(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】求人情報提供装置、求人情報提供方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240520BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020110409
(22)【出願日】2020-06-26
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】500346936
【氏名又は名称】パーソルキャリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】桑原 悠
(72)【発明者】
【氏名】間舘 祐太
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 友哉
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-020815(JP,A)
【文献】特開2003-076889(JP,A)
【文献】特許第6713588(JP,B1)
【文献】特開2006-039785(JP,A)
【文献】特開2003-303291(JP,A)
【文献】特開2018-173673(JP,A)
【文献】特開2002-073914(JP,A)
【文献】特開2006-185409(JP,A)
【文献】特開2004-341682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求職者が使用する求職者端末と、採用者が使用する採用者端末と、
情報提供媒体の掲載者が使用する掲載者端末と、通信可能に構成され、
前記採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するための第一のウェブページのURLを提供する
前記情報提供媒体により、求人情報を提供する装置であって、
前記求人情報を記憶する求人情報記憶手段と、
前記掲載者端末から、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化するための有効化情報を受信する有効化情報受信手段と、
前記有効化情報の受信に応じて、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化する有効化処理手段と、
有効化された前記第一のウェブページのURLに基づいてアクセスした前記求職者端末から、前記所定の求人情報に対する応募情報を受信する応募情報受信手段と、
前記応募情報を前記採用者端末に送信する応募情報送信手段と、
前記採用者端末から、前記求職者との面接可否に係る情報を受信する面接可否情報受信手段と、
前記求職者端末に対し、前記面接可否に係る情報を送信する面接可否情報送信手段と、を有する、
求人情報提供装置。
【請求項2】
前記情報提供媒体を介した前記求人情報への応募に起因して、前記求職者の採用が決定した場合に、前記採用者から前記掲載者に対する報酬の決済処理を実行する決済処理手段、をさらに有する、
請求項
1記載の求人情報提供装置。
【請求項3】
前記求職者の勤務実績を記憶する実績情報記憶手段、をさらに有する、
請求項1
又は2記載の求人情報提供装置。
【請求項4】
前
記実績情報記憶手段を参照して、前記求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であるか否かを判別し、前記求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であった場合に、前記求職者の採用を決定する判別処理手段、をさらに有する、
請求項
3記載の求人情報提供装置。
【請求項5】
前記採用者が前記求職者の採用可否を登録するためのウェブページと、当該ウェブページにアクセスするための第二のURLを生成する生成手段と、
前記第二のURLに基づいてアクセスした前記採用者端末から、前記求職者の採用可否情報を受信する採用可否情報受信手段と、をさらに有する、
請求項1乃至
4いずれかの項に記載の求人情報提供装置。
【請求項6】
前記求職者端末から前記求職者の経歴情報を受信する経歴情報受信手段と、
前記経歴情報に基づいた履歴書であって、前記第二のURLに係る情報が記載された履歴書を作成する履歴書作成手段と、をさらに有する、
請求項
5記載の求人情報提供装置。
【請求項7】
求職者が使用する求職者端末と、採用者が使用する採用者端末と、
情報提供媒体の掲載者が使用する掲載者端末と、通信可能に構成され、
前記採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するための第一のウェブページのURLを提供する
前記情報提供媒体により、求人情報を提供する方法であって、
前記求人情報を記憶する求人情報記憶手段、を有するコンピュータにより、
前記掲載者端末から、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化するための有効化情報を受信する有効化情報受信処理と、
前記有効化情報の受信に応じて、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化する有効化処理と、
有効化された前記第一のウェブページのURLに基づいてアクセスした前記求職者端末から、前記所定の求人情報に対する応募情報を受信する応募情報受信処理と、
前記応募情報を前記採用者端末に送信する応募情報送信処理と、
前記採用者端末から、前記求職者との面接可否に係る情報を受信する面接可否情報受信処理と、
前記求職者端末に対し、前記面接可否に係る情報を送信する面接可否情報送信処理と、を実行する、
求人情報提供方法。
【請求項8】
求職者が使用する求職者端末と、採用者が使用する採用者端末と、
情報提供媒体の掲載者が使用する掲載者端末と、通信可能に構成され、
前記採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するための第一のウェブページのURLを提供する
前記情報提供媒体により、求人情報を提供するためのコンピュータプログラムであって、
前記求人情報を記憶する求人情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、
前記掲載者端末から、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化するための有効化情報を受信する有効化情報受信処理と、
前記有効化情報の受信に応じて、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化する有効化処理と、
有効化された前記第一のウェブページのURLに基づいてアクセスした前記求職者端末から、前記所定の求人情報に対する応募情報を受信する応募情報受信処理と、
前記応募情報を前記採用者端末に送信する応募情報送信処理と、
前記採用者端末から、前記求職者との面接可否に係る情報を受信する面接可否情報受信処理と、
前記求職者端末に対し、前記面接可否に係る情報を送信する面接可否情報送信処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求人情報にアクセス可能な所定の情報提供媒体によって求人情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
求人情報は、雑誌などの紙媒体やウェブサイト、店頭の募集広告等、様々な態様で提供されているが、採用者や採用を仲介する者にとっては、採用の可能性の高い求職者に対し、求人情報をいかに効率よく訴求させるかが重要である。
【0003】
この点、特許文献1では、求職(求人)情報を提供する時給市場データベース(求職データベース)と、この時給市場データベースにリンクするQRコード(登録商標)、タグ等の識別記号を発行する識別記号発行データベースとを備えた時給市場データベースへの情報の提供及び/又は識別記号の発行を行う手段と、この識別記号の発行を行う手段を介して、提供された識別記号を設けるための壁、窓等の情報空間を提供する店と、この店の識別記号を視認し、この識別記号を基に、前記時給市場データベースにアクセスする応募手段と、この応募手段からの情報を基に、前記時給市場データベースにアクセスがあった事実を、情報として確認する確認手段と、この確認手段を介して、前記店への清算をアクセスする清算手段とで構成した求人及び/又は求職に関した情報提供システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献では、店舗の壁等にQRコード(登録商標)を設けることにより、当該QRコード(登録商標)を介して時給市場データベースにアクセス可能とするが、求人情報にアクセスするための媒体をどのような場所に設置するかによって、求職者の採用の効率は大きく変わり、その点で改善すべき余地は大きい。
【0006】
そこで本発明は、所定の情報提供媒体を利用した求人情報の提供において、求職者に対する求人情報の訴求力を高め、効率の良い採用を実現することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る求人情報提供装置は、求職者が使用する求職者端末と、採用者が使用する採用者端末と、通信可能に構成され、前記採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するための第一のウェブページのURLを提供する情報提供媒体により、求人情報を提供する装置であって、前記求人情報を記憶する求人情報記憶手段と、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化する有効化処理手段と、有効化された前記第一のウェブページのURLに基づいてアクセスした前記求職者端末から、前記所定の求人情報に対する応募情報を受信する応募情報受信手段と、前記応募情報を前記採用者端末に送信する応募情報送信手段と、前記採用者端末から、前記求職者との面接可否に係る情報を受信する面接可否情報受信手段と、前記求職者端末に対し、前記面接可否に係る情報を送信する面接可否情報送信手段と、を有する。
【0008】
また、前記情報提供媒体の掲載者が使用する掲載者端末と、さらに通信可能に構成され、前記掲載者端末から、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化するための有効化情報を受信する有効化情報受信手段、をさらに有し、前記有効化処理手段は、前記有効化情報の受信に応じて、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化するものとしてもよい。
【0009】
また、前記情報提供媒体を介した前記求人情報への応募に起因して、前記求職者の採用が決定した場合に、前記採用者から前記掲載者に対する報酬の決済処理を実行する決済処理手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0010】
また、前記求職者の勤務実績を記憶する実績情報記憶手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0011】
また、前記勤務実績情報記憶手段を参照して、前記求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であるか否かを判別し、前記求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であった場合に、前記求職者の採用を決定する判別処理手段、をさらに有するものとしてもよい。
【0012】
また、前記採用者が前記求職者の採用可否を登録するためのウェブページと、当該ウェブページにアクセスするための第二のURLを生成する生成手段と、前記第二のURLに基づいてアクセスした前記採用者端末から、前記求職者の採用可否情報を受信する採用可否情報受信手段と、をさらに有するものとしてもよい。
【0013】
また、前記求職者端末から前記求職者の経歴情報を受信する経歴情報受信手段と、前記経歴情報に基づいた履歴書であって、前記第二のURLに係る情報が記載された履歴書を作成する履歴書作成手段と、をさらに有するものとしてもよい。
【0014】
また、本発明の別の観点に係る求人情報提供方法は、求職者が使用する求職者端末と、採用者が使用する採用者端末と、通信可能に構成され、前記採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するための第一のウェブページのURLを提供する情報提供媒体により、求人情報を提供する方法であって、前記求人情報を記憶する求人情報記憶手段、を有するコンピュータにより、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化する有効化処理と、有効化された前記第一のウェブページのURLに基づいてアクセスした前記求職者端末から、前記所定の求人情報に対する応募情報を受信する応募情報受信処理と、前記応募情報を前記採用者端末に送信する応募情報送信処理と、前記採用者端末から、前記求職者との面接可否に係る情報を受信する面接可否情報受信処理と、前記求職者端末に対し、前記面接可否に係る情報を送信する面接可否情報送信処理と、を実行する。
【0015】
また、本発明のさらに別の観点に係るコンピュータプログラムは、求職者が使用する求職者端末と、採用者が使用する採用者端末と、通信可能に構成され、前記採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するための第一のウェブページのURLを提供する情報提供媒体により、求人情報を提供するためのコンピュータプログラムであって、前記求人情報を記憶する求人情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、前記第一のウェブページを介した応募情報の受付を有効化する有効化処理と、有効化された前記第一のウェブページのURLに基づいてアクセスした前記求職者端末から、前記所定の求人情報に対する応募情報を受信する応募情報受信処理と、前記応募情報を前記採用者端末に送信する応募情報送信処理と、前記採用者端末から、前記求職者との面接可否に係る情報を受信する面接可否情報受信処理と、前記求職者端末に対し、前記面接可否に係る情報を送信する面接可否情報送信処理と、を実行させる。
【0016】
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、所定の情報提供媒体を利用した求人情報の提供において、求職者に対する求人情報の訴求力を高め、効率の良い採用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムの概要を説明する概要図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて使用される情報提供媒体の一例を示した外観図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムによって実行される処理の流れの概略を示した処理フロー図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムの構成及び機能を示した機能ブロック図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムが備える求人情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムが備える応募情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムが備える実績情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理のうち、求人情報が登録、掲載される処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理のうち、求人情報が登録、掲載される処理の流れの他の一例を示したシーケンス図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理のうち、求職者が求人情報に応募する処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理のうち、求職者の採用可否が決定する処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理のうち、求職者の履歴書の作成から面接までの処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理のうち、求職者の採用可否が決定する処理の流れの一例を示したシーケンス図である。
【
図14】本発明の他の実施形態に係る求人情報提供システムにおいて、広告により求人情報が提供される処理の流れを示したシーケンス図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る求人情報提供システムが備える求人情報記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る求人情報提供システムについて、図を参照して説明する。
本実施形態に係る求人情報提供システムは、求職者、採用者、当該求職者が求人情報にアクセスするための情報提供媒体を掲載する掲載者の間を仲介し、効率的に採用者と求職者をマッチングする。
【0020】
まず、
図1から
図3により、本実施形態に係る求人情報提供システムの概要について説明する。
求人情報提供システムは
図1に示されるように、求職者、採用者、及び掲載者の三者による利用が想定される。
求職者は、アルバイトやパートタイム勤務のほか、体験勤務、正社員勤務などを含め、広く雇用の機会を求める者である。
採用者は、求職者を採用、雇用する者であり、求人情報の提供主である。
掲載者は、求職者が求人情報にアクセスするための情報提供媒体Mを、自らが運営する店舗等に掲載する者である。
【0021】
なお、採用者と掲載者は異なる場合もあれば、同じである場合もある。即ち、採用者が自ら運営する店舗等での求人情報を、掲載者が運営する店舗等に掲載してもらえるよう、当該掲載者に依頼する場合には、採用者と掲載者は異なる。一方、店舗等の運営者である掲載者が、自ら運営する店舗等の求人情報を当該自ら運営する店舗等に掲載する場合には、掲載者は採用者を兼ねることになる。
【0022】
求職者、採用者、掲載者はそれぞれ、求職者端末2、採用者端末3、掲載者端末4を利用し、これにより求人情報提供装置1とデータのやり取りを行う。なお、各端末の構成については後述するが、例えば、データ通信可能なスマートデバイスやパーソナルコンピュータなどによって実現される。
【0023】
情報提供媒体Mは、採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するためのウェブページ(以下、「応募ページ」と称することがある)のURLを提供する媒体である。
この情報提供媒体Mは、例えば、
図2に示されるようなあシールあるいはステッカーであり、表面には求人内容に関する情報と共に、二次元バーコードが印刷されている。
二次元コードは、応募ページのURLをコード化したものであり、求職者は求職者端末2によって当該二次元コードを読み取ると共にデコードして応募ページのURLを取得し、応募ページにアクセスする。
【0024】
なお、情報提供媒体Mが保持する応募ページのURLなどの情報は、二次元コードに限らず、NFC通信などで求職者に提供されてもよく、情報提供媒体Mは、二次元コードまたはNFC通信モジュールのいずれか、あるいは両方を保持する。
また、情報提供媒体Mに保持されているURLは、応募ページのURLそのものではなく、応募ページにリダイレクトさせるウェブページのURLであってもよい。
【0025】
このような情報提供媒体Mは、掲載者が運営する店舗等の壁や、店舗等に備えられたパネル等に貼付されるなど、当該店舗等に訪れた求職者の目にとまるように掲載される。
なお、情報提供媒体Mは、壁やパネル等に貼付せず、求職者が適宜に持ち帰ることのできるカード等として提供されてもよい。
【0026】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る求人情報提供システムにおいて実行される処理の流れの概要を説明する。
まず、採用者は、求人情報を求人情報提供装置1に登録し、当該求人情報の応募ページのURLを提供する情報提供媒体Mの掲載を掲載者に依頼する(S101)。なお、採用者は、掲載者に対する情報提供媒体Mの掲載依頼において、掲載者が情報提供媒体Mを掲載する店舗等の所在地等に鑑み、所望の採用者に掲載を依頼する。
採用者はこれに応じて情報提供媒体Mを店舗内等に掲載する(S102)。
【0027】
求職者は、掲載者の店舗等を訪れた際に、情報提供媒体M上に印刷されている求人情報の内容を見るなどして、興味のあるものを見つけると、当該情報提供媒体Mを介して応募ページにアクセスし、求人に応募する(S103)。
なお、情報提供媒体Mの掲載場所は、後述する求人情報記憶部1C(
図4参照)に記憶されており、当該求人情報記憶部1Cの情報に基づいて、求職者が地図上で情報提供媒体Mの掲載場所を検索し、
図1に示されるように、情報提供媒体Mの掲載場所の検索結果を得られるようになっていてもよい。
【0028】
求人情報提供装置1は、求職者から応募を受け付けると、所定のデータベースに格納された当該求職者の勤務実績を参照する(S104)。
参照した結果、求職者が勤務実績のある店舗等での求人に応募していた場合には、採用を決定する(S105)。
一方、求職者が勤務実績のない店舗等での求人に応募していた場合には、求職者に履歴書を作成してもらい(S106)、履歴書をもって採用者の面接を受けてもらう(S107)。
【0029】
採用者は面接の結果、採用可否を決定し(S108)、採用が決定した場合には、求職者と採用者の間で雇用契約等の契約が締結される(S109)。なお、ここで締結される契約は、求人内容に応じて業務委託契約など、適宜のもの締結される。
求職者の採用後の勤務実績は、適宜のタイミングで所定のデータベースに蓄積される(S110)。
【0030】
●機能ブロック
続いて、本実施形態に係る求人情報提供システムの機能について詳述する。
図1に示されるように、求人情報提供システムは、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に構成された求人情報提供装置1、求職者端末2、採用者端末3、及び掲載者端末4によって構成される。
ただし、採用者端末3と掲載者端末4は、採用者と掲載者が同一か否かによって、別個の端末である場合もあれば、同一の端末である場合もある。
【0031】
求人情報提供装置1は、求職者、採用者、掲載者の間で情報のやり取りを仲介する装置である。
この求人情報提供装置1は例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等を備えたサーバ等によって実現される。求人情報提供装置1はこれにより、
図3に示されるように、生成処理部11、有効化処理部12、判別処理部13、履歴書作成処理部14、印刷処理部15、契約処理部16、決済処理部17、通信処理部18、採用者情報記憶部1A、掲載者情報記憶部1B、求人情報記憶部1C、応募情報記憶部1D、及び実績情報記憶部1Eからなる機能ブロックを構成する。
【0032】
生成処理部11は、所定のウェブページと、当該ウェブページのURLを生成するほか、当該URLをコード化した二次元コードを生成することができる。
具体的には、生成処理部11は第一のウェブページとして、採用者が提供する求人情報毎に生成され、求職者が所定の求人情報に応募するためのウェブページ、即ち上述した応募ページと、当該応募ページのURLを生成する。
また、生成処理部11は第二のウェブページとして、採用者が求職者の採用可否を登録するためのウェブページ(以下、「採用可否登録ページ」と称することがある)と、当該採用可否登録ページにアクセスするためのURLを生成する。
【0033】
有効化処理部12は、応募ページを介した応募情報の受付を有効化する。
応募ページは、生成処理部11によって生成された時点では有効化されておらず、応募情報が受け付けられないようになっている。
有効化は例えば、有効化する権限を有する者から、応募ページを介した応募情報の受付を有効化する有効化情報として、所定のアクティベーションコードを受け付けることによって実行される。本実施形態では、採用者から情報提供媒体Mの掲載依頼を受ける掲載者が、応募ページを有効化する権限を有している。掲載者は、採用者から所定の情報提供媒体Mの掲載依頼を受け、これに承諾する場合には、自らが保有するアクティベーションコードによって、当該所定の情報提供媒体Mに紐づけられている応募ページを有効化させる。ここで、アクティベーションコードは、掲載者ごとにユニークな識別情報あるいは掲載者を認証可能な認証情報でもあり、応募ページが有効化された場合には、どの掲載者によって有効化されたか、即ち、どの掲載者によって所定の情報提供媒体Mが掲載されたかを把握することができる。
【0034】
なお、応募ページは、有効化されていない状態では、求職者端末2等からのアクセス自体が受けつけられないようになっていてもよいし、アクセス自体は受け付けられる一方、応募情報が受け付けられないようにいなっていてもよい。
また、情報提供媒体Mが有効化されたことを条件として、生成処理部11により応募ページと当該応募ページのURLが生成されるようになっていてもよい。
【0035】
判別処理部13は、求職者から所定の求人情報への応募があった場合に、実績情報記憶部1Eを参照して、当該求職者の応募先が、勤務実績、即ち勤務経験のある応募先であるか否かを判別する。
この結果、求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であった場合には、採用者が求職者を把握していることなどから、求職者を面接することなく即、採用することに決定する。
【0036】
履歴書作成処理部14は、求職者が採用者との面接に持参する履歴書のデータを作成する。
履歴書は、求職者から受け付けた経歴情報や、実績情報記憶部1Eに記憶されている求職者の情報を適宜に参照して、所定のフォーマットに必要な情報を入力して作成する。
また、この履歴書作成処理部14は、生成処理部11によって生成された、採用可否登録ページにアクセスするためのURLをコード化した二次元コードを履歴書の所定の箇所に設ける。なお、二次元コードに加えて、あるいは二次元コードに代えて、採用可否登録ページにアクセスするためのURLが直接、履歴書の所定の箇所に記載されているように履歴書を作成してもよい。
【0037】
印刷処理部15は、履歴書作成処理部14によって作成された履歴書のデータをもとに履歴書を印刷する。
印刷された履歴書は、求職者のもとに送付され、求職者は当該履歴書を持参して採用者との面接に臨む。
【0038】
契約処理部16は、求職者の採用が決定した後、求職者と採用者の間での雇用契約等の契約の締結に係る処理を実行する。
具体的には、求人情報及び求職者と採用者の情報に基づき、所定の契約書フォームから個別具体的な契約書を作成し、これを求職者端末2及び採用者端末3に送るなどして、雇用契約等を締結させる。
なお、ここで作成される契約書は例えば、電子契約書であり、オンライン上で雇用契約等の締結を完結させることができる。
また、契約処理部16によって締結される契約は、求人内容に応じて業務委託契約など、適宜のものである。
【0039】
決済処理部17は、採用者から情報提供媒体Mの掲載者に対し、情報提供媒体Mの掲載又は採用決定の対価の支払処理を実行する。対価の支払いは例えば、ポイント、現金、仮想通貨など、何かしらの有価価値をもったものによって行われる。なお、実際の有価価値の支払いは例えば、採用者と掲載者の口座情報や仮想通貨用のウォレットの情報に基づいて行われる。
また、この対価は、採用者が求職者の採用に成功した場合に、当該求職者の求人の契機となった情報提供媒体Mを掲載していた掲載者に対して採用者から支払われる成功報酬の意味合いをもったものであってもよいし、情報提供媒体Mの掲載行為自体に対して採用者から掲載者に支払われる掲載手数料の意味合いをもったものであってもよく、それぞれの支払原因に応じて所定のタイミングで支払われる。
【0040】
通信処理部18は、求職者端末2、採用者端末3、及び掲載者端末4と、インターネット等のネットワークNWを介して各種のデータの送受信を実行する。
具体的に、求職者端末2との間では、所定の求人情報に対する応募情報や求職者の経歴情報を受信したり、面接可否に係る情報を送信したりする。また、また、採用者端末3との間では、求職者から受け付けた応募情報を送信したり、求職者との面接可否に係る情報や採用可否情報を受信したりする。また、掲載者端末4との間では、応募ページを介した応募情報の受付を有効化するためのアクティベーションコードを受信する。
なお、求職者端末2、採用者端末3、及び掲載者端末4を介した求職者、採用者、及び掲載者とのデータや通知のやり取りは、所定のウェブサイト上に設けた求職者、採用者、及び掲載者それぞれのマイページ等を介して行ったり、求職者、採用者、及び掲載者の電子メールを介して行ったりするなど、各種の態様によることができる。
【0041】
採用者情報記憶部1Aは、求人情報を提供し、求職者を採用する採用者に関する採用者情報を記憶した記憶部である。
採用者情報は、採用者の名称や連絡先等の情報などが含まれる。
【0042】
掲載者情報記憶部1Bは、採用者の求めに応じて情報提供媒体Mを掲載する掲載者に関する掲載者情報を記憶した記憶部である。
掲載者情報には、掲載者の名称や連絡先等の情報のほか、アクティベーションコードが含まれる。
アクティベーションコードは、情報提供媒体Mを有効化するための情報である。本実施形態において、このアクティベーションコードは掲載者ごとに固有な情報であって、アクティベーションコードによって所定の情報提供媒体Mを有効化した場合には、どの掲載者によって所定の情報提供媒体Mが有効化されたのかを判別することができる。また、本実施形態において、情報提供媒体Mは、当該情報提供媒体Mを掲載する掲載者が有効化することを前提としており、これにより情報提供媒体Mがどの掲載者によって掲載されたかを判別することができる。
なお、アクティベーションコードは、情報提供媒体Mの有効化にのみ用いられる情報であってもよいし、掲載者を識別可能な他の情報、例えば掲載者IDなどであってもよい。
【0043】
求人情報記憶部1Cは、採用者によって提供された求人情報を記憶する記憶部である。
この求人情報記憶部1Cには例えば、
図5に示されるように、求人情報を識別する求人IDに関連付けて、求人内容、求人情報の提供主又は募集主である採用者の採用者ID、求人情報に対応する情報提供媒体Mを掲載する掲載者の掲載者ID、当該情報提供媒体Mの掲載地住所などが記憶される。
【0044】
求人内容には、求人に必要な情報として、勤務地、勤務時間、勤務形態、賃金といった雇用条件等、求人情報として一般的に提示を要求される事項が含まれる。この求人情報記憶部1Cに記憶される求人情報は、応募ページに反映され、採用者が当該応募ページを介して把握することができる。
掲載者IDと掲載地住所に係る情報は、求人情報に対応する情報提供媒体Mが所定の掲載者によって掲載されることが決定してから記憶される。本実施形態では、当該掲載者IDがアクティベーションコードを兼ねており、求人情報記憶部1Cに登録されている所定の求人情報に対し、所定の掲載者の掲載者IDがアクティベーションコードとして登録されると、応募ページを介した応募情報の受け付けが有効化される。
【0045】
応募情報記憶部1Dは、求職者による所定の求人情報への応募内容に係る応募情報を記憶する記憶部である。
この応募情報記憶部1Dには例えば、
図6に示されるように、応募情報を識別するための応募情報IDに関連付けて、応募内容、求職者たる応募者の応募者情報、応募の対象である求人情報を識別する求人情報ID、求職者が応募した後の採用可否に係る情報が記憶される。
【0046】
応募者情報には、求職者の氏名や年齢、その他の属性等に係る情報など、求人に応募する際に一般的に要求される事項が含まれる。
採用可否に係る情報は、採用者が求職者の採用可否を決定した後に登録する。
【0047】
実績情報記憶部1Eは、求職者の勤務実績に係る情報を記憶する記憶部である。
この実績情報記憶部1Eには例えば、
図7に示されるように、求職者を識別可能な求職者IDに関連付けて、求職者の氏名や属性等に係る求職者情報、勤務実績、応募履歴に係る情報が記憶されている。
勤務実績に係る情報には、いずれの採用者のもとで勤務したのかが把握できる情報のほか、職務内容、勤務した期間などの情報が含まれる。
応募履歴に係る情報には、採用可否にかかわらず、応募した求人情報と最終的な採用可否に係る情報が含まれる。
【0048】
なお、この実績情報記憶部1Eには、求職者の個人情報や属性情報等が含まれていてもよい。
また、この実績情報記憶部1Eにさらに、勤務時の評価や勤怠実績、求職者の保有資格などの情報が登録されてもよいし、これらの情報は、求職者個人に帰属する情報として、求職者が管理したり、適宜の場面や状況において活用したりできるものであってもよい。例えば、就職や転職の際に求職者が自らをアピールするための客観的な情報として活用できるとよい。また、採用者による許諾のもと、求人情報提供装置1側がかかる求職者の実績情報を参照し、求職者に合った求人情報を提供する場合にも有用である。
【0049】
また、求職者が採用者に採用された後の採用者による評価を随時、蓄積できるよう、採用者が評価を入力するためのウェブページを設けておき、当該ウェブページにアクセスするためのURLを履歴書に設けておいてもよい。このURLは、評価入力用のウェブページのために設けられたものであってもよいし、履歴書に二次元コードとして記載された採用可否登録ページのURLについて、求職者が所定の採用者に採用された後、当該評価入力用のウェブページにアクセスするためのURLとするようにしてもよい。
また、このように求職者の個人情報や客観性が保たれるべき情報が蓄積されることを前提とすれば、ブロックチェーン(分散型台帳技術)などの技術を適宜に利用し、適切に情報管理するのが好適である。
【0050】
求職者端末2は、求職者が使用する端末である。
この求職者端末2は例えば、データの送受信が可能な携帯型端末あるいはタブレット端末など、可搬性を有する端末によって実現される。
この求職者端末2は少なくとも、求人情報提供装置1とデータの送受信を実行するためのブラウザプログラム等の通信処理手段、データを入出力するためのタッチ式ディスプレイ等の入出力手段を備えるほか、情報提供媒体Mから応募ページのURLを取得するためのURL取得手段を備える。
【0051】
なお、URL取得手段は、情報提供媒体Mにおいて、応募ページのURLがどのように提供されるかによって構成が異なる。応募ページのURLが二次元コードにコード化されている場合には、当該二次元コードを撮影するCCDカメラ等の撮影手段と、当該二次元コードをデコードするデコード手段によって構成される。また、応募ページのURLがNFC(Near Field Communication)によって提供される場合には、NFCの通信規格に基づいた通信モジュールによって構成される。もっとも、応募ページのURLが直接、情報提供媒体Mに印刷されている場合には、入出力手段によって直接、当該URLを入力してもよく、URL取得手段を備えなくとも、応募ページにアクセスすることが可能である。
【0052】
採用者端末3は、求職者を採用する採用者が使用する端末であって、所謂パーソナルコンピュータやタブレット端末、あるいはデータの送受信が可能な携帯型端末、所謂スマートデバイスなどによって実現される。
この採用者端末3は少なくとも、各種のデータを入出力するための入出力手段、求人情報提供装置1とインターネット等のネットワークNWを介してデータの送受信を実行するための通信処理手段を備えるほか、情報提供媒体Mから採用可否登録ページのURLを取得するためのURL取得手段を備える。
【0053】
URL取得手段は上述した求職者端末2のURL取得手段と同様、履歴書において、採用可否登録ページのURLがどのように提供されるかによって構成が異なる。採用可否登録ページのURLが二次元コードにコード化されている場合には、当該二次元コードを撮影するCCDカメラ等の撮影手段と、当該二次元コードをデコードするデコード手段によって構成される。また、採用可否登録ページのURLがNFC(Near Field Communication)によって提供される場合には、NFCの通信規格に基づいた通信モジュールによって構成される。もっとも、採用可否登録ページのURLが直接、履歴書に印刷されている場合には、入出力手段によって直接、当該URLを入力してもよく、URL取得手段を備えなくとも、採用可否登録ページにアクセスすることが可能である。
【0054】
掲載者端末4は、採用者からの求めに応じて情報提供媒体Mを掲載する掲載者が使用する端末であって、採用者端末3と同様、所謂パーソナルコンピュータやタブレット端末、あるいはデータの送受信が可能な携帯型端末、所謂スマートデバイスなどによって実現される。
この掲載者端末4は少なくとも、各種のデータを入出力するための入出力手段、求人情報提供装置1とインターネット等のネットワークNWを介してデータの送受信を実行するための通信処理手段を備える。
【0055】
●処理の流れ
続いて、本実施形態に係る求人情報提供システムによって実行される処理の流れについて説明する。
図8と
図9により、採用者が求人情報提供装置1に求人情報を登録し、当該求人情報に応募するための応募ページのURLを提供する情報提供媒体Mが掲載者のもとで掲載されるまでの処理の流れについて説明する。
なお、
図8は、採用者と掲載者が同一人である場合を示しており、
図9は採用者と掲載者が別人である場合を示している。
【0056】
まず、
図8により、採用者と掲載者が同一人である場合について説明する。
採用者/掲載者はまず、採用者として採用者端末3/掲載者端末4により、所定のウェブサイト等を介して求人情報提供装置1に対して求人情報の提供し、その登録を要求する(S201)。
これに応じて、求人情報提供装置1は求人情報を求人情報記憶部1Cに登録する(S202)。
【0057】
求人情報提供装置1は、生成処理部11により求人情報の応募ページと当該応募ページのURLを生成する(S203)。
また、応募ページのURLをコード化した二次元コードが生成されると共に、応募ページのURLに係る情報を保持した情報提供媒体Mが作成され(S204)、当該情報提供媒体Mが採用者/掲載者に送付される(S205)。
【0058】
採用者/掲載者は、情報提供媒体Mを受領すると、所定のウェブサイト上において、掲載者として応募ページを介した応募情報の受け付けを有効化するためのアクティベーションコードを入力し、求人情報提供装置1に対して、応募ページを介した応募情報の受け付けの有効化を要求する(S206)。
なお、求人情報提供装置1がアクティベーションコードを受け付ける場合には例えば、情報提供媒体Mに保有されているURLから採用者端末3/掲載者端末4のアクセスを受け付け、当該URLに対応する応募ページからの求人情報の受け付けが有効化されているか否かを判別する。そして、有効化されていないと判別すると、アクティベーションコードの入力を要求するウェブページを展開して、アクティベーションコードを受け付けるようにしてもよい。
【0059】
求人情報提供装置1は、アクティベーションコードを受け付けると、当該アクティベーションコードによって掲載者を識別する。そして有効化処理部12により、所定の情報提供媒体Mが当該識別した掲載者によって掲載されたものとして求人情報記憶部1Cに登録すると共に、当該所定の情報提供媒体Mが保持するURLに対応する応募ページを介した応募情報の受け付けを有効化する(S207)。
一方、掲載者は有効化させた情報提供媒体Mを掲載して求職者の目にとまるようにし、これにより求人情報が受け付けられるようになる(S208)。
【0060】
なお、上述した例では、求人情報提供装置1によって情報提供媒体Mが作成され、採用/掲載者に送付されるものとしたが、これに関わらず、求人情報提供装置1から採用者端末3/掲載者端末4に対し、応募ページのURLや二次元コードを含む、情報提供媒体Mに印字される情報を送信し、これを受信した採用者/掲載者が所定の印刷用紙にかかる情報を印刷して情報提供媒体Mを作成するようにしてもよい。
【0061】
次に、
図9により、採用者と掲載者が別人である場合について説明する。
採用者はまず、採用者端末3により、所定のウェブサイト等を介して求人情報提供装置1に対して求人情報の提供し、その登録を要求する(S301)。
これに応じて、求人情報提供装置1は求人情報を求人情報記憶部1Cに登録する(S302)。
【0062】
求人情報提供装置1は、生成処理部11により求人情報の応募ページと当該応募ページのURLを生成する(S303)。
また、応募ページのURLをコード化した二次元コードが生成されると共に、応募ページのURLに係る情報を保持した情報提供媒体Mが作成され(S304)、当該情報提供媒体Mが採用者に送付される(S305)。
【0063】
採用者は、情報提供媒体Mを受領すると、所望の掲載者に対して当該情報提供媒体Mの掲載を依頼する(S306)。なお、情報提供媒体Mの掲載者は採用者が任意に決めることができるが、採用者の近隣であって、近隣の住人に目にとまりやすいような店舗、例えばコンビニエンスストア等を運営する掲載者などが好適と考えられる。
【0064】
掲載者は、採用者からの掲載依頼に承諾する場合には、所定のウェブサイト上において、応募ページを介した応募情報の受け付けを有効化するためのアクティベーションコードを入力し、求人情報提供装置1に対して、応募ページを介した応募情報の受け付けの有効化を要求する(S307)。
【0065】
求人情報提供装置1は、アクティベーションコードを受け付けると、当該アクティベーションコードによって掲載者を識別する。そして有効化処理部12により、所定の情報提供媒体Mが当該識別した掲載者によって掲載されたものとして求人情報記憶部1Cに登録すると共に、当該所定の情報提供媒体Mが保持するURLに対応する応募ページを介した応募情報の受け付けを有効化する(S308)。
一方、掲載者は有効化させた情報提供媒体Mを掲載して求職者の目にとまるようにし、これにより求人情報が受け付けられるようになる(S309)。
【0066】
なお、この例においても、求人情報提供装置1から採用者端末3に対し、応募ページのURLや二次元コードを含む、情報提供媒体Mに印字される情報を送信し、これを受信した採用者が所定の印刷用紙にかかる情報を印刷して情報提供媒体Mを作成するようにしてもよい。また、本例であればさらに、採用者が所定の掲載者の掲載者端末4を指定すると共に、求人情報提供装置1から指定した掲載者端末4に対し、情報提供媒体Mに印字される情報を送信してもらい、掲載者が情報提供媒体Mを作成して掲示するようにしてもよい。
【0067】
次に、
図10により、求職者が求人情報に応募する場合の処理の流れについて説明する。
求職者は、情報提供媒体Mが掲載されている掲載者の店舗等を訪れた際、興味をもった情報提供媒体Mがあると、当該情報提供媒体Mを求職者端末2によって読み取り、応募ページのURLを取得する(S401)。そして、応募ページにアクセスし(S402)、求人情報に応募する(S403)。
【0068】
求人情報提供装置1は求職者からの応募に応じて、判別処理部13により実績情報記憶部1Eを参照して、求職者の応募先が勤務実績のある応募先であるか否かを判別する(S404)。
その結果、求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であった場合には求職者の採用を決定する。この後の処理については
図11を参照して後述する。
一方、勤務実績がなかった場合には、応募情報と共に応募があったことを採用者に通知する(S405)。
【0069】
採用者は、応募情報を参照して、求職者との面接に進むか否かを判断する(S406)。
その結果、面接に進まないことにした場合には採用却下となり(S407)、求人情報提供装置1は採用者端末3から採用却下の通知を受けると、これを求職者端末2に通知し、処理を終了する。
一方、面接に進むことに決定した場合には、採用者はその旨の通知を求人情報提供装置1に送信し(S408)、求人情報提供装置1はさらに当該通知を求職者端末2に送信する(S409)。
【0070】
なお、本実施形態においては、勤務実績のない求職者からの応募があった場合に、採用者に面接の可否を問い合わせるようにしたが、他の実施形態においては、面接可否を問い合わせることなく、面接に進むように処理を進めてもよい。この場合には例えば、S404において、勤務実績を判別した後、勤務実績がなかった場合には、後述する
図12により説明する履歴書の作成の処理に進む。
また、求職者の応募情報が、求職情報に規定されている応募条件に合致するかどうかを判別し、応募条件に合致する場合にのみ、採用者に応募情報を通知したり、面接に進むように処理したりしてもよい。
【0071】
次に、上述した
図10のS404の処理において、求職者の応募先が、勤務実績のある応募先であった場合に続く処理について。
図11を参照して後述する。
求人情報提供装置1は、勤務実績のある求職者から応募があったことを採用者端末3に対して通知する(S501)。これに応じて、採用者は採用可否を判断する(S502)。
採用者の判断の結果、不採用と判断された場合には採用却下となり(S503)、求人情報提供装置1は採用者端末3から採用却下の通知を受けると、これを求職者端末2に通知し、処理を終了する。
【0072】
一方、採用者が採用を判断した場合には、その旨が採用者端末3から求人情報提供装置1に通知され(S504)、求人情報提供装置1はさらにその旨の通知を求職者端末2に送信する(S505)。
採用が決定すると、契約処理部16により、求職者と採用者の間で雇用契約を締結する処理が実行される(S506)。
【0073】
次に、上述した
図10におけるS409の処理に続き、求職者が履歴書を作成し、採用者との面接を行うまでの処理について、
図12を参照して説明する。
求職者は、採用者との面接に持参する履歴書を作成すべく、履歴書の作成を支援する所定のウェブサイト(以下、「履歴書作成サイト」と称することがある)にアクセスする(S601)。
そして、履歴書作成サイト上において、求職者は所定のフォーマットに必要な経歴情報を入力するなどして、自らの経歴情報を提供する(S602)。
なお、求職者は、実績情報記憶部1Eに自らの経歴や実績に係る情報をもっている場合には、かかる情報を適宜に参照したり、かかる情報の入力を求人情報提供装置1に要求したりしてもよい。
【0074】
求人情報提供装置1はこれに応じて、履歴書作成処理部14により履歴書のデータを作成する(S603)。
また、履歴書作成処理部14による処理に合わせて、生成処理部11は、採用可否登録ページと、当該採用可否登録ページにアクセスするためのURLをコード化した二次元コードを生成する。生成された二次元コードは、履歴書作成処理部14により、履歴書の裏面や余白など、所定の箇所に記載される。
【0075】
なお、二次元コードに加えて、あるいは二次元コードに代えて、採用可否登録ページにアクセスするためのURLが直接、履歴書の所定の箇所に記載されているように履歴書が作成されてもよい。
また、この採用可否登録ページにアクセスするためのURLは、履歴書に設けたNFCにより提供されるようになっていてもよい。
【0076】
印刷処理部15は、履歴書作成処理部14によって作成された履歴書のデータをもとに履歴書を印刷する(S604)。
印刷された履歴書は、求職者のもとに送付され(S605)、求職者は当該履歴書を持参して採用者との面接に臨む(S606)。
【0077】
次に、採用者が求職者と面接した後、採用可否が登録されるまでの処理について、
図13を参照して説明する。
採用可否を判断した採用者は、求職者が持参した履歴書に印刷されている、採用可否登録ページにアクセスするURLをコード化した二次元コードを読み込んで当該URLを取得し(S701)、当該ULにより採用可否登録ページにアクセスする(S702)。
【0078】
採用者は、採用可否登録ページにおいて、面接結果として面接を行った求職者の採用可否を通知する(S703)。
これに応じて、求人情報提供装置1は、面接結果を採用可否に係る情報として応募情報記憶部1Dに登録すると共に(S704)、当該面接結果を求職者に通知する(S705)。
この後、採用決定の場合には、契約処理部16により、求職者と採用者の間で雇用契約を締結する処理が実行される(S706)。
【0079】
以上のとおり、求職者の採用が決定すると、適宜のタイミングで当該求職者の勤務実績が登録される。
求職者の勤務実績は例えば、所定のウェブサイトを介して、採用者端末3によって採用者端末3から提供され、求人情報提供装置1の実績情報記憶部1Eに登録される。
【0080】
また、求職者の採用に応じて、採用者から掲載者へ報酬が支払われる場合には、当該報酬の支払処理が実行される。
この処理は、求職者の採用が決定した後、あるいは求職者と採用者との間で雇用契約が締結された後のタイミングにおいて実行される。具体的には、求人情報提供装置1は、採用が決定した求人情報について、応募情報記憶部1Dを参照して、当該求人情報に対応する情報提供媒体Mを掲載した掲載者を特定する。そして、決済処理部17により、採用者から掲載者に対して所定の報酬の支払処理が実行される。報酬の支払いは、採用者に対して所定の報酬を掲載者に対して支払うための請求書を発行したり、採用者と掲載者の口座あるいは仮想通貨ウォレットなどの情報に基づいて報酬の決済処理を実行したりする。
【0081】
以上の本発明の実施形態に係る求人情報提供システムによれば、情報提供媒体Mを利用した求人情報の提供において、求職者に対する求人情報の訴求力を高め、効率の良い採用を実現することができる。また、掲載者にとっても、求職者の採用成功や情報提供媒体Mの掲載に応じた報酬が支払われたり、情報提供媒体Mを見るために求職者が店舗等に来店したりするなどのメリットがある。
【0082】
続いて、本発明の他の実施形態に係る処理について、
図14を参照して説明する。
ここで説明する処理は、求人情報提供装置1から求職者に履歴書を送付する際、求人広告を同封し、当該同封した求人広告から所定の求人情報への応募を受付可能とするものである。
以下では、求人広告の同封を依頼する者を依頼主とし、当該依頼主は依頼主端末5を使用する。また、求人広告の同封依頼を受ける者を依頼先とし、当該依頼先は依頼先端末6を使用する。
【0083】
依頼主は、所定のウェブサイト等を介して、求人広告を依頼すると共に、求人情報を入力する(S801)
求人情報提供装置1は、求人情報記憶部1Cに求人情報を登録し(S802)、所定の依頼先に対し、当該依頼先の求人に応募した求職者に履歴書を送付する際、当該履歴書と共に広告を同封することを依頼する同封依頼を送信する(S803)。依頼先の選定は、依頼主が任意に決定できるようになっていてもよいし、履歴書の送付予定から決定できるようになっていてもよい。
【0084】
依頼先は、広告の同封依頼について承諾するか否かを判断する(S804)。
不承諾の場合には、その旨が求人情報提供装置1に通知され、処理は終了する(S805)。
一方、依頼先が承諾する場合には、求人情報提供装置1にその旨が通知され(S806)、求人情報に関連付けて依頼先の情報が登録される(S807)。さらに、生成処理部11により、依頼主の求人情報への応募ページとURLが生成されると共に、当該URLをコード化した二次元コードが生成される(S808)。
【0085】
生成された二次元コードのほか、求人内容等を適宜に記載した広告が所定のフォーマット等に従って作成されると(S809)、印刷処理部15によって当該広告が印刷され(S810)、履歴書に同封されて求職者に送付される(S811)。
履歴書と共に広告を受領した求職者は、履歴書を持参して当初予定していた採用者との面接に行くほか、広告にある求人情報に興味をもった場合には、広告中の二次元コードから応募ページのURLを取得し、求人情報に応募することができる。
【0086】
なお、本実施形態についても、求職者が応募ページにアクセスした後の処理については、上述した実施形態と同様に実行される。
また、依頼主から依頼先に対する、広告の同封についての報酬は、同封に応じて一律に定められているものであってもよいし、依頼主が求職者を採用できたときに支払われるものであってもよい。依頼主が求職者を採用できたときに支払われる報酬支払の態様を取る場合には、上述したS807において、求人情報に関連付けて依頼先が登録されていることから、報酬の支払対象としての依頼先が特定される。
【0087】
また、履歴書に同封された広告により、求職者が履歴書を持参して採用面接をした採用者あるいは採用面接を予定していた採用者に代わって、当該広告を出した採用者に採用された場合には、実際に採用した採用者から、履歴書によって採用面接をした採用者あるいは採用面接を予定していた採用者に対して一定のキャッシュバックがあってもよい。
【0088】
また、履歴書に広告を同封することについて、履歴書を作成する求職者から事前の承諾を得るようにしてもよい。この場合には例えば、履歴書を作成するためのウェブサイト上で、求職者に広告の同封の承諾をとりつけるようにするとよい。また、広告の同封について求職者が承諾する場合、所定のインセンティブを当該求職者に支払うようにしてもよい。
【0089】
これにより、働く意思のある求職者に対して確度の高い求人情報を提供することができるし、採用者にとっても、採用の可能性の高い広告を出すことができる。
【0090】
また、以上の本発明の実施形態において、一の求人情報に対して作成される情報提供媒体Mは一つであってもよいし、複数であってもよい。また、当該一の求人情報に対して作成される情報提供媒体Mは、一の掲載者のみならず、複数の掲載者によって掲載されるものであってもよい。
【0091】
なお、一の求人情報に対して作成される情報提供媒体Mが複数の掲載者によって掲載される場合には、求職者の採用が決まった際、求職者が参照した情報提供媒体Mの掲載者を特定できるようになっているのが好適である。このような掲載者の特定の方法は各種の方法によることができるが、例えば、
図15に示されるように、掲載者毎に、掲載者が掲載する情報提供媒体Mに保持させるURLを変え、当該URLと掲載者及び求人情報を関連付けて登録しておく。情報提供媒体Mに保持されているURLは、リダイレクトによって同一の求人情報の応募ページに遷移するようになっており、求職者が応募ページにアクセスした際、リダイレクト元のURLを識別することにより、どの状況提供媒体を経由して求職者がアクセスしてきたのかを特定することができる。
これにより、採用者は、近隣の複数のコンビニエンスストアなど、複数の掲載者に対して情報提供媒体Mの掲載を依頼しつつ、採用が決定した際には、採用に貢献した掲載者を特定し、当該特定した掲載者に対して報酬を支払うことができる。
【0092】
また、以上の本発明の実施形態において、応募情報記憶部1Dに蓄積される情報を参照することで、情報提供媒体Mを掲載した掲載者や当該掲載者の店舗等の場所と採用の正否などの情報を分析することで、求職者の動向や、情報提供媒体Mの掲載が効率的な場所などが明らかになり、このような分析結果を求人情報の提供にフィードバックすることで、求職者の採用の効率をさらに高めることができる。
【0093】
また、以上の本発明の実施形態においては、求職者等に対し、求職者端末2等にインストール可能な専用のアプリケーションを提供してもよい。この場合、当該アプリケーションの機能実行により、マップ上で情報提供媒体Mの検索を実行したり、求職者が情報提供媒体Mから情報を取得したり、求職者と採用者が求人情報提供装置1を介して情報をやり取りできたりするようになっていてもよい。
【0094】
なお、以上の本実施形態に係る求人情報提供システムにおいて、各端末又は装置の機能構成は一例であり、本例で示した機能部が、本例とは異なる端末又は装置に備えさせることもできる。
【符号の説明】
【0095】
1 求人情報提供装置
11 生成処理部
12 有効化処理部
13 判別処理部
14 履歴書作成処理部
15 印刷処理部
16 契約処理部
17 決済処理部
18 通信処理部
1A 採用者情報記憶部
1B 掲載者情報記憶部
1C 求人情報記憶部
1D 応募情報記憶部
1E 実績情報記憶部
2 求職者端末
3 採用者端末
4 掲載者端末
5 依頼主端末
6 依頼先端末
M 情報提供媒体
NW ネットワーク