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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】フィルタ清掃ユニット及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20240520BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20240520BHJP
   F24F 8/90 20210101ALI20240520BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
B01D46/10
F24F1/0007 401D
F24F8/90 110
F24F13/28
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018122245
(22)【出願日】2018-06-27
(65)【公開番号】P2020000986
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松本 創一郎
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】松井 裕典
【審判官】金 公彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-300075(JP,A)
【文献】特開2010-32194(JP,A)
【文献】特開2015-121339(JP,A)
【文献】実開平3-20216(JP,U)
【文献】実開平2-116623(JP,U)
【文献】実開昭59-133921(JP,U)
【文献】特開平5-141689(JP,A)
【文献】特開2004-92998(JP,A)
【文献】特開平7-332699(JP,A)
【文献】特開平11-63552(JP,A)
【文献】特開平8-94119(JP,A)
【文献】特開2009-299999(JP,A)
【文献】特開平4-332321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D46/00-46/54
F24F1/0007
F24F1/0059-1/008
F24F1/02
F24F1/032-1/0355
F24F8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部と、
前記フレーム部に設けられ、フィルタの一方向に沿って設置されたブラシを収容するブラシ固定部と、
前記フレーム部に設けられ、前記ブラシ固定部を前記一方向に対して垂直方向にかつ前記フィルタの表面に沿って移動させる駆動機構と、
を備え、
前記フレーム部は、
前記フレーム部の第1側部の中央側にて内側から外側へ向けて突出して固定して形成され、室内機のパネル部に形成された支持部に載置可能であり、前記パネル部に支持される仮止め用の固定突出部と、
前記フレーム部の前記第1側部と異なる第2側部において出入可能に形成され、突出時において前記パネル部に支持される仮止め用の可動突出部と、
前記フレーム部を前記室内機の前記パネル部に固定するためのボルト穴と、を有するフィルタ清掃ユニット。
【請求項2】
前記固定突出部と前記第1側部とは、断面屈曲形状となっている請求項1に記載のフィルタ清掃ユニット。
【請求項3】
前記駆動機構は、
モータと、
軸方向が前記フィルタの前記一方向に対して垂直方向となるように設置され、前記モータと接続されて、前記モータによって軸周りに回転するシャフトと、
前記シャフトと結合され、前記シャフトの軸周りの回転によって前記シャフトの軸方向に沿って移動するナットと、
長手方向が前記フィルタの前記一方向に対して垂直方向となるように、前記フィルタの前記一方向の両側にそれぞれ設置された二つのラックギアと、
前記ブラシ固定部に回転可能に設置され、各前記ラックギアと噛み合う二つのピニオンギアと、
を有し、
前記ブラシ固定部は前記ナットと接続される請求項1又は2に記載のフィルタ清掃ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルタ清掃ユニットと、前記ボルト穴を貫通するボルトとを備える空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ清掃ユニット及び空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天井埋込み型空気調和機の室内機には、吸込み口に設置されたフィルタに付着した塵埃を、ブラシによって清掃するフィルタ清掃ユニットを備えるものがある。ブラシは、フィルタの幅と同等の長さを有し、モータを有する駆動機構によって、フィルタの一方向に沿って移動する。
【0003】
下記の特許文献1には、清掃ユニットがフィルタに沿って移動してフィルタの清掃を行うブラシユニットと、ブラシユニットを駆動する駆動部を備え、清掃ユニットがフィルタに付着した塵埃を除去する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-8754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィルタ清掃ユニットは、フィルタ清掃ユニットフレーム(以下「フレーム部」という。)を有し、フレーム部がケース本体の下部に着脱可能に設置されるものがある。フレーム部には、フィルタと、ブラシと、ブラシをフィルタに沿って移動させる駆動機構などが設置される。
【0006】
従来、フィルタ清掃ユニットは、フレーム部に形成されたボルト穴にボルトを貫通させて、室内機のケース本体に設置されたパネル部に対してフレーム部がボルトによって固定されている。この場合、室内機のケース本体内部をメンテナンスする場合、作業者はボルト結合を解除して、フィルタ清掃ユニットをパネル部から取り外す。
【0007】
フレーム部に形成されたボルト穴が単なる円形状である場合、ボルト締結作業中において、作業者は、常にフィルタ清掃ユニットを下方から支持し続ける必要があり、重労働である。
【0008】
また、ボルト穴をだるま形状として、ボルト穴の一端がボルトヘッドの径よりも大きいものがある。この場合、フィルタ清掃ユニットをパネル部へ取り付ける作業の前に、ボルトをパネル部にある程度ねじ込んでおく。その後、フィルタ清掃ユニットをパネル部へ取り付ける際、フレーム部のボルト穴の一端側に、ケース本体に固定されたボルトのボルトヘッドを挿入して、フレーム部をボルト穴の他端側へスライドする。これにより、スライド後、更にボルトを締結する際は、先にある程度ねじ込まれたボルトによってフレーム部が支持されているため、作業者がフレーム部を支持するために必要な力を低減できる。しかし、ボルト締結作業時、フレーム部は、ボルトに対してスライド可能な状態であり、作業者の作業によっては、フレーム部がスライドしてフィルタ清掃ユニットが落下するおそれがある。そのため、作業者は、フレーム部がスライドしないように、ある程度の力でフレーム部を支持しておく必要がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フィルタ清掃ユニットをパネル部へ取り付ける際、作業者がフレーム部を支持することなくボルト締結作業を行うことが可能なフィルタ清掃ユニット及び空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のフィルタ清掃ユニット及び空気調和機は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るフィルタ清掃ユニットは、フレーム部と、前記フレーム部に設けられ、フィルタの一方向に沿って設置されたブラシを収容するブラシ固定部と、前記フレーム部に設けられ、前記ブラシ固定部を前記一方向に対して垂直方向にかつ前記フィルタの表面に沿って移動させる駆動機構とを備え、前記フレーム部は、前記フレーム部の第1側部の中央側にて内側から外側へ向けて突出して固定して形成され、室内機のパネル部に形成された支持部に載置可能であり、前記パネル部に支持される仮止め用の固定突出部と、前記フレーム部の前記第1側部と異なる第2側部において出入可能に形成され、引き出されたときに前記パネル部に支持される仮止め用の可動突出部と、前記フレーム部を前記室内機の前記パネル部に固定するためのボルト穴と、を有する。
【0011】
この構成によれば、フレーム部には、ブラシ固定部と、駆動機構が設けられ、ブラシ固定部には、フィルタの一方向に沿って設置されたブラシが収容されている。駆動機構は、ブラシ固定部をフィルタの一方向に対して垂直方向にかつフィルタの表面に沿って移動させる。フレーム部の第1側部において固定突出部が突出して固定して形成されており、固定突出部は、室内機のパネル部に係合可能である。また、フレーム部の第1側部と異なる第2側部において可動突出部が出入可能に形成されており、可動突出部は、突出時においてパネル部に係合可能である。
【0012】
これにより、可動突出部を第2側部において収納した状態で、フレーム部の第1側部に設けられた固定突出部をパネル部に支持させて、フレーム部をパネル部内の取り付け所定位置へ持ち上げる。その後、可動突出部を第2側部から引き出して、可動突出部をパネル部に係合する。これにより、フレームは、固定突出部と可動突出部によって室内機のパネル部に固定された状態となる。フレームは、ケース本体に対してスライドしづらいため、ボルトによって更にフレームをケース本体に固定する際、フィルタ清掃ユニットが落下する可能性が低減する。
前記固定突出部と前記第1側部とは、断面屈曲形状となっていてもよい。
【0013】
上記発明において、前記駆動機構は、モータと、軸方向が前記フィルタの前記一方向に対して垂直方向となるように設置され、前記モータと接続されて、前記モータによって軸周りに回転するシャフトと、前記シャフトと結合され、前記シャフトの軸周りの回転によって前記シャフトの軸方向に沿って移動するナットと、長手方向が前記フィルタの前記一方向に対して垂直方向となるように、前記フィルタの前記一方向の両側にそれぞれ設置された二つのラックギアと、前記ブラシ固定部に回転可能に設置され、各前記ラックギアと噛み合う二つのピニオンギアとを有し、前記ブラシ固定部は前記ナットと接続されてもよい。
【0014】
この構成によれば、シャフトが、シャフトの軸方向がフィルタの一方向に対して垂直方向となるように設置される。モータが回転することによってシャフトが軸周りに回転し、シャフトと結合されたナットが、シャフトの軸周りの回転によってシャフトの軸方向に沿って移動する。これにより、ナットが接続されたブラシ固定部が、シャフトの軸方向に沿って、フィルタの一方向に対して垂直方向に移動する。
【0015】
ブラシ固定部には、二つのピニオンギアが回転可能に設置されており、各ピニオンギアは、フィルタの一方向の両側にそれぞれ設置された二つのラックギアと噛み合う。ブラシ固定部が、フィルタの一方向に対して垂直方向に移動する際、ピニオンギアがラックギア上を移動して、従動的に回転する。ブラシ固定部は、フィルタの一方向の両側でピニオンギアとラックギアによって支持されているため、ブラシ固定部とブラシが確実に移動する。モータは一つのみ設置すればよく、簡易な構造でブラシを移動させることができる。
【0016】
本発明に係る空気調和機は、上記のフィルタ清掃ユニットと、前記ボルト穴を貫通するボルトとを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フィルタ清掃ユニットをパネル部へ取り付ける際、作業者がフレーム部を支持することなくボルト締結作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る天井埋込み型空気調和機の室内ユニットを示す縦断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る天井埋込み型空気調和機の室内ユニットを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るフィルタ及びフィルタ清掃ユニットを示す斜視図であり、下面側から見た図である。
図4】本発明の一実施形態に係るフィルタ及びフィルタ清掃ユニットを示す斜視図であり、上面側から見た図である。
図5】本発明の一実施形態に係るフィルタ及びフィルタ清掃ユニットを示す縦断面図であり、フィルタ清掃ユニットの取り付け過程を示している。
図6】本発明の一実施形態に係るフィルタ及びフィルタ清掃ユニットを示す縦断面図であり、フィルタ清掃ユニットの取り付け過程を示している。
図7】本発明の一実施形態に係るフィルタ及びフィルタ清掃ユニットを示す縦断面図であり、フィルタ清掃ユニットが取り付けられた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一実施形態に係る天井埋込み型空気調和機について、図面を参照して説明する。
天井埋込み型空気調和機(以下「空気調和機」という。)は、室内ユニット1と、室外ユニット(図示せず。)と、室内ユニット1及び室外ユニットとを結ぶ冷媒配管(図示せず。)などを備える。
室内ユニット1は、ケース本体2が天井に埋込まれて設置される。ケース本体2の内部には、図1に示すように、熱交換器7、ドレンパン10、モータ5、送風機6、ベルマウス12等が内蔵され、このケース本体2の下部には天井面に露出するパネル部8が装着される。
【0020】
図1及び図2に示すように、室内ユニット1の下面中央部には吸込み口3が形成され、この吸込み口3に隣接した位置に、室内ユニット1の下面外周部に沿って一方向に長い吹出し口4が形成される。吸込み口3には、吸込みグリル11と、吸込みグリル11の上方にフィルタ13とが設置される。ドレンパン10は、熱交換器7の下部に設けられ、熱交換器7から滴下するドレン水を受ける。ベルマウス12は、ドレンパン10の下部に設けられる。
【0021】
空気調和機が運転すると、図示しない室外ユニットからの冷媒が熱交換器7を循環し、モータ5によって送風機6が駆動される。送風機6の駆動によって、室内空気が吸込み口3から吸込みグリル11、フィルタ13を通り、ベルマウス12に案内されて送風機6へ吸入される。そして、送風機6から吹き出された空気は、熱交換器7を通過することで、冷却又は加熱され、その後、吹出し口4から室内へ吹き出される。
【0022】
ルーバ14は、吹出し口4の形状に合わせて一方向に長く、ルーバ14は、長手方向に対して平行な軸周りに回動する。これにより、ルーバ14の向きが変更されることによって、吹出し口4から吹き出される空気流が上向きとなったり又は下向きとなったりする。
【0023】
フィルタ13は、吸入される空気に含まれる塵埃等を除去する。フィルタ13は、吸込み口3と同様に四角形状を有し、吸込み口3の中央付近に配置される。また、吸込みグリル11の枠部の四隅には、吸込みグリル11を昇降させるワイヤ15が配置されている。
【0024】
本実施形態に係る室内ユニット1は、フィルタ清掃ユニット16を備える。図2に示すように、フィルタ清掃ユニット16は、フィルタ13の下面においてパネル部8に設置されており、フィルタ13における一方向の1辺の長さと同等又はそれよりも長いブラシ17を有する。フィルタ清掃ユニット16のブラシ17がフィルタ13の一端側の辺から他端側の辺へフィルタ13の表面に接触ながら移動することで、フィルタ13に付着した塵埃を除去する。フィルタ清掃ユニット16は、運転制御に関する制御信号に基づいて運転を開始する。
【0025】
図2及び図3に示すように、フィルタ清掃ユニット16は、パネル部8に着脱可能に設置されるフレーム部9と、フレーム部9に設置されたブラシ17、ブラシ固定部21及びモータ24等を備える。
【0026】
図2図4に示すように、フレーム部9は、吸込み口3と同様に四角形状を有し、吸込み口3の中央付近に配置される。フレーム部9には、フィルタ13が設置され、フレーム部9は、パネル部8に取り付けられたり、パネル部8から取り外されたりすることができる。フレーム部9は、後述する固定突出部50及び可動突出部51によって仮止めされ、更にボルトによってパネル部8に確実に固定される。
【0027】
図3図7に示すように、フレーム部9の1辺の第1側部9Aには、固定突出部50が形成されている。また、固定突出部50が形成された1辺に対向する辺の第2側部9Bには、可動突出部51が設けられる。
【0028】
固定突出部50は、フレーム部9の第1側部9Aにて内側から外側へ向けて突出しており、フレーム部9に固定して形成されている。パネル部8には、固定突出部50に対応して、固定突出部50が挿入され載置される支持部52が形成される。固定突出部50は、室内ユニット1のパネル部8に支持される。
【0029】
可動突出部51は、フレーム部9の第2側部9Bにおいて出入可能に設けられる。パネル部8には、可動突出部51に対応して、可動突出部51が挿入され載置される支持部53が形成される。可動突出部51は、先端側を第2側部9Bから外側へ突出させたとき、パネル部8に支持される。また、可動突出部51は、先端が第2側部9Bの端面に揃うように、フレーム部9内に収容される。
【0030】
これにより、可動突出部51を第2側部9Bにおいてフレーム部9内に収容した状態では、可動突出部51の先端が第2側部9Bの端面と同一面又は端面よりも内側に配置され、可動突出部51がパネル部8に当たることなく、フレーム部9を取り付け所定位置に設置できる。フレーム部9を取り付け所定位置に設置し水平状態とした後、フレーム部9内に収容された可動突出部51を突出させることによって、可動突出部51が支持部53に支持される。
【0031】
フレーム部9をパネル部8に取り付ける場合、図5に示すように、可動突出部51を第2側部9Bにおいて収容した状態で、フレーム部9の第1側部9Aに設けられた固定突出部50をパネル部8の支持部52に支持させて、図6に示すように、フレーム部9をパネル部8内の吸込み口3における取り付け所定位置へ持ち上げる。その後、図7に示すように、フレーム部9を水平にした状態で、可動突出部51を第2側部9Bから引き出して、可動突出部51をパネル部8の支持部53に支持させる。これにより、フレーム部9は、固定突出部50と可動突出部51によって室内ユニット1のパネル部8に固定された状態となる。
【0032】
この状態で、フィルタ清掃ユニット16は、フレーム部9に形成されたボルト穴にボルトを貫通させて、室内ユニット1のパネル部8に対してフレーム部9がボルトによって確実に固定される。従来、フィルタ清掃ユニットのフレーム部をパネル部に設置する際、落下しないようにフレーム部を下方から支持する必要があり、ボルト穴をだるま形状とする場合もフレームが滑らないように支持する必要があったが、本実施形態によれば、固定突出部50と可動突出部51によって、フレーム部9は、パネル部8に対して一時的に荷重が支持され、かつ、フレーム部9がスライドしづらくなる。したがって、ボルトによって更にフレーム部9をパネル部8に固定する際、作業者がフレーム部9を下方から支持したり不要なスライドを防止する労力が減り、フィルタ清掃ユニット16が落下する可能性が低減する。
【0033】
ブラシ17は、一方向に長い軸材を有し、軸材の外周面において軸方向の一端から他端にかけて多数の毛が配置される。ブラシ17は、両端部のそれぞれに、ピニオンギアと噛み合うブラシ回転用ギア(図示せず。)が設置されている。また、ブラシ17は、両端部おいてブラシ固定部21によって支持される。
【0034】
図3に示すように、ブラシ固定部21は、ブラシ17の軸方向と平行な方向に長い部材であり、内側にブラシ17を収容する。ブラシ固定部21は、ブラシ17を囲む形状を有しており、フィルタ13側にてブラシ17を露出させる。ブラシ固定部21には、長手方向両端部に一つずつ合計二つのピニオンギア(図示せず。)が回転可能に設置されている。ブラシ固定部21は、ピニオンギアを介してラックギア22に支持される。ブラシ固定部21がラックギア22に沿って移動することによって、ブラシ固定部21及びブラシ17がフィルタ13の表面に沿ってフィルタ13の一端側の辺から他端側の辺にかけて移動する。
【0035】
ブラシ固定部21は、フィルタ13の一方向の両側でピニオンギアとラックギア22によって支持されているため、ブラシ固定部21とブラシ17が確実に移動する。
【0036】
ピニオンギアは、ブラシ固定部21の両端部にそれぞれ設置されている。ピニオンギアは、ラックギア22と噛み合う。ブラシ固定部21が移動することによって、ピニオンギアは、ラックギア22上を移動してラックギア22から伝達された力によって従動的に回転する。ラックギア22は、フィルタ13の外側において、軸方向がブラシ17の軸方向とは垂直方向になるように設置される。ラックギア22の長さは、フィルタ13の1辺の長さと同等又はそれよりも長い。
【0037】
ブラシ回転用ギアは、各ピニオンギアに対応して一つずつ設けられ、ピニオンギアに噛み合っている。ピニオンギアが回転することによって、ブラシ回転用ギアがピニオンギアから伝達された力によって従動的に回転する。その結果、ブラシ回転用ギアに設置されたブラシ17が回転し、ブラシ17の移動と共にブラシ17が回転する。
【0038】
また、ピニオンギアは、モータ24と連結されておらず、従動的に動作する部材である。本実施形態では、ピニオンギアがブラシ固定部21に設置されているため、特許文献1と異なり、二つのピニオンギアを連結する推進軸が不要である。
【0039】
図3に示すように、モータ24、シャフト25及びナット26などからなる駆動機構は、フィルタ13の1辺に沿って1組のみ設置されればよい。
【0040】
モータ24は、フィルタ清掃ユニット16のフレーム部9に固定設置される。モータ24は、シャフト25と連結されており、モータ24が駆動することによってシャフト25が軸周りに回転する。シャフト25は、一方向に長い軸材であり、軸材の外周面に雄ねじが形成され、ナット26が噛み合わされている。シャフト25は、軸方向がブラシ17の軸方向に対して垂直方向となるように、すなわち、ラックギア22と平行方向に設置される。シャフト25は、フィルタ13における一方向の1辺の長さと同等又はそれよりも長い。
【0041】
ナット26は、内周面にシャフト25の雄ねじと噛み合う雌ねじが形成されている。ナット26は、シャフト25の軸周りに回転しないようにブラシ固定部21と接続されている。ナット26は、ブラシ固定部21に対して固定されていないが、ナット26はブラシ固定部21を押すことができるようにブラシ固定部21と接続されている。これにより、シャフト25が回転することによって、ナット26が移動し、ナット26がブラシ固定部21を押し、シャフト25の軸方向に沿って移動する。シャフト25の回転方向を変更することによって、ナット26及びブラシ固定部21の進行方向を変更できる。
【0042】
なお、上述した例では、シャフト25に雄ねじが形成され、ナット26に雌ねじが形成されて組み合わされた例について説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、シャフト25とナット26の組み合わせによってボールねじ機構となるように、シャフト25とナット26が構成されてもよい。
【0043】
本実施形態において、モータ24は一つのみ設置すればよく、簡易な構造でブラシ17を移動させることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 :室内ユニット
2 :ケース本体
3 :吸込み口
4 :吹出し口
8 :パネル部
9 :フレーム部
9A :第1側部
9B :第2側部
11 :吸込みグリル
13 :フィルタ
14 :ルーバ
15 :ワイヤ
16 :フィルタ清掃ユニット
17 :ブラシ
21 :ブラシ固定部
22 :ラックギア
24 :モータ
25 :シャフト
26 :ナット
50 :固定突出部
51 :可動突出部
52 :支持部
53 :支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7