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特許7490203携帯端末情報通知システム、通知情報提供システム、及びプログラム。
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  • 特許-携帯端末情報通知システム、通知情報提供システム、及びプログラム。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】携帯端末情報通知システム、通知情報提供システム、及びプログラム。
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240520BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021115407
(22)【出願日】2021-07-13
(65)【公開番号】P2023012018
(43)【公開日】2023-01-25
【審査請求日】2023-10-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515225714
【氏名又は名称】クローバーラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】荻野 侑
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064290(JP,A)
【文献】特開2019-216472(JP,A)
【文献】特開2015-188176(JP,A)
【文献】国際公開第2014/007146(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の音声検出器で検出された音声を処理し、前記音声に基づく音声情報を生成する音声解析部と、
前記携帯端末に対して付与された通知対象IDであって情報を通知する対象を識別する通知対象IDと、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する複数のアプリケーションを示すアプリデータ又は前記複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを示すアプリユーザデータを含むアプリ/ユーザ情報とを対応付けて、前記携帯端末の内部又は外部の記憶装置に、アプリ情報対応データとして記憶させる、紐付け部と、
前記音声解析部で生成された前記音声情報に基づいて決定される通知情報を、前記アプリ情報対応データで前記通知対象IDに対応付けられた前記アプリ/ユーザ情報で示される前記複数のアプリケーションのうち1つのアプリケーション又はアプリユーザへの通知情報として取得し、前記携帯端末に出力させる通知部と、
前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する前記複数のアプリケーションの動作状態に応じて、前記音声解析部を制御する連携制御部と、を備えた、携帯端末情報通知システム。
【請求項2】
請求項に記載の携帯端末情報通知システムであって、
前記紐付け部は、前記アプリ/ユーザ情報を、前記通知対象IDと対応付けて、サーバへ提供することで前記サーバの記憶装置に、前記アプリ情報対応データを記録させ、
前記音声解析部は、前記音声情報を、前記通知対象IDと対応付けて前記サーバへ送信し、
前記通知部は、前記サーバから前記通知情報を取得する、携帯端末情報通知システム。
【請求項3】
携帯端末の検出器で検出された音声に基づき生成された音声情報を、前記携帯端末に対して付与された通知対象IDであって情報を通知する対象を識別する通知対象IDと対応付けて受信する、音声情報受信部と、
前記携帯端末に対して付与された前記通知対象IDと、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する複数のアプリケーションを示すアプリデータ又は前記複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを示すアプリユーザデータを含むアプリ/ユーザ情報とを対応付けるアプリ情報対応データを記憶するアプリ情報対応データ記憶部と、
前記音声情報と、前記音声情報に対応する通知情報及び通知アプリケーションを示す通知情報データを記憶する通知情報データ記憶部と、
前記通知情報データを用いて、前記音声情報受信部が受信した前記音声情報に対応する通知情報及び通知アプリケーションを決定する通知情報決定部と、
前記アプリ情報対応データを用いて、前記通知情報決定部が決定した前記通知アプリケーション及び前記音声情報受信部が受信した前記通知対象IDの両方に対応するアプリケーション又はアプリユーザを通知先として決定する通知先決定部と、
前記通知先決定部が決定した通知先に対して、前記通知情報を供給する通知情報供給部と、
前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する前記複数のアプリケーションの動作状態に応じて、前記携帯端末の前記検出器で検出された前記音声に基づく前記音声情報を生成する音声解析部を制御する連携制御部と、を備えた、通知情報提供システム。
【請求項4】
携帯端末の音声検出器で検出された音声を処理し、前記音声に基づく音声情報を生成する音声解析処理と、
前記携帯端末に対して付与された通知対象IDであって情報を通知する対象を識別する通知対象IDと、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する複数のアプリケーションを示すアプリデータ又は前記複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを示すアプリユーザデータを含むアプリ/ユーザ情報とを対応付けて、前記携帯端末の内部又は外部の記憶装置に、アプリ情報対応データとして記録させる、紐付け処理と、
前記音声解析処理で生成された前記音声情報に基づいて決定される通知情報を、前記アプリ情報対応データで前記通知対象IDに対応付けられた前記アプリ/ユーザ情報で示される前記複数のアプリケーションのうち1つのアプリケーション又はアプリユーザへの通知情報として取得し、前記携帯端末に出力させる通知処理と
前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する前記複数のアプリケーションの動作状態に応じて、前記音声解析処理を制御する連携制御処理と、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末で集音された音声情報に基づいて、携帯端末のユーザに情報を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
放送の音声や商業施設のスピーカの音声に広告目的の情報を重畳して送出するサービスが行われている。このサービスでは、情報が重畳された音声を、ユーザの携帯端末が、集音して音声から情報を抽出し、この情報に基づいて広告を通知する。
【0003】
例えば、特開2015-005069号公報(特許文献1)には、デジタルサイネージから発信した音声を収音した端末装置からその音声を識別する音声情報を受信し、音声情報に基づいて抽出された関連コンテンツを端末装置に配信する配信装置が開示されている。また、特開2018-182585号公報(特許文献2)には、テレビ放送やラジオ放送などの音声を含むコンテンツの提供に重畳して、クーポンを構成するための情報を超音波により送出するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-005069号公報
【文献】特開2018-182585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、スマートホン等のユーザの携帯端末には、必要に応じて複数のアプリケーションがインストールされる。アプリケーションにより様々なサービスが提供される。このようなアプリケーションは、企業等の運用主体により、例えば、広告等を目的として提供される場合がある。発明者らは、このような携帯端末にインストールされたアプリケーションが、携帯端末が集音した音声から抽出される音声情報を用いた広告等の情報通知機能と連携できるようにするためのシステムを検討した。
【0006】
携帯端末のアプリケーションは、ユーザが必要に応じてインストール及びアンインストールを行う。そのため、携帯端末のアプリケーションは、一定ではなく、変動する。上記従来の技術では、このように変動する携帯端末のアプリケーションに対して、音声情報を用いた通知機能を効率よく適用させる仕組みはなかった。
【0007】
そこで、本発明は、携帯端末が検出した音声から生成された音声情報に基づく情報通知を、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションに対して効率よく行うことを可能するシステム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態における携帯端末情報通知システムは、
携帯端末の音声検出器で検出された音声を処理し、前記音声に基づく音声情報を生成する音声解析部と、
前記携帯端末に対して付与された通知対象IDであって情報を通知する対象を識別する通知対象IDと、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する複数のアプリケーションを示すアプリデータ又は前記複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを示すアプリユーザデータを含むアプリ/ユーザ情報とを対応付けて、前記携帯端末の内部又は外部の記憶装置に、アプリ情報対応データとして記憶させる、紐付け部と、
前記音声解析部で生成された前記音声情報に基づいて決定される通知情報を、前記アプリ情報対応データで前記通知対象IDに対応付けられた前記アプリ情報で示される前記複数のアプリケーションのうち1つのアプリケーション又はアプリユーザへの通知情報として取得し、前記携帯端末に出力させる通知部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、携帯端末が検出した音声から生成された音声情報に基づく情報の通知を、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションに対して効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1におけるシステムの全体構成例を示す図である。
図2図2は、図1に示すシステム全体の動作例を示すシーケンス図である。
図3図3は、図2のS1における処理の詳細例を示す図である。
図4図4は、図2のS2~S5に示す処理の詳細例を示す図である。
図5図5は、図2のS6~S9に示す処理の詳細例を示す図である。
図6図6は、実施形態2におけるシステム全体の構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態3におけるシステム全体の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態における携帯端末情報通知システムは、
携帯端末の音声検出器で検出された音声を処理し、前記音声に基づく音声情報を生成する音声解析部と、
前記携帯端末に対して付与された通知対象IDであって情報を通知する対象を識別する通知対象IDと、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する複数のアプリケーションを示すアプリデータ又は前記複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを示すユーザデータを含むアプリ/ユーザ情報とを対応付けて、前記携帯端末の内部又は外部の記憶装置に、アプリ情報対応データとして記憶させる、紐付け部と、
前記音声解析部で生成された前記音声情報に基づいて決定される通知情報を、前記端末アプリ情報対応データで前記通知対象IDに対応付けられた前記アプリ/ユーザ情報で示される前記複数のアプリケーションのうち1つのアプリケーション又はアプリユーザへの通知情報として取得し、前記携帯端末に出力させる通知部と、を備える。
【0012】
上記システムでは、紐付け部によって提供されるアプリ情報対応データにより、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションの情報と、その携帯端末に対して付与された通知対象IDとが紐付けられる。携帯端末で検出された音声情報から決定される通知情報が、ある1つのアプリケーションの通知情報である場合に、アプリ情報対応データによって、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションのうちいずれのアプリケーション又はアプリユーザが通知の対象となっているかを特定することができる。すなわち、アプリ情報対応データによって、携帯端末において通知情報が対象となるアプリケーション又はアプリユーザを特定することができる。通知部は、アプリ情報対応データが示す携帯端末の複数のアプリケーションのうちの1つのアプリケーション又はそのアプリユーザを対象とする通知情報を取得し、携帯端末に出力させる。これにより、携帯端末が検出した音声から生成された音声情報に基づく情報通知を、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションに対して効率よく行うことができる。
【0013】
紐付け部は、携帯端末における複数のアプリケーションのアプリ/ユーザ情報を、アプリケーションごとに異なるタイミングで、アプリ情報対応データに追加してもよい。例えば、アプリケーションのインストール時又は起動時等のように、アプリケーションが携帯端末で使用可能な状態となった時に、紐付け部によって、そのアプリケーションのアプリ/ユーザ情報がアプリ情報データに追加されてもよい。なお、1つのアプリケーションのアプリ/ユーザ情報は、アプリケーションを示す情報(例えば、アプリ識別子)又はアプリケーションユーザを示す情報(例えば、アプリユーザ識別子)の少なくとも1つを含んでもよい。
【0014】
アプリ情報対応データは、例えば、携帯端末と、その携帯端末における音声情報に基づく通知を利用する複数のアプリケーションとの対応を示すデータであってもよい。アプリ情報対応データは、複数の携帯端末のそれぞれに対応する複数のアプリケーションのアプリ/ユーザ情報を含んでもよい。
【0015】
上記構成では、音声情報から通知情報が決定される。音声情報から通知情報を決定する処理は、携帯端末で実行されてもよいし、携帯端末の外部、例えば、サーバで実行されてもよい。音声情報から通知情報を決定する処理には、例えば、予め記憶された音声情報と通知情報との対応を示すデータが用いられる。なお、音声情報から、通知情報及び通知アプリケーションの両方が決定されてもよい。この決定には、例えば、音声情報と、通知情報及び通知アプリケーションとの対応を示すデータを用いることができる。
【0016】
上記携帯端末情報通知システムは、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する前記複数のアプリケーションの動作状態に応じて、前記音声解析部を制御する連携制御部をさらに備えてもよい。これにより、音声情報の生成を、複数のアプリケーションの動作と連携させることができる。すなわち、携帯端末が検出した音声から生成された音声情報に基づく情報の通知を、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションと連携させることができる。
【0017】
上記携帯端末情報通知システムにおいて、前記紐付け部は、前記アプリ/ユーザ情報を、前記通知対象IDと対応付けて、サーバへ提供することで前記サーバの記憶装置に、前記アプリ情報対応データを記憶させてもよい。この場合、前記音声解析部は、前記音声情報を、前記通知対象IDと対応付けて前記サーバへ送信してもよい。前記通知部は、前記サーバから前記通知情報を取得してもよい。
【0018】
この構成により、サーバは、携帯端末から受信した音声情報に基づいて通知情報を決定し、さらに、携帯端末から受信した通知対象IDとアプリ情報対応データに基づき、前記通知情報が対象とするアプリケーション又はアプリユーザを決定することが可能になる。これにより、携帯端末の通知部は、サーバから、アプリ情報対応データのアプリ/ユーザ情報で示されるアプリケーション又はアプリユーザへの通知情報を取得することができる。
【0019】
本発明の実施形態における通知情報提供システムは、
携帯端末の検出器で検出された音声に基づき生成された音声情報を、前記携帯端末に対して付与された通知対象IDであって情報を通知する対象を識別する通知対象IDと対応付けて受信する、音声情報受信部と、
前記携帯端末に対して付与された前記通知対象IDと、前記携帯端末にインストールされ、前記音声情報を利用する複数のアプリケーションを示すアプリデータ又は前記複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを示すアプリユーザデータを含むアプリ/ユーザ情報とを対応付けるアプリ情報対応データを記憶するアプリ情報対応データ記憶部と、
前記音声情報と、前記音声情報に対応する通知情報及び通知アプリケーションを示す通知情報データを記憶する通知情報データ記憶部と、
前記通知情報データを用いて、前記音声情報受信部が受信した前記音声情報に対応する通知情報及び通知アプリケーションを決定する通知情報決定部と、
前記アプリ情報対応データを用いて、前記通知情報決定部が決定した前記通知アプリケーション及び前記音声情報受信部が受信した前記通知対象IDの両方に対応するアプリケーション又はアプリユーザを通知先として決定する通知先決定部と、
前記通知先決定部が決定した通知先に対して、前記通知情報を供給する通知情報供給部と、を備える。
【0020】
上記構成において、通知情報提供システムは、携帯端末で音声情報を利用する複数のアプリケーションのアプリ/ユーザ情報と通知対象IDとを対応付けるアプリ情報対応データを保持する。これにより、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションのアプリ/ユーザ情報が、通知対象IDと紐づけられる。これにより、通知情報提供システムは、携帯端末から音声情報及び通知対象IDを受信した場合に、音声情報から通知情報と通知アプリケーションを決定し、さらに、その携帯端末にインストールされたアプリケーション又はそのアプリユーザを通知先として特定することができる。そのため、通知情報提供システムは、音声情報に基づいて、通知情報及び通知先を決定し、適切な携帯端末へ送信することができる。すなわち、通知情報提供システムは、携帯端末の複数のアプリケーションを把握し、携帯端末から受信した音声情報から決定される通知情報を、適切な通知先へ供給できる。これにより、携帯端末が集音した音声から抽出された音声情報に基づく情報通知を、携帯端末にインストールされた複数のアプリケーションに対して効率良く行うことが可能になる。
【0021】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化又は模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0022】
[実施形態1]
(システム構成例)
図1は、実施形態1におけるシステムの全体構成例を示す図である。図1に示す例では、携帯端末1に、携帯端末情報通知システム2が実装される。サーバに、通知情報提供システム3が構築される。携帯端末1は、サーバとデータ通信可能である。以下、通知情報提供システム3をサーバ3と称することがある。携帯端末情報通知システム2は、携帯端末1で検出された音声から音声情報を抽出し、サーバ3へ送信して、その応答として、サーバ3から通知情報を受信する。携帯端末1は、通知情報をユーザに対して出力する。サーバ3は、携帯端末1から音声情報を受信し、音声情報に基づく通知情報を携帯端末1へ送信する。本実施形態では、携帯端末1にインストールされた複数のアプリケーションについて、携帯端末1で検出された音声から生成された音声情報に基づく情報の通知が行われる。
【0023】
(携帯端末情報通知システムの構成例)
携帯端末情報通知システム2は、音声解析部21、通知部22、連携制御部23、及び、紐付け部24を備える。音声解析部21は、携帯端末1の音声検出器10(以下、検出器10と称する)で検出した音声を処理し、音声に含まれる音声情報を抽出する。検出器10は、例えば、携帯端末1が備えるマイクである。或いは、検出器10は、携帯端末1で再生された音声を検出するものであってもよい。検出器10により、音声再生器4によって再生された音声が検出される。音声再生器4は、特に限定されない。例えば、テレビ、ラジオ等の放送電波受信再生器の音声、又はインターネットを通じて配信され携帯端末1で再生される音声等が、検出器10によって検出される。
【0024】
音声解析部21は、一例として、検出された音声から音声フィンガープリントを生成してもよい。この場合、音声フィンガープリントが音声情報となる。音声フィンガープリントは、音声信号から特定のアルゴリズムを用いて生成される音声の特徴を示すデータである。音声信号は特定のアルゴリズムによって複数のハッシュ値と呼ばれる文字列(音声フィンガープリントの一例)に変換される。そのハッシュ値の整合性によって音声を一意に特定できる。同じ音声信号から同じ音声フィンガープリントが生成される。音声フィンガープリントのデータサイズは、元の音声よりも小さい。なお、音声情報は、音声フィンガープリント(ハッシュ値)そのものであってもよいし、音声フィンガープリントに基づく識別子であってもよい。例えば、音声フィンガープリント(ハッシュ値)と一意に対応する識別子を音声情報としてもよい。
【0025】
音声解析部21は、音声解析部21が生成した音声情報を、例えば、サーバ3へ提供してもよい。一例として、音声解析部21は、音声情報を、情報を通知する対象を識別する通知対象IDと対応付けてサーバ3へ送信することができる。1つの携帯端末に対して1つの通知対象IDが付与される。通知対象IDは、携帯端末1のユーザを特定するものと言うこともできる。通知対象IDは、例えば、広告の対象を識別するための広告IDであってもよい。広告IDの例としては、IDFA(Identifier for Advertisers)、又は、GAID(Google Play Services ID for Android)(GOOGLE及びANDROIDは登録商標)等が挙げられる。或いは、通知対象IDは、各携帯端末に対して付与され、サーバ3その他の外部装置で管理される識別子であってもよい。音声解析部21は、通知対象IDの他の情報を、音声情報と対応づけてサーバ3へ送信してもよい。携帯端末1は、サーバ3から、音声情報及び通知対象IDに基づく通知情報を受信する。通知情報は、携帯端末1においてインストールされているアプリケーションのユーザに対して通知されるべき情報である。通知部22は、通知情報を取得し、携帯端末に出力させる。
【0026】
携帯端末1が、サーバ3から通知情報を受信する形態は、複数のアプリケーションの少なくとも1つが通知情報を受信する場合が含まれる。一例として、通知情報がPUSH通知である場合、携帯端末のOSが通知情報を受信し、アプリケーションを経由して、PUSH通知を携帯端末1に出力させることができる。この場合、サーバ3からアプリケーションのサーバ(アプリサーバ)を経由して、携帯端末1にPUSH通知が届くことになる。なお、通知情報は、他のサーバを経由して携帯端末1に送信されてもよいし、アプリケーションの経由を省略して出力されてもよい。
【0027】
通知部22は、携帯端末1において、音声情報に基づく通知情報を取得し、携帯端末1に出力させる。通知部22は、携帯端末1が備える出力装置11、例えば、ディスプレイ、又はスピーカ等に通知情報を出力させる。通知部22は、例えば、携帯端末1にインストールされているアプリケーション又はそのアプリユーザへの通知情報を受信する。通知部22は、一例として、アプリケーション又は携帯端末1のOSの一部として実装されてもよい。通知部22が受信する通知情報は、例えば、アプリケーション又はOSが、アプリサーバ、サーバ3、又は、その他の通知情報を供給するサーバから受信したものであってもよい。
【0028】
連携制御部23は、携帯端末1にインストールされた複数のアプリケーションの動作状態に応じて、音声解析部21を制御する。連携制御部23は、例えば、携帯端末1において、音声解析部21に対して起動を要求したアプリケーションを示す情報を記録しておき、そのアプリケーションの動作状況に応じて、音声解析部21を制御してもよい。例えば、1つのアプリケーション(例えば、アプリA)の起動要求によって音声解析部21が起動した後、その起動中に、他のプリケーション(例えば、アプリB)が起動を要求した場合、連携制御部23は、これら2つのアプリケーション(アプリA及びアプリB)を、音声情報を利用する複数のアプリケーションとして記録する。連携制御部23は、これら複数のアプリケーションの動作状態に応じて、音声解析部21を制御することができる。
【0029】
一例として、連携制御部23は、1つのアプリケーションの起動要求によって音声解析部21が起動した後、その起動中に、少なくとも1つの他のアプリケーションが起動要求をした状況において、上記1つのアプリケーション及び他のアプリケーションのうちいずれか1つがアクティブ状態である場合に、音声解析部21の起動状態を維持し、これらの全てアプリケーションが非アクティブ状態となった場合に、音声解析部21の処理を停止するといった制御が可能である。これにより、携帯端末1にインストールされた複数のアプリケーションで、音声解析部21の機能を有効に活用することができる。
【0030】
携帯端末1において、音声情報を利用するアプリケーション、すなわち、音声情報に基づく情報の通知と連携するアプリケーションが、携帯端末1又はサーバ3等の外部装置に登録されてもよい。登録は、例えば、携帯端末1又はサーバ3からアクセス可能な記憶部に、アプリID等のアプリケーションを識別する情報を記録することで行われる。登録は、例えば、アプリケーションのインストール時に自動的に行われてもよいし、携帯端末1に対するユーザの操作に応じて行われてもよい。
【0031】
連携制御部23は、アプリケーションの動作状態として、例えば、アプリケーションのアクティブ状態/非アクティブ状態を検出してもよい。アクティブ状態/非アクティブ状態は、アプリケーションの実行/停止の状態であってもよいし、フォアグランド実行状態/バックグランド実行状態、そのた動作モードの状態であってもよい。アクティブ状態/非アクティブ状態の他、例えば、連携可能状態/連携不可状態、等がアプリケーションの動作状態として検出されてもよい。
【0032】
連携制御部23は、携帯端末1にインストールされ、且つ音声解析部21の音声情報を利用する複数のアプリケーションの動作状態に応じて、音声解析部21の処理の実行/停止を制御してもよい。これにより、音声解析部21による音声情報の生成処理又は音声情報のサーバ3への提供処理の少なくとも一方が、複数のアプリケーションの動作状況に応じて制御される。例えば、音声解析部が音声を処理して音声情報を生成する処理の時期を、携帯端末1にインストールされた複数のアプリケーションの動作状態に応じて制御することができる。一例として、複数のアプリケーションのうちいずれか1つがアクティブ状態である場合に、音声解析部21が音声情報を生成する処理を有効にするといった制御が可能である。これにより、複数のアプリケーションが全て非アクティブの時には、音声解析部21の動作を停止できる。その結果、携帯端末1の処理の負荷を軽減できる。
【0033】
連携制御部23は、複数のアプリケーションそれぞれの動作状態に応じて、音声解析部21を制御してもよい。例えば、アプリケーションの動作状態を示す情報を、音声情報とともに、サーバ3に送信するよう、音声解析部21が制御されてもよい。また、例えば、音声情報に基づく情報の通知を許可しているアプリケーションの音声情報をサーバ3へ送信し、この通知を許可していないアプリケーションの音声情報はサーバ3へ送信しないよう、音声解析部21が制御されてもよい。この場合、音声解析部21は、生成された音声情報がどのアプリケーションに関連するものかを、予め記録された対応データを用いて決定してもよい。対応データは、音声情報とアプリケーションとの対応関係を示すデータである。例えば、対応データは、例えば、サーバ3から提供されてもよい。
【0034】
他の例として、連携制御部23は、携帯端末1にインストールされ、且つ音声解析部21の音声情報を利用する複数のアプリケーションのいずれかに関連する音声情報はサーバ3に送信し、いずれにも関連しない音声情報は、サーバ3に送信しないように、音声解析部21を制御してもよい。これにより、携帯端末1にインストールされているアプリケーションについての音声情報に基づく通知を効率よく行うことができる。なお、これの変形例として、連携制御部23は、複数のアプリケーションのうちアクティブ状態のアプリケーションに関連する音声情報をサーバ3に送信し、非アクティブ状態のアプリケーションの音声情報は、サーバ3に送信しないように、音声解析部21を制御することができる。
【0035】
連携制御部23は、アプリケーションから提供される情報に基づき、音声解析部21を制御してもよい。連携制御部23は、例えば、複数のアプリケーションの少なくとも1つに関する情報を、音声解析部21が、音声情報と対応付けてサーバ3へ送信するよう制御してもよい。これにより、携帯端末1にインストールされたアプリケーションに関する情報を、音声情報とともに、サーバ3に提供することができる。そのため、サーバ3では、携帯端末1にインストールされたアプリケーションを考慮して通知情報を携帯端末1に提供することができる。アプリケーションに関する情報には、例えば、アプリIDの他、アプリケーションのユーザID(アプリユーザID)、その他のアプリケーションのユーザに関する情報、又は、アプリケーションでユーザから入力された情報が含まれてもよい。
【0036】
紐付け部24は、複数のアプリケーションそれぞれを識別するアプリID又は複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザを識別するアプリユーザIDを、通知対象IDと対応付けて、サーバ3へ送信する。これにより、サーバ3の記憶部36に、通知対象IDが、アプリ/ユーザ情報と対応付けられて、アプリ情報対応データとして記憶される。すなわち、紐付け部24は、通知対象IDとともに、携帯端末1にインストールされ、音声解析部21の音声情報を利用する複数のアプリケーションのアプリID又はアプリユーザIDすなわち、アプリ/ユーザ情報をサーバ3へ送信する。これにより、アプリ情報対応データがサーバ3の記憶部36に記憶される。なお、アプリ/ユーザ情報は、アプリIDとアプリユーザIDの両方を含んでもよいし、いずれか一方を含んでもよい。
【0037】
紐付け部24が、アプリ/ユーザ情報をサーバ3へ送信するタイミングは特に限定されない。本実施形態では、音声解析部21が音声情報をサーバ3へ送信する処理とは別に、紐付け部24がアプリ/ユーザ情報をサーバ3へ送信する。例えば、アプリケーションが携帯端末1にインストールされた時に、紐付け部24が、そのアプリケーションのアプリ/ユーザ情報を通知対象IDとともにサーバ3へ送信してもよい。或いは、アプリケーションが起動された時、その他、アプリケーションが携帯端末1において利用可能になった時に、アプリ/ユーザ情報が、通知対象IDと対応付けてサーバ3へ送信されてもよい。なお、アプリ情/ユーザ情報は、音声解析部21が、音声情報をサーバ3に送信する際に、音声情報と対応付けてサーバ3に送信されてもよい。この場合、紐付け部24は、音声解析部21の一部として機能する。
【0038】
紐付け部24は、アプリ/ユーザ情報として、アプリIDに加えて、アプリユーザIDを、通知対象IDと対応付けてサーバ3へ提供し、アプリ情報対応データとして記憶させてもよい。アプリユーザIDは、アプリケーション毎に設定される。複数のアプリケーションのアプリユーザIDは、互いに異なっている場合がある。複数のアプリケーションのそれぞれのアプリユーザIDが、通知対象IDと対応付けてサーバ3に提供される。これにより、サーバ3では、アプリユーザIDがアプリケーション毎に異なっていても、これらのアプリユーザIDが、同じユーザであることを認識できる。そのため、複数のアプリケーションを横断した情報の通知や、ユーザ情報を収集が可能になる。
【0039】
紐付け部24により、携帯端末1に付与される通知対象IDと、その携帯端末1にインストールされ、音声情報を利用する複数のアプリケーションのアプリ/ユーザ情報とを対応付けるアプリ情報対応データがサーバ3等の記憶部36に記憶される。携帯端末1の音声解析部21で生成された音声情報は、例えば、通知対象IDともにサーバ3に送られる。サーバ3において、この音声情報に基づく通知情報が決定される。さらに、この通知情報の通知先として、携帯端末1にインストールされたアプリケーション又はアプリユーザが決定される。この決定には、紐付け部24により提供された記憶部36のアプリ情報対応データを用いることができる。サーバ3から、決定されたアプリケーション又はアプリユーザを通知先とする通知情報が、携帯端末1へ送られる。携帯端末1の通知部22は、アプリ情報対応データを用いて決定されたアプリケーション又はアプリユーザを通知先とする通知情報を受ける。すなわち、携帯端末1の通知部22は、アプリ情報対応データで示される、その携帯端末1のアプリケーション又はそのアプリユーザを通知先とする通知情報を受ける。通知部22は、携帯端末1のアプリケーション又はそのアプリユーザを通知先とする通知情報を受ける機能と、通知情報を携帯端末1に出力させる機能とを有する。
【0040】
携帯端末情報通知システム2は、携帯端末1が備えるコンピュータにより構成することができる。コンピュータは、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサがメモリに記録されたプログラムに従って処理を実行することで、音声解析部21、通知部22、連携制御部23、及び、紐付け部24の機能を実現することができる。コンピュータを、携帯端末情報通知システムとして機能させるためのプログラム又は、そのプログラムを記録した非一時的(non-transitory)な記録媒体も、本発明の実施形態に含まれる。なお、携帯端末情報通知システム2は、2以上のコンピュータで構成されてもよい。
【0041】
(通知情報提供システム(サーバ)の構成例)
通知情報提供システム3(サーバ3)は、音声情報受信部31、通知情報決定部32、通知先決定部33、通知情報供給部34、音声情報登録部35及び記憶部36を備える。音声情報受信部31は、携帯端末1の検出器10で検出された音声に基づき生成された音声情報を、通知対象IDと対応付けて受信する。すなわち、音声情報受信部31は、携帯端末情報通知システム2の音声解析部21から送信された音声情報及び通知対象IDを受信する。
【0042】
記憶部36には、アプリ情報対応データ及び通知情報データが記憶される。アプリ情報対応データは、携帯端末1に対して付与された通知対象IDと、携帯端末1にインストールされ、音声情報を利用する複数のアプリケーションのアプリ/ユーザ情報とを対応付けるデータである。アプリ情報対応データは、複数の通知対象IDについて、それぞれの通知対象IDに対応するアプリ/ユーザ情報を含んでもよい。アプリ/ユーザ情報は、アプリケーションを示すアプリデータ(例えば、アプリID)又はアプリケーションのアプリユーザを示すアプリユーザデータ(例えば、アプリユーザID)の少なくともいずれかを含む。通知情報提供システム3は、複数の携帯端末それぞれの紐付け部24から通知対象IDとアプリ/ユーザ情報を受信し、アプリ情報対応データとして、記憶部36に記録する。例えば、1つの携帯端末における複数のアプリケーションそれぞれのアプリユーザIDと、その携帯端末に対して付与された通知対象IDとが、アプリ情報対応データで対応付けられる。これにより、携帯端末の各アプリケーションのユーザを同一のユーザとして把握することができる。なお、アプリ情報対応データは、通知対象IDに対応するアプリID及びアプリユーザIDの両方を含んでもよいし、アプリIDのみを含んでもよい。
【0043】
記憶部36には、通知情報データが記憶される。通知情報データは、音声情報と、音声情報に対応する通知情報及び通知アプリケーションを示す情報を含む。すなわち、通知情報データは、音声情報と、通知情報及び通知アプリケーションとの対応関係を示すデータである。通知情報データは、複数の音声情報について、複数の音声情報それぞれに対応する通知情報及び通知アプリケーションを示す情報を含む。通知情報データは、予め、記憶部36に記憶される。例えば、音声情報登録部35が、管理者から通知情報データの入力を受け付け、記憶部36に記録することができる。
【0044】
通知情報決定部32は、音声情報受信部31が受信した音声情報に対応する通知情報及び通知アプリケーションを、通知情報データを用いて決定する。すなわち、通知情報決定部32は、音声情報に基づく通知情報を決定する。
【0045】
通知先決定部33は、記憶部36のアプリ情報対応データを用いて、通知情報決定部32が決定した通知アプリケーション及び音声情報受信部31が受信した通知対象IDの両方に対応するアプリケーション又はアプリユーザを通知先として決定する。例えば、アプリ情報対応データが、通知対象IDに対応するアプリID及びアプリユーザIDを含むことができる。この場合、通知先決定部33は、アプリ情報対応データを参照して、通知情報決定部32が決定した通知アプリケーションのアプリIDと、音声情報受信部31が受信した通知対象IDの両方に対応するアプリユーザIDを取得する。取得したアプリユーザIDを通知先として決定する。
【0046】
なお、通知情報決定部32及び通知先決定部33の形態は、上記例に限られない。例えば、通知情報決定部32は、通知情報の決定において、受信した通知対象IDと、記憶部36の通知情報データ及びアプリ情報対応データを用いてもよい。例えば、通知情報決定部32は、アプリ情報対応データを用いて、受信した通知対象IDに対応するアプリIDを取得する。通知情報決定部32は、取得したアプリIDに対応する通知情報であって、且つ、受信した音声情報に対応する通知情報を、送信する通知情報に決定することができる。すなわち、アプリ通知データとして記録された複数の通知情報の中から、受信した音声情報及び取得したアプリIDに対応付けられた通知情報を抽出することができる。この場合、通知情報決定部32は、通知情報の送信先のアプリケーションも決定できる。そのため、通知情報決定部32は、通知先決定部33も兼ねることになる。
【0047】
このように、通知情報決定部32は、携帯端末1の紐付け部24から受信して記憶部36に記録した、通知対象IDとアプリ/ユーザ情報との対応関係を参照する。これにより、音声情報受信部31が受信した音声情報に対応するアプリ/ユーザ情報を取得できる。すなわち、通知対象IDで示される通知対象の携帯端末1にインストールされたアプリケーションを特定できる。これにより、通知情報決定部32は、携帯端末1にインストールされたアプリケーション向けの通知情報を、携帯端末1へ送信する通知情報として決定することができる。
【0048】
通知情報供給部34は、通知情報決定部32が決定した通知情報を、携帯端末1へ直接又は間接的に送信する。通知情報供給部34は、通知情報を携帯端末1へ直接送信する場合は、通知情報に、例えば、通知対象のアプリケーションに関するデータ(例えば、アプリケーションへアクセスするための認証データ等)を対応付けて送信してもよい。通知情報供給部34は、通知情報を携帯端末1へ間接的に送信する場合は、例えば、通知情報にアプリユーザIDを対応付けて、アプリIDのアプリケーションを管理するアプリケーションサーバに送信する。この場合、アプリケーションサーバは、アプリユーザIDに基づいて送信先の携帯端末1を特定し、携帯端末1へ通知情報を送信することができる。
【0049】
音声情報登録部35は、音声情報、及び通知情報を取得し音声情報及び通知情報を互いに対応付けて、通知情報データとして記憶部36に記録する。音声情報登録部35は、例えば、管理者から、音声情報及び通知情報の入力を受け付けることができる。音声情報登録部35は、音声情報及び通知情報の他、さらに他の関連する情報の入力を、管理者から受け付け、音声情報又は通知情報に対応付けて、通知情報データに含めて記憶部36に記録してもよい。
【0050】
音声情報登録部35は、音声情報の入力として、音声ファイルを取得し、音声ファイルを処理して音声情報を生成してもよい。例えば、音声ファイルから音声フィンガープリント(ハッシュ値)を生成し、これを音声情報としてもよい。或いは、音声フィンガープリント(ハッシュ値)に一意に対応する識別子(ID)を音声情報としてもよい。この場合、音声情報の生成に用いられるアルゴリズムは、携帯端末1で音声解析部21が音声から音声フィンガープリントを生成する際に用いられるアルゴリズムと同じとなる。すなわち、サーバ3において、音声ファイルから生成される音声フィンガープリントと、携帯端末1において、その音声ファイルの音声と同じ音声から生成される音声フィンガープリントは同じになる。
【0051】
音声情報登録部35は、音声情報及び通知情報に、さらに、通知情報をユーザに提供するアプリケーションの識別子であるアプリIDを対応付けて記録してもよい。この場合、音声情報登録部35は、管理者から、音声情報及び通知情報に加えて、さらに、アプリケーションを示す情報の入力を受け付ける。これにより、記憶部36には、通知情報データとして、音声情報、通知情報及びアプリIDが対応付けて記録される。
【0052】
また、音声情報登録部35は、所定の期間において、携帯端末で検出された音声の音声情報に対して通知情報を提供する回数の上限(所定期間における同一の携帯端末への同一の音声情報に対する通知情報の提供回数の上限)を設定してもよい。この場合、上限数と所定の期間が設定される。上限数として、例えば、フリークエンシーキャップ数が設定される。所定期間として、例えば、フリークエンシーキャップ種別(日、週、月)が設定される。
【0053】
通知情報提供システム3は、1又は複数のコンピュータ(サーバコンピュータ)により構成することができる。コンピュータは、プロセッサ及びメモリを有する。プロセッサがメモリに記録されたプログラムに従って処理を実行することで、音声情報受信部31、通知先決定部33、通知情報決定部32、通知情報供給部34、及び、音声情報登録部35の機能を実現することができる。コンピュータを、携帯端末情報通知システムとして機能させるためのプログラム又は、そのプログラムを記録した非一時的(non-transitory)な記録媒体も、本発明の実施形態に含まれる。
【0054】
(動作例)
図2は、図1に示すシステム全体の動作例を示すシーケンス図である。図2に示す例では、サーバ3の音声情報登録部35が、記憶部36に、音声情報、通知情報及びアプリIDを対応付けて記録する(S1)。図3は、S1における処理の詳細例を示す図である。図3に示す例では、音声情報登録部35は、管理者から、音声ファイルの提供と、通知情報、及び通知情報のアプリケーションを示すアプリ情報、キャンペーンID、上限数、及び、上限数を設定する期間の入力を受け付ける。例えば、音声ファイルは、管理者の操作によりサーバ3へアップロードされる。音声情報登録部35は、音声ファイルの音声に対する音声フィンガープリント(ハッシュ値)を生成する。音声情報登録部35は、生成した音声フィンガープリントを基に音声情報IDを生成する。例えば、音声フィンガープリント(ハッシュ値)の文字列をそのまま音声情報IDとしてもよいし、音声フィンガープリントの文字列に、さらに文字を追加する等、音声フィンガープリントに所定の加工処理を施したものを音声情報IDとしてもよい。又は、音声フィンガープリント(ハッシュ値)に対応する音声ファイルの識別子を音声情報IDとしてもよい。この場合、音声フィンガープリント(ハッシュ値)と音声情報IDとの対応を示すデータが、記憶部36に記録されてもよい。音声情報IDは、音声情報の一例である。
【0055】
本例では、一例として、携帯端末1にインストールされるアプリケーションの運用主体が、販売促進のキャンペーンを実施する場合の例について説明する。この場合、通知情報は、キャンペーンに関する情報が含まれる。音声ファイルは、キャンペーン期間に、ラジオ又はテレビ等の放送又はインターネットを通じた配信等により、公衆へ向けて提供されるコンテンツに含まれる音声の音声ファイルである。キャンペーンIDは、キャンペーンの識別子である。通知情報には、通知情報IDが付与される。
【0056】
音声情報登録部35は、音声情報ID、アプリID、及び、通知情報を対応付けて、アプリ通知データとして、記憶部36に記録する。図3に示す例では、音声-通知対応テーブル、及び通知情報テーブルの形成で、これらのデータが記録される。なお、データの形式は、図3に示す例に限られない。音声-通知対応テーブルは、音声情報ID、アプリID、通知情報ID、及びキャンペーンID、上限数、上限数を設定する期間が互いに対応付けられて記録される。通知情報テーブルは、通知情報ID、タイトル、本文、その他通知に関する情報が、対応付けられて記録される。通知情報は、一例として、携帯端末1において、アプリケーションによりユーザに出力されるPUSH通知の情報である。
【0057】
図2を参照し、携帯端末1においてアプリケーションA(アプリA)が起動すると、連携制御部23は、音声解析部21を起動し、連携動作を開始させる(S2)。紐付け部24は、アプリAのアプリID、アプリユーザID及び通知対象IDをサーバ3に送信する(S3)。サーバ3は、アプリID、アプリユーザID及び通知対象IDを対応付けてアプリ情報データとして記憶部36に記録する(S3)。次に、アプリケーションB(アプリB)が起動すると、連携制御部23は、音声解析部21に連携動作を開始させる(S4)。この時、既に、音声解析部21は起動しているため、連携制御部23は、起動指示は出さずに、連携指示を出す。紐付け部24は、アプリBのアプリID、アプリユーザID及び通知対象IDをサーバ3に送信し、記憶部36に記憶させる(S5)。ここで、アプリA及びアプリBは、いずれも、携帯端末1において、音声情報を利用するアプリケーションとして認識された複数のアプリケーションの1つである。なお、S2~S5の処理は、アプリケーションの起動をトリガとしているが、実行タイミングはこれに限られない。例えば、アプリケーションのインストール時、又は、その他の非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替わった時、或いは、通知不許可状態から通知許可状態に切り替わった時等をトリガとしてもよい。
【0058】
図4は、S2~S5に示す処理の詳細例を示す図である。図4の例では、紐付け部24が、携帯端末1で起動されたアプリA及びアプリBのそれぞれについて、アプリID、通知対象ID及びアプリユーザIDを対応付けて、サーバ3へ送信する。サーバ3は、これらを対応付けてアプリ情報対応データとして記憶部36に記録する。図4の例では、アプリ情報対応データとして、端末アプリテーブル及びアプリ情報テーブルの形式で、これらのデータが記録される。なお、データの形式は、図4に示す例に限られない。端末アプリテーブルでは、通知対象ID、アプリID、アプリユーザIDが対応付けて記録される。アプリ情報テーブルでは、アプリID及びデータ送信先(例えば、コールバックURL)が対応付けて記録される。
【0059】
図2を参照し、音声再生器4で、S1で登録された音声情報の基となった音声を含むコンテンツが再生される。音声解析部21が、検出器10で検出された音声から音声情報を生成する(S6)。音声解析部21は、生成された音声情報を、通知対象IDと対応付けてサーバ3の音声情報受信部31へ送信する(S7)。音声情報受信部31は、通知情報決定部32に、音声情報及び通知対象IDを渡す。通知情報決定部32は、受け取った音声情報に対応する通知情報及び、対応するアプリIDを記憶部36の通知情報データから取得する(S8)。通知先決定部33は、アプリID及び通知対象IDに対応するアプリユーザIDを、アプリ情報対応データから取得する(S9)。通知情報供給部34は、通知情報を、通知情報決定部32から受け取り、通知先としてアプリユーザIDを通知先決定部33から受け取り、これらをアプリサーバへ供給する。アプリサーバは、携帯端末1のアプリAのユーザ(アプリユーザIDで示されるユーザ)に対して通知情報を送信する(S10)。
【0060】
図5は、図2のS6~S10の処理の詳細例を示す図である。図5の例では、音声解析部21が、検出器10で検出された音声を処理して音声フィンガープリントを生成する。本例では、音声フィンガープリントはハッシュ値で出力され、ハッシュ値は音声ファイルを管理する音声情報IDと紐づく。ハッシュ値と音声情報IDとの対応を示すテーブルが予め記憶部36に記録される。音声フィンガープリントの生成及びハッシュ値の生成のアルゴリズムは、サーバ3の音声情報登録部35におけるそれらのアルゴリズムと同じとする。すなわち、携帯端末1においても、サーバ3において、同じ音声からは、同じハッシュ値が生成される。音声解析部21は、ハッシュ値を含む音声情報、通知対象IDを互いに対応づけてサーバ3に送信する。なお、音声解析部21は、さらに、連携中のアプリケーションを示すアプリIDを、通知対象IDに対応付けてサーバ3に送信してもよい。アプリIDとしては、例えば、携帯端末1において、連携中のアプリケーション(本例では、アプリA、アプリB)のアプリIDがサーバ3に送信されてもよい。
【0061】
これらのデータは、サーバ3の音声情報受信部31を経て、通知情報決定部32が取得する。通知情報決定部32は、音声情報受信部31が受信した音声情報に対応する音声情報IDを、記憶部36に予め記録された音声情報と音声情報IDとの対応を示すデータを用いて、特定することができる。通知情報決定部32は、図3の音声―通知対応テーブルから、音声情報IDに対応するアプリID及び通知情報IDを取得する。通知先決定部33は、通知情報決定部32が取得したアプリID及び通知対象IDの双方に対応するアプリユーザIDを、図4に示した端末アプリテーブルから取得する。これにより、携帯端末1でインストールされたアプリケーションであって、通知情報の対象となる通知アプリケーションのアプリユーザIDが取得される。さらに、通知情報決定部32は、通知情報テーブルから、取得した通知情報IDに対応するタイトル及び本文を取得する。これにより、音声情報IDに対応する通知情報として、タイトル及び本文が得られる。
【0062】
図5に示すように、通知情報決定部32は、取得した通知情報のタイトル及び本文と、アプリユーザID、キャンペーンID、及びデータ送信先を通知情報供給部34へ渡す。通知情報供給部34は、データ送信先が示すアプリサーバ5(アプリAのアプリケーションサーバ)に、タイトル、本文、ユーザID及びキャンペーンIDを送信する。アプリサーバ5は、携帯端末1のアプリAに、タイトル及び本文を含むPUSH通知の情報を送信する。アプリAは、PUSH通知により、タイトル及び本文を携帯端末1において出力する。
【0063】
本実施形態によれば、図1及び図5に示すように、携帯端末1において、複数のアプリA、Bについて、音声解析部21で生成された音声情報に基づく通知情報を適切に提供することができる。これにより、複数のアプリA、Bは、音声情報を基に通知情報を受信する機能を共有することができる。また、アプリA、Bの動作状態に応じて通知機能の制御が可能になる。例えば、登録された複数のアプリA、Bのうち少なくともいずれか1つがアクティブ状態であれば、非アクティブ状態のアプリについての音声情報が生成された場合に、この非アクティブ状態のアプリBに通知情報を提供するといった動作が可能である。
【0064】
また、本実施形態では、図4に示す端末アプリテーブルにおいて、アプリユーザID「USR_AAA」と「USR_BBB」が同じ通知対象ID「A0001」に対応付けられて記録される。これにより、アプリAのユーザID「USR_AAA」のユーザと、アプリBのユーザID「USR_BBB」のユーザが同一人物であることが紐づけられる。これを利用して、例えば、複数のアプリケーションによる複数のサービスを横断した情報を通知、又は、効果計測が可能になる。
【0065】
[実施形態2]
図6は、実施形態2におけるシステム全体の構成例を示す図である。図6に示すシステム構成では、携帯端末1が、サーバ3から、通知情報データを取得し、携帯端末1の記憶部12に記憶しておく。また、サーバ3は、アプリ情報対応データを用いて、携帯端末1にインストールされている複数のアプリケーションのアプリIDを取得し、端末にインストールされている複数のアプリIDに対応する通知情報を、記憶部36の通知情報データから抽出し、携帯端末1へ送信してもよい。これにより、携帯端末1は、携帯端末1でインストールされ、音声情報を利用する複数のアプリケーションの通知情報と音声情報との対応を示すデータを効率よく取得することができる。例えば、実施形態1と同様に、紐付け部24により、携帯端末1にインストールされたアプリケーションのアプリ/ユーザ情報と通知対象IDを含むアプリ情報対応データが、サーバ3に提供される。サーバ3は、アプリ/ユーザ情報で示されるアプリケーションの通知情報と、その通知情報に対応する音声情報を含む通知情報データを、通知対象IDにより特定される携帯端末1へ提供する。なお、サーバ3から携帯端末1への通知情報データの提供の形態はこれに限られない。例えば、携帯端末1のアプリケーションに関わらず、全ての通知情報又は、他の基準で選別された通知情報を含む通知情報データが、携帯端末1へ供給されてもよい。
【0066】
音声解析部21は、検出した音声から生成した音声情報に対応する通知情報が、記憶部12の通知情報データにある場合に、通知情報ID、通知対象ID、及びアプリIDをサーバ3に送信する。サーバ3の通知情報決定部32は、受信した通知情報IDに基づいて通知情報を決定し、通知先決定部33は、通知対象ID又はアプリIDに基づいて通知先としてのアプリユーザIDを決定する。通知情報供給部34が、通知情報とアプリユーザIDをアプリサーバに供給することで、アプリサーバから携帯端末1のアプリケーションへの通知情報が送信される。
【0067】
[実施形態3]
図7は、実施形態3におけるシステム全体の構成例を示す図である。図7に示す例では、通知情報決定部32及び通知先決定部33が、サーバ3ではなく、携帯端末1にある。そのため、携帯端末1の記憶部12に、通知情報データ及びアプリ情報対応データが記憶される。通知情報データについては、図6の場合と同様に、サーバ3から通知情報データが携帯端末1へ供給される。アプリ情報対応データは、紐付け部24が、携帯端末1のアプリケーションの情報すなわちアプリ/ユーザ情報を取得し、記憶部12にアプリ情報対応データとして記録する。通知情報決定部32及び通知先決定部33の処理は、実施形態1と同様に実行することができる。なお、図7の構成において、破線で示すように、紐付け部24は、アプリ/ユーザ情報及び通知対象IDをサーバ3の記憶部36にアプリ情報対応データとして記憶させてもよい。この場合、携帯端末1は、サーバ3からアプリ情報データを取得して携帯端末1の記憶部12に保存し、通知先決定部33からアクセス可能な状態とすることができる。これにより、サーバ3でアプリ情報対応データが管理される。そのため、例えば、携帯端末1に記憶されるデータが削除又は変更されても、アプリ情報対応データの情報を維持できる。
【0068】
(その他の変形例)
音声解析部により音声から抽出される音声情報は、音声フィンガープリントに限られない。例えば、音声信号に重畳された情報を復号化することにより得られた復号化情報を音声情報としてもよい。また、音声解析部の処理対象となる音声は、可聴域の音声に限られない。
【0069】
音声情報受信部31が携帯端末1からデータを受信する形態には、携帯端末1から直接データを受信する場合の他、携帯端末1から他のサーバへ送信されたデータを、当該他のサーバから受信する場合のように、間接的に受信する場合も含まれる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。
【符号の説明】
【0071】
1:携帯端末、2:携帯端末情報通知システム、3:通知情報提供システム(サーバ)、21:音声解析部、22:通知部、23:連携制御部、24:紐付け部、31:音声情報受信部、32:通知情報決定部、33:通知先決定部、34:通知情報供給部、35:音声情報登録部、36:記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7