(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】飲料機および飲料機をプライミングする方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20240517BHJP
A47J 31/46 20060101ALI20240517BHJP
A47J 31/54 20060101ALI20240517BHJP
A47J 31/56 20060101ALI20240517BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
A47J31/00 307
A47J31/46 115
A47J31/54 115
A47J31/56
B67D1/08 A
(21)【出願番号】P 2022574377
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021033995
(87)【国際公開番号】W WO2021247280
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-01-31
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519079201
【氏名又は名称】ラバッツァ プロフェッショナル ノース アメリカ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】LAVAZZA PROFESSIONAL NORTH AMERICA,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ、デイヴィッド
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-023035(JP,A)
【文献】特開平05-046864(JP,A)
【文献】特開平05-161547(JP,A)
【文献】国際公開第2019/102509(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0313765(US,A1)
【文献】特開平11-306433(JP,A)
【文献】国際公開第2010/119438(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/035736(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00
A47J 31/46
A47J 31/54
A47J 31/56
B67D 1/08
G07F 13/00
F24H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料機をプライミングする方法であって、
前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると、前記飲料機の
熱いタンク内の液体の操作開始温度を測定するステップ;および
前記飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、
貯蔵タンク、
熱いタンクおよび再循環導管を含む閉鎖ループを通して前記液体のプライミング量を循環することによって、前記飲料機をプライミングするステップ、を含み、
前記プライミング量が、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合に第1の量であり、かつ、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超である場合に第2の量であり、前記第1の量が前記第2の量より大き
く;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、方法。
【請求項2】
前記プライミング量が、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超および第2の閾値温度未満である場合には前記第2の量であり、かつ、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第2の閾値温度超である場合には第3の量であり、前記第2の閾値温度が前記第1の閾値温度より大きく、かつ、前記第2の量が前記第3の量より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の量が前記第3の量の少なくとも2倍であり、かつ、前記第1の量が前記第3の量の少なくとも3倍である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記飲料機が前記飲料を販売する指示を受け取ると、前記飲料機の使用されていない時間に基いて、前記飲料機をプライミングする液体の、時間に基いた量を判断するステップをさらに含み、
(1)前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度未満であり、かつ、前記時間に基いた量が前記第1の量より大きい;または(2)前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超であり、かつ、前記時間に基いた量が前記第2の量より大きい場合に、前記プライミング量が前記時間に基いた量である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされた後の最初の販売についてのみ前記操作開始温度が使用されて、前記プライミング量を判断し、
前記プライミング量が、前記最初の販売の後および前記飲料機をオン状態からオフ状態に移行させる前の各販売については前記時間に基いた量である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が、コントローラーに操作可能に連結された温度センサーで測定され、
前記飲料機を前記プライミングするステップが、前記コントローラーが、前記
熱いタンクと前記再循環導管の間に配置された弁を自動的に開き、ポンプを起動し、前記閉鎖ループを通して前記液体の前記プライミング量を循環するステップを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度を測定するステップが、前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると自動的に行われ、
前記飲料機をプライミングするステップが、前記飲料機が前記飲料を販売する指示を受け取ると、前記飲料機が前記飲料を販売する前に自動的に行われる、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
飲料機であって、
一緒に流体連結されている、
貯蔵タンク、
熱いタンク、少なくとも1つの分配導管および少なくとも1つの再循環導管を備える流体サブシステムであって、前記
貯蔵タンク、前記
熱いタンクおよび前記再循環導管が再循環ループを形成する流体サブシステム;
前記
熱いタンク内の液体を加熱するためのヒーター、前記
熱いタンク内の前記液体の温度を測定するための温度センサー、ポンプ、前記
熱いタンクと前記少なくとも1つの分配導管との間に配置された第1の通常時閉止弁、前記
熱いタンクと前記少なくとも1つの再循環導管との間に配置された第2の通常時閉止弁、ならびに前記ヒーター、前記温度センサー、前記ポンプおよび前記第1と第2の通常時閉止弁に操作可能に連結されたコントローラーを備える電子サブシステム;
を備える飲料機において、
前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると、前記コントローラーが、前記温度センサーによって測定された前記
熱いタンク内の前記液体の操作開始温度を記録するように構成され;
前記飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、前記コントローラーが、前記ポンプを起動させ、前記第2の通常時閉止弁を開いて前記再循環ループを通して前記液体のプライミング量を循環することによって前記飲料機をプライミングするように構成され
;
前記プライミング量が、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合には第1の量であり、また、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超である場合には第2の量であり、前記第1の量が前記第2の量よりも大き
く;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、飲料機
【請求項9】
前記プライミング量が、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超、かつ、前記第1の閾値温度より大きいものである第2の閾値温度未満である場合には前記第2の量であり、また、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第2の閾値温度超である場合には第3の量であり、前記第2の量は前記第3の量より大きい、請求項8に記載の飲料機。
【請求項10】
前記第2の量が前記第3の量の少なくとも2倍であり、かつ、前記第1の量が前記第3の量の少なくとも3倍である、請求項9に記載の飲料機。
【請求項11】
飲料機であって、
前記飲料機の使用されていない時間を監視するための、前記コントローラーに操作可能に連結されたタイマーを備える電子サブシステム、をさらに備える飲料機において、
前記飲料機が前記飲料を販売する指示を受け取ると、前記コントローラーが、前記使用されていない時間に基いて前記飲料機をプライミングする液体の、時間に基いた量を判断するように構成され、
(1)前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度未満であり、かつ、前記時間に基いた量が前記第1の量より大きい;または(2)前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超であり、かつ、前記時間に基いた量が前記第2の量より大きい場合に、前記プライミング量が前記時間に基いた量である、請求項8~10のいずれか1項に記載の飲料機。
【請求項12】
飲料機をプライミングする方法であって、
前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると、前記飲料機の
熱いタンク内の液体の操作開始温度を測定するステップ;
前記飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、前記飲料を販売する前に、前記飲料機の使用されていない時間を判断するステップ;および
貯蔵タンク、
熱いタンクおよび再循環導管を含む閉鎖ループを通して前記液体のプライミング量を循環することによって、前記飲料機をプライミングするステップ、を含み、
前記プライミング量が、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度に基いて判断された温度に基いた量と、前記飲料機の前記使用されていない時間に基いて判断された時間に基いた量とのうちの大きい方であ
り;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、方法。
【請求項13】
前記温度に基いた量を判断するステップが、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度を測定するステップを含み、その結果、前記温度に基いた量が前記液体の前記温度が第1の閾値温度未満である場合に第1の量であり、前記液体の前記温度が前記第1の閾値温度超かつ前記第1の閾値温度より大きいものである第2の閾値温度未満である場合に第2の量であり、前記液体の前記温度が第2の閾値温度超である場合に第3の量であり、前記第1の量が前記第2の量より大きく、かつ、前記第2の量が前記第3の量より大きい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記時間に基いた量を判断するステップが、前記飲料機の使用されていない時間を直前の販売からの経過時間として監視するステップを含み、その結果、前記使用されていない時間が第1の閾値時間未満である場合に前記時間に基いた量が第4の量であり、前記使用されていない時間が第1の閾値時間超かつ第2の閾値時間未満の場合に第5の量であり、前記使用されていない時間が第2の閾値時間超かつ第3の閾値時間未満の場合に第6の量であり、前記使用されていない時間が第3の閾値時間超の場合に第7の量であり、前記第7の量が前記第6の量より大きく、前記第6の量が前記第5の量より大きく、かつ、前記第5の量が前記第4の量より大きい、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記第3および第4の量が同じであり、前記第2および第6の量が同じであり、かつ、前記第1および第7の量が同じである、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記温度に基いた量を判断するステップが、前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると自動的に行われ、また、前記時間に基いた量を判断するステップおよび前記飲料機をプライミングするステップが、前記飲料機
が飲料を販売する指示を受け取ると自動的に行われる、請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
複数の温度で飲料を販売するように構成された飲料機をプライミングする方法であって、
所定の温度超である温度で飲料を販売する指示を受け取ると、前記飲料を販売する前に、
貯蔵タンク、
熱いタンクおよび再循環導管を含む閉鎖再循環ループを通して液体のプライミング量を循環することによって、前記飲料機をプライミングするステップを含み;
前記液体の前記プライミング量が、直前の飲料販売で作られた前の飲料が前記所定の温度超であった場合には第1のプライミング量であり;および
前記液体の前記プライミング量が、前記直前の飲料販売で作られた前記前の飲料が前記所定の温度未満であった場合には第2のプライミング量であり、前記第2の
プライミング量が前記第1の
プライミング量より大き
く;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、方法。
【請求項18】
前記直前の飲料販売で作られた前記前の飲料が前記所定の温度超であった場合に、前記飲料機の前記
熱いタンク内の前記液体の温度を測定して前記第1のプライミング量を判断し、その場合に、前記飲料機の前記
熱いタンク内の前記液体の温度が第1の閾値温度未満である場合には前記第1のプライミング量は第1の量であり、前記飲料機の前記
熱いタンク内の前記液体の温度が前記第1の閾値温度超かつ前記第1の閾値温度より大きいものである第2の閾値温度未満である場合には前記第1のプライミング量は第2の量であり、また、前記飲料機の前記
熱いタンク内の前記液体の温度が前記第2の閾値温度超である場合には前記第1のプライミング量は第3の量であり、前記第1の量が前記第2の量より大きく、前記第2の量が前記第3の量より大きく、かつ、前記第2プライミング量が前記第1の量より大きい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記直前の飲料販売で作られた前記前の飲料が前記所定の温度超であった場合に、使用されていない時間を直前の販売からの経過時間として監視して前記第1のプライミング量を判断し、その場合に、前記第1のプライミング量は、前記使用されていない時間が第1の閾値時間未満である場合には第4の量であり、前記使用されていない時間が前記第1の閾値時間超かつ第2の閾値時間未満である場合には第5の量であり、前記使用されていない時間が前記第2の閾値時間超かつ第3の閾値時間未満である場合には第6の量であり、また、前記使用されていない時間が前記第3の閾値時間超である場合には第7の量であり、前記第7の量は前記第6の量より大きく、前記第6の量は前記第5の量より大きく、かつ、前記第5の量は前記第4の量より大きい、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
飲料機であって、
一緒に流体連結されている、
貯蔵タンク、
熱いタンク、少なくとも1つの分配導管および少なくとも1つの再循環導管を備える流体サブシステムであって、前記
貯蔵タンク、前記
熱いタンクおよび前記再循環導管が再循環ループを形成する流体サブシステム;
前記
熱いタンク内の液体を加熱するためのヒーター、前記
熱いタンク内の前記液体の温度を測定するための温度センサー、ポンプ、前記
熱いタンクと前記少なくとも1つの分配導管との間に配置された第1の通常時閉止弁、前記
熱いタンクと前記少なくとも1つの再循環導管との間に配置された第2の通常時閉止弁、ならびに前記ヒーター、前記温度センサー、前記ポンプおよび前記第1と第2の通常時閉止弁に操作可能に連結されたコントローラーを備える電子サブシステム;
を備える飲料機において、
前記飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、前記コントローラーが、前記ポンプを起動させ、前記第2の通常時閉止弁を開いて前記再循環ループを通して前記液体のプライミング量を循環することによって前記飲料機をプライミングするように構成され;および
前記プライミング量が、前記飲料機で直前に販売された飲料が前記所定の温度超の販売温度を有する場合には第1の量であり、前記飲料機で前記直前に販売された飲料が前記所定の温度未満の販売温度を有する場合には第2の量であり、前記第2の量が前記第1の量よりも大き
く;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、飲料機。
【請求項21】
飲料機をプライミングする方法であって、
前記飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、前記飲料を販売する前に、
前記飲料機の使用されていない時間を判断するステップ;および
貯蔵タンク、
熱いタンクおよび再循環導管を含む閉鎖ループを通し
て液体のプライミング量を循環することによって、前記飲料機をプライミングするステップ、を含み、
前記プライミング量が、温度に基いた量また
は飲料のタイプに基いた量の1つ
が、前記飲料機の前記使用されていない時間に基いて判断された、時間に基いた量より大きいことによって取って代わられない限り、前
記時間に基いた量であ
り;
前記温度に基いた量が、前記熱いタンク内の前記液体の操作開始温度に基いて判断され;
前記飲料のタイプに基いた量が、直前の飲料販売で作られた前の飲料が40℃未満である温度を有する冷たい飲料であった場合に判断され;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、方法。
【請求項22】
前記時間に基いた量が、前記使用されていない時間が第1の閾値時間未満である場合には第1の量であり、かつ、前記使用されていない時間が前記第1の閾値時間超である場合には第2の量であり、前記第2の量が前記第1の量より大きいものであること;
前記温度に基いた量が、前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされた後の最初の販売にのみ、かつ、前記温度に基いた量が前記時間に基いた量より大きい場合にのみ使用され、また、前記温度に基いた量が、前記
熱いタンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合には第3の量であり、かつ、前記
熱いタンク内の前記液体の前記操作開始温度が前記第1の閾値温度超である場合には第4の量であり、前記第3の量が前記第4の量より大きいものであること;および
前記飲料のタイプに基いた量が、
前記直前の飲料販売で作られた
前記前の飲料が
前記40℃未満である温度を有する冷たい飲料であったたびごとに使用され、前記飲料のタイプに基いた量が、前記時間に基いた量のいずれよりもおよび前記温度に基いた量のいずれよりも大きいものであること、
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
飲料機をプライミングする方法であって、
前記飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、前記飲料を販売する前に、
前記飲料機の使用されていない時間に基いて、時間に基いたプライミング量を判断するステップ;
前記販売が前記飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされた後の最初の販売であるかどうかを判断し、そうである場合には、操作開始時の前記飲料機の1つ以上の
熱いタンク内の液体の温度に基いて、温度に基いたプライミング量を判断するステップ;
直前の飲料販売で作られた前の飲料が所定の飲料温度未満の温度で販売されたかどうかを判断し、そうである場合には、飲料のタイプに基いたプライミング量を判断するステップ;および
貯蔵タンク、前記1つ以上の
熱いタンクおよび再循環導管を含む閉鎖ループを通して前記液体のプライミング量を循環することによって、前記飲料機をプライミングするステップ;を含み、
前記プライミング量が、前記時間に基いたプライミング量、前記温度に基いたプライミング量および前記飲料のタイプに基いたプライミング量のうちの最大のものであ
り;および
前記液体が前記飲料を生成するのに用いられる、方法。
【請求項24】
前記プライミング量が、前記直前の飲料販売で作られた前記前の飲料が前記所定の飲料温度未満の前記温度で販売された場合には、常に前記飲料のタイプに基いたプライミング量である、
請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月2日に出願された米国特許仮出願第63/033,271号の優先権を主張し、その内容の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は、飲料機および飲料機をプライミングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料機は世界中の家庭やオフィスに備え付けられており、最適な飲料を生成できる飲料機を設計および作成する必要が常に存在する。オフィスや家庭に備え付けられている最も一般的な種類の飲料機の1つはコーヒーメーカーであり、このようなコーヒーメーカーは温かい(ホット)飲料と冷たい飲料の両方を作るために使用されることができる。このような飲料機は、各使用前にプライミングされて、所望の飲料を生成するために使用される液体の一貫した開始点が存在することを保証することができる。これは、一貫した水量が分配され、かつ給水温度が一貫していることを保証する。しかしながら、プライミング中に使用される液体の量を最適化して、分配される水の量および温度の一貫性を最大限にしながら、飲料機が飲料を作る準備が整うまでユーザーが待たなければならない時間を最小限に抑える必要が存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、飲料を販売する前に飲料機をプライミングするための方法およびシステムに関することができる。飲料機は、貯水タンク、熱水タンク、再循環導管および分配導管を含んでいてもよい。貯水タンク、熱水タンクおよび再循環導管は、再循環ループを形成してもよい。本方法は、飲料機の電源が入れられると、飲料機の熱水タンク内の液体の操作開始温度を測定するステップを含んでいてもよい。次に、飲料機が飲料を販売する要求を受け取ると、本方法は、飲料機から液体を分配しないで、再循環ループを通して液体のプライミング量を循環することによって飲料機をプライミングするステップを含んでいてもよい。プライミング量は、熱水タンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合には第1の量であってもよく、また、熱水タンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超である場合には第2の量であってもよく、ここで第1の量は第2の量よりも大きい。
【0004】
1つの様相では、本発明は以下のステップを含む、飲料機をプライミングする方法であってもよい:飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると、飲料機の熱水タンク内の液体の操作開始温度を測定するステップ;飲料機が飲料を販売する要求を受け取ると、貯水タンク、熱水タンクおよび再循環導管を含む閉ループを通して液体のプライミング量を循環することによって飲料機をプライミングするステップであって、熱水タンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合にはプライミング量は第1の量であり、また、熱水タンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超である場合には第2の量であり、ここで第1の量は第2の量よりも大きいステップ。
【0005】
別の様相では、本発明は、一緒に流体連結されている、貯水タンク、熱水タンク、少なくとも1つの分配導管および少なくとも1つの再循環導管を備える流体サブシステムであって、貯水タンク、熱水タンクおよび再循環導管が再循環ループを形成する流体サブシステム;および熱水タンク内の液体を加熱するためのヒーター、熱水タンク内の液体の温度を測定するための温度センサー、ポンプ、熱水タンクと少なくとも1つの分配導管との間に配置された第1の通常時閉止弁、熱水タンクと少なくとも1つの再循環導管との間に配置された第2の通常時閉止弁、ならびにヒーター、温度センサー、ポンプおよび第1と第2の通常時閉止弁に操作可能に連結されたコントローラーを備える電子サブシステム;を備える飲料機であってもよく、その場合に、飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると、コントローラーが、温度センサーによって測定された熱水タンク内の液体の操作開始温度を記録するように構成されており;飲料機が飲料を販売する要求を受け取ると、コントローラーが、ポンプを起動し第2の通常時閉止弁を開いて再循環ループを通して液体のプライミング量を循環することによって飲料機をプライミングするように構成されており;かつ、プライミング量は、熱水タンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合には第1の量であり、また、熱水タンク内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超である場合には第2の量であり、ここで第1の量は上記第2の量よりも大きい。
【0006】
さらに別の様相では、本発明は飲料機をプライミングする方法であって、飲料機の電源がオフ状態からオン状態にされると、飲料機の熱水タンク内の液体の操作開始温度を測定するステップ;飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、飲料を販売する前に、飲料機の使用されていない時間を判断するステップ;および液体のプライミング量を貯水タンク、熱水タンクおよび再循環導管を含む閉鎖ループを通して循環することによって飲料機をプライミングするステップ;を含む方法であってもよく、その場合に、プライミング量は、熱水タンク内の液体の操作開始温度に基いて判断される、温度に基いた量と、飲料機の使用されていない時間に基いて判断される、時間に基いた量とのうちのいずれか大きい方である。
【0007】
なおさらに別の様相では、本発明は、複数の温度で飲料を販売するように構成された飲料機をプライミングする方法であってもよく、本方法は、所定の温度超の温度で飲料を販売する指示を受け取った後で、飲料を販売する前に、液体のプライミング量を貯水タンク、熱水タンクおよび再循環導管を含む飲料機の閉鎖ループを通して循環することによって飲料機をプライミングするステップを含んでおり、その場合に、液体のプライミング量は、直前の飲料販売で作られた前の飲料が所定の温度超の場合には第1のプライミング量であり、また、液体のプライミング量は、直前の飲料販売で作られた前の飲料が所定の温度未満の場合には第2のプライミング量であり、ここで、第2の量は第1の量よりも大きい。
【0008】
さらに別の態様では、本発明は、一緒に流体連結されている、貯水タンク、熱水タンク、低温タンク、少なくとも1つの分配導管および少なくとも1つの再循環導管を含む流体サブシステムであって、貯水タンク、熱水タンクおよび再循環導管が再循環ループを形成する流体サブシステム;および熱水タンク内の液体を加熱するためのヒーター、熱水タンク内の液体の温度を測定するための温度センサー、ポンプ、熱水タンクと少なくとも1つの分配導管との間に配置された第1の通常時閉止弁、熱水タンクと少なくとも1つの再循環導管との間に配置された第2の通常時閉止弁、ならびにヒーター、温度センサー、ポンプおよび第1と第2の通常時閉止弁に操作可能に連結されたコントローラーを含む電子サブシステム;を備える飲料機械であってもよく、その場合に、飲料機が飲料を販売する指示を受け取ると、コントローラーが、ポンプを起動し第2の通常時閉止弁を開いて再循環ループを通して液体のプライミング量を循環することによって飲料機をプライミングするように構成されており;かつ、プライミング量は、飲料機で直前に販売された飲料が所定の温度超の販売温度を有する場合には第1の量であり、また、飲料機で直前に販売された飲料が所定の温度未満の販売温度を有する場合には第2の量であり、ここで第2の量は上記第1の量よりも大きい。
【0009】
本発明の適用可能なさらなる領域は、以下に提供される発明を実施するための形態から明らかになるであろう。本発明を実施するための形態および特定の実施形態は、本発明の好ましい実施形態を示しているけれども、例示の目的のためのみが意図されており、本発明の範囲を制限することは意図されていないことが理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、本発明を実施するための形態および添付の図面からより完全に理解されるであろう。図面の説明は以下のとおりである。
【0011】
【
図1】本発明の1つの実施形態による飲料機の概略図である。
【0012】
【
図2】
図1の飲料機の電子サブシステムのブロック図である。
【0013】
【
図3】
図1の飲料機をプライミングする液体の温度に基いた量を判断するステップを示す流れ図である。
【0014】
【
図4】
図1の飲料機をプライミングする液体の時間に基いた量を判断するステップを示す流れ図である。
【0015】
【
図5】
図1の飲料機をプライミングする液体の温度に基いた量または時間に基いた量のうちのどちらを使用するを判断するステップを示す流れ図である。
【0016】
【
図6】複数の温度で飲料を販売する
図1の飲料機のプライミング量を判断するステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好ましい実施形態についての以下の記載は、本来例示のためのみのものであり、本発明、その適用またはその使用を制限するようには全く意図されていない。
【0018】
本発明の原理による例示的な実施形態の記載は、添付の図面に関連して読まれることが意図されており、図面は記載された説明全体の一部と考えられるべきである。本明細書に開示された本発明の実施形態の記載では、方向または方向付けへのどのような言及も、説明の便宜のためのみが意図されており、本発明の範囲を制限するようには全く意図されていない。相対語、たとえば「未満の」、「上部の」、「水平の」、「垂直の」、「上の」、「下の」、「上へ」、「下へ」、「トップの」および「底の」とともにそれらの派生語(たとえば「水平に」、「下方へ」、「上方へ」等)は、そのときに説明されたまたは議論中の図面に示された方向付けに言及していると解釈されるべきである。これらの相対語は、説明の便宜のみのためにあり、その装置が特定の方向に構築されまたは操作されることは、そういうものとして明示的に示されない限り、要求されてしない。用語、たとえば「取り付けられ」、「添付され」、「接続され」、「連結され」、「相互に連結され」および類似語は、他様に明示的な記載がない限り、構造物が介在する構造物を介して直接または間接的に互いに固定されまたは取り付けられている関わり合いとともに両者が移動可能なもしくは固定された取り付け関係または関わり合いに言及している。そのうえ、本発明の特徴および利点は、例示された実施形態を参照することによって説明される。したがって、本発明は、単独でまたは他の特徴との組み合わせとして存在してもよいいくつかの可能な非制限的な特徴の組み合わせを示す、そのような例示的な実施形態に明示的に制限されるべきではない。すなわち、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されている。
【0019】
本明細書に記載されたプロセッサーまたはコントローラーは、コンピュータープログラム命令(たとえば、コード)を実行するように構成された、単独または組み合わせの、任意の中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラー、計算プログラム可能なデバイス、回路であってもよい。さまざまなプロセッサーは、任意の適当なタイプのコンピューターおよび/またはサーバーハードウェア(たとえば、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、タブレット、携帯電話等)に具現化されてもよく、また、バス、ソフトウェアおよびデータストレージ、たとえば揮発性および不揮発性メモリー、入力/出力デバイス、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)、リムーバブルデータストレージ、およびWi-Fi、Bluetooth(たとえば、クラシックBluetoothおよびBluetooth Low Energy)、LAN等を含む有線および/または無線通信インターフェースデバイスを含むがこれらに制限されない機能データ処理デバイスを形成するのに必要なすべての通常の補助コンポーネントを含んでいてもよい。
【0020】
コンピューター実行可能な命令またはプログラム(たとえば、ソフトウェアまたはコード)および本明細書に記載されたデータは、本明細書に記載されたそれぞれのプロセッサーにアクセス可能でありそれによって取得可能な非一時的なコンピューター可読媒体にプログラムされ、有形に具現化されてもよく、それはメディアにエンコードされた命令を実行することにより、所望の機能およびプロセスを実行するようにプロセッサーを構成しプロセッサーに指示する。そのような非一時的なコンピューター実行可能な命令またはプログラムに構成されたプログラム可能なプロセッサーを具現化するデバイスは、「プログラム可能なデバイス」または「デバイス」と呼ばれてもよく、また、相互交信での複数のプログラム可能なデバイスは「プログラム可能なシステム」と呼ばれてもよい。本明細書に記載された非一時的な「コンピューター可読媒体」は、ランダムアクセスメモリー(RAM)およびそのさまざまなタイプ、読み取り専用メモリー(ROM)およびそのさまざまなタイプ、USBフラッシュメモリー、および磁気または光学式データストレージデバイス(たとえば、内部/外部ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープCD-ROM、DVD-ROM、光ディスク、ZIP(商標)ドライブ、Blu-rayディスク等)(これらはメディアに操作可能に接続されたプロセッサーによって書き込みおよび/または読み取りされてもよい。)を含むが、これらに制限されない任意の適当な揮発性または不揮発性メモリーを含んでいてもよいことに留意するべきである。
【0021】
ある実施形態では、本発明は、プロセッサーに基いたデータ処理および通信システム、またはそれらのプロセスを実行するためのコンピューターシステムなどのコンピューターで実施されるプロセスおよび装置の形で具体化されてもよい。本発明はまた、非一時的コンピューター可読記憶媒体に具現化されたソフトウェアまたはコンピュータープログラムコードの形で具現化されてもよく、データ処理および通信システムまたはコンピューターシステムにロードされて実行されると、コンピュータープログラムコードセグメントは、そのプロセスを実装するために構成された特定の論理回路を作成するようにプロセッサーを構成する。
【0022】
図1を参照して、飲料機100の概略図が説明される。飲料機100は、飲料機100のプライミングの間および飲料機100を使用して飲料を生成/販売する間、それを通して液体が流れる流体サブシステムを備える。飲料機100はまた、飲料機100の適当な操作に必要な電子部品を備えている電子サブシステムを備える。流体サブシステムおよび電子サブシステムは協働して、必要に応じて飲料機100をプライミングし、飲料を生成する指示を受け取ると飲料機100を使用して飲料を生成する。具体的には、飲料機100は、飲料を販売するための飲料機100の各使用の前にプライミング操作を受けてもよい。飲料機100はまた、起動されると(すなわち、電源を入れられると、または電源がオフ状態からオン状態にされると)プライミング操作を行なってもよい。もっとも、これはすべての実施形態で必要というわけではない。そのようなプライミング操作は、各販売で一定の水量が分配されることを保証し、各販売で一定の水供給温度を保証し、また、飲料成分を保持する容器が販売操作の際に一貫して開袋されることを保証する。そのようなプライミング操作の詳細は、特に
図1および3~6を参照して以下に、より詳細に提供される。
【0023】
プライミング操作に加えて、飲料機100はまた、飲料を生成する指示を受け取ると飲料を生成するように構成され、それは、ユーザーが飲料機100のユーザーインターフェースまたはディスプレイとやり取りし、飲料機100のボタンを押し、飲料機100から離れているが操作可能に連結されている電子装置から信号を送信すること等によって遂行されてもよい。いくつかの実施形態では、飲料機100はコーヒー飲料を生成または販売するように構成されてもよく、それはドリップコーヒー、ホットコーヒー、冷たいコーヒーおよびスペシャルティコーヒー飲料、たとえばカプチーノ、ラテ、マッキアート等を含んでいてもよい。しかし、本発明はすべての実施形態でそのように制限されるものではなく、飲料機100は茶、スープ、ホットチョコレート等を含む他の飲料を生成または販売するように構成されてもよい。
【0024】
飲料機100の流体サブシステムは、貯水タンク101、1つ以上の熱水タンク102、マニホールド103、マニホールド103から貯水タンク101に戻るまで延在する再循環導管104、マニホールド103からジェットノズル106まで延在する分配導管105、マニホールド103からジェットノズル108まで延在するインジェクター分配導管107、ならびに貯水タンク101から1つ以上の熱水タンク102までおよび1つ以上の熱水タンク102からマニホールド103まで延在するフロー導管109を備える。例示された実施形態では、貯水タンク101は、貯水タンク101が主給水源114から必要により水を自動的に満たされるように主給水源114に流体連結されている。その点に関して、液位センサーが下限閾値未満の液位を示す場合に貯水タンク101を自動的に満たすようにコントローラーと通信する液位センサーが貯水タンク101内に設置されてもよい。別の実施形態では、ユーザーが必要により貯水タンク101内に水(または他の液体)を注いで貯水タンク101を満たしてもよい。いずれの場合でも、貯水タンク101は、飲料を生成する指示を受け取ると、飲料機100をプライミングするためにおよび/または飲料を生成するまたは他様に作成するために使用される供給液体(すなわち、水)を保持する。
【0025】
例示された実施形態では、流体サブシステムはまた、補助水タンク110および/または冷水タンク111を備える。いくつかの実施形態では、補助水タンク110および冷水タンク111のうちの1つではあるが同時に両方ではないタンクが、流体サブシステムの一部として含まれてもよい。別の実施形態では、補助水タンク110および冷水タンク111は、流体サブシステムの一部として同時に含まれてもよい。さらに別の実施形態では、補助水タンク110および冷水タンク111は省略されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、補助水タンク110および冷水タンク111は、必要に応じてまたはエンドユーザーに所望されて使用されてもよい任意的なタンクである。補助水タンク110および冷水タンク111は、使用される場合には飲料機100の別の構成要素に操作可能に連結されるように構成される任意的な外部装置であってもよい。
【0026】
補助水タンク110は、貯水タンク101の収容量を増加させるために使用されてもよい。具体的には、補助水タンク110は、貯水タンク101の液位が低い場合に飲料の生成に使用される追加の供給液体を保持する。したがって、補助水タンク110が使用される場合、補助水タンク110は、飲料機100の操業中に液体(すなわち、水)が補助水タンク110から貯水タンク101へと送り出されまたは他様に移動されて飲料の生成に使用されることができるように、貯水タンク101に流体連結される。
【0027】
飲料機100が清涼飲料、たとえば冷たいコーヒー等を生成するまたは販売するように構成される場合に、冷水タンク111が使用されてもよい。冷水タンク111が使用される場合、冷水タンク111は貯水タンク101とではなくマニホールド103と流体連結されてもよく、それによって冷水タンク111からの液体がマニホールド103に直接流されるようにされ、そこでその後液体が、最初に熱水タンク102を通る必要なく、ジェット分配導管105およびジェットノズル106を通ってあるいはインジェクター導管107およびインジェクターノズル108を通って分配されることができるようにされてもよい。これは、冷水タンク111が、冷水タンク111内に入れられた液体を冷却する冷却サブシステム118を内蔵しており、したがって、冷却された液体を冷水タンク111から熱水タンク102まで流すことは望ましくないからである。正しくは、ユーザーが清涼飲料の販売を選択する場合、液体は、熱水タンク102を通らないで、冷水タンク111からジェットまたはインジェクターノズル106、108まで直接流れる。
【0028】
いくつかの実施形態では、冷水タンク111の冷却サブシステム118は、冷凍装置の基本的構成要素、たとえば圧縮機、凝縮器、膨張弁および蒸発器を含んでいてもよい。冷媒または冷却液は、上記の構成要素を通って流れて冷水タンク111内に入れられた任意の液体を冷却しまたは冷凍し(すなわち、それから熱を除去し)てもよい。冷却サブシステム118は、充填されて機械的に密封されると、冷媒が上記の構成要素を通過することができる単一の経路のみが存在する閉鎖冷凍装置であってもよい。もちろん、冷水タンク111内に入れられた液体の温度を冷却しまたは下げるように構成される限り、冷水タンク111内の液体が清涼飲料の生成に使用されることができるように他の技術、構成要素等が冷却サブシステム118の一部として使用されてもよい。
【0029】
ここで使用されるように、清涼飲料が40℃未満、より具体的には30℃未満、さらにより具体的には20℃未満または10℃未満である温度を有する飲料であることは正しく理解されるべきである。したがって、冷水タンク111内の液体は、清涼飲料を生成するために上記の温度未満である温度を有しなければならない。さらにそのうえ、高温飲料は最初に作られたときに70℃超である温度を有するものであり、また、より具体的には高温飲料は80℃超または90℃超である温度を有する。熱水タンク102は、液体が熱水タンク102内へとおよびそれを通って流れるときに、本明細書に記載されるような高温飲料を生成するために液体が使用されることができるように、上記の範囲内の温度まで液体を加熱するように構成される。
【0030】
図1および2を参照すると、飲料機100の電子サブシステムは概して、コントローラー120、飲料機100の電源をオンおよびオフ(オフ状態とオン状態の間)にするための電源スイッチ121、熱水タンク102のそれぞれ内に置かれたヒーター122、熱水タンク102のそれぞれ内に置かれた温度センサー123、貯水タンク101からマニホールド103まで液体を汲むためのポンプ124、ジェット分配導管105に沿って(またはマニホールド103とジェット分配導管105との間に)置かれた第1の弁125、インジェクター分配導管107に沿って(またはマニホールド103とインジェクター分配導管107との間に)置かれた第2の弁126、再循環導管104に沿って(またはマニホールド103と再循環導管104との間に)置かれた第3の弁127、タイマー128およびユーザー入力装置129を備える。この例示された実施形態では、コントローラー120は、電源スイッチ121、ヒーター122、温度センサー123、ポンプ124、第1、第2および第3の弁125、126および127、タイマー128およびユーザー入力装置129に操作可能に連結される。図に示されていないが、コントローラー120はまた、主給水源114、補助水タンク110(具体的には、タンクレベル入力およびポンプ出力)、冷水タンク111(具体的には、状態入力、送水ポンプ出力および空気ポンプ出力)、の弁、および貯水タンク101内の液位を監視するために貯水タンク101内に置かれた貯水フロートスイッチにも操作可能に連結される。
【0031】
例示された実施形態では、ポンプ124は、フロー導管109に沿って貯水タンク101と熱水タンク102との間に置かれる。しかし、本発明は、すべての実施形態においてそのように制限されるべきではなく、カップの中に分配するために貯水タンク101からマニホールド103まで液体を汲み出すことが可能である限り、ポンプ124は導管に沿って他の位置に配置されてもよい。ポンプ124は、本明細書に記載された流体サブシステムを通して流体を汲み出すように構成された任意のタイプまたは様式であることができる。流量計の位置は、
図1に示されたようにポンプ124の上流であってもよい。
【0032】
電源スイッチ121は、飲料機100のボタン、または飲料機100のタッチスクリーンもしくはグラフィカルユーザーインターフェースもしくはディスプレイ上のアイコンを備えてもよい。他の実施形態では、電源スイッチ121は、飲料機100に置かれたトグルスイッチ、スライドスイッチ等であってもよく、これらは飲料機をオフ状態からオン状態に変更するためにユーザーによって始動されることができる。いくつかの実施形態では、電源スイッチ121はユーザー入力装置129の一部であってもよい。ユーザーは必要に応じて、飲料機100をオフ状態からオン状態に起動するようにおよび飲料機100をオン状態からオフ状態に変えるように電源スイッチ121を作動させてもよい。
【0033】
コントローラー120および電子サブシステムの他の構成要素の間の操作可能な連結により、コントローラー120がユーザー入力装置129(すなわち、ボタン、タッチスクリーン、ユーザーとの対話型ディスプレイ、グラフィカルユーザーインターフェース、外部電子装置等)、温度センサー123および/またはタイマー128から受け取った指示または情報に基いてポンプ124の起動ならびに第1、第2および第3の弁125、126、127の開閉を制御することを可能にすることによって、コントローラー120は、飲料機100の操作を制御するように構成される。コントローラー120は、本明細書にこれからより非常に詳細に記載される様々な機能を実行するための指示を格納するメモリーを備えた汎用コンピューターであってもよい。したがって、たとえば、制限するものではないが、コントローラー120は、温度センサー123から情報/データを受け取り、コントローラー120によって実行されることになる操作ならびにコントローラー120がポンプ124および弁125、126、127の起動/開閉をどのように制御することになるのかを指示するアルゴリズムによってその情報/データを処理する。コントローラー120の機能は、特に飲料機100のプライミング操作の議論の際に、より非常に詳細に以下に記載される。
【0034】
以下で、より詳細な開示がされるので、簡潔に言うと、プライミング操作の間、コントローラー120は、第3の弁127を開いてポンプ124を起動し、貯水タンク101、フロー導管109、熱水タンク102、マニホールド103および再循環導管104を含む閉鎖再循環ループに液体を流し(または循環し)、液体は元の貯水タンク101に戻されてもよい。プライミング操作の間、失われる液体はなく、液体は単に閉鎖再循環ループの中を循環する。閉鎖再循環ループ中の液体のこの循環は、液体が熱水タンク102を通って流れるときに液体が加熱され、加熱された流体が導管を通って流れるときに導管を加熱する役割をする。プライミング操作中の液体の循環はまた、飲料機100で飲料がこれから販売されるときの一貫した開始点があることも保証する。具体的には、飲料機100で飲料が作られ/販売されるたびに一貫した開始点が存在することを保証するために、販売の前にプライミング動作が行われて、マニホールド103が熱い液体で完全に満たされることを保証してもよい。プライミング操作は、具体的に
図3~6を参照して、以下で、これまでよりもはるかに非常に詳細に記載される。
【0035】
飲料機100での飲料販売の際に、コントローラー120は、第1の弁125を開き、ポンプ124を起動し、貯水タンク101からの液体を、フロー導管109、熱水タンク102およびマニホールド103を通して、さらにジェット分配導管105を通して分配し、ジェット分配ノズル106を通してカップ119の中に分配してもよい。ジェット分配ノズル106は、飲料をさらに良くするために、たとえば、より大きい速度でカップ119の中に液体を吹き込むことによって粉乳を泡立てるために(すなわち、作られる飲料がラテまたはカプチーノである場合に)使用されてもよい。最後に、コントローラー120は、第2の弁126を開き、ポンプ124を起動し、貯水タンク101からの液体を、フロー導管109、熱水タンク102およびマニホールド103を通して、さらにインジェクター分配導管107を通して分配し、インジェクター分配ノズル108を通してカップ119の中に吹き込んでもよい。カップ119の中に入れられる前に、液体は、さらに以下で議論されるように、飲料成分の中を通って流れてもよい。
【0036】
ヒーター122のうちの1つは、熱水タンク102のそれぞれ内に置かれて、液体が熱水タンク102を通り抜けるときまたはその中に留まるときに液体を加熱する。いくつかの実施形態では、ヒーター122は、飲料機100がオン状態にあるときはいつでも始動されて熱を発生していてもよい。他の実施形態では、ヒーター122はコントローラー120との操作可能な連結により、飲料機100の使用の間必要により電源をオンまたはオフにされてもよい。したがって、コントローラー120は、熱水タンク102内の液体の温度、販売と販売の間の時間の長さ、エネルギーを節約したい欲求等に基いて必要によりヒーター122の作動/停止状態を制御してもよい。例示された実施形態では、ヒーター122は熱水タンク102の内部に置かれているが、本発明はすべての実施形態においてそのように制限されるものではなく、他の実施形態ではヒーター122は熱水タンク102の外部に置かれるだろう。ヒーター122は、タンク内の液体を加熱することができる抵抗発熱体、金属発熱体、セラミック発熱体、半導体発熱体または他のタイプの発熱体であってもよい。
【0037】
例示された実施形態では、温度センサー123のうちの1つは、熱水タンク102に入れられた液体の温度を監視および/または測定するために熱水タンク102のそれぞれ内に置かれてもよい。上記のように、熱水タンク102内の液体の温度を示すデータがコントローラー120に送信されることができるように、温度センサー123はコントローラー120に操作可能に連結される。コントローラー120は、より非常に詳細に以下に記載されるように、この情報を、一連のプライミング操作中に使用する液体の量を判断することを含む様々な目的に使用することができる。温度センサー123は、サーミスター、温度計、熱電対、パッシブ赤外線センサー、測温抵抗体、半導体に基いた集積回路または熱水タンク102に入れられた液体の温度を測定することができる任意の他のタイプのセンサーであってもよい。
【0038】
例示された実施形態では、第1、第2および第3の弁125、126、127のそれぞれは、コントローラー120が第1、第2および第3の弁125、126、127の作動(すなわち、開閉)を制御して様々な所望の操作(たとえば、プライミング操作および飲料販売操作)を実施することができるように、コントローラー120に操作可能に連結された電磁弁である。さらに、いくつかの実施形態では、第1、第2および第3の弁125、126、127は通常時閉止弁であってもよく、通常時閉止弁とは、それらが開放位置へと作動される(または電源を入れられる)までそこを通る液体の流れを防ぐために閉じられたままであることを意味する。しかし、第1、第2および第3の弁125、126、127は、すべての実施形態において電磁弁である必要はなく、コントローラー120によって自動的に開閉されることができる任意のタイプの弁であることができる。たとえば、第1、第2および第3の弁125、126、127は、様々な別の実施形態では、共軸弁、アングルシート弁等であり得る。
【0039】
概して、液体の所望の流れ方向に応じて、第1、第2および第3の弁125、126、127のうちの1つだけが同時に開いている。第1、第2および第3の弁125、126、127は、飲料機100が飲料販売をせず一連のプライミング手順も行なっていない場合にはすべて閉まっていてもよい。たとえば、第1、第2および第3の弁125、126、127は、コントローラー120によって始動されたときだけに開けられる、いくつかの実施形態では通常時閉止2ポート弁であってもよい。本明細書で使用される用語「販売」が飲料を生成または製造するための飲料機100の使用を意味することは、正しく理解されるべきである。したがって、単一の販売とは、単一の飲料を生成するための飲料機100の単一の操作である。直前の販売とは、最後に完了した販売である。
【0040】
飲料機100を使用して飲料を生成または販売するためには、ユーザーは最初に、飲料成分容器112を飲料機100の容器受け入れ室113内に入れることになる。容器受け入れ室113は、いくつかの実施形態では飲料機100のドアが自動的にあるいはユーザーによって手動で開けられたときに、アクセス可能になってもよい。たとえば、容器受け入れ室113へのアクセスを提供するドアは、飲料機100によって作られる飲料をユーザーが選択すると、自動的に開いてもよい。そのような実施形態では、ユーザーは飲料のタイプを最初に選択し(下に記載される。)、次に、飲料成分容器112を飲料機100の容器受け入れ室113内に入れる。飲料成分容器112は、カプセル、小袋または飲料成分(たとえば、コーヒー挽き粉、茶葉、スープベース、粉末ココア等)が入れられた任意の他のタイプの容器でもよい。
【0041】
次に、ユーザーは、ユーザー入力装置129を使用して、飲料機100によって作られる飲料のタイプを選択する。上記のように、これは、ユーザーが飲料機100のボタンを押し、飲料機100のタッチスクリーンなどの対話型ディスプレイ(すなわち、ユーザー入力装置129)と対話し、外部装置から飲料機100に信号を送信する、等によって達成されてもよい。ユーザーが飲料タイプ(すなわち、カプチーノ、ドリップコーヒー、茶、スープ、ホットココア等)を選択すると、ユーザーの選択を示す情報は、コントローラー120とユーザー入力装置129との間の操作可能な連結によってコントローラー120に送信される。コントローラー120がユーザーの飲料選択を示す情報を受け取ると、コントローラー120はポンプ124を起動し、第1および第2の弁125、126のうちの1つを開いて、貯水タンク101から、ジェットおよびインジェクターノズル106、108の下に配置されたカップ119内に液体を流す。具体的には、ユーザーがホット飲料を選択すると、コントローラー120はポンプ124を起動し、貯水タンク101から、フロー導管109を通って、熱水タンク102内へおよびそれを通って、さらにマニホールド103を通って液体を送り出す。コントローラー120はまた、第1および第2の弁125、126のうちの1つを開状態へと始動し、それによって液体が次にマニホールド103からジェット分配導管105およびジェットノズル106を通ってまたはインジェクター分配導管107およびインジェクターノズル108を通って下のカップ119内へと流れることができるようにする。コントローラー120は、液体がカップ119内に(たとえば、粉乳を泡立たせる目的のために)より大きい速度/圧力で注入されるようになっている場合、第1の弁125を開状態へと始動し、また、コントローラー120は、液体がより小さい速度/圧力で飲料成分容器112を通って次にカップ119内へと注入されるようになっている場合、第2の弁126を開状態へと始動する。
【0042】
いくつかの飲料、たとえばカプチーノおよびラテでは、液体が様々な一連の操作でジェットノズル106およびインジェクターノズル108を通って流れることが必要である。たとえば、液体がインジェクターノズル108を通り飲料成分として粉乳を含む容器113内へと流れ、それから容器113が開き、粉乳113が下のカップ119内に落とされてもよい。次に、液体がジェットノズル106を通って流れて粉乳を泡立たせてもよい。そして次に、液体が再びインジェクターノズル108を通り飲料成分としてコーヒー挽き粉を含む別の容器113内へと流れてもよい。コントローラー120は、必要な一連の操作で第1および第2の弁125および126を開閉して、ユーザー入力装置129でのユーザーの選択に応じた液体のこの特定の流れを達成するように構成される。ユーザーが清涼飲料を選択する場合には、コントローラー120は液体を冷水タンク111からマニホールド103まで移動(すなわち、送り出す等)させ、それから所望の飲料を生成するのに要望される/必要とされるようにジェットノズル106またはインジェクターノズル108を通って進ませる。
【0043】
上述のように、飲料機100の重要な特徴は、プライミング操作を販売と販売の間の様々な時間に行って、各販売において一貫した液体量が分配されることおよび各販売において水の供給温度が一定であることを保証する飲料機100の能力である。プライミング操作はまた、飲料成分容器112が1つの販売から別の販売まで一貫した様式で開袋されて、飲料機で生成されまたはつくられる飲料の一貫性が維持されることも保証する。プライミング操作は概して、飲料機100が新しい飲料を販売する指示を受け取るごとに自動的に行なわれるが、飲料機100が新しい飲料を販売する前に行なわれる。具体的には、いくつかの実施形態では、ユーザーが飲料機100に新しい飲料を販売するように指示するごとに、飲料機100は新しい飲料を販売する前にプライミング操作を行なう。プライミング操作はまた、飲料機100の電源が入れられるごとに自動的に行なわれてもよいが、すべての実施形態においてそうなるわけではない。
【0044】
例示された実施形態において飲料機100は毎回正確に同じ方法でプライミング操作を行なうわけではない。すなわち、プライミング操作で使用される液体量は様々な要因に基いて調整される。ユーザーが飲料機100に飲料を販売するように指示した場合に、どのような新しい飲料を販売する前でも、飲料機100はまずプライミング操作を行なう。したがって、ユーザーは、新しい飲料が販売される前にプライミング操作が完了するまで待つことを要求され、これはユーザーの待ち時間を増加させる。人々は待ちきれないことがあるため、この待ち時を短縮することは有益であり、望ましいことである。したがって、飲料機100、特にそれのコントローラー120は、熱水タンク102内の液体の温度および飲料機100の使用されていない時間(これは飲料機100における直前の飲料販売から経過した時間である。)に関係する特定の情報を得て、プライミング操作中に使用する液体の量を判断するように設計されている。使用されていない時間がより長い場合または起動時の熱水タンク102内の液体の温度が低かった場合に、より多くの液体量が必要になることがあるけれども、プライミング操作中に使用される液体の量が大きければ大きいほど、ユーザーにとっての使用されていない時間がそれだけ長くなる。したがって、飲料機100は、プライミング操作中に十分な液体量が使用されて飲料販売中の一貫した水の量および温度を可能にすることを保証する必要と、同時にユーザーの待ち時間を最小限にすることとのバランスを達成するように設計されている。
【0045】
1つのプライミング操作では、コントローラー120はポンプ124を起動し、第1および第2の弁125、126を閉じたままで第3の弁127を開く。その結果、プライミング操作中に、液体は貯水タンク101からフロー導管109に入りその中を通り、フロー導管109から熱水タンク102に入りその中を通り、熱水タンク102からマニホールド103に入りその中を通り、マニホールド103から第3の弁127を介して再循環導管104に入りその中を通り、再循環導管104から元の貯水タンク101に戻るように流れる。したがって、例示された実施形態では、貯水タンク101、フロー導管109、熱水タンク102、マニホールド103および再循環導管104は、プライミング操作用の閉鎖再循環ループを集団として形成する。導管は例示された実施形態から変更されてもよく、いくつかの実施形態では貯水タンク101、熱水タンク102および再循環導管104が閉鎖再循環ループを形成することだけが必要なことであることが正しく理解されるべきである。たとえば、熱水タンク102は貯水タンク101に直接隣接して配置されることができ、それによって、フロー導管109の必要が否定される。さらに、マニホールド103は、熱水タンク102からジェット導管105、インジェクター導管107および/または再循環導管104まで延在する1つ以上の導管で置き換えられてもよい。流体流れサブシステムの導管および構成要素の正確な配置にかかわらず、形成された閉鎖再循環ループが存在し、その中を液体がプライミング操作中に流れることができる。
【0046】
プライミング操作の間、閉鎖再循環ループを通り抜ける液体が熱されることができるように、液体は熱水タンク102によって加熱される。これは、飲料機100が飲料を販売するために使用されるごとに、次の販売に使用されることになる液体が一貫した温度を有することを可能にする。具体的には、新しい飲料が販売される場合、その飲料を生成するのに使用される第1の液体は、熱水タンク102と、ジェットおよびインジェクター分配導管105、107と、の間に置かれた液体(マニホールド103内の液体を含む。)である。したがって、ユーザーが飲料機100にホット飲料を販売するように指示するときに、熱水タンク102と分配ノズル106、108との間にある液体は熱いことが望ましい。そうでないと、その飲料を生成するために使用される最初の液体が冷たくなり、販売操作が完了するときの飲料の温度に影響するだろう。プライミング操作は、熱い液体が熱水タンク102と分配ノズル106、108との間の導管ライン中にあることを保証する。具体的には、プライミング操作が各販売の直前に行なわれるので、マニホールド103の中および熱水タンク102とマニホールド103との間の任意の導管の中にある液体は、熱水タンク102内のヒーター122によって所望の温度に直前に加熱されている。さらに、プライミング操作は、マニホールド103が次の販売の前に、加熱された液体で完全に満たされていることを保証し、これは販売に際しての一貫した開始点を提供し、かつ、飲料の販売の際に使用される液体の一貫した量をもたらす。
【0047】
図1および3を参照して、プライミング操作中に使用する液体の適当な量を判断するための飲料機100によって使用される1つの手法または方法が以下に記載される。具体的には、
図3は、プライミング操作用の量が、熱水タンク102内の液体の温度に基いて判断されるプロセスを説明する流れ図である。したがって、この手法、方法またはアルゴリズムを使用して判断される量は、本明細書では「プライミング操作用液体の温度に基いた量」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、この「温度に基いた量」は、飲料機100の最初の起動または操業開始またはブートアップの後の最初の販売だけに使用される。すなわち、いくつかの実施形態では、温度に基いた量(および
図3を参照して記載される関連した方法のステップ)は、飲料機100の電源がオフ状態からオン状態にされた後に行われる最初の販売の後のどのような販売にも使用されるわけではない。他の実施形態では、温度に基いた量は各プライミング操作に、それが飲料機の電源が入れられた後の最初の販売かどうかにかかわらず、使用され、または少なくとも使用が考慮されてもよい。
【0048】
図3において、ステップ300は飲料機100の電源が入れられたことを示す。飲料機100の電源投入が次のステップを引き起こすので、これがこのプロセスの第1のステップである。具体的には、飲料機100の電源がオフ状態からオン状態にされると(たとえば、本明細書で上記されたようにユーザーが電源スイッチ121等を始動させることによって)、飲料機100は熱水タンク102内の液体の操作開始温度を測定する(ステップ301)。すなわち、飲料を販売する指示を受け取る前でさえ、飲料機100がオフ状態からオン状態に変えられると、飲料機100は熱水タンク102内の液体の操作開始温度を判断する。次に、この熱水タンク102内の液体の操作開始温度は、飲料機100のプライミングの間に使用される量(すなわち、温度に基いた量)を判断するのに使用されてもよい。下に記載されるように、操作開始温度を使用して判断されたプライミング量(温度に基いた量)は、飲料機100が使用されていない時間を考慮して判断された量(時間に基いた量)によって取って代わられまたは後者が優先されてもよい。
【0049】
次に、ステップ302で、飲料機302は、飲料を販売する要求を受け取る。飲料を販売する要求を受け取ると、飲料機100は、ステップ301で算定された熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超であるか未満であるかを判断する(ステップ303)。これは、例示された実施形態において次の方法で達成される。温度センサー123が、熱水タンク102内の液体の温度を監視または測定する。温度センサー123は、周期的に、連続的に、設定された時間間隔でまたはコントローラー120による要求でのいずれかで、熱水タンク102内の液体の温度を示すデータを、温度センサー123とコントローラー120との間の操作可能な連結によってコントローラー120に送る。例示された実施形態では、飲料機100をオフ状態からオン状態に変えると直ちに、温度センサー123は、温度の読み取り値(すなわち、操作開始温度)をコントローラー120に送信し、コントローラー120はこの温度を熱水タンク102内の液体の操作開始温度として記録する(いくつかの実施形態では、これはすべてステップ301の一部であってもよい。)。その後、飲料機100が飲料を販売する指示を受け取ると、コントローラー120は、ステップ301で測定された熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超であるか未満であるかを判断する。これは、コントローラー120が熱水タンク102内の液体の温度を第1の閾値温度と比較しまたは他の手法を使用することによって達成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の閾値温度は30℃~50℃、より特には35℃~45℃の範囲内であってもよく、さらにより特には第1の閾値温度はおよそ40℃であってもよく、または第1の閾値温度はおよそ35℃であってもよい(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)。
【0050】
熱水タンク102内の液体の操作開始温度が、コントローラー120によって第1の閾値温度未満である(たとえば、第1の閾値温度の値に応じて40℃未満または35℃未満等)と判断される場合には、このプロセスはステップ304に移行する。したがって、熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度未満であると判断される場合には、次にコントローラー120は、液体の第1の量で飲料機100をプライミングすることを促進する。1つの実施形態では、第1の量は、50ml~70ml、より特には55ml~65ml、さらにより特にはおよそ60ml(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)の範囲内であってもよい。具体的には、本明細書で上記したように、コントローラー120は、ポンプ124を起動し第3の弁127を開いて閉鎖再循環ループを通して液体の第1の量を流す。熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度未満である場合には、飲料機100の操作開始(またはブートアップまたは電源投入)時の熱水タンク102内の液体は比較的冷たいので、飲料機100を熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超である場合よりも液体の大きい量でプライミングする必要または要望がある。「比較的冷たい」の用語は、本明細書では強調されるべきである。というのは、熱水タンク102内の液体が39℃(または34℃等)であって、それでもなお第1の閾値温度未満の温度であることがあり得るからである。39℃は、人が冷たいと考えるかもしれない温度ではないけれども、コーヒーを淹れる温度の観点からは比較的冷たい。
【0051】
熱水タンク102内の液体の操作開始温度が、第1の閾値温度超であると判断される場合には、次にこのプロセスはステップ305に移行する。ステップ305では、コントローラー120(または、一般に飲料機100)は、熱水タンク102内の液体の操業開始温度が第2の閾値温度超であるかどうかを判断する。第2の閾値温度は第1の閾値温度超である。いくつかの実施形態では、第2の閾値温度は80℃~100℃、より特には85℃~95℃、さらにより特にはおよそ90℃(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)の範囲内であってもよい。熱水タンク102内の液体の操業開始温度が第2の閾値温度超ではないと判断される場合には、このプロセスはステップ306に移行する。この状況で、熱水タンク102内の液体の操作開始温度は、第1の閾値超であるが、第2の閾値未満の温度である(またはあった)ことが判断されている。したがって、熱水タンク102内の液体は、この状況では、温かいと考えられてもよい(ここでもまた、「温かい」の用語は単に相対的なものである。何故ならば、通常の感覚では40℃~90℃の温度は極めて熱く、単に温かいではないかもしれないからである)。
【0052】
ステップ306で、飲料機100またはそれのコントローラー120が、熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第1の閾値温度超および第2の閾値未満であることを判断する場合には、コントローラー120は飲料機100を液体の第2の量でプライミングすることを開始する。第2の量は、35ml~50ml、より明確には40ml~50ml、さらにより明確にはおよそ45ml(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)の範囲内であってもよい。具体的には、本明細書で上記したように、コントローラー120は、ポンプ124を起動し第3の弁127を開いて閉鎖再循環ループを通して液体の第2の量を流す。液体の第2の量は液体の第1の量未満である。これは、ステップ306の状況では、熱水タンク102内の液体の操作開始温度がステップ304の状況におけるよりも熱く、したがって、本明細書にすでに記載されたように、プライミングするために循環するのに必要となる液体の量がより少なくて、一貫した液体供給温度が達成されるからである。
【0053】
最後に、熱水タンク102内の液体の操作開始温度が第2の閾値温度超であると判断される場合には、このプロセスはステップ307に移行する。この状況では、熱水タンク102内の液体の操作開始温度は比較的熱い(すなわち、ステップ306および304の各々の状況よりも熱く、かつ、典型的な実施形態に従う90℃よりも熱い)ものであるとすでに判断されており、したがって、プライミング操作中に循環する必要がある液体の量はさらにより少ない。したがって、ステップ307では、コントローラーは液体の第3の量で飲料機100のプライミングを開始する。第3の量は、10ml~20ml、またはより明確にはおよそ15ml(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)であってもよい。具体的には、本明細書で上記したように、コントローラー120は、ポンプ124を起動し第3の弁127を開いて閉鎖再循環ループを通して液体の第3の量を流す。液体の第3の量は、上記の理由により液体の第2の量未満である。
【0054】
例示された実施形態では、熱水タンク102内の液体の操作開始温度に応じて3つの異なる量のうちの1つで飲料機100がプライミングされるように、このプロセスで使用される2つの閾値温度(すなわち、飲料機100の電源がオフ状態からオン状態にされたときに測定された熱水タンク102内の液体の温度)がある。いくつかの実施形態では、プライミング操作中に第1の量または第2の量のどちらを使用するかを判断するために使用されるただ1つの閾値温度(閾値温度未満の場合に第1の量および閾値温度超の場合に第2の量)があってもよい。さらに別の実施形態では、3つ超の異なる量がそれから選択されるように使用される、2つ超の閾値温度があってもよい。3つの閾値温度がある場合には、プライミング操作のためにそれから選択される4つの量がある等々である。したがって、本発明は、すべての実施形態において3つの量の選択に限定されるわけではない。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1の量は第3の量の少なくとも3倍であり、第2の量は第3の量の少なくとも2倍である。いくつかの実施形態では、第1の量は第3の量のおよそ4倍であり、第2の量は第3の量のおよそ3倍である(「およそ」はプラスマイナス5%を含む。)。しかし、いくつかの実施形態では、第1、第2および第3の量の間の関係における変動があってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、プライミング操作は、飲料機100の電源投入の後に、飲料を販売するようにと飲料機100が受け取った最初の要求の後に、
図3の流れ図に従って行なわれてもよい。具体的には、
図3の流れ図は、いくつかの実施形態では飲料機100の電源が入れられた後の最初の販売のためにのみ使用されてもよい。他の実施形態では、
図3の流れ図は、すべての販売の前に行なわれるプライミングのための、それが飲料機100の電源が入れられた後の最初の販売であるかどうかにかかわらず、
図4および5を参照して説明される飲料機100の使用されていない時間に基いて判断される量によって取って代わられない限り、プライミング量を判断するために使用されてもよい。しかし、ある例示された実施形態では、温度に基いた量は、電源投入の発生後の第1の販売のためのみに使用される。と言うのは、そうでなければ、操作開始温度がもはや適切ではなくなるからである。すべての他の販売については、プライミング量は、
図4を参照して下で説明される、時間に基いた手法を使用して判断されてもよい(ただし、前の販売が清涼飲料の販売である場合を除く。その場合には
図6を参照して下で説明される方法が使用されてもよい。)
【0057】
本発明の実施形態に従って、ユーザーが飲料機100の電源をオフ状態からオン状態にした場合には、飲料機100およびそれのコントローラー120は、熱水タンク102内の液体の操作開始温度を自動的に判断してもよい。その後、飲料機100は飲料を販売する指示(すなわち、入力等)を受け取ると、飲料機100は、温度センサー123によって測定された熱水タンク102内の液体の操作開始温度に基いて上記されたように判断された、温度に基いた量でプライミングされてもよい。しかし、上ですでに言及されたように、いくつかの実施形態では、
図4を参照して下で議論される、時間に基いた手法を使用して計算された量が温度に基いた量を超える場合には、温度に基いた量は使用されなくてもよい。
【0058】
図1および4を同時に参照して、プライミング操作中に使用するべき液体の適当な量を判断するために飲料機100によって使用される別の技術または方法が、これから説明される。具体的には、
図4はプライミング操作の量が飲料機100の使用されていない時間に基いて判断されるプロセスを説明する流れ図である。上記のように、飲料機100の使用されていない時間は、飲料機100が飲料販売と飲料販売との間の使用されないままである時間である。具体的には、飲料機100の使用されていない時間は、直前の飲料の販売からその間にプライミング操作が行なわれることになる現在の時刻までに経過した時間であり、現在の時刻は一般に別の飲料を販売する指示を受け取る時刻である(と言うのは、飲料機100が新しい飲料を販売するように指示されるごとにプライミング操作が行なわれてもよいからである)。
【0059】
図4に示されたプロセスを使用してプライミング操作中に使用される液体の量は、本明細書では、プライミング操作用の液体の時間に基いた量と呼ばれてもよい。液体の時間に基いた量は、飲料機100がオン状態の(電源が切られていない)ままであり、かつ、飲料機100が新しい飲料を販売する指示を受け取ったときに、プライミング操作用の液体の量を計算するために使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、液体の時間に基いた量は、新しい飲料を販売する指示が受け取られ、かつ、それが、飲料機の電源がオン状態にされた後に販売される最初の新しい飲料ではない場合に、プライミング操作用の液体の量を計算するために使用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、その販売が、飲料機の電源がオン状態にされた後の最初の販売になろうとする場合でさえ、液体の時間に基いた量が液体の温度に基いた量よりも大きいならば、その場合には、
図5を参照して下でより非常に詳しく議論されるように、液体の時間に基いた量がまた、飲料機100がオフ状態からオン状態に変えられた後にプライミング操作に使用されてもよい。
【0060】
ステップ400を参照すると、
図4の方法/プロセスの第1のステップは、飲料機100が第1の閾値時間より長い時間使用されていなかったかどうかを判断することである。いくつかの実施形態では、第1の閾値時間は5分間であってもよい。とはいえ、本発明はそのように制限されるものではなく、第1の閾値時間は、様々な異なる実施形態では5分間、10分間、15分間、20分間、25分間または30分間であってもよい。時間に基いた手法の理由は、販売と販売との間の時間が長ければ長いほど、熱水タンク102内の液体がそれだけ冷たくなるからである。したがって、より短い使用されていない時間の場合には、プライミング操作中に必要とされる液体の量は、より長い使用されていない時間の場合よりも少ない。
【0061】
飲料機100は、(
図2に示された)タイマー128とコントローラー120との連結のおかげで使用されていない時間を判断することができる。具体的には、販売が完了すると、タイマー128は経過した時間を追跡し始める。タイマー128は、飲料機100がオフ状態またはオン状態にあるかどうかにかかわらず、経過時間を追跡し続けてもよい。タイマー128は、コントローラー120がプライミング操作用の適当な量を判断している各状況において、コントローラー120に経過時間を送ってもよい。したがって、タイマー128は、飲料機100がオフ状態からオン状態に変えられた場合にコントローラー120に経過時間を送ってもよい。さらに、タイマー128は、ユーザーが飲料機100に飲料を販売するように(たとえばユーザー入力装置129上の選択をすることによって)指示するごとに、コントローラー120に経過時間を送ってもよい。飲料機100の経過時間または使用されていない時間を受け取ると、コントローラー120は、経過時間を1つ以上の閾値時間と比較して、プライミング操作に使用される液体の適当な量を判断する。
【0062】
ステップ400で、飲料機100が第1の閾値時間を超えて使用されていなかったわけではないと判断された場合、このプロセスはステップ401に移行する。ステップ401で、飲料機100またはそれのコントローラー120は、液体の第4の量を使用してプライミング操作を開始する。第4の量は10ml~20ml、より具体的にはおよそ15ml(「およそ」はプラス/マイナス5%である。)。具体的には、本明細書で上記されたようにコントローラー120はポンプ124を起動し第3の弁127を開いて、閉鎖再循環ループを通して液体の第4の量を流す。いくつかの実施形態では、液体の第4の量は液体の第3の量と同じでもよい。
【0063】
ステップ400で、飲料機100が第1の閾値時間を超えて使用されていなかったと判断された場合、このプロセスはステップ402に移行する。ステップ402で、飲料機100は、飲料機100が第2の閾値時間を超えて使用されていなかったかどうかを判断する。いくつかの実施形態では、第2の閾値時間は1時間であってもよい。他の実施形態では、第2の閾値時間は30分間、または40分間、または50分間、または70分間、または80分間、または90分間、または100分間、または110分間、または2時間であってもよい。したがって、第2の閾値時間の正確な時間は、すべての実施形態において本発明を制限するものではなく、それはメーカーまたはエンドユーザーによって望ましい時間として選択されてもよいものである。しかし、すべての実施形態において、第2の閾値時間は第1の閾値時間よりも長い。
【0064】
飲料機100の使用されていない時間が第1の閾値時間より長いが第2の閾値時間より短いと判断される場合、この方法/プロセスはステップ403に移行する。ステップ403では、飲料機100またはそれのコントローラー120は、液体の第5の量を使用してプライミング操作を開始する。第5の量は25ml~35ml、より具体的にはおよそ30ml(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)であってもよい。具体的には、本明細書で上記されたようにコントローラー120はポンプ124を起動し第3の弁127を開いて、閉鎖再循環ループを通して液体の第5の量を流す。液体の第5の量は液体の第4の量より大きい。具体的には、ステップ403では、飲料機100はステップ401におけるよりも長く使用されていなかったので、飲料機100は液体のより大きい量でプライミングされる。と言うのは、導管または熱水タンク102内の液体が、ステップ401の状況においてよりもステップ403の状況においてより大きく冷却されている可能性があるからである。いくつかの実施形態では、液体の第4の量は液体の第3の量より大きく、かつ、液体の第2の量より小さくてもよい。
【0065】
飲料機100が第2の閾値時間を超えて使用されていなかったと判断された場合、この方法/プロセスはステップ404に移行する。ステップ404では、飲料機100は、飲料機100が第3の閾値時間を超えて使用されていなかったかどうかを判断する。第3の閾値時間は第2の閾値時間および第1の閾値時間より長い。いくつかの実施形態では、第3の閾値時間は3時間であってもよい。他の実施形態では、第3の閾値時間は2時間、または4時間、または5時間、または6時間、または7時間、または8時間、または9時間、または10時間であってもよい。したがって、第3の閾値時間の正確な時間は、すべての実施形態において本発明を制限するものではなく、それはメーカーによってまたはエンドユーザーによって望ましい時間として選択されてもよいものである。
【0066】
1つの特定の実施形態では、第1の閾値時間はおよそ5分間でもよく、第2の閾値時間はおよそ1時間でもよく、また、第3の閾値時間はおよそ3時間でもよい。ここで使用される用語「およそ」は、この文脈では上記の提示された時間から長い方にまたは短い方に10%の調整幅を許容する。
【0067】
飲料機100の使用されていない時間が第2の閾値時間より長いが第3の閾値時間より短いと判断される場合、方法/プロセスはステップ405に移行する。ステップ405では、飲料機100またはそれのコントローラー120は、液体の第6の量を使用してプライミング操作を開始する。第6の量は40ml~50ml、より具体的にはおよそ45ml(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)であってもよい。具体的には、本明細書で上記されたようにコントローラー120はポンプ124を起動し第3の弁127を開いて、閉鎖再循環ループを通して液体の第6の量を流す。液体の第6の量は液体の第5の量より大きい。具体的には、ステップ405では、飲料機100はステップ403におけるよりも長く使用されていなかったので、飲料機100はより大きい量の液体でプライミングされる。と言うのは、導管または熱水タンク102内の液体が、ステップ403の状況におけるよりもステップ405の状況においてより大きく冷却されている可能性があるからである。いくつかの実施形態では、液体の第6の量は液体の第2の量におよそ等しくてもよい。
【0068】
ステップ404で、飲料機100が第3の閾値時間を超えて使用されていなかったと判断された場合、この方法/プロセスはステップ406に移行する。ステップ406では、飲料機100またはそれのコントローラー120は、液体の第7の量を使用してプライミング操作を開始する。液体の第7の量は50ml~70ml、より具体的には55ml~65ml、さらにより具体的にはおよそ60ml(「およそ」はプラス/マイナス5%を含む。)であってもよい。具体的には、本明細書で上記されたようにコントローラー120はポンプ124を起動し第3の弁127を開いて、閉鎖再循環ループを通して液体の第7の量を流す。液体の第7の量は液体の第6の量より大きい。具体的には、ステップ406では、飲料機100はステップ405におけるよりも長く使用されていなかったので、飲料機100は液体のより大きい量でプライミングされる。と言うのは、導管または熱水タンク102内の液体が、ステップ405の状況におけるよりもステップ406の状況においてより大きく冷却されている可能性があるからである。いくつかの実施形態では、液体の第7の量は液体の第1の量におよそ等しくてもよい。
【0069】
図5を参照すると、飲料機100をプライミングするために、
図3に関して上で議論された方法/プロセスを使用して判断された、温度に基いた量を使用するべきか、または
図4に関して上で議論された方法/プロセスを使用して判断された、時間に基いた量を使用するべきかどうかをを判断するためのステップを説明する流れ図が提供される。いくつかの実施形態では、飲料機100が飲料を販売するように指示され、かつ、それが、飲料機の電源がオン状態になった後の最初の飲料の販売ではない場合には、飲料機100は時間に基いた手法を使用して、プライミング中に使用する量を判断するだろう。いくつかの実施形態では、飲料機100の電源が販売と販売との間にオフ状態になった場合には、飲料機100は温度に基いた手法を使用して、飲料機100の電源がオン状態に戻った後のプライミングに使用する液体の量を判断するだろう。他の実施形態では、飲料機100の電源が販売と販売との間にオフ状態になった場合には、飲料機100は、飲料機100の電源がプライミング操作のためにオン状態に戻された後、
図3の温度に基いた手法から判断された量と
図4の時間に基いた手法を使用して判断された量とのうち、より大きい方を使用するだろう。したがって、いくつかの実施形態では、飲料機100の電源がオン状態にされた後の最初の販売では、時間に基いた手法からの量が温度に基いた手法からの量を超える場合には、時間に基いた手法からの量が使用されるだろうし、逆もまた同様である。
【0070】
したがって、ステップ500では、飲料機の電源がオフ状態からオン状態に変えられ、飲料機械100は飲料を販売する指示を受け取る。いくつかの実施形態では、オフ状態からオン状態への飲料機100への電源投入は、いくつかの実施形態のうちの
図5のプロセス/方法を発動させまたは開始する。他の実施形態では、
図5のプロセス/方法は、飲料機100が新しい飲料を販売する指示を受け取って適当なプライミングの量を判断するごとに行われる。
【0071】
例示された実施形態では、飲料機械100の電源がオフ状態からオン状態に変えられ飲料を販売する指示を受け取った後、飲料機100(またはそれのコントローラー210)は、
図3に関して上で議論された温度に基いたプライミング量の計算および
図4に関して上で議論された時間に基いたプライミング量の計算を行なうだろう。次に、ステップ501で、飲料機100またはそれのコントローラー210は、温度に基いた量と時間に基いた量とのどちらがより大きいかを判断するだろう。
【0072】
時間に基いた量がより大きい場合には、このプロセスはステップ502に移行し、飲料機100またはそれのコントローラー120は、
図4の時間に基いた手法を使用して判断された液体の量を使用してプライミング操作を開始するだろう。温度に基いた量がより大きい場合には、このプロセスはステップ503に移行し、飲料機100またはそれのコントローラー120は、
図3の温度に基いた手法を使用して判断された液体の量を使用してプライミング操作を開始するだろう。いずれの場合でも、プライミング操作は、本明細書で上記したように、コントローラー120がポンプ124を起動し第3の弁127を開いて閉鎖再循環ループを通して液体のその量を流すステップを含む。したがって、オフ状態からオン状態への飲料機100への電源投入およびオフ状態からオン状態への飲料機100への電源投入に引き続く最初の飲料を販売する指示を飲料機100が受け取った後に、飲料機100は
図3の各ステップおよび
図4の各ステップを実施してもよく、次に
図3から判断された量または
図4から判断された量のうちどちらがより大きいかを判断してもよく、そしてより大きい量でプライミング操作を開始するだろう。
【0073】
図6を参照すると、別の実施形態に従ってプライミング操作中に使用する液体の量を判断するための流れ図が提供される。
図6は、飲料機100が複数の温度で飲料を販売しまたは生成することができるように、冷水タンク111が付帯された場合の飲料機100に関する。具体的には、飲料機100は、貯水タンク101からフロー導管、熱水タンク102およびマニホールド103を通してジェットおよびインジェクター導管106、108のうちの1つまで液体を流すことによって、温かい飲料を販売してもよい。さらに、飲料機100は、冷水タンク111からマニホールド103ならびにジェットおよびインジェクター導管106、108のうちの1つまで液体を流すことによって、清涼飲料を販売してもよい。飲料機100が清涼飲料または温かい飲料のどちらを販売するかは、コントローラー120がユーザーによって選択された販売される飲料のタイプについてユーザー入力装置129から指示を受けた後に、コントローラー120によって指示されてもよい。
【0074】
図6の実施形態では、このプロセスの最初のステップ、すなわちステップ600は、飲料機100が所定の温度超である温度で新しい飲料を販売する指示を受け取ることである。新しい飲料は、ホット飲料、たとえばホットコーヒー、ホットティー、ホットチョコレート等であろうと考えられるものである。したがって、所定温度は、様々な異なる実施形態では60℃、70℃または80℃または90℃であってもよい。上記のように、新しい飲料を販売する前に、いくつかの実施形態では、飲料機100は、一貫した販売の量および温度ならびに一貫した飲料成分容器112の開袋を保証するための飲料機100のプライミングをするために、プライミング操作を開始するだろう。したがって、新しい飲料を販売するように飲料機100に(たとえば、ユーザー入力装置129等とのやり取りによって)指示すると、このプロセスはステップ601に移行する。
【0075】
新しい飲料を販売する指示を受け取ると、ステップ601では、飲料機100(またはそれのコントローラー120)は、飲料機100で販売された前の飲料が所定の温度超である温度で販売されたかまたは所定の温度未満である温度で販売されたかを判断するだろう。すなわち、飲料機100は、前の飲料が清涼飲料であったかまたはホット飲料であったかを判断するだろう。前の飲料とは、飲料機100を使用して直前の販売で作られた飲料である。
【0076】
前の飲料が所定の温度超の温度で販売された(すなわち、前の販売がホット飲料であった)場合には、このプロセスはステップ602に移行する。ステップ602では、飲料機100またはそれのコントローラー120は、「液体の第1のプライミング量」を使用してプライミング操作を開始する。この実施形態では、液体の第1のプライミング量は、
図4に関して上で議論された時間に基いた手法を使用して計算された量または
図3に関して上で議論された温度に基いた手法を使用して計算された量であってもよい。
【0077】
前の飲料が所定の温度未満の温度で販売された(すなわち、前の販売が清涼飲料であった)場合には、このプロセスはステップ603に移行する。ステップ603では、飲料機100またはそれのコントローラー120は、「液体の第2のプライミング量」を使用してプライミング操作を開始する。第2のプライミング量は、飲料のタイプに基いたプライミング量であり得る。と言うのは、第2のプライミング量は「冷たい」飲料であった機械を使用して販売された前の飲料の結果であるからである。液体の第2のプライミング量は、液体の第1のプライミング量が上記の第1、第2、第3、第4、第5、第6または第7の量であるかどうかにかかわらず、液体の第1のプライミング量よりも大きい。したがって、液体の第2のプライミング量は、上記の第1および第7の量よりも大きい。いくつかの実施形態では、第2のプライミング量は、上記の第3および第4の量の少なくとも4倍または少なくとも5倍であってもよい。特に、この事例では、前の販売は清涼飲料であったので、導管等は幾分冷却されている可能性がある。したがって、より高い温度で作られた次の飲料が所望の温度を有することを保証するために、飲料機100は、液体のより大きい量でプライミングされる。これは、飲料機100が高められた温度で新しい飲料を販売する前に、導管等を通して加熱された水のより大きい量を流すことによって、導管等が加熱されるためのより長い時間を可能にする。
【0078】
本明細書では、これらの量に対して特定の数値(すなわち、第1、第2、第3、第4、第5、第6および第7の量)が提供される。しかし、本発明は、すべての実施形態において、これらの量に対してこれらの特定の数値に制限されるものではない。さらに、いくつかの実施形態では、各プライミング操作は、所定の量を用いてではなく、所定の時間内に行われる。許容範囲内ではあるものの流量が既知であるため、量は一般に既知である。したがって、その量には許容範囲も存在し、いくつかの実施形態では、記載された範囲外になることもあり得る。したがって、これらの量の範囲は例示的な実施形態では好ましいけれども、他の実施形態では他の量が使用されることがあり得る。量ではなくてむしろ時間が、プライミング操作の終了を指示するために使用される。と言うのは、プライミング操作によって達成される熱的利点に影響を与えるのはプライミング時間であるからである。
【0079】
全体を通して使用されるように、範囲は、その範囲内にあるすべての値を記載するための簡略表現として使用される。範囲内のどのような値も、その範囲の終点として選択されることができる。さらに、本明細書に引用されたすべての参考資料は、それらの全体が参照として本明細書に取り込まれる。本開示中の定義と引用された参考資料のそれが矛盾する場合には、本開示が優先する。
【0080】
本発明を実施する現在の好ましい実施モードを含む特定の実施例に関して本発明が説明されてきたけれども、当業者は、上記のシステムおよび技術の多数の変形および置換があることを理解するであろう。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用されることができ、構造的および機能的な修正が行われることができることは理解されるべきである。したがって、本発明の精神および範囲は、添付された特許請求の範囲に記載されているように広く解釈されるべきである。