(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】合成皮革、及び該合成皮革の製造方法
(51)【国際特許分類】
D06N 3/00 20060101AFI20240520BHJP
D06N 3/06 20060101ALI20240520BHJP
D06N 3/14 20060101ALI20240520BHJP
D03D 11/00 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
D06N3/00
D06N3/06
D06N3/14
D03D11/00 Z
(21)【出願番号】P 2023221003
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2024-01-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510206039
【氏名又は名称】スミノエ テイジン テクノ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】錦戸 宏
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 泰司
【審査官】印出 亮太
(56)【参考文献】
【文献】実開昭49-098470(JP,U)
【文献】特開昭49-085204(JP,A)
【文献】特開昭61-063781(JP,A)
【文献】特開2006-342436(JP,A)
【文献】特開2017-222961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06N 3/00
D03D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基層と、
前記基層の表面に積層一体化された表皮層と、を備え、
前記基層は重ね組織織物からなり、
前記表皮層の表面には、加熱処理によって形成された
前記重ね織物の組織由来の微細凹凸意匠と、高低差の大きい膨らみによる凹凸意匠を有し、
前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)にお
いて、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【請求項2】
前記重ね組織織物の表地と裏地の間にアンコ糸を有する請求項1に記載の合成皮革。
【請求項3】
前記表皮層が、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有する請求項1又は2に記載の合成皮革。
【請求項4】
基層と、前記基層の表面に積層一体化された表皮層と
、を備えた合成皮革の製造方法であって、
前記基層
は重ね織物からなり、前記基層
に接着層を介して表面層を積層する積層工程と、
前記積層工程によって得られた積層体を加熱する加熱工程と、を含み、
加熱処理によって形成された
前記重ね織物の組織由来の微細凹凸意匠と、高低差の大きい膨らみによる凹凸意匠有し、前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革の製造方法。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【請求項5】
前記積層工程の前に、前記基層をプリセットするプリセット工程をさらに含む請求項4に記載の合成皮革の製造方法。
【請求項6】
前記基層は合成繊維を含んでなり、
前記プリセット工程では、温度110℃~160℃の範囲であり、
前記加熱工程では、前記プリセット工程の温度より高い温度範囲で処理する請求
項5に記載の合成皮革の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成皮革、及び該合成皮革の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成皮革は鞄から衣料、座席等に広く用いられている。このような合成皮革の表面には微細なシボ模様をはじめ凹凸形状が形成され、意匠性が高められている。合成皮革の表面にシボ模様を形成するには、予めシボ模様を有する離型紙に合成樹脂を塗布して離型紙のシボ模様を転写する方法(例えば特許文献1)や表面にシボ模様を彫刻等により施されたエンボスロールによって押圧(エンボス加工)することで合成樹脂の表面にシボ模様を形成する方法(例えば特許文献2)が知られている。なお、エンボス加工ではシボ模様よりもっと高低差のある凹凸模様を施したエンボスロールを用い、深いエンボス模様を形成することも行われている。また、離型紙とエンボスロールによる方法の他に、糸の熱収縮により合成皮革状物の表面に凹凸状の皴を生じさせ模様状にすることも行われている(例えば特許文献3)。
【0003】
引用文献1は、離型紙上に、合成樹脂溶液を塗布し、加熱乾燥したあと接着剤を介して基布を貼合させた、乾燥し離型紙を剥離し天然シボ模様の合成皮革の製造法を開示している。また、引用文献2は、人造皮革の表地とクッション材が積層一体化された積層シートを加熱エンボスロールと対向配置されるヒートロールの間を通過させて表地に凹みを形成する方法を開示している。また、引用文献3は、熱収縮の大なる糸を織り込んだ二重織物において熱収縮の大なる糸を含まない部分を模様状の表側に現出させた織物に染色性を有するフィルムを貼り合わせついでその織物を収縮させ凹凸のきわめて大きな皴を生じた部分を模様状に有し凸部は濃色に凹部は淡色に染色された合成皮革状物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭50-25703号公報
【文献】特開2016-147432号公報
【文献】実開昭49-98470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の合成皮革の製造法では、汎用性のあるシボ模様を有する離型紙を用いて表面にシボ模様を付与できるが、独自に新たなシボ模様を合成皮革の表面に形成するには新たに専用のシボ模様の離型紙を作成することになる。さらに、離型紙のシボ模様を転写する方法のため、合成皮革の表面の凹凸の高低差を大きくするのには限界があり、意匠性をさらに向上させることは難しい。また、特許文献2のエンボスロールを用いる方法は、凹凸柄を変更することで新たな意匠を付与できるが、当然高価なエンボスロールを用意しなければならない。そのうえ一般にエンボスロールの凸部で加熱・押圧された部分はテカリが発生しやすく、凸部が接しない部分とで望まない光沢差が生じる恐れがあることに加え、凸部の強度と押圧との関係で、繊細な柄を付与し難い。また、特許文献3の合成皮革状物は、凹凸の大きな皴のある部分が水玉模様にちりばめられ、凸部は濃く凹部は淡く染められた合成皮革状物であったが、意匠性に改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであり、特許文献1及び特許文献2の技術を用いなくても、表面に凹凸模様を有する合成皮革を提供することであり、凹部のテカリ(光沢)もなく特許文献3の技術による凹凸のきわめて大きな皴模様だけでは得られない意匠として、表面に膨らみ感が十分にあり、基層となる織物の組織を活かした凹凸模様を有する合成皮革、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]基層と、
前記基層の表面に積層一体化された表皮層と、を備え、
前記基層は重ね組織織物からなり、
前記表皮層の表面には、加熱処理によって形成された前記重ね織物の組織由来の微細凹凸意匠と、高低差の大きい膨らみによる凹凸意匠を有し、
前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)にお
いて、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【0009】
[2]前記重ね組織織物の表地と裏地の間にアンコ糸を有する請求項1に記載の合成皮革。
【0010】
[3]前記表皮層が、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有する請求項1又は2に記載の合成皮革。
【0011】
[4]基層と、
前記基層の表面に積層一体化された表皮層と、を備えた合成皮革の製造方法であって、
前記基層は重ね織物からなり、前記基層に接着層を介して表面層を積層する積層工程と、
前記積層工程によって得られた積層体を加熱する加熱工程と、を含み、
加熱処理によって形成された前記重ね織物の組織由来の微細凹凸意匠と、高低差の大きい膨らみによる凹凸意匠を有し、前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする合成皮革の製造方法。
(1)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
(2)前記表皮層に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【0012】
[5]前記積層工程の前に、前記基層をプリセットするプリセット工程をさらに含む請求項4に記載の合成皮革の製造方法。
【0013】
[6]前記基層は合成繊維を含んでなり、前記プリセット工程では、温度110℃~160℃の範囲であり、前記加熱工程では、前記プリセット工程の温度より高い温度範囲で処理する請求項5に記載の合成皮革の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
[1]の発明では、従来のシボ模様の離型紙及びエンボス加工による技術を用いなくても表面に凹凸模様を有する合成皮革を提供でき、凹部のテカリ(光沢)もなく織物の収縮による凹凸のきわめて大きな皴模様だけでは得られない意匠として、前記基層となる織物の組織を活かした凹凸模様を有する合成皮革を提供できる。
【0015】
[2]の発明では、より確実に凹凸を形成しやすい。
【0016】
[3]の発明では、耐久性や風合いの向上が期待できる。
【0017】
[4]の発明では、前記凹凸意匠の凹部にテカリ(光沢)もなく、前記基層となる織物の組織を活かした凹凸模様をより形成し易く、しかも前記表皮層の凹凸模様の高低差が大きな合成皮革の製造方法を提供できる。
【0018】
[5]の発明では、前記基層に前記接着層を介して表面層を積層する際に、前記基層の表面を平面にしやすく、意図しない皴の発生を抑えやすい。プリセットすることで、前記積層工程の際に前記基層にシワが発生することを抑制し前記基層の表面を平滑な状態とすることができる。なお、前記基層に組織感があるものであっても、前記表面層や前記接着層を均一に積層することができ、前記加熱工程により一段と凹凸模様を得ることができる。
【0019】
[6]の発明では、前記基層を構成する前記経糸及び/又は前記緯糸の一部が熱収縮することで、前記表皮層に凹凸模様を形成しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の断面模式図(織物の組織由来の凹凸模様のある凹凸意匠)
【
図3】実施例1の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図4】実施例2の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図5】実施例3の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図6】実施例4の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図7】実施例5の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図8】実施例6の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図9】実施例7の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図10】比較例1の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図11】比較例2の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図12】比較例3の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図13】比較例4の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【
図14】比較例5の説明図(基層と表皮層(図の上部)を積層一体化した後に、さらに熱処理後の断面模式図)
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る合成皮革および製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る合成皮革および製造方法を、合成皮革およびその製造方法に適用した例について説明する。
【0022】
〔合成皮革の構成〕
本実施形態に係る合成皮革1は基層2、表皮層3を含み、表皮層3は表面層4及び接着層5を有する(
図1)。接着層5は、一面側において基層2と接し、他面側において表面層4と接している。合成皮革1は、たとえば自動車の座席に使用されるものであり、表皮層3の表面には凹凸模様が施されている。なお、
図1は合成皮革1の層構造を模式的に示すものであり、
図1における各部の厚さの比率は正確ではない。
【0023】
基層2は、生地を含む。かかる生地は、たとえば、織物、ダブルジャージ、トリコット、ダブルラッセルなどでありうるが、これらに限定されない。
【0024】
基層2に含まれる生地は、例えば目付が100g/m2以上500g/m2以下でありうる。さらには、目付が150g/m2以上350g/m2以下であることがより好ましい。生地の目付が150g/m2以上であると、合成皮革1の触感(クッション性など)が良好になりやすい。また、生地の目付が350g/m2以下であると、合成皮革1の剛軟度が自動車の座席への使用に適した範囲になりやすい。
【0025】
表面層4は、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種の樹脂を含有する。表面層4の重量は特に限定されないが、ポリウレタン系樹脂の場合は、たとえば20g/m2以上300g/m2以下でありうる。さらには、重量が30g/m2以上150g/m2以下であることがより好ましい。ポリ塩化ビニル系樹脂の場合は、たとえば重量が100g/m2以上400g/m2以下でありうる。さらには、重量が150g/m2以上250g/m2以下であることがより好ましい。また、表面層は2層以上であってもよい。なお、表面層4を構成する樹脂には発泡剤を含んでもよいが、含まない方が好ましい。
【0026】
接着層5は、合成皮革の分野で一般的に使用される接着剤を含みうる。かかる接着剤としては、たとえばポリウレタン系樹脂あるいはポリ塩化ビニル系樹脂を含む接着剤が例示される。接着層5の重量は特に限定されないが、たとえば重量が60g/m2以上250g/m2以下でありうる。さらには、重量が70g/m2以上150g/m2以下であることがより好ましい。
【0027】
〔合成皮革の製造方法〕
次に、本実施形態に係る合成皮革1の製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法では、合成皮革1の製造工程が第一段階、第二段階、および第三段階の三段階に分けて実施される。
【0028】
第一段階では、ドビー織機あるいはジャカード織機で製織し生機を作成した後、プリセット工程でプリセット(熱処理)を行い基層が得られる。
【0029】
第二段階では、表皮層3と基層2が積層一体化された合成皮革1を形成する工程が実施される。具体的には、離型紙の供給源(たとえばロール状である。)から送り出された離型紙に対して、ポリウレタン樹脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂の塗布および熱処理が行われて、離型紙の上に表面層4が形成される。次に、表面層4の離型紙の反対面側に接着層5を形成する工程が実施される。具体的には、離型紙の上に形成された表面層4に対して、離型紙の反対面側に接着剤を塗布、熱処理が行われ、続いて、接着層5に基層2を接着する工程が実施される。具体的には、離型紙の上に形成された表面層4および接着層5の上に、基層2を貼り合わせる。最後に、表面層4及び接着層5とから成る表皮層3と基層2が一体化された積層から離型紙が剥離されて、合成皮革1が得られる。
【0030】
第三段階では、表面層4及び接着層5を有する表皮層3と基層2が積層一体化された合成皮革1に凹凸意匠を形成する工程が実施例される。具体的には、第二段階で得られた表面層4及び接着層5を有する表皮層3と基層2が積層一体化された合成皮革1に熱処理を行うことで凹凸模様が形成される。
【実施例】
【0031】
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。なお、表1に各実施例、比較例の内容、及び評価結果を示す。織物織機は、柄出し装置の違いによる、ドビー織機とジャカード織機の2種類がある。ドビー織機は、比較的小柄で簡単な組織表現が可能な綜絖枠を備えた装置であり、ジャカード織機は、大柄で複雑な組織表現が可能な綜絖を備えた装置である。いずれも、重ね組織を表現することができる機構を備えた織機である。以下の各実施例、各比較例において、タテ糸密度180本/inchのジャカード織機を使用し、重ね組織である、2重組織もしくは、3重組織を作成する。重ね組織織物においては、経糸(タテ糸)、緯糸(ヨコ糸)ともにアンコ糸を除いて各々2系列の糸で構成される。例えば、下記の実施例1のタテ糸では
図3の6の系列と
図3の7の系列、ヨコ糸では
図3の8の系列と
図3の9の系列で構成される。なおアンコ糸とは表地と裏地の間の空間(袋部)に配置された経糸(タテ糸)、もしくは緯糸(ヨコ糸)、もしくは、経糸(タテ糸)・緯糸(ヨコ糸)の両方に配置された糸をいう。作成された2重組織、もしくは3重組織は、後工程で、熱をかけることにより、凹凸模様の柄が発現するが、製織後の生機段階では加熱後に比べてプレーンな膨らみ感の少ないものとなっている。以下の各実施例と各比較例の重ね組織の説明において、基層2の表皮層3と接する側を表地、表地に対向する側を裏地、タテ糸が表地において連続してヨコ糸に絡む数をF、タテ糸が裏地において連続してヨコ糸に絡む数をRと表す。例えば、各系列においてタテ糸が表地において連続してヨコ糸8本に絡む場合はF8、タテ糸が裏地において連続してヨコ糸3本に絡む場合はR3と表す。また、乾熱収縮率とは130℃×3分乾熱における収縮率を表す。
【0032】
<実施例1>
図3の6のタテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が3%である84T/36/2ポリエステル染色糸、
図3の7のタテ糸(F3、R8)には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2ポリエステル原着糸、
図3の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が3%である167T/48/3 ポリエステル染色糸、
図3の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸を使用し、ジャカード織機で
図3に示す2重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、離型紙上に、ポリウレタン樹脂配合液を乾燥重量で72g/m
2になるように塗布、80℃にて乾燥することで離型紙上に表面層4を作成し、その表面層4の上に更にポリウレタン樹脂接着剤配合液を乾燥重量で123g/m
2になるように塗布し、90℃で乾燥することで接着層5を作成することにより、表面層4と接着層5が積層一体化された表皮層3を作成した直後に、前記の基層2の表面を離形紙上の接着層5の面に重ね圧着し24時間熟成を行った後に離型紙を剥離することで、基層2と表皮層3が積層一体化された合成皮革が得られた。その後、前記の合成皮革にプリセットより高い温度の130℃にて熱処理を行うことで、基層2の熱収縮が生じることにより表皮層3に凹凸意匠が発現された418g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「4~5級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「4級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「4~5級」であった。
【0033】
<実施例2>
図4の6のタテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図4の7のタテ糸(F3、R8)には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2 ポリエステル原着糸、
図4の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸、
図4の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸を使用し、ジャカード織機で
図4に示すように
図3とは異なり、
図4の7のタテ糸が
図4の8のヨコ糸に絡む接結(
図4の11)がある2重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、412g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「4~5級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「4級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「4~5級」であった。
【0034】
<実施例3>
実施例1と同様の糸素材の組合せに、更に
図5の10のヨコ糸にはアンコ糸として乾熱収縮率が31%である84T/36/3 ポリエステル加工糸を追加し、ジャカード織機で
図5に示す3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、472g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「5級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「5級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「5級」であった。
【0035】
<実施例4>
図6の6のタテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図6の7のタテ糸(F3、R8)には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2 ポリエステル原着糸、
図6の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が30%である167T/48/3 ポリエステル加工糸、
図6の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸を使用し、更に
図6の10のヨコ糸にはアンコ糸として乾熱収縮率が31%である84T/36/3 ポリエステル加工糸を追加し、ジャカード織機で
図6に示す3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、
図16のような490g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「5級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「5級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「5級」であった。
【0036】
<実施例5>
実施例4と同様の糸素材の組合せで、ジャカード織機で
図7に示すように
図6とは異なり、
図7の7のタテ糸が
図7の8のヨコ糸に絡む接結(
図7の11)がある3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、482g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「5級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「4級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「5級」であった。
【0037】
<実施例6>
図8の6のタテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が3%である84T/36/2 ポリエステル染色糸、
図8の7のタテ糸(F3、R8)には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図8の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が3%である167T/48/3 ポリエステル染色糸、
図8の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が31%である84T/36/3 ポリエステル加工糸を使用し、更に
図8の10のヨコ糸にはアンコ糸として、乾熱収縮率が31%である84T/36/3 ポリエステル加工糸を追加し、ジャカード織機で
図8に示すように実施例5と同様の接結がある3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、465g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「5級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「4級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「5級」であった。
【0038】
<実施例7>
実施例4と同様の糸素材の組合せで、ジャカード織機で
図9に示すように
図9の7のタテ糸が
図9の8のヨコ糸に絡む接結(
図9の11)がある3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、475g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「4級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「4級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「4級」であった。
【0039】
<実施例8>
実施例4と同じ基層2を使用し、離型紙上に、ポリ塩化ビニル樹脂配合液を熱処理後重量で170g/m2になるように塗布、180℃にて熱処理することで離型紙上に表面層4を作成し、その表面層4の上に更にポリウレタン樹脂接着剤配合液を乾燥重量で123g/m2になるように塗布し、90℃で乾燥することで接着層5を作成することにより表面層4と接着層5が積層一体化された表皮層3を作成した直後に、前記の基層2の表面を離形紙上の接着層5の面に重ね圧着し24時間熟成を行った後に離型紙を剥離することで、基層2と表皮層3が積層一体化された合成皮革が得られた。その後、前記の合成皮革にプリセットより高い温度の130℃にて熱処理を行うことで、基層2の熱収縮が生じることにより表皮層3に凹凸意匠が発現された588g/m2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「4級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「4級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「4級」であった。
【0040】
<比較例1>
図10の6のタテ糸には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図10の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が30%である167T/48/3 ポリエステル加工糸を使用し、ジャカード織機で
図10に示す1重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、421g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「1~2級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「3級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「2級」であった。
【0041】
<比較例2>
図11の6のタテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2 ポリエステル原着糸、
図11の7のタテ糸(F3、R8)には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図11の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸、
図11の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が30%である167T/48/3 ポリエステル加工糸を使用し、ジャカード織機で
図11に示す2重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、
図17のような410g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「1級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「3級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「2級」であった。
【0042】
<比較例3>
図12の6タテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2 ポリエステル原着糸、
図12の7(F3、R8)のタテ糸には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2 ポリエステル原着糸、
図12の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸、
図12の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が37%である167T/48/3 ポリエステル原着糸を使用し、更にヨコ糸に
図12の10のアンコ糸として乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸を追加し、ジャカード織機で
図12に示す3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、
図17のような471g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「3~4級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「2級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「2級」であった。
【0043】
<比較例4>
図13の6(F8、R3)のタテ糸には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図13の7(F3、R8)のタテ糸には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図13の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が31%である84T/36/3 ポリエステル加工糸、
図13の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が30%である167T/48/3 ポリエステル加工糸を使用し、更に
図13の10のヨコ糸にはアンコ糸として熱収縮率が31%である84T/36/2 ポリエステル加工糸を追加し、ジャカード織機で
図13に示す3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、477g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「2級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「2~3級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「2~3級」であった。
【0044】
<比較例5>
図14の6のタテ糸(F8、R3)には、乾熱収縮率が38%である84T/36/2 ポリエステル原着糸、
図14の7のタテ糸(F3、R8)には、乾熱収縮率が30%である84T/36/2 ポリエステル加工糸、
図14の8のヨコ糸には、乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸、
図14の9のヨコ糸には、乾熱収縮率が30%である167T/48/3 ポリエステル加工糸を使用し、更に
図14の10のヨコ糸にはアンコ糸として乾熱収縮率が39%である84T/36/3 ポリエステル原着糸を追加し、ジャカード織機で
図14に示す3重組織にて製織し生機を作成した後、120℃でプリセット加工を行い基層2を得た。続いて、実施例1と同様の加工を行い、479g/m
2の合成皮革を得た。評価結果は、膨らみ感を表現する高低差「1級」、織物の緻密な組織を表現する組織感「2~3級」で、総合評価 (組織感凹凸意匠)は「2級」であった。
【0045】
【0046】
表1から分かるように、実施例1~8は、基層が重ね組織織物で、前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、前記表皮層に形成された凸部Hと接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて温度130℃×3分における乾熱収縮率が小さい糸を含むかあるいは、前記表皮層に形成された凸部Hと接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて温度130℃×3分における乾熱収縮率が小さい糸を含む、
図1のような基層の織物の組織由来の凹凸感が十分に感じられる大きな膨らみ感(高低差)のある凹凸意匠が得られた。さらに、重ね組織織物の表地と裏地の間にアンコ糸を有するものは、基層の織物の組織由来の凹凸感がより明確に感じられ、かつより大きな膨らみ感(高低差)のある凹凸意匠が得られた。実施例では、タテ糸の組織がわかるように
図3~15のような織方向の断面図で示したが、タテ糸の組織がわかるような経糸(タテ糸)と緯糸(ヨコ糸)が入れ替わった織物の幅方向から見た断面図でも見る方向が変わっただけで同様に示すことができる。一方、比較例1のような1重組織や、比較例3及び4のように重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)において、経糸(タテ糸)が各々もう一方の系列の糸に比べて温度130℃×3分における乾熱収縮率の差がない糸構成や、比較例2及び比較例5のように表地で連続して緯糸(ヨコ糸)に絡む数が多い系列の経糸(タテ糸)がもう一方の系列の糸に比べて温度130℃×3分における乾熱収縮率が大きい糸を含む場合は、
図1のような組織感の感じられる大きな膨らみ感(高低差)のある凹凸意匠が得られなかった。なお、本発明において、組織感のある凹凸意匠とは、総合評価(組織感凹凸意匠)において、3級以上を指す。
【0047】
<膨らみ感および組織感評価について>
膨らみ感(高低差)については、VR-5000(株式会社キーエンス製)を用いて測定し、膨らみ感(高低差)の判定基準に基づいて判定した。
また、組織感については、試料を平らな台の上に置き、試験官が試料の上方斜め45度、離間距離30cmの位置から目視で観察し、組織感についての判定基準に基づいてそれぞれ判定した。なお、評価が例えば4級と5級の間の場合は、4~5級と表す。
(膨らみ感(高低差)判定基準)
5級 :高低差310μm以上
4~5級:高低差270μm以上310μm未満
4級 :高低差230μm以上270μm未満
3~4級:高低差190μm以上230μm未満
3級 :高低差150μm以上190μm未満
2~3級:高低差110μm以上150μm未満
2級 :高低差70μm以上110μm未満
1~2級:高低差30μm以上70μm未満
1級 :高低差30μm未満
(組織感判定基準)
5級:基層の織物の組織由来の凹凸感が顕著に感じられる
4級:基層の織物の組織由来の凹凸感が十分に感じられる
3級:基層の織物の組織由来の凹凸感が感じられる
2級:基層の織物の組織由来の凹凸感がわずかに感じられる
1級:基層の織物の組織由来の凹凸感が全く感じられない
【0048】
さらに、膨らみ感(高低差)、組織感の判定結果から次の評価基準で総合評価(組織感凹凸意匠)した。
(総合評価(組織感凹凸意匠)基準)
5級:膨らみ感(高低差)が顕著に感じられ、かつ基層の織物の組織由来の凹凸感が十分に感じられる
4級:膨らみ感(高低差)が十分に感じられ、かつ基層の織物の組織由来の凹凸感が十分に感じられる
3級:膨らみ感(高低差)が感じられ、かつ基層の織物の組織由来の凹凸感が感じられる
2級:膨らみ感(高低差)か、基層の織物の組織由来の凹凸感のいずれかが感じられる
1級:膨らみ感(高低差)と基層の織物の組織由来の凹凸感が共に感じられない
【産業上の利用可能性】
【0049】
インテリア用布帛をはじめ、車両用内装表皮材として好適である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・合成皮革
2・・・基層
3・・・表皮層
4・・・表面層
5・・・接着層
6・・・
図3~15において、各基層のタテ糸
7・・・
図3~9、
図11~15において、各基層のもう一方のタテ糸
8・・・
図3~15において、各基層のヨコ糸
9・・・
図3~9、
図11~15において、各基層のもう一方のヨコ糸
10・・・
図5、
図6、
図7、
図8、
図9、
図12、
図13、
図14において、各基層のアンコ糸
11・・・
図4、
図7、
図8、
図9において、各基層の接結部分
H・・・凹凸模様の凸部(高低差150μm以上がある凸の部分(3級以上))
L・・・凹凸模様の凹部(高低差150μm以上がある凹の部分(3級以上))
【要約】
【課題】表面に膨らみ感が十分にあり、凹部にテカリ(光沢)もなく、基層となる織物の組織を活かした微細な凹凸模様を合わせて有する合成皮革とその製造方法を提供する。
【解決手段】合成皮革1は、基層2と、基層2の表面に積層一体化された表皮層3と、を備え、基層2は重ね組織織物からなり、表皮層3の表面には、加熱処理によって形成された組織感のある凹凸意匠を有し、前記重ね組織織物を構成する2系列の経糸(タテ糸)並びに2系列の緯糸(ヨコ糸)において、次の(1)~(2)の何れかを満たすことを特徴とする。 (1)表皮層3に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)又は緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む (2)表皮層3に形成された凸部と接する側の表地の経糸(タテ糸)及び緯糸(ヨコ糸)がもう一方の系列の糸に比べて乾熱収縮率が小さい糸を含む
【選択図】
図1