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特許7490189患者固有の解剖学的構造の3D印刷可能モデルを発生させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】患者固有の解剖学的構造の3D印刷可能モデルを発生させるための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240520BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20240520BHJP
   G06T 17/10 20060101ALI20240520BHJP
   G09B 23/30 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
A61B6/03 560G
A61B5/055 380
G06T17/10
G09B23/30
【請求項の数】 67
(21)【出願番号】P 2021540322
(86)(22)【出願日】2020-01-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 GB2020050063
(87)【国際公開番号】W WO2020144483
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】1900437.3
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521304586
【氏名又は名称】アキシアル メディカル プリンティング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハスラム, ナイル
(72)【発明者】
【氏名】クロフォード, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クーンバー, キャサリン
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/069736(WO,A1)
【文献】特開2017-202583(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0217102(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0266185(US,A1)
【文献】特開平02-245883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
A61B 5/055
G01T 1/161 - 1/166
G06T 1/00 , 7/00
G16H 30/00 -30/40
G09B 23/28 -23/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2D医療画像から患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装方法であって、
(a)3D画像が、2D医療画像のセットから自動的に発生され、
(b)機械学習ベースの画像セグメント化技法が、前記発生された3D画像をセグメント化するために使用され、
(c)ニューラルネットワークが、前記3D画像の各ボクセル内の軸または平面毎の加重を決定し、
)前記患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルが、前記セグメント化された3D画像から生成される、
方法。
【請求項2】
前記2D医療画像のセットは、CT、MRI、PET、および/またはSPCET走査装置のうちの1つまたはこれらの組み合わせから得られる前記患者からの画像である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の走査技法からの2D医療画像が、同時に処理される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記2D医療画像のセットは、前記患者固有の解剖学的特徴の重要な特徴または重大な特徴が、前記3D印刷可能モデル内で可視にされるように、自動的に前処理される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記2D医療画像の前処理は、前記患者の特定の解剖学的特徴、特定の病態、または任意の下流用途に基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記下流用途は、術前計画立案または訓練目的のためのものである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記2D医療画像のセットは、所定の配向に従って均一に分散される2D医療画像の新しいセットを発生させるように前処理される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記所定の配向は、前記患者固有の解剖学的特徴、前記患者の特定の病態、または任意の下流用途に基づく、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記下流用途は、術前計画立案または訓練目的のためのものである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の間および前記所定の配向は、機械学習技法を使用して決定される、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の間および前記所定の配向は、ユーザ構成可能である、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記2D医療画像のセットからの欠損スライスが、自動的に検出される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記欠損スライスに対応する2D画像が、補間技法を使用して発生される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記セグメント化技法は、閾値ベース、決定木、連鎖決定フォレスト、およびニューラルネットワーク方法という技法うちの1つまたはこれらの組み合わせに基づく、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
各軸または平面からのボクセル情報が考慮されるボクセルベースの分類技法が、使用される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記3D画像のボクセルが前記患者固有の解剖学的特徴に類似する性質を有する尤度が、ロジスティックまたは確率関数を使用して計算される、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記セグメント化技法はさらに、マルチチャネル訓練を使用して改良される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
各チャネルは、前記3D画像の3D空間内のスライス位置に対応する2D画像を表す、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
チャネルが、グランドトゥルース画像を使用して表わされる、請求項17~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記患者固有の解剖学的特徴の3Dメッシュモデルが、前記セグメント化された3D画像から発生され、前記3D印刷可能モデルは、前記3Dメッシュモデルから発生される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記3Dメッシュモデルはさらに、有限要素解析を使用して処理される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
さらなる後処理ステップを要求する前記3Dメッシュモデル内の点または面積が、自動的に検出される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
さらなる後処理ステップは、だぼまたは他の継合構造の設置を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
だぼまたは他の継合構造の最適な設置が、自動的に決定される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
記患者の解剖学的特徴のパラメータが、前記発生された3D画像からの分析から自動的に決定される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記患者の解剖学的特徴の前記パラメータは、前記解剖学的特徴のボリュームまたは寸法、あるいは前記解剖学的特徴の異なる層の厚さを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記特定の解剖学的特徴は、心臓であり、測定されるパラメータは、前記心臓のボリューム、各心腔内の血液のボリューム、心臓壁の前記異なる層の厚さ、特定の脈管のサイズのうちの1つを含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記3D印刷可能モデルは、前記患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表すように、3D物理モデルとして3D印刷される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記縮尺モデルの縮尺は、意図される下流用途に応じて、前記患者固有の解剖学的特徴の1:1の縮尺、縮小される縮尺、または拡大される縮尺のうちのいずれか1つである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記3D印刷可能モデルは、容易に可視またはアクセス可能にされた前記特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴とともに3D印刷される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
3Dメッシュが、前記2D医療画像のセットから発生され、前記3Dメッシュは、前記患者固有の解剖学的特徴のボリュームの多角形表現である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
線またはスプラインが、前記患者固有の解剖学的特徴の方向に沿って、前記3Dメッシュから抽出される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
分類器が、前記抽出された線またはスプラインから前記解剖学的特徴を識別するために使用される、請求項31~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
分類器が、前記抽出された線またはスプラインから前記解剖学的特徴の物理的性質を識別するために使用される、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
分類器が、前記抽出された線またはスプラインから前記解剖学的特徴の病態を識別するために使用される、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記3Dメッシュのワイヤフレームモデルを発生させるステップをさらに含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記分類器は、特定の解剖学的特徴を識別するように訓練される、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記分類器は、前記特定の解剖学的特徴のパラメータを決定するように訓練される、請求項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記特定の解剖学的特徴の前記決定されたパラメータは、人体に対する前記特定の解剖学的特徴の場所、寸法、または厚さを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記分類器は、前記特定の解剖学的特徴の潜在的な欠陥または病態を決定するように訓練される、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記分類器は、主成分分析分類器である、請求項33~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記方法はさらに、前記3D印刷可能モデルを3D印刷可能モデルのセットに分割するステップを含み、前記3D印刷可能モデルのセットは、接続ピースを含み、各接続ピースの場所は、自動的に発生される、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記3D印刷可能モデルの分割は、前記患者固有の解剖学的構造および病態に基づいて決定される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記3D印刷可能モデルの分割は、前記患者固有の解剖学的構造の表面を査定することのみに応じて決定されることはできない、請求項42~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
接続ピースは、磁気または金属要素である、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
各接続ピースは、前記3D印刷可能モデルのセットからの3D印刷された物理モデルのセットが、前記患者固有の解剖学的特徴を表すために接続され得、不適切に接続されることが防止されるように位置する、請求項42~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記3D印刷された物理モデルのセットは、前記患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す、請求項42~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記縮尺モデルの縮尺は、意図される下流用途に応じて、前記患者固有の解剖学的特徴の1:1の縮尺、縮小される縮尺、または拡大される縮尺のうちのいずれか1つである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易に可視にされる、請求項42~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、前記3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易にアクセス可能にされる、請求項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
請求項1~50のいずれか一項に記載の方法から発生される前記3D印刷可能モデルから3D印刷される患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す3D物理モデル。
【請求項52】
前記縮尺モデルの縮尺は、意図される下流用途に応じて、前記患者固有の解剖学的特徴の1:1の縮尺、縮小される縮尺、または拡大される縮尺のうちのいずれか1つである、請求項51に記載の3D物理モデル。
【請求項53】
2D医療画像のセットから患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装システムであって、前記システムは、(a)前記2D医療画像のセットから3D画像を自動的に発生させ、(b)機械学習ベースの画像セグメント化技法を使用して前記発生された3D画像をセグメント化し、(c)前記3D画像の各ボクセル内の軸または平面毎の加重を決定し、)前記セグメント化された3D画像から前記患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを出力するためのプロセッサを備える、システム。
【請求項54】
患者固有の解剖学的特徴の3Dモデルを印刷するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)2D医療画像のセットをサーバにアップロードすることと、
(b)前記サーバにおいて、前記2D医療画像のセットを前記患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルに処理することと、
(c)前記2D医療画像のセットから自動的に発生された3D画像の各ボクセル内の軸または平面毎の加重を決定することと、
)前記サーバが、前記3D印刷可能モデルを印刷するための命令をプリンタに伝送することであって、セキュリティエンジンが、前記3D印刷可能モデルが、正しい患者データと関連付けられることを確認する、ことと
を含み、
前記プリンタから遠隔場所に位置するエンドユーザが、前記3D印刷可能モデルの印刷を管理する、コンピュータ実装方法。
【請求項55】
前記2D医療画像のセットおよび付加的なメタデータは、識別可能な医療または個人情報が前記サーバに移送されないように、前記サーバに送信されることに先立って匿名化される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記エンドユーザは、ウェブアプリケーションを介して、1つ以上のプリンタ上での3D印刷可能モデルの前記印刷を遠隔でスケジューリング、開始、または承認する、請求項54~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記エンドユーザは、1つ以上のプリンタを遠隔で制御し、前記印刷は、前記1つ以上のプリンタ上に自動的に配列される、請求項54~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記3D印刷可能モデルのファイルに対応するファイルのハッシュが、中央リポジトリ内に生成および記憶される、請求項54~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記中央リポジトリは、前記サーバによってアクセスされる、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記中央リポジトリは、ファイル、データベース、または分散型台帳である、請求項58~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記ハッシュは、前記3Dの患者固有の解剖学的特徴の印刷または任意の後続の印刷を再生成または確認するために使用される、請求項58~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記ファイルへの修正は、前記ハッシュとともに記憶され、前記ファイルの出所の変更追跡記録を提供するために使用される、請求項58~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記ハッシュは、ファイルが修正されているかどうかを確立するために使用される、請求項58~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
1つ以上の特定の解剖学的特徴を3D印刷するための1つ以上のファイルの配布が、一元化されたファイル署名サービスによって管理される、請求項54~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記3D印刷可能モデルに対応する前記ファイルは、私有/公開鍵ベースの暗号化を使用して暗号化される、請求項54~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記セキュリティエンジンは、前記3D印刷可能モデルの暗号化されたファイルのみが、印刷のために伝送されることを確実にする、請求項54~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記3D印刷可能モデルのファイルが、印刷が完了される際の遷移においてのみ復号化される、請求項54~66のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、2D医療画像に基づいて患者固有の解剖学的構造の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装方法に関する。
【0002】
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含有する。著作権所権者は、特許商標局の特許ファイルまたは記録に現れるような特許文書または特許開示のいずれかによるファクリミリ複製に対する異議を有していないが、そうでない場合には、いかなる著作権の全てを留保する。
【背景技術】
【0003】
患者の解剖学的構造の具体的部分の正確な3D印刷モデルを生成することは、術前計画立案のために臨床医に洞察を提供することによって、外科手術手技を変革することに役立っている。恩恵は、例えば、患者のためのより良好な臨床的転帰、外科手術のための時間およびコストの低減、および患者が計画立案された外科手術をより深く理解するための能力を含む。
【0004】
しかしながら、依然として、タイムリーかつカスタマイズ可能な様式における、3D印刷モデルの発注および送達を可能にするであろう、セキュアなプラットフォームを提供する必要性が、存在する。加えて、患者の解剖学的構造または病態に関するより多くの洞察を提供する3D印刷可能モデルを提供する必要性もまた、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
2D医療画像から患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装方法であって、3D画像が、2D医療画像のセットから自動的に発生され、機械学習ベースの画像セグメント化技法が、発生された3D画像をセグメント化するために使用され、患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルが、セグメント化された3D画像から生成される、方法が、提供される。
【0006】
本発明の実装における随意の特徴は、以下のうちのいずれか1つ以上のものを含む。
・2D医療画像のセットは、以下、すなわち、CT、MRI、PET、および/またはSPCET走査装置のうちの1つまたはこれらの組み合わせから得られる、患者からの画像である。
・複数の走査技法からの2D医療画像が、同時に処理される。
・2D医療画像のセットは、患者固有の解剖学的特徴の重要なまたは重大な特徴が、3D印刷可能モデル内で可視にされるように、自動的に前処理される。
・2D医療画像の前処理は、患者の特定の解剖学的特徴、特定の病態、または術前計画立案または訓練目的等の任意の下流用途に基づく。
・2D医療画像のセットは、所定の配向に従って均一に分散される、2D医療画像の新しいセットを発生させるように前処理される。
・所定の配向は、患者固有の解剖学的特徴、患者の特定の病態、または術前計画立案または訓練目的等の任意の下流用途に基づく。
・2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の所定の配向および間隔は、機械学習技法を使用して決定される。
・2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の所定の配向および間隔は、ユーザ構成可能である。
・2D医療画像のセットからの欠損スライスが、自動的に検出される。
・欠損スライスに対応する2D画像が、補間技法を使用して発生される。
・セグメント化技法は、以下の技法、すなわち、閾値ベース、決定木、連鎖決定フォレスト、およびニューラルネットワーク方法のうちの1つまたはこれらの組み合わせに基づく。
・各軸または平面からのボクセル情報が考慮される、ボクセルベースの分類技法が、使用される。
・3D画像のボクセルが患者固有の解剖学的特徴に類似する性質を有する尤度が、ロジスティックまたは確率関数を使用して計算される。
・ニューラルネットワークが、3D画像の各ボクセル内の軸または平面毎の加重を決定する。
・セグメント化技法はさらに、マルチチャネル訓練を使用して改良される。
・各チャネルは、3D画像の3D空間内のスライス位置に対応する、2D画像を表す。
・チャネルが、グランドトゥルース画像を使用して表わされる。
・患者固有の解剖学的特徴の3Dメッシュモデルが、セグメント化された3D画像から発生され、3D印刷可能モデルは、3Dメッシュモデルから発生される。
・3Dメッシュモデルはさらに、有限要素解析を使用して処理される。
・さらなる後処理ステップを要求する、3Dメッシュモデル内の点または面積が、自動的に検出される。
・さらなる後処理ステップは、だぼまたは他の継合構造の設置を含む。
・だぼまたは他の継合構造の最適な設置は、自動的に決定される。
・解剖学的特徴のボリュームまたは寸法、解剖学的特徴の異なる層の厚さ等の患者の解剖学的特徴のパラメータが、発生された3D画像からの分析から自動的に決定される。
・特定の解剖学的特徴は、心臓であり、測定されるパラメータは、以下、すなわち、心臓のボリューム、各心腔内の血液のボリューム、心臓壁の異なる層の厚さ、特定の脈管のサイズのうちの1つを含む。
・3D印刷可能モデルは、意図される下流用途に応じて、患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデル等の患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表すように、3D物理モデルとして3D印刷される。
・3D印刷可能モデルは、容易に可視またはアクセス可能にされた、特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴とともに3D印刷される。
・3Dメッシュが、2D医療画像のセットから発生され、3Dメッシュは、患者固有の解剖学的特徴のボリュームの多角形表現である。
・線またはスプラインが、患者固有の解剖学的特徴の方向に沿って、3Dメッシュから抽出される。
・分類器が、抽出された線またはスプラインから解剖学的特徴を識別するために使用される。
・本方法はさらに、3Dメッシュのワイヤフレームモデルを発生させるステップを含む。
・分類器が、抽出された線またはスプラインから解剖学的特徴の物理的性質を識別するために使用される。
・分類器が、抽出された線またはスプラインから解剖学的特徴の病態を識別するために使用される。
・分類器は、特定の解剖学的特徴を識別するように訓練される。
・分類器は、特定の解剖学的特徴の、人体に対するその場所、寸法、または厚さ等のパラメータを決定するように訓練される。
・分類器は、特定の解剖学的特徴の潜在的な欠陥または病態を決定するように訓練される。
・分類器は、主成分分析分類器である。
・本方法はさらに、3D印刷可能モデルを3D印刷可能モデルのセットに分割するステップを含み、3D印刷可能モデルのセットは、接続ピースを含み、各接続ピースの場所は、自動的に発生される。
・3D印刷可能モデルは、患者固有の解剖学的構造および病態に基づいて決定される。
・3D印刷可能モデルの分割は、患者固有の解剖学的構造の表面を査定するステップのみに応じて決定されることはできない。
・接続ピースは、磁気または金属要素である。
・各接続ピースは、3D印刷可能モデルのセットからの3D印刷された物理モデルのセットが、患者固有の解剖学的特徴を表すために接続され得、不適切に接続されることが防止されるように、位置する。
・3D印刷される物理モデルのセットは、意図される下流用途に応じて、患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1の縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデル等の患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す。
・特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易に可視にされる。
・特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易にアクセス可能にされる。
【0007】
別の側面は、縮尺モデルが、意図される下流用途に応じて、患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1の縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデルである、上記に定義される方法ステップから発生される、3D印刷可能モデルから3D印刷される、患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す、3D物理モデルである。
【0008】
別の側面は、2D医療画像のセットから患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装システムであって、2D医療画像のセットから3D画像を自動的に発生させ、機械学習ベースの画像セグメント化技法を使用して発生された3D画像をセグメント化し、セグメント化された3D画像から患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを出力するためのプロセッサを備える、システムである。
【0009】
別の側面は、患者固有の解剖学的特徴の3Dモデルを印刷するためのコンピュータ実装方法であって、2D医療画像のセットをサーバにアップロードするステップと、サーバにおいて、2D医療画像のセットを患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルに処理するステップと、サーバが、3D印刷可能モデルを印刷するための命令をプリンタに伝送するステップであって、セキュリティエンジンが、3D印刷可能モデルが、正しい患者データと関連付けられることを確認する、ステップとを含み、プリンタから遠隔場所に位置するエンドユーザが、3D印刷可能モデルの印刷を管理する、コンピュータ実装方法である。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
2D医療画像から患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装方法であって、
(a)3D画像が、2D医療画像のセットから自動的に発生され、
(b)機械学習ベースの画像セグメント化技法が、前記発生された3D画像をセグメント化するために使用され、
(c)前記患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルが、前記セグメント化された3D画像から生成される、
方法。
(項目2)
前記2D医療画像のセットは、CT、MRI、PET、および/またはSPCET走査装置のうちの1つまたはこれらの組み合わせから得られる前記患者からの画像である、項目1に記載の方法。
(項目3)
複数の走査技法からの2D医療画像が、同時に処理される、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記2D医療画像のセットは、前記患者固有の解剖学的特徴の重要な特徴または重大な特徴が、前記3D印刷可能モデル内で可視にされるように、自動的に前処理される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記2D医療画像の前処理は、前記患者の特定の解剖学的特徴、特定の病態、または術前計画立案または訓練目的等の任意の下流用途に基づく、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記2D医療画像のセットは、所定の配向に従って均一に分散される2D医療画像の新しいセットを発生させるように前処理される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記所定の配向は、前記患者固有の解剖学的特徴、前記患者の特定の病態、または術前計画立案または訓練目的等の任意の下流用途に基づく、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の前記所定の配向および間隔は、機械学習技法を使用して決定される、項目6または7に記載の方法。
(項目9)
前記2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の前記所定の配向および間隔は、ユーザ構成可能である、項目6-8に記載の方法。
(項目10)
前記2D医療画像のセットからの欠損スライスが、自動的に検出される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記欠損スライスに対応する2D画像が、補間技法を使用して発生される、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記セグメント化技法は、閾値ベース、決定木、連鎖決定フォレスト、およびニューラルネットワーク方法という技法うちの1つまたはこれらの組み合わせに基づく、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
各軸または平面からのボクセル情報が考慮されるボクセルベースの分類技法が、使用される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記3D画像のボクセルが前記患者固有の解剖学的特徴に類似する性質を有する尤度が、ロジスティックまたは確率関数を使用して計算される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
ニューラルネットワークが、前記3D画像の各ボクセル内の軸または平面毎の加重を決定する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記セグメント化技法はさらに、マルチチャネル訓練を使用して改良される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
各チャネルは、前記3D画像の3D空間内のスライス位置に対応する2D画像を表す、項目16に記載の方法。
(項目18)
チャネルが、グランドトゥルース画像を使用して表わされる、項目16-17に記載の方法。
(項目19)
前記患者固有の解剖学的特徴の3Dメッシュモデルが、前記セグメント化された3D画像から発生され、前記3D印刷可能モデルは、前記3Dメッシュモデルから発生される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記3Dメッシュモデルはさらに、有限要素解析を使用して処理される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21)
さらなる後処理ステップを要求する前記3Dメッシュモデル内の点または面積が、自動的に検出される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目22)
さらなる後処理ステップは、だぼまたは他の継合構造の設置を含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23)
だぼまたは他の継合構造の最適な設置が、自動的に決定される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目24)
前記解剖学的特徴のボリュームまたは寸法、前記解剖学的特徴の異なる層の厚さ等の前記患者の解剖学的特徴のパラメータが、前記発生された3D画像からの分析から自動的に決定される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目25)
前記特定の解剖学的特徴は、心臓であり、測定されるパラメータは、前記心臓のボリューム、各心腔内の血液のボリューム、心臓壁の前記異なる層の厚さ、特定の脈管のサイズのうちの1つを含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目26)
前記3D印刷可能モデルは、意図される下流用途に応じて、前記患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1の縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデル等の前記患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表すように、3D物理モデルとして3D印刷される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目27)
前記3D印刷可能モデルは、容易に可視またはアクセス可能にされた前記特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴とともに3D印刷される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目28)
3Dメッシュが、前記2D医療画像のセットから発生され、前記3Dメッシュは、前記患者固有の解剖学的特徴のボリュームの多角形表現である、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目29)
線またはスプラインが、前記患者固有の解剖学的特徴の方向に沿って、前記3Dメッシュから抽出される、項目28に記載の方法。
(項目30)
分類器が、前記抽出された線またはスプラインから前記解剖学的特徴を識別するために使用される、項目28-29に記載の方法。
(項目31)
分類器が、前記抽出された線またはスプラインから前記解剖学的特徴の物理的性質を識別するために使用される、項目28-30に記載の方法。
(項目32)
分類器が、前記抽出された線またはスプラインから前記解剖学的特徴の病態を識別するために使用される、項目28-30に記載の方法。
(項目33)
前記3Dメッシュのワイヤフレームモデルを発生させるステップをさらに含む、項目28-32に記載の方法。
(項目34)
前記分類器は、特定の解剖学的特徴を識別するように訓練される、項目30-33に記載の方法。
(項目35)
前記分類器は、前記特定の解剖学的特徴の、人体に対するその場所、寸法、または厚さ等のパラメータを決定するように訓練される、項目30-34に記載の方法。
(項目36)
前記分類器は、前記特定の解剖学的特徴の潜在的な欠陥または病態を決定するように訓練される、項目30-35に記載の方法。
(項目37)
前記分類器は、主成分分析分類器である、項目30-36に記載の方法。
(項目38)
前記方法はさらに、前記3D印刷可能モデルを3D印刷可能モデルのセットに分割するステップを含み、前記3D印刷可能モデルのセットは、接続ピースを含み、各接続ピースの場所は、自動的に発生される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目39)
前記3D印刷可能モデルの分割は、前記患者固有の解剖学的構造および病態に基づいて決定される、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記3D印刷可能モデルの分割は、前記患者固有の解剖学的構造の表面を査定することのみに応じて決定されることはできない、項目38-39に記載の方法。
(項目41)
接続ピースは、磁気または金属要素である、項目38-40に記載の方法。
(項目42)
各接続ピースは、前記3D印刷可能モデルのセットからの3D印刷された物理モデルのセットが、前記患者固有の解剖学的特徴を表すために接続され得、不適切に接続されることが防止されるように位置する、項目38-41に記載の方法。
(項目43)
前記3D印刷された物理モデルのセットは、前記意図される下流用途に応じて、前記患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1の縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデル等の前記患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す、項目38-42に記載の方法。
(項目44)
前記特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易に可視にされる、項目38-43に記載の方法。
(項目45)
前記特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、前記3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易にアクセス可能にされる、項目38-44に記載の方法。
(項目46)
項目1-45に記載の方法から発生される前記3D印刷可能モデルから3D印刷される患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す3D物理モデルであって、前記縮尺モデルは、前記意図される下流用途に応じて、前記患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデルである、3D物理モデル。
(項目47)
2D医療画像のセットから患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装システムであって、前記システムは、(a)前記2D医療画像のセットから3D画像を自動的に発生させ、(b)機械学習ベースの画像セグメント化技法を使用して前記発生された3D画像をセグメント化し、(c)前記セグメント化された3D画像から前記患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを出力するためのプロセッサを備える、システム。
(項目48)
患者固有の解剖学的特徴の3Dモデルを印刷するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)2D医療画像のセットをサーバにアップロードすることと、
(b)前記サーバにおいて、前記2D医療画像のセットを前記患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルに処理することと、
(c)前記サーバが、前記3D印刷可能モデルを印刷するための命令をプリンタに伝送することであって、セキュリティエンジンが、前記3D印刷可能モデルが、正しい患者データと関連付けられることを確認する、ことと
を含み、
前記プリンタから遠隔場所に位置するエンドユーザが、前記3D印刷可能モデルの印刷を管理する、コンピュータ実装方法。
(項目49)
前記2D医療画像のセットおよび付加的なメタデータは、識別可能な医療または個人情報が前記サーバに移送されないように、前記サーバに送信されることに先立って匿名化される、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記エンドユーザは、ウェブアプリケーションを介して、1つ以上のプリンタ上での3D印刷可能モデルの前記印刷を遠隔でスケジューリング、開始、または承認する、項目48-49に記載の方法。
(項目51)
前記エンドユーザは、1つ以上のプリンタを遠隔で制御し、前記印刷は、前記1つ以上のプリンタ上に自動的に配列される、項目48-50に記載の方法。
(項目52)
前記3D印刷可能モデルのファイルに対応するファイルのハッシュが、中央リポジトリ内に生成および記憶される、項目48-51に記載の方法。
(項目53)
前記中央リポジトリは、前記サーバによってアクセスされる、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記中央リポジトリは、ファイル、データベース、または分散型台帳である、項目52-53に記載の方法。
(項目55)
前記ハッシュは、前記3Dの患者固有の解剖学的特徴の印刷または任意の後続の印刷を再生成または確認するために使用される、項目52-54に記載の方法。
(項目56)
前記ファイルへの修正は、前記ハッシュとともに記憶され、前記ファイルの出所の変更追跡記録を提供するために使用される、項目52-55に記載の方法。
(項目57)
前記ハッシュは、ファイルが修正されているかどうかを確立するために使用される、項目52-56に記載の方法。
(項目58)
1つ以上の特定の解剖学的特徴を3D印刷するための1つ以上のファイルの配布が、一元化されたファイル署名サービスによって管理される、項目48-57に記載の方法。
(項目59)
前記3D印刷可能モデルに対応する前記ファイルは、私有/公開鍵ベースの暗号化を使用して暗号化される、項目48-58に記載の方法。
(項目60)
前記セキュリティエンジンは、前記3D印刷可能モデルの暗号化されたファイルのみが、印刷のために伝送されることを確実にする、項目48-59に記載の方法。
(項目61)
前記3D印刷可能モデルのファイルが、印刷が完了される際の遷移においてのみ復号化される、項目48-60に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の側面が、ここで、それぞれが本発明の特徴を示す、以下の図を参照して、実施例として説明されるであろう。
【0011】
図1図1は、Axial3Dシステムワークフローを図示する、略図を示す。
図2図2は、3D印刷可能モデルのファイルのハッシュ化を図示する、略図を示す。
図3図3は、ボックスとして示される、ピクセルを伴うDICOMスタック画像のセットを示す。
図4図4は、DICOMスタック画像のセットおよびボクセルが示されている3D画像を示す。
図5図5は、ボクセル空間内で選択を行う3D画像を示す。
図6図6は、3つの直交する平面からの特定のボクセルを示す。
図7図7は、単一の患者からの2つの異なるデータセットのデータ位置合わせを示す。
図8図8は、特定の平面内の等距離スライスを図示する、略図を示す。
図9図9は、マルチチャネル訓練を図示する、略図を示す。
図10図10は、マルチチャネル訓練を図示する、略図を示す。
図11図11は、特定の解剖学的構造のためのメッシュのワイヤフレームモデルを示す。
図12図12は、ワイヤフレームモデル、解剖学的構造、およびワイヤフレームモデルと検証された解剖学的構造のオーバーレイモデルの略図を示す。
図13図13は、スプラインを伴う3D骨モデルを示す。
図14図14は、骨の3つのスプラインを示す。
図15図15は、心臓の3D印刷可能モデルを示す。
図16図16は、2つの部分に印刷される、心臓の3D物理モデルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この詳細な説明の節は、Axial3Dシステムと呼ばれる、本発明の一実装を説明する。
【0013】
図1は、3D印刷モデルを発注するAxial3Dシステムワークフローを図示する、略図を示す。Axial3Dシステムは、機械学習ベースの技法を使用し、患者の走査に基づいて患者固有の3D解剖学的モデルを自動的に生産する。
【0014】
3D解剖学的モデルは、24~48時間内に発生、印刷、および送達され得る。
【0015】
図1に示されるように、3D印刷が、Axial3D専用のポータルを介して以下のように要求される。
・Axial3D発注プラットフォームhttps://orders.axial3d.com/上に登録する(10)。
・「新しい印刷」を選択し、生年月日、性別、解剖学的着目領域、発信日、要求される解剖学的モデルサービス、材料タイプ、病態説明、主幹コンサルタントの詳細事項等の患者の詳細事項を記入する。
・PACSマネージャまたは放射線医師に要求を送信する、またはDICOM自体をアップロードする(11)。
・要求の3D注釈または記述された説明が、与えられる。データが、Axial3Dソフトウェアまたは作業者によって3D印刷可能ファイルに処理される(12)。
・最終的印刷準備完了ファイルのSLT/OBJが、VPNを介して現場の3Dプリンタにセキュアに送信され、各プリンタは、その独自の無線を有する(13)。
・3G/4Gネットワークが、受信データをAxial3Dのウェブアプリケーションに送信することができる。
・印刷発注が、内部容量に関して大きすぎる場合、Axial3Dは、3Dモデルを印刷し、顧客に発送する。
・発注が、大きすぎる、または複雑すぎる場合、Axial3D印刷は、Axia3Dの印刷サービスによって管理される(14)。
【0016】
実施例として、臨床医または放射線医師が、ウェブポータルを介して患者固有の解剖学的特徴の3D印刷を発注してもよい。Axial3Dシステムは、次いで、2D医療画像を処理するステップから、患者固有の解剖学的特徴を印刷するために命令を3Dプリンタに送信するステップまでの、3D印刷プロセスのステップ全体を自動化する。臨床医は、次いで、自身の役割からの最小またはゼロの関与を伴って、発注を行うステップから24時間または48時間内等のタイムリーな様式において、3D物理モデルを受領することが可能である。Axial3Dシステムはまた、臨床医に、特定の解剖学的特徴の詳細な分析に基づいて、3D物理モデルとともに特定の解剖学的特徴の付加的な報告を提供する。
【0017】
(医療3D印刷におけるサイバーセキュリティプロセス)
要求に応じた3D印刷される解剖学的モデルのセキュアかつ検証可能な生産および送達を可能にし、これを世界的に、大規模に、広い範囲のシナリオにおいて送達し、これを保健局、民営の病院、および外科手術だけではなく、最終的にはいかなる病院にも利用可能にするためのデジタルプラットフォームを開発した。技術的課題は、患者の匿名化されたデータから発生される、仮想モデルと、それから3D印刷される、任意の物理モデルとの両方の出所の明白な検証を提供することである。本プロセスに関与する利害関係者は、複数の組織を横断して広がる複数の当事者を表し、したがって、彼らは、確実に識別され、認証され、これらのモデルの出所を独立して検証することが可能である必要がある。
【0018】
これは、印刷が1つの場所において行われ、別の場所において遠隔で制御される、3D解剖学的モデルの遠隔印刷を可能にする。いったん3D物理モデルが発注されると、3Dモデルが、2D医療走査から発生され、次いで、3D印刷技師によって遠隔で精査、承認、および制御される。
【0019】
3D印刷技師はまた、1つを上回るプリンタを遠隔で制御してもよく、本システムは、自動的に、1つ以上のプリンタ上での印刷を最良に選択または配列するための方法を決定することが可能である。
【0020】
サイバーセキュリティプロセスは、印刷された3D物理オブジェクトが、遠隔から送信されたものであることと、これが、いかなる患者の機密データを開示することなく正しい患者と関連付けられることとを証明または確認するために極めて重要である。
【0021】
(ファイルの暗号署名)
本システムは、特定の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを表す3Dモデルファイルのハッシュを生成および記憶し、それを使用し、要求されときにはいつでもオブジェクトまたは3D物理モデルを再生成する。本ハッシュは、ファイルが修正されているかどうかを迅速に確立するために使用されることができる。
【0022】
ウェブアプリ上にファイルをアップロードする、またはそれに変更を行う度に、新しいハッシュを生成する必要があるが、しかしながら、プロセスの終了時に生成されるものは、印刷されたファイルのための正規ハッシュである。したがって、前述のファイルの全ては、品質が制御された「ドラフト」である。正規とは、ユーザが最終ファイルを有するように公開するファイルである。
【0023】
医療走査から解剖学的モデルを発生させるプロセスにおいて、データは、いくつかの変換および修正を受ける。ハッシュファイルが、これらの変化を記録するために、これらのステップのそれぞれにおいて発生される。走査において解剖学的構造を識別するプロセスは、走査上に、続いて、印刷ファイルを発生させるために使用される、標識を生産する。ハッシュ化プロセスは、これを記録し、変更の履歴として作用する。ファイルへの修正が、記憶され、ファイルの出所のトレースを提供するために使用される。このように、ユーザは、彼らが使用しているファイルの出所を保証されることができる。
【0024】
本システムは、ファイルの暗号署名およびそれらの後続の配布を可能にする、システムを実装している。印刷のためのファイルの配布が、分散型ファイル署名サービスを提供することによって管理される。これは、私有/公開鍵ベースの暗号化を使用してファイルを暗号で署名することによって行われる。これは、セキュアな様式における、遠隔の当事者によるファイルの検証を可能にする。
【0025】
ファイルおよび正確性に関するファイルの任意の後続の試験のダウンロードを可能にする、サービスが、提供される。ファイルが、ファイルのハッシュに加えて、S3のようなオブジェクトファイルシステム上に記憶されることができる。ハッシュの「中央」リポジトリが、次いで、ファイルを発注にリンクする。本リポジトリは、ファイル、データベース、または分散型台帳であってもよい。
【0026】
図2は、ファイルへの変更が、リポジトリに対して行われ、リポジトリのインスタンスへの変更が、リポジトリ間で同期される、ファイルの修正の追跡を図示する、略図を示す。
【0027】
本システムは、検証されたファイルのみが印刷され得ることを確実にする。ファイルは、署名され、暗号の課題を合格しているもののみが、印刷のために受入される。結果として、署名され、検証サーバに対して検証されているファイルのみが、プリンタに送信されることができる。これはまた、ファイル全てが、保存時および転送時の両方で暗号化され得ること、および修正が、ファイルの内容を見る必要なく、記録および観察され得ることを意味する。
【0028】
本システムは、プリンタの正面に着座し、暗号化されたファイルのみが、印刷のために送信されることを確実にし得る。ファイルは、印刷が完了されるにつれた遷移において復号化され、ファイルの暗号化されたバージョンのみが、その後、記憶/伝送されることを確実にすることができる。
【0029】
(3D空間内でのネイティブ稼働)
大部分のセグメント化方法が、2D画像にアルゴリズムを適用することに基づいて稼働し、3Dモデルが、次いで、セグメント化された2D画像から発生される。
【0030】
図3は、ピクセルがボックスとして示される、DICOMスタック画像のセットを示す。図4は、DICOMスタック画像のセット(40)およびボクセルが示されている3D画像(41)を示す。本システムは、図3に示される走査スライスを図4に示される単一のボリュームに転換することによって、3D空間内でネイティブに稼働する。本システムは、ボリュームに関して本座標系のゼロの点を算出し、走査におけるスライス全てをこれに対して配向する。これは、ボリュームを参照したスライスの整合を計算し、スライスのセットの性質を観察することを可能にする。これは、本システムが、ここで、3D特徴検出フィルタを使用して3D内でネイティブに稼働し、本質的に、ピクセルベースの分類器ではなく、ボクセル分類の状態になることを意味する。
【0031】
図5では、膝が、示され、特定のボクセルが、強調される。3D内でネイティブに稼働することの1つの肝要な利点は、本システムが、スコア化メトリックの中に直交する情報を組み込むことである。これは、3つの平面がともに考慮される、図6を考慮することによって最も単純に示される。特定のボクセルが、そのボクセルを通した3つの平面状の切断を用いて示され、これは、ボクセルが特定のクラスの部材であるかどうかの尤度についてのさらなる情報を露見させる。ボクセル毎の平面の全てから情報を組み込むことによって、骨間の接合部または解剖学的構造の他の区分をより効果的に識別することが可能である。これは、平面の全てを考慮すると、画像内の遷移(例えば、ボクセル強度)が、見分けることがより容易であるためである。結果として、走査内のボクセル全てが、同時に使用され、アルゴリズムを訓練することができる。実践では、これは、より大きい、空間的および生物学的特徴が、アルゴリズムの中にエンコードされ、心室への心筋壁(心臓)または図5に示されるもの等の骨の関節等の解剖学的交差点における特定の課題を克服し得ることを意味する。
【0032】
(画像位置合わせとマルチモーダル推論の実施の組み合わせ)
本システムは、複数の画像スタックおよび(MRiおよびCT、または異なる構造がより詳細に強調される、MriおよびMri等の)モダリティ走査を位置合わせし、単一の患者に関する2つの異なるデータセットのデータ位置合わせが図示される、図7に示されるような異なる走査のボクセルをオーバーレイすることができる。本システムは、走査内の目印を識別し、1つの走査から別のものにピクセルをマッピングすることを促進することができる。目印は、共通の系統によって個人間で共有される、点または形状である。これは、頭蓋骨の目頭の形状等、生物学的に意味がある、または骨の表面上の最高曲率点等、数学的に表現されることができる。これは、複数の走査からの情報が、同時に使用され、機械学習アルゴリズムのための特徴を識別し得ることを意味する。両方のモダリティが、同一の解剖学的構造の異なるビューとして考えられ得るため、本組み合わせは、訓練相の中に付加的な情報を追加することを可能にする。このように、例えば、CT、MRI、またはPET走査から提供される、2D医療画像が、ともに処理されることができる。
【0033】
Axial3Dシステムは、(i)2D医療画像を受信するステップと、(ii)2D医療画像から3D画像を自動的に発生させるステップと、(iii)3D画像をセグメント化または分類するために、3D画像を処理するステップとを含む。3D印刷可能モデルは、次いで、セグメント化された3D画像から発生されることができる。
【0034】
3D画像データのファイルフォーマットは、例えば、任意の点群フォーマットまたは任意の他の3D撮像フォーマットを含む。
【0035】
本システムの肝要な特徴は、限定ではないが、以下である。
・解剖学的遷移は、3D画像が、1つを上回る方向からの画像データを含むため、識別することがより容易である。対照的に、2D画像のスライスを用いて作業するときには、1つのみの方向からの情報が、利用可能である。
・その結果、これはまた、特定の解剖学的構造の識別を改良する。
【0036】
(複数の平面からの情報の組み合わせ)
特定の解剖学的構造を撮像するために、断面画像が、任意の角度において捉えられる。実施例として、心臓のMRI走査が、異なる方向において2D画像を捉える。3D内でネイティブに稼働することは、(限定ではないが、DICE係数等の標準メトリックを使用して測定されるような)発生された3D印刷可能モデルの正確度を改良する。ボクセルあたりベースでは、予測の正確度が、ピクセルの2D性質を考慮し、それらを組み合わせることよりも、ボクセルの3D性質を考慮することによって改良される。各平面または2D画像およびその組成ピクセルが、3Dボリュームの特徴になる。ボクセル毎に、各ピクセルの特徴が、ボクセルの特徴としてエンコードされる。ネットワークが、次いで、訓練され、各平面に与えられるべき適切な加重を決定する。各特徴が、離散範囲として表わされ、ニューラルネットワーク訓練プロセスによって最適化される。このように、訓練プロセスが、平面の全てからの付加的な情報の適切な統合を学習することが可能である。
【0037】
(解剖学的特徴描写のセグメント化後の有用性)
解剖学的構造の部片が完全かつ正確にセグメント化されると、解剖学的構造、例えば、心臓のいくつかの物理的性質の測定を行うことが、可能であり、セグメント化された解剖学的構造は、ピクセルサイズを座標系からの物理的縮尺に関連付けることによって、測定されることができる。
【0038】
解剖学的特徴のパラメータは、限定ではないが、以下のもの等から決定される。
・解剖学的領域のボリューム
・解剖学的特徴の空洞内、例えば、各心腔内の血液のボリューム
・解剖学的特徴、例えば、心臓壁の異なる層の厚さ
・特徴、例えば、血管または骨のサイズおよび直径
・例えば、脊柱側弯症症例における形状の方向性質-脊柱側弯症および脊柱側弯症のタイプの検出、湾曲の角度または程度の測定または決定
・皮質骨密度-ねじが嵌合することが可能であるかどうかの決定、または嵌合するねじのパラメータを自動的に決定する
・動脈瘤-コイルまたはクリップの嵌合が、血流を停止または遮断することが可能であろうか
・骨を破壊するために必要とされる力
・病態または傷害の程度に関するさらなる情報
・以前には既知でなかった骨折の場所等、臨床医によって報告されなかった付加的な病態に関する情報
【0039】
3D印刷可能モデルが、発注されると、本システムは、上記の情報を伴う報告を生産し、医師に送信する。これは、外科医の術前計画立案を改良し、医療提供者に対するコストをさらに低減させることができる。例えば、より正確に脈管サイズを理解するステップから、外科医は、次いで、外科手術に先立って、右ステントサイズに関する情報に基づいた選定を行い得る。本システムはまた、ステントのパラメータを自動的に決定し得る。
【0040】
(ボリュームデータ内の空間誤差および非一貫性の自動的な識別および修復)
図8は、特定の平面内の等距離スライスを図示する、略図を示す。本システムは、一方は非等線形スライスの識別に関し、一方は、欠損スライスに関する、2つの方法を適用している。2Dスライスの軌道が、プロットおよび分析される。スライスが、ある軌道閾値を上回る、または下回ると見出される場合、これは、3D画像の発生に先立って、分析から除去される。スライスは、相互に対して合同である、平面内になければならず、それらは、平行に、かつ基準平面に対して離れて当距離に生じている。等線形スライスのセットが、存在し、本システムが、そのようなセットおよびそのようなセットからスライスを差し引いたものを識別し得ると仮定する。本システムは、したがって、複数の等線形スライスから1つのものへの識別においてフォルトトレラントである。
【0041】
(複数の角度からのスライスを含有する、複数のスライスからの補間データの組み合わせ)
次いで、2つのスライス間の欠損データを推測するための方法を開発した。これは、正しい3D幾何学形状および補間されたピクセル値を用いて欠損スライスを生成するための能力に依拠する。
【0042】
多くの医療撮像データセットは、複数の角度からの患者のスライスを含有する。CT走査は、典型的には、標準的角度においてスライスを取得するためのその能力に限定されるが、斜め走査が、MR走査のために日常的に入手される。斜め走査は、多くの場合、収集されるべき総画像の数を最小限にするために、MR撮像において使用され、したがって、走査を実施する時間およびコストを低減させる。典型的には、そのような技法が、使用されるとき、比較的に少数のスライスが、広いスライス間隔(5~10mm)において、各斜めの角度(典型的には、5~10個の画像)において入手され、斜め走査は、多くの場合、3つの略垂直の方向(軸方向、冠状、矢状方向)および付加的な斜軸のうちのいずれかにおいて捉えられるが、しかしながら、撮像角度および走査の数は、医療従事者の裁量による。
【0043】
結果として、十分に高い品質の完全ボリュームを発生させるためには、単一の軸に沿った少なすぎるスライスが、提供される場合がある。例えば、各スライス間の間隔が、5ミリメートルを上回り、重要な解剖学的特徴を完全に欠損している場合がある。
【0044】
結果として生じる画像が、組み合わせにおいて視認されると、特定の病変に関する十分な視覚情報のみを提供し得、病変の各部分が、走査のうちの1つの広い間隔内に位置し得る一方、これは、他のものの中で可視であり得る。例えば、10mmの腫瘍塊が、軸方向走査の1つのスライス、冠状走査の1つのスライス、および矢状方向走査の2つのスライスにおいてのみ可視である場合があり、本シナリオにおいて、腫瘍専門医が、腫瘍の形状およびボリュームの3次元理解を取得するために、同時に4つの画像を視認するであろう。
【0045】
Axial3Dシステムは、特定の解剖学的特徴の任意の重大または重要な特徴が可視にされる、特定の解剖学的特徴の正確な3D物理印刷を提供するために、2D医療画像を処理する方法に関して自動的に決定することが可能である。これらの重大または重要な特徴はまた、3D物理モデルを接続可能な3D物理モデルのセットに分割することによって、容易にアクセス可能にされ得る。これらの処理決定は、特定の解剖学的特徴、特定の病態、または任意の他の事前構成または学習されたパラメータに基づいてもよい。これは、ひいては、患者の診断および治療を補助し、外科手術の計画立案および患者の処置を改良する。
【0046】
本方法において、複数の同時のスタックを1つのボリュームに補間する方法を示す。これは、交差するスライスを活用し、より高い情報密度を達成し、高度に忠実な補間を生成する。再構築されるボリュームのためのスライス間隔は、オリジナルの斜め走査間隔によって限定され、(典型的には、上記に述べられるような3つまたは4つの)斜め走査の数に応じて、再構築されるボリュームのスライス間隔は、オリジナル走査の5分の1と同程度に狭くあり得る(例えば、斜め走査スライス間隔が、5~6mmで変動する場合、再構築されるボリューム間隔は、1mmと同程度に狭くあり得る)。
【0047】
補間は、走査装置自体によって決定され、DICOMヘッダ内で報告される原点に対する、各スタック内の各DICOM画像の角の絶対位置を見出すことによって、達成された。これは、境界ボックスが、画像の全てが全て埋め込まれる空間内にそれらを包含するように構築されることを可能にした。境界ボックスがスタックの全ての寸法に及ぶ、ボクセルのボリュームを表すように、それを離散化することによって、DICOMの各スタックの空間から新しいボリューム空間へのマッピングが、決定され得る。新しいボリューム内の各点において、その点に最も近接するDICOM内のピクセルKが、決定され、それらの距離dが、算出された。本時点におけるボクセル値Mが、次いで、加重和として算出された。
【化1】
【0048】
撮像配向毎に、画像のスタックが、オリジナルデータセットの一部として与えられ、配向毎に、同一の場所においてであるが、異なる時間において捉えられた走査を表す、20~30個のそのようなスタックが、存在した。各補間は、走査の配向全てを横断した一連のDICOM画像に関してであるが、1つのタイムスタンプに関して発生された。
【0049】
これは、3次元補間に役立つ。故に、複数の角度からのオリジナル2Dスライスが、3D画像の発生に先立って、均等に分散された平行の2Dスライスのセットに変換される。
【0050】
(マルチチャネル訓練)
ここでは、セグメント化ネットワークを改良するために、典型的な入力画像に加えて、「上方および下方」のスライスの追加を説明する。これは、持続的構造および特定の走査の単なる疑似アーチファクトであるものについての知識をニューラルネットワークに与える。ニューラルネットワークの改良が、具体的に、より薄い骨フィラメントを正確に識別する一方、同時に、類似するハウンズフィールド値を有するが、同一の解剖学的構造のカテゴリではない、画像の面積を除去することが予期される。3つのチャネルの実施例に関して、ニューラルネットワークは、形状の入力(batch_size,チャネル, X, Y)を得る必要があるであろう。
【0051】
データは、要求されるメモリサイズの中に収まるために分割される。分割されたデータは、次いで、任意のニューラルネットワークまたは任意の画像分析プラットフォームの中にフィードされてもよい。
【0052】
これを達成するために、各スタックが、最初に、スタックの上部および底部上に「ゼロの画像」でパディングされた。これは、3つのスライスの群が、図9に示されるように、同一の総数の入力オブジェクトを伴うオブジェクトに形成され得ることを意味した。
【0053】
各入力トリプレットは、図10に示されるように、「上方および下方」情報を与えるために、中心画像と関連付けられるグランドトゥルース画像に対応する、グランドトゥルース、または至適基準を有するであろう。追加のチャネルが追加されるとき、各画像およびグランドトゥルースの対は、依然として存在するであろう。同一の原理が、任意の数の奇数のチャネルに当てはまり、さらに2つのチャネル毎に、パディングの別の層が、追加され、同一の数の入力を留保するべきである。本状況は、偶数の数のチャネルを取り扱うとき、わずかにより扱いにくいが、これは、対称性の良い側面を除去するため、あまり望ましくはない。実践では、これが、学習を妨害し得る、非常に強力な遷移を回避するため、スタックの最小のハウンズフィールド値に対応するパディングを追加することもまた、より有用であり得る。画像が、その上方または下方にパディング画像を有する場合では、予測を行うための、単にあまり有用ではない情報が、存在し、パディングの存在は、予測自体に影響を及ぼすべきではない。
【0054】
抽出される3D特徴の実施例は、以下である。
・遷移
・ピクセル強度
・形状
・3D形状
【0055】
「ワイヤフレーム」形状検出
本システムは、推測アルゴリズムからの確率分布行列を離散スカラーボリュームに変換することによって、解剖学的特徴の等値面を発生させる。これは、次いで、解剖学的特徴のボリュームの多角形表現である、ボリュームメッシュを発生させるために使用される。表面が、発生された後、本システムは、表面のワイヤフレーム表現を描画する。これは、所与の表面メッシュの輪郭を形成する、一連のスプラインから構成される。これらは、それらが合致しているかどうかを見るために、既存のメッシュ輪郭と比較されることができる。
【0056】
図11は、特定の解剖学的構造のためのメッシュのワイヤフレームモデルを示す。
【0057】
図12は、ワイヤフレームモデル、解剖学的構造、および解剖学的構造と検証されたワイヤフレームモデルのオーバーレイモデルの略図を示す。
【0058】
メッシュのワイヤフレームモデルを作成することは、特定の形状および身体に関連するその場所を迅速に識別することに役立つ。これは、ひいては、3D印刷可能モデルおよび3D印刷された物理モデルの正確度を改良する。
【0059】
1つの寸法内の線をチェックし、形状を比較することは、3D表面をチェックし、形状を比較することよりほど計算集約的ではない。加えて、持続的な線に関してチェックすることは、持続的な解剖学的構造を識別することに役立つ一方、3D表面に関してチェックすることは、より誤差を生じやすい。
【0060】
骨クラスの決定のための単純な方法。解剖学的構造の表面上の目印の一意の識別子を提供する、線が、解剖学的構造の表面に沿って描画されることができる。MLモデルが、表面線の頂部および谷のセット、およびこれらの表面線の分類、したがって、解剖学的構造の識別を可能にする、それらの間の関係を識別するように訓練されることができる。
【0061】
メッシュのワイヤフレーム表現。ワイヤフレームモデルからの線(131)が、骨のスプラインを示す、図13に示されるように、場面内の各骨の長さに沿ってスプラインを形成する、単一の線を描画することが可能である。
【0062】
図14は、第1の骨のスプライン、第2の骨のスプライン、および第3の骨のスプラインを示す。
【0063】
上記のスプラインは、2つの異なる骨を示し、スプライン2および3は、異なる人々の中の同一の骨である。分類器が、2つのスプライン間を識別するように訓練されることができる。分類器は、PCA(主成分分析)分類器を含むことができる。
【0064】
(配向の固定)
・形状/ボリューム/メッシュの重複を検出する。
・3D空間内でのこれらの形状間の比較を可能にする。
・2つの異なる走査(例えば、1つのMRIおよび1つのCT)からのDICOMの原点への画像の位置合わせ。これは、いくつかの方法において達成されることができ、画像の両方のセットが、同一の原点を参照する場合、走査を単純にオーバーレイすることが可能である。しかしながら、これらが、存在しない場合、アルゴリズムは、両方の走査内の解剖学的構造を検出し、3Dオブジェクト読出技法を使用し、解剖学的構造をオーバーレイし、2つの走査内の同一の部分を認識する。これらは、2D位置合わせからの従来の技法と組み合わせられ、より高い信頼度レベルを提供することができる。
【0065】
だぼおよび他の後処理ステップを配置するべき場所の自動検出
本システムは、形状モデリングを行い、それによって、メッシュ上の最も脆弱な位置および最も強力な位置を決定する。これは、メッシュを屈曲および歪曲させ、最大撓曲および最小撓曲の点を決定することによって、達成されることができる。本段階の出力は、所与の点におけるメッシュの強度のスコアを提供する、メッシュのヒートマップであろう。これは、強化を要求する面積を識別することを可能にする。これはまた、磁気接続の設置のために使用され得る場所を検出することも可能にするであろう。
【0066】
3Dメッシュ内の関節運動の点を決定することを可能にする、アルゴリズムを開発した。これは、モデルが適用される付加的な支持構造を有するべきである場所を決定するために使用される。本システムは、メッシュ上に均一な垂直圧力を印加し、圧力の印加に応じて、ポリゴンの回転の程度を識別する。90度またはそれを上回って回転する、点またはポリゴンは、さらなる補強を最も必要としている。有限要素解析が、3Dメッシュに適用され、メッシュの構造的性質を捕捉する、メッシュのマップを開発することができる。本情報は、次いで、だぼおよび他の継合構造を展開するために使用され得る、メッシュ上の位置を検出するために使用されることができる。
【0067】
本システムは、事実上、問題に対する潜在的な解決策を列挙し、最良に適合する解決策を識別することを可能にする、ヒューリスティックアルゴリズムを実装している。本システムは、本モデルの部分間の支持構造としてのだぼの設置のための基準を定義している。
【0068】
本システムは、次いで、そのような支持構造の設置の最適化のための規則として、これらを使用する。
【0069】
本システムは、3Dメッシュ内のだぼおよび他の構造の設置を識別および最適化するために、波動関数を採用する。これらは、次いで、だぼの最適な場所を生産する、波動関数の崩壊によって解決される。ユーザによって識別される特定の特徴を回避する、付加的な制約が、解決策に対して課され得る。
【0070】
別の使用事例は、本システムが、モデルを2つ以上の断片に分割し、磁石を使用して再付着させることを所望する場合である。これらの付着磁石の最適な場所を識別することを可能にする、アルゴリズムを開発した。これは、上記のアルゴリズムの拡張であり、それによって、磁石の性質を捕捉する、モデルの捻れ、圧搾、または捻転に対してさらなる制約を追加する。
【0071】
(磁気接続を伴う分解される解剖学的構造)
ユーザは、モデル全体を通した分割線を定義する、または不均一な切断を通してモデルを分割し、解剖学構造の特定の部片を分離する(例えば、半骨盤内の座骨から恥骨および腸骨を分離する)。ユーザは、次いで、磁石の直径と奥行を入力し、ソフトウェアが、自動的に、磁石の湾入部を解剖学的構造の表面の中に埋め込む、または壁が、薄すぎる場合、モデルの外部において、円筒形の挿入部を組み込む(下記の埋め込まれた円筒形の挿入モデル)。
【0072】
部品は、異なる部品を不適切な方法でともに接続することが不可能であるように、分割される。磁気または金属要素が、異なる部品をともに誘導するように、設置される。金属要素が、異なる部品を不正確に接続することが不可能であるように、別の部品に位置する要素に磁気的に誘引される。
【0073】
実施例として、図15は、心臓の3D印刷可能モデルを示す。図16は、2つの別個の部分に印刷される、心臓の3D物理モデルを示す。これは、医師が、3D印刷された物理的解剖学的構造を全体として視認しながら、同時に、それを開き、内側にあるものを見ることが可能であることを可能にする。印刷されたモデルは、次いで、再びともに構成され、これが、正しい方法においてともに構成されていることを把握することができる。
【0074】
異なる部品は、異なる色において、または異なる材料調合、すなわち、軟質ポリマーおよび硬質ポリマーを用いて印刷されてもよい。
【0075】
(肝要な特徴)
本節は、最も重要な高レベルの特徴を要約し、本発明の実装は、これらの高レベルの特徴のうちの1つ以上のもの、またはこれらのうちのいずれかの任意の組み合わせを含んでもよい。各特徴が、したがって、潜在的に独立型の発明であり、任意の1つ以上の他の特徴または複数の特徴と組み合わせられ得ることに留意されたい。
【0076】
これらの特徴を以下のカテゴリに編成する。
A.3D内でのネイティブ稼働
B.ワイヤフレームモデル
C.3D印刷可能モデルの3D印刷可能モデルのセットへの分割
D.遠隔印刷
【0077】
(A.3D内でのネイティブ稼働)
2D医療画像から患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを発生させるためのコンピュータ実装方法であって、
(a)3D画像が、3D画像のセットから自動的に発生され、
(b)機械学習ベースの画像セグメント化技法が、発生された3D画像をセグメント化するために使用され、
(c)患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルが、セグメント化された3D画像から生成される、
方法。
【0078】
随意:
・2D医療画像のセットは、以下、すなわち、CT、MRI、PET、および/またはSPCET走査装置のうちの1つまたはこれらの組み合わせから得られる、患者からの画像である。
・複数の走査技法からの2D医療画像が、同時に処理される。
・2D医療画像のセットは、特定の解剖学的特徴の重要または重大特徴が、3D印刷可能モデル内で可視にされるように、自動的に前処理される。
・2D医療画像の前処理は、患者の特定の解剖学的特徴、特定の病態、または術前計画立案または訓練目的等の任意の下流用途に基づく。
・2D医療画像の前処理は、患者の特定の解剖学的特徴または特定の病態に基づく。
・2D医療画像のセットは、所定の配向に従って均一に分散される、2D医療画像の新しいセットを発生させるように前処理される。
・所定の配向は、患者固有の解剖学的特徴、患者の特定の病態、または術前計画立案または訓練目的等の任意の下流用途に基づく。
・2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の所定の配向および間隔は、機械学習技法を使用して決定される。
・2D医療画像の新しいセット内の各2D医療画像間の所定の配向および間隔は、ユーザ構成可能である。
・2D医療画像のセットからの欠損スライスが、自動的に検出される。
・欠損スライスが、補間技法を使用して欠損スライスに対応する画像を発生させることによって補正される。
・セグメント化技法は、以下の技法、すなわち、閾値ベース、決定木、連鎖決定フォレスト、またはニューラルネットワーク方法のうちの1つまたはこれらの組み合わせに基づく。
・各軸または平面からのボクセル情報が考慮される、ボクセルベースの分類技法が、使用される。
・3D画像のボクセルが患者固有の解剖学的特徴に類似する性質を有する尤度は、ロジスティックまたは確率関数を使用して計算される。
・ニューラルネットワークは、3D画像のボクセル内の軸または平面毎の加重を決定する。
・セグメント化技法はさらに、マルチチャネル訓練を使用して改良される。
・各チャネルは、3D画像の3D空間内のスライス位置に対応する、2D画像を表す。
・患者固有の解剖学的特徴の3Dメッシュモデルが、セグメント化された3D画像から発生される。
・3Dメッシュモデルはさらに、有限要素解析を使用して処理される。
・さらなる後処理ステップを要求する、3Dメッシュモデル内の点または面積が、自動的に検出される。
・さらなる後処理ステップは、だぼまたは他の継合構造の設置を含む。
・だぼまたは他の継合構造の最適な設置は、自動的に決定される。
・3D印刷可能モデルは、発生された3Dメッシュモデルに基づく。
・3D印刷可能モデルは、意図される下流用途に応じて、患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1の縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデル等の患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表すように、3D物理モデルとして3D印刷される。
・3D印刷可能モデルは、容易に可視またはアクセス可能にされた、特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴とともに3D印刷される。
・解剖学的特徴のボリュームまたは寸法、解剖学的特徴の異なる層の厚さ等の患者の解剖学的特徴のパラメータは、発生された3D画像から決定される。
・特定の解剖学的特徴は、心臓であり、測定されるパラメータは、心臓のボリューム、各心腔内の血液のボリューム、心臓壁の異なる層の厚さ、特定の脈管のサイズである。
【0079】
(B.ワイヤフレームモデル)
2D医療画像のセットから解剖学的特徴を識別するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)2D医療画像のセットから3Dメッシュを発生させるステップであって、3Dメッシュは、解剖学的特徴のボリュームの多角形表現である、ステップと、
(b)解剖学的特徴の方向に沿って、3Dメッシュから線またはスプラインを抽出するステップと、
(c)抽出された線またはスプラインから解剖学的特徴を識別するために分類器を使用するステップと、
を含む、方法。
【0080】
随意:
・分類器は、抽出された線またはスプラインから解剖学的特徴の物理的性質を識別するために使用される。
・分類器は、抽出された線またはスプラインから解剖学的特徴の病態を識別するために使用される。
・本方法はさらに、3Dメッシュのワイヤフレームモデルを発生させるステップを含む。
・3D画像が、2D医療画像のセットから自動的に発生され、3Dメッシュは、3D画像のセグメント化から発生される。
・分類器は、特定の解剖学的特徴を識別するように訓練される。
・分類器は、特定の解剖学的特徴の、人体に対するその場所、寸法、厚さ等のパラメータを決定するように訓練される。
・分類器は、特定の解剖学的特徴の潜在的な欠陥または病態を決定するように訓練される。
・分類器は、主成分分析分類器である。
【0081】
(C.3D印刷可能モデルの3D印刷可能モデルのセットへの分割)
患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルを3D印刷可能モデルのセットに分割するコンピュータ実装方法であって、3D印刷可能モデルを3D印刷可能モデルのセットに自動的に分割するステップを含み、3D印刷可能モデルは、接続ピースを含み、各接続ピースの場所は、自動的に発生されている、方法。
【0082】
随意:
・3D印刷可能モデルの分割は、患者の病態および解剖学的構造に基づいて決定される。それによって、情報は、所与の構造の表面を査定するステップのみから獲得されることはできない。
・接続ピースは、磁気または金属要素である。
・各接続ピースは、3D印刷可能モデルのセットからの3D印刷された物理モデルのセットが、患者固有の解剖学的特徴を表すために接続され得、不適切に接続されることが防止されるように、位置する。
・3D印刷された物理モデルのセットは、意図される下流用途に応じて、患者固有の解剖学的特徴の縮小される縮尺または拡大される縮尺モデル等の1:1の縮尺モデルまたはより適切な縮尺モデル等の患者固有の解剖学的特徴の縮尺モデルを表す。
・特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易に可視にされる。
・特定の解剖学的特徴の重大または重要な特徴が、3D印刷可能な物理モデルのセット内で容易にアクセス可能にされる。
【0083】
(D.遠隔印刷)
患者固有の解剖学的特徴の3Dモデルを印刷するためのコンピュータ実装方法であって、
(a)2D医療画像をサーバにアップロードするステップと、
(b)サーバにおいて、2D医療画像を患者固有の解剖学的特徴の3D印刷可能モデルに処理するステップと、
(c)サーバが、3D印刷可能モデルを印刷するための命令をプリンタに伝送するステップであって、セキュリティエンジンが、3D印刷可能モデルが、正しい患者データと関連付けられることを確認する、ステップと、
を含み、プリンタから遠隔場所に位置するエンドユーザが、3D印刷可能モデルの印刷を管理する、方法。
【0084】
随意:
・2D医療画像のセットおよび付加的なメタデータが、識別可能な医療または個人情報がサーバに移送されないように、サーバに送信されるステップに先立って匿名化される。
・エンドユーザは、ウェブアプリケーションを介して、1つ以上のプリンタ上での3D印刷可能モデルの印刷を遠隔でスケジューリング、開始、または承認する。
・エンドユーザは、1つ以上のプリンタを遠隔で制御し、印刷は、1つ以上のプリンタ上に自動的に配列される。
・3D印刷可能モデルのファイルに対応するファイルのハッシュが、中央リポジトリ内に生成および記憶される。
・中央リポジトリは、サーバによってアクセスされ、中央リポジトリは、ファイル、データベース、または分散型台帳である。
・ハッシュは、3Dの患者固有の解剖学的特徴の印刷または任意の後続の印刷を再生成または確認するために使用される。
・ファイルへの修正は、ハッシュとともに記憶され、ファイルの出所の変更追跡記録を提供するために使用される。
・ハッシュは、ファイルが修正されているかどうかを確立するために使用される。
・1つ以上の特定の解剖学的特徴を3D印刷するための1つ以上のファイルの配布が、一元化されたファイル署名サービスによって管理される。
・3D印刷可能モデルに対応するファイルが、私有/公開鍵ベースの暗号化を使用して暗号化される。
・セキュリティエンジンは、暗号化されたファイルのみが、印刷のために伝送されることを確実にする。
・ファイルが、印刷が完了される際の遷移においてのみ復号化される。
【0085】
(注記)
上記に言及される配列が、本発明の原理に関する適用を例証しているにすぎないことを理解されたい。多数の修正および代替配列が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、考案され得る。本発明は、図面に示され、現在、本発明の最も実践的かつ好ましい実施例であると見なされるものに関連して具体的かつ詳細に上記に完全に説明されているが、多数の修正が、本明細書に記載されるような本発明の原理および概念から逸脱することなく成され得ることが、当業者に明白となるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16