(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】ヘッドレスト装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/897 20180101AFI20240520BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B60N2/897
A47C7/38
(21)【出願番号】P 2020200145
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】593141090
【氏名又は名称】日本テクニカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【氏名又は名称】竹中 一宣
(72)【発明者】
【氏名】山田 伸雄
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-143448(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102008050760(DE,A1)
【文献】特開2005-212653(JP,A)
【文献】特開2015-193356(JP,A)
【文献】特開2015-091687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/897
A47C 7/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに装着した対のブラケットに挿入された対のヘッドレストサポートと、この対のヘッドレストサポートに収められた対のヘッドレストステイを介し、前記シートに取付けられるヘッドレスト
と、を含むヘッドレスト装置であって、
前記シートの上面と、前記ヘッドレストの下面との間に空間を形成するために
、前記ヘッドレストステイの
位置を上下方向に調節する手段を備え
、
前記ブラケットの断面の形状は、台形形状であり、
前記ヘッドレストサポート及び前記ブラケットは、前記ヘッドレストへの上下、左右、前後方向からの荷重及び振動に対して、それぞれ荷重を吸収し振動を減衰する弾性を有した複数の支持部を有する構成としたヘッドレスト装置。
【請求項2】
前記ヘッドレストサポートの下端に
サポートブッシュ、及び/又は、緩衝材を付設し
た構成とした請求項1に記載のヘッドレスト装置。
【請求項3】
前記サポートブッシュは、前記ブラケット、又は前記ヘッドレストサポートの一つ、又は複数の係止部に係止する構成とした請求項2に記載のヘッドレスト装置。
【請求項4】
前記ブラケットの内底と前記ヘッドレストステイの外底の間に
ストッパ、及び/又は、緩衝材を設け
た構成とした請求項1に記載のヘッドレスト装置。
【請求項5】
前記ストッパは、前記ブラケットの内底と前記ヘッドレストステイの外底の間に、それぞれ係止する構成とした請求項4に記載のヘッドレスト装置。
【請求項6】
前
記ヘッドレストサポートの下端に荷重受けストッパ、及び/又は、緩衝材を付設する構成とした請求項1に記載のヘッドレスト装置。
【請求項7】
前記荷重受けストッパは、前記ブラケッ
トの上下端に備えた、一つ、又は複数の係止部に係止する構成とした請求項6に記載のヘッドレスト装置。
【請求項8】
前記ヘッドレストサポートにサポートキャップ
を取付ける構成とした請求項1に記載のヘッドレスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの上面と、ヘッドレストの下面との間に空間を形成し、ヘッドレストの小型化・軽量化、室内視認性確保、又は車内空気流通、或いは三密解消等を図るヘッドレスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヘッドレストとシートの関係は、例えば、
図19に示した構造がある。即ち、ヘッドレスト(1000)と、シート(1001)の関係を説明する分解した縮尺模式図において、シート(1001)を構成するアッパーフレーム(1002)には、対のブラケット(1003)が設けられており、このブラケット(1003)には、それぞれ対のヘッドレストサポート(1005)、及び対のヘッドレストステイ(1006)が差込み支持されることで、シート(1001)にヘッドレスト(1000)が装着され、かつシート(1001)の上面(1001a)と、ヘッドレスト(1000)の下面(1000a)の間には、原則として、空間Hは形成されずに装備される。
【0003】
従って、ヘッドレスト(1000)の小型化・軽量化、室内視認性確保、又は車内空気流通、或いは三密解消等の何れか一つ、又は複数の目的達成には、課題がある。
【0004】
その解決手段として、シート(1001)の上面(1001a)と、ヘッドレスト(1000)の下面(1000a)との間に空間Hを形成する一例として、例えば、ヘッドレストサポート(1005)、又はヘッドレストステイ(1006)の長さを確保する手段が考えられる。
【0005】
例えば、特開2004-345463号公報(文献(1))には、シートの上面と、ヘッドレストの下面との間に空間を形成するために、ヘッドレストサポート、又はヘッドレストステイの長さを確保する手段を備える構成としたヘッドレスト装置は開示されていない。即ち、文献(1)は、明細書の段落0096、
図20-
図23に示されている下側筒部材であり、この下側筒部材を、ヘッドレストサポート下側に付設するヘッドレスト支持構造である。この発明は、ヘッドレストサポート(ヘッドレストステイ)の振動防止と、がたつき防止である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、文献(1)において、振動防止と、がたつき防止に関しては、有効と思われる。しかし、本発明が意図する、例えば、シートの上面と、ヘッドレストの下面との間に空間を形成することで、ヘッドレストの小型化・軽量化、室内視認性確保、又は車内空気流通、或いは三密解消等の何れか一つか、複数を図るヘッドレスト装置としては、改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、本発明の目的達成とし、請求項1-8を提案する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1は、シートに装着した対のブラケットに挿入された対のヘッドレストサポートと、対のヘッドレストサポートに収められた対のヘッドレストステイを介し、シートに取付けられるヘッドレストと、を含むヘッドレスト装置であって、
シートの上面と、ヘッドレストの下面との間に空間を形成するために、ヘッドレストステイの位置を上下方向に調節する手段を備え、
ブラケットの断面の形状は、台形形状であり、
ヘッドレストサポート及びブラケットは、ヘッドレストへの上下、左右、前後方向からの荷重及び振動に対して、それぞれ荷重を吸収し振動を減衰する弾性を有した複数の支持部を有する構成としたヘッドレスト装置である。
【0010】
これにより、請求項1の効果は、例えば、シートの上面と、ヘッドレストの下面との間に空間を形成する。この空間形成で、ヘッドレストの小型化・軽量化とか、室内視認性確保、又は車内空気流通等を利用し、室内の清潔感確保と、及び/又は、三密解消が図れる。
【0011】
請求項2は、ヘッドレストサポートの下端にサポートブッシュ、及び/又は、緩衝材を付設した構成としたヘッドレスト装置である。
【0012】
これにより、請求項2の効果は、請求項1と同じとなり、かつこの効果達成に役立つ、サポートブッシュを提供できる。
【0013】
請求項3は、サポートブッシュは、ブラケット、又はヘッドレストサポートの一つ、又は複数の係止部に係止する構成としたヘッドレスト装置である。
【0014】
これにより、請求項3の効果は、請求項2と同じとなり、かつこの効果達成に役立つ、サポートブッシュの構造を開示できる。
【0015】
請求項4は、ブラケットの内底とヘッドレストステイの外底の間にストッパ、及び/又は、緩衝材を設けた構成としたヘッドレスト装置である。
【0016】
これにより、請求項4の効果は、請求項1と同じとなり、かつこの効果達成に役立つ、ストッパを提供できる。
【0017】
請求項5は、ストッパは、ブラケットの内底とヘッドレストステイの外底の間に、それぞれ係止する構成としたヘッドレスト装置である。
【0018】
これにより、請求項5の効果は、請求項4と同じとなり、かつこの効果達成に役立つ、ストッパを提供できる。
【0019】
請求項6は、ヘッドレストサポートの下端に荷重受けストッパ、及び/又は、緩衝材を付設する構成としたヘッドレスト装置である。
【0020】
請求項7は、荷重受けストッパは、ブラケットの上下端に備えた、一つ、又は複数の係止部に係止する構成としたヘッドレスト装置である。
【0021】
請求項8は、ヘッドレストサポートにサポートキャップを取付ける構成としたヘッドレスト装置である。
【0022】
これにより、請求項6-8の効果は、請求項1と同じとなり、かつこの効果達成に役立つ、荷重受けストッパ、又はサポートキャップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ヘッドレストとシートの関係を説明する分解した全体の縮尺模式図
【
図2】第1実施例(ブッシュを取付けた例)の斜視図
【
図7】第1実施例のブラケットとヘッドレストサポート、及びヘッドレストステイの関係を示した拡大断面図
【
図8】第1実施例の別のブラケットとヘッドレストサポート、及び別のヘッドレストステイの関係を示した、(イ)は拡大断面図、(ロ)は係止関係の要部を示した断面図、(ハ)はステイを除いて全体視した、正面方向より視認した一部を可視化した断面図
【
図9】第1実施例のさらに別のブラケットとヘッドレストサポート、及び別のヘッドレストステイの関係を示した、(イ)は拡大断面図、(ロ)は方形状のブラケットを採用した要部の端面図、(ハ)は異形状のブラケットを採用した要部の端面図、(ニ)は要部の拡大断面図、(ホ)は他の要部の拡大断面図、(ヘ)はステイを除いて全体視した正面方向より視認した一部を可視化した断面図
【
図10-1】第1実施例で、その他のブラケットとヘッドレストサポート、及び他のヘッドレストステイの関係を示した、(イ)は拡大断面図、(ロ)は方形状のブラケットを採用した要部の端面図、(ハ)は異形状のブラケットを採用した要部の端面図、(ニ)は要部の拡大断面図
【
図10-2】
図10-1のステイを除いて全体視した側面方向より視認した一部を可視化した断面図
【
図11】第2実施例(荷重受けストッパを取付けた例)で、荷重受けストッパとブラケットとヘッドレストサポート、及びヘッドレストステイとの係止関係を示した、(イ)は拡大断面図、(ロ)は要部の拡大断面図、(ハ)はステイを除いて全体視した正面方向より視認した一部を可視化した図
【
図12】第2実施例(荷重受けストッパを取付けた例)で、さらに他の荷重受けストッパとブラケットとヘッドレストサポート、及びヘッドレストステイとの係止関係を示した要部の拡大断面図
【
図13】第2実施例の他の例で、(イ)は断面図、(ロ)は(イ)における底部の形状を示す表、(ハ)はブラケットの突起と、ステイの孔の別の一例を示した要部断面図
【
図17】第3実施例(キャップを取付けた例)の断面図
【
図18】第3実施例を全体視した、(イ)は要部でブラケットが方形状の端面図、(ロ)は要部でブラケットが異形状の端面図
【
図19】従来のヘッドレスト(1000)と、シート(1001)の関係を説明する分解した縮尺模式図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の各実施例を、図面を参照し順次説明するが、図面、及び/又は、説明に限定されず、一つの態様である。
【0025】
図1の如く、ヘッドレストAは、シート1の上面1aに配備されているアッパーフレーム2(骨格)に配備したヘッドレストサポート用の対のブラケット3、3(ブラケット3とする)に支持される対のヘッドレストサポート5、5(サポート5とする)、及びこのサポート5に差込み支持される対のヘッドレストステイ6、6(ステイ6とする)でシート1に取付けられる。ブラケット3は方形状、又は
図9(ハ)に示す異形状のいずれでもよい。尚、アッパーフレーム2はパイプ形状、又は板形状、その他プレス形状のいずれでもよい。
【0026】
そして、基本の構造は、シート1に装着されるブラケット3に挿入された対のヘッドレストサポート5と、このヘッドレストサポート5に収められヘッドレストステイ6を介し、前記シート1に取付けられるヘッドレストAにおいて、シート1の上面1aと、ヘッドレストAの下面Aaとの間に空間Hが形成される。この空間Hが形成されることで、例えば、空間Hで、ヘッドレストAの小型化・軽量化とか、車内における室内視認性確保、又は車内の空気流通等を利用し、車内の清潔感確保、及び/又は、昨今必要な、タクシー等の三密解消が図れることが思量される。尚、ブラケット3は後述する荷重を受ける有底形状(内底)とする。また、ステイ6は、原則として、絞りと孔付き底部(外底)にする。この外底には緩衝効果がある。
【0027】
以下、空間Hが形成される、好ましい、各実施例を説明する。
【0028】
第1実施例を示す、
図2-
図10-2において、サポート5(及び/又は、後述するステイ6の場合も有り得る)の長さを確保する手段として有底形のブッシュ10(このブッシュ10は、空間H寸法を備える)を追加した構造とする。即ち、従来のサポート(1005)の長さに、ブッシュ10の長さを加えた長尺化を図る。これにより、シート1の上面1aと、ヘッドレストAの下面Aaとの間に空間Hを形成できる特徴がある。
【0029】
そして、
図2~
図7の如く、このブッシュ10を、サポート5の下端5aに取付ける(備える)。取付ける位置は、従来のサポート(1005)の下端と考える。勿論、一体形状も有り得る。この例においては、ブラケット3は、従来のブラケット(1003)と同じ形態とするが、一例である。尚、ブラケット3にサポート5を差込み支持する方法は、従来と同様に、ブラケット3に設けた係止開口300に、サポート5の係止片501を嵌合係止し、所定の箇所に固止する。またサポート5とブラケット3に抜け止め構造を設けることも有り得る。そして、ステイ6は、原則として、従来のステイ(1006)と同寸である(各実施例も同じ)。しかし、望ましくは、長寸とする(各実施例も同じ)。図中600はステイ6の押圧部である。押圧部600の作用は後述する。そして、ステイ6の下端に、空間、及び/又は、絞込み等を形成することで、衝撃緩衝効果を図る(各実施例)。
【0030】
尚、
図8~
図10-2は、第1実施例の別の実施例であり、ブラケット3の係止開口300にサポート5の係止片501を可撓係止する方法であり、ステイ6の差込み支持で、サポート5の係止片501を、ステイ6の押圧部600を利用して周壁外方に押圧する。また、係止片501の周辺内方への保持を図るために、自由時はステイ6の段部601(押圧部600を構成する)に納められる構造を採用する。
【0031】
図8(イ)~(ハ)において、その基本構造は、前述の
図7の構造に近似しており、ブラケット3の下端等の適所に設けた係止開口300に、サポート5の凸片503(ヘッドレストA全体の荷重を受ける荷重受けストッパ、符号11と同じである)が係わる構造であって、ステイ6を押し込むことで、凸片503が押されて、係止開口300に収まり、かつ係止する構造である。また、サポート5の一個又は複数個のバネ片500(各実施例も同じ)を、ブラケット3の内壁、及びその空間に添設係止する。主としてサポート5のブラケット3からのズレ防止、振動防止等を図る(他の例も同じ)。また、サポート5の一個又は複数個の凸片503(ヘッドレストA全体の荷重を受ける荷重受けストッパと同じ)は、ブラケット3の一個又は複数個の係止開口300に差込み、かつ係止されることと、凸片503の上辺に係止部503aを形成する。
【0032】
図9(イ)~(ヘ)において、その基本構造は、前述の
図7、
図8の構造に近似しており、サポート5には、撓み片505と、この撓み片505に繋がる繋ぎ片506を介して、平面視して、二股形態か、又は一条形態(例えば、後述する補助突起504)を備えた凸片503b、503cを設ける。また、ステイ6には押圧部600、及び段部601を構成する。この撓み片505、及び凸片503b、503cは、ブラケット3の下端等の適所に設けた一個又は数個の係止開口300(各実施例も同じ)に、それぞれ係止(挿設)、かつ支持される。尚、507はステイ6とサポート5の間に形成した空間であり、撓み片505のスプリング機能用の空間となる。そして、フレーム2へのサポート5と、ステイ6等の取付位置、及び空間Hと、脱抜、その他ズレ防止、振動防止等を確保できる。その他、又は差込み、脱抜による使用等は、前述の各実施例に準ずる。また、前記繋ぎ片506は凸片503bと凸片503cを繋ぐ構造であり、この凸片503bと凸片503cの動作は同期する。
【0033】
次に、
図10-1(イ)~(ニ)と
図10-2において、その基本構造は、前述の
図7の構造に近似しており、ブラケット3の下端等の適所に設けた係止開口300に、サポート5の係止片501が係わる構造であって、ステイ6を押し込むことで、係止片501が押されて、係止開口300に収まる構造である。図中504は係止片501の補助突起であり、補助突起504は、必要により係止片501に付設されており、この係止片501を補助し、かつ亀裂等を防止する。また、
図10-1(ロ)の図中601は、ステイ6の押込み用内向き段部であり、段部601で、係止片501の操作を司る。そして、段部601、係止片501等は、荷重を逃れること、及び強度維持等を意図し、傾斜面を備える。
【0034】
尚、この構造は、前述の
図7に準ずる。尚、この係止開口300、係止片501、又は段部601の個数、及び/又は、これらを、両側に対で設けること等は、適宜変更できる。例えば、ブラケット3、サポート5、又はステイ6の寸法とか、係止箇所により適宜変更されることも有り得る。
【0035】
また、前述した
図10-1の例では、ステイ6の荷重を受け止める手段を示しており、ブラケット3の係止開口300には、サポート5の係止片501に、対で設けた凸部(符号なし)の一方を、掛け止め係止し受け止め、及び/又は、サポート5の係止片501に、対で設けた凸部の他方には、ステイ6の段部601を、掛け止め係止し、このサポート5を受け止め、それぞれの位置を確保する。
【0036】
第2実施例の一連を示す、
図11(イ)~(ハ)において、その基本構造は、前述の
図9と
図10-1の構造を踏襲する。その共通点は、少なくとも、
図9の撓み片505、繋ぎ片506と、空間507、及び
図10-1の係止片501、補助突起504等の組合せであり、かつステイ6の押圧部600、段部601も含む構造である。その使用態様とか、動作、特徴等は、
図9と
図10-1の構造に準ずる。その他は、又は差込み、脱抜による使用等は、前述の
図9と
図10-1の実施例と、各実施例に準ずる。
【0037】
図12-
図16は、第2実施例の他の各例を示しており、サポート5(及び/又は、後述するステイ6の場合も有り得る)の長さを確保する手段として、ヘッドレストAの重さと衝撃を受けえる荷重受けストッパ11(ストッパ11は、空間Hの寸法を備え、ヘッドレストA全体の荷重を受ける。)を追加した構造とする。即ち、従来のサポート(1005)の長さに、ストッパ11の長さを加えた長尺化を図る。これにより、シート1の上面1aと、ヘッドレストAの下面Aaとの間に空間Hを形成できる特徴がある。
図13、
図14は後述する他の構造の係止部(突起(い)及び突起(ろ)と孔(は))を示している。
【0038】
図13(イ)では、ステイ6に突起(い)、(ろ)を備えた緩衝材として機能する底形ブッシュ12を設けて、長さを確保する手段とする。突起(い)は、ステイ6の底部に設けた係止孔(符号なし)に、突起(ろ)は、ブラケット3の底部の孔3dに係止されることで、衝撃時の底形ブッシュ12のズレ・衝撃防止となり得る(その他の長さを確保する手段も同じ)。この突起(い)と孔3dは、無い場合もあり、その有無を、表として
図13(ロ)に示す。
図13(イ)は、この表における4の例である。尚、
図13(イ)では、ブラケット3の一方の底部自由端3bが孔(は)に係止された状態を示している。
図13(ハ)は、ブラケット3の底部に、上方に向かって突起3eを設けた例である。この突起3eは、ステイ6の底面の係止孔(符号なし)に差込み支持されて、一体化が図れる。また、
図14は、ブラケット3の一方の底部自由端3bが、他方の側部自由端3cに設けた孔(は)に差込み式に係止、又は添接され、かつブラケット3を有底形状とする前の状態を示している。即ち、底部自由端3bと、側部自由端3cは、差込み支持(
図13(イ))と、開放(
図14)とが図れる。この底形ブッシュ12の取り込み、交換等の有利性、形態保持等の有利性を確保する。尚、一方の底部自由端3bは、底部形成を図り、かつ他方の側部自由端3cは、側部形成を図り、得る構造である。また、底形ブッシュ12は、前述の通り、上下の突起(い)、(ろ)を備え、この突起(い)、(ろ)は、ブラケット3の底部の孔3d、及び/又は、ステイ6の底部に設けた係止孔(符号なし)に、それぞれ差込み係止、又は取外しできる構造とする。尚、以上述べた例は一例であって、突起(い)、(ろ)、及び孔3dは、無い場合もあり得る。
【0039】
そして、
図15、
図16の例では、第2実施例の別の実施例であり、ステイ6の下端6aに延長部(符号なし、空間H寸法を確保する長さ)を設け、この延長部の側部6bに係止用の孔6cを形成し、この孔6cにサポート5の係止片501を差込み係止し、ステイ6の位置を決定する(空間H寸法を確保する)。その他は、前述の第1・第2実施例に準ずる。
図16は係止ストッパ602を示した、本体部の横断面図である。
【0040】
第3実施例の一連を示す、
図17、
図18において、サポート5(及び/又は、後述するステイ6の場合も有り得る)の長さを確保する手段として、キャップ14(キャップ14は、空間H寸法を備える)を追加した構造とする。即ち、従来のサポート(1005)の長さに、キャップ14の長さを加えた長尺化を図る。これにより、シート1の上面1aと、ヘッドレストAの下面Aaとの間に空間Hを形成できる特徴がある。
図18(イ)は方形型を、(ロ)は異形型を示すが、一例である。
【0041】
その他の、例えば、機能、又は使用等は、前述の第1・第2実施例に準ずる。
【0042】
尚、第3実施例では、
図18の如く、サポート5は、平面視して、異なる異形断面を示すこともあり、一部の角部に、他の角部とは異なる空間面積Iを設けてある。機能、又は使用等は、第1・第2実施例に準ずる。
【0043】
なお、図示しないが、ブラケット3の下に設けた補助部材(図示しない)に、ステイ6を差込み支持することもできる。
【0044】
本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での
種々の変更が可能である。例えば、各請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を
組み合わせて得られる実施のそれぞれの形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 シート
1a 上面
2 フレーム
3 ブラケット
3a 下端
3b 自由端
3c 自由端
3d 孔
3e 突起
300 係止開口
5 サポート
5a 下端
500 バネ片
501 係止片
502 係止ストッパ
503 凸片
503a 係止部
503b 凸片
503c 凸片
504 補助突起
505 撓み片
506 繋ぎ片
507 空間
6 ステイ
6a 下端
6b 側部
6c 孔
600 押圧部
601 段部
602 係止ストッパ
10 ブッシュ
11 荷重受けストッパ
12 底形ブッシュ
14 キャップ
1000 ヘッドレスト
1000a 下面
1001 シート
1001a 上面
1002 フレーム
1003 ブラケット
1005 サポート
1006 ステイ
A ヘッドレスト
Aa 下面
H 空間
I 空間面積
(い) 突起
(ろ) 突起
(は) 孔