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特許7490405画像形成装置、印刷システム、制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】画像形成装置、印刷システム、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240520BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240520BHJP
【FI】
G06F3/12 338
G06F3/12 367
G06F3/12 322
G06F3/12 385
B41J29/38 201
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020051244
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021149809
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】安原 洋
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-152965(JP,A)
【文献】特開2010-178083(JP,A)
【文献】特開2009-000889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュアな第1のネットワークを介した通信と、第2のネットワークを介した通信と、を行う画像形成装置であって、
前記第1のネットワークに接続される第1の端末装置から前記第1のネットワークを介して、または、前記第2のネットワークに接続される第2の端末装置から前記第2のネットワークを介して、印刷データを受信する受信手段と、
前記受信した印刷データを記憶部に記憶する記憶手段と、
前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第1のネットワークを介して通信を行う第1のサーバと前記第2のネットワークを介して通信を行う第2のサーバとのそれぞれに対して前記印刷データの書誌情報を送信するか、前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第2のサーバのみに対して前記印刷データの書誌情報を送信するかの設定を保持する保持手段と、
前記受信手段において前記第1のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第1のネットワークを介して前記第1のサーバ前記印刷データの書誌情報を送信し、
前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第2のサーバのみに対して前記印刷データの書誌情報を送信する設定が、前記保持手段に保持されており、かつ、前記受信手段において前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第2のネットワークを介して前記第2のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信し、
前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第1のサーバと前記第2のサーバとのそれぞれに対して前記印刷データの書誌情報を送信する設定が、前記保持手段に保持されており、かつ、前記受信手段において前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第1のネットワークを介して前記第1のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信し、かつ、前記第2のネットワークを介して前記第2のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信する、送信手段と、を有し、
前記送信手段により前記第1のサーバに送信される前記印刷データの書誌情報には、前記記憶手段に記憶された前記印刷データを識別するためのIDと、前記第1のネットワーク上で前記画像形成装置を識別するための情報とが少なくとも含まれ、
前記送信手段により前記第2のサーバに送信される前記印刷データの書誌情報には、前記記憶手段に記憶された前記印刷データを識別するためのIDと、前記第2のネットワーク上で前記画像形成装置を識別するための情報とが少なくとも含まれる、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2のサーバでは、前記第1のネットワークを介して前記画像形成装置が受信した前記印刷データの書誌情報は管理されないことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
別の画像形成装置からの前記記憶部に記憶される印刷データの送信要求に応じて、当該印刷データを前記別の画像形成装置に対して送信する第2の送信手段と、をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
セキュアな第1のネットワークを介した通信と、第2のネットワークを介した通信と、を行う画像形成装置の制御方法であって、
前記第1のネットワークに接続される第1の端末装置から前記第1のネットワークを介して、または、前記第2のネットワークに接続される第2の端末装置から前記第2のネットワークを介して、印刷データを受信する受信工程と、
前記受信した印刷データを記憶部に記憶する記憶工程と、
前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第1のネットワークを介して通信を行う第1のサーバと前記第2のネットワークを介して通信を行う第2のサーバとのそれぞれに対して前記印刷データの書誌情報を送信するか、前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第2のサーバのみに対して前記印刷データの書誌情報を送信するかの設定を保持部に保持する保持工程と、
前記受信工程において前記第1のネットワークを介して前記印刷データが受信された場合は、前記第1のネットワークを介して前記第1のサーバ前記印刷データの書誌情報を送信し、
前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第2のサーバのみに対して前記印刷データの書誌情報を送信する設定が、前記保持部に保持されており、かつ、前記受信工程において前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第2のネットワークを介して前記第2のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信し、
前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第1のサーバと前記第2のサーバとのそれぞれに対して前記印刷データの書誌情報を送信する設定が、前記保持部に保持されており、かつ、前記受信工程において前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第1のネットワークを介して前記第1のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信し、かつ、前記第2のネットワークを介して前記第2のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信する、送信工程と、を有し、
前記送信工程において前記第1のサーバに送信される前記印刷データの書誌情報には、前記記憶部に記憶された前記印刷データを識別するためのIDと、前記第1のネットワーク上で前記画像形成装置を識別するための情報とが少なくとも含まれ、
前記送信工程において前記第2のサーバに送信される前記印刷データの書誌情報には、前記記憶部に記憶された前記印刷データを識別するためのIDと、前記第2のネットワーク上で前記画像形成装置を識別するための情報とが少なくとも含まれる、ことを特徴とする制御方法。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の手段としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュアな第1のネットワークを介した通信と、第2のネットワークを介した通信と、を行う画像形成装置、印刷システム、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスに設置される画像形成装置において、PCなどの情報処理装置から文書の印刷指示を実施した後、さらに画像形成装置上の操作部より文書の出力指示を行った後に文書が印刷される“留め置き印刷”が実現されている。留め置き印刷機能により、他のユーザーによって出力文書が取得または閲覧されることを防ぐことが可能となる。
【0003】
また、近年、印刷データが留め置かれている画像形成装置(入稿機)とは別の画像形成装置(出力機)で、印刷データの印刷が実行されるリモート印刷も広まっている。リモート印刷では、印刷データの文書名などの書誌情報を管理するサーバに対して、入稿機となる画像形成装置が、受信した印刷データの書誌情報を送信する。出力機となる画像形成装置が、ユーザーがログインした際に、ユーザーに関連づく印刷データのリストをサーバから取得する。出力機となる画像形成装置は、リストから選択された印刷データの印刷指示を受け付けて、印刷データの印刷を実行する。
【0004】
さらに、近年、複数のネットワークに接続可能な画像形成装置が存在する。単一のネットワークにしか接続できない画像形成装置の場合、複数のネットワークが存在する環境においては、それらネットワークの数に応じて、画像形成装置をそれぞれ設置する必要がある。一方で、複数のネットワークに接続可能な画像形成装置の場合、複数のネットワークで一台の画像形成装置を共有し、設置する画像形成装置の総数を抑えることが可能となる。一般的に、2つのネットワークのうち、一方はインターネットに接続可能なネットワーク、もう一方はインターネットに接続できないネットワークと分け、後者のネットワークではセキュアな文書を扱う業務が行われる。
【0005】
特許文献1には、系統Aの(LAN(Local Area Network))等のネットワークAと、系統BのネットワークBとに接続される画像形成装置について記載されている。ネットワークAに接続される業務端末が、ネットワークAに接続される印刷サーバ30aに対して、印刷対象のデータ、印刷対象データの文書名、及び印刷設定情報等が含まれる印刷要求を送信し、印刷サーバ30aは受信した印刷要求を記憶する。同様に、ネットワークBに接続されるゲスト端末が、ネットワークBに接続される印刷サーバ30bに対して、印刷要求を送信し、印刷サーバ30bは受信した印刷要求を記憶する。画像形成装置は、ログインしたユーザーに対応付けられたネットワークを判定し、そのネットワークに接続される印刷サーバに対してジョブリストを要求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-126988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したリモート印刷では、端末装置から、入稿機となる画像形成装置に対して印刷データが送信され、画像形成装置が、受信した印刷データの情報を、情報を管理するサーバに対して送信する。ここで、入稿機となる画像形成装置が2つのネットワークに接続可能な画像形成装置である場合を想定する。その場合、第1のネットワークに接続される端末装置から受信した印刷データの情報が、第1のネットワークとは別の第2のネットワークに接続されるサーバに対して送信される可能性がある。特に、第1のネットワークがセキュアなネットワークである場合、第1のネットワークを介して受信した印刷データの情報が第1のネットワークの外部に出てしまい、第1のネットワーク内のセキュリティを保つことなどができない可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みて、セキュアな第1のネットワークを介して受信した印刷データの情報が、第1のネットワークの外部に出てしまうことを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、セキュアな第1のネットワークを介した通信と、第2のネットワークを介した通信と、を行う画像形成装置であって、前記第1のネットワークに接続される第1の端末装置から前記第1のネットワークを介して、または、前記第2のネットワークに接続される第2の端末装置から前記第2のネットワークを介して、印刷データを受信する受信手段と、前記受信した印刷データを記憶部に記憶する記憶手段と、前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第1のネットワークを介して通信を行う第1のサーバと前記第2のネットワークを介して通信を行う第2のサーバとのそれぞれに対して前記印刷データの書誌情報を送信するか、前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第2のサーバのみに対して前記印刷データの書誌情報を送信するかの設定を保持する保持手段と、前記受信手段において前記第1のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第1のネットワークを介して前記第1のサーバ前記印刷データの書誌情報を送信し、前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第2のサーバのみに対して前記印刷データの書誌情報を送信する設定が、前記保持手段に保持されており、かつ、前記受信手段において前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第2のネットワークを介して前記第2のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信し、前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合に前記第1のサーバと前記第2のサーバとのそれぞれに対して前記印刷データの書誌情報を送信する設定が、前記保持手段に保持されており、かつ、前記受信手段において前記第2のネットワークを介して前記印刷データを受信した場合は、前記第1のネットワークを介して前記第1のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信し、かつ、前記第2のネットワークを介して前記第2のサーバに前記印刷データの書誌情報を送信する、送信手段と、を有し、前記送信手段により前記第1のサーバに送信される前記印刷データの書誌情報には、前記記憶手段に記憶された前記印刷データを識別するためのIDと、前記第1のネットワーク上で前記画像形成装置を識別するための情報とが少なくとも含まれ、前記送信手段により前記第2のサーバに送信される前記印刷データの書誌情報には、前記記憶手段に記憶された前記印刷データを識別するためのIDと、前記第2のネットワーク上で前記画像形成装置を識別するための情報とが少なくとも含まれる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、セキュア第1のネットワークを介して受信した印刷データの情報が、第1ネットワークの外部に出てしまうことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一の実施例における、印刷システムの構成を示す図である。
図2】MFPのハードウェア構成を示す図である。
図3】PC及び書誌情報管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図4】MFP101及び書誌情報管理サーバ107のソフトウェア構成を示す図である。
図5】ジョブの書誌情報の内容を示す図である。
図6】書誌情報管理サーバにて管理される、書誌情報管理テーブル403の例を示す。
図7】MFPの操作部219に表示されるUIの例である。
図8】第一の実施例における、MFP101が、ジョブを受信し、書誌情報管理サーバに書誌情報を送信するまでの一連の処理フローを示すフローチャートである。
図9】第一の実施例における、書誌情報管理サーバが、書誌情報を受信し、書誌情報管理テーブル403に登録するまでの一連の処理フローを示すフローチャートである。
図10】第一の実施例における、MFP105において、ユーザーが留め置き印刷を行うためのジョブ一覧をMFP105の操作部220に表示するための、MFP105の一連の処理フローを示すフローチャートである。
図11】第一の実施例における、MFP105からの留め置き印刷の印刷処理を行う一連の処理フローを示したフローチャートである。
図12】第二の実施例における書誌情報の例である。
図13】第二の実施例において、書誌情報管理サーバによって管理される書誌情報管理テーブルの具体例を示す。
図14】第二の実施例における、MFP101におけるジョブ受付フローの一連の処理フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0013】
(第一の実施例)
<印刷システムの構成>
図1は、本発明の第一の実施例における、印刷システムの構成を示す図である。
【0014】
本システムで、LAN110には、MFP101、PC102、書誌情報管理サーバ103、およびMFP104が接続されており、LAN120には、MFP101、MFP105、およびPC106が接続されている。さらに、MFP101、MFP105、およびPC106は、LAN120を介してインターネットであるWAN130に接続される書誌情報管理サーバ107と通信可能である。尚、MFP101は、LAN110及びLAN120の2つのLANに接続されている。同じLAN上の装置は相互に通信可能である。さらに、LAN120上の装置は、WAN120を介して書誌情報管理サーバ107と通信可能である。
【0015】
MFP101、104、105は、スキャナ、プリンタを有する画像形成装置である。PC102、PC106は、各LAN上のMFPに対して、設定や印刷などを行うためのPCである。
【0016】
書誌情報管理サーバ103及び107は、MFP101から送信される書誌情報を管理するサーバである。
【0017】
<MFPのハードウェア構成>
図2は、本発明の第一の実施例における、MFPのハードウェア構成を示す図である。
【0018】
CPU211を含む制御部210は、MFP全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212やHDD214に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御処理を実行する。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD214は、画像データや印刷制御プログラム、またジョブのデータを記憶する。
【0019】
操作部I/F215は、操作部219と制御部210とを接続する。操作部220には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
【0020】
プリンタI/F216は、プリンタ221と制御部210とを接続する。プリンタ221で印刷すべきジョブデータはプリンタI/F216を介して制御部210からプリンタ221に転送され、プリンタ221において記録媒体上に印刷される。
【0021】
スキャナI/F217は、スキャナ222と制御部210とを接続する。スキャナ222は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。ネットワークI/Fは、ネットワークI/F1及びネットワークI/F2と2つ存在する。ネットワークI/F1 218は、LAN110に接続する。ネットワークI/F1 218は、LAN110上の他の装置との間で各種情報を送受信するネットワークインターフェースである。ネットワークI/F2 219は、LAN120に接続するネットワークインターフェースである。ネットワークI/F1 218は、LAN120上またはWAN130上の他の装置との間で各種情報を送受信する。ネットワークI/F1 218およびネットワークI/F2 219のいずれかが、MFPに内蔵されているネットワークI/Fではなく、MFPに対して外付けするネットワークI/Fであってもよい。
【0022】
<PC及び書誌情報管理サーバのハードウェア構成>
図3は、本発明の第一の実施例における、PC及び書誌情報管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【0023】
図3(a)はPCのハードウェア構成を示す図である。CPU311を含む制御部310は、PC全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312やHDD314に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD314は、各種のプログラムやデータを記憶する記憶部である。
【0024】
表示部I/F315は、表示部318と制御部310とを接続する。キーボードI/F316は、キーボード319と制御部310とを接続する。CPU311は、キーボード319を介したユーザーからの指示を認識し、認識した指示に応じて表示部318に表示する画面を遷移させる。
【0025】
ネットワークI/F317は、LAN110またはLAN120上の他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0026】
図3(b)は、書誌情報管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【0027】
CPU321を含む制御部320は、書誌情報管理サーバ全体の動作を制御する。CPU321は、ROM322やHDD324に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM323は、CPU321の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD324は、各種のプログラムやデータを記憶する。本実施例に置いて、書誌情報管理サーバで管理される書誌情報管理テーブルのデータはHDD324に記憶される。
【0028】
ネットワークI/F325は、制御部320をLAN110またはWAN130に接続する。LAN110またはWAN130を介して接続された他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0029】
<MFP101及び書誌情報管理サーバ107のソフトウェア構成>
図4は、本発明の第一の実施例における、MFP101及び書誌情報管理サーバ107のソフトウェア構成を示す図である。
【0030】
401は、書誌情報管理部であり、書誌情報を管理するための書誌情報管理テーブル403と、書誌情報を制御するための書誌情報制御部402から構成される。
【0031】
404は、書誌情報の受信及び送信を制御するための送信/受信制御部であり、ネットワークI/F325を介してMFP101から送信された書誌情報を受信する。さらに、ネットワークI/F325を介してジョブを出力するMFPから送信される書誌情報取得リクエストに応答して、書誌情報を送信する。
【0032】
410は入稿サービスである。入稿サービスは、PCからジョブを受信するジョブ受信部414と、記憶部であるHDD214にジョブを記憶するためのジョブ保存部411と、該ジョブ保存部に保存されたジョブの書誌情報を生成する書誌情報生成部412と、を有する。入稿サービスは、さらに、該生成した書誌情報をネットワークI/Fを介して書誌情報サーバに送信する書誌情報送信部413を含む。
【0033】
420は、ジョブ送信サービスであり、MFPからジョブの送信リクエストを受け付けるジョブ送信リクエスト受付部421と、該MFPに対してジョブを送信するジョブ送信部412から成る。
【0034】
出力サービス430は、書誌情報の一覧の取得、ユーザーからの出力指示の受付、及び出力の制御を行う。
【0035】
ジョブリスト制御部431は、書誌情報管理サーバから書誌情報の取得、及び書誌情報の操作部への表示を行う。
【0036】
出力ジョブ特定部432は、ユーザーからの出力ジョブの指示受付を行い、出力対象のジョブを特定する。
【0037】
入稿デバイス特定部433は、該出力対象のジョブが、どのMFPに記憶されているかを書誌情報から特定する。
【0038】
ジョブ送信リクエスト送信部434は、該出力対象のジョブが記憶されているMFPの、ジョブ送信サービス420に対して、ジョブ送信リクエストを送信する。
【0039】
ジョブ受信部435は、該出力対象のジョブが記憶されているMFPの、ジョブ送信サービス420のジョブ送信部412から送信されるジョブを受信する。
【0040】
ジョブ出力部436は、ジョブ受信部434が受信したジョブを、印刷制御部450を介して出力する。
【0041】
NW制御部440は、ネットワークI/F及び各LANを介して、他の装置との通信を制御する。
【0042】
認証制御部450は、操作部220を介して、ユーザー認証画面の表示を行い、ユーザーからの認証情報受付、及び認証処理を実施し、ユーザーを特定する。
【0043】
図4では、書誌情報管理サーバ107に関する図を説明しているが、書誌情報管理サーバ103においても、書誌情報管理サーバ107と同様のソフトウェア構成をとる。但し、書誌情報管理サーバ103は、WAN130ではなくLAN110に接続される点が書誌情報管理サーバ107とは異なる。
【0044】
また、MFP104、105はMFP101と同様のソフトウェア構成から成る。
【0045】
ただし、MFP101は2つのLANに接続されるのに対して、MFP104とMFP105はどちらか一方のLANと接続される。
【0046】
MFP104、MFP105もMFP101と同様にPCからのジョブの入稿を受け付けることが可能である。本実施例においては、2つのLANに接続されたMFPへの入稿の説明を主とし、MFP104及びMFP105にジョブが入稿される場合の説明は省略する。
【0047】
本実施例では、ジョブを出力するMFPをMFP105、ジョブを入稿するデバイスをMFP101として説明する。
【0048】
<ジョブの書誌情報>
図5は、本発明の第一の実施例における、ジョブの書誌情報の内容を示す図である。
【0049】
図5では、UserAがPC106を介して、MFP101にジョブを入稿した場合に生成される書誌情報の例を示す。
【0050】
Job IDは、ジョブを識別するためのユニークなIDである。MFP101が入稿を受け付けたジョブにおいてユニークである番号が付加され、MFP101_1111とIDが付与される。なお、新しいジョブが投入された場合には、MFP101_1112としてインクリメントされるが、乱数や別の形態であっても、ユニークな識別子であれば良い。
【0051】
Document Nameは、ドキュメント名である。
【0052】
Submit Dateは、ジョブが入稿された時間である。
【0053】
User Nameは、ジョブがどのユーザーから入稿されたかを示す。
【0054】
Job Settingは、ジョブの印刷設定である。
【0055】
JobHolderは、ジョブがどの装置に記憶されているかを示す。本例においては、ジョブはMFP101に記憶されているため、MFP101の情報が記憶される。
【0056】
出力を行うMFPは、書誌情報からジョブが記憶されているMFPを特定する。
【0057】
本例では、JobHolderとしてMFP101のデバイス名が利用されるが、IPアドレス、またFQDNであっても、MFP105がMFP101を識別できる情報であれば良い。
【0058】
<書誌情報管理テーブル>
図6は、本発明の第一の実施例における、書誌情報管理サーバにて管理される、書誌情報管理テーブル403の例を示す。
【0059】
600は、書誌情報管理サーバ107によって管理される書誌情報管理テーブルの例であり、610は、書誌情報管理サーバ103によって管理される書誌情報管理テーブルの例である。
【0060】
600において、各行が、一つのジョブとして表現される。
【0061】
601はIDであり、書誌情報のJob IDが記憶される。
【0062】
602は、Document Nameであり、書誌情報のDocument Nameが記憶される。
【0063】
603は、Submit Dateであり、書誌情報のSubmit Dateが記憶される。
【0064】
604は、User Nameであり、書誌情報のUser Nameが記憶される。
【0065】
605は、Job Settingであり、書誌情報のJob Settingが記憶される。
【0066】
606は、Job Holderであり、書誌情報のJob Holderが記憶される。
【0067】
このように、書誌情報管理テーブルには書誌情報の内容が記憶される。尚、610においても、611から616の各行、列の内容は600と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0068】
本例では、合計で4つの書誌情報が書誌情報管理テーブルに登録されている。テーブルに登録されている書誌情報のうち、2のジョブ、MFP101_1111とMFP101_1112がUserAのジョブとして登録されている。
【0069】
図7は、本発明の第一の実施例における、MFPの操作部219に表示されるUIの例である。
【0070】
本実施例においては、MFP105が出力デバイスとして利用される例を説明する。
【0071】
700は、認証画面である。
【0072】
留め置き印刷を利用するために、ユーザーを特定するための認証を行うためのUIである。
【0073】
本実施例では、認証の具体的な方法については特徴とするところではないため、認証の詳細については説明を省略する。認証には、HDD214に認証テーブルを持つ方法、また外部サーバに対して、認証を行う方法、入力手段としてユーザーIDとパスワードを利用する方法、ICカード等の認証デバイスを利用する方法など多数存在する。
【0074】
ユーザーIDの入力は701、及びパスワードの入力は702を介して行い、703のログインボタンがユーザーによって押下されることによって、認証制御部406によって認証処理が実施され、MFPを操作しているユーザーが特定される。
【0075】
710は、MFP105にUserAがログインした場合に表示される、ジョブリストのUIの一例である。
【0076】
MFP105は書誌情報サーバ107からUserAのジョブの書誌情報の一覧を取得し、表示する。
【0077】
711の表は、それぞれ、一行が一つのジョブとして表現される。
【0078】
“選択”は、そのジョブが選択されたか否かを表示する。チェックが黒く塗りつぶされている場合は選択されたことを示し、白く塗りつぶされている場合は選択されていないことを示す。
【0079】
“文書名”は書誌情報のDocument Name、“登録日時”は書誌情報のSubmit Date、“設定”は書誌情報のJob Settingの情報が表示される。
【0080】
尚、選択されたジョブを削除、印刷するためのボタンがそれぞれ712、713として表示される。
【0081】
図8は、本発明の第一の実施例における、MFP101が、ジョブを受信し、書誌情報管理サーバに書誌情報を送信するまでの一連の処理フローを示すフローチャートである。本フローは、MFP101が、ネットワークI/Fを介してPCからジョブを受信することによって開始される。
【0082】
S801は、ジョブ受信ステップである。MFP101の入稿サービス410のジョブ受信部414は、ネットワークI/F1またはネットワークI/F2を介して、PCからジョブを受信する。
【0083】
S802は、書誌情報作成ステップである。S801によって受信されたジョブは、書誌情報生成部412によって解析され、図5に示す書誌情報が生成される。
【0084】
書誌情報生成部412は、ジョブ受信部414が、ネットワークI/F1またはネットワークI/F2どちらのネットワークI/Fによって受信したかを解析し、受信したネットワークI/Fに対応したJobHolderの情報を書誌情報に記憶する。
【0085】
ジョブを出力するMFPは、このJobHolderの情報をもとに、ジョブが記憶されているMFPを特定する。
【0086】
JobHolderがIPアドレス、またはFQDNで表現される場合は、出力するMFPが特定できるよう、受信したネットワークI/Fに合った情報をJobHolderに記憶する必要がある。例えば、PC106からジョブを受信した場合、LAN120を介して、ネットワークI/F2によってジョブが受信される。この場合、JobHolderに記録されるJobHolderの情報は、LAN120上でMFP101を特定するための情報となる。一方、LAN110を介してジョブを受信した場合は、LAN110上でMFP101を特定するための情報がJobHolderに記録される。また、ネットワーク上にアドレス解決を行うためのサーバが別途存在する場合など、それぞれのネットワーク内でMFP101を特定できる手段が別途設けられている場合は、LAN110及びLAN120と共通の識別子を利用しても良い。IPアドレスやFQDNを用いる場合はネットワークI/Fによって値が異なるため、それぞれのネットワークに対応した異なる値が記憶される。
【0087】
S803は、ジョブ保存ステップである。ジョブ保存部411は、受信したジョブをHDD214に保存する。
【0088】
S804は、送信元のネットワークを判断するステップである。書誌情報送信部413は、ジョブ受信部414が、ネットワークI/F1またはネットワークI/F2のどちらのネットワークI/Fによってジョブが受信したのかを判断する。
【0089】
S805は、LAN110上の書誌情報管理サーバに対する書誌情報送信ステップである。S804にて、ネットワークI/F1がジョブを受信した、つまりLAN110上のPCからジョブが送信されたと判断された場合、書誌情報送信部413は、LAN110上の書誌情報サーバ103に対して書誌情報を送信する。
【0090】
S806は、LAN120(WAN130)上の書誌情報管理サーバに対する書誌情報送信ステップである。S804にて、LAN120上のPCからジョブが送信されたと判断された場合、書誌情報送信部413は、LAN120上の書誌情報サーバ107に対して書誌情報を送信する。
【0091】
S805もしくはS806によって、受信したジョブの書誌情報の送信が完了することによって、本フローは終了する。なお、S805やS806では、ジョブの書誌情報が送信されることを説明したが、ジョブの情報として、ジョブに含まれる印刷データの実体や、ジョブに関連する情報が送信されてもよい。
【0092】
図9は、本発明の第一の実施例における、書誌情報管理サーバが、書誌情報を受信し、書誌情報管理テーブル403に登録するまでの一連の処理フローを示すフローチャートである。本フローは、図8に示したMFP101の、ジョブ受信から書誌情報の送信の一連のフローが終了した後、書誌情報管理サーバがネットワークI/F325を介して書誌情報を受信することによって開始される。
【0093】
また、本例は、書誌情報管理サーバ107が、MFP101から書誌情報を受信し、登録するまでの例を記載する。
【0094】
S901は、書誌情報受信ステップである。書誌情報管理サーバ107の受信/送信制御部404は、WAN130を介して書誌情報をMFP101より受信する。
【0095】
S902は、書誌情報管理テーブルに書誌情報を登録するステップである。書誌情報管理部401の書誌情報制御部402は、S901で受信した書誌情報を、書誌情報管理テーブル403に登録する。
【0096】
本フローは、書誌情報S902の書誌情報の登録ステップが完了することによって終了する。
【0097】
例えば、図5の書誌情報を書誌情報管理サーバ107が受信した場合は、S901からS902のフローによって、図6の600に示すMFP101_1111の情報が書誌情報管理テーブル403に登録される。
【0098】
尚、本例は書誌情報管理サーバ107の例を記載したが、書誌情報管理サーバ103においても同様のステップで書誌情報の受信及び書誌情報管理テーブルへの登録が実施される。書誌情報管理サーバ107とは、接続されるネットワークが異なる。
【0099】
図10は、本発明の第一の実施例における、MFP105において、ユーザーが留め置き印刷を行うためのジョブ一覧をMFP105の操作部220に表示するための、MFP105の一連の処理フローを示すフローチャートである。
【0100】
S1001~S1003、及びS1007~S1008はMFP105による処理である。
【0101】
S1001は、ユーザー認証ステップである。MFP105は、留め置き印刷を実施するにあたり、ユーザーに関連付けられたジョブ一覧を操作部220に表示する。ユーザーに関連付けられたジョブを特定するために、MFP105は、操作しているユーザーを識別する。
【0102】
MFP105の認証制御部460は、操作部220に図7の700に示す認証画面を表示する。
【0103】
認証画面を介して、ユーザーからユーザーID及びパスワードを受信し、ユーザーがログインボタン703を押下することによって、認証処理が実施される。認証の具体的な方法については特徴とするところではないため、認証の詳細については説明を省略する。
【0104】
S1002は、認証の成功か否かを判断するステップである。S1001のユーザー認証ステップにおいて、認証が成功した場合は、S1003に遷移する。認証が失敗した場合は、再びS1001に遷移し、ユーザーからの認証情報の入力を受け付ける。本例では、認証したユーザーがUserAである場合の例を記載する。
【0105】
S1003は、書誌情報取得リクエスト送信ステップである。本実施例においては、MFPは接続されているLANと同じネットワーク上の書誌情報管理サーバに書誌情報を問い合わせる。そのため、MFP105はLAN120を介してWAN130に接続される書誌情報管理サーバ107に対して、書誌情報取得リクエストを送信する。S1001で認証したユーザーである、UserAに関連付けられた書誌情報を取得するため、ジョブリスト制御部431は、LAN120を介し、WAN130に接続された書誌情報管理サーバ107に対して、書誌情報取得リクエストを送信する。
【0106】
S1004~S1006は、書誌情報管理サーバ107による処理である。
【0107】
S1004は書誌情報取得リクエスト受信ステップである。書誌情報管理サーバ107の受信/送信制御部404は、S1003によってMFP105から送信された書誌情報の取得リクエストを受信する。
【0108】
S1005は、書誌情報管理テーブルから、ユーザーの書誌情報を抽出するステップである。書誌情報管理部401の書誌情報制御部402は、書誌情報取得リクエストに含まれるユーザーの識別子であるUser Nameに基づいて、書誌情報管理テーブル403に登録されている書誌情報から、ユーザーの識別子に対応した書誌情報を抽出する。本実施例では、図6に示す600の内容が書誌情報管理サーバ107によって管理されている。このテーブル内のUserNameに、UserAが登録されているジョブを抽出する。結果、IDがMFP101_1111とMFP101_1112の2つのジョブがUserAのジョブとして抽出される。
【0109】
S1006は、書誌情報の返信ステップである。書誌情報制御部402は、受信/送信制御部404に対して、S1005にて抽出された書誌情報をMFP105に送信するように指示を出し、受信/送信制御部404によってMFP105に書誌情報が送信される。
【0110】
S1007は、MFP105による処理である。MFP105のジョブリスト制御部431は、NW制御部440を介して書誌情報を受信する。
【0111】
S1008は、ジョブ一覧を表示するステップである。ジョブリスト制御部431は、S1007にて受信した書誌情報を解析し、操作部220に図7の710に示すジョブリストのUIを表示する。本実施例では、S1005によって抽出された2つのジョブがリストとして表示される。ジョブリストの表示が完了したことにより、本フローを終了する。
【0112】
図11は、本発明の第一の実施例における、MFP105からの留め置き印刷の印刷処理を行う一連の処理フローを示したフローチャートである。
【0113】
本フローは、図10のジョブリスト表示フローが終了した後、操作部220上に表示される710のジョブリスト画面から、ユーザーがジョブを選択し、713の印刷ボタンを押下することによって開始される。
【0114】
S1101~1102、及びS1106~S1107の処理は、MFP105による処理である。
【0115】
S1103~S1105は、MFP101による処理である。
【0116】
S1101は、入稿デバイスの特定ステップである。出力サービス430の出力ジョブ特定部432は、印刷指示を受け付け、ジョブリストのどのジョブが印刷対象としてユーザーに選択されているかを特定する。図7の710では、DocumentA及びDocumentBの2つのジョブのうち、DocumentAが選択されていることを特定する。
【0117】
S1102は、ジョブ送信リクエストの送信ステップである。出力ジョブサービス430の入稿デバイス特定部432は、選択されたジョブの書誌情報から、入稿デバイスを特定する。DocumentAの書誌情報は図5に示す内容であり、図5のJobHolderから、MFP101が入稿デバイスであることが特定される。出力サービス430のジョブ送信リクエスト送信部434は、ジョブをMFP105に送信するためのジョブ送信要求を、MFP101に対して送信する。
【0118】
S1103は、ジョブ送信リクエストを受信するMFP101の処理である。S1103は、MFP101のジョブ送信サービス420の、ジョブ送信リクエスト受付部421がS1102によってMFP105から送信されたジョブ送信リクエストを受信する。
【0119】
S1104は、ジョブデータ取得ステップである。ジョブ送信サービス420は、HDD214に記憶されているMFP101_1111のジョブを取得する。
【0120】
S1105は、ジョブ送信ステップである。ジョブ送信部422は、S1104にて取得されたジョブのデータを、リクエスト元であるMFP105に対して送信する。
【0121】
S1106は、MFP105におけるジョブ受信ステップである。MFP105の出力サービス430の、ジョブ受信部434は、S1105にてMFP101から送信されたジョブのデータを受信する。
【0122】
S1107は、出力処理ステップである。MFP105のジョブ出力部435は、S1106にて受信したジョブのデータを、印刷制御部450を介して出力する。印刷制御部450は、プリンタI/F216及びプリンタ221を介してジョブの出力処理を行う。出力が完了した後、本フローを終了する。
【0123】
以上説明したように、本実施例では、複数のネットワークに接続されるMFP101は、LAN110に接続されたPC102から受信した印刷データの書誌情報を、LAN110に接続される書誌情報管理サーバ103に対して送信する。また、MFP101は、LAN120に接続されたPC106から受信した印刷データの書誌情報を、LAN120に接続される書誌情報管理サーバ107に対して送信する。ここで、複数のネットワークに接続されるMFP101は、LAN110に接続されたPC102から受信した印刷データの書誌情報を、LAN120に接続される書誌情報管理サーバ107に対しては送信しない。これにより、インターネットに接続されないLAN110を介して受信した印刷データの書誌情報が、インターネットに接続されるLAN120に接続される書誌情報管理サーバ107に送信されることを防ぐことができる。
【0124】
(第二の実施例)
次に、本発明を実施した、第二の実施例についての説明を記載する。
【0125】
第一の実施例では、MFP101は、LAN120に接続されたPC106から受信した印刷データの書誌情報を、LAN120に接続される書誌情報管理サーバ107のみに対して送信していた。しかしながら、LAN120に接続されたPC106から受信した印刷データを、LAN110のみに接続される画像形成装置でも印刷したいケースが考えられる。
【0126】
第二の実施例において、MFP101は、書誌情報の送信設定の情報をHDD214に保持する。書誌情報の送信設定は、入稿されたジョブの書誌情報を、それぞれのネットワーク上の書誌情報管理サーバに送信するか、またはジョブが入稿されたネットワークと同じネットワークに接続される書誌情報管理サーバのみに送信するかの設定である。
【0127】
本実施例では、LAN110上から送信されたジョブの書誌情報はLAN110上の書誌情報管理サーバに送信する。さらに、LAN120上から送信されたジョブの書誌情報はLAN110及びLAN120に接続された書誌情報管理サーバに送信するという設定が、書誌情報の送信設定としてあらかじめ設定されているものとする。尚、設定値の形態、及び設定方法については説明を省略する。
【0128】
図1から図4で示すシステム構成、MFPのハードウェア構成、PC及び書誌情報管理サーバのハードウェア構成、MFP101及び書誌情報管理サーバ107のソフトウェア構成は第一の実施例と同じである。
【0129】
図12は、本発明を実施した、第二の実施例における書誌情報の例である。
【0130】
1201及び1202は、同じジョブに対する2つの異なった書誌情報である。
【0131】
1201はLAN120上の書誌情報管理サーバ107に送信される書誌情報であり、1202はLAN110上の書誌情報管理サーバ103に送信される書誌情報である。
【0132】
それぞれ、JobHolder以外は同じ内容が記憶される。JobHolderについては、LAN120上でMFP101を特定するための情報が1201に記憶され、LAN110上でMFP101を特定するための情報が1202に記憶される。
【0133】
図13は、本発明を実施した、第二の実施例において、書誌情報管理サーバによって管理される書誌情報管理テーブルの具体例を示す。
【0134】
1300は、書誌情報管理サーバ107によって管理される書誌情報管理テーブルの例である。
【0135】
1310は、書誌情報管理サーバ103によって管理される書誌情報管理テーブルの例である。
【0136】
第二の実施例では、ID MFP101_1111及びMFP101_1112、さらにMFP101_1113とMFP101_1118が、書誌情報管理サーバ103及び107の双方によって管理されている。
【0137】
一方、MFP101_1114~1117のIDのジョブは、書誌情報管理サーバ103でのみ管理されている。この例から、書誌情報管理サーバ107に登録されている書誌情報は、書誌情報サーバ103にも登録されていることが示されている。
【0138】
図14は、本発明を実施した、第二の実施例における、MFP101におけるジョブ受付フローの一連の処理フローを示すフローチャートである。
【0139】
本フローは、MFP101が、ネットワークI/Fを介してPCからジョブを受信することによって開始される。
【0140】
S1401は、ジョブ受信ステップである。MFP101の入稿サービス410のジョブ受信部414は、ネットワークI/F1またはネットワークI/F2を介して、PCからジョブを受信する。
【0141】
S1402は、書誌情報作成ステップである。S1401によって受信されたジョブは、書誌情報生成部412によって解析され、図12の1201に示す書誌情報が生成される。書誌情報生成部412は、ジョブ受信部414が、ネットワークI/F1またはネットワークI/F2どちらのネットワークI/Fによって受信したかを解析し、受信したネットワークI/Fに対応したJobHolderの情報を書誌情報に記憶する。
【0142】
ジョブを出力するMFPは、このJobHolderの情報をもとに、ジョブが記憶されているMFPを特定する。
【0143】
JobHolderがIPアドレス、またはFQDNで表現される場合は、出力するMFPが特定できるよう、受信したネットワークI/Fに合った情報をJobHolderに記憶する必要がある。例えば、PC106からジョブを受信した場合、LAN120を介して、ネットワークI/F2によってジョブが受信される。この場合、JobHolderに記録されるJobHolderの情報は、LAN120上でMFP101を特定するための情報となり、1201の書誌情報が作成される。一方、LAN110を介してジョブを受信した場合は、LAN110上でMFP101を特定するための情報がJobHolderに記録される。また、ネットワーク上にアドレス解決を行うためのサーバが別途存在する場合など、それぞれのネットワーク内でMFP101を特定できる手段が別途設けられている場合は、LAN110及びLAN120と共通の識別子を利用しても良い。IPアドレスやFQDNを用いる場合はネットワークI/Fによって値が異なるため、それぞれのネットワークに対応した異なる値が記憶される。
【0144】
S1403は、ジョブ保存ステップである。ジョブ保存部411は、受信したジョブをHDD214に保存する。
【0145】
S1404は、送信元のネットワークを判断するステップである。書誌情報送信部413は、ジョブ受信部414が、ネットワークI/F1またはネットワークI/F2のどちらのネットワークI/Fによってジョブが受信したのかを判断する。
【0146】
S1405は、書誌情報送信ステップである。S1404にて、ネットワークI/F1がジョブを受信した、つまりLAN110上のPCからジョブが送信されたと判断された場合、書誌情報送信部413は、LAN110上の書誌情報サーバ103に対して書誌情報を送信する。
【0147】
S1406は、書誌情報送信ステップである。S1404にて、ネットワークI/F2がジョブを受信した、つまりLAN120上のPCからジョブが送信されたと判断された場合、書誌情報送信部413は、LAN120上の書誌情報サーバ107に対して書誌情報を送信する。
【0148】
S1407は、両方の書誌情報管理サーバに書誌情報を送信するか否かが判断されるステップである。入稿サービス410は、HDD214に記憶されている、書誌情報の送信設定を確認する。本実施例の書誌情報の送信設定は、LAN120上から送信されたジョブの書誌情報はLAN110及びLAN120(WAN130)の書誌情報管理サーバに送信する設定である。そのため、本ステップにおいては、両方の書誌情報管理サーバに書誌情報を送信する判断され、S1408の書誌情報のJobHolder情報の書き換えステップに遷移する。
【0149】
尚、別の運用の形態として、書誌情報の送信設定が、LAN120上の書誌情報管理サーバに書誌情報を送信すると設定されていても良く、その場合は本判断ステップにおいて、NOと判断され本フローを終了する。
【0150】
S1408は、書誌情報のJobHolder情報の書き換えステップである。書誌応報生成部412は、S1402にて作成した書誌情報を書き換える。S1402では、JobHolderがLAN120上でMFP101を識別するための情報が記憶されているため、本ステップでは、JobHolderの情報をLAN110上でMFP101を識別するための情報に書き換える。例えば、ステップS1402にて、JobHolderの情報にMFP101の、ネットワークI/F2に対応したIPアドレスが記憶される場合は、本ステップにてネットワークI/F1のIPアドレスの情報に書き換えられる。
【0151】
図5の例では、1201はステップS1402で作成される書誌情報であり、LAN120上でMFP101を特定する情報が記憶される。ステップS1408によって書き換えられた結果、LAN110上でMFP101を特定する情報がJobHolderに記憶され、1202の書誌情報が生成される。
【0152】
S1409は、書誌情報の送信ステップである。書誌情報送信部413によって、LAN110上の書誌情報管理サーバ103に対して、書誌情報を送信する。書誌情報を送信した後、本フローを終了する。
【0153】
なお、S1405の後に、入稿サービス410は、書誌情報の送信設定を確認してもよい。本実施例では、LAN110上から送信されたジョブの書誌情報はLAN110上の書誌情報管理サーバに送信する送信設定が保持されているものとする。そのため、本ステップにおいては、両方の書誌情報管理サーバに書誌情報を送信しないと判断され、本フローを終了する。
【0154】
以上のフローによって、書誌情報を双方の書誌情報管理サーバに送信するか否かの設定を確認し、確認の結果、書誌情報が2つのネットワーク上の書誌情報管理サーバに送信される、もしくは、どちらか一方の書誌情報管理サーバに送信される。
【0155】
結果として、図13に示す書誌情報管理テーブルのような情報が、書誌情報管理サーバ103及び107で管理される。
【0156】
書誌情報管理サーバにおける書誌情報管理テーブルへの書誌情報登録フロー、及びジョブを出力するMFPにおけるジョブ一覧の処理フロー、及び留め置き印刷の出力フローは、実施例1の図9から図11と同じである。
【0157】
また、MFPの操作部220に表示される認証画面、ジョブリスト画面についても、ジョブリストの内容は異なるが、構成は図7に示す例と同じである。
【0158】
以上説明したように、本実施例では、複数のネットワークに接続されるMFP101は、LAN110に接続されたPC102から受信した印刷データの書誌情報を、LAN110に接続される書誌情報管理サーバ103に対して送信する。また、MFP101は、LAN120に接続されたPC106から受信した印刷データの書誌情報を、書誌情報管理サーバ103およびLAN120に接続される書誌情報管理サーバ107に対して送信する。これにより、LAN120に接続されたPC106から受信した印刷データを、LAN110のみに接続される画像形成装置でも印刷できるようになる。
【0159】
(他の実施例)
本発明は、上述した実施形態を適宜組み合わせることにより構成された装置あるいはシステムやその方法も含まれるものとする。
【0160】
ここで、本発明は、上述した実施形態の機能を実現する1つ以上のソフトウェア(プログラム)を実行する主体となる装置あるいはシステムである。また、その装置あるいはシステムで実行される上述した実施形態を実現するための方法も本発明の1つである。また、そのプログラムは、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給され、そのシステムあるいは装置の1つ以上のコンピューター(CPUやMPU等)によりそのプログラムが読み出され、実行される。つまり、本発明の1つとして、さらにそのプログラム自体、あるいは当該プログラムを格納したコンピューターにより読み取り可能な各種記憶媒体も含むものとする。また、上述した実施形態の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても、本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0161】
101 MFP
110、120 LAN
210 制御部
211 CPU
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14