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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240517BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240517BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 E
B41J29/42 F
B41J29/46 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023003229
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2020080538の分割
【原出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2023053957
(43)【公開日】2023-04-13
【審査請求日】2023-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】片本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-074937(JP,A)
【文献】特開2001-274939(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181196(WO,A1)
【文献】特開2020-010221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/42
B41J 29/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成を行う画像形成ユニットと、
タッチパネルを有し、操作画面を提供する操作ユニットと、
前記画像形成ユニットおよび前記操作ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成に係る実行可能なサービスの1つの選択肢としてコピーを含む第1のサービス画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記コピーが選択された場合に、原稿を置くべき位置を示す原稿載置画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記原稿載置画面の後に、コピーの開始を受け付けるコピー開始ボタンを含むコピー開始画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記コピー開始ボタンでコピーの開始を受け付けた後、コピーの実行中を示すコピー中画面を前記操作ユニットに表示させ、
コピーの終了後、原稿を取り忘れないように注意を促す取り忘れ注意画面を前記操作ユニットに表示させ
前記取り忘れ注意画面は、操作を受け付ける唯一のボタンとして、前記取り忘れ注意画面の表示を解除するための表示解除ボタンを含む画像処理装置。
【請求項2】
画像形成を行う画像形成ユニットと、
タッチパネルを有し、操作画面を提供する操作ユニットと、
前記画像形成ユニットおよび前記操作ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記画像形成に係る実行可能なサービスの1つの選択肢としてコピーを含む第1のサービス画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記コピーが選択された場合に、原稿を置くべき位置を示す原稿載置画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記原稿載置画面の後に、コピーの開始を受け付けるコピー開始ボタンを含むコピー開始画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記コピー開始ボタンでコピーの開始を受け付けた後、コピーの実行中を示すコピー中画面を前記操作ユニットに表示させ、
コピーの終了後、原稿を取り忘れないように注意を促す取り忘れ注意画面を前記操作ユニットに表示させ、
前記取り忘れ注意画面は、前記原稿が置かれた箇所を特定して確認を促す情報を含む画像処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記コピー開始ボタンに加え、コピー部数の設定を受け付けるボタンを含むコピー開始画面を前記操作ユニットに表示させる請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1のサービス画面と別の操作画面であって実行可能なサービスの選択を受け付ける第2のサービス画面を前記操作ユニットに表示させることができ、前記第2のサービス画面は前記第1のサービス画面に比べて操作画面に表示される実行可能なサービスの数が少ない請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第2のサービス画面は、実行可能なサービスの1つの選択肢としてコピーを含む請求項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記コピー中画面は、コピー中止ボタンを含み、
前記制御部は、前記コピー中止ボタンの操作を受け付けると実行中のコピーを中止させる請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記コピーが選択された後前記コピー開始ボタンが押下されるまでに提供する各画面に、一つ前の画面に表示を戻すボタンを表示させる請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記一つ前の画面に表示を戻すボタンを、前記コピー中画面に表示させない請求項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記第1のサービス画面は、実行可能なサービスの選択肢として、コピーに係る複数の選択肢であって異なる設定の選択肢を含む請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項10】
コピーに係る何れの選択肢が選択された場合であっても、前記制御部は前記原稿載置画面、前記コピー開始画面、前記コピー中画面および前記取り忘れ注意画面をその順に表示させる請求項1または2に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置に関し、より詳細には認証されたユーザーが画像処理に係るジョブについて設定および課金を行う画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアや公共施設等、公共の場に設置されてコピー、プリント、証明書類やチケット類の発行、イメージスキャンあるいはイメージの送信等、画像処理に係るサービスを有償で提供する画像処理装置が知られている。これらの画像処理装置は、サービスを提供する都度、提供されたサービスに対する決済処理を行う。言い換えると、利用者は、サービスの提供を受ける都度、対価の支払いを行う。決済の手段としては、現金をはじめ、電子マネー、クレジットカード、プリペイドカード、ポイント制度で獲得したポイントによる支払いなど、種々の決済手段を選べるものが多い。
【0003】
決済手段とは別に、対価を支払う者、即ち課金する相手の種類に基づいて複数の決済方法の何れかを選択できるものがある。最も一般的な決済方法は、利用者個人が対価を支払う決済方法(以下、この明細書で個人課金ともいう)である。これに対して、利用者が業務としてサービスを利用する場合に、業務を行う法人等が対価を支払う決済方法(以下、この明細書で法人課金ともいう)がある。法人課金は、法人等の利用者が個別のアカウントを作り、そのアカウントに対して課金処理および決済を行うシステムである。
【0004】
法人課金の目的は、例えばある事業者の事業所に設置されてその事業所の従業者が使用する画像処理装置の課金方法に類似側面がある。即ち、従業者は画像処理装置を業務で使用する。画像処理装置は使用実績を画像処理装置内に格納する。さらに、通信可能に接続された外部の管理装置に送信して管理装置が事業所内の画像処理装置の使用実績を集計してもよい。使用実績に基づく課金が、事業者に対して行われる。画像処理装置を使用した従業者に対して課金が行われる訳ではない。
【0005】
法人課金が上述した事業所内の画像処理装置における課金と異なる点は、法人課金がユーザー認証を前提としている点である。事業所内の画像処理装置は通常、その画像処理装置にアクセスできる者が事業所の者に限られることから、ユーザー認証は必須ではなく任意である。公共の場に設置される画像処理装置の場合は、不特定多数の者が使用する。よって、ユーザー認証を行い認証されたユーザーのみが法人課金を使用できるようにしなければ課金の管理が成り立たない。そのため、法人課金を利用する者(例えば、事業者)は、固有のユーザーIDとパスワードを、利用契約を結ぶことによって取得する。
【0006】
その事業者のために業務を行う従業者等は、取得されたユーザーIDとパスワードを使用して公共の場に設置された画像処理装置にログインする。そして、画像処理に係るサービス、例えばコピー、プリントあるいはイメージスキャンに係るジョブを実行する。画像処理装置は、ログイン中に実行されたジョブの使用実績に係る情報を、通信可能に接続された外部の管理装置に送る。管理装置は、ユーザーID毎の使用実績を集計し、ユーザーIDに紐付けられた事象者に課金する。
近年、在宅勤務の形態が普及しつつある。それに伴って、法人課金の使用が一層進むことが期待される。
【0007】
公共の場に設置された画像処理装置の課金管理に関して、例えば以下の技術が知られている。利用者部門毎の利用を管理する部門管理機能と外部課金装置を用いた課金機能とをリンクさせて画像形成処理を制御するものである。より詳細には、主制御部が、部門IDコードに該当する使用枚数と要求印刷枚数とを合計した印刷枚数が当該部門IDコードに該当する制限枚数を超えるか否かを判断する。そして、制限枚数を超えるのであれば、操作表示部に要求印刷枚数が制限枚数を超える旨及び超過枚数と当該超過枚数の印刷に対する金額(超過金額)を表示させることにより、利用者に超過金額を外部課金装置に投入するように促すものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2008-219481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、例えば業務に関して提出する書類を法人課金により印刷する場合、提出書類の控えを残しておきたい場合が考えられる。しかし、従来は、法人課金と個人課金は別のジョブとして実行する必要があった。よって、ユーザー認証を行って法人課金で書類を印刷した後、一旦ログアウトし、個人課金でもう一度書類の印刷に係る操作を始めから行う必要があった。同じ書類、即ち、同じ画像データであり、同じ印刷ジョブであるにもかかわらず課金方法が異なるために別のジョブとしてやり直す必要があり、操作が煩雑であった。
【0010】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、ユーザー認証を伴う決済方法を選択してジョブを実行する際に、そのジョブを他の決済方法でも簡便に行えるようにするものである。言い換えると、ジョブを実行する際、簡便な操作で異なる相手に課金を割り振ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、ユーザー認証を行う認証ユニットと、認証されたユーザーが画像処理に係るジョブについて設定および課金を行うための操作画面を提供する操作ユニットと、前記ユーザー認証に対して紐付けられた第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第1決済方法と異なる第2決済方法により前記ジョブに課金するか否かの選択肢を前記操作画面に表示させ、前記ジョブについて選択に応じた課金処理を行うジョブ制御ユニットと、前記ジョブ制御ユニットの制御下で、設定および選択された課金処理に基づいて前記ジョブを実行する画像処理ユニットと、を備える画像処理装置を提供する。
【0012】
また、異なる観点からこの発明は、コンピュータが、ユーザー認証を行うステップと、認証されたユーザーが画像処理に係るジョブについて設定および課金を行うための操作画面を提供するステップと、前記ユーザー認証に対して紐付けられた第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第1決済方法と異なる第2決済方法により前記ジョブに課金するか否かの選択肢を前記操作画面に表示させるステップと、前記ジョブについて選択に応じた課金処理を行うステップと、画像処理ユニットを用いて前記ジョブを実行するステップと、を備える画像処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
この発明による画像処理装置は、ユーザー認証に対して紐付けられた第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第1決済方法と異なる第2決済方法によりジョブに課金するか否かの選択肢を操作画面に表示させ、前記ジョブについて選択に応じた課金処理を行うジョブ制御ユニットを備えるので、ユーザー認証を伴う決済方法を選択してジョブを実行する際に、そのジョブを他の決済方法でも簡便に行える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この実施形態における画像形成システムの構成を示すブロック図である。
図2図1に示す画像形成システムの外観を示す説明図である。
図3図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(総合ポータル画面)。
図4図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(ユーザー認証画面)。
図5図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(法人課金ポータル画面)。
図6図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(カラー選択画面)。
図7図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(片面/両面選択画面)。
図8図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(用紙サイズ選択画面)。
図9図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(原稿読み込み画面)。
図10図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(画像確認画面)。
図11図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(法人課金確認画面)。
図12図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(法人・個人課金確認画面)。
図13図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(コピー中画面)。
図14図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(コピー完了画面)。
図15図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(ログイン継続画面)。
図16図1に示す操作ユニットに表示される画面の一例を示す説明図である(終了画面)。
図17図11に示す法人・個人設定確認画面の異なる一例を示す説明図である。
図18】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第1の処理部分)。
図19】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第2の処理部分)。
図20】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第3の処理部分)。
図21】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第4の処理部分)。
図22】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第5の処理部分)。
図23】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第6の処理部分)。
図24】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第6の処理部分)。
図25】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第7の処理部分)。
図26】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第8の処理部分)。
図27】この実施形態において、制御部が実行する処理の一部を示すフローチャートである(第9の処理部分)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪画像形成システムの構成≫
まず、この実施形態における画像形成システムについて述べる。
図1は、この実施形態における画像形成システムの一態様として、複合機、金銭処理機、領収証プリンターおよびフォトペーパープリンターを備えてなるシステムの構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す画像形成システムの外観を示す説明図である。
【0016】
図1に示すように、画像形成システム100の一部を構成する複合機101は、操作ユニット102、スキャナーユニット15、制御部11、データ格納ユニット30、通信インターフェース回路24および画像形成ユニット13を備える。操作ユニット102は、操作検出素子10、表示素子12および操作制御回路21を備える。データ格納ユニット30は、ROM30mおよびRAM30dを備える。画像形成ユニット13は、画像処理回路20、画像形成部13dおよび用紙搬送部13tを備える。
複合機101の左隣に接して、金銭処理機105、領収証プリンター110およびフォトペーパープリンター120を内蔵するキャビネットが配置される。フォトペーパープリンター120は、フォトペーパーに印刷を行う。印刷済のフォトペーパーは、フォトペーパー排出口121へ排出される。金銭処理機105は、近距離無線通信のチップを搭載したICカード等と通信する近距離無線通信インターフェース回路105dを含む。
【0017】
図2に示すように、複合機101の操作ユニット102は、ユーザーが操作し易いように手前側に設けられている。また、操作ユニット102は、表示素子12および表示素子12上でのユーザーの操作を受付けるタッチパネル等からなる操作検出素子10を備える。
制御部11は、操作検出素子10に対する入力操作を示す信号を認識する。
表示素子12は、例えば、液晶ディスプレイ装置で構成される。表示素子12は、複合機101の状態や操作検出素子10が受付けた操作に係る情報を表示する。操作制御回路21は、制御部11の指示に従って、表示素子12に表示するべき内容を生成して表示する。また、操作検出素子10が検出した操作を制御部11に知らせる。
【0018】
図3図16は、操作ユニット102の表示素子12に表示される画面の一例を示す説明図である。図3は、画像形成システム100が実行可能なサービスを表示してユーザーが選択するための画面(総合ポータル画面)の例である。
画像形成システム100は、図3に示す総合ポータル画面に表示された何れかのボタンをユーザーがタッチする操作に応答して、選択されたサービスを実行する。即ち、操作検出素子10がユーザーのタッチ操作を検出し、制御部11がそのタッチ操作を認識して画像形成ユニット13、スキャナーユニット15、通信インターフェース回路24等を制御し、選択されたサービスを実行する。
【0019】
複合機101の説明に戻る。
制御部11は、複合機101の各部の状態を認識して動作を制御する。具体的には、CPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit、以下、簡単のためこの明細書ではCPU、MPUをまとめてCPUと呼ぶ)を中心に、内蔵メモリー、入出力インターフェース回路、タイマ回路等のハードウェア資源で構成される。前記CPUがメモリーに格納された画像処理プログラムを実行することによって原稿の画像の読取りや画像の印刷等、複合機101の画像形成に係る機能が実現される。また、制御部11は、操作検出素子10に対するユーザーの操作を受付け、表示素子12の画面制御を行う。
【0020】
CPUが実行する処理に係る機能的観点から、制御部11は画像の読取りに関する制御を実行する読取りジョブ制御部11r、画像の印刷に関する制御を実行する印刷ジョブ制御部11pおよび操作ユニット102の表示と操作に関する制御を行うユーザーインターフェース制御部11uを含む。
また、内蔵メモリーと別に、制御部11はデータ格納ユニット30のROM30mおよびRAM30dにアクセスする。ROM30mを構成するハードウェアの一例として、フラッシュメモリが挙げられる。CPUは、不揮発性メモリー11mに格納された制御プログラムを読み出して適宜、RAM30dに展開する。そして、RAM30dに展開された制御プログラムに従った処理を実行する。そして、複合機101が備えるハードウェアの制御を行う。また、操作および表示に係る制御を行う。さらに、通信インターフェース回路24を介した外部の機器との通信を制御する。即ち、ソフトウェア資源とハードウェア資源とが協働して印刷処理等の画像形成に係る機能を実現する。
【0021】
制御部11と画像形成ユニット13、制御部11とスキャナーユニット15とはそれぞれデータ転送可能に接続されている。
図2に示すように、複合機101は、スキャナーユニット15を備える。スキャナーユニット15は、制御部11の制御下で原稿台に置かれた原稿の画像を読取って、画像信号に変換する。即ち、コピー、ファックスおよびスキャナーのジョブにおける画像読取の処理を実行する。
画像処理回路20は、スキャナーユニット15が出力する画像信号に基づいて画像データを生成する。あるいは、通信インターフェース回路24を介して受信した印刷データに基づいて印刷用の画像データを生成する。そして、生成された画像データは、画像形成ユニット13で印刷され、あるいは通信インターフェース回路24を介して外部の機器へ送信される。
【0022】
図2に示すように、複合機101は、4つの用紙トレイ17a、17b、17c、17dおよび排出トレイ18を備える。
用紙トレイ17a、17b、17c、17dは、各種サイズのシートを個別に収容する。例えば、A4、A3、B5、B4の各サイズの用紙を収容する。
用紙搬送部13tは、制御部11の制御下で、何れかの用紙トレイに収容されたシートを給送し搬送する。
【0023】
画像形成部13dは、制御部11の制御下で、用紙トレイ17a、17b、17c、17dの何れかから給送されたシートに、指定された画像データを印刷する。印刷に係る印刷ジョブは、例えばプリンターとして印刷に係るもの、コピーとしての印刷に係るものあるいはファックス受信の印刷に係るもの等が挙げられる。
用紙搬送部13tは、画像形成部13dで印刷されたシートを排出トレイ18へ搬送して排出する。
通信インターフェース回路24は、ネットワークを介して外部の機器とデータの通信を行うためのインターフェースである。
【0024】
≪操作の流れの概要≫
続いて、図3図16に基づいて、コピージョブを例として本願の操作の流れの概要について述べる。
図3は、画像形成システム100が実行可能なサービスを表示してユーザーからサービスの選択と指示を待つ画面(総合ポータル画面)の例である。図3に示すように、画像形成システム100は、コピー、プリント、ファックス、スキャンおよび行政サービス(住民票等証明書類のプリント)のサービスのほか、コンテンツに係るプリントやチケットのプリントを実行できる。
【0025】
さらに、総合ポータル画面には「法人サービス」ボタン201が配置されている。「法人サービス」ボタン201をユーザーがタッチする操作に応答して制御部11は、ユーザーインターフェース制御部11uとして法人課金に係るユーザー認証画面(図4参照)を操作ユニット102(より詳細には表示素子12)に表示させる。
図4のユーザー認証画面でログイン名(即ち、ユーザーID)とパスワード(ログインパスワード)が入力されて「次へ」ボタン203がタッチされると、その操作に応答して制御部11は、ユーザー認証を行う。ユーザー認証が完了すると、制御部11は、法人課金ポータル画面(図5参照)を操作ユニット102に表示させる。
以後、ログアウトするまでは、基本的にサービスの対価は法人課金で処理される。ただし、この実施形態における特徴的な処理は、ログアウトせずに個人課金を併用し、または、一時的に個人課金に切り換えることが可能な点である。この処理については、後述する。
【0026】
法人課金のサービスに係る操作の流れは以下の通りである。以下、この実施形態においては、法人課金のサービスの一例として「シンプルコピー」を例に説明するが、他のサービスについても同様の流れである。ここで、他のサービスとは図5に示す法人課金ポータル画面において、「シンプルコピー」以外に選択可能なサービスである。例えば、「スマホでプリント・スキャン」、「いろいろコピー」や「ネットワークプリント」等は他のサービスである。
図5に示す法人課金ポータル画面で、「シンプルコピー」ボタン207がタッチされると、制御部11は、コピージョブに係る一連の設定画面を順次、操作ユニット102に表示させて設定を受付ける。
最初の設定画面として制御部11は、カラー選択画面(図6参照)を操作ユニット102に表示させる。図6に示すように、印刷するカラーの種類として、フルカラー、白黒および単色カラーが選択できる。単色カラーについては、赤、緑、青、水色、赤紫、黄色の6色から1つを選択するものとする。なお、カラー選択画面の下部には、設定メニューの進捗を段階として表すバー表示(図6図16に示す例は5段階)と、金銭処理機105が受付けた金額を表示する投入金額欄が表示される。それらは、図7図16の画面にも表示される。
【0027】
カラー選択画面で何れかのカラーが選択されると、続いて制御部11は、片面/両面選択画面(図7参照)を操作ユニット102に表示させる。
その片面/両面選択画面で「片面」、「両面」の何れかが選択されると、制御部11は、用紙サイズ選択画面(図8参照)を操作ユニット102に表示させる。
用紙サイズ選択画面で何れかの用紙サイズが選択されて「つぎへ」ボタン209がタッチされると、続いて制御部11は、原稿読み込み画面(図9参照)を操作ユニット102に表示させる。なお、原稿読み込み画面において「設定変更」ボタン211がタッチされた場合、制御部11はさらに、「原稿種類」、「枠消し」、「裏写り低減」、「少し小さく」のそれぞれの項目について設定の変更を受付ける。
【0028】
原稿読み込み画面で「原稿読み込み」ボタン213がタッチされると、制御部11は、これまでの設定に基づいて原稿台に置かれた原稿を読み込み、画像確認画面(図10参照)を操作ユニット102に表示させて読込まれた画像を画像確認画面内に表示させる。
画像確認画面でユーザーが読み込まれた画像を確認し、「つぎへ」ボタン215をタッチすると、それに応答して制御部11は、次に法人課金確認画面(図11参照)を操作ユニット102に表示させる。法人課金確認画面において、コピー部数の設定変更を受付ける。さらに、「個人課金の印刷」217の設定項目を表示させ、個人課金の印刷を同時に行うか否かの選択を受付ける。
個人課金の印刷を「しない」設定で「コピー開始」ボタン219がタッチされた場合、制御部11は、コピーに係る印刷を開始すると共に、コピー中画面(図13参照)を操作ユニット102に表示させる。
【0029】
コピーに係る印刷が終了すると、制御部11は、コピー完了画面(図14参照)を操作ユニット102に表示させる。
コピー完了画面で「OK」ボタンがタッチされた場合、制御部11は、終了画面(図16参照)を操作ユニット102に所定期間表示させてから、法人課金サービスからログアウトする処理を実行し、総合ポータル画面(図3参照)を操作ユニット102に表示させる。
以上が、通常の操作の流れの概要である。
【0030】
一方で、この実施形態の特徴的な一側面は、上述の法人課金確認画面(図11)において、個人課金の印刷を選択可能な点にある。
法人課金確認画面において、個人課金の印刷を「する」に設定されて「コピー開始」ボタン219がタッチされた場合、制御部11は、法人・個人課金確認画面(図12参照)を操作ユニット102に表示させる。法人・個人課金確認画面において、法人課金および個人課金のそれぞれについて、コピー部数の設定変更を受付ける。法人課金および個人課金の部数は、それぞれゼロに設定変更することも可能である。図12に示す例では、「法人利用」、即ち法人課金の部数が1であり、「個人利用」即ち個人課金の部数が1である。この設定で、個人課金に必要な現金が投入され「コピー開始」ボタン223がタッチされると、共通の原稿のコピーが法人課金分として1部コピー、さらに個人課金分として1部、合計で2部コピーされる。そのうち1部は法人課金分として決済され、もう1部は個人課金分として決済される。
【0031】
≪フローチャート≫
以下、フローチャートに沿ってこの実施形態において制御部11が実行する処理を詳述する。
図18図27は、この実施形態において制御部11が実行する処理の例を示すフローチャートである。
複合機101の電源が投入されると、制御部11は電源オン時後の初期化処理を行った後、操作ユニット102に図3に示す総合ポータル画面を表示させて、ユーザーからの指示を待つ(図18のステップS11)。
【0032】
総合ポータル画面は、基本的に個人課金に係る各種のサービスをユーザーが選択するための画面である。ただし、総合ポータル画面の「法人サービス」ボタン201がタッチされた場合(ステップS13のYes)、図4に示すユーザー認証画面を操作ユニット102に表示させて(ステップS19)、法人課金サービスへのログイン処理を行う。詳細には、図4のユーザー認証画面で法人課金サービスに係るログイン名およびパスワードが入力されて「次へ」ボタン203がタッチされるのを待つ(ステップS21)。ここで、ログイン名およびパスワードは、ユーザーが法人課金サービスの利用契約を行う際に付与されるものである。
【0033】
また、図3の総合ポータル画面が表示された状態で、「法人サービス」ボタン201以外のサービスが選択された場合については(ステップS13のNoを経てステップS15のYes)、選択された個人課金に係るサービス、例えばシンプルコピー等を実行する(ステップS17)。なお、個人課金に係るサービスは、この実施形態の特徴的な処理とはいえないのでここでの詳細な説明は省略する。
前記ステップS15で選択されたサービスが終了したら、制御部11は、処理をステップS11へ戻して総合ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、再びユーザーによる操作がなされるのを待つ(ステップS17を経てステップS11へ)。
また、図3の総合ポータル画面が表示された状態で、「法人サービス」ボタン201がタッチされず、他のサービスも選択されない場合(ステップS13のNoを経てステップS15のNo)、制御部11は処理をステップS13へ戻してユーザーの操作を待つ。
【0034】
前記ステップS19を経て図4のユーザー認証画面が表示された状態で、法人課金に係るログイン名およびパスワードが入力されて「次へ」ボタン203がタッチされたら(ステップS21のYes)、制御部11は入力されたログイン名とパスワードが登録されたものか否かを判断する(ステップS25)。
一方、図4に示すユーザー認証画面において、「終了」ボタンがタッチされた場合(ステップS21のNoを経てステップS23のYes)、制御部11は、処理をステップS11へ戻して総合ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、再びユーザーによる操作がなされるのを待つ。
また、図4に示すユーザー認証画面で、ログイン名とパスワードが入力されず、「終了」ボタンもまだタッチされない場合(ステップS21のNoを経てステップS23のNo)、制御部11は処理をステップS21へ戻してユーザーの操作を待つ。
【0035】
前記ステップS21のYesを経て、入力されたログイン名とパスワードが予め登録されたものか否かを判断した結果、登録されている何れのものとも一致しない場合(ステップS25のNo)、制御部11は、処理を前述のステップS19へ戻す。そして、ユーザー認証画面を操作ユニット102に表示させてログイン名とパスワードの再入力を求める。
なお、入力されたログイン名およびパスワードか登録されたものか否かの照合は、法人課金サービス管理用のサーバーに制御部11が入力されたログイン名およびパスワードを送信し、サーバー側で照合を行ってその結果を受信すればよい。ここで、法人課金サービス管理用のサーバーは、法人課金サービスに係るログイン名およびパスワードを格納する外部のサーバーであって通信インターフェース回路24を介して接続されているものとする。
【0036】
前記ステップS25で、法人課金に係るログインが成功したら(ステップS25のYes)、制御部は法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させて(図19のステップS31)、ユーザーの操作を待つ。
前記ステップS25で、入力されたログイン名とパスワードが予め登録されたものか否かを判断した結果、入力されたログイン名とパスワードが登録されたものと一致した場合(ステップS25のYes)、制御部11は、図19に示すステップS31へ処理を進める。即ち、法人課金サービスにログインしたユーザーに対して提供される法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させてユーザーの操作を待つ。
【0037】
制御部11は、図5の法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させた状態で以下の判定を行う。
まず、「シンプルコピー」ボタン207がタッチされたか否かを判定する(ステップS33)。この実施形態では、「シンプルコピー」ボタン207がタッチされた場合を例に挙げて以下に詳述する。他の法人課金サービスが選択された場合については(ステップS33のNoを経てステップS35のYes)、選択された法人課金に係るサービスを実行する(ステップS37)。他の法人課金サービスについては詳細な説明を説明するが、特徴的な構成に係る本質はシンプルコピーの場合と同様である。
【0038】
ステップS37で、選択されたサービスが終了したら制御部11は、処理をステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、再びユーザーによる操作がなされるのを待つ(ステップS37を経てステップS31へ)。
また、図5に示す法人課金ポータル画面で、「終了する」ボタン205がタッチされた場合(ステップS35のNoを経てステップS39のYes)、制御部11は、法人課金サービスからログアウトする処理を行う(ステップS41)。そして、処理を図18に示すステップS11へ戻して総合ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0039】
図5に示す法人課金ポータル画面で、「シンプルコピー」ボタン207がタッチされず、他の法人課金サービスも選択されず、「終了する」ボタンもタッチされない場合、制御部11は処理をステップS33へ戻してユーザーの操作を待つ。(ステップS33のNo、ステップS35のNoを経てステップS39のNoの経路)
図5に示す法人課金ポータル画面で、「シンプルコピー」ボタン207がタッチされた場合(ステップS33のYes)、制御部11は図6に示すカラー選択画面を操作ユニット102に表示させて(ステップS43)、ユーザーの選択に係る操作を待つ。
図6に示すカラー選択画面が表示された状態で、何れかのカラーを選択する操作がなされたら(ステップS45のYes)、制御部11は選択されたカラーを選択された「シンプルコピー」のジョブに係る設定としてデータ格納ユニット30に格納しておく(ステップS47)。そして、制御部11は処理を図20に示すステップS61へ進め、片面/両面選択画面(図7参照)を操作ユニット102に表示させ、ユーザーの選択に係る操作を待つ。
【0040】
また、図6に示すカラー選択画面で、「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS45のNoを経てステップS49のYes)、制御部11は処理をステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図6に示すカラー選択画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS49のNoを経てステップS51のYes)、制御部11は処理をステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0041】
図6に示すカラー選択画面で、何れのカラーもまだ選択されず、「終了する」ボタンもタッチされず、「もどる」ボタンもタッチされていない場合、制御部11は処理をステップS45へ戻してユーザーの操作を待つ。(ステップS45のNo、ステップS49のNoを経てステップS51のNoの経路)
前記ステップS61を経て図7に示す片面/両面選択画面が表示された状態で、何れかを選択する操作がなされたら(図20のステップS63のYes)、制御部11は選択された内容を選択された「シンプルコピー」のジョブに係る設定としてデータ格納ユニット30に格納しておく(ステップS65)。そして、制御部11は処理をステップS71へ進め、用紙サイズ選択画面(図8参照)を操作ユニット102に表示させてユーザーの操作を待つ。
【0042】
また、図7に示す片面/両面選択画面で、「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS63のNoを経てステップS67のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図7に示す片面/両面選択画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS67のNoを経てステップS69のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS43へ戻してカラー選択画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0043】
図7に示す片面/両面選択画面で、片面、両面の何れもまだ選択されず、「終了する」ボタンもタッチされず、「もどる」ボタンもタッチされていない場合、制御部11は処理をステップS63へ戻してユーザーの操作を待つ。(ステップS63のNo、ステップS67のNoを経てステップS69のNoの経路)
前記ステップS71を経て図8に示す用紙サイズ選択画面が表示された状態で、制御部11は次の判定を行う。
まず、何れかの用紙サイズが選択され「つぎへ」ボタン209がタッチされたら(ステップS73のYes)、制御部11は選択された用紙サイズを選択された「シンプルコピー」ジョブに係る設定としてデータ格納ユニット30に格納しておく(ステップS75)。そして、制御部11は処理を図21に示すステップS81へ進め、原稿読み込み画面を操作ユニット102に表示させてユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0044】
また、図8に示す用紙サイズ選択画面で、「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS73のNoを経てステップS77のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図7に示す用紙サイズ選択画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS77のNoを経てステップS79のYes)、制御部11は処理をステップS61へ戻して片面/両面選択画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
図8に示す用紙サイズ選択画面で、何れの用紙サイズも選択されず、「終了する」ボタンもタッチされず、「もどる」ボタンもタッチされていない場合、制御部11は処理をステップS73へ戻してユーザーの操作を待つ。(ステップS73のNo、ステップS77のNoを経てステップS79のNoの経路)
【0045】
図21のステップS81を経て図9に示す原稿読み込み画面が表示された状態で、制御部11は次の判定を行う。
まず、「設定変更」ボタン211がタッチされたら、制御部11は設定変更に係る操作画面(不図示)を操作ユニット102に表示させて、設定変更に係るユーザーの操作を受付ける。設定変更に係る処理が終了したら、制御部11は処理をステップS83へ戻す。
また、図9に示す原稿読み込み画面で「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS83のNoを経てステップS87のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図9に示す原稿読み込み画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS87のNoを経てステップS89のYes)、制御部11は処理を図20に示すステップS71へ戻して用紙サイズ選択画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0046】
図9に示す原稿読み込み画面で「原稿読み込み」ボタン213がタッチされた場合(ステップS89のNoを経てステップS91のYes)、制御部11はスキャナーユニット15に原稿を読み込ませる(ステップS93)。原稿の読み込みが終了するのを待って(ステップS95のYes)、制御部11は処理を図22に示すステップS101へ進め、画像確認画面(図10参照)を操作ユニット102に表示させてユーザーの操作を待つ。
図9に示す原稿読み込み画面で、「設定変更」ボタンがタッチされず、「終了する」ボタンもタッチされず、「もどる」ボタンもタッチされず、「原稿読み込み」ボタン213もまだタッチされていない場合、制御部11は処理をステップS83へ戻してユーザーの操作を待つ。(ステップS83のNo、ステップS87のNo、ステップS89のNoを経てステップS91のNoの経路)
【0047】
前記ステップS101を経て図10に示す画像確認画面が表示された状態で、制御部11は次の判定を行う。
まず、画像の90°回転が選択されたら(ステップS103のYes)、制御部11は画面に表示された原稿の画像を90°右回転させて表示する処理を行い(ステップS105)、処理を前記ステップS103へ戻す。
図10に示す画像確認画面で、「読み込みしなおす」ボタンがタッチされたら、制御部11は処理を図19に示すステップS43へもとして、カラー選択画面を操作ユニット102に表示させる。即ち、シンプルコピーのジョブに係る設定の操作を初めから受け付けたうえで原稿を再度読み込むようにする。
【0048】
また、図10に示す画像確認画面で「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS107のNoを経てステップS109のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図10に示す画像確認画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS109のNoを経てステップS111のYes)、制御部11は処理を図21に示すステップS81へ戻して原稿読み込み画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0049】
図10に示す画像確認画面で「つぎへ」ボタン215がタッチされた場合(ステップS111のNoを経てステップS113のYes)、制御部11は処理を図23に示すステップS121へ進め、図11に示す法人課金確認画面を操作ユニット102に表示させる。
図10に示す画像確認画面で、90°回転が選択されず、「読み込みし直す」ボタンもタッチされず、「終了する」ボタンもタッチされず、「もどる」ボタンもタッチされず、「つぎへ」ボタン215もまだタッチされていない場合、制御部11は処理をステップS103へ戻してユーザーの操作を待つ。(ステップS103のNo、ステップS107のNo、ステップS109のNo、ステップS111のNoを経てステップS113のNoの経路)
【0050】
図23に示すステップS121を経て法人課金確認画面(図11参照)が表示された状態で、制御部11は次の判定を行う。
まず、印刷する部数の設定が変更されたら(ステップS123のYes)、制御部11は変更された内容に応じて部数の表示および合計金額の表示を更新する(ステップS125)。そして、処理をステップS123へ戻す。
また、図11に示す法人課金確認画面で「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS123のNoを経てステップS127のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図11に示す法人課金確認画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS127のNoを経てステップS129のYes)、制御部11は処理を図22に示すステップS101へ戻して画像確認画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0051】
図11に示す法人課金確認画面で「個人課金の印刷」217に係る設定が初期設定の「しない」から「する」に変更された場合(ステップS129のNoを経てステップS131のYes)、制御部11は、選択された「する」ボタンの表示態様を選択されたことを示す態様に変える。そして、図12に示す法人・個人課金確認画面を操作ユニット102に表示させ(図24に示すステップS141)、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
法人課金サービスにおいて、個人課金の印刷を設定できる点が、この実施形態の特徴的な側面といえる。
なお、図11に示す法人課金確認画面で「コピー開始」ボタン219がタッチされた場合、制御部11は処理を図25に示すステップS171へ進め、コピー中画面(図13参照)を操作ユニット102に表示させてコピーを開始する。
【0052】
図11に示す法人課金確認画面で、部数の設定が変更されず、「終了する」ボタンがタッチされず、「もとる」ボタンもタッチされず、個人課金の印刷に係る設定も変更されず、「コピー開始」ボタン219もまだタッチされない場合、制御部11は、処理をステップS123へ戻す。(ステップS123のNo、ステップS127のNo、ステップS129のNo、ステップS131のNoを経てステップS133のNoの経路)
図24に示すステップS141を経て図12に示す法人・個人課金確認画面が表示された状態で、制御部11は次の判定を行う。
【0053】
まず、法人課金の部数または個人課金の部数の少なくとも何れかが変更されたか否かを判定する。印刷する部数の何れかの設定が変更された場合(ステップS143のYes)、制御部11は変更された内容に応じて部数と合計金額の表示を更新する(ステップS145)。そして、処理をステップS143へ戻す。
図17は、図12に示す法人・個人課金確認画面において、法人利用の部数がゼロに設定された状態を示す説明図である。図17に示す設定によれば、法人課金サービスにおいても、法人課金の部数をゼロに設定して法人課金を行わないようにし、個人課金のみでジョブを実行することが可能である。
例えば、図14に示すコピー完了画面で「ログインしたまま法人ポータル画面へ」ボタン227を選択して複数部の原稿を法人課金、個人課金でコピーする場合、原稿の一部については個人課金のみのコピーとすることができる。ここで、コピーは選択可能なサービスの一例に過ぎない。
また、図11の法人課金確認画面において、「個人課金の印刷」217について「しない」の設定を選択すれば、法人課金のみのコピーも可能である。図12の法人・個人課金確認画面において、個人利用の部数を「ゼロ」に設定しても法人課金のみのコピーが可能である。ここで、コピーは選択可能なサービスの一例に過ぎない。
また、図12に示す法人・個人課金確認画面で「終了する」ボタンがタッチされた場合(ステップS143のNoを経てステップS147のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
さらに、図12に示す法人・個人課金確認画面で「もどる」ボタンがタッチされた場合(ステップS147のNoを経てステップS149のYes)、制御部11は処理を図23に示すステップS121へ戻して法人課金確認画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0054】
また、図12に示す法人・個人課金確認画面が表示された状態で、制御部11は「個人利用お支払い方法」に係る設定に変更がなされたか否かを判定する(ステップS151)。個人課金に係るお支払い方法が変更された場合、個人課金に係る決済方法を変更されたお支払い方法に変更する(ステップS153)。そして、制御部11は処理をステップS143へ戻してユーザーからの操作を待つ。
図12に示す法人・個人課金確認画面の例では、「個人利用お支払い方法」として「現金」が選択されている。ユーザーが、金銭処理機105に係る硬貨投入口106または紙幣挿入口107に現金を入れると、図12に示す法人・個人課金確認画面の「投入金額」が、入れられた金額に更新される。図12では、50円の硬貨が投入された状態を示している。「個人利用」の「合計金額」が50円と表示されていることから、投入された金額で過不足なく個人課金に係る決済が行われる。よって、決済後に硬貨返却口108へつり銭が排出されることはない。
なお、図12に示す法人・個人課金確認画面の例では「現金」と「電子マネー」の2種類の支払い方法の何れかが選択できるが、それらに限らず、例えばクレジットカード、プリペイドカード、ポイント制度で獲得したポイントによる支払い方法等、より多くの支払い方法が選択できてもよい。
【0055】
また、図12に示す法人・個人課金確認画面で「個人使用領収証の印刷」に係る設定が変更されたか否かを判定する(ステップS155)。変更がなされた場合、制御部11は個人課金に係る領収証の印刷をする/しないに係る設定を更新し(ステップS157)、処理をステップS143へ戻してユーザーからの操作を待つ。
さらに、図12に示す法人・個人課金確認画面で「個人利用メニュー画面へ」ボタン221がタッチされたか否かを判定する(ステップS159)。「個人利用メニュー画面へ」ボタン221がタッチされた場合(ステップS155のNoを経てステップS159のYes)、制御部11は法人課金サービスと同様の設定画面を操作ユニット102に表示させる。即ち、図6図8と同様の設定画面を操作ユニット102に表示させる。そして、個人課金に係るシンプルコピーの設定を受付ける(ステップS161)。個人課金に係る設定を受付けたら、制御部11は処理をステップS141へ戻す。
【0056】
さらにまた、制御部11は図12に示す法人・個人課金確認画面が表示された状態で「コピー開始」ボタン223がタッチされたか否かを判定する。「コピー開始」ボタン223がタッチされた場合、制御部11は、処理を図25に示すステップS171へ進め、コピー中画面(図13参照)を操作ユニット102に表示させて法人課金および個人課金に係るコピーを開始する。
図12に示す法人・個人課金確認画面で、以下の場合、制御部11は処理をステップS143へ戻してユーザーの操作を待つ。即ち、部数の設定が変更されず、「終了する」ボタン、「もどる」ボタンの何れもタッチされず、「個人利用お支払い方法」も変更されず、「個人課金の領収証の印刷」も変更されない場合である。さらに、「個人利用メニュー画面へ」ボタン221、「コピー開始」ボタン223の何れもタッチされない場合である。(ステップS143のNo、ステップS147のNo、ステップS149のNo、ステップS151のNo、ステップS155のNo、ステップS159のNoを経てステップS163のNoの経路)
【0057】
図23に示すステップS133または、図24に示すステップS163を経て、「コピー開始」ボタンがタッチされた場合、制御部11は図25のステップS12に示すようにコピーに係る印刷を開始させ、コピー中画面(図13参照)を操作ユニット102に表示させて以下の判定を行う。
図13のコピー中画面が表示された状態で「コピー中止」ボタン225が押されたら(ステップS173のYes)、制御部11は仕掛かり分までの印刷を続けて課金処理を行う一方で、以降の印刷を中止する(ステップS175)。そして、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
【0058】
また、図13のコピー中画面が表示された状態で「個人使用領収証の印刷」に係る設定が変更されたか否かを判定する(ステップS173のNoを経てステップS177)。変更がなされた場合(ステップS177のYes)、制御部11は個人課金に係る領収証の印刷をする/しないに係る設定を更新し(ステップS179)、処理をステップS173へ戻してユーザーからの操作を待つ。
さらに、制御部11は、コピーに係る印刷が終了したか否かを判定する(ステップS181)。印刷が終了したら(ステップS181のYes)、制御部11はコピー完了画面(図14参照)を操作ユニット102に表示させて、ユーザーの操作を待つ。
図13のコピー中画面が表示された状態で、「コピー中止」ボタン225がタッチされず、「個人課金領収証の印刷」に係る設定が変更されず、印刷がまだ終了していない場合(ステップS173のNo、ステップS177のNoを経てステップS181のNo、制御部11は処理をステップS173へ戻す。
【0059】
ステップS183を経て図4に示すコピー完了画面が表示された状態で、制御部11は、以下の判定を行う。
まず、「ログインしたまま法人ポータル画面へ」ボタン227がタッチされたか否かを判定する。「ログインしたまま法人ポータル画面へ」ボタン227がタッチされた場合(ステップS185のYes)、制御部11は処理を図19に示すステップS31へ戻して法人課金ポータル画面を操作ユニット102に表示させ、ユーザーによる操作がなされるのを待つ。
次に、図4に示すコピー完了画面で「同じサービスをつづける」ボタン229がタッチされた場合(ステップS185のNoを経てステップS187のYes)、制御部11は処理を図26に示すステップS201へ進め、図15に示すログイン継続画面を操作ユニット102に表示させてユーザーの操作を待つ。
【0060】
さらに、制御部11は、図14のコピー完了画面で「個人利用領収証の印刷」に係る設定が変更されたか否かを判定する(ステップS189)。変更がなされた場合、制御部11は個人課金に係る領収証の印刷をする/しないの設定を更新し(ステップS191)、処理をステップS183へ戻してユーザーからの操作を待つ。
さらにまた、制御部11は、図14に示すコピー完了画面で「OK」ボタン231がタッチされたか否かを判定する(ステップS189のNoを経てステップS193)。「OK」ボタン231がタッチされた場合(ステップS193のYes)、制御部11は処理を図27に示すステップS211へ進めて、図16に示す終了画面を操作ユニット102に表示させる。
図14のコピー完了画面で、「ログインしたまま法人ポータル画面へ」ボタン227、「同じサービスをつづける」ボタン229の何れもタッチされず、「個人課金領収証の印刷」に係る設定が変更されず、「OK」ボタン231もまだタッチされていない場合、制御部11は処理をステップS183へ戻す。(ステップS185のNo、ステップS187のNo、ステップS189のNoを経てステップS193のNoの経路)
【0061】
前記ステップS187で「同じサービスをつづける」ボタン229がタッチされ、図26のステップS201を経て図15のログイン継続画面が表示された状態で、制御部11は以下の判定を行う。
まず、「同じ設定でつづける」ボタン233がタッチされたか否かを判定する。「同じ設定でつづける」ボタン233がタッチされた場合(ステップS203のYes)、制御部11は処理を図21に示すステップS81へ戻し、図9の原稿読み込み画面を操作ユニット102に表示させる。そして、新たな原稿の読み込みに係るユーザーの操作を待つ。
【0062】
一方、図15のログイン継続画面で「ちがう設定でつづける」ボタン235がタッチされた場合、制御部11は処理を図19に示すステップS43へ戻し、図6のカラー選択画面を操作ユニット102に表示させて新たな原稿の読み込みに係る新たな設定を受付ける。
図15のログイン継続画面でまだ何れのボタンもタッチされていない場合(ステップS203のNoを経てステップS205のNoの経路)、制御部11は処理をステップS203へ戻し、ユーザーの操作を待つ。
また、図14のコピー完了画面で「OK」ボタン231がタッチされ、図27に示すステップS211を経て図16の終了画面が表示された状態で、制御部11は以下の判定を行う。
まず、領収証を印刷する設定がなされている場合は、その設定に応じて法人課金および/または個人課金に係る領収証を領収証プリンター110に印刷させる(ステップS213)。印刷された領収証は、領収証プリンター排出口111へ排出される。
なお、制御部11は、法人課金に係る領収証と個人課金に係る領収証を個別に領収証プリンター110に印刷させる。これは、決済手段の異同によらない。決済を行う主体が異なるからである。
【0063】
この実施形態において、法人課金に係る領収証を印刷するか否かの設定は、法人課金に係の利用契約時にユーザーが予め設定しているものとする。個人課金に係る領収証を印刷するか否かの設定は、図12における「個人利用領収証の印刷」に係る設定項目で印刷の都度ユーザーが設定するものとする。
図16の終了画面で「終了する」ボタン237がタッチされるか(ステップS215のYes)、あるいは所定の期間が経過したら(ステップS215のNoを経て217のYes)、制御部11は法人課金に係るサービスからログアウトする処理を行う(ステップS219)。そして、図18に示すステップS11へ処理を戻し、図3の総合ポータル画面を操作ユニット102に表示させてユーザーの操作を待つ。前記所定の期間の一例は、印刷が終了してから60秒であるが、これに限るものでない。
図16の終了画面が表示された状態で、「終了する」ボタン237がタッチされず、前記所定の期間がまだ経過していない場合(ステップS215のNoを経てステップS217のNoの経路)、制御部11は処理をステップS215に戻す。
以上が、この実施形態において制御部11が実行する処理の例である。
【0064】
(実施の形態2)
この実施形態において制御部11は、法人課金の決済手段と個人課金の決済手段が何れも現金である場合に、法人課金と個人課金の決済を個別に行って個別に釣銭を出すか、あるいは法人課金と個人課金の決済を一括で行って一括で釣銭を出すかを選択する画面を操作ユニット102に表示させてユーザーの操作を待つ。
その選択画面は、例えば図12の法人・個人課金確認画面において提供すればよい。あるいは、図13に示すコピー中画面あるいは図14に示すコピー完了画面において提供してもよい。
【0065】
法人課金が現金による決済手段を採用する場合、課金先の法人等が複合機101を使用するユーザー(例えば、その法人等から業務委託を受けたフリーランサー)に所定金額の必要経費を現金で予め寄託しておく場合がある。そのように、必要経費が先払いされる場合は、前記ユーザーは寄託された現金と個人の財布を別に管理する必要がある。よって、法人課金と個人課金の釣銭を個別に受け取る方が前記ユーザーにとって便宜である。一方、必要経費を請求して後払いする法人等もある。その場合、前記ユーザーはコピー等に要する費用を個人の財布から立替払いするので、法人課金と個人課金の釣銭を一括して受け取る方が便宜である。ただし、領収証は法人課金と個人課金につき個別に発行される。
この態様によれば、法人課金と個人課金の釣銭を個別に払うか、一括で払うかをユーザーが選択できる。法人課金の精算の形態に応じてユーザーにとって好ましい方が選択できるので便宜である。
【0066】
(実施の形態3)
実施の形態1において、法人課金サービスを利用するすべてのユーザーは、図11の法人課金確認画面において「個人課金の印刷」217を「する」、「しない」の選択が可能である。
この実施形態によれば、法人課金サービスを利用するユーザーのうち、特定の原稿画像あるは画像データに対しては個人課金の印刷を禁止し、他の原稿画像あるいは画像データに対して個人課金の印刷を許容する。即ち、特定の原稿画像あるいは画像データについては、図11の法人課金確認画面において「個人課金の印刷」217の項目を表示しないようにする。
【0067】
個人課金の印刷を禁止する属性を与える画像情報を予め定めておき、その画像情報を原稿画像に重畳して埋め込むことにより、特定の原稿画像について「個人課金の印刷」を禁止することができる。画像情報を原稿画像に重畳して埋め込む技術は、例えば紙幣の不法複写を抑止する機能に採用されている公知の技術を流用すれば実現できる。
あるいは、個人課金の印刷を禁止する属性を与える属性データを予め定めておき、その属性をプリント用の画像データに付加しておくことにより、特定の画像データについて「個人課金の印刷」を禁止することができる。属性を画像データに付加して特定の機能を使えなくする技術は、例えばPDF(Portable Document Format)形式の画像データに編集禁止あるいは印刷禁止の属性を付加する技術を流用すれば実現できる。
【0068】
その原稿画像を読み込む複合機あるいはその印刷用の画像データを受信する複合機は、個人課金の印刷を禁止する予め定められた画像情報を抽出する機能および予め定められた属性データを抽出する機能を備えているものとする。そして、原稿画像から抽出された前記画像情報あるいは画像データから抽出された前記属性データに基づいて、個人課金の印刷を禁止するものとする。
【0069】
この態様によれば、例えばフリーランサーに業務を委託する法人等は、そのフリーランサーに提供する文書あるいは画像データに社内機密が含まれる場合、その文書あるいは画像データに前記画像情報を重畳しあるいは前記属性データを付加しておく。そうすれば、その文書あるいは画像データが提供されたフリーランサーは、個人課金の印刷を行うことができず、従って、社内機密が含まれる情報を手元の控えとして複写あるいは印刷することができない。
【0070】
(実施の形態4)
実施の形態3では、特定の原稿画像あるいは画像データについて個人課金の印刷を禁止する手法について述べた。
この実施形態では、法人課金サービスを利用するユーザーのうち、特定のユーザーについては個人課金の印刷を禁止し、他のユーザーに対して個人課金の印刷を許容する。即ち、特定のユーザーについては、図11の法人課金確認画面において「個人課金の印刷」217の項目を表示しないようにする。
【0071】
個人課金の印刷を禁止する属性を予め定めておき、法人課金サービスの管理用サーバーが管理する各ユーザーのログインパスワードにその属性を紐付けておくことにより、特定のユーザーについて「個人課金の印刷」を禁止することができる。
その原稿画像を読み込む複合機あるいはその印刷用の画像データを受信する複合機は、法人課金サービスのログイン処理時に、前記サーバーから個人課金の印刷を禁止すべき旨の情報を受信した場合、前記サーバーから受信した情報に基づいて、個人課金の印刷を禁止するものとする。
【0072】
例えばフリーランサーに業務を委託する法人等は、長年に渡って業務を委託して信頼関係が構築されたフリーランサーに新たな業務を委託する場合もあれば、これまで業務を委託したことのないフリーランサーに新たな業務を委託する場合もある。この態様によれば、法人等は相手のフリーランサーの信頼度に応じて、個人課金の印刷を許容するか禁止するかを決定し、各フリーランサーに付与するログインパスワードに、個人課金の印刷を許容するか禁止するかの属性を紐付けておけばよい。
【0073】
(実施の形態5)
この実施形態において、制御部11は図11の法人課金ポータル画面で「個人課金の印刷」217について「する」が選択された場合、個人課金によって実行されたジョブの履歴を生成する。そして、生成された履歴をデータ格納ユニット30に格納するか、あるいは、通信インターフェース回路24を介して接続された法人課金サービス用のサーバーに送信して前記サーバーに履歴を格納する。
法人課金サービスの契約者である法人等は、必要に応じて、その履歴を参照できるものとする。
例えば、情報漏洩が疑われる事態が生じた場合に、その履歴を参照して情報漏洩に係る情報が個人課金として印刷あるいはコピーされているか否かを確認できる。
【0074】
以上に述べたように、
(i)この発明による画像処理装置は、ユーザー認証を行う認証ユニットと、認証されたユーザーが画像処理に係るジョブについて設定および課金を行うための操作画面を提供する操作ユニットと、前記ユーザー認証に対して紐付けられた第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第1決済方法と異なる第2決済方法により前記ジョブに課金するか否かの選択肢を前記操作画面に表示させ、前記ジョブについて選択に応じた課金処理を行うジョブ制御ユニットと、前記ジョブ制御ユニットの制御下で、設定および選択された課金処理に基づいて前記ジョブを実行する画像処理ユニットと、を備えることを特徴とする。
【0075】
この発明において、認証ユニットは、特定の決済方法である第1決済方法の使用が許されるユーザーか否かを識別する機能を提供するものである。ユーザー認証を行う手段はその種類を問わないが、一例としては、ユーザーID(あるいは、ログイン名ともいう)とパスワードを入力させることによって権限を有するユーザーか否かを識別してもよい。認証ユニットを構成するハードウェア資源の具体例としては、認証すべきユーザーIDおよびパスワードの対を記憶するメモリーとそれらを入力されたユーザーIDおよびパスワードと照合するCPUが一例として挙げられる。また、他の例としては、通信可能に接続された外部のサーバーにアクセスしそのサーバーに格納されているユーザーIDおよびパスワードの対を取得するCPU、およびそのCPUが実行すべき処理をプログラムとして記憶するメモリーが挙げられる。
【0076】
また、操作ユニットは、ユーザーがジョブについての設定および課金に係る操作を行う画面を提供するものである。その具体的な態様は、例えば、液晶表示装置とタッチパネルを主として構成された回路が挙げられる。遠隔でユーザーによる操作を受付ける態様の場合は、通信可能に接続された外部の機器に表示させる操作画面のデータを生成して送信する。そして、外部機器に表示された操作画面に対するユーザーの操作の情報を受信し、その操作に応じた処理を決定する。それらの処理をCPUおよびそのCPUが実行すべき処理をプログラムとして記憶するメモリーが、操作ユニットの構成要素として挙げられる。
【0077】
さらにまた、画像処理に係るジョブは、画像処理に係る一連の処理を指す。その、具体的な例としては、印刷に係るコピージョブやプリントジョブ、画像の読取りに係るイメージスキャンジョブや画像の送信に係るイメージ送信ジョブが挙げられる。
決済方法は、課金する相手、特に、課金する相手の種類に基づいて分類された課金および決済の態様を表現するものである。具体的な例としては、前述の実施形態における法人課金および個人課金が挙げられる。上述の実施形態において、第1決済方法は法人課金に対応し、第2決済方法は個人課金に対応する。
【0078】
また、この発明において、一つのジョブが終了した後、ユーザーは認証された状態を維持したままで複数のジョブを実行できる。即ち、一つのジョブが終了する度にログアウトしてユーザー認証をやり直すことは必ずしも必要でない。認証された状態を維持したままで次のジョブを実行する場合、次のジョブについての設定および課金が前のジョブから引き継がれてもよい。しかし、前記操作ユニットが次のジョブについて設定および課金を行うための操作画面を提供してもよい。
【0079】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)前記ジョブ制御ユニットは、前記第2決済方法に係る決済手段として複数の選択肢を前記操作画面に表示させてもよい。
このようにすれば、前記第2決済方法に係る決済手段として、例えば、現金をはじめ、電子マネー、クレジットカード、プリペイドカード、ポイント制度で獲得したポイントによる支払いなど、種々の決済手段が提供され得る。
【0080】
(iii)前記ジョブが印刷に係るジョブであり、前記ジョブ制御ユニットは、前記第1決済方法により課金する前記ジョブの印刷部数および前記第2決済方法により課金する前記ジョブの印刷部数をそれぞれ変更可能に前記操作画面に表示させてもよい。
このようにすれば、ユーザーは前記第1決済方法により課金する印刷部数と前記第2決済方法により課金する印刷部数の設定をジョブの実行前に確認できる。さらに、必要に応じてそれぞれの印刷部数を変更できる。
【0081】
(iv)前記課金に係る領収証を生成する領収証生成ユニットをさらに備え、前記ジョブ制御ユニットは、前記第1決済方法による課金に係る領収証および前記第2決済方法による課金に係る領収証を個別に前記領収証生成ユニットに生成させてもよい。
このようにすれば、課金する相手が異なる第1決済方法と第2決済方法とで、個別に領収証が発行されるので便宜である。
【0082】
(v)前記ジョブ制御ユニットは、前記第1決済方法および前記第2決済方法が何れも現金による決済手段である場合、前記第1決済方法による決済および前記第2決済方法による決済を一括で行うか個別に行うかの選択肢を前記操作画面に表示させてもよい。
このようにすれば、現金による決済が釣銭を伴う場合、課金する相手が異なる第1決済方法と第2決済方法についてそれぞれ釣銭が得られるので、ユーザーの釣銭管理が楽に行える。ユーザーは、それぞれの決済方法に釣銭を分配するための両替等が不要である。
【0083】
(vi)前記ジョブに係る画像データまたは原稿が、前記第1決済方法と異なる決済方法を許容するか否かを表す決済情報を予め含んでおり、前記ジョブ制御ユニットは、前記ジョブに係る決済情報が前記第1決済方法と異なる決済方法を許容しないものである場合、前記第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第2決済方法により前記ジョブに課金するか否かの選択肢を前記操作画面に表示させないようにしてもよい。
このようにすれば、決済情報を用いることによって、例えば事業者が秘密にしたい情報が含まれる画像データや原稿がユーザーの控えとして印刷等されないようにすることが可能である。
なお、この態様において画像データまたは原稿は第1決済方法による課金の相手である法人等がユーザーに提供するものとし、決済情報はその法人等が画像データまたは原稿に付与するものとする。画像データの場合、決済情報はファイルの属性の1つとして付与することができ、原稿の場合は画像のマーク(例えば、“Confidential”や「秘密」といった文字情報)として付与することができる。ただし、決済情報は、画像処理装置がその情報を取得可能なものとして予め定義されており、前記法人等はその定義に従って決済情報を画像データあるいは原稿に付与するものとする。
【0084】
(vii)通信可能に接続された外部の機器から、認証された前記ユーザーに係るユーザー情報を取得するユーザー情報取得部をさらに備え、前記ユーザー情報は、前記第1決済方法と異なる決済方法を許容するユーザーか否かの情報を含み、前記ジョブ制御ユニットは、前記ユーザーに係るユーザー情報が前記第1決済方法と異なる決済方法を許容しないものである場合、前記第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第2決済方法により前記ジョブに課金するか否かの選択肢を前記操作画面に表示させないようにしてもよい。
このようにすれば、ユーザー情報を用いることによって、例えば事業者が秘密にしたい情報が含まれる画像データや原稿の印刷等を許容するユーザーを限り、他のユーザーに印刷等されないようにすることが可能である。ただし、ユーザー情報は、画像処理装置が通信可能な外部の機器から取得可能なように予め定義されており、前記事業者はその定義に従ってユーザー情報を外部の機器に格納し、画像処理装置に取得させるものとする。
【0085】
(viii)前記ジョブ制御ユニットは、前記第1決済方法に加えて前記第2決済方法による前記ジョブの実行が選択された場合、前記第1決済方法によるジョブについての設定と別に前記第2決済方法によるジョブについての設定を行うための選択肢を前記操作画面に表示させてもよい。
このようにすれば、例えば、事業者に提出する書類は拡大縮小なしで片面印刷し、ユーザーが控えとして印刷するものは2頁分を縮小して1頁に集約しかつ両面印刷するといったように、第1決済方法と第2決済方法とで異なる設定に基づいてジョブを実行することが可能である。
【0086】
(ix)前記第2決済方法により前記ジョブに課金する場合、前記第2決済方法により実行されたジョブに係る履歴を生成して残す履歴生成ユニットをさらに備えてもよい。なお、生成された履歴は、画像処理装置内に記憶されてもよいが、通信可能に接続された外部の管理装置に格納されることが好ましい。
このようにすれば、履歴を生成して残しておくことで、例えば情報漏洩が疑われる事態が後日生じた際に、格納された履歴を用いて情報漏洩の可能性を検証できる。
【0087】
(x)この発明の好ましい態様は、コンピュータが、ユーザー認証を行うステップと、認証されたユーザーが画像処理に係るジョブについて設定および課金を行うための操作画面を提供するステップと、前記ユーザー認証に対して紐付けられた第1決済方法に加えてあるいは代えて前記第1決済方法と異なる第2決済方法により前記ジョブに課金するか否かの選択肢を前記操作画面に表示させるステップと、前記ジョブについて選択に応じた課金処理を行うステップと、画像処理ユニットを用いて前記ジョブを実行するステップと、を備える画像処理方法を含む。
【0088】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0089】
10:操作検出素子、 11:制御部、 11p:印刷ジョブ制御部、 11r:読取りジョブ制御部、 11u:ユーザーインターフェース制御部、 12:表示素子、 13:画像形成ユニット、 13d:画像形成部、 13t:用紙搬送部、 15:スキャナーユニット、 17a,17b,17c,17d:用紙トレイ、 18:排出トレイ 20:画像処理回路、 21:操作制御回路、 24:通信インターフェース回路、 30:データ格納ユニット、 30d:RAM、 30m:ROM
100:画像形成システム、 101:複合機、 102:操作ユニット、 105:金銭処理機、 105d:近距離無線通信インターフェース回路、 106:硬貨投入口、 107:紙幣挿入口、 108:硬貨返却口、 110:領収証プリンター、 111:領収証プリンター排出口、 120:フォトペーパープリンター、 121:フォトペーパー排出口
201:「法人サービス」ボタン、 203:「次へ」ボタン、 205:「終了する」ボタン、 207:「シンプルコピー」ボタン、 209:「つぎへ」ボタン、 211:「設定変更」ボタン、 213:「原稿読み込み」ボタン、 215:「つぎへ」ボタン、 217:「個人課金の印刷」、 219,223:「コピー開始」ボタン、 221:「個人利用メニュー画面へ」ボタン、 225:「コピー中止」ボタン、 227:「ログインしたまま法人ポータル画面へ」ボタン、 229:「同じサービスをつづける」ボタン、 231:「OK」ボタン、 233:「同じ設定でつづける」ボタン、 235:「ちがう設定でつづける」ボタン、 237:「終了する」ボタン
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