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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240520BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020044046
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021145521
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-06-20
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柴田 晃志
(72)【発明者】
【氏名】竹内 崇
(72)【発明者】
【氏名】長江 功貴
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 寿晃
(72)【発明者】
【氏名】尾下 慶明
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】山崎 慎一
【審判官】吉田 美彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/033852(WO,A1)
【文献】特開2002-280921(JP,A)
【文献】特開2013-247755(JP,A)
【文献】特開2004-128359(JP,A)
【文献】特開2004-87594(JP,A)
【文献】米国特許第6414850(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子を備える電力変換装置であって、
前記電力変換装置は、ボディアースされる筐体を有し、
前記筐体は、
遮蔽壁が立設されたベース部材と、
前記ベース部材の開口部を塞ぐカバー部材とを備え、
前記遮蔽壁の端部と前記カバー部材との間には回路基板が配置され、
前記回路基板は、前記遮蔽壁に沿って複数のスルーホールを有し、
前記回路基板の前記遮蔽壁に対応する前記ベース部材側と前記カバー部材側の少なくとも一方に、はんだを形成してなり、
前記スルーホールが前記回路基板のグランドパターンに接続されており、
前記はんだが、前記遮蔽壁の端部または前記カバー部材に接触されていることにより、前記スルーホールと前記はんだとが同電位かつグランド電位になっている、ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
スイッチング素子を備える電力変換装置であって、
前記電力変換装置は、ボディアースされる筐体を有し、
前記筐体は、
遮蔽壁が立設されたベース部材と、
前記ベース部材の開口部を塞ぐカバー部材とを備え
前記遮蔽壁の端部と前記カバー部材との間に回路基板が配置され、
前記回路基板は、前記遮蔽壁に沿って複数のスルーホールを有し、
前記回路基板の前記ベース部材側と前記カバー部材側の少なくとも一方に、前記遮蔽壁に沿ってはんだを形成してなり、
前記スルーホールが前記回路基板のグランドパターンに接続されており、
前記はんだが、前記回路基板のグランドパターンに接続されていることにより、前記スルーホールと前記はんだとが同電位かつグランド電位になっている、ことを特徴とする電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の電力変換装置においては、底面全面と側面が金属材料で形成された上面が開放のケースと、ケースの上面を覆う金属材料で形成されたカバー部材を設け、ケースの底面から鉛直方向に遮蔽壁を立設して、遮蔽壁により隔離された第1の収容部と第2の収容部を形成している。第1の収容部には入力フィルタ回路部を収納し、第2の収容部にはパワー系主回路部と制御回路部と出力フィルタ回路部を収納し、カバー部材は遮蔽壁に当接するようにしている。入力フィルタ回路部を構成する部品間を電気的に接続する多層プリント基板と、パワー系主回路部と制御回路部と出力フィルタ回路部を構成する部品間を電気的に接続する多層プリント基板を分離している。基板を分割して筐体内に壁を設置することで電気的ノイズを遮蔽する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-75917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで基板間の接続構造を省くために、入力フィルタ回路部を構成する部品と、パワー系主回路部と制御回路部と出力フィルタ回路部を構成する部品とを一枚の基板上に配置しようとすると、遮蔽壁を避けるように基板に切り込みを形成して、切り込みに遮蔽壁が通るようにする必要があるので、回路基板が撓みやすく撓みによって、基板に形成したはんだや基板実装部品にストレスが加わりやすい。
【0005】
本発明の目的は、遮蔽構造でも回路基板の強度を確保することができる電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための電力変換装置は、スイッチング素子を備える電力変換装置であって、遮蔽壁が立設されたベース部材と、前記ベース部材の開口部を塞ぐカバー部材と、前記遮蔽壁の端部と前記カバー部材との間に配置された回路基板と、を備え、前記回路基板は、前記遮蔽壁に沿って複数のスルーホールを有することを要旨とする。
【0007】
これによれば、回路基板は遮蔽壁とカバー部材との間に配置されており、遮蔽壁に沿う複数のスルーホールによりノイズを遮蔽することができる。よって、回路基板には切り込みが形成されていないことから、回路基板が撓みにくく撓みによる、回路基板に形成したはんだや基板実装部品のストレスを抑制できる。その結果、遮蔽構造でも回路基板の強度を確保することができる。
【0008】
また、電力変換装置において、前記スルーホールが回路基板のグランドパターンに接続されているとよい。
また、電力変換装置において、前記回路基板の前記遮蔽壁に対応する前記ベース部材側と前記カバー部材側の少なくとも一方に、はんだを形成してなるとよい。
【0009】
また、電力変換装置において、前記はんだが、前記遮蔽壁の端部または前記カバー部材に接触しているとよい。
また、電力変換装置において、前記はんだが、回路基板のグランドパターンに接続されているとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遮蔽構造でも回路基板の強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における電力変換装置の分解斜視図。
図2】(a)は電力変換装置の一部平面図、(b)は(a)のA-A線での縦断面図。
図3】カバー部材を取り外した状態での電力変換装置の一部平面図、(b)は(a)のA-A線での縦断面図。
図4】(a)はカバー部材及び回路基板を取り外した状態での電力変換装置の一部平面図、(b)は(a)のA-A線での縦断面図。
図5】(a)は回路基板の一部平面図、(b)は(a)のA-A線での縦断面図。
図6】回路基板の一部平面図。
図7図6のA-A線での縦断面図。
図8図6のB-B線での縦断面図。
図9】電力変換装置の電気的構成を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図9に示すように、スイッチング素子を備える電力変換装置10は、入力端子から高電圧直流電圧を入力するとともに、出力端子から交流電圧を出力する。例えば、車載機器であって、車載蓄電装置から高電圧直流電圧を入力して100Vの交流として出力するものを挙げることができる。
【0013】
電力変換装置10は、入力端子側から出力端子側に向かって、順に、入力フィルタ回路としての高圧入力ノイズフィルタ11、昇圧回路12、DC/DC回路13、DC/AC回路14、及び、AC出力ノイズフィルタ15を有する。
【0014】
高圧入力ノイズフィルタ11は、チョークコイルLchと、チョークコイルLchの入力側において直列接続された一対のコンデンサC1,C2と、チョークコイルLchの出力側において直列接続された一対のコンデンサC3,C4と、一対のコンデンサC3,C4に並列接続されたコンデンサC5とにより構成されている。
【0015】
昇圧回路12は、コイルL1と、スイッチング用トランジスタQ1と、ダイオードD1とにより構成されている。
DC/DC回路13は、トランスTrと、トランスTrの一次側において直列接続された一対のコンデンサC6,C7と、トランスTrの一次側において直列接続された一対のスイッチング用トランジスタQ2,Q3と、トランスTrの二次側において直列接続された一対のダイオードD2,D3と、トランスTrの二次側において直列接続された一対のダイオードD4,D5と、トランスTrの二次側に接続されたコンデンサC8とにより構成されている。
【0016】
DC/AC回路14は、抵抗R1と、直列接続された一対のスイッチング用トランジスタQ4,Q5と、直列接続された一対のスイッチング用トランジスタQ6,Q7とにより構成されている。
【0017】
AC出力ノイズフィルタ15は、コイルL2と、コイルL3と、コンデンサC9と、直列接続された一対のコンデンサC10,C11とにより構成されている。
電力変換装置10の具体的構成について、図1図8を用いて説明する。
【0018】
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
図1図2(a)、図2(b)に示すように、電力変換装置10は、ボディアースされる筐体20を有し、筐体20内に図9に示した電力変換装置10を構成する各種部品及び回路基板50が収納されている。筐体20は、上面が開口する四角箱状のベース部材30と、ベース部材30の開口部を塞ぐ四角板状のカバー部材40とにより構成されている。カバー部材40は、ベース部材30に、ねじ止めされる。ベース部材30はアルミよりなり、カバー部材40は鉄よりなる。カバー部材40とベース部材30とは、ねじ締結により電気的に繋がっている。
【0019】
四角箱状のベース部材30は、底面部30aと、対向する一対の側面部30b,30cと、対向する一対の側面部30d,30eと、を有する。側面部30bには入力コネクタ60及び出力コネクタ61がY方向に離間して配置されている。入力コネクタ60は、側面部30bにおける側面部30dに接近する位置に設けられている。入力コネクタ60は、側面部30bを貫通する状態で固定されている。出力コネクタ61は、側面部30bにおける側面部30eに近い位置に設けられている。出力コネクタ61は、側面部30bを貫通する状態で固定されている。
【0020】
図4(a)、図4(b)に示すように、筐体20の内部における側面部30bと側面部30dとでなす角部には、高圧入力ノイズフィルタ11の構成部品100が配置される。つまり、図9におけるチョークコイルLch、コンデンサC1,C2,C3,C4,C5が配置される。
【0021】
筐体20の内部におけるベース部材30には、入力フィルタ回路としての高圧入力ノイズフィルタ11の構成部品100を仕切るように遮蔽壁31が立設されている。遮蔽壁31は、図4(b)に示すように、ベース部材30の底面からカバー部材40に向かってZ方向に延びている。遮蔽壁31は、図4(a)に示すように、平行部31aと斜状部31bを有する。平行部31aは、側面部30dと平行にX方向に延びている。斜状部31bは、平行部31aにおける側面部30bに接近する側から延び、側面部30dから離間する方向に斜めに延びて側面部30bにつながっている。平行部31aの端部に、ねじ孔36が形成されている。平行部31aと斜状部31bとの境界部分に、ねじ孔35が形成されている。斜状部31bにおける側面部30b側に、ねじ孔34が形成されている。
【0022】
図2(a)、図2(b)、図3(a)、図3(b)に示すように、回路基板50は、筐体20(ベース部材30)内において遮蔽壁31の端部37とカバー部材40との間に配置される。
【0023】
ベース部材30上に回路基板50が、ねじ締結されている。詳しくは、図4(a)、図4(b)に示すように、ベース部材30の側面部30dに、ねじ孔32,33が形成されている。また、図5(a)、図5(b)に示すように、回路基板50に貫通孔51,52,53,54,55が形成されている。そして、図1図3(a)、図3(b)に示すように、ねじSc1が貫通孔51を通してねじ孔32に螺入される。ねじSc2が貫通孔52を通してねじ孔33に螺入される。ねじSc3が貫通孔53を通してねじ孔34に螺入される。ねじSc4が貫通孔54を通してねじ孔35に螺入される。ねじSc5が貫通孔55を通してねじ孔36に螺入される。遮蔽壁31の端部37にねじ孔34,35,36を形成し、回路基板50をねじ締結することで、後述するようにはんだ(はんだ山)90が、遮蔽壁31の端部37に確実に接触させることができる。なお、図示しないがベース部材30と回路基板50は別の部位においても、ベース部材に設けられたボスにねじ締結されている。そして、その上からカバー部材40が図示しないねじによってねじ締結されている。
【0024】
図5(a)、図5(b)、図6図8に示すように、回路基板50は、遮蔽壁31に沿って複数のスルーホール70及び複数のスルーホール80を有する。スルーホール70,80は、回路基板50を貫通する孔に、銅めっきによって導体を形成した、めっきスルーホールである。
【0025】
複数のスルーホール70は、平面視(図3(a)参照)において遮蔽壁31の配置箇所から一方側において遮蔽壁31から離間した位置に遮蔽壁31に沿って形成されている。複数のスルーホール80は、平面視において遮蔽壁31の配置箇所から他方側において遮蔽壁31から離間した位置に遮蔽壁31に沿って形成されている。
【0026】
図6図8に示すように、スルーホール70が回路基板50のグランドパターン110に接続されている。スルーホール80が回路基板50のグランドパターン111に接続されている。
【0027】
図5(a)、図5(b)、図6図7に示すように、回路基板50における遮蔽壁31に対応する位置でのベース部材30側に、ダミーのはんだ(はんだ山)90が断続的に形成されている。また、回路基板50における遮蔽壁31に対応する位置でのカバー部材40側に、ダミーのはんだ(はんだ山)91が断続的に形成されている。図3(a)で説明すると、はんだ(はんだ山)90及びはんだ(はんだ山)91は、平面視において遮蔽壁31に重なるように配置されている。このように、回路基板50の遮蔽壁31に対応するベース部材30側に、はんだ(はんだ山)90が形成されるとともにカバー部材40側に、はんだ(はんだ山)91が形成されている。はんだ(はんだ山)90及びはんだ(はんだ山)91を断続的に形成したのは、連続的に延設すると長手方向(延設方向)において高さを一定にすることが難しくなるためである。
【0028】
なお、回路基板50におけるベース部材30側とカバー部材40側の少なくとも一方に、はんだ(はんだ山)90,91が形成されていればよい。
図8に示すように、はんだ(はんだ山)90が、遮蔽壁31の端部37に接触している。はんだ(はんだ山)91が、カバー部材40に接触している。
【0029】
なお、はんだ(はんだ山)90,91が、遮蔽壁31の端部37またはカバー部材40に接触していてもよいし、他にも、はんだ(はんだ山)90,91が、回路基板50のグランドパターン110に接続されていてもよい。
【0030】
このようにして、スルーホール70,80とはんだ(はんだ山)90,91とは、グランドパターン(導体パターン)110,111と繋がっている等により、同電位かつグランド電位となっている。
【0031】
次に、作用について説明する。
筐体20の内部において昇圧回路12のスイッチング用トランジスタQ1のスイッチング動作に伴いノイズが発生する。また、DC/DC回路13のスイッチング用トランジスタQ2,Q3のスイッチング動作に伴いノイズが発生する。さらに、DC/AC回路14のスイッチング用トランジスタQ4,Q5,Q6,Q7のスイッチング動作に伴いノイズが発生する。
【0032】
発生したノイズは、高圧入力ノイズフィルタ11の構成部品100の周りに遮蔽壁31が形成されているので高圧入力ノイズフィルタ11に対し遮蔽される。また、回路基板50は、遮蔽壁31に沿って複数のスルーホール70及び複数のスルーホール80を有するので、ノイズは高圧入力ノイズフィルタ11に対し遮蔽される。さらに、回路基板50の遮蔽壁31に対応するベース部材30側及びカバー部材40側に、はんだ(はんだ山)90,91が形成されているので、ノイズは高圧入力ノイズフィルタ11に対し遮蔽される。
【0033】
このようにして、一枚の基板を用いたノイズ遮蔽構造とすべく、電気的ノイズの遮蔽能力が高められた一体基板、即ち、電気的経路を遮断しない構造にできる。つまり、一枚基板にすることで、電気的経路を遮断しないようにできる。
【0034】
また、はんだ(はんだ山)90,91を設置することで回路基板50と遮蔽壁31の隙間、及び、回路基板50とカバー部材40の隙間を低減し、ノイズ遮蔽能力を高めることができる。
【0035】
また、スルーホール70,80を設置し、回路基板50内のノイズ遮蔽能力を高めることができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0036】
(1)スイッチング素子としてのスイッチング用トランジスタQ1~Q7を備える電力変換装置10の構成として、入力フィルタ回路としての高圧入力ノイズフィルタ11の構成部品100を仕切るように遮蔽壁31が立設されたベース部材30と、ベース部材30の開口部を塞ぐカバー部材40と、遮蔽壁31の端部37とカバー部材40との間に配置された回路基板50と、を備え、回路基板50は、遮蔽壁31に沿って複数のスルーホール70,80を有する。これによれば、回路基板50は遮蔽壁31とカバー部材40との間に配置されており、遮蔽壁31に沿う複数のスルーホール70,80によりノイズを遮蔽することができる。よって、回路基板50には切り込みが形成されていないことから、回路基板50が撓みにくく撓みによる、回路基板50に形成したはんだや基板実装部品のストレスを抑制できる。その結果、遮蔽構造でも回路基板50の強度を確保することができる。
【0037】
(2)スルーホール70,80が回路基板50のグランドパターン110,111に接続されているので、ノイズをより遮蔽することができる。
(3)回路基板50の遮蔽壁31に対応するベース部材30側とカバー部材40側の少なくとも一方に、はんだ(はんだ山)90,91を形成しているので、ノイズをより遮蔽することができる。
【0038】
(4)はんだ(はんだ山)90,91が、遮蔽壁31の端部37またはカバー部材40に接触しているので、ノイズをより遮蔽することができる。
(5)はんだ(はんだ山)90,91が、回路基板50のグランドパターン110に接続されていると、ノイズをより遮蔽することができる。
【0039】
(6)スルーホール70,80、はんだ(はんだ山)90,91の形成は通常の回路基板の製造プロセスで形成可能である。したがって追加の工程は必要ない。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
【0040】
○ 回路基板50に、ダミーのはんだ(はんだ山)90,91を実装したが、これに代わり、ダミー導体部品(銅ロック等)を表面実装してもよい。
○ 複数のスルーホール70、複数のスルーホール80は、平面視において遮蔽壁31の配置箇所から離間した位置に遮蔽壁31に沿って形成したが、複数のスルーホール70,80は、平面視において遮蔽壁31の配置箇所において遮蔽壁31に沿って形成してもよい。
【0041】
〇 グランドパターン110,111は図6に示すようにスルーホール70,80をそれぞれつなぐように形成されていなくてもよい。スルーホール70,80およびはんだ90,91をすべて繋ぐように、遮蔽壁31の端部37よりも幅広のパターンで形成されていてもよい。
【0042】
〇 遮蔽壁31の端部37の全長に渡って、スルーホール70,80、はんだ90,91が形成されていなくても、一部分に形成されていればよい。
〇 スルーホール70とスルーホール80はいずれか一方でもよい。
【0043】
○ 電力変換装置10は、直流を入力して交流を出力するものに限ることなく、他の電力変換装置、例えばDC/DCコンバータであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…電力変換装置、30…ベース部材、31…遮蔽壁、37…端部、40…カバー部材、50…回路基板、70,80…スルーホール、90,91…はんだ、110,111…グランドパターン、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7…スイッチング用トランジスタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9