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特許7490077バイアス電流発生回路及びフラッシュメモリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】バイアス電流発生回路及びフラッシュメモリ
(51)【国際特許分類】
   G05F 3/24 20060101AFI20240517BHJP
【FI】
G05F3/24 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022562060
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020134967
(87)【国際公開番号】W WO2021218160
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】202010353377.0
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512154998
【氏名又は名称】無錫華潤上華科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CSMC TECHNOLOGIES FAB2 CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Xinzhou Road Wuxi New District,Jiangsu 214028 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 有慧
(72)【発明者】
【氏名】朱 ▲麗▼娟
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0076802(US,A1)
【文献】特開2003-079138(JP,A)
【文献】特開2019-102903(JP,A)
【文献】特開平04-284007(JP,A)
【文献】特開2010-198092(JP,A)
【文献】特開2010-186360(JP,A)
【文献】特開2009-193211(JP,A)
【文献】特表2006-512632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイアス電流発生回路であって、
バイアス電流の発生に必要な電圧を供給するための電圧源と、
入力端子が前記電圧源に接続され、制御端子が制御信号を受信し、前記制御信号に応じてオン/オフを制御するスイッチング回路と、
スイッチング回路がオンになると、バイアス電流を発生させることに用いられ、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトランジスタの入力端子及び前記第1のMOSトランジスタの制御端子はいずれも前記スイッチング回路の出力端子に接続され、前記第1のMOSトランジスタの出力端子はそれぞれ前記第2のMOSトランジスタの入力端子及び前記第2のMOSトランジスタの制御端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタの出力端子は接地される電流発生回路と、を備え
前記第1のMOSトランジスタ及び前記第2のMOSトランジスタは、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタのいずれかの一つであり、前記第1のMOSトランジスタは真性MOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタは外因性MOSトランジスタである、バイアス電流発生回路。
【請求項2】
前記電流発生回路は分圧抵抗をさらに備え、前記分圧抵抗の一端は前記スイッチング回路の出力端子に接続され、前記分圧抵抗の他端はそれぞれ第1のMOSトランジスタの入力端子及び前記第1のMOSトランジスタの制御端子に接続される、請求項1に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項3】
前記分圧抵抗は可変抵抗である、請求項2に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項4】
前記分圧抵抗は固定抵抗である、請求項2に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項5】
前記制御信号が高レベルになると、前記スイッチング回路がオフになり、前記制御信号が低レベルになると、前記スイッチング回路がオンになる、請求項1に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項6】
前記スイッチング回路は第3MOSトランジスタであり、前記スイッチング回路がオンになるとき、前記第3MOSトランジスタは線形領域で動作し、前記第3MOSトランジスタはPMOSトランジスタ或いはNMOSトランジスタである、請求項1に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項7】
前記第3MOSトランジスタはNMOSトランジスタである、請求項6に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項8】
前記第3MOSトランジスタはPMOSトランジスタである、請求項6に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項9】
前記分圧抵抗の抵抗値は200キロオーム以上500キロオーム以下である、請求項2に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項10】
前記電圧源の数は1であり、前記電圧源の電圧は1.3ボルト以上1.5ボルト以下である、請求項1に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項11】
前記バイアス電流発生回路は単電源超低消費電力プロセスに用いられる、請求項1に記載のバイアス電流発生回路。
【請求項12】
請求項1に記載のバイアス電流発生回路を備える、フラッシュメモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体の技術分野に関し、特にバイアス電流発生回路及びフラッシュメモリに関する。
【0002】
本願は、2020年04月29日に中国特許庁に提出された、出願番号が202010353377.0、発明の名称が「バイアス電流発生回路及びフラッシュメモリ」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容が引用により本願に組み込まれている。
【背景技術】
【0003】
以下の記述は本願に関する背景情報を提供するに過ぎず、必ずしも従来技術を構成するものではない。
【0004】
図1に示すように、典型的なバイアス電流発生回路には、電流が0アンペアの状態及び正常動作電流状態という2つの定常状態の動作点があり、バイアス電流発生回路は、電流が0アンペアの状態を解除するには、回路の起動を行うための起動回路が必要であり、起動回路は、通常、バイアス電流発生回路を正常動作電流状態にするには一定の時間がかかり、バイアス電流のビルドアップ時間が長い。フラッシュ統合設計(Flash IP)は、バイアス電流のビルドアップ時間に対する要件が高く、バイアス電流のビルドアップ時間が非常に短い必要があり、この典型的なバイアス電流発生回路はFlash IPに求められるバイアス電流の要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の様々な実施例によれば、バイアス電流発生回路及びフラッシュメモリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
バイアス電流発生回路であって、
バイアス電流の発生に必要な電圧を供給するための電圧源と、
入力端子が前記電圧源に接続され、制御端子が制御信号を受信し、前記制御信号に応じてオン/オフを制御するスイッチング回路と、
スイッチング回路がオンになると、バイアス電流を発生させることに用いられ、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトランジスタの入力端子及び前記第1のMOSトランジスタの制御端子はいずれも前記スイッチング回路の出力端子に接続され、前記第1のMOSトランジスタの出力端子はそれぞれ前記第2のMOSトランジスタの入力端子及び前記第2のMOSトランジスタの制御端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタの出力端子は接地される電流発生回路と、を備える。
【0007】
フラッシュメモリであって、前記いずれか一項に記載のバイアス電流発生回路を備える。
【0008】
本願の1つ又は複数の実施例の詳細は以下の図面及び説明に記載されている。本願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【0009】
本願の実施例又は例示的な技術の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は例示的な技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は単に本願のいくつかの実施例であり、当業者であれば、創造的な労力を要することなくこれらの図面に基づいて他の実施例の図面を取得できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】典型的なバイアス電流発生回路の回路図である。
図2】一実施例におけるバイアス電流発生回路の回路ブロック図である。
図3】一実施例におけるバイアス電流発生回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に使用される半導体分野の用語は当業者が一般的に使用する技術用語であり、例えば、P型及びN型不純物の場合、ドーピング濃度を容易に区別するために、P+型は高ドーピング濃度のP型を表し、P型は中ドーピング濃度のP型を表し、P-型は低ドーピング濃度のP型を表し、N+型は高ドーピング濃度のN型を表し、N型は中ドーピング濃度のN型を表し、N-型は低ドーピング濃度のN型を表す。
【0012】
図2に示すように、一実施例では、バイアス電流発生回路を提供し、
バイアス電流の発生に必要な電圧を供給するための電圧源100と、
入力端子が前記電圧源100に接続され、制御端子が制御信号を受信し、前記制御信号に応じてオン/オフを制御するスイッチング回路200と、
スイッチング回路200がオンになると、バイアス電流を発生させることに用いられ、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトランジスタの入力端子及び前記第1のMOSトランジスタの制御端子はいずれも前記スイッチング回路200の出力端子に接続され、前記第1のMOSトランジスタの出力端子はそれぞれ前記第2のMOSトランジスタの入力端子及び前記第2のMOSトランジスタの制御端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタの出力端子は接地される電流発生回路300と、を備える。
【0013】
一実施例では、前記電圧源の数は1であり、前記電圧源の電圧は1.3ボルト以上1.5ボルト以下である。
【0014】
一実施例では、前記制御信号が高レベルになると、前記スイッチング回路がオフになり、前記制御信号が低レベルになると、前記スイッチング回路がオンになる。
【0015】
一実施例では、前記制御信号が低レベルになると、前記スイッチング回路がオフになり、前記制御信号が高レベルになると、前記スイッチング回路がオンになる。
【0016】
第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタはいずれもダイオード接続されたMOSトランジスタであり、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタの閾値電圧によって電圧差を発生させ、さらにバイアス電流を発生させる。
【0017】
一実施例では、前記第1のMOSトランジスタ及び前記第2のMOSトランジスタはいずれも第1の導電型MOSトランジスタであり、前記第1のMOSトランジスタは真性MOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタは外因性MOSトランジスタである。
【0018】
本願のバイアス電流発生回路では、バイアス電流を発生させるための電流発生回路について、スイッチング回路がオンになると、電圧源はスイッチング回路によって電流発生回路の第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタにバイアス電流を発生させるための電圧を供給し、さらにバイアス電流を発生させ、該バイアス電流発生回路は起動回路を必要とせずに正常電流動作状態に入って必要なバイアス電流を発生させることができる。このため、起動回路を使用してバイアス電流を発生させる回路に比べて、本願は、バイアス電流のビルドアップ時間が短く、flash IPに求められるバイアス電流のビルドアップ時間の要件を満たす。
【0019】
さらに、単電源超低消費電力プロセスでは、NMOSトランジスタであるかPMOSトランジスタであるかにかかわらず、閾値電圧が高い。そして、第1のMOSトランジスタはボディ効果があり、閾値電圧がさらに高く、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタの制御端子及び出力端子の電圧を加算した値は、極端な場合、1.3ボルトに近いか又は1.3ボルトを超える可能性があり、電圧源VDDに選択可能な電位が3ボルト以上であるとき、バイアス電流は一般的に大きく、他の回路の動作の需要を満たすことができる。一方、電圧源VDDに選択可能な電位が1.5ボルトのみであり、且つ電圧源VDDの実際の電圧値が1.3ボルトであるとき、TTプロセスコーナーで回路が十分なバイアス電流を供給できるにもかかわらず、MOSトランジスタのプロセスコーナーがSSにバイアスされるか又は低温で応用される場合、バイアス電流は大幅に小さくなり、所望の値から完全に逸脱し、その結果、他の回路が正常に動作できない。本願のバイアス電流発生回路では、第1のMOSトランジスタが真性MOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタが外因性MOSトランジスタである場合、第1のMOSトランジスタの制御端子及び出力端子の電圧は0ボルトに近く、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタの制御端子及び出力端子の電圧を加算した値は、極端な場合、1.3ボルトよりも小さいことで、電圧源VDDの実際の電圧値が1.3ボルトであるとき、MOSトランジスタのプロセスコーナーがSSにバイアスされるか又は低温で応用されると、バイアス電流が大幅に小さくなり、所望の値から完全に逸脱し、その結果、他の回路が正常に動作できないという問題を回避する。一方、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタはいずれもダイオード接続されたMOSトランジスタであり、即ち、第1のMOSトランジスタの制御端子は第1のMOSトランジスタの入力端子に接続され、第2のMOSトランジスタの制御端子は第2のMOSトランジスタの入力端子に接続されることで、第1のMOSトランジスタの制御端子及び第2のMOSトランジスタの制御端子にできるだけ高い電位を受けさせることができ、それによって第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタ(特に第1のMOSトランジスタ)を正常にオンできることをできるだけ確保する。従って、どのような条件でも第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタはいずれもオンすることができ、特定のプロセスコーナー及び低温ではバイアス電流IBが非常に小さくなるという問題は発生しない。
【0020】
ここで、プロセスコーナーについて説明を追加する。バイポーラトランジスタとは異なり、異なるチップ同士及び異なるバッチのウエハ上のチップ同士は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSトランジスタ)のパラメータが非常に大きい。デジタル回路の設計の便宜上、プロセスコーナーの形に応じてMOSトランジスタの性能範囲を分け、NMOS及びPMOSトランジスタの速度変動範囲を4つのコーナーで画定された矩形内に制限する。これらの4つのコーナーはそれぞれ、高速NFETと高速PFET、低速NFETと低速PFET、高速NFETと低速PFET、及び低速NFETと高速PFETである。5つのプロセスコーナーのモードを使用する場合、TT、FF、SS、FS、及びSFという5つのプロセスコーナーがあり、TTとは、NFET-Typical corner & PFET-Typical cornerであり、FSとは、NFET-Fast corner & PFET-Slow cornerである。Typicalとは、MOSトランジスタの駆動電流が1つの平均値であることを示し、Fastとは、MOSトランジスタの駆動電流がその最大値であることを示し、Slowとは、MOSトランジスタの駆動電流がその最小値(この電流はIds電流である)であることを示す。測定の観点から、キャリア移動度(Carrier mobility)の速さとして理解される場合もある。
【0021】
一実施例では、前記第1のMOSトランジスタ又は前記第2のMOSトランジスタは第1の導電型MOSトランジスタであり、前記第1のMOSトランジスタは真性MOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタは外因性MOSトランジスタである。即ち、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタは異なる導電型のMOSトランジスタである。
【0022】
一実施例では、前記第1のMOSトランジスタ及び前記第2のMOSトランジスタはいずれも第2の導電型MOSトランジスタであり、前記第1のMOSトランジスタは真性MOSトランジスタ、前記第2のMOSトランジスタは外因性MOSトランジスタである。
【0023】
一実施例では、前記スイッチング回路は第3MOSトランジスタであり、前記スイッチング回路がオンになると、前記第3MOSトランジスタは線形領域で動作する。
【0024】
一実施例では、前記第3MOSトランジスタは第2の導電型MOSトランジスタであり、第2の導電型と第1の導電型は反対の導電型である。
【0025】
一実施例では、前記第3MOSトランジスタは第1の導電型MOSトランジスタである。
【0026】
一実施例では、第1のMOSトランジスタは真性NMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタは普通のNMOSトランジスタ、第3MOSトランジスタはPMOSトランジスタである。このとき、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタの基板は接地され、第3MOSトランジスタの基板は、例えば、電圧源100などの電源に接続される。
【0027】
一実施例では、第1のMOSトランジスタはPMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタは普通のNMOSトランジスタ、第3MOSトランジスタはPMOSトランジスタである。
【0028】
一実施例では、第1のMOSトランジスタは真性NMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ及び第3MOSトランジスタはいずれも普通のNMOSトランジスタである。
【0029】
一実施例では、第1のMOSトランジスタはPMOSトランジスタ、第2のMOSトランジスタ及び第3MOSトランジスタはいずれも普通のPMOSトランジスタである。
【0030】
一実施例では、前記電流発生回路300は分圧抵抗R1をさらに備え、前記分圧抵抗R1の一端は前記スイッチング回路200の出力端子に接続され、前記分圧抵抗の他端はそれぞれ第1のMOSトランジスタの入力端子及び第1のMOSトランジスタの制御端子に接続される。ボディ効果が発生する理由は、出力端子の電位が基板の電位よりも高いことであり、電圧差が大きいほど、ボディ効果が顕著になり、閾値電圧が高くなる。分圧抵抗R1は、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタとの間ではなく、スイッチング回路200の出力端子と第1のMOSトランジスタとの間に接続されることで、第1のMOSトランジスタの出力端子の電位の基板の電位に対する電圧差がより小さくなる。このようにして、第1のMOSトランジスタのボディ効果を小さくし、第1のMOSトランジスタの閾値電圧を小さくし、高いバイアス電流をより容易に得ることができる。また、電圧源の電圧が1.65ボルトに上がると、発生するバイアス電流IBが増大する。増大したバイアス電流IBは抵抗R1上で大きな電圧降下が発生するが、電圧源の電圧が変化せず、このとき、第1のMOSトランジスタと第2のMOSトランジスタの制御端子及び出力端子の電圧を加算した値はその分小さくなり、バイアス電流IBはMOSトランジスタの制御端子及び出力端子の電圧と閾値電圧VTとの差の2乗に比例し、MOSトランジスタの閾値電圧VTは固定値であり、MOSトランジスタの制御端子及び出力端子の電圧が小さくなると、バイアス電流IBはその分小さくなる。抵抗Rは負帰還の作用を発揮することにより、バイアス電流IBの変化は非常に大きくなることがない。
【0031】
一実施例では、前記分圧抵抗R1は可変抵抗であり、必要に応じて抵抗R1の抵抗値を直接調整できるため、バイアス電流発生回路の分圧抵抗は可変抵抗の最大抵抗値とゼロとの間で変化し、それによりバイアス電流発生回路は測定可能性に優れている。
【0032】
一実施例では、前記分圧抵抗R1は、例えば、220キロオーム、230キロオーム、250キロオーム、270キロオーム、300キロオーム、350キロオーム、400キロオーム、450キロオームなどの固定抵抗である。バイアス電流発生回路における静的消費電力の要件に応じて分圧抵抗R1の抵抗値を選択することができる。
【0033】
図3に示すように、一実施例では、スイッチング回路はPMOSトランジスタM00、第1のMOSトランジスタは真性NMOSトランジスタM01、第2のMOSトランジスタは普通のNMOSトランジスタM02である。MOSトランジスタM00のソース及び基板は電圧源VDDの出力端子に接続され、MOSトランジスタM00のゲートは制御信号に接続され、MOSトランジスタM00のドレインは分圧抵抗R1の一端に接続され、分圧抵抗R1の他端はそれぞれMOSトランジスタM01のドレイン及びMOSトランジスタM01のゲートに接続され、MOSトランジスタM01のソースはそれぞれMOSトランジスタM02のドレイン及びMOSトランジスタM02のゲートに接続され、MOSトランジスタM02のソース及び基板、MOSトランジスタMO1の基板は接地される。即ち、MOSトランジスタM01及びMOSトランジスタM02はいずれもダイオード接続されたMOSトランジスタである。制御信号が高レベルになると、MOSトランジスタM00はオフになり、バイアス電流発生回路全体は動作せず、バイアス電流が発生しない。このとき、バイアス電流発生回路の静的消費電力は0である。制御信号が低レベルになると、MOSトランジスタM00はオンになり、線形領域で動作し、MOSトランジスタM00のインピーダンスはほほゼロであり、無視できる。このとき、バイアス電流発生回路のバイアス電流IB≒(VDD-VGS1-VGS2)/R1であり、ここで、VDDは電圧源VDDの電圧、VGS1はMOSトランジスタM01のゲートのソースに対する電圧、VGS2はMOSトランジスタM02のゲートのソースに対する電圧、R1は分圧抵抗R1の抵抗値である。
【0034】
一実施例では、前記分圧抵抗の抵抗値は200キロオーム以上500キロオーム以下であり、例えば、220キロオーム、230キロオーム、250キロオーム、270キロオーム、300キロオーム、350キロオーム、400キロオーム、450キロオームなどである。他の実施例では、バイアス電流発生回路における静的消費電力の要件に応じて分圧抵抗の抵抗値を選択する。
【0035】
一実施例では、前記バイアス電流発生回路は単電源超低消費電力プロセスに用いられる。
【0036】
上記バイアス電流発生回路は、バイアス電流の発生に必要な電圧を供給するための電圧源と、入力端子が前記電圧源に接続され、制御端子が制御信号を受信し、前記制御信号に応じてオン/オフを制御するスイッチング回路と、スイッチング回路がオンになると、バイアス電流を発生させることに用いられ、第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを備え、前記第1のMOSトランジスタの入力端子及び前記第1のMOSトランジスタの制御端子はいずれも前記スイッチング回路の出力端子に接続され、前記第1のMOSトランジスタの出力端子はそれぞれ前記第2のMOSトランジスタの入力端子及び前記第2のMOSトランジスタの制御端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタの出力端子は接地される電流発生回路と、を備える。本手段では、バイアス電流を発生させるための電流発生回路は第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを備え、第1のMOSトランジスタの入力端子及び制御端子はいずれも前記スイッチング回路の出力端子に接続され、スイッチング回路の入力端子は電圧源に接続され、前記第1のMOSトランジスタの出力端子はそれぞれ前記第2のMOSトランジスタの入力端子及び制御端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタの出力端子は接地され、スイッチング回路がオンになると、電圧源はスイッチング回路によって電流発生回路の第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタにバイアス電流を発生させるための電圧を供給し、さらにバイアス電流を発生させ、該バイアス電流発生回路は起動回路を必要とせずに正常電流動作状態に入って必要なバイアス電流を発生させることができ、起動回路を使用してバイアス電流を発生させる回路に比べて、本願はバイアス電流のビルドアップ時間が短く、flash IPに求められるバイアス電流のビルドアップ時間の要件を満たす。
【0037】
フラッシュメモリであって、上記いずれか一項に記載のバイアス電流発生回路を備える。
【0038】
一実施例では、前記フラッシュメモリは単電源超低消費電力プロセスで形成されるフラッシュメモリである。
【0039】
上記フラッシュメモリは、上記いずれか一項に記載のバイアス電流発生回路を備える。本手段では、フラッシュメモリのバイアス電流を発生させるための電流発生回路は第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタを備え、第1のMOSトランジスタの入力端子及び第1のMOSトランジスタの制御端子はいずれも前記スイッチング回路の出力端子に接続され、スイッチング回路の入力端子は電圧源に接続され、前記第1のMOSトランジスタの出力端子はそれぞれ前記第2のMOSトランジスタの入力端子及び前記第2のMOSトランジスタの制御端子に接続され、前記第2のMOSトランジスタの出力端子は接地され、スイッチング回路がオンになると、電圧源はスイッチング回路によって電流発生回路の第1のMOSトランジスタ及び第2のMOSトランジスタにバイアス電流を発生させるための電圧を供給し、さらにバイアス電流を発生させ、該バイアス電流発生回路は起動回路を必要とせずに正常電流動作状態に入って必要なバイアス電流を発生させることができ、起動回路を使用してバイアス電流を発生させる回路に比べて、本願はバイアス電流のビルドアップ時間が短く、flash IPに求められるバイアス電流のビルドアップ時間の要件を満たす。
【0040】
以上のような実施例の各技術的特徴を任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例の各技術的特徴のすべての可能な組合せを説明していないが、これらの技術的特徴の組合せが矛盾しない限り、本明細書に記載の範囲に属すると理解すべきである。
【0041】
以上のような実施例は本願のいくつかの実施形態を表しているに過ぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、特許出願の範囲を限定するものとして理解すべきではない。ただし、当業者であれば、本願の概念から逸脱せずに、種々の変形や改良を行うことができ、これらも本願の保護範囲に属する。従って、本願の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3