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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】ズームレンズ及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/16 20060101AFI20240517BHJP
   G02B 15/167 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
G02B15/16
G02B15/167
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023046902
(22)【出願日】2023-03-23
(62)【分割の表示】P 2019026567の分割
【原出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2023068146
(43)【公開日】2023-05-16
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(72)【発明者】
【氏名】田口 博規
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-93971(JP,A)
【文献】特開2004-12505(JP,A)
【文献】特開2000-284177(JP,A)
【文献】特開2010-107627(JP,A)
【文献】特開平11-52245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、
前記第2レンズ群は物体側より順に、正レンズ、正レンズ、負レンズから構成され、
広角端から望遠端への変倍時に隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
-1.45 ≦ expt/f3 ≦ -1.20 ・・・・ (1)
0.70 ≦ f3/f2 ≦ 1.70 ・・・・ (2)
-2.8 ≦ βw2 ≦ -1.26 ・・・・ (3)
2.11 ≦ f3/fw ≦ 3.0 ・・・・ (4)
ただし
expt:望遠端における結像位置から射出瞳までの距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
βw2:広角端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
fw:当該ズームレンズの広角端における焦点距離
【請求項2】
広角端から望遠端への変倍時に、前記第3レンズ群が物体側へ移動する請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
変倍時に、前記第1レンズ群が光軸方向に固定される請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項4】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
-30.0 ≦ expt/Ymax ≦ -10.0 ・・・・ (5)
ただし
Ymax:最大像高
【請求項5】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
5.0 ≦ |βt2| ≦ 50.0 ・・・・ (6)
ただし
βt2:望遠端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
【請求項6】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
0.5 ≦ G01R1/f1 ≦ 1.0 ・・・・ (7)
ただし
G01R1:当該ズームレンズの最も物体側面の曲率半径
f1:第1レンズ群の焦点距離
【請求項7】
以下の条件式を満足する請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズ。
0.5 ≦ hitomi/(enpw×tan(ωw)) ≦ 2.0 ・・ (8)
ただし
hitomi:広角端における入射瞳半径
enpw:広角端における第1面から入射瞳までの距離
ωw:広角端の主光線の最大画角(半画角)
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載のズームレンズと、当該ズームレンズの像
側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備
えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関し、特に、CCDやCMOS等の固体撮像素子によって光電変換される医療用光学システム、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置に好適なズームレンズ及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療系用途において硬性内視鏡等からの情報を接眼レンズの目視でみるだけでなく、大画面のモニター上に表示すること等が行われている。そのために、高い光学性能を有し、かつ小型の結像光学系が要望されている。
【0003】
上述した小型の結像光学系の第1従来技術として、物体側より順に、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3の3つのレンズ群を有するズームレンズであって、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第2レンズ群L2を物体側に移動させ、第3レンズ群L3を、広角端以外のズーム位置にて最も像側に位置するように、像側に凸の軌跡もしくはこの一部を描くように移動させ、第1レンズ群L1はズーミングのためには移動させず、第1レンズ群L1は、像側の面が凹面である負レンズと物体側の面が凸面である正レンズを有するよう構成し、第2レンズ群L2は、像側の面が凹面である負レンズとその像側に配置された正レンズを有するよう構成したズームレンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前記第1従来技術は、比較的レンズ枚数が少なくかつ小型化を実現しているが、広角視野の周辺域まで光束を確保しかつ該領域の良好な収差補正をすることは困難である。すなわち、第1従来技術の周辺域結像位置において、視野中心部の光束と同じように入射瞳を通過した光束の全てが結像に寄与するようにすると、コマ収差が大きくなり、高い解像力を得ることができない。また、鮮明で色再現性の高い撮像を行うことができる3CCD撮像装置等においては、3色分解フィルター等を配置するために長いバックフォーカスを有するという要望を満たしていない。
【0005】
上述した小型の結像光学系の第2従来技術として、物体側から順に、負の第1レンズ群G1、正の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3、正の第4レンズ群G4を備え、ズーミング時には、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4は固定とされるとともに、広角端から望遠端への操作に応じて第2レンズ群G2と第3レンズ群G3が、いずれも拡大側に、かつ互いの間隔を変えながら光軸O上を移動し、さらに第3レンズ群G3の焦点距離及
び広角端における全系の焦点距離に関する所定の条件を満たすズームレンズが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
前記第2従来技術は、簡素なメカ構成であって、固体撮像素子を用いたカメラの撮影光学系に好適なズームレンズであり、レンズ系と結像位置の間に、光学的ローパスフィルターや色フィルター、フェースプレート等に対応して設けられるようになっている。
しかし、第2従来技術においては、広角域の周辺域まで光束を確保しかつ該領域の良好な収差補正することは困難である。また、焦点距離に対するレンズ全長が長いため、小型化を十分に実現しているとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2004-046108号公報
【文献】特開2011-232653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(発明の目的)
本発明は、従来のズームレンズの上述した問題点に鑑みなされたものであって、高い光学性能を維持しつつ、小型のズームレンズ及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るズームレンズは、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、
前記第2レンズ群は物体側より順に、正レンズ、正レンズ、負レンズから構成され、
広角端から望遠端への変倍時に隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズである。
-2.20 ≦ expt/f3 ≦ -1.20 ・・・・ (1)
0.70 ≦ f3/f2 ≦ 1.70 ・・・・ (2)
-2.8 ≦ βw2 ≦ -1.0 ・・・・ (3)
ただし
expt:望遠端における結像位置から射出瞳までの距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
βw2:広角端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
【0010】
本発明に係るズームレンズは、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、
前記第2レンズ群は物体側から順に、正レンズ、正レンズ、負レンズから構成され、
広角端から望遠端への変倍時に隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズである。
-2.20 ≦ expt/f3 ≦ -1.20 ・・・・ (1)
0.70 ≦ f3/f2 ≦ 1.70 ・・・・ (2)
1.5 ≦ f3/fw ≦ 3.0 ・・・・ (4)
ただし
expt:望遠端における結像位置から射出瞳までの距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:当該ズームレンズの広角端における焦点距離
【0011】
本発明に係るズームレンズは、
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、
前記第2レンズ群は物体側から順に、正レンズ、正レンズ、負レンズから構成され、
前記第3レンズ群は正の屈折力を有する単レンズから構成され、
広角端から望遠端への変倍時に隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化し、
以下の条件式を満足することを特徴とするズームレンズである。
-2.20 ≦ expt/f3 ≦ -1.20 ・・・・ (1)
0.70 ≦ f3/f2 ≦ 1.70 ・・・・ (2)
ただし
expt:望遠端における結像位置から射出瞳までの距離
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
【0012】
本発明に係る撮像装置は、
前記ズームレンズと、当該ズームレンズの像面側に当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高い光学性能を維持しつつ、小型のズームレンズ及び撮像装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のズームレンズの第1実施例の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の光学図である。
図2】本発明のズームレンズの第1実施例の広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図3】本発明のズームレンズの第1実施例の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図4】本発明のズームレンズの第1実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図5】本発明のズームレンズの第2実施例の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の光学図である。
図6】本発明のズームレンズの第2実施例の広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図7】本発明のズームレンズの第2実施例の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図8】本発明のズームレンズの第2実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図9】本発明のズームレンズの第3実施例の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の光学図である。
図10】本発明のズームレンズの第3実施例の広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図11】本発明のズームレンズの第3実施例の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図12】本発明のズームレンズの第3実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図13】本発明のズームレンズの第4実施例の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の光学図である。
図14】本発明のズームレンズの第4実施例の広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図15】本発明のズームレンズの第4実施例の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図16】本発明のズームレンズの第4実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図17】本発明のズームレンズの第5実施例の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の光学図である。
図18】本発明のズームレンズの第5実施例の広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図19】本発明のズームレンズの第5実施例の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図20】本発明のズームレンズの第5実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図21】本発明のズームレンズの第6実施例の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態の光学図である。
図22】本発明のズームレンズの第6実施例の広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図23】本発明のズームレンズの第6実施例の中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図24】本発明のズームレンズの第6実施例の望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
図25】本発明の実施例の撮像装置の構成図である。
図26】本発明の実施例の撮像装置において使用する3CCD部材の実施例の光学図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式又は条件を少なくとも1つ以上満足することが好ましい。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0016】
本発明に係るズームレンズは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、広角端から望遠端への変倍時に隣り合うレンズ群の光軸上の間隔が変化する。
【0017】
物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群を有する構成とすることによって、広角端の画角を広くすることが可能となる。さらに、バックフォーカスの長い光学系としたとき、収差補正が容易となる。
【0018】
第3レンズ群の像側に、正又は負の屈折力を有する第4レンズ群を有していても良い。第4レンズ群を有することによって、変倍時に発生する収差補正を良好に行うことが可能となり、より高性能化を図ることができる。このとき、第4レンズ群は変倍に際して光軸方向に固定されていることで、レンズを支持する構成が簡易となり、更に堅牢な構成となり好ましい。より好ましくは、負の屈折力を有する第4レンズ群が配置されることで、バックフォーカスを確保しつつ、良好な性能を確保することが可能となる。
【0019】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
-2.20 ≦ expt/f3 ≦ -1.20 ・・・・ (1)
expt:望遠端における結像位置から射出瞳までの距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
【0020】
条件式(1)は、望遠端における結像位置から射出瞳までの距離と、第3レンズ群の焦点距離の比を規定するための式である。結像位置から射出瞳までの距離は、光線の進行方向すなわち物体側から像面に向かう方向を正とする。
【0021】
条件式(1)の範囲を満足することによって、望遠域の収差を所定範囲内に抑えつつレンズ有効径を所定範囲内に抑えることが可能となる。
条件式(1)の上限を超えると、望遠端においてコマ収差が発生する。そのため、良好に収差補正するためには、さらにレンズを追加する必要がある。
条件式(1)の下限を下回ると、レンズ有効径を抑えることが困難となる。
【0022】
条件式(1)の上限値は、-1.4にすることが好ましく、-1.2にすることがさらにより好ましい。
条件式(1)の下限値は、-2.0にすることが好ましく、-1.8にすることがさらにより好ましい。
【0023】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.70 ≦ f3/f2 ≦ 1.70 ・・・・ (2)
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
【0024】
条件式(2)は、第3レンズ群と第2レンズ群の焦点距離の比を規定するための式である。
【0025】
条件式(2)の範囲を満足することによって、第2レンズ群以降に配置された各レンズから発生する軸上収差およびコマ収差を効果的に抑えることができる。
【0026】
条件式(2)の上限を超えると、コマ収差が発生し、さらに第3レンズ群に配置されるレンズの有効径が大きくなる。
条件式(2)の下限を下回ると、軸上収差の補正が困難となる。該軸上収差を補正しようとすると、第2レンズ群に配置されるレンズの有効径が大きくなる。
【0027】
条件式(2)の上限値は、1.5にすることがより好ましく、1.4にすることがさらにより好ましい。
条件式(2)の下限値は、0.8にすることがより好ましく、1.0にすることがより好ましく、1.2にすることがさらにより好ましい。
【0028】
本発明に係るズームレンズは、広角端から望遠端への変倍時に、前記第3レンズ群が物体側へ移動することが好ましい。
【0029】
第3レンズ群を物体側に移動させることによって、変倍において発生する収差の補正を
良好に行うことが可能となる。より好ましくは、第3レンズ群を単調に移動させることで
、広角端の収差と望遠端の収差を近似させることが可能となり、変倍の中間域での性能が
良好になる。ここで、単調に移動するとは、第3レンズ群の移動方向が物体側のみであっ
て、広角端から望遠端へ変倍する間に、像側に移動しないことを示す。
【0030】
本発明に係るズームレンズは、変倍時に、前記第1レンズ群が光軸方向に固定されるこ
とが好ましい。
【0031】
変倍時に、第1レンズ群を光軸方向に固定することによって入射瞳位置の光軸上の変位
量を低減しつつ光学性能を維持することが容易になる。また、本発明に係るズームレンズ
がアダプター光学系として使用される場合、該アダプター光学系の変倍時の光軸上の変位
量を少なくすることができ、鏡胴の構成を簡素化することが可能となる。
【0032】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
-2.8 ≦ βw2 ≦ -1.0 ・・・・ (3)
ただし
βw2:広角端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
【0033】
条件式(3)は、広角端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率を規定するもので
ある。
【0034】
条件式(3)を満足することにより、広角端における軸上収差およびコマ収差を効果的に
補正することができる。
条件式(3)の上限を超えると、軸上収差およびコマ収差の補正が困難になる。従って、
このコマ収差の補正のためにはさらなるレンズの追加が必要になり、コストが増加するこ
とになり好ましくない。
条件式(3)の下限を下回ると、ズームレンズの全長(第1面から結像位置までの距離)
が長くなり、さらに、第2レンズ群の有効径を大きくしなければ収差を補正することが困
難となる。仮に、第2レンズ群の有効径を小さくすると、軸上収差及びコマ収差の補正が
困難となる。
【0035】
条件式(3)の上限値は、-1.2にすることがより好ましく、-1.4にすることがさらにより
好ましい。
条件式(3)の下限値は、-2.5にすることが好ましく、-2.3にすることがさらにより好ま
しい。
【0036】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
1.5 ≦ f3/fw ≦ 3.0 ・・・・ (4)
ただし
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:当該ズームレンズの広角端における焦点距離
【0037】
条件式(4)は、第3レンズ群の焦点距離と当該ズームレンズの広角端における焦点距離
との比を規定するものである。
【0038】
条件式(4)を満足することにより、コマ収差、非点収差及び歪曲収差を抑えつつ第3レ
ンズ群の有効径を抑えることが可能となる。
条件式(4)の上限を超えると、コマ収差の補正が困難となる。また、ズームレンズの全
長が長くなり、さらに第3レンズ群の有効径を抑えることが困難となる。
条件式(4)の下限を下回ると、収差を補正しつつバックフォーカスを確保することが困
難となる。
【0039】
条件式(4)の上限値は、2.8であることがより好ましく、2.5であることがさらにより好
ましい。
条件式(4)の下限値は、1.6であることがより好ましく、1.8にすることがさらにより好
ましい。
【0040】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
-30.0 ≦ expt/Ymax ≦ -10.0 ・・・・ (5)
ただし
Ymax:最大像高
【0041】
条件式(5)は、望遠端における結像位置から射出瞳までの距離と最大像高の比を規定す
るための式である。
【0042】
条件式(5)を満足することにより、絞りより像側に配置されたレンズの有効径を抑えつ
つコマ収差を効果的に補正することが可能となる。
条件式(5)の上限を超えると、絞りより像側に配置されたレンズの有効径を抑えること
が困難となり、周辺光量を十分に確保することが困難となる。また、周辺光量を保ちつつ
コマ収差・非点収差の補正を行うことが難しくなる。
条件式(5)の下限を下回ると、収差を補正しつつバックフォーカスを確保することが困
難となる。
【0043】
条件式(5)の上限値は、-9.0であることが好ましく、-8.0であることがさらにより好ま
しい。
条件式(5)の下限値は、-27.0であることがより好ましく、-24.0であることがさらによ
り好ましい。
【0044】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
5.0 ≦ |βt2| ≦ 50.0 ・・・・ (6)
ただし
βt2:望遠端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
【0045】
条件式(6)は、望遠端における無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率を規定するための
式である。
【0046】
条件式(6)を満足することにより、望遠端の軸上色収差及びコマ収差を効果的に補正す
ることが可能となる。
条件式(6)の上限を超えると、第2レンズ群による収差補正効果を十分に活用できず、
小型化を図ることが困難となる。
条件式(6)の下限を下回ると、軸上収差とコマ収差を同時に補正することが困難となる
。軸上収差とコマ収差を同時に補正するためにはさらにレンズを追加することが必要とな
り、製造コストが増加するため好ましくない。
【0047】
条件式(6)の上限値は、45.0にすることが好ましく、40.0にすることがより好ましく、30.0にすることがさらに好ましい。
条件式(6)の下限値は、6.0にすることが好ましく、7.0にすることが好ましく、8.0にす
ることが好ましく、10.0にすることがより好ましく、15.0にすることがさらにより好まし
い。
【0048】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.5 ≦ G01R/f1 ≦ 1.5 ・・・・ (7)
ただし
G01R:当該ズームレンズの最も物体側面の曲率半径
f1:第1レンズ群の焦点距離
【0049】
条件式(7)は、当該ズームレンズの最も物体側面の曲率半径と第1レンズ群の焦点距離と
の比を規定するための式である。
【0050】
条件式(7)を満足することにより、ズームレンズの小型化を実現し、コマ収差及び軸上
収差の良好な補正を可能とする。
【0051】
条件式(7)の上限を超えると、周辺部の十分な光束を確保しつつレンズ有効径を抑える
ことが困難となる。
条件式(7)の下限を下回ると、コマ収差と軸上収差、倍率色収差と歪曲収差を同時に抑
えることが困難となる。
【0052】
条件式(7)の上限値は、1.2であることが好ましく、0.9であることがより好ましく、0.8
であることがさらにより好ましい。
条件式(7)の下限値は、0.6であることがより好ましく、0.7であることがさらにより好
ましい。
【0053】
本発明に係るズームレンズは、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.5 ≦ hitomi/(enpw×tan(ωw)) ≦ 2.0 ・・・・ (8)
ただし
hitomi:広角端における入射瞳半径
enpw:広角端における第1面から入射瞳までの距離
ωw:広角端の主光線の最大画角(半画角)
【0054】
条件式(8)は、広角端における入射瞳半径を規定するための式である。
【0055】
条件式(8)を満足することにより、小型化を可能としつつ、広角側のコマ収差及び軸上色
収差の補正を可能とする。
【0056】
条件式(8)の上限を超えることにより、広角側のF値を維持しながら軸上収差を補正す
ることが困難となる。
条件式(8)の下回ると、光束を十分にいれた状態で周辺域のコマ収差補正が難しくなる
【0057】
条件式(8)の上限値は、1.8であることがより好ましく、1.6であることがさらにより好
ましい。
条件式(8)の下限値は、0.55であることがより好ましく、0.60であることがさらにより
好ましい。
【0058】
本発明に係るズームレンズは、第1レンズ群の最も物体側の面が凹形状であることが好
ましい。この構成を有することによって、小型化が可能となり、高性能化を図ることが可
能となる。
【0059】
本発明に係るズームレンズは、第2レンズ群の最も物体側の面が凸形状であることが好
ましい。この構成を有することによって、球面収差の補正を良好に行うことが可能となり
、高性能化を図ることが可能となる。
【0060】
本発明に係るズームレンズは、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第
2レンズ群との間隔が狭まるように、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が広がるよう
に少なくとも一つ又は複数のレンズ群が光軸上を移動することが好ましい。
【0061】
本発明に係るズームレンズは、第1レンズ群に正の屈折力を有するレンズを有すること
が好ましい。この構成を有することによって、色収差の補正を良好に行うことが可能とな
り、高性能化を図ることが可能となる。
【0062】
本発明に係る撮像装置は、上述したズームレンズと、当該ズームレンズの像面側に当該
ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えて構成
される。
【0063】
本発明に係る撮像装置の撮像素子においては、視野中心のみならず視野周辺部において
も優れた結像性能及び光電変換効率を実現して、好ましい結像信号を形成することができ
る。
【0064】
(実施例)
以下に、本発明に係るズームレンズ及びそれを備えた撮像装置を、数値実施例及び添付
図面に基づいて説明する。
【0065】
本発明に係る光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。
諸元表において、Fは全系の焦点距離、FNoはFナンバー、Wは半画角(°)、WIDEは広
角状態、MIDは中間焦点距離状態、TELEは望遠状態を示す。
面データ表において、No.は面番号、Rは曲率半径、Dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd
はd線における屈折率、ABVはd線におけるアッベ数、INFは無限大、STOPは絞りを示す。
【0066】
各実施例の縦収差図(図2図4図6図8図10図12図14図16、図
18~図20図22図24)においては、左側から順に、球面収差(mm)、非点収差
(mm)、歪曲収差(%)を示す。球面収差図において、縦軸は開放F値との割合を表し、
実線はd線(587.56nm)、破線はC線(656.28nm)、一点鎖線はg線(
435.84nm)の特性である。非点収差図において、縦軸はd線の半画角(°)を表
し、実線はサジタル像面(図中、sで示す)、破線はメリディオナル像面(図中、tで示す
)の特性である。歪曲収差図において、縦軸はd線の半画角(°)を表す。
【0067】
(第1実施例)
本発明に係るズームレンズの第1実施例は、図1に示すように、物体側から順に、負の
屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2、正の屈折力の第3レンズ群
G3、色分解プリズムPを有し、結像位置IMGに光電変換素子PECが配置されている
。光電変換素子PECには、バンドパスフィルターやカバーガラスが含まれることもある

第1レンズ群G1は、負の第1レンズL11と正の第2レンズL12とを接合してなる
。第2レンズ群G2は、絞りSTOP、正の第3レンズL21、接合された正の第4レン
ズL22及び負の第5レンズL23からなる。第3レンズ群G3は、正の第6レンズL3
1である。
【0068】
第1レンズ群G1は、変倍時に静止しており、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3
は、広角端から望遠端の変倍時に光軸に沿って物体側へ移動する。
【0069】
第1実施例の諸元表は以下の通りである。
(諸元表)
WIDE MID TELE
F 13.317 22.321 28.710
Fno 4.557 5.833 6.425
W 13.268 7.755 6.000
【0070】
第1実施例の面データ表は以下の通りである。
(面データ表)
No. R D Nd ABV
1 -15.714 1.453 1.5345 68.38
2 11.006 2.819 1.8314 30.34
3 19.803 D(3)
4STOP INF 0.101
5 22.101 1.798 1.7102 46.52
6 -26.707 0.100
7 13.192 3.229 1.5925 65.99
8 -8.100 1.753 1.6623 37.11
9 10.584 D(9)
10 24.371 2.772 1.6124 63.93
11 -55.756 D(11)
12 INF 4.232 1.5168 64.17
13 INF 13.038 1.7015 41.24
14 INF 0.700
【0071】
第1実施例の無限遠合焦時のレンズ間隔は以下の通りである。
(レンズ間隔表)
WIDE MID TELE
D(3) 13.946 5.155 1.915
D(9) 4.602 7.134 5.172
D(11) 3.233 9.492 14.694
【0072】
第1実施例の各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
(各レンズ群の焦点距離)
f1 -20.04
f2 18.73
f3 28.06
【0073】
(第2実施例)
本発明に係るズームレンズの第2実施例は、図5に示すように、物体側から順に、負の
屈折力の第1レンズ群G1、正の屈折力の第2レンズ群G2、正の屈折力の第3レンズ群
G3、色分解プリズムPを有し、結像位置IMGに光電変換素子PECが配置されている
。光電変換素子PECには、バンドパスフィルターやカバーガラスが含まれることもある

第1レンズ群G1は、負の第1レンズL11と、正の第2レンズL12とを接合してな
る。第2レンズ群G2は、絞りSTOP、正の第3レンズL21、接合された正の第4レ
ンズL22及び負の第5レンズL23からなる。第3レンズ群G3は、正の第6レンズL
31である。
【0074】
第1レンズ群G1は、ズーム時に静止しており、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G
3は、広角端から望遠端の変倍時に光軸に沿って物体側へ移動する。
【0075】
第2実施例の諸元表は以下の通りである。
(諸元表)
WIDE MID TELE
F 13.317 22.321 28.710
Fno 4.557 5.833 6.425
W 13.256 7.755 5.996
【0076】
第2実施例の面データ表は以下の通りである。
(面データ表)
No. R D Nd ABV
1 -16.440 1.487 1.5265 57.52
2 11.817 2.795 1.8171 24.91
3 20.707 D(3)
4STOP INF 0.100
5 18.101 1.800 1.6927 44.21
6 -32.674 0.831
7 17.911 3.186 1.5853 66.81
8 -7.647 1.726 1.6754 35.14
9 12.376 D(9)
10 27.155 2.765 1.7401 48.60
11 -42.404 D(11)
12 INF 4.232 1.5168 64.17
13 INF 13.038 1.7015 41.24
14 INF 0.700
【0077】
第2実施例の無限遠合焦時のレンズ間隔は以下の通りである。
(レンズ間隔表)
WIDE MID TELE
D(3) 14.235 4.707 1.500
D(9) 2.285 5.327 3.785
D(11) 5.095 11.581 16.330
【0078】
第2実施例の各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
(各レンズ群の焦点距離)
f1 -20.94
f2 22.63
f3 22.75
【0079】
(第3実施例)
本発明に係るズームレンズの第3実施例は、図9に示すように、物体側から、負の屈折
力をもつ第1レンズ群G1と、正の屈折力をもつ第2レンズ群G2と、正の屈折力をもつ
第3レンズ群G3、色分解プリズムPを有し、結像位置IMGに光電変換素子PECが配
置されている。光電変換素子PECには、バンドパスフィルターやカバーガラスが含まれ
ることもある。
第1レンズ群G1は、負の第1レンズL11と正の第2レンズL12とを接合してなる
。第2レンズ群G2は、絞りSTOP、正の第3レンズL21、接合された正の第4レン
ズL22及び負の第5レンズL23からなる。第3レンズ群G3は、正の第6レンズL3
1である。
【0080】
第1レンズ群G1は、変倍時に固定されており、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G
3は、広角端から望遠端の変倍時に光軸に沿って物体側へ移動する。
【0081】
第3実施例の諸元表は以下の通りである。
(諸元表)
WIDE MID TELE
F 13.317 22.321 28.710
Fno 4.557 5.833 6.425
W 13.259 7.741 5.989
【0082】
第3実施例の面データ表は以下の通りである。
(面データ表)
No. R D Nd ABV
1 -15.916 0.919 1.5338 57.03
2 13.771 2.719 1.9324 21.96
3 21.658 D(3)
4STOP INF 0.420
5 19.502 1.827 1.7940 44.07
6 -25.278 0.513
7 17.146 2.816 1.5655 69.26
8 -8.369 0.978 1.7085 33.81
9 14.103 D(9)
10 53.870 2.711 1.7469 48.09
11 -38.140 D(11)
12 INF 4.232 1.5168 64.17
13 INF 13.038 1.7015 41.24
14 INF 0.700
【0083】
第3実施例の無限遠合焦時のレンズ間隔は以下の通りである。
(レンズ間隔表)
WIDE MID TELE
D(3) 13.974 4.996 1.500
D(9) 4.731 7.997 6.169
D(11) 3.568 9.281 14.605
【0084】
第3実施例の各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
(各レンズ群の焦点距離)
f1 -20.76
f2 18.53
f3 30.28
【0085】
(第4実施例)
本発明に係るズームレンズの第4実施例は、図13に示すように、物体側から、負の屈
折力をもつ第1レンズ群G1と、正の屈折力をもつ第2レンズ群G2と、正の屈折力をも
つ第3レンズ群G3、色分解プリズムPを有し、結像位置IMGに光電変換素子PECが
配置されている。光電変換素子PECには、バンドパスフィルターやカバーガラスが含ま
れることもある。
第1レンズ群G1は、負の第1レンズL11と正の第2レンズL12とを接合してなる
。第2レンズ群G2は、絞りSTOP、正の第3レンズL21、接合された正の第4レン
ズL22及び負の第5レンズL23からなる。第3レンズ群G3は、正の第6レンズL3
1である。
【0086】
第1レンズ群G1は、変倍時に固定されており、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G
3は、広角端から望遠端の変倍時に光軸に沿って物体側へ移動する。
【0087】
第4実施例の諸元表は以下の通りである。
(諸元表)
WIDE MID TELE
F 13.317 22.321 28.710
Fno 4.557 5.833 6.425
W 13.259 7.743 5.989
【0088】
第4実施例の面データ表は以下の通りである。
(面データ表)
No. R D Nd ABV
1 -15.929 1.449 1.5313 60.19
2 13.771 2.719 1.9232 23.31
3 21.758 D(3)
4STOP INF 0.164
5 18.441 1.812 1.7937 45.01
6 -27.261 0.517
7 17.075 2.836 1.5649 69.35
8 -8.405 1.074 1.7092 34.16
9 13.278 D(9)
10 42.678 2.708 1.7408 48.55
11 -40.122 D(11)
12 INF 4.232 1.5168 64.17
13 INF 13.038 1.7015 41.24
14 INF 0.700
【0089】
第4実施例の無限遠合焦時のレンズ間隔は以下の通りである。
(レンズ間隔表)
WIDE MID TELE
D(3) 13.715 4.847 1.500
D(9) 3.452 6.553 4.887
D(11) 4.071 9.837 14.850
【0090】
第4実施例の各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
(各レンズ群の焦点距離)
f1 -20.83
f2 19.10
f3 28.31
【0091】
(第5実施例)
本発明に係るズームレンズの第5実施例は、図17に示すように、物体側から、負の屈
折力をもつ第1レンズ群G1と、正の屈折力をもつ第2レンズ群G2と、正の屈折力をも
つ第3レンズ群G3、色分解プリズムPを有し、結像位置IMGに光電変換素子PECが
配置されている。光電変換素子PECには、バンドパスフィルターやカバーガラスが含ま
れることもある。
第1レンズ群G1は、負の第1レンズL11と、正の第2レンズL12とを接合してな
る。第2レンズ群G2は、絞りSTOP、正の第3レンズL21、接合された正の第4レ
ンズL22及び負の第5レンズL23からなる。第3レンズ群G3は、負の第6レンズL
31と、正の第7レンズL32からなる。
【0092】
第1レンズ群G1は、変倍時に固定されており、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G
3は、広角端から望遠端の変倍時に光軸に沿って物体側へ移動する。
【0093】
第5実施例の諸元表は以下の通りである。
(諸元表)
WIDE MID TELE
F 13.317 22.321 28.710
Fno 4.557 5.833 6.425
W 13.217 7.763 6.016
【0094】
第5実施例の面データ表は以下の通りである。
(面データ表)
No. R D Nd ABV
1 -22.676 0.832 1.6793 54.34
2 11.317 1.420 1.8002 29.51
3 33.197 D(3)
4STOP INF 0.100
5 5.023 1.393 1.8831 40.78
6 4.440 0.652
7 10.020 3.892 1.5484 71.44
8 -3.775 0.601 1.6110 50.67
9 -137.883 D(9)
10 22.564 2.236 1.6878 37.20
11 10.074 0.347
12 10.490 5.615 1.6179 62.06
13 -36.767 D(13)
14 INF 4.232 1.5168 64.17
15 INF 13.038 1.7015 41.24
16 INF 0.700
【0095】
第5実施例の無限遠合焦時のレンズ間隔は以下の通りである。
(レンズ間隔表)
WIDE MID TELE
D(3) 16.660 5.662 1.502
D(9) 2.025 6.851 5.883
D(13) 4.346 10.518 15.647
【0096】
第5実施例の各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
(各レンズ群の焦点距離)
f1 -22.76
f2 24.27
f3 26.85
【0097】
(第6実施例)
本発明に係るズームレンズの第6実施例は、図21に示すように、物体側から、負の屈
折力をもつ第1レンズ群G1と、正の屈折力をもつ第2レンズ群G2と、正の屈折力をも
つ第3レンズ群G3、負の屈折力をもつ第4レンズ群G4、色分解プリズムPを有し、結
像位置IMGに光電変換素子PECが配置されている。光電変換素子PECには、バンド
パスフィルターやカバーガラスが含まれることもある。
第1レンズ群G1は、負の第1レンズL11と正の第2レンズL12とを接合してなる
。第2レンズ群G2は、絞りSTOP、正の第3レンズL21、接合された正の第4レン
ズL22及び負の第5レンズL23からなる。第3レンズ群G3は、正の第6レンズL3
1からなる。第4レンズ群は、負の第7レンズL41からなる。
【0098】
第1レンズ群G1及び第4レンズ群G4は、変倍時に固定されており、第2レンズ群G
2及び第3レンズ群G3は、広角端から望遠端の変倍時に光軸に沿って物体側へ移動する
【0099】
第6実施例の諸元表は以下の通りである。
(諸元表)
WIDE MID TELE
F 13.317 22.321 28.710
Fno 4.557 5.833 6.425
W 13.279 7.759 6.007
【0100】
第6実施例の面データ表は以下の通りである。
(面データ表)
No. R D Nd ABV
1 -16.306 1.424 1.5171 63.25
2 12.048 2.812 1.7658 30.38
3 21.459 D(3)
4STOP INF 0.726
5 20.350 1.860 1.6948 46.33
6 -28.313 0.445
7 12.743 3.299 1.5872 66.58
8 -8.900 1.282 1.6736 38.19
9 10.440 D(9)
10 27.396 2.592 1.7052 51.62
11 -53.553 D(11)
12 -41.001 0.824 1.9445 18.01
13 -74.633 1.855
14 INF 4.232 1.5168 64.17
15 INF 13.038 1.7015 41.24
16 INF 0.700
【0101】
第6実施例の無限遠合焦時のレンズ間隔は以下の通りである。
(レンズ間隔表)
WIDE MID TELE
D(4) 16.035 6.320 2.175
D(11) 3.665 8.971 8.447
D(14) 1.822 6.231 10.899
【0102】
第6実施例の各レンズ群の焦点距離は以下の通りである。
(各レンズ群の焦点距離)
f1 -20.92
f2 19.38
f3 26.05
f4 -97.49
【0103】
(撮像装置)
本発明の実施例の撮像装置100は、図25に示すように、撮像装置ハウジング102
内に、ズームレンズ104と、ズームレンズ104の結像領域に配置された光電変換部P
ECを装着して構成される。ズームレンズ102の三つの結像面IPには、それぞれ撮像
素子ISが配置される。
【0104】
光電変換部PECは、図26に示すように、レンズ系の結像側に、ローパスフィルター
200及びIRフィルターIR、三つの接合されたプリズムすなわち第1プリズム210
、第2プリズム212、第3プリズム214を有する。
第1プリズム210は、赤色光線を反射する第1反射膜216を有し、光線射出側にカ
バーガラス218及び第1受光素子220を有する。
第2プリズム212は、青色光線を反射する第2反射膜222を有し、光線射出側にカ
バーガラス224及び第2受光素子226を有する。
第3プリズム214は、光線射出側にカバーガラス230及び第3受光素子232を有
する。
【0105】
各実施例の条件式の対応値は以下の通りである。
(条件式対応値表)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6
expt/f3 -1.45 -1.83 -1.41 -1.41 -2.00 -1.57
f3/f2 1.50 1.01 1.63 1.48 1.11 1.34
f3/fw 2.11 1.71 2.27 2.13 2.02 1.96
βw2 -1.50 -2.63 -1.30 -1.47 -1.85 -1.26
βt2 -40.43 5.47 -10.70 -24.76 12.07 -12.82
βw3 0.44 0.24 0.49 0.43 0.32 0.44
βt3 0.04 -0.25 0.13 0.06 -0.10 0.09
βw3/βt3 12.51 -0.96 3.80 7.81 -3.03 4.72
f1/ft -0.70 -0.73 -0.72 -0.73 -0.79 -0.73
G01r1/f1 0.78 0.79 0.77 0.76 1.00 0.78
hitomi/(enpw×tan(ωw))
0.62 0.62 0.62 0.62 0.62 0.62
expt/ymax -13.51 -13.86 -14.23 -13.33 -17.85 -13.58
【符号の説明】
【0106】
STOP 絞り
IR IRフィルター
CG カバーガラス
IS 受光素子
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
100 撮像装置
102 撮像装置ハウジング
104 ズームレンズ
200 ローパスフィルター

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26