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特許7490139温度上昇データを使用する車両タイヤ位置特定システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-16
(45)【発行日】2024-05-24
(54)【発明の名称】温度上昇データを使用する車両タイヤ位置特定システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20240517BHJP
   B60C 11/24 20060101ALI20240517BHJP
【FI】
B60C19/00 B
B60C11/24 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023512450
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021043588
(87)【国際公開番号】W WO2022051044
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/073,776
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515168916
【氏名又は名称】ブリヂストン アメリカズ タイヤ オペレーションズ、 エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、テレンス イー.
(72)【発明者】
【氏名】サムズ、トーマス エー.
【審査官】増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-273077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0136530(US,A1)
【文献】特開2019-209899(JP,A)
【文献】国際公開第2019/116667(WO,A1)
【文献】特開2008-254559(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0265129(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
B60C 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイール位置特定のためのコンピュータ実装方法であって、
1つ以上のタイプの車両の各々について、それぞれの複数のホイール位置の各々に対応する温度特性に関する情報をデータストレージに蓄積し、前記温度特性に関する情報が、所与の負荷に関連付けられた温度上昇特性に関する情報を含むことと、
少なくとも車両に取り付けられた第1のタイヤにそれぞれ関連付けられた1つ以上のセンサから含有空気温度データを収集することと、
温度特性に関する前記記憶された情報に対する、ある期間にわたる前記収集された含有空気温度の比較に基づいて、前記第1のタイヤに関連付けられたホイール位置を識別することとを含み、少なくとも、
それぞれ収集された含有空気温度情報と少なくとも第1の温度特性シグネチャとの比較に基づいて、前記車両に取り付けられたタイヤの少なくとも第1のサブセット及び第2のサブセットを識別し、前記第1のタイヤが、タイヤの前記少なくとも第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの1つに含まれることと、
少なくとも第2の温度特性シグネチャに基づいて、前記第1のタイヤに関連付けられた前記ホイール位置を識別するために、前記第1のタイヤを含むタイヤの前記少なくとも1つのサブセットを分析することとを含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記第1の温度特性シグネチャが、温度上昇時間に従ってホイール位置を識別する情報を含み、前記第2の温度特性シグネチャが、定常状態温度値に従ってホイール位置を識別する情報を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記第1のタイヤのタイヤ摩耗に関する履歴情報をデータストレージに蓄積することと、
少なくとも前記識別されたホイール位置及びタイヤ摩耗に関する前記記憶された履歴情報に基づいて、前記第1のタイヤの現在のタイヤ摩耗状態を推定することとを更に含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記推定された現在のタイヤ摩耗状態に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のタイヤの1つ以上の将来の時点におけるタイヤ摩耗状態を予測することと、
前記第1のタイヤに関連付けられた1つ以上のタイヤ摩耗閾値と比較して、前記現在のタイヤ摩耗状態及び前記予測されたタイヤ摩耗状態のうちの1つ以上に基づいて、前記第1のタイヤの交換時期を予測することとを更に含み、
前記1つ以上のタイヤ摩耗閾値が、前記第1のタイヤに関連付けられた所与のホイール位置に対応するタイヤトレッド閾値を含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
車両ホイール位置特定のためのシステムであって、
1つ以上のタイプの車両の各々について、それぞれの複数のホイール位置の各々に対応する温度特性に関する情報を記憶したデータストレージネットワークと、
複数の車両の各々について、1つ以上の関連付けられたタイヤの含有空気温度データを提供するようにそれぞれ構成された1つ以上の車両に取り付けられたセンサにリンクされた少なくとも1つのコンピューティングノードと、
命令が常駐し、1つ以上のプロセッサによって実行可能であり、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法におけるステップの実行を指示するように構成されたコンピュータ可読媒体を含むサーバベースのコンピューティングネットワークとを備え、
前記1つ以上の車両に取り付けられたセンサが、少なくともタイヤ圧監視システム(TPMS)センサを含む、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文献の開示の一部は、著作権保護を受ける材料を含む。著作権所有者は、米国特許及び商標庁の特許出願又は記録において見られるように、本特許文書又は本特許開示の複製に対して異議を唱えていないが、他の方法ではいかなる全ての著作権をも保有する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、ホイール付き車両のためのタイヤ摩耗予測及び監視システムに関する。より具体的には、本明細書で開示されるシステム、方法、及び関連するアルゴリズムは、タイヤ位置特定のために温度上昇データを使用してもよく、これは、自動二輪車、家庭用車両(例えば、乗用車及び軽トラック)、商用車及びオフロード(OTR)車両を含むがこれらに限定されないホイール付き車両のフリート管理、コスト予測、及びタイヤの摩耗の改善された予測のために使用してもよい。
【背景技術】
【0003】
タイヤ摩耗の予測は、特にフリート管理の文脈において、車両を所有又は操作する人にとって重要なツールである。タイヤが使用されるとき、トレッドが徐々に浅くなり、タイヤ全体の性能が変化することが通常である。タイヤトレッドが不十分であると危険な運転状態が生じ得るので、ある時点でタイヤ状態を認識することが重要になる。例えば、道路状況が最適でない場合、タイヤは道路をグリップすることができない場合があり、ドライバは自分の車両の制御を失う場合がある。一般的に言えば、タイヤトレッドが浅ければ浅いほど、ドライバは、雨、雪などの中で運転するときにトラクションを容易に失う場合がある。
【0004】
加えて、不規則なトレッド摩耗は、そうでなければ必要となるよりも早く、ユーザがタイヤ交換することになる様々な理由に対して生じることがある。車両、ドライバ、及び個々のタイヤは、全て互いに異なるものであり、タイヤを非常に異なる速度で摩耗させる可能性がある。例えば、スポーツカー用の高性能タイヤは、ファミリーセダン用のツーリングタイヤよりも急速に摩耗する。しかしながら、多種多様な要因により、タイヤは見込みよりも早く摩耗する、及び/又は不規則に摩耗し、ノイズ又は振動を生じさせる可能性がある。早期及び/又は不規則なタイヤ摩耗の2つの一般的な原因は、不適切な膨張圧力及び面外位置合わせ条件である。
【0005】
経時的なタイヤ摩耗の推定及び/又は予測は、典型的には、所与の車両について、どのタイヤがどのホイール位置に取り付けられているかの知識を必要とする場合がある。しかしながら、ほとんどのフリート管理システムは、そのような情報を十分に追跡することができないか、又はそうでなければ文書化することができない。これは、例えば、保守警報の生成、残りの摩耗寿命の量の予測、どの(及びいつ)タイヤが交換される必要があるかの予測、コスト予測など、いくつかの重要なフリート管理タスクに対して困難をもたらす。
【0006】
対応するホイール位置においてタイヤを決定又は追跡するために存在するいくつかの現在の技術は、その目的のためにタイヤの各々に取り付けられた専用デバイスの使用を含む。このようなデバイスは、例えば、タイヤ特性に関連付けられた無線信号を発することができ、又は回転角度センサなどを含んでもよい。しかしながら、この目的のための追加のハードウェア又は複雑なソフトウェア実装を回避し、むしろ、正確かつ費用効果の高い解決策のために既存のデバイスを利用することが好ましい。
【発明の概要】
【0007】
本明細書に開示される手法は、所与の車両に対する所与のタイヤのホイール位置を正確かつ確実に追跡する場合がある。
【0008】
車両ホイール位置特定のための本明細書に開示される方法の例示的な実施形態は、1つ以上のタイプの車両の各々についてそれぞれの複数のホイール位置の各々に対応する温度特性に関する情報をデータストレージに蓄積することを含む。含有空気温度データは、車両に取り付けられたタイヤにそれぞれ関連付けられた1つ以上のセンサから収集される。次に、温度特性に関する記憶された情報に対する、ある期間にわたる収集された含有空気温度の比較に基づいて、タイヤに関連付けられたホイール位置が識別される。
【0009】
上述の実施形態の1つの例示的な態様では、温度特性に関する情報は、所与の負荷に関連付けられた温度上昇特性に関する情報を含んでもよい。
【0010】
上述の実施形態の別の例示的な態様では、第1のタイヤに関連付けられたホイール位置を識別するステップは、それぞれ収集された含有空気温度情報と少なくとも第1の温度特性シグネチャとの比較に基づいて、車両に取り付けられたタイヤの少なくとも第1のサブセット及び第2のサブセットを識別するステップを含んでもよく、第1のタイヤは、タイヤの少なくとも第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの1つに含まれる。第1のタイヤを含むタイヤの少なくとも1つのサブセットを更に分析して、少なくとも第2の温度特性シグネチャに基づいて第1のタイヤに関連付けられたホイール位置を識別してもよい。
【0011】
第1の温度特性シグネチャは、例えば、所与の負荷に対する比較的高い温度上昇に基づいて駆動タイヤを識別するなど、温度上昇シグネチャに従ってホイール位置を識別する情報を含んでもよい。
【0012】
第2の温度特性シグネチャは、例えば、外側デュアルタイヤを内側デュアルタイヤに対して低温であると識別し、更に、前駆動車軸に関連付けられたホイールを後駆動車軸に関連付けられたホイールに対して低温であると識別するなど、定常状態温度値に従ってホイール位置を識別する情報を含んでもよい。
【0013】
上述の実施形態の別の例示的な態様では、タイヤのタイヤ摩耗に関する履歴情報がデータストレージに蓄積され、タイヤの現在のタイヤ摩耗状態は、少なくとも識別されたホイール位置及びタイヤ摩耗に関する記憶された履歴情報に基づいて推定してもよい。
【0014】
上述の実施形態の別の例示的な態様では、少なくとも推定されたタイヤ摩耗状態に基づいて、タイヤの1つ以上のタイヤトラクション特性を予測してもよい。1つ以上の予測されたタイヤトラクション特性は、車両に関連付けられたアクティブセーフティユニットに提供されてもよく、即ち、アクティブセーフティユニットは、少なくとも予測された1つ以上のタイヤトラクション特性に基づいて、1つ以上の車両動作設定を修正する。
【0015】
上述の実施形態の別の例示的な態様では、タイヤのタイヤ摩耗に関する履歴情報は、推定された現在のタイヤ摩耗状態に基づいて、データストレージ内で更新される。
【0016】
上述の実施形態の別の例示的な態様では、推定された現在のタイヤ摩耗状態に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の将来の時点におけるタイヤ摩耗状態がタイヤについて予測される。
【0017】
現在のタイヤ摩耗状態及び予測されたタイヤ摩耗状態のうちの1つ以上に基づいて、タイヤに関連付けられた1つ以上のタイヤ摩耗閾値と比較して、タイヤの交換時期を更に予測してもよい。
【0018】
1つ以上のタイヤ摩耗閾値は、タイヤに関連付けられた所与のホイール位置に対応するタイヤトレッド閾値を含んでもよい。
【0019】
上述の実施形態の別の例示的な態様では、予測交換時期及びタイヤの識別子を含む車両保守警報が生成されてもよく、車両保守警報を含むメッセージがフリート管理デバイスに送信される。
【0020】
車両ホイール位置特定のための本明細書に開示されるシステムの一実施形態は、1つ以上のタイプの車両の各々についてそれぞれの複数のホイール位置の各々に対応する温度特性に関する情報を記憶したデータストレージネットワークを含んでもよい。複数の車両の各々について、コンピューティングノードは、1つ以上の関連付けられたタイヤの含有空気温度データを提供するようにそれぞれ構成された1つ以上の車両に取り付けられたセンサにリンクされる。サーバベースのコンピューティングネットワークは、温度特性に関する記憶された情報に対する、ある期間にわたる収集された含有空気温度の比較に基づいて、各タイヤに関連付けられたホイール位置を識別する。
【0021】
上述の実施形態の1つの例示的な態様では、1つ以上の車両に取り付けられたセンサは、1つ以上のタイヤ圧監視システム(TPMS)センサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態をより詳細に説明する。
図1】本明細書に開示されるホイール位置特定及びタイヤ摩耗推定のためのシステムの一実施形態を表すブロック図である。
図2】時間に対する例示的な含有空気温度曲線を表すグラフ図である。
図3】トラクタトレーラタイプの車両の左前内側駆動タイヤ及び左後内側駆動タイヤの各々についての時間に対する例示的な含有空気温度曲線を表すグラフ図である。
図4】トラクタトレーラタイプの車両の右前内側駆動タイヤ及び右前外側駆動タイヤの各々についての時間に対する例示的な含有空気温度曲線を表すグラフ図である。
図5】本明細書に開示されるホイール位置特定及びタイヤ摩耗推定のための方法の一実施形態を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
概して図1図5を参照して、発明の様々な例示的な実施形態をここで詳細に説明してもよい。様々な図が、様々な共通の要素及び特徴を他の実施形態と共有する実施形態を説明することがある場合、同様の要素及び特徴は同じ参照番号を与えられ、その重複する説明は以下で省略されることがある。
【0024】
本明細書に開示される例示的な発明は、ホイール位置特定のための、並びに任意選択で更にタイヤ摩耗推定及び/又は予測のための、タイヤ含有空気温度データの使用に関する。
【0025】
本明細書で開示されるシステムの様々な実施形態は、本明細書で開示される摩耗モデルを効果的に実装するために、(例えば、個々の車両に関連付けられる)複数の分散データコレクタ及びコンピューティングノードと機能的に通信する(例えば、クラウドサーバネットワークにおいて)集中コンピューティングノードを含んでもよい。
【0026】
最初に図1を参照すると、システム100の例示的な実施形態は、車両に搭載され、少なくともデータを取得し、当該データをリモートサーバ130に送信し及び/又は本明細書に開示されるように関連する計算を実行するように構成されたコンピューティングデバイス102を含む。コンピューティングデバイスは、(図示されるように)分散車両データ収集及び制御システムの一部として携帯型若しくは別様にモジュール式であってもよく、又はさもなければ、中央車両データ収集制御システム(図示せず)に対して一体的に提供されてもよい。デバイスは、プロセッサ104と、プログラム論理108が常駐するメモリ106とを含んでもよい。
【0027】
概して、本明細書に開示されるシステムは、1台以上の車両にわたって分散された多数の構成要素を実装することができるが、例えば必ずしもフリート管理エンティティと関連付けられておらず、更に、通信ネットワークを介して車両の各々と機能的に通信する中央サーバ又はサーバネットワークを実装することができる。車両構成要素は、典型的には、例えば、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスネットワークにリンクされ、それによってローカル処理ユニットに信号を提供する、例えば、車体加速度計、ジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)、全地球測位システム(GPS)トランスポンダ112などの位置センサ、タイヤ圧監視システム(TPMS)センサ送信機118及び関連する搭載された受信機などの1つ以上のセンサを含んでもよい。図示の実施形態は、例示目的のために、本発明の範囲を限定することなく、周囲温度センサ116と、例えば感知された気圧信号を提供するように構成されたエンジンセンサ114と、DC電源110とを含む。
【0028】
以下の考察を考慮すると、速度、加速度、制動特性などに関連する車両データを収集及び送信するための他のセンサは、当業者には十分に明らかとなるであろうし、本明細書では更に考察されない。様々なバスインターフェース、プロトコル、及び関連するネットワークは、それぞれのデータソースとローカルコンピューティングデバイスとの間の車両動力学データなどの通信について当該技術分野において周知であり、当業者は、それを実装するための広範囲のそのようなツール及び実装手段を認識するであろう。
【0029】
システムは、例えば、フリート管理サーバ又は他のユーザコンピューティングデバイス140上に存在するもの、若しくは(例えば、視覚的及び/又は音声的インジケータを介した)リアルタイム通知のために車両に常駐する若しくはそのドライバに関連付けられたデバイス(図示せず)のユーザインターフェースなどの追加の分散プログラム論理を含んでもよく、いくつかの実施形態では、フリート管理デバイスは、通信ネットワークを介して搭載されたデバイスに機能的にリンクされている。システムプログラミング情報は、例えば、ドライバによって、又はフリートマネージャから搭載されるように提供されてもよい。
【0030】
車両及びタイヤセンサは、一実施形態では、一意の識別子が更に提供されてもよく、搭載されたデバイスプロセッサ104は、同じ車両上のそれぞれのセンサから提供される信号を識別することができ、更に、特定の実施形態では、中央サーバ130及び/又はフリート保守管理者クライアントデバイス140は、複数の車両にわたってタイヤ並びに関連する車両及び/又はタイヤセンサから提供される信号を識別する場合がある。換言すれば、センサ出力値は、様々な実施形態において、本明細書に開示されるような計算のために、搭載又はリモート/下流のデータストレージ及び実装を目的として、特定のタイヤ、特定の車両、及び/又は特定のタイヤ車両システムと関連付けられてもよい。搭載されたデバイスプロセッサは、図1に示すように、ホスト型サーバと直接通信することができるか、あるいは、ドライバのモバイルデバイス又はトラックに装着されたコンピューティングデバイスは、搭載されたデバイス出力データを受信及び処理/ホストされたサーバ及び/又はフリート管理サーバ/デバイスに送信するように構成されてもよい。
【0031】
特定の車両及び/又はタイヤセンサから受信された信号は、本明細書に開示される方法に従って計算するために必要に応じて選択的に取り出すために、搭載されたデバイスメモリに記憶されるか、又は車載デバイスプロセッサに機能的にリンクされた等価なデータストレージユニットに記憶されてもよい。いくつかの実施形態では、様々な信号からの生データ信号は、車両からサーバに実質的にリアルタイムで通信されてもよい。あるいは、特に高周波データの連続データ伝送における固有の非効率を考慮して、データは、例えば、適切な通信ネットワークを介して、車両からリモートサーバへのより効率的な(例えば、周期的な時間ベース又は代替的に定義されたイベントベースの)伝送のために、コンパイル、エンコード、及び/又は要約されてもよい。
【0032】
車両データ及び/又はタイヤデータは、通信ネットワークを介してホスト型サーバ130に送信されると、例えば、それに関連するデータベース132に記憶されてもよい。サーバは、適切な入力として車両データ及び/又はタイヤデータを選択的に取り出し及び処理するために、タイヤ摩耗モデル及び/又はタイヤトラクションモデル134を含む、又はそれに関連付けられてもよい。モデルは、少なくとも部分的に、車両データ及び/又はタイヤデータの選択的な取得を可能にするプロセッサの実行を介して、更に、サーバと関連して記憶されているデータベース、ルックアップテーブルなどからの任意の追加のデータ又はアルゴリズムの入力のための電子通信において、実装され得る。
【0033】
本明細書に開示される特定のアルゴリズム及び方法に関して特に関連して、前述のように、システムに関連付けられた1つ以上のセンサは、例えば、特定の大型トラックに現在しばしば含まれるようなタイヤ圧監視システム(TPMS)センサ118を含んでもよい。従来のTPMSの例は、TPMS受信機に機能的にリンクされたセンサ送信機を含み、それ自体がデータ処理ユニットに更にリンクされている。TPMSセンサ送信機は、タイヤホイール又はタイヤの内面のいずれかの上で、車両の各タイヤの内部空気キャビティ内に設けられてもよい。送信機は、所定の時間間隔でタイヤの内圧を検出し、タイヤに関連付けられた一意の識別子と共に、タイヤの内圧値を受信機に無線で送信する。送信機は、例えば、タイヤバルブと一体化されるようにホイールリム上に装着されてもよい。あるいは、送信機は、タイヤの内面に取り付けられてもよい。受信機は、例えばBluetoothなどの通信手段を介して送信機からデータ処理ユニットに信号を更に中継する。
【0034】
膨張圧力に加えて、そのようなTPMSセンサはまた、典型的には、含有空気温度を測定する。タイヤの含有空気温度は、その膨張圧力に有意な影響を及ぼし、それが「低温」であるとき、即ち、タイヤが周囲温度条件にあるとき、即ち、タイヤケーシング、その対応するキャビティ内の空気、及び周りの周囲環境が全て平衡状態にあるとき、膨張圧力を相応に設定しなければならない。
【0035】
次に、例示目的で図5を参照すると、車両ホイール位置特定のための本明細書で開示される方法500の一実施形態を、図1図4を引き続き例示的に参照することによって説明してもよい。方法500の第1の例示的なステップ510において、1つ以上のタイプの車両の各々についてそれぞれの複数のホイール位置の各々に対応する温度特性に関する情報をデータストレージに蓄積してもよい。そのような情報は、例えば、経時的に蓄積され、データストレージに集約されるか、又はバルクで取得されてもよい。温度特性に関する情報は、例えば、所与の負荷に関連付けられた温度上昇特性に関する情報を含んでもよい。
【0036】
別のステップ520では、車両に取り付けられたタイヤにそれぞれ関連付けられた1つ以上のセンサから、含有空気温度データを経時的に収集してもよい。図2を参照すると、TPMS含有空気温度の例が1回のトリップについて示されており、温度が周囲温度値で始まり、トリップ中に定常状態値まで上昇することを示している。
【0037】
含有空気温度は、いくつかの要因によって影響を受ける。タイヤたわみは熱を発生させ、含有空気温度を上昇させる。タイヤにかかる負荷が大きくなると、たわみが増大し、これにより、より多くの熱が発生し、含有空気温度がより高く上昇する。旋回、制動、及び加速はまた、(タイヤと道路との間の摩擦からのより多くの熱に加えて)より多くのタイヤたわみを引き起こし、より多くの熱を発生させ、含有空気温度をより高く上昇させる。
【0038】
熱は、主に、車両の周囲を流れる空気との対流によってタイヤから除去される。対流の量は、空気流の量に依存する。例えば、外側デュアルタイヤは、内側デュアルタイヤよりも多くの空気流を受ける。別の例として、前駆動車軸は、すぐ後ろの後駆動車軸よりも多くの空気流を受け取る。
【0039】
方法500の別の例示的なステップ530において、タイヤに関連付けられたホイール位置は、したがって、温度特性に関する記憶された情報に対する、ある期間にわたる収集された含有空気温度の比較に基づいて識別されてもよい。これは、例えば、それぞれ収集された含有空気温度情報と少なくとも第1の温度特性シグネチャとの比較に基づいて、車両に取り付けられたタイヤの第1のサブセット及び第2のサブセットを少なくとも識別することを含んでもよく、第1のタイヤは、タイヤの少なくとも第1のサブセット及び第2のサブセットのうちの1つに含まれる。第1のタイヤを含むタイヤの少なくとも1つのサブセットを更に分析して、少なくとも第2の温度特性シグネチャに基づいて第1のタイヤに関連付けられたホイール位置を識別してもよい。一実施形態では、第1の温度特性シグネチャは、例えば、所与の負荷に対する比較的高い温度上昇に基づいて駆動タイヤを識別するなど、温度上昇シグネチャに従ってホイール位置を識別する情報を含んでもよい。一実施形態では、第2の温度特性シグネチャは、定常状態温度値に従ってホイール位置を識別する情報を含んでもよく、例えば、外側デュアルタイヤを内側デュアルタイヤに対して低温であるものとして識別し、更に、前駆動車軸に関連付けられたホイールを後駆動車軸に関連付けられたホイールに対して低温であるものとして識別する。
【0040】
トラクタトレーラタイプのトラックについて、各センサがどのホイール位置にあるかを識別するためにTPMSデータを使用することが可能である。ステアタイヤ、駆動タイヤ、及びトレーラタイヤは、負荷によって(全ての駆動タイヤが互いに同様に負荷されるべきであるため)、及び温度上昇特性のため(駆動タイヤは、トラックを前方に駆動する摩擦に起因して、所与の負荷に対してより高い温度上昇を有することになるため)に分類することができる。8つの駆動タイヤが識別されると、ホイール位置は、温度差を使用して識別することができる(外側デュアルタイヤは、内側デュアルタイヤよりも多くの空気流を受け取り、より低温になり、前駆動車軸は、後駆動車軸よりも多くの空気流を受け取る)。
【0041】
次に図3及び図4を参照すると、一定の負荷及び速度で走行するトラックからの例示的なTPMSデータは、温度差が、デュアル構成の内側タイヤと外側タイヤとの間、及びタンデム車軸の前側タイヤと後側タイヤとの間で明らかであることを示している。
【0042】
図3では、左前内側駆動タイヤ310が、左後内側駆動タイヤ320と共にプロットされている。2つのタイヤが同じ圧力及び負荷で同じ仕様であり、後側タイヤが前側タイヤよりも高温で走行している場合であっても、2つのタイヤの間に有意な温度差が容易に明らかになる。
【0043】
図4は、右前内側駆動タイヤ420及び右前外側駆動タイヤ410についての例示的な結果を示しており、これらのタイヤも同じ圧力及び負荷で同じ仕様であり、また内側タイヤが外側タイヤよりも高温で走行する2つのタイヤ間の有意な温度差を示している。
【0044】
方法500の別のステップ540では、識別されたホイール位置に少なくとも部分的に基づいて、タイヤの現在のタイヤ摩耗状態は推定されてもよい。一実施形態では、現在のタイヤ摩耗状態は、例えば、タイヤのタイヤ摩耗に関するデータストレージに蓄積された履歴情報(ステップ512)に基づいて更に推定されてもよい。
【0045】
様々なタイヤ摩耗値は、例えば、様々な物理的部分、プロセス、又はシステムの「デジタルツイン」仮想表現に基づいて推定されてもよく、デジタル及び物理データがペアリングされ、例えばニューラルネットワークなどの学習システムと組み合わされる。例えば、車両からの実データ及び関連する位置/経路情報を提供して、タイヤ摩耗を推定するための車両タイヤのデジタル表現を生成してもよく、推定されたタイヤ摩耗と決定された実際のタイヤ摩耗とのその後の比較は、機械学習アルゴリズムのフィードバックとして実施してもよい。摩耗モデルは、搭載されたシステムを介して処理するために車両において実装されてもよく、又は、タイヤデータ及び/又は車両データは、リモート摩耗推定のために代表的なデータをホスト型サーバに提供するように処理されてもよい。
【0046】
一実施形態では、方法500の別のステップ542は、フィードバック信号を提供することを含んでもよく、推定された現在のタイヤ摩耗状態に基づいて、タイヤのタイヤ摩耗に関する履歴情報がデータストレージ内で更新される。
【0047】
一実施形態では、方法500の別のステップ560は、例えば、タイヤ摩耗状態(例えば、トレッド深さ)を特定の車両データと共にトラクションモデルへの入力として提供することを含んでもよく、トラクションモデルは、それぞれのタイヤの推定されたトラクション状態又は1つ以上のトラクション特性を提供するように構成されてもよい。前述の摩耗モデルと同様に、トラクションモデルは、物理的部分、プロセス、又はシステムの「デジタルツイン」仮想表現を含んでもよく、デジタル及び物理データがペアリングされ、例えば人工ニューラルネットワークなどの学習システムと組み合わされる。特定のタイヤ、車両、又はタイヤ-車両システムからの実車両データ及び/又はタイヤデータを、それぞれの資産のライフサイクル全体にわたって提供して、タイヤトラクションの推定のための車両タイヤの仮想表現を生成してもよく、推定タイヤトラクションと対応する測定又は決定された実際のタイヤトラクションとのその後の比較は、好ましくは、サーバレベルで実行される機械学習アルゴリズムのフィードバックとして実施してもよい。
【0048】
トラクションモデルは、様々な実施形態において、多数のタイヤ-車両システム及び入力パラメータ(例えば、タイヤトレッド、膨張圧力、路面特性、車両速度及び加速度、スリップ率及び角度、垂直力、制動圧力及び負荷)の値の関連する組み合わせに関して収集された、例えば、停止距離試験結果、タイヤトラクション試験結果などを含む事前試験からの結果を利用してもよく、タイヤトラクション出力は、現在の車両データ及びタイヤデータ入力の所与の設定について効果的に予測する場合がある。
【0049】
一実施形態では、このトラクションモデルからの出力は、例えば、図示される方法500のステップ562において、アクティブセーフティシステムに組み込まれてもよい。本明細書で使用される「アクティブセーフティシステム」という用語は、好ましくは、限定はしないが、衝突回避システム、先進ドライバ支援システム(ADAS)、アンチロック制動システム(ABS)などの例を含む、当業者に一般的に知られているようなシステムを含んでもよく、それは、例えば、1つ以上の車両動作設定を修正する(ステップ564)ことによって最適な性能を達成するためにトラクションモデル出力情報を利用するように構成することができる。例えば、衝突回避システムは、典型的には、標的車両との潜在的な衝突を回避又は軽減するために、自車のブレーキを自動的に係合することなどの、及びタイヤのトラクション能力に関する情報の強化、ひいてはタイヤ車両システムの制動能力などの回避作用をとるように構成されており、タイヤのトラクション能力、すなわちタイヤ車両システムの制動能力に関する拡張情報が極めて望ましい。
【0050】
別の実施形態では、ライドシェア自律フリートは、トラクションモデルからの出力データを使用して、悪天候の間にトレッド深さが低い車両を使用不能にするか、そうでなければ選択的に除去するか、又は潜在的にそれらの最大速度を制限することができる。
【0051】
一実施形態では、方法500のステップ550は、推定された現在のタイヤ摩耗状態に少なくとも部分的に基づいて、タイヤの1つ以上の将来の時点におけるタイヤ摩耗状態を予測することを含んでもよい。
【0052】
様々な実施形態では、方法500の別のステップ552は、現在の摩耗値及び/又は1つ以上の将来の時点における予測された摩耗値を(例示的なステップ554においてデータストレージから取り出される場合がある)それぞれの閾値と比較して、タイヤが交換を必要とするか否か(又はいつ必要とするか)を決定することを更に含んでもよい。一実施形態では、予測交換時期及びタイヤの識別子を含む車両保守警報がステップ570で生成される場合があり、車両保守警報を含むメッセージがフリート管理デバイスに送信される。
【0053】
例えば図1に表されるように、予測されたタイヤ摩耗状態(例えば、所与の距離、時間などにおける予測されたトレッド深さ)に対応するフィードバック信号は、インターフェース120を介して、車両自体に関連付けられた搭載されたデバイス102に、又はユーザに関連付けられたモバイルデバイス140に提供されてもよく、例えば、タイヤが交換されるべきであるか又は間もなく交換される必要があるという警報又は通知/推奨を提供するように構成されたユーザインターフェースと統合されてもよい。
【0054】
別の例として、自律車両フリートは、様々な最小トレッド状態値を有する多数の車両を含んでもよく、車両フリート管理システムは、最小閾値を下回る車両の配備を無効にするように構成されてもよい。フリート管理システムは、ホイール位置に対応する様々な最小トレッド状態値を更に実装してもよい。したがって、システムは、車両に関連付けられた複数のタイヤの各々についての最小タイヤトレッド値に基づいて動作するように構成されてもよく、又は一実施形態では、最小閾値と比較するために複数のタイヤについての集約トレッド状態を計算してもよい。
【0055】
様々な実施形態では、本方法は、閾値違反が検出されない場合であってもデータストリーミングを更に含んでもよく、推定及び/又は予測された摩耗値は、ローカルユーザインターフェース及び/又はリモートディスプレイ(例えば、フリート管理サーバと関連付けられる)上にリアルタイムで表示されることができ、更に表示されるデータは、例えば、含有空気温度を含んでもよい。
【0056】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、文脈がそうでない旨を指示しない限り、以下の用語は、少なくとも、本明細書に明示的に関連する意味をとる。以下で識別される意味は、必ずしも用語を限定するものではなく、単に用語の例示的な例を提供するものである。「a」、「an」、及び「the」の意味は、複数の参照を含んでもよく、「in」の意味は、「in」及び「on」を含んでもよい。本明細書で使用されるとき、「一実施形態では」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指すものではないが、指すこともあり得る。
【0057】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの両方の組み合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、及びステップは、一般に、それらの機能性に関して上述されている。そのような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例、及びシステム全体に課される設計上の制約に依存する。説明された機能性は、それぞれの特定の適用例ごとに様々な方式で実装することができるが、そのような実装決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0058】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な例示的な論理ブロック及びモジュールは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート若しくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、又は本明細書に説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなど、機械によって実装又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシン、それらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装することもできる。
【0059】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される方法、プロセス、又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接具現化するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで具現化するか、又はこれら2つの組み合わせで具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能ディスク、CD-ROM、又は当該技術分野において既知の任意の他の形態のコンピュータ可読媒体内に常駐することができる。例示的なコンピュータ可読媒体は、プロセッサがメモリ/記憶媒体から情報を読み取り、メモリ/記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、媒体はプロセッサと一体であってもよい。プロセッサ及び媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することができる。代替として、プロセッサ及び媒体は、ユーザ端末内の別個の構成要素として存在することができる。
【0060】
本明細書で使用される、とりわけ、「できる(can)」、「かもしれない(might)」、「場合がある(may)」、「など(e.g.)」など、条件付き文言は、特に別途記載のない限り、又はさもなければ使用される文脈内で理解されない限り、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は、それらの特定の特徴、要素、及び/又は状態を含まないことを伝えることを概して意図する。したがって、そのような条件付き文言は、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態のために何らかの方式で必要とされることを示唆することを概して意図せず、また、1つ以上の実施形態が、オーサー入力又はプロンプティングを用いて又は用いないで、これらの特徴、要素、及び/又は状態が、何らかの特定の実施形態に含まれるか又はそれにおいて実行されるべきかどうかを決定するための論理を、必ず含むことを示唆することを概して意図しない。
【0061】
本発明の特定の好ましい実施形態は、典型的には、フリート管理システム、より具体的には自律車両フリート又は商用トラック用途のためのタイヤ摩耗推定に対して本明細書で説明される場合があるが、本発明は、それに全くもって明示的に限定されるものではなく、本明細書で使用される用語「車両」は、別途記載のない限り、自走式であるか否かにかかわらず、1つ以上のタイヤを含む場合がある、自動車、トラック、又はそれらの任意の同等物を指し、したがってタイヤ摩耗の正確な推定又は予測、及び、例えば直接的な車両制御調整の形態の潜在的な無効化、交換、又は介入を必要とする場合がある。
【0062】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「ユーザ」は、例えば、本明細書に開示される特徴及びステップを提供するためのユーザインターフェースを有するデバイスと関連付けられてもよい、ドライバ、搭乗者、メカニック、技術者、フリート管理職員、又は任意の他の人物若しくはエンティティを指してもよい。
【0063】
前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提供されている。したがって、新規で有用な発明の特定の実施形態を説明してきたが、このような参照が、以下の特許請求の範囲における記載を除いて、本発明の範囲への限定として解釈されることを意図しない。
図1
図2
図3
図4
図5