(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】電池パックおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/227 20210101AFI20240520BHJP
H01M 50/231 20210101ALI20240520BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240520BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240520BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20240520BHJP
【FI】
H01M50/227
H01M50/231
H01M50/293
H01M50/204 401H
H01M50/211
(21)【出願番号】P 2022519033
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 KR2021008912
(87)【国際公開番号】W WO2022025483
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】10-2020-0094334
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-080244(JP,A)
【文献】特開2013-051099(JP,A)
【文献】特開2021-174765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0358666(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102013220690(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、
前記電池セル積層体の下部面に塗布されている粘着層、
複数のモジュール領域を有し、前記電池セル積層体が装着される下部パックハウジング、および
前記粘着層と前記下部パックハウジングの間に位置する熱伝導性樹脂層を含み、
前記粘着層は、絶縁性を有する、電池パック
であって、
前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、および
前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材をさらに含み、
前記電池セル積層体、前記絶縁カバー、前記ホールディング部材、および前記粘着層を含む電池モジュールが、下部パックハウジングに直接装着されている、電池パック。
【請求項2】
前記熱伝導性樹脂層は、前記下部パックハウジングに直接接触する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記複数のモジュール領域は、前記下部パックハウジング内に形成された複数の隔壁により区画され、前記隔壁は、
複数の前記電池セル積層体のうち隣り合う電池セル積層体の間に位置する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記熱伝導性樹脂層は、第1熱伝導性樹脂層および第2熱伝導性樹脂層を含み、
前記複数のモジュール領域は、前記隔壁により互いに区画される第1領域および第2領域を含み、
前記第1熱伝導性樹脂層は、前記第1領域に対応するように形成され、前記第2熱伝導性樹脂層は、前記第2領域に対応するように形成される、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
複数の前記電池セル積層体を覆う上部パックハウジングをさらに含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項6】
複数の電池セルを積層して電池セル積層体を形成する段階、
前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバーを形成する段階、
前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材を形成する段階、
前記電池セル積層体の下部面に絶縁性を有する粘着物質を塗布して粘着層を形成する段階、
複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング内に熱伝導性樹脂層を形成する段階、および
前記熱伝導性樹脂層に前記電池セル積層体の下部面が当接するように前記電池セル積層体を前記下部パックハウジング内に装着する段階を含む、電池パック製造方法。
【請求項7】
前記粘着層を形成する段階は、前記電池セル積層体を上下反転した状態で前記電池セル積層体の下部面に向かって絶縁性粘着スプレーを噴射する段階を含む、請求項
6に記載の電池パック製造方法。
【請求項8】
前記複数のモジュール領域は、複数の隔壁により区画され、前記電池セル積層体は、互いに隣り合う前記隔壁の間に装着される、請求項
7に記載の電池パック製造方法。
【請求項9】
前記粘着層の厚さは、前記熱伝導性樹脂層の厚さよりも薄く形成される、請求項
6~
8のいずれか一項に記載の電池パック製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願(ら)との相互引用]
本出願は、2020年7月29日付韓国特許出願第10-2020-0094334号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびその製造方法に関し、より具体的には、絶縁性能と冷却効率が向上した電池パックおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加することに伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。そのために、多様な要求に応えることができる二次電池に関する多くの研究が行われている。
【0004】
二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0005】
小型モバイル機器にはデバイス1台当たり1個または2~4個の電池セルが使用されることに対し、自動車などのように中大型デバイスには高出力大容量が必要である。したがって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0006】
中大型電池モジュールは、可能な限り小さいサイズと重量で製造されることが好ましいため、高い集積度に積層可能であり、容量に比べて重量が小さい角型電池、パウチ型電池などが中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。一方、電池モジュールは、電池セル積層体を外部衝撃、熱または振動から保護するために、電池セル積層体を内部空間に収納するモジュールフレームを含むことができる。
【0007】
図1は従来の電池モジュールを示す分解斜視図である。
図1を参照すると、従来の電池モジュール10は、複数の電池セル11を含む電池セル積層体12、上部面、前面および後面が開放されたU字型フレーム30、電池セル積層体12の上部を覆う上部プレート40、電池セル積層体12の前面と後面にそれぞれ位置するエンドプレート15、および電池セル積層体12とエンドプレート15の間に位置するバスバーフレーム13を含む。また、電池モジュール10は、U字型フレーム30と電池セル積層体12の間に位置する熱伝導性樹脂層31を含む。熱伝導性樹脂層31は、一種の放熱層であり、放熱機能を有する物質を塗布して形成することができる。
【0008】
この時、電池セル11の冷却面は、熱伝導性樹脂層31と直接接触する面であり、損傷の危険がある。従来使用していた熱伝導性樹脂層31は、絶縁性能が保障されないため、電池セル11が損傷されると絶縁の問題が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、絶縁性能と冷却効率が向上した電池パックおよびその製造方法を提供することにある。
【0010】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、前述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層されて形成された電池セル積層体、前記電池セル積層体の下部面に塗布されている粘着層、複数のモジュール領域を有し、前記電池セル積層体が装着される下部パックハウジング、および前記粘着層と前記下部パックハウジングの間に位置する熱伝導性樹脂層を含み、前記粘着層は、絶縁性を有する。
【0012】
前記熱伝導性樹脂層は、前記下部パックハウジングに直接接触することができる。
【0013】
前記複数のモジュール領域は、前記下部パックハウジング内に形成された複数の隔壁により区画され、前記隔壁は、前記複数の電池セル積層体のうち隣り合う電池セル積層体の間に位置することができる。
【0014】
前記熱伝導性樹脂層は、第1熱伝導性樹脂層および第2熱伝導性樹脂層を含み、前記複数のモジュール領域は、前記隔壁により互いに区画される第1領域および第2領域を含み、前記第1熱伝導性樹脂層は、前記第1領域に対応するように形成され、前記第2熱伝導性樹脂層は、前記第2領域に対応するように形成され得る。
【0015】
前記電池パックは、前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバー、および前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材をさらに含み、前記電池セル積層体、前記絶縁カバー、前記ホールディング部材、および前記粘着層を含む電池モジュールが、下部パックハウジングに直接装着され得る。
【0016】
前記電池パックは、前記複数の電池セル積層体を覆う上部パックハウジングをさらに含むことができる。
【0017】
本発明の他の一実施形態による電池パック製造方法は、複数の電池セルを積層して電池セル積層体を形成する段階、前記電池セル積層体の両端部を覆う絶縁カバーを形成する段階、前記絶縁カバーと隣接した前記電池セル積層体の両端部を囲むホールディング部材を形成する段階、前記電池セル積層体の下部面に粘着物質を塗布して粘着層を形成する段階、複数のモジュール領域を有する下部パックハウジング内に熱伝導性樹脂層を形成する段階、および前記熱伝導性樹脂層に前記電池セル積層体の下部面が当接するように前記電池セル積層体を前記下部パックハウジング内に装着する段階を含む。
【0018】
前記粘着層を形成する段階は、前記電池セル積層体を上下反転した状態で前記電池セル積層体の下部面に向かって絶縁性粘着スプレーを噴射する段階を含むことができる。
【0019】
前記複数のモジュール領域は、複数の隔壁により区画され、前記電池セル積層体は、互いに隣り合う前記隔壁の間に装着され得る。
【0020】
前記粘着層の厚さは、前記熱伝導性樹脂層の厚さよりも薄く形成され得る。
【発明の効果】
【0021】
実施形態によると、電池セル積層体の冷却のための底面に絶縁粘着剤を塗布することによって絶縁性能を維持すると同時に、冷却効率を向上させることができる。
【0022】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来の電池モジュールを示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図4】
図2の電池モジュールに含まれている電池セルの斜視図である。
【
図5】本発明の他の一実施形態による電池パックおよびその製造方法を示す斜視図である。
【
図6】本発明の他の一実施形態による電池パックおよびその製造方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0026】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ず図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0027】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間にまた他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ず重力反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0028】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0029】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0030】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュールを示す斜視図である。
図3は
図2の電池モジュールの分解斜視図である。
図4は
図2の電池モジュールに含まれている電池セルの斜視図である。
【0031】
図2乃至
図4を参照すると、本発明の一実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200を含む。
【0032】
まず、電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート型構造で形成され得る。例えば、本実施形態による電池セル110は、二つの電極リード111、112がセル本体113を基準に互いに反対側に位置する一端部114aと他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。より詳しくは、電極リード111、112は電極組立体(図示せず)と連結され、前記電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出する。二つの電極リード111、112のうちの一つは正極リード111であり、他の一つは負極リード112であり得る。つまり、一つの電池セル110を基準に正極リード111と負極リード112が互いに反対方向に突出し得る。
【0033】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態でセルケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cを接着することによって製造され得る。言い換えると、本実施形態による電池セル110は、総3ヶ所のシーリング部を有し、シーリング部は熱融着などの方法によりシーリングされる構造であり、残りの他の一側部は連結部115からなることができる。セルケース114は、樹脂層と金属層を含むラミネートシートからなることができる。
【0034】
このような電池セル110は、複数個で構成され得、複数の電池セル110は、互いに電気的に連結され得るように積層されて電池セル積層体200を形成する。特に、
図5に示すようにx軸方向に沿って複数の電池セル110が積層され得る。これによって、電極リード111、112はそれぞれy軸方向と-y軸方向に突出し得る。
【0035】
一方、本実施形態による電池モジュール100は、
図1の従来の電池モジュール10とは異なり、モジュールフレームとエンドプレートが除去されたモジュールレス(module-less)構造を形成することができる。モジュールフレームの代わりに、本実施形態による電池モジュール100は、側面プレート600とホールディングバンド700を含むことができる。モジュールフレームとエンドプレートが除去されることによって、電池セル積層体200をモジュールフレーム内部に収納する工程やモジュールフレームとエンドプレートを組み立てる工程のように精密なコントロールが要求される複雑な工程が不要である。また、除去されたモジュールフレームとエンドプレートの分、電池モジュール100の重量を大幅に減らすことができるという長所を有する。また、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームの除去により、電池パック組立工程の際に再作業性が有利であるという長所を有するが、従来の電池モジュール10は、モジュールフレームの溶接構造のため不良が発生しても再作業が不可能であったこととは比較され得る。
【0036】
側面プレート600は、板状形部材であり、電池セル積層体200の両側面に位置して電池モジュール100の剛性を補完することができる。このような側面プレート600は、弾性性質を有し、射出成形で製造されるプラスチック素材を含むことができ、場合によっては板スプリング素材が適用され得る。
【0037】
ホールディングバンド700は、電池セル積層体200の両端部で電池セル積層体を囲む部材であり、電池セル積層体200を構成する複数の電池セル110と側面プレート600を固定する機能を担当することができる。このように、ホールディングバンド700を通じて電池セル積層体200および側面プレート600を固定した後、電極リード111が突出する方向に該当する電池セル積層体200の前面と後面に絶縁カバー400を位置させることができる。このようなホールディングバンド700は、所定の弾性力を有する素材からなることができ、具体的に板スプリングの構造が適用され得る。
【0038】
本実施形態による電池モジュール100は、
図2および
図3に示したように、電池セル積層体200の下部面に塗布されている粘着層120をさらに含む。本実施形態による粘着層120は、絶縁性を有する粘着物質を電池セル積層体200の下部面に薄い厚さに塗布することによって形成され得る。従来は電池セル積層体200の冷却面が後述する熱伝導性樹脂層と直接接触して電池セル積層体200の冷却面が損傷する危険があった。前記熱伝導性樹脂層は、絶縁性能が保障されないため、電池セルが損傷されると絶縁の問題が発生することがある。
【0039】
本実施形態による粘着層120は、電池セル積層体200の冷却のための電池セル積層体200の底面を覆うことによって電池セル積層体200の絶縁性能を維持すると同時に、冷却効率減少を最小化することができる。好ましくは、粘着層120は電池セル積層体200の底面全部を覆うことができる。
【0040】
図5および
図6は本発明の他の一実施形態による電池パックおよびその製造方法を示す斜視図である。
【0041】
図5を参照すると、前述した電池モジュール100を上下反転した状態で電池セル積層体200の下部面に向かって絶縁性粘着スプレー130を噴射することができる。このように、スプレー130方式を用いて粘着層120は可能な限り薄く塗布されることによって粘着層120が冷却抵抗として作用することを最小化することができる。粘着層120は、後述する熱伝導性樹脂層よりも薄い厚さに形成することができる。
【0042】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による電池パック1000は、前述した電池セル積層体200を含む電池モジュール100、電池モジュール100を収納するパックフレーム1100、および電池モジュール100とパックフレーム1100の底部1111との間に位置する熱伝導性樹脂層1200を含むことができる。
【0043】
まず、電池モジュール100は、前述したように、絶縁カバーを含み、代わりにモジュールフレームとエンドプレートが除去されたモジュールレス(module-less)構造を形成することができる。このような電池モジュール100が複数で集まってパックフレーム1100に収納されて電池パック1000を形成することができる。
【0044】
パックフレーム1100は、下部パックハウジング1110、および下部パックハウジング1110を覆う上部パックハウジング1120を含むことができ、下部パックハウジング1110の底部1111に複数の電池モジュール100が位置することができる。下部パックハウジング1110は、複数のモジュール領域を有し、複数のモジュール領域は下部パックハウジング1110内に形成された複数の隔壁1350により区画され得る。隔壁1350は、複数の電池モジュール100のうち互いに隣り合う電池モジュール100の間に形成されている。例えば、熱伝導性樹脂層1200は、互いに隣り合う第1熱伝導性樹脂層と第2熱伝導性樹脂層を含み、複数のモジュール領域は、隔壁1350により互いに区画される第1領域と第2領域を含み、前記第1熱伝導性樹脂層は前記第1領域に対応するように形成され、前記第2熱伝導性樹脂層は前記第2領域に対応するように形成され得る。この時、前記第1熱伝導性樹脂層と前記第2熱伝導性樹脂層は隔壁1350により互いに離隔して位置することができる。
【0045】
一方、熱伝導性樹脂層1200は、下部パックハウジング1110の底部1111に熱伝導性樹脂(Thermal resin)が塗布されて形成され得る。前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池モジュール100を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池モジュール100で発生した熱を迅速に底部1111に伝達して電池パック1000の過熱を防止することができる。
【0046】
図2に示すように、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレームが除去されたモジュールレス(module-less)構造において、電池セル110の一部が外部に露出され得るが、構造的安定性のために露出される電池セル110を固定することが必要である。そこで、本実施形態による電池パック1000は、底部1111に電池モジュール100、特に電池モジュール100を構成するそれぞれの電池セル110を固定できる熱伝導性樹脂層1200を形成することによって、構造的安定性を向上させようとした。また、モジュールフレームを省略して、電池セルで発生した熱を熱伝導性樹脂層からパックフレームに直ちに伝達して冷却効率を高めることができる。パックフレームには、図示されていないが、ヒートシンク構造が形成され得る。
【0047】
前述した本実施形態による電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用され得るが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0048】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0049】
110:電池セル
120:粘着層
200:電池セル積層体
130:スプレー
400:絶縁カバー