良く、その結果、トレーは、これからの物品の取り出しを可能にするよう補充されるようになっている。しかしながら、幾つかの実施形態によれば、トレーは、保管モジュールから取り外し可能であるのが良く、補充は、保管モジュール内のトレーの置き換えにより起こるのが良い。トレーが保管モジュールから取り出し可能なかかる場合において、トレー422の識別コードは、保管モジュール内への受け入れ時に、例えば走査装置のような装置によって読み取り可能であるのが良く、その結果、コントローラは、特定のトレーを自動保管装置内の特定の場所に関連づけることができるようになっている。
【0060】
本明細書において説明するように、物品が自動小出しシステムから小出しされているとき、物品の補充は、小出しのための物品の在庫を維持する上で必要とされる。補充は、小出し操作の間の停止時間で起こるのが良い操作であり、この操作は、例えば、小出しされる薬物が少ないヘルスケア施設では夜間に行われるのが良い。種々の補充方法を用いて、本明細書において説明する自動小出しシステムを補充することができ、そして迅速かつ効率的な仕方での補充は、補充が行われるのが良い停止時間が短い具体化例においては重要な場合がある。
【0061】
例示の実施形態の自動小出しシステム200はまた、本明細書において説明しているようなロボット204および腕先ツール208を用いて自動補充をもたらすことができる。補充は、トレー400全体またはその部分の置き換えにより行われるのが良い。例えば、補充カートがカートモジュール218内に受け入れられるのが良く、補充カート内には、複数のトレーが保管され、これら複数のトレーを上述したようにカスタマイズすることができる。これらトレーは、
図10を参照して上述したようなカスタマイズされた複数の保管場所を備えるのが良い。トレーは、カートから取り外し可能であるのが良く、したがって、トレーをロボット204によって取り出すことができるようになっている。補充カートのトレー400は、保管モジュール202のトレー212と同一サイズのものであるのが良く、これらトレー400は、保管モジュールのトレーと互換性があるのが良い。かかる実施形態では、補充は、保管モジュール内のトレーと補充カートからの交換用トレーとの交換により行われるのが良い。
【0062】
ロボット204は、物品が取り出されるとともに/あるいは保管場所に置かれるときに物品の識別コードを読み取るためのスキャナ、例えばバーコードスキャナ、RFIDタグスキャナ/リーダーなどを有するのが良い。さらに、このスキャナは、トレー400の識別コード422および/またはトレー内のビンの識別コード420を読み取るのが良い。スキャナは、精度を保証するためにかつ保管モジュールの特定の配置場所に保管されている物品が予想される物品と一致するようにするために、取り出されているまたは補充されている物品を識別するために使用できる。
【0063】
本システムの別の実施形態によれば、構成ツールは、入力として既に作成されたユーザレイアウトを用いるのが良く、そしてアルゴリズムを用いて、トレーの構成内容が最適であるかどうか、または推奨策が構成内容を変えるために行われるのが良いかどうかを分析するのが良い。本システムのさらに別の実施形態によれば、ユーザは、ユーザの個人的な好みに基づいて構成マップを作成し、そして小出しシステムが考慮すべき構成内容をアップロードするのが良い。かかる実施形態は、ユーザに好ましいトレーレイアウトを作成するチャンスを与え、他方、小出しシステムは、トレーレイアウトを最適化するための推奨策をもたらすことができる。ユーザ、例えば薬剤師は、オプションとして、トレー上に複数の物品を整理することができ、それにより、整理された物品に基づいてレイアウトを生じさせることができる。かかる実施形態では、セパレータは、レイアウトおよびビンを形成するために物品周りに組みつけられるのが良い。かかる実施形態は、画像捕捉装置を用いて整理された物品の画像を捕捉し、そしてビンエッジまたはセパレータのための配置場所を識別するのが良い。
【0064】
例示の実施形態によれば、自動小出しシステム200は、構成内容決定モジュール130と連絡状態にあるのがよく、その結果、自動小出しシステムは、構成内容決定モジュールのための入力を提供することができるようになっている。自動小出しシステムは、システム内の利用可能な空間を識別することができ、その結果、構成内容決定モジュール130は、システムによって必要とされる物品を識別することができ、そしてシステム内で利用できる空間の広さに基づいてこれら物品に優先順位をつけることができる。自動小出しシステム200は、システムの必要に応じて互いに異なるトレーのレイアウトの最大フレキシビリティを実行可能にするための入力を構成内容決定モジュール130に与えるのが良い。さらに、自動小出しシステム内の既存のトレーは、利用可能な空間を利用するとともに/あるいは、物品の過去の使用に従って物品を論理的に配置するために必要に応じて再構成されるのが良い。
【0065】
図11は、本発明の例示の実施形態にかかる方法およびプログラム製品の流れ図である。理解されるように、流れ図の各ブロックおよび流れ図中のブロックの組み合わせを種々の手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサ、回路系、および/または1つ以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアの実行と関連した他のデバイスによって具体化できる。これらコンピュータプログラム命令もまた、非一過性コンピュータ可読メモリに記憶させることができ、この非一過性コンピュータ可読メモリは、コンピュータまたは他のプログラム可能装置に命令を出して特定の方法で機能させるようにすることができ、その結果、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、流れ図ブロック内に指定された機能を実行する製造物品を生じさせるようになっている。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能装置にロードされるのが良く、それにより一連の演算をコンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行してコンピュータにより実現されるプロセスを生じさせ、その結果、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行させる命令が流れ図ブロック中に指定された機能を実装するようになっている。
【0066】
したがって、流れ図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせおよび指定された機能を実行する演算の組み合わせをサポートする。また、理解されるように、流れ図の1つ以上のブロックおよび流れ図中のブロックの組み合わせは、指定された機能を実行する特殊目的のハードウェアベースのコンピュータシステム、または特殊目的のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装できる。
【0067】
この点に関し、本発明の一実施形態にかかる方法は、
図11に示されているように、トレーに保管されるべき複数の物品の表示を受け取るステップ(符号710)を含むのが良い。複数の物品に対応した複数のビンを符号720において決定するのが良い。幾つかの場合において、複数のセパレータを決定して複数のビンを形成するのが良い。トレー上の複数のビンのレイアウトを符号730で作成するのが良い。トレー上の複数のビン内における物品のための配置場所を符号740で示されているように識別するのが良い。トレーは、符号750で示されているように、トレー上の複数のビンのレイアウトに従って構成するのが良い。
【0068】
上記のように開示した本発明の別の例示の使用方法では、この方法は、ユーザが入力として1つ以上のセパレータを使用してトレー上のレイアウトの初期構成内容を提供して1つ以上のビンを模倣する1つ以上の保管領域を形成するステップを含むのが良い。この入力は、特定のアルゴリズムを用いて処理されるのが良く、それによりトレー上のレイアウトの初期構成内容を最適化するとともに、新たな保管領域を形成するよう向きを変えたり、大きさを変えたり、新たなセパレータを追加で推奨したりするかのいずれかによって、トレー上に最終的な、改良された、より最適化されたレイアウトを作成するのが良い。別法として、アルゴリズムはまた、最適化を推奨するのが良く、この最適化では保管領域の数を減少させる。
【0069】
上述の例示の実施形態は、レイアウトを最適化して既定の在庫に対応するようなビンレイアウトおよびセパレータレイアウトを含むが、本明細書において説明した実施形態は、互いに異なる優先順位に基づいて最適化されるビン/セパレータレイアウトを含むことができる。例えば、ビン/セパレータのレイアウト最適化のための一ストラテジーは、トレー内の物品の接近および取り出し速度のためにレイアウトを最適化するステップを含む。かかる実施形態では、レイアウト幾何学的配置は、速度を向上させる取り出しロボットのロボットアーム位置と、サイクルタイムを短縮するアーム方向とを利用するよう設計されても良い。取り出しロボットは、ロボットにとって最も効率的である動作を識別するために使用できる軸加速度および速度プロフィールを有するのが良く、これら動作は、ある特定のトレー位置に対応するのが良い。したがって、トレーレイアウトは、これらトレー位置を利用して物品取り出しの速度および効率を向上させるよう設計されているのが良い。
【0070】
他のビン/セパレータレイアウト最適化ストラテジーは、物品密度を改善するステップを含むのが良い。第1のレイアウトが第1の数の物品を保管することができるが、密度最適化ストラテジーの実施形態は、第1の数の物品よりも大きな第2の数の物品を保管することができるようレイアウトを再構成するのが良い。
【0071】
ビン/セパレータレイアウト最適化ストラテジーは、オプションとして、ロボット取り出しのエネルギー効率を向上するよう使用できる。例えば、物品格納幾何学的配置は、動きが早くて需要の高い物品をトレー上のより接近しやすい位置、例えば取り出しロボットの最も近くに位置するトレーの前の位置まで動かすよう変更されるのが良く、その結果、ロボットから見てより遠いトレーの後ろのところの物品への接近に比べてエネルギー消費量およびロボットの走行距離を減少させることができる。
【0072】
ビンおよびセパレータのレイアウトは、オプションとして、他のトレーによって用いられる他のビン/セパレータのレイアウトによって影響を受けるのが良く、かかる他のトレーは、他の施設からのトレーを含む場合がある。トレーレイアウトは、例えば、トレー内のある特定の種類の薬物が例えば一緒に共通して用いられるときにこれらある特定の種類の薬物を対にすることによってスループットを高める他の施設によって確立されるのが良い。かくして、関連の薬物への接近は、より効率的になり、取り出し速度が向上する。さらに、種々の形式の物品トレー(例えば、季節的に需要のある薬物、ある特定の手技と関連した薬物など)に効率的なレイアウト構成内容を第1の施設で生じさせることができ、そしてシステムによってトレーレイアウトからの取り出し履歴に基づいてスループット効率を向上させるものとして認識される。次に、このトレーレイアウトを同様なレイアウトから恩恵を受けることができる他の施設と共有するのが良い。これにより、ある施設集団全体にわたって効率の向上を促進するトレーのレイアウト構成内容をクラウドソーシングまたはクラウドシェアリングの一例が提供される。
【0073】
ビン/セパレータのレイアウト効率向上に加えて、実施形態は、効率を向上させるようトレー配置場所運動を識別するよう構成されているのが良い。トレーを接近頻度に基づいて自動小出しシステム内で動かすのが良く、その結果、より頻繁に接近が行われるトレーを、需要の低い物品を保管するために使用される場合のある位置よりも、より容易にかつ効率的な接近が行われる位置まで動かすのが良い。かかる最適化の結果として、取り出しロボットの動きを少なくすることができ、それによりスループットを向上させるとともに電力消費量を減少させることができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、数ある演算のうちである特定の演算を、以下に説明するように設計変更しまたはさらに増強することができる。さらに、幾つかの実施形態では、追加の演算もまた含まれるのが良い。理解されるべきこととして、以下の改造例、オプションとしての追加例、または増強例の各々が、単独でまたは本明細書において説明した特徴のうちの任意他のものと組み合わせた状態で、上記演算に含まれるのが良い。
【0075】
例示の実施形態では、
図11の方法を実施する装置は、上述の演算(710~750)のうちの幾つかまたは全てを実行するよう構成されたプロセッサを含むのが良い。プロセッサは、例えば、記憶された命令を実行しまたは演算の各々を実行するアルゴリズムを実行するハードウェア実装された論理関数を実行することによって演算(710~750)を実行するよう構成されるのが良い。変形例として、装置は、上述の演算の各々を実行する手段を含むのが良い。
【0076】
例示の実施形態に係る装置の一例は、少なくとも1つのプロセッサおよびコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリを有するのが良い。少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサとともに、装置が演算710~750を実行するように構成されるのが良い。
【0077】
例示の実施形態に係るコンピュータプログラム製品の一例は、コンピュータにより実行可能なプログラムコード部分が格納された少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体を含むのが良い。コンピュータにより実行可能なプログラムコード部分は、演算710~750を実行するプログラムコード命令を含むのが良い。
【0078】
本明細書において説明した本発明の多くの改造例および他の実施形態は、本発明と関係していて上記説明および関連の図面に提供された教示の恩恵を受ける当業者に想到されよう。したがって、理解されるべきこととして、本発明は、開示された特定の実施形態には限定されず、改造例および他の実施形態が添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に含まれる。さらに、上記説明および関連図面は、構成要素および/または機能のある特定の例示の組み合わせの文脈で例示の実施形態を記載しているが、理解されるべきこととして、構成要素および/または機能の異なる組み合わせは、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、変形実施形態によって提供できる。この点に関し、例えば、明示して上述した構成要素および/または機能の組み合わせとは異なる構成要素および/または機能の組み合わせもまた、請求項のうちの幾つかに記載されているものと想定される。特定の用語が本明細書において採用されているが、かかる特定の用語は、一般的かつ説明上の意図でのみ用いられており、本発明を限定する目的で用いられているわけではない。