(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】生理対策に一段と優れた実用性と機能性を有する生理用ショーツ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/72 20060101AFI20240520BHJP
A41B 9/04 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
A61F13/72 100
A41B9/04 D
(21)【出願番号】P 2021154851
(22)【出願日】2021-08-21
【審査請求日】2023-09-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518355836
【氏名又は名称】千後瀧 正雄
(72)【発明者】
【氏名】千後瀧 正雄
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-321589(JP,A)
【文献】実開昭58-162823(JP,U)
【文献】特開2003-328201(JP,A)
【文献】実開昭62-128527(JP,U)
【文献】特開2010-104727(JP,A)
【文献】特開2001-245929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
A41B9/02-9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃
(3
)と、後身頃
(4
)と、及びこれら両者間に位置する股布部
(5
)とを有する生理用ショーツ
(1
)において、後身頃縫合部
(8
)と、前身頃固定部
(9
)と、及びこれら両者間に位置する跨ぎ部
(10
)からなる一枚で平坦なサポートショーツ
(2
)が、その前記後身頃縫合部
(8
)で前記生理用ショーツ
(1
)の後身頃
(4
)の外側表面に接合されて設けら
れ、
前記サポートショーツ
(2
)の跨ぎ部
(10
)の
背面側から腹面側にかけて、縦方向の中央部分付近で横幅が細くなっていて肛門と女性器を覆う部分である細帯区域
(15
)において、前記細帯区域
(15
)の
縦方向及び横方向の中央部分を含む部分
に、背面側から先端が細く初まって横幅が除々に広がり、最大横幅を形成した後に、腹面側に向けて横幅が除々に狭まる流線型の形状の細帯開放口
(19
)が設けられた生理用ショーツ。
【請求項3】
前記サポートショーツ
(2
)の後身頃
縫合部A
(11
)の縫合面に、剥離テープまたは再剥離テープが設けられた請求項1
または2記載の生理用ショーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品が固定されて着用される生理用ショーツに係り、特に吸収性物品の性器への密着性を調整出来ると共に、体液の横漏れ防止効果に優れた生理用ショーツに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでは、生理用ナプキン等を装着時に、これらを安定的に保持し経血の漏れやずれを防止する構成として、重ね穿きのアンダーショーツ(特開2007-135919号公報)(特開2015-47335号公報)、内部クロッチ部を工夫したショーツ(特開2011-50682号公報)(特開2002-345891号公報)、立体片が設けられた生理用ショーツ(特開2003-171802号公報)等が開示されている。
さらに、より吸収性物品の密着性を高める工夫をした生理用ショーツとして、(特開2001-245929号公報)(特開2001-276130号公報)、及び(特開2003-328201号公報)が開示されている。
【0003】
(特開2001-245929号公報)で開示された生理用ショーツは前身頃、股下部及び後身頃に渡って伸縮性素材で形成された吊上げ部材が設けられ、その両側部に延出布が設けられている。これにより生理用ナプキンを凸条にして身体への密着性をたかめている。これは着用性、美観性に優れているものの、しかしながら使用時には以下の問題や課題が生じる。つまり、生理用ナプキンを常時安定的に保持できないので引き当て位置がずれる、吊上げ部材の伸縮性強度により臀裂に食いこむ事がある、経血の横漏れの可能性が高い、経血量の多い日や運動時、就寝時に対応できないため不安感が大きい。
【0004】
(特開2003-328201号公報)で開示された吸収性物品の装着に適した外装体は、ショーツ本体の肌側面にクロッチ部先端から後身頃に至る縦方向に弾性伸縮機能のあるサポート帯が設けられ、さらに吸収性物品から漏れた排泄液を止める為の補助材が移動可能な形態で設けられている。また、(特開2001-76130号公報)では、ショーツ本体の内側に前身頃から後身頃に向かって延びるサポート帯が設けられた生理用ショーツが開示されている。この生理用ショーツは前記サポート帯が弾性伸縮機能を発揮するもので、このサポート帯に取り付けられた生理用ナプキンが前記サポート帯の弾力性により、補助材と共に性器に密着させられて経血の漏れを防止する構成となっている。
【0005】
これらは確かに吸収性物品の性器への密着性を調整することが出来て、体液の漏れ防止効果を高めるものの、日常生活で頻繁に使用される実用品としてはあまりにも煩雑で使用者からみても現実的には以下の大きな難点がある。
(イ)補助部材やサポート帯等により生理用ナプキン等の吸収性物品を着用者の股間部へ確実に密着させる効果はあるものの、デリケートゾーンにおける良好な着用感が損なわれる。
(ロ)特に(特開2003-328201号公報)の外装体ではクロッチ部、前方縫合部、後方縫合部、サポート帯、フック、補助部材、ループ、挿入腕、装着布、挿通部、ナプキン装着布など構成部位がきわめて複雑である。
(ハ)製造面も複雑であり、流通単価は一般のショーツに比べ高価になるため、費用面からも日常生活で頻繁に使えない。
(ニ)繰り返し使用するには洗浄が不便で手間がかかる。
(ホ)サポート帯、補助部材等の取り替えが面倒である。
(ヘ)生理用ナプキン等の密着性を高めるだけであれば、重ね穿きショーツ使用、ガードル併用、弾性伸縮機能の高いショーツ使用等で対応可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-245929号公報
【文献】特開2001-276130号公報
【文献】特開2002-345891号公報
【文献】特開2003-171802号公報
【文献】特開2003-328201号公報
【文献】特開2007-135919号公報
【文献】特開2011-50682号公報
【文献】特開2015-47335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの背景技術を踏まえると、現状の課題や要望は以下の通りである。
つまり、
(イ)生理用ナプキン等を確実に安定的に保持する密着性。
(ロ)重ね穿きをしなくても同様の効果を持つ簡便性。
(ハ)ガードルと生理用ショーツの両方の機能を持つ安心性。
(ニ)着用時に外観的にも不安感のない着用方法を採れるファッション性。
(ホ)状況により生理用ショーツ単体使用ができる着脱の容易性。
以上の性能を発揮することができる生理用ショーツの提供が課題であり、これらの性能を持つ生理用ショーツであれば、需要者が持つ以下の要望や状況に対応できる。
(1)生理期間中でやや経血量が多い日等の運動時は、生理用ショーツを穿いたり重ね穿きをしても、経血の伝え漏れの不安感がある。
(2)特に経血量が多い日の就寝時は、頻繁に生理用ナプキンを予防的に交換したり、ガードル等の長時間の重ね穿きによる下腹部の圧迫感で快適な睡眠が得られない。
(3)長時間の着座学習、着座労働時は、椅子を立った瞬間に血流が一気に下降してくる感覚があり、対応が間に合わない状況がある。
(4)大型ナプキンの重ね使用時は、行動中に違和感を覚え、ナプキンライナーがアウターに響きやすい。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、運動時でもナプキン等の吸収性物品の安定的保持ができる密着性を有し、一つの一体的生理用ショーツとして着脱が楽であり、且つ外観的な不安感を解消できて経血量の多い日にも安心して着用できる生理用ショーツを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、生理用ナプキン等の体液を吸収する吸収性物品を装着して使用する生理用ショーツ1において、後身頃縫合部8と前身頃固定部9、及びこれらの両者間に位置する跨ぎ部10からなる一枚の平坦なサポートショーツ2が、前記生理用ショーツ1の後身頃腰帯部7に前記サポートショーツの後身頃縫合部A11のみで固定的に取り付けられて、前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2の一体使用を可能とするもので、前記サポートショーツの跨ぎ部10の細帯区域15の中央部分に空洞である細帯開放口19が設けられ、前記サポートショーツの前身頃固定部9に接合帯20が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
前記サポートショーツの後身頃縫合部8の横幅は、前記生理用ショーツの後身頃腰帯部7の横幅(胴回りの半分)の3/4以下で設けられていることが好ましい。そして、着用者からみて頭側を上方向として、前記後身頃縫合部8の上下幅(縦幅)は、前記生理用ショーツ1の上下幅の2倍に設定されて、後身頃縫合部A11と後身頃縫合部B12の2つに均等分割されている。
【0011】
着用者からみて頭側を上方向として、前記サポートショーツの前身頃固定部9を下側にした状態で前記サポートショーツの後身頃縫合部A11部分のみを、前記生理用ショーツの後身頃腰帯部7に固定的に取り付けることにより、前記サポートショーツ2の2つの使用方法が可能となる。
つまり、前記サポートショーツ2が前記生理用ショーツ1の外側表面で股下を跨いで接合帯20で結合して一体使用する方法と、前記生理用ショーツ1の肌側面で股下を跨いで接合帯20で結合して一体使用する方法である。
【0012】
前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2の一体使用により、生理用ナプキン等の吸収性物品の安定的保持と密着性が飛躍的に向上し、運動時や睡眠時及び経血量の多い日においても経血漏れの不安感が解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】 生理用ショーツを示すものであり、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は正面裏側から視た説明図。
【
図3】 サポートショーツの後身頃縫合部Aを生理用ショーツの後身頃腰帯部に取り付ける部分の拡大説明図。
【
図4】 生理用ショーツにサポートショーツを取り付けた状態の背面図。
【
図5】 生理用ショーツにサポートショーツを取り付けて、外側表面で前身頃に回した状態の正面図。
【
図6】 生理用ショーツにサポートショーツを取り付けて、肌側面で前身頃に回した状態の参考透視図。
【
図7】 生理用ショーツにサポートショーツを取り付けて、股布部から前身頃にかけて示す参考部分展開図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、
図1に示す生理用ショーツ1は、前身頃3、後身頃4、及び両者間に位置する股布部5で構成され、前記前身頃3と前記後身頃4ともに胴回り上部に前身頃腰帯部6、後身頃腰帯部7を有し、前記生理用ショーツの前身頃腰帯部6の二箇所にベルト通し24が設けられている。
図1、
図2、
図4において、Y方向を縦方向、これに直交するX方向を横方向として、横方向の中心で縦方向に伸延する中央線を0-0として説明をする。
【0015】
図2を参照して説明する。
図2は、後身頃縫合部8、前身頃固定部9、及びこれらの両者間に位置する跨ぎ部10からなる一枚の平坦なサポートショーツ2の平面図である。図面においてX方向を横方向、Y方向を縦方向として、横幅等の説明をする。
前記後身頃縫合部8の横幅は前記生理用ショーツ1の後身頃腰帯部7の横幅の3/4以下とし、後身頃縫合部8の縦幅は前記生理用ショーツ1の後身頃腰帯部7の縦幅の2倍で設けられ、この後身頃縫合部8は上下に縦幅の1/2ずつ均等割りされ、上部をA11、下部をB12として構成されている。前記後身頃縫合部のA11のみが境界線26で二つ折りされて、前記生理用ショーツ1の後身頃腰帯部7に縫合されて、固定的に取り付けられて前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2が一体使用されるものである。
【0016】
図2に沿って、前記サポートショーツ2の跨ぎ部10につき説明する。
前記跨ぎ部10は、お尻まわり区域13、持上げ区域14、及びこれらの両者間に位置する細帯区域15で構成され、前記お尻まわり区域13は前記サポートショーツの後身頃縫合部8の左右両端から前記細帯区域15に向けて、横幅は徐々に曲線的に細く形成されている。
【0017】
図2に沿って、前記跨ぎ部10の細帯区域15につき説明する。
細帯区域15の縦幅は、前記生理用ショーツ1の股布部後端16から股布部前端17に至るまでの前記サポートショーツ2が当接する部分と同じ長さ、またはそれ以上の縦幅設定が好ましい。つまり、前記股布部後端16から前端17までの長さ以上の縦幅で設定が好ましく、本案の前記跨ぎ部の細帯区域15は、同一の縦幅で設定されている。細帯区域の開始位置18の横幅は、前記股布部後端16の横幅の3/4以内の幅とし、最小でも5センチ以上の幅を確保して設定され、前記細帯区域15の形状は平面視で細長い長方形で良い。ただし臀裂の跨ぎを円滑にする形状を採るために、肛門周辺に当たる部位が左右から緩やかな曲線で削られてやや細くなっている形状が好ましい。そして前記細帯区域15は、やや緩い弾力性素材で構成されることが好ましい。
【0018】
前記サポートショーツ2を前記生理用ショーツ1に固定的に取り付けて着用した場合、前記サポートショーツの細帯区域15が、前記生理用ショーツ1及び併用される生理用ナプキン等を共々に押圧することにより、生理用ナプキン等を安定的に保持し経血の横漏れを確実に防止する機能を発揮することが出来る。
前記細帯区域15に、細帯区域の中央部分を含む部分が空洞で開放された細帯開放口19が設けられている。これは細帯区域15全体で生理用ナプキンに強く圧力を与えることを防ぐ目的を持つ。具体的には、細帯開放口19の部分では生理用ナプキンに与える圧力を弱く、その外縁側ではその圧力を強くすることが特徴となる。
つまり、細帯区域15の中央部分を含む部分よりも、細帯区域15の外縁側の部分の方が肌に向かって与える圧力が強くなり、経血伝い漏れの防止力を向上させる効果を持つ。
【0019】
前記細帯開放口19は、
図2の前記サポートショーツ2の中央線(0-0)に沿って、細帯区域15の縦幅の3/4以内の部分に設けられる。横幅は、デリケートゾーンに圧迫感や違和感を少なくするためにできるだけ広く設定することが好ましく、前記細帯区域15の横幅の65%~70%が良い。前記細帯開放口19のその形状は細長い長方形でも良く特に限定はないが、生理用ナプキンの安定感や着用感の観点からは、平面視での流線型の形状が特に好ましい。
【0020】
図2に示す前記跨ぎ部10の持上げ区域14は、隣接する前記細帯区域15の終止位置21からY方向の下方に向けて扇子状に広がり、前記持上げ区域の終止位置22の横幅は前記生理用ショーツ1の前身頃腰帯部6の胴回り横幅の1/2以下が好ましい。
この持上げ区域14の縦幅は、前記生理用ショーツの股布部5の縦幅等と相対的に決まるので以下の仕様で説明する。
図2で示すH1は、前記股布部5の最下端Oyから前記サポートショーツの後身頃縫合部AとBの境界線26までの縦幅です。そしてこのH1は、
図1で示す前記生理用ショーツ1のH1の縦幅と同一である。
図2で示すH2は、(前記後身頃縫合部B12の縦幅+3センチ)の縦幅である。つまり、(H1の縦幅-H2の縦幅=H3の縦幅)となる。そこで、
図2で示すH3が、前記股布部5の最下端Oyから縦方向下方の前記持上げ区域の終止位置22までの縦幅となります。具体的には、腹面側で前記生理用ショーツの前身頃腰帯部6の手前3センチの箇所から、前記サポートショーツの前身頃固定部の接合帯20が始まることにより、前記生理ショーツ1全体に対する引き締め度合を弾力的に調整することが可能になります。
【0021】
図2に示すサポートショーツ2の前身頃固定部9は、前記跨ぎ部持上げ区域14から隣接して設けられた二本の接合帯20で構成され、縦の長さが8センチ以上で設定されれば、前記生理用ショーツ1に設けられた二本のベルト通し24をくぐって折り返し、前記接合帯20に設けられた面ファスナー25で前記サポートショーツ2を安定的に固定することができる。前記接合帯20の横幅は2センチとし、前記接合帯20を設ける位置は左右両端が好ましい。そしてこの接合帯20は前記の帯状にかえて、細くて丸い紐状で設けられても良い。紐状の場合は、外観を考慮して蝶々結び等ができるように、長さは15センチ以上で設定が好ましい。
【0022】
次に、
図3を参照して、前記サポートショーツ2の後身頃縫合部A11とB12について縫合の仕様を詳しく説明する。前記後身頃縫合部A11とB12の縦幅はそれぞれ前記生理用ショーツの後身頃腰帯部7の縦幅と同一で設けられている。前記後身頃縫合部A11を境界線26に沿って向こう側に折り曲げた状態で、前記後身頃縫合部A11を前記生理用ショーツ1の後身頃腰帯部7に縫合して固定的に取り付けられる。
このように縫合された状態であれば、以下の二つの使用方法が可能となる。まず第一は、この状態のまま前記サポートショーツ2全体を前記生理用ショーツ1の表面側の股下を跨がせて、前記サポートショーツ2の前身頃固定部9で接合して着用する方法。第二は、前記後身頃縫合部B12以下の前記サポートショーツ2全体を、前記生理用ショーツ1の肌側面に折り返して股下を跨いで、生理用ナプキン等を固定させて押圧する状態で前記前身頃固定部9で接合して着用する方法である。
【0023】
図4は、前記サポートショーツ2を前記生理用ショーツ1の後身頃腰帯部7の外側表面に取り付けた状態の背面側平面図である。
まず着用者は、この状態で穿き込んでから前記サポートショーツ2全体を、前記生理用ショーツ1の外側表面に沿って股下を跨いで前記生理用ショーツの前身頃腰帯部6で接合させて、一体使用する方法である。
そして、前記サポートショーツの後身頃縫合部A11と前記生理用ショーツの後身頃腰帯部7を縫合する仕様は、
図3で部分的に示している。
【0024】
図5は、生理用ショーツ1の外側表面の股下を跨いで、縫合された前記サポートショーツ2を着用する時の正面図である。この場合、着用者の外観面での不安感を解消するためには、前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2の色彩や柄等を合わすことでファッション性高めて見た目を美しくする事は十分可能である。
また、前記サポートショーツ2の後身頃縫合部A11と前記生理用ショーツ1との接合方法を、縫合せずに面ファスナー25での接合方法とすれば、使用時の着脱が自由になり洗浄も楽になる。しかも、前記生理用ショーツ1単体のみでの使用が可能となるので、生理日の状態に合わせて使い分けができる利便性がある。
いずれにしても、このサポートショーツ2の作成は製造面が簡便であり、最終工程で縫合作業のみで完成するので費用面でも優れている。
そしてこの着用方法は、外観面を気にしなくて良い状況、例えば就寝時、室内での長時間の着座学習や着座労働、運動時の限定使用には極めて最適である。
【0025】
また、前記サポートショーツ2の後身頃縫合部A11に強度のある剥離テープや再剥離テープを設ければ、都度使い捨て使用が可能になる。
【0026】
従って以上のことから、一般に流通する生理用ショーツと前記サポートショーツ2の併用が可能となるので、このサポートショーツ2と受面ファスナーとベルト通し24をセットとして流通させても良い。
【0027】
図6は、前記生理用ショーツ1の肌側面の股下を跨いで、前記サポートショーツ2を着用した状態の正面側から視た参考透視図である。この使用方法は着用者の外観面での不安感が解消されるものの、快適な着用感を損なう懸念があるので、肌感覚に優しい素材で構成されることが好ましい。
さらにこの使用方法は、前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2が一体使用なので、重ね穿き等に比べて使い勝手は一段と優れている。
【0028】
生理用ナプキン等を併用の場合は、前記細帯開放口19により経血の横漏れ防止効果が一段と高まるので、前記生理用ショーツ1の汚れ防止が図れる。
【0029】
そして、前記サポートショーツ2の前身頃固定部の接合帯20を細くて丸い紐状で設けて、前記生理用ショーツ1の前身頃腰帯部6のベルト通し24を通して蝶々結びをすれば、可愛らしさも演出できる。また、引き締め具合の調整を楽にするために、接合帯20の長さを12センチ程度に設定しても良い。さらに、前記生理用ショーツ1の外側表面に接合帯20を露出させたくない場合は、前記生理用ショーツ1の肌側面にベルト通し24を設けても良い。
【0030】
図7は、前記生理用ショーツ1の内側を股布部5から前身頃3にかけて示した参考部分展開図である。
これは、前記サポートショーツ2が前記生理用ショーツ1の肌側面から直接に生理用ナプキン等を押圧する形で使用する場合の部分的な説明である。
【0031】
最後に、
図1、
図4を参照して本案の前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2の関係を説明する。
一般に流通している生理用ショーツには様々な形や大きさがあり、どれが標準的な物と示すことが出来ない。また着用者の身長やヌード寸法も広範囲に亘るため、図面上では長さや幅を数字で示すことが出来ない。従って、固定的に取り付けて一体使用する前記サポートショーツ2を前記生理用ショーツ1との相対的な関係に基づいて説明する。
図1に示した前記生理用ショーツ1を基本的な形とした。
【0032】
図1のH1は、前記生理用ショーツの前身頃腰帯部6の最上端Hyから股布部5の最下端Oyまでの縦幅であり、
図4のH1の縦幅と同一である。つまり、前記生理用ショーツの股布部5の最下端Oyと前記サポートショーツの細帯区域15の最下端が同一に設定されている。さらに
図4では、H4の縦幅は、前記股下部5の縦幅と前記細帯区域15の縦幅が同一であることを示している。そして前記サポートショーツの細帯区域15の横幅は、前記生理用ショーツの股布部5の横幅の3/4以内で設けられ、また前記サポートショーツの後身頃縫合部A11とB12の各縦幅も前記生理用ショーツの後身頃腰帯部7の縦幅と同一に設定されている。
【0033】
以上の構成の同一性により、前記生理用ショーツ1と前記サポートショーツ2の一体使用が円滑に行われ、前記生理用ショーツ1のたるみやねじれによるアウターへの響きを最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 生理用ショーツ
2 サポートショーツ
3 生理用ショーツの前身頃
4 生理用ショーツの後身頃
5 生理用ショーツの股布部
6 生理用ショーツの前身頃腰帯部
7 生理用ショーツの後身頃腰帯部
8 サポートショーツの後身頃縫合部
9 サポートショーツの前身頃固定部
10 サポートショーツの跨ぎ部
11 サポートショーツの後身頃縫合部A
12 サポートショーツの後身頃縫合部B
13 サポートショーツのお尻まわり区域
14 サポートショーツの持上げ区域
15 サポートショーツの細帯区域
16 生理用ショーツの股布部後端
17 生理用ショーツの股布部前端
18 サポートショーツの細帯開始位置
19 サポートショーツの細帯開放口
20 サポートショーツの接合帯
21 サポートショーツの細帯終止位置
22 サポートショーツの持上げ区域終止位置
23 サポートショーツの跨ぎ部開始位置線
24 生理用ショーツの前身頃腰帯部のベルト通し
25 サポートショーツの接合帯に設けられた面ファスナー
26 サポートショーツの後身頃縫合部AとBの境界線
27 サポートショーツの後身頃縫合部Aの上辺縁
28 生理用ショーツの後身頃腰帯部の下辺縁
Hy 生理用ショーツの前身頃腰帯部の最上端
Oy 生理用ショーツの股布部の最下端