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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】単一バッテリパックインバータ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240517BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20240517BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02M7/48 Z
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2022556122
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 US2021023197
(87)【国際公開番号】W WO2021188922
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】62/991,817
(32)【優先日】2020-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】グッドマン、アレクサンダー、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】レンツ、アンドリュー
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/098441(WO,A1)
【文献】特開2006-326753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0356147(US,A1)
【文献】実開平04-099688(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1160784(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0181407(US,A1)
【文献】特開2013-021128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0197504(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0257346(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0296290(US,A1)
【文献】特開2013-045691(JP,A)
【文献】国際公開第2013/001909(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一バッテリパックインバータであって、
ハウジングと、
電動工具バッテリパックを受けるための、前記ハウジングに提供されたバッテリパックインタフェースと、
1つ又は複数の外部装置に給電するための、前記ハウジングに提供された出力インタフェースと、
前記電動工具バッテリパックからのDC電力を、前記出力インタフェースにおいて提供されるAC電力に変換するように構成されている、前記ハウジングにおけるインバータ回路と、
前記ハウジング内に含まれるファンであって、当該単一バッテリパックインバータを通じる空気流を制御するように構成される、ファンと、
前記ハウジングに提供され、且つ第1の位置と第2の位置との間で枢動可能であるように構成された吊り下げフックとを含み、
前記吊り下げフックは、前記吊り下げフックが前記第2の位置にあるとき、前記単一バッテリパックインバータが支持体で支持されることを可能にし、
前記吊り下げフックは、前記吊り下げフックが前記第1の位置にあるとき、前記ハウジングの表面上に位置する、
単一バッテリパックインバータ。
【請求項2】
前記ハウジングは、およそ66mm~およそ75mmの範囲内の高さを有する、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項3】
前記ハウジングは、およそ60mm~およそ80mmの範囲内の幅を有する、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項4】
前記ハウジングは、およそ85mm~およそ95mmの範囲内の奥行きを有する、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項5】
前記単一バッテリパックインバータの重量は、1ポンド未満である、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項6】
前記電動工具バッテリパックの充電レベルを示す燃料ゲージを更に含む、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項7】
前記吊り下げフックは、締結手段を使用して前記ハウジングの前記表面上に固定される、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項8】
前記吊り下げフックは、L字形吊り下げ部及び枢動部を含む、請求項7に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項9】
前記締結手段は、
前記締結手段を使用して前記表面に締結される平坦部と、
前記枢動部を受けるように構成された開口部を有するフック受容部とを含み、
前記吊り下げフックは、前記枢動部及び前記フック受容部の周りで枢動する、
請求項8に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項10】
前記L字形吊り下げ部は、前記フック受容部の第1の側で前記枢動部から延び、
当該単一バッテリパックインバータは、前記フック受容部の第2の側から延び、且つ前記吊り下げフックの軸方向移動を低減するように構成されたブロックバーを更に含み、前記ブロックバーは、前記枢動部の軸方向に垂直な方向に延びる、
請求項9に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項11】
前記フック受容部は、第1の溝の対及び第2の溝の対を前記フック受容部の前記第2の側に更に含み、
前記ブロックバーは、前記吊り下げ部が前記第1の位置に枢動されるとき、前記第1の溝の対内に静止し、及び
前記ブロックバーは、前記吊り下げ部が前記第2の位置に枢動されるとき、前記第2の溝の対内に静止する、
請求項10に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項12】
前記ハウジングに提供され、且つ吊り下げ締結具を受けるように構成された鍵穴を更に含む、請求項11に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項13】
前記吊り下げフックは、約1インチの奥行きを有する、請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項14】
記バッテリパックインタフェースは、
前記電動工具バッテリパックを摺動可能に受けるように構成された段差付き溝と、
記バッテリパックインタフェース上に支持され、且つ前記電動工具バッテリパックの対応する端子盤と機械的及び電気的にインタフェースするように構成された端子盤とを含む、
請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項15】
前記出力インタフェースは、
前記AC電力を受け取るACコンセントと、
前記DC電力を受け取るDCコンセントとを含む、
請求項1に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項16】
ユーザインタフェースを更に含み、前記ユーザインタフェースは、
前記ACコンセントを有効化及び無効化するように構成されたAC出力有効化ボタンと、
前記DCコンセントを有効化及び無効化するように構成されたDC出力有効化ボタンとを含む、
請求項15に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項17】
前記AC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つ前記ACコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、
前記AC出力有効化ボタンは、前記ACコンセントが有効化されるときに照明され、及び
前記AC出力有効化ボタンは、前記ACコンセントが無効化されるときに照明されない、
請求項16に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項18】
前記DC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つ前記DCコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、
前記DC出力有効化ボタンは、前記DCコンセントが有効化されるときに照明され、及び
前記DC出力有効化ボタンは、前記DCコンセントが無効化されるときに照明されない、
請求項16に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項19】
前記DCコンセントは、第1のDCコンセントであり、
前記出力インタフェースは、前記電動工具バッテリパックによって給電される第2のDCコンセントを更に含み、前記DC出力有効化ボタンは、前記第1のDCコンセント及び前記第2のDCコンセントの両方を有効化及び無効化するように構成される、
請求項16に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項20】
前記ACコンセント、前記第1のDCコンセント及び前記第2のDCコンセントは、同時に有効化されるように構成される、請求項19に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項21】
前記ユーザインタフェースは、
前記単一バッテリパックインバータの負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明されるように構成された過負荷インジケータと、
前記単一バッテリパックインバータの温度が所定の温度閾値を超える場合に照明されるように構成された温度過上昇インジケータとを含む、
請求項16に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項22】
単一バッテリパックインバータであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の表面に提供され、且つ電動工具バッテリパックを受けるように構成されたバッテリパックインタフェースと、
外部装置に給電するための、前記ハウジングの第2の表面に提供された出力インタフェースであって、前記第2の表面は、前記ハウジングの、前記第1の表面とは逆の側に提供され、前記出力インタフェースは、ACコンセント、及びDCコンセントを含む、出力インタフェースと、
前記電動工具バッテリパックからのDC電力を、前記ACコンセントにおいて提供されるAC電力に変換するための、前記ハウジングにおけるインバータ回路とを含み、
当該単一バッテリパックインバータの重量は、1ポンド未満である、
単一バッテリパックインバータ。
【請求項23】
前記DCコンセントは、第1のDCコンセントであり、
前記出力インタフェースは、前記電動工具バッテリパックによって給電される第2のDCコンセントを更に含む、
請求項22に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項24】
前記ACコンセント、前記第1のDCコンセント及び前記第2のDCコンセントは、同時に有効化されるように構成される、請求項23に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項25】
前記ハウジングの前記第2の表面に提供されたユーザインタフェースを更に含み、
前記ユーザインタフェースは、
前記単一バッテリパックインバータの負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明されるように構成された過負荷インジケータと、
前記単一バッテリパックインバータの温度が所定の温度閾値を超える場合に照明されるように構成された温度過上昇インジケータとを含む、
請求項22に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項26】
単一バッテリパックインバータであって、
ハウジングと、
前記ハウジングの第1の表面に提供され、且つ電動工具バッテリパックを受けるように構成されたバッテリパックインタフェースと、
外部装置に給電するための、前記ハウジングの第2の表面に提供された出力インタフェースであって、前記第2の表面は、前記ハウジングの、前記第1の表面とは逆の側に提供され、前記出力インタフェースは、ACコンセント、及びDCコンセントを含む、出力インタフェースと、
前記ハウジングの前記第2の表面に提供されたユーザインタフェースであって、前記単一バッテリパックインバータの負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明されるように構成された過負荷インジケータ、及び前記単一バッテリパックインバータの温度が所定の温度閾値を超える場合に照明されるように構成された温度過上昇インジケータを含むユーザインタフェースと、
前記電動工具バッテリパックからのDC電力を、前記ACコンセントにおいて提供されるAC電力に変換するための、前記ハウジングにおけるインバータ回路とを含み、
前記ハウジングは、約66mm~約75mmの範囲内の高さ、約60mm~約80mmの範囲内の幅、及び約85mm~約95mmの範囲内の奥行きを含む、
単一バッテリパックインバータ。
【請求項27】
前記ユーザインタフェースは、
前記ACコンセントを有効化及び無効化するように構成されたAC出力有効化ボタンと、
前記DCコンセントを有効化及び無効化するように構成されたDC出力有効化ボタンとを更に含む、
請求項26に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項28】
前記AC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つ前記ACコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、
前記AC出力有効化ボタンは、前記ACコンセントが有効化されるときに照明され、及び
前記AC出力有効化ボタンは、前記ACコンセントが無効化されるときに照明されない、
請求項27に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項29】
前記DC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つ前記DCコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、
前記DC出力有効化ボタンは、前記DCコンセントが有効化されるときに照明され、及び
前記DC出力有効化ボタンは、前記DCコンセントが無効化されるときに照明されない、
請求項27に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項30】
前記DCコンセントは、第1のDCコンセントであり、
前記出力インタフェースは、前記電動工具バッテリパックによって給電される第2のDCコンセントを更に含み、
前記DC出力有効化ボタンは、前記第1のDCコンセント及び前記第2のDCコンセントの両方を有効化及び無効化するように構成される、
請求項27に記載の単一バッテリパックインバータ。
【請求項31】
前記ACコンセント、前記第1のDCコンセント及び前記第2のDCコンセントは、同時に有効化されるように構成される、請求項30に記載の単一バッテリパックインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年3月19日出願の米国仮特許出願第62/991,817号明細書の利益を主張するものであり、この仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電動工具、屋外工具及び他の電動機器のユーザは、低電力AC製品を含め、広範囲の個人電子機器を作業現場内外で利用する。幾つかの状況では、個人電子機器を充電又は給電するためのACコンセントが作業現場にないことがある。そのような状況では、ユーザは、信頼できる電力が利用可能である離れた場所から電力を取得せざるを得ない(例えば、延長コードを通して)か、又は燃料ベースの発電機(重く、音が大きいことがある)を利用せざるを得ないことがある。その結果、生産性の低下、可搬性の低下、不便の継続、全体的に不良なユーザ経験等が生じ得る。更に、大型の発電機は、高価であり重く、ユーザ経験を更に低下させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載される実施形態は、費用を削減し、且つ作業現場でのユーザ経験を改善する単一バッテリパックインバータを提供する。具体的には、本単一バッテリパックインバータは、異なる個人的場所と作業現場との間でユーザによって運ばれて、ユーザの工具及び個人電子機器に給電し得るポータブル装置である。
【0004】
本明細書に記載される単一バッテリパックインバータは、ハウジングと、電動工具バッテリパックを受けるための、ハウジングに提供されたバッテリパックインタフェースと、1つ又は複数の外部装置に給電するための、ハウジングに提供された出力インタフェースと、電動工具バッテリパックからの直流(DC)電力を、出力インタフェースにおいて提供される交流(AC)電力に変換するように構成されている、ハウジングにおけるインバータ回路と、ハウジングに提供され、且つ第1の位置と第2の位置との間で枢動可能であるように構成された吊り下げフックとを提供する。吊り下げフックは、吊り下げフックが第2の位置にあるとき、単一バッテリパックインバータが支持体で支持されることを可能にする。吊り下げフックは、吊り下げフックが第1の位置にあるとき、ハウジングの表面に位置する。
【0005】
幾つかの態様において、ハウジングは、およそ66ミリメートル(「mm」)~およそ75mmの範囲内の高さを有する。
【0006】
幾つかの態様において、ハウジングは、およそ60ミリメートル(「mm」)~およそ80mmの範囲内の幅を有する。
【0007】
幾つかの態様において、ハウジングは、およそ85ミリメートル(「mm」)~およそ95mmの範囲内の奥行きを有する。
【0008】
幾つかの態様において、単一バッテリパックインバータの重量は、1ポンド未満である。
【0009】
幾つかの態様において、本インバータは、電動工具バッテリパックの充電レベルを示す燃料ゲージを含む。
【0010】
幾つかの態様において、吊り下げフックは、締結手段を使用してハウジングの表面上に固定される。
【0011】
幾つかの態様において、吊り下げフックは、L字形吊り下げ部及び枢動部を含む。
【0012】
幾つかの態様において、締結手段は、締結手段を使用して表面に締結される平坦部と、枢動部を受けるように構成された開口部を有するフック受容部とを含み、吊り下げフックは、枢動部及びフック受容部の周りで枢動する。
【0013】
幾つかの態様において、L字形吊り下げ部は、フック受容部の第1の側で枢動部から延び、単一バッテリパックインバータは、フック受容部の第2の側から延び、且つ吊り下げフックの軸方向移動を低減するように構成されたブロックバーを更に含み、ブロックバーは、枢動部の軸方向に垂直な方向に延びる。
【0014】
幾つかの態様において、フック受容部は、第1の溝の対及び第2の溝の対をフック受容部の第2の側に更に含み、ブロックバーは、吊り下げ部が第1の位置に枢動されるとき、第1の溝の対内に静止し、及びブロックバーは、吊り下げ部が第2の位置に枢動されるとき、第2の溝の対内に静止する。
【0015】
幾つかの態様において、本インバータは、ハウジングに提供され、且つ吊り下げ締結具を受けるように構成された鍵穴を含む。
【0016】
幾つかの態様において、吊り下げフックは、約1インチの奥行きを有する。
【0017】
幾つかの態様において、電動工具バッテリパックインタフェースは、電動工具バッテリパックを摺動可能に受けるように構成された段差付き溝と、電動工具バッテリパックインタフェース上に支持され、且つ電動工具バッテリパックの対応する端子盤と機械的及び電気的にインタフェースするように構成された端子盤とを含む。
【0018】
幾つかの態様において、出力インタフェースは、AC電力を受け取るACコンセントと、DC電力を受け取るDCコンセントとを含む。
【0019】
幾つかの態様において、本インバータは、ユーザインタフェースを含み、ユーザインタフェースは、ACコンセントを有効化及び無効化するように構成されたAC出力有効化ボタンと、DCコンセントを有効化及び無効化するように構成されたDC出力有効化ボタンとを含む。
【0020】
幾つかの態様において、AC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つACコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、AC出力有効化ボタンは、ACコンセントが有効化されるときに照明され、及びAC出力有効化ボタンは、ACコンセントが無効化されるときに照明されない。
【0021】
幾つかの態様において、DC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つDCコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、DC出力有効化ボタンは、DCコンセントが有効化されるときに照明され、及びDC出力有効化ボタンは、DCコンセントが無効化されるときに照明されない。
【0022】
幾つかの態様において、DCコンセントは、第1のDCコンセントであり、出力インタフェースは、バッテリパックによって給電される第2のDCコンセントを更に含み、DC出力有効化ボタンは、第1のDCコンセント及び第2のDCコンセントの両方を有効化及び無効化するように構成される。
【0023】
幾つかの態様において、ACコンセント、第1のDCコンセント及び第2のDCコンセントは、同時に有効化されるように構成される。
【0024】
幾つかの態様において、ユーザインタフェースは、単一バッテリパックインバータの負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明されるように構成された過負荷インジケータと、単一バッテリパックインバータの温度が所定の温度閾値を超える場合に照明されるように構成された温度過上昇インジケータとを含む。
【0025】
本明細書に記載される単一バッテリパックインバータは、ハウジングと、ハウジングの第1の表面に提供され、且つ電動工具バッテリパックを受けるように構成されたバッテリパックインタフェースと、外部装置に給電するための、ハウジングの第2の表面に提供された出力インタフェースと、電動工具バッテリパックからの直流(DC)電力を、出力インタフェースにおいて提供される交流(AC)電力に変換するための、ハウジングにおけるインバータ回路とを提供する。第2の表面は、ハウジングの、第1の表面とは逆の側に提供される。
【0026】
本明細書に記載される単一バッテリパックインバータは、ハウジングと、ハウジングの第1の表面に提供され、且つ電動工具バッテリパックを受けるように構成されたバッテリパックインタフェースと、外部装置に給電するための、ハウジングの第2の表面に提供された出力インタフェースと、電動工具バッテリパックからの直流(DC)電力を、ACコンセントにおいて提供される交流(AC)電力に変換するための、ハウジングにおけるインバータ回路とを提供する。第2の表面は、ハウジングの、第1の表面とは逆の側に提供される。出力インタフェースは、ACコンセント及びDCコンセントを含む。
【0027】
幾つかの態様において、DCコンセントは、第1のDCコンセントであり、出力インタフェースは、バッテリパックによって給電される第2のDCコンセントを更に含む。
【0028】
幾つかの態様において、ACコンセント、第1のDCコンセント及び第2のDCコンセントは、同時に有効化されるように構成される。
【0029】
幾つかの態様において、本インバータは、ハウジングの第2の表面に提供されたユーザインタフェースを含み、ユーザインタフェースは、単一バッテリパックインバータの負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明されるように構成された過負荷インジケータと、単一バッテリパックインバータの温度が所定の温度閾値を超える場合に照明されるように構成された温度過上昇インジケータとを含む。
【0030】
本明細書に記載される単一バッテリパックインバータは、ハウジングと、ハウジングの第1の表面に提供され、且つ電動工具バッテリパックを受けるように構成されたバッテリパックインタフェースと、外部装置に給電するための、ハウジングの第2の表面に提供された出力インタフェースと、電動工具バッテリパックからの直流(DC)電力を、ACコンセントにおいて提供される交流(AC)電力に変換するための、ハウジングにおけるインバータ回路とを提供する。第2の表面は、ハウジングの、第1の表面とは逆の側に提供される。出力インタフェースは、ACコンセント及びDCコンセントを含む。ユーザインタフェースは、単一バッテリパックインバータの負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明されるように構成された過負荷インジケータと、単一バッテリパックインバータの温度が所定の温度閾値を超える場合に照明されるように構成された温度過上昇インジケータとを含む。
【0031】
幾つかの態様において、ユーザインタフェースは、ACコンセントを有効化及び無効化するように構成されたAC出力有効化ボタンと、DCコンセントを有効化及び無効化するように構成されたDC出力有効化ボタンとを更に含む。
【0032】
幾つかの態様において、AC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つACコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、AC出力有効化ボタンは、ACコンセントが有効化されるときに照明され、及びAC出力有効化ボタンは、ACコンセントが無効化されるときに照明されない。
【0033】
幾つかの態様において、DC出力有効化ボタンは、バックライト付き押しボタンであり、且つDCコンセントを有効化及び無効化するために切り替えられるように構成され、DC出力有効化ボタンは、DCコンセントが有効化されるときに照明され、及びDC出力有効化ボタンは、DCコンセントが無効化されるときに照明されない。
【0034】
幾つかの態様において、DCコンセントは、第1のDCコンセントであり、出力インタフェースは、バッテリパックによって給電される第2のDCコンセントを更に含み、DC出力有効化ボタンは、第1のDCコンセント及び第2のDCコンセントの両方を有効化及び無効化するように構成される。
【0035】
幾つかの態様において、ACコンセント、第1のDCコンセント及び第2のDCコンセントは、同時に有効化されるように構成される。
【0036】
何れかの実施形態が詳細に説明される前に、実施形態は、その応用において、以下の説明文に記載されるか又は添付の図面に示されるコンポーネントの構成及び配置の詳細に限定されないことを理解されたい。実施形態は、様々な方法で実践又は実行され得る。また、本明細書中で使用される語句及び用語は、説明を目的としており、限定的とみなすべきではないことを理解されたい。「包含する」、「含む」又は「有する」及びその変化形の使用は、それに続いて列挙される項目及びその均等物並びに追加の項目も包含するものとする。別段の明示又は限定がない限り、「取り付けられる」、「接続される」、「支持される」及び「連結される」という用語並びにその変化形は、広い意味で使用され、直接的及び間接的の両方の取付け、接続、支持及び連結を含む。
【0037】
加えて、実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア及び電子コンポーネント又はモジュールを含み得、これらは、検討の目的のために、コンポーネントの大部分がハードウェアのみで実装されているかのように図示及び説明され得ることを理解されたい。しかし、当業者は、この詳細な説明を読むことに基づいて、少なくとも1つの実施形態において、電子ベースの態様が、マイクロプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)等の1つ以上の処理ユニットによって実行可能なソフトウェア(例えば、非一時的コンピュータ読取可能媒体に格納される)で実装され得ることを認識するであろう。このため、複数のハードウェア及びソフトウェアベースの装置並びに複数の異なる構造的コンポーネントは、実施形態を実装するために利用され得ることに留意されたい。例えば、本明細書中に記載の「サーバ」及び「コンピューティングデバイス」は、1つ又は複数の処理ユニット、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体モジュール、1つ又は複数の入力/出力インタフェース及びコンポーネントを接続する各種の接続手段(例えば、システムバス)を含むことができる。
【0038】
実施形態の他の態様は、詳細な説明及び添付図面を考慮することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】幾つかの実施形態による、バッテリパックに接続された単一バッテリパックインバータの正面斜視図である。
図2】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの正面図である。
図3】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの背面図である。
図4】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの第1の側面図である。
図5】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの第2の側面図である。
図6】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの上面図である。
図7】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの下面図である。
図8】幾つかの実施形態による、バッテリパックが取り外された状態の図1の単一バッテリパックインバータの正面斜視図である。
図9】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの正面図である。
図10】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの後面図である。
図11】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの第1の側面図である。
図12】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの第2の側面図である。
図13】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの上面図である。
図14】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの下面図である。
図15】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの斜視図である。
図16】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの吊り下げフックの斜視図である。
図17】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの簡易ブロック図である。
図18】幾つかの実施形態による、ハウジングの一部分が取り外された状態の図8の単一バッテリパックインバータの斜視図である。
図19】幾つかの実施形態による、図8の単一バッテリパックインバータの分解組立図である。
図20】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図21】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図22】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図23】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図24】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図25】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図26】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図27】幾つかの実施形態による、図1の単一バッテリパックインバータの組み立てプロセスを示す。
図28】幾つかの実施形態による単一バッテリパックインバータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本明細書に記載される実施形態は、交流(AC)コード付き装置及び/又は直流(DC)コード付き装置に給電するための単一バッテリパックインバータに関する。
【0041】
図1図14は、電動工具バッテリパック105によって給電される単一バッテリパックインバータ100を示す。単一バッテリパックインバータ100は、様々なAC装置(例えば、電動工具、照明等)及びDC装置(例えば、USB給電装置)に給電するように動作可能である。
【0042】
バッテリパック105は、所望の放電出力(例えば、公称電圧[例えば、18V]及び電流容量)を提供するために直列に接続された幾つか(例えば、5つ)のバッテリセルをそれぞれ有する1つ又は複数のセルストリングを含み得る。バッテリパック105は、並列接続された幾つかのセルストリング(例えば、単一のセルストリング「5S1P」、2つのセルストリング「5S2P」、3つのセルストリング「5S3P」等)を含み得る。他の実施形態において、他の組合せ(直列構成、並列構成、直列-並列が組み合わされた構成)のバッテリセルも可能である。各バッテリセルは、3V~5Vの公称電圧及び1.5Ah~5Ahの公称容量を有し得る。バッテリセルは、例えば、リチウム(Li)、リチウムイオン(Liイオン)、別のリチウム系化学、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル金属水素(NiMH)等の任意の充電式バッテリセル化学タイプであり得る。同様のバッテリパック105は、2018年7月25日付けで出願された「HIGH POWER BATTERY-POWERED SYSTEM」という名称の米国特許出願公開第2019/0044110号明細書に記載され示されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
図示の単一バッテリパックインバータ100は、上面115、下面120、前面125、後面130及び対向する側面135、140を有するハウジング110を含む。図10及び図11を参照すると、図示の単一バッテリパックインバータ100は、およそ65mm~およそ75mmの範囲内の高さ145を含む。幾つかの実施形態において、高さ145は、およそ71.3mmである。図示の単一バッテリパックインバータ100は、およそ60mm~およそ80mmの範囲内の幅150を含む。幾つかの実施形態において、幅150は、およそ74mmである。図示の単一バッテリパックインバータ100は、およそ85mm~およそ95mmの範囲内の奥行き155を含む。幾つかの実施形態において、奥行き155は、およそ91.1mmである。幾つかの実施形態において、単一バッテリパックインバータ100の重量は、バッテリパック105がない状態で1lb未満である。幾つかの実施形態において、単一バッテリパックインバータ100の重量は、およそ0.5lb~およそ1lbの範囲内である。幾つかの実施形態において、単一バッテリパックインバータ100の重量は、およそ0.62lbである。図6に示すように、バッテリパック105は、バッテリパック105の充電レベルを示す燃料ゲージ160を含む。単一バッテリパックインバータ100は、燃料ゲージ160が常にユーザから見えるようなサイズである。例えば、単一バッテリパックインバータ100の奥行き155は、バッテリパック105の奥行き未満であるようなサイズである。
【0044】
吊り下げフック200が、締結部材205を使用して側面135に固定される。図11及び図15を参照すると、吊り下げフック200は、L字形吊り下げ部210及び枢動部215を含む。締結部材205は、締結具225を使用して側面135に締結される平坦部220を含む。締結部材205は、吊り下げフック200の枢動部215を受けるための開口部を有するフック受容部230も含む。吊り下げフック200は、枢動部215及びフック受容部230の周りで枢動する。
【0045】
吊り下げフック200は、第1の位置(図11に示す)と第2の位置(図15に示す)との間を枢動される。第1の位置にあるとき、吊り下げフック200は、吊り下げ部210が側面135とおよそ平行して、単一バッテリパックインバータ100の収納を容易にするように側面135上に静止する。第2の位置にあるとき、吊り下げ部210は、側面135に直交して延びる。第2の位置において、吊り下げ部210は、例えば、作業現場に存在する梁、ラック、金属バー、木製バー(2×4)、台車等上に置くことができる。単一バッテリパックインバータ100を置くための平面は、作業現場では希であり得る。その結果、吊り下げフック200を使用して、機器、台車及び作業現場にある他の特徴から単一バッテリパックインバータ100を吊り下げる。吊り下げフック200は、1インチ以下の奥行きを有する任意の特徴から単一バッテリパックインバータ100を吊り下げることができるように、約1インチの奥行きを有する。
【0046】
吊り下げ部210は、フック受容部230の第1の側で枢動部215から延びる。図16を参照すると、ブロックバー235は、フック受容部230の第2の側で枢動部215から延びて、吊り下げフック200の軸方向移動を低減する。ブロックバー235は、枢動部215の軸方向に垂直な方向に延びる。フック受容部230は、第1の溝の対240及び第2の溝の対245をフック受容部230の第2の側に含む。ブロックバー235は、吊り下げ部210が第1の位置に枢動されるとき、第1の溝の対240内に静止する。ブロックバー235は、吊り下げ部210が第2の位置に枢動されるとき、第2の溝の対245内に静止する。幾つかの実施形態において、ばねがフック受容部230に設けられて、ブロックバー235を第1の溝の対240と第2の溝の対245との間で移動できるように、枢動部215を軸方向に移動させる。ブロックバー235と同様の実装形態をフック受容部230の第1の側で枢動部215に提供し得、それによりフック受容部230における枢動部215の軸方向移動を制限する。
【0047】
図28を参照すると、幾つかの実施形態において、鍵穴250が吊り下げフック200に加えて又はその代わりとして提供される。鍵穴250は、壁又は作業現場における他の機器に設けられた吊り下げ締結具に単一バッテリパックインバータ100を吊り下げるために使用される。幾つかの実施形態において、他の吊り下げ特徴、例えばテザークリップ、カラビナ等も使用される。
【0048】
図8図14を参照すると、バッテリパックインタフェース300は、バッテリパック105に提供される。図示の構造において、バッテリパックインタフェース300は、ハウジング110の下面120(例えば、第1の表面)に提供される。バッテリパックインタフェース300は、段差付き溝305及び端子盤310を含む。段差付き溝305は、バッテリパック105がバッテリパックインタフェース300で摺動可能に受けられることを可能にする。端子盤310は、バッテリパックインタフェース300上に支持されて、バッテリパック105の対応する端子盤と機械的及び電気的にインタフェースし、その間で電力を伝送する。
【0049】
バッテリパック105は、バッテリパック105の各側に提供された2つのアクチュエータ320を含むアクチュエータ機構315を含む。バッテリパック105を単一バッテリパックインバータ100に取り付けるために、バッテリパック105の溝は、前面125の段差付き溝305と並べられ、バッテリパック105は、端子盤310に向かって後面130に押される。アクチュエータ機構315は、バッテリパックインタフェース300にロックされて、バッテリパック105が単一バッテリパックインバータ100から滑り落ちないようにする。バッテリパック105を単一バッテリパックインバータ100から取り外すために、アクチュエータ320が押下されてロックを解放し、バッテリパック105が前面125に向けて引っ張られる。
【0050】
バッテリパック105は、例えば、Milwaukee(登録商標)によって市販されているM18(商標)REDLITHIUM(商標)Battery Packである。バッテリパック105は、幾つかの電動工具及び電動工具システムの装置に給電するために使用され得る。例えば、バッテリパック105は、Milwaukee(登録商標)によって市販されているM18(商標)電動工具システムにおける任意の装置の給電に使用し得る。
【0051】
図6及び図13は、ハウジング110の上面115(例えば、第2の表面)に提供されたユーザインタフェース400を示す。図示の例において、ユーザインタフェース400は、ACコンセント405、第1のDCコンセント410、第2のDCコンセント415、AC出力有効化ボタン420、DC出力有効化ボタン425、過負荷インジケータ430及び温度過上昇インジケータ435を含む。図示のインジケータは、視覚的インジケータを含み、他の構造では可聴、触覚等の他のタイプのインジケータを含み得る。
【0052】
ACコンセント405は、例えば、壁コンセントと同様の電力出力を提供する120V ACコンセントである。幾つかの実施形態において、ACコンセント405は、240V ACコンセントである。第1のDCコンセント410は、例えば、USBタイプCコンセントであり、第2のDCコンセント415は、例えば、USBタイプAコンセントである。ACコンセント405、第1のDCコンセント410及び第2のDCコンセント415は、バッテリパック105によって給電される。
【0053】
AC出力有効化ボタン420及びDC出力有効化ボタン425は、押しボタン、二路スイッチ、タッチボタン等として実施し得る。AC出力有効化ボタン420は、ACコンセント405を有効化及び無効化するために使用される。DC出力有効化ボタン425は、第1のDCコンセント410及び第2のDCコンセント415を有効化及び無効化するために使用される。図示の例において、AC出力有効化ボタン420及びDC出力有効化ボタン425は、バックライト付き押しボタンである。AC出力有効化ボタン420は、押されて、ACコンセント405からの出力電力の有効化と無効化とを切り替える。AC出力有効化ボタン420は、ACコンセント405が有効化されるときに照明され(又は第1の色で照明され)、及びACコンセント405が無効化されるときに照明されない(又は第2の色で照明される)。DC出力有効化ボタン425は、押されて、第1のDCコンセント410及び第2のDCコンセント415からの出力電力の有効化と無効化とを切り替える。DC出力有効化ボタン425は、第1のDCコンセント410及び第2のDCコンセント415が有効化されるときに照明され(又は第1の色で照明され)、及び第1のDCコンセント410及び第2のDCコンセント415が無効化されるときに照明されない(又は第2の色で照明される)。幾つかの実施形態において、3つ全てのコンセント(即ちACコンセント405及びDCコンセント410、415)は、同時に動作することができる。例えば、ユーザは、AC出力有効化ボタン420及びDC出力有効化ボタン425を使用して、ACコンセント405及びDCコンセント410、415の両方を同時に有効化し得る。
【0054】
過負荷インジケータ430は、過負荷インジケータ430に置かれた過負荷ラベルを含むバックライト付きインジケータである。過負荷インジケータ430は、単一バッテリパックインバータ100の負荷出力が所定の負荷閾値を超える場合に照明される。温度過上昇インジケータ435は、温度過上昇インジケータ435に置かれた温度ラベルを含むバックライト付きインジケータである。温度過上昇インジケータ435は、単一バッテリパックインバータ100の温度が所定の温度閾値を超える場合に照明される。
【0055】
図1図14に示すように、ユーザインタフェース400は、単一バッテリパックインバータ100の、バッテリパックインタフェース300とは逆の表面(又は面)に提供される。即ち、バッテリパックインタフェース300は、第1の表面(即ち下面120)に提供され、ユーザインタフェース400は、第2の表面(即ち上面115)に提供される。図6及び図13に示すように、ACコンセント405及びDCコンセント410、415は、バッテリパックインタフェース300が提供される表面(即ち下面120)とは逆である同じ表面(即ち上面115)に提供される。
【0056】
図11及び図12を参照すると、第1のエアベント450及び第2のエアベント455は、それぞれハウジング110の対向する側面135、140に提供される。第1のエアベント450及び第2のエアベント455は、冷却空気にハウジング110内を循環させて、単一バッテリパックインバータ100のコンポーネント(例えば、電子回路)を冷却する。
【0057】
図17は、単一バッテリパックインバータ100の簡易ブロック図である。図示の例において、単一バッテリパックインバータ100は、バッテリパックインタフェース300、ACコンセント405、第1のDCコンセント410、第2のDCコンセント415、AC出力有効化ボタン420、DC出力有効化ボタン425、コントローラ500、DC-DCコンバータ505、インバータ510、インジケータ515及び1つ又は複数のファン520を含む。
【0058】
コントローラ500は、コントローラ500及び/又は単一バッテリパックインバータ100内のコンポーネント及びモジュールに電力、動作制御及び保護を提供する複数の電気及び電子コンポーネントを含む。例えば、コントローラ500は、とりわけ、処理ユニット555(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、電子プロセッサ、電子コントローラ又は別の適切なプログラム可能なデバイス)、メモリ560、入力ユニット565及び出力ユニット570を含む。処理ユニット555は、とりわけ、制御ユニット575、ALU580及び複数のレジスタ585(図17ではレジスタのグループとして示されている)を含み、既知のコンピュータアーキテクチャ(例えば、修正されたハーバードアーキテクチャ、フォンノイマンアーキテクチャ等)を使用して実装されている。処理ユニット555、メモリ560、入力ユニット565及び出力ユニット570並びにコントローラ500に接続された様々なモジュール又は回路は、1つ又は複数の制御バス及び/又はデータバス(例えば、共通バス590)によって接続されている。制御バス及び/又はデータバスは、一般に、説明のために図17に示されている。様々なモジュール、回路及びコンポーネント間の相互接続及び通信のための1つ又は複数の制御バス及び/又はデータバスの使用は、本明細書に記載の実施形態を考慮して当業者に分かるであろう。幾つかの実施形態において,コントローラ500は、部分的又は全体的にフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等で実装される。
【0059】
メモリ560は、非一時的なコンピュータ可読媒体であり、例えばプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含む。プログラム記憶領域及びデータ記憶領域は、ROM、RAM(例えば、DRAM、SDRAMなど)、EEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード又は他の適切な磁気、光学、物理又は電子メモリデバイスなど、異なるタイプのメモリの組み合わせを含み得る。処理ユニット555は、メモリ560に接続され、メモリ560のRAM(例えば、実行中)、メモリ560のROM(例えば、一般的に永続的に)又は別のメモリ若しくはディスク等の別の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶することができるソフトウェア命令を実行する。単一バッテリパックインバータ100の実装に含まれるソフトウェアは、コントローラ500のメモリ560に記憶することができる。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つ又は複数のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、ルール、1つ又は複数のプログラムモジュール及び他の実行可能命令を含む。コントローラ500は、とりわけ、本明細書に記載の制御プロセス及び方法に関連する命令をメモリ560から読み出し、実行するように構成される。他の構造では、コントローラ500は、追加的な、より少ない又は異なるコンポーネントを含む。
【0060】
DC-DCコンバータ505は、バッテリパック105からのDC電力供給を受け取り、高電圧DC電力(例えば、120V)をインバータ510に提供し、低電圧DC電力(例えば、5V)を第1のDCコンセント410及び第2のDCコンセント415に提供する。DC-DCコンバータ505は、バッテリパック電圧を高電圧DC電力(例えば、18V~120V)に変換する昇圧型コンバータ(例えば、ブーストコンバータ)と、バッテリパック電圧を低電圧DC電力(例えば、18V~5V)に変換する降圧型コンバータ(例えば、バックコンバータ)とを含む。幾つかの実施形態において、DC-DCコンバータ505の昇圧型コンバータ及び降圧型コンバータは、異なるプリント回路基板に別個に提供される。幾つかの実施形態において、昇圧型コンバータは、インバータ510を提供され得る一方、DC-DCコンバータ505は、降圧型コンバータのみを含む。
【0061】
インバータ510は、DC-DCコンバータ505から高電圧DC電力を受け取り、高電圧DC電力をAC出力(例えば、120VAC電力出力)に変換する。次いで、AC出力がACコンセント405に提供される。インバータ510は、例えば、AC出力有効化ボタン420に基づいてコントローラ500によって制御され得る。コントローラ500は、有効化/無効化信号をインバータ510に提供して、ACコンセント405へのAC出力提供からインバータ510を有効化又は無効化する。インバータ510は、追加のフィードバックをコントローラ500に提供する。例えば、インバータ510は、インバータ510の温度が所定の温度域値を超える場合、温度過上昇信号を提供し、ACコンセント405への負荷が所定の負荷閾値を超える場合、過負荷フィードバック信号を提供し、ACコンセント405に流れる出力電流量を示す電流センサフィードバックを提供する。幾つかの実施形態において、高電力AC装置がACコンセント405に差し込まれると、インバータ510は、過負荷指示をコントローラ500に提供する。コントローラ500は、過負荷指示に応答して単一バッテリパックインバータ100を遮断し、過負荷インジケータ430を照明する。ユーザは、パワーサイクルを行うことによって単一バッテリパックインバータ100をリセットし得る。例えば、ユーザは、AC出力有効化ボタン420を2回押すことによって単一バッテリパックインバータ100をリセットする。
【0062】
インバータ510は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)スイッチブリッジである。幾つかの実施形態において、インバータ510は、Hブリッジ又は三相スイッチブリッジとして実施される。例えば、インバータ510は、コントローラ500によって制御される複数のハイ側FET及び複数のロー側FETを含む。具体的には、コントローラ500は、駆動回路を使用して、パルス幅変調(PWM)制御信号を提供し、複数のハイ側FET及び複数のロー側FETを開閉して、DC電力をAC電力に変換する。幾つかの実施形態において、コントローラ500は、インバータ510を制御して、純粋な正弦波出力、疑似正弦波出力等をACコンセント405に提供する。
【0063】
ACコンセント405及びDCコンセント410、415の両方が同時動作で有効化されている場合、コントローラ500は、DC-DCコンバータ505及びインバータ510を制御して、ACコンセント405及びDCコンセント410、415の両方において出力電力を提供する。
【0064】
コントローラ500は、単一バッテリパックインバータ100のステータスに基づいてインジケータ515(例えば、視覚的、可聴的、触覚的等)を制御する。インジケータ515は、視覚的インジケータ(例えば、過負荷インジケータ430及び温度過上昇インジケータ435)並びに可聴インジケータ(例えば、ブザー)を含む。他の実施形態において、インジケータ515は、図17に示されるよりも多い又は少ないステータスインジケータ515を含み得る。コントローラ500は、バッテリパック105及びインバータ510から受信される温度信号に基づいて温度過上昇インジケータ435をアクティブ化又は非アクティブ化する。コントローラ500は、インバータ510から受信される過負荷フィードバックに基づいて過負荷インジケータ430をアクティブ化又は非アクティブ化する。
【0065】
幾つかの実施形態において、ブザーは、コントローラ500から受信される制御信号に基づいて可聴指示をユーザに提供する。ブザーは、単一バッテリパックインバータ100の種々の閾値条件で可聴指示を提供し得る。閾値条件は、低電圧条件(バッテリパック105は、低電圧閾値[例えば、12V以下]を下回る)、過負荷条件(電力プロファイル[例えば、時間期間にわたる電力出力(例えば、7秒間にわたって220W以上、3.5秒にわたって200W以上等)]に基づく過負荷閾値)、温度条件(単一バッテリパックインバータ100又はそのコンポーネントの温度[例えば、110℃])を含み得る。他の実施形態において、単一バッテリパックインバータ100は、可聴ブザーに関連して上述したように、低電圧、過負荷及び温度過上昇指示を提供するために、追加の視覚的、可聴的、触覚的又は他のインジケータを含む。
【0066】
コントローラ500は、ファン520の回転を制御して、単一バッテリパックインバータ100を通る空気流を制御する。幾つかの実施形態において、コントローラ500は、単一バッテリパックインバータ100の温度に基づいてファン520の速度を制御する。他の実施形態において、コントローラ500は、温度が閾値を超える場合、ファン520をオンにし、温度が閾値を下回る場合、ファン520をオフにする。
【0067】
図18は、ハウジング110の一部分が取り外された状態の単一バッテリパックインバータ100を示す。図示の例において、単一バッテリパックインバータ100は、第1のプリント回路基板(PCB)600、第2のPCB605、PCBコネクタ610、端子盤310及びファン520を含む。単一バッテリパックインバータ100の電気コンポーネントは、第1のPCB600及び第2のPCB605に分散する。例えば、コントローラ500及びインバータ510は、第1のPCB600に提供される一方、DC-DCコンバータ505は、第2のPCB605に提供される。第1のPCB600は、出力電力をACコンセント405に提供するために使用され、第2のPCB605は、USBコンセント(即ちDCコンセント410、415)を提供するために使用される。
【0068】
第1のPCB600及び第2のPCB605は、第1のPCB600が第1のレベルで提供され、第2のPCB605が第2のレベルで提供され、第1のPCB600の電気コンポーネントについて第1のレベルと第2のレベルとの間に間隙があるように、マルチレベル構造で提供される。PCBコネクタ610は、第1のPCB600を第2のPCB605に接続して、制御信号及び電力信号を第1のPCB600と第2のPCB605との間で転送させる。端子盤310は、第1のPCB600の下に提供され、且つ第1のPCB600に電気的に接続されて、動作電力をバッテリパック105からインバータ510に提供する。図示の実施形態において、ファン520は、第1のPCB600と第2のPCB605との間でハウジング110の側面(例えば、側面135)に沿って提供される。
【0069】
図19は、単一バッテリパックインバータ100の分解組立図を示す。ハウジング110は、上部カバー700、第1の半体ハウジング705及び第2の半体ハウジング710で作られる。第1の半体ハウジング705及び第2の半体ハウジング710は、上部カバー700で覆われた開口部を上部に有するクラムシェルハウジングを形成する。上部カバー700は、ユーザインタフェース400の特徴を受けるための開口部を含む。上部カバー700は、ACコンセント405と、DCコンセント410、415を受けるための開口部と、有効化ボタン420、425を受けるための開口部と、インジケータ515とを含む。有効化ボタン420、425は、有効化ボタン420、425を照明するためにボタンラバー715の下に提供される発光ダイオード(LED)(図示せず)を含むボタンラバー715上に提供される。インジケータLED720は、インジケータ515の下に提供される。インサート725は、第1のPCB600上のインバータ510をACコンセント405に連結する(図20を参照されたい)。
【0070】
図20図27は、単一バッテリパックインバータ100の組み立てプロセスを示す。組み立てプロセスは、インサート725を上部カバー700のACコンセント405に挿入すること(図20に示される)で開始される。ボタンラバー715及びLED720は、次いで、各開口部を通して提供される(図21に示される)。次いで、第2のPCB605が締結具730を使用して上部カバー700に固定される(図22に示される)。ファン520は、締結具735を使用して第2の半体ハウジング710の第2のエアベント455に固定される(図23に示される)。上部カバー700の組み立てられたコンポーネントを含む上部カバー組立体740は、第2の半体ハウジング710に配置される(図24に示される)。第1のPCB600が上部カバー組立体740の下に配置され、PCBコネクタ610を使用して、第1のPCB600を第2のPCB605に接続し、ファン520を第1のPCB600に接続する(図25に示される)。端子盤310が第1のPCB600に連結される(図26に示される)。次いで、第1の半体ハウジング705は、第2の半体ハウジング710及び上部カバー組立体740に固定される(図27に示される)。幾つかの実施形態において、上部カバー700、第1の半体ハウジング705及び第2の半体ハウジング710は、支持リブと共に提供されて、ハウジング110の強度を付加する。例えば、支持リブは、落下事象時、単一バッテリパックインバータ100のハウジング110及び内部コンポーネントに追加の保護を提供し得る。
【0071】
幾つかの実施形態において、単一バッテリパックインバータ100のピーク電力出力は、約3秒間~約7秒間(例えば、5秒間)の短い時間にわたっておよそ180W~およそ220Wの範囲内(例えば、200W)である。例えば、単一バッテリパックインバータ100は、約180W~約220Wのピーク電力出力を少なくとも5秒間にわたって出力するように動作可能である。幾つかの実施形態において、単一バッテリパックインバータ100は、およそ200Wのピーク出力電力を少なくともおよそ5秒間にわたって提供する。
【0072】
幾つかの実施形態において、持続又は連続した最大出力電力は、およそ120W~180Wの範囲内である。例えば、単一バッテリパックインバータ100は、約120W~約180Wの持続した最大出力電力を少なくとも約60分間にわたって出力するように動作可能である。幾つかの実施形態において、持続又は連続した最大出力電力は、およそ150Wである。単一バッテリパックインバータ100は、150Wの持続した最大出力電力を少なくとも約50分にわたって出力するように動作可能であり得る。
【0073】
単一の「5S3P」バッテリパックを用いた単一バッテリパックインバータ100の最大出力電力での実行時間は、およそ30分~およそ120分の範囲内(例えば、約75分)である。幾つかの実施形態において、単一の「5S3P」バッテリパックを用いた単一バッテリパックインバータ100の最大出力電力での実行時間は、およそ75分である。単一の「5S2P」バッテリパックを用いた単一バッテリパックインバータ100の最大出力電力での実行時間は、およそ20分~およそ80分の範囲内(例えば、約50分)である。幾つかの実施形態において、単一の「5S2P」バッテリパックを用いた単一バッテリパックインバータ100の最大出力電力での実行時間は、およそ50分である。単一の「5S1P」バッテリパックを用いた単一バッテリパックインバータ100の最大出力電力での実行時間は、およそ15分~およそ40分の範囲内である。単一の「5S1P」バッテリパックを用いた単一バッテリパックインバータ100の最大出力電力での実行時間は、およそ30分である。
【0074】
USBタイプAコンセント(即ち第1のDCコンセント410)は、5Vにおいて2.4Aの出力を提供することが可能である。USBタイプCコンセント(即ち第2のDCコンセント415)は、45Wの出力を提供することが可能であり、USBタイプC標準ハンドシェーク及び通信プロトコルも含む。
【0075】
したがって、本明細書に記載される実施形態は、単一バッテリパックインバータを提供する。様々な特徴及び利点は、後述の特許請求の範囲に示されている。
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