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特許7490410画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-17
(45)【発行日】2024-05-27
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240520BHJP
【FI】
H04N1/00 912
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020053972
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021158411
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】高遠 淳
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-272778(JP,A)
【文献】特開2008-078939(JP,A)
【文献】特開2010-184466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す情報を記憶する記憶部と、
アプリケーションの実行を指示する入力を受ける入力部と、
アプリケーショングループに属する前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記範囲のパラメーターで前記機能を実行する実行部と、
前記アプリケーションが実行する前記機能のパラメーターの範囲及び前記機能の現在のパラメーターを表示する表示部と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
アプリケーションごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第1の情報、
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第2の情報、
ユーザーごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第3の情報、
及びユーザーグループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第4の情報、
のうちのいずれか複数の情報、並びに前記複数の情報の優先順位を記憶する記憶部と、 アプリケーションの実行を指示する入力を受ける入力部と、
前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記複数の情報の少なくともいずれかが、前記アプリケーション、前記アプリケーションが属するアプリケーショングループ、前記アプリケーションを実行するユーザー及び前記ユーザーが属するユーザーグループのうちのいずれかについてパラメーターとして設定可能な範囲を制限している場合、パラメーターとして設定可能な範囲を制限している前記情報の中で最も優先順位が高い前記情報が示す範囲のパラメーターで前記機能を実行する実行部と、
前記アプリケーションが実行する前記機能のパラメーターの範囲及び前記機能の現在のパラメーターを表示する表示部と、
を備える画像形成装置。
【請求項3】
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す情報を記憶することと
アプリケーションの実行を指示する入力を受けることと
アプリケーショングループに属する前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記範囲のパラメーターで前記機能を実行することと
前記アプリケーションが実行する前記機能のパラメーターの範囲及び前記機能の現在のパラメーターを表示することと、
を備える画像形成装置の制御方法。
【請求項4】
アプリケーションごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第1の情報、
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第2の情報、
ユーザーごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第3の情報、
及びユーザーグループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第4の情報、
のうちのいずれか複数の情報、並びに前記複数の情報の優先順位を記憶することと
アプリケーションの実行を指示する入力を受けることと
前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記複数の情報の少なくともいずれかが、前記アプリケーション、前記アプリケーションが属するアプリケーショングループ、前記アプリケーションを実行するユーザー及び前記ユーザーが属するユーザーグループのうちのいずれかについてパラメーターとして設定可能な範囲を制限している場合、パラメーターとして設定可能な範囲を制限している前記情報の中で最も優先順位が高い前記情報が示す範囲のパラメーターで前記機能を実行することと
前記アプリケーションが実行する前記機能のパラメーターの範囲及び前記機能の現在のパラメーターを表示することと、
を備える画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置及び画像形成装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、機能を実行するパラメーターを制限する場合、機能ごとにパラメーターの範囲を制限している。しかしながら、複数の類似したアプリを登録可能な画像形成装置がある。このような画像形成装置では、機能ごとに限らず様々な区分でパラメーターを制限することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-164571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、様々な区分でパラメーターを制限することができる画像形成装置及び画像形成装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の画像形成装置は、記憶部、入力部及び実行部を備える。記憶部は、アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す情報を記憶する。入力部は、アプリケーションの実行を指示する入力を受ける。実行部は、アプリケーショングループに属する前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記範囲のパラメーターで前記機能を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る画像形成装置の要部構成の一例を示すブロック図。
図2図1中のパラメーターDBに含まれるアプリグループテーブルの一例を示す図。
図3図1中のパラメーターDBに含まれるアプリテーブルの一例を示す図。
図4図1中のパラメーターDBに含まれるユーザーテーブルの一例を示す図。
図5図1中のパラメーターDBに含まれるユーザーグループテーブルの一例を示す図。
図6図1中のパラメーターDBに含まれる優先順位テーブルの一例を示す図。
図7図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図8図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図9図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図10図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図11図1中のタッチパネルにより表示されるパラメーター設定画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る操作パネルについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
図1は、実施形態に係る画像形成装置100の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0008】
画像形成装置100は、例えば、MFP(multifunction peripheral)、コピー機、プリンター又はファクシミリなどである。ただし、以下、画像形成装置100はMFPであるとして説明する。画像形成装置100は、例えば、印刷機能、スキャン機能、コピー機能及びファクシミリ機能などを備える。印刷機能は、画像形成媒体Pなどに対してトナーなどの記録材を用いて画像を形成する機能である。画像形成媒体Pは、例えば、シート状の紙などである。スキャン機能は、画像が形成された原稿などから画像を読み取る機能である。コピー機能は、スキャン機能を用いて原稿などから読み取った画像を、印刷機能を用いて画像形成媒体Pに印刷する機能である。画像形成装置100は、一例として、プロセッサー101、ROM(read-only memory)102、RAM(random-access memory)103、補助記憶デバイス104、プリンター105、スキャナー106、操作パネル107及び通信インターフェース108を含む。そして、バス109などが、これら各部を接続する。
【0009】
プロセッサー101は、画像形成装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分に相当する。プロセッサー101は、ROM102又は補助記憶デバイス104などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア(アプリ)などのプログラムに基づいて、画像形成装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー101は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー101の回路内に組み込まれていても良い。プロセッサー101は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー101は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0010】
ROM102は、プロセッサー101を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。ROM102は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM102は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM102は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
【0011】
RAM103は、プロセッサー101を中枢とするコンピューターの主記憶装置に相当する。RAM103は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM103は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM103は、典型的には揮発性メモリである。
【0012】
補助記憶デバイス104は、プロセッサー101を中枢とするコンピューターの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス104は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶デバイス104は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア(アプリ)などを記憶する。また、補助記憶デバイス104は、プロセッサー101が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー101での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。なお、画像形成装置100は、補助記憶デバイス104として、メモリカード又はUSB(universal serial bus)メモリなどの記憶媒体を挿入可能なインターフェースを備えていてもよい。当該インターフェースは、当該記憶媒体に対して情報の読み書きを行う。
【0013】
補助記憶デバイス104は、パラメーターDB(database)1041を記憶する。
パラメーターDB1041は、アプリ(アプリケーション)ごと、アプリグループ(アプリケーショングループ)ごと、ユーザーごと、及びユーザーグループごとのパラメーター制限情報を管理及び記憶する。パラメーター制限情報は、画像形成装置100が各機能を実行する際のパラメーターの範囲を示す情報である。パラメーターDB1041は、例えば、アプリグループテーブルTa、アプリテーブルTb、ユーザーテーブルTc及びユーザーグループテーブルTdの4種類のテーブルTを記憶する。
【0014】
図2は、アプリグループテーブルTaの一例を示す図である。アプリグループテーブルTaは、アプリグループを区分単位として、アプリグループごとのパラメーター制限情報を記憶するテーブルである。各アプリグループは、任意の数のアプリが属する。それぞれのアプリグループには、どのアプリが属していても良いが、共通の種類のアプリのみが属していることが好ましい。例えば、図2には、Copyグループ、Scanグループ、Faxグループ及びPrintグループの4つのアプリグループを示している。当該4つのアプリグループは、いずれも、共通の種類のアプリのみを含むグループである。Copyグループは、コピー機能を使用するアプリのみを含む。Scanグループは、スキャン機能を使用するアプリのみを含む。Faxグループは、ファックス機能を使用するアプリのみを含む。Printグループは、印刷機能を使用するアプリのみを含む。なお、いずれのアプリグループにも属していないアプリがあっても良い。
なお、アプリグループテーブルTaは、アプリグループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第2の情報の一例である。
【0015】
図3は、アプリテーブルTbの一例を示す図である。アプリテーブルTbは、アプリを区分単位として、アプリごとのパラメーター制限情報を記憶するテーブルである。
なお、アプリテーブルTbは、アプリごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第1の情報の一例である。
【0016】
図4は、ユーザーテーブルTcの一例を示す図である。ユーザーテーブルTcは、ユーザーを区分単位として、ユーザーごとのパラメーター制限情報を記憶するテーブルである。なお、ユーザーは、登録ユーザー及び非登録ユーザーの2種類に分類可能である。登録ユーザーは、画像形成装置100にユーザー登録をしているユーザーを示す。非登録ユーザーは、登録ユーザーでないユーザーを示す。ユーザーテーブルTcは、各登録ユーザー及び非登録ユーザーのパラメーター制限情報を記憶する。ユーザーテーブルTcのうちの1つのユーザーが非登録ユーザーであり、他のユーザーは登録ユーザーである。例えば、図4では、User1が非登録ユーザーであり、User2~User5が登録ユーザーである。
なお、ユーザーテーブルTcは、ユーザーごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第3の情報の一例である。
【0017】
図5は、ユーザーグループテーブルTdの一例を示す図である。ユーザーグループテーブルTdは、ユーザーグループを区分単位として、ユーザーグループごとのパラメーター制限情報を記憶するテーブルである。各ユーザーグループは、任意の数のユーザーが属する。なお、いずれのユーザーグループにも属していないユーザーがいても良い。
なお、ユーザーグループテーブルTdは、ユーザーグループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第4の情報の一例である。
【0018】
各テーブルTは、例えば、区分単位ごとのパラメーター制限情報として、「両面/片面モード」、「ページ集約」、「給紙カセット」、「カラーモード」及び「イメージログ」の5種類の機能を含む複数の種類に係るパラメーター範囲を記憶する。「両面/片面モード」機能は、両面印刷及び片面印刷に係る機能である。「両面/片面モード」機能についての値が「両面のみ」である場合、パラメーターを両面印刷のみに制限することを示す。「両面/片面モード」機能についての値が「両面/片面」である場合、パラメーターを制限していないことを示す。他の機能についても、パラメーターを制限する値とパラメーターを制限しない値がある。また、機能に拘らず値が「NA」である場合、パラメーターを制限していないことを示す。
【0019】
また、補助記憶デバイス104は、優先順位テーブルUを記憶する。
図6は、優先順位テーブルUの一例を示す図である。優先順位テーブルUは、アプリ、アプリグループ、ユーザー、及びユーザーグループの4種類の区分方法の優先順位を記憶する。図5に示す優先順位は、1~4の番号を用いて若い番号ほど優先度が高いことを示す。したがって、優先順位1が最も優先度が高く、優先順位4が最も優先度が低いことを示す。以上より、図5に示す優先順位は、4種類の区分方法を優先度が高い方から順に並べると、アプリ、ユーザー、ユーザーグループ、アプリグループの順となる。
【0020】
以上より、補助記憶デバイス104は、パラメーターとして設定可能な値の範囲を示す情報を記憶する記憶部の一例である。
【0021】
プリンター105は、トナー又はインクなどを用いて画像を形成することで、画像形成媒体Pに対して画像を印刷する。プリンター105は、例えば、電子写真方式(レーザー)、インクジェット方式又はその他の方式のプリンターを備え、当該プリンターによって印刷を行う。
【0022】
スキャナー106は、原稿などから画像を読み取る。スキャナー106は、例えば、CCD(charge-coupled device)イメージセンサーなどの撮像素子を備える光学縮小方式である。あるいは、スキャナー106は、CMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)イメージセンサーなどの撮像素子を備える密着センサー(CIS(contact image sensor))方式である。あるいは、スキャナー106は、その他の公知の方式であっても良い。
【0023】
操作パネル107は、画像形成装置100と画像形成装置100の操作者(以下、単に「操作者」という。)との間で入出力を行うマンマシンインターフェースなどを備える。操作パネル107は、例えば、操作者が操作するためのボタン及びタッチパネルなどを備える。当該タッチパネルは、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層しているものである。したがって当該ボタン及びタッチパネルは、操作者による操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。また、当該タッチパネルが備えるディスプレイは、操作者に各種情報を通知する表示デバイスとして機能する。操作パネル107は、一例として、タッチパネル1071及び入力デバイス1072を含む。
【0024】
タッチパネル1071は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層しているものである。タッチパネル1071が備えるディスプレイは、操作者に各種情報を通知するための画面を表示する表示デバイスとして機能する。また、タッチパネル1071は、操作者によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。
【0025】
入力デバイス1072は、画像形成装置100の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス1072は、例えば、キーボード、キーパッド又はタッチパッドなどである。
【0026】
通信インターフェース108は、画像形成装置100がインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークなどを介して通信するためのインターフェースである。
【0027】
バス109は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、画像形成装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0028】
以下、実施形態に係る画像形成装置100の動作を図7図10などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図7及び図8は、画像形成装置100のプロセッサー101による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー101は、例えば、ROM102又は補助記憶デバイス104などに記憶されたプログラムに基づいて図2の処理を実行する。なお、図7は、設定の変更に関するフローチャートである。そして、図8図10は、機能の実行に関するフローチャートである。
プロセッサー101は、例えば、画像形成装置100の起動などにともなって図7及び図8図10に示す処理を開始する。
【0029】
ACT11においてプロセッサー101は、パラメーター制限情報の設定の開始を指示する操作が行われたか否かを判定する。なお、画像形成装置100は、管理者権限を有するユーザーだけがパラメーター制限情報の設定の開始を指示する操作ができるように制限していることが好ましい。プロセッサー101は、パラメーター制限情報の設定の開始を指示する操作が行われないならば、ACT11においてNoと判定してACT12へと進む。
【0030】
ACT12においてプロセッサー101は、通信インターフェース108によって変更情報が受信されたか否かを判定する。変更情報は、パラメーター制限情報を変更するように指示する情報である。変更情報は、区分方法、区分単位、機能及び値を含む。変更情報は、例えば、PC(personal computer)、サーバー、スマートホン又は他の画像形成装置などが送信する。プロセッサー101は、変更情報が受信されないならば、ACT12においてNoと判定してACT11へと戻る。かくして、プロセッサー101は、パラメーター制限情報の設定の開始を指示する操作が行われるか、変更情報が受信されるまでACT11及びACT12を繰り返す待受状態となる。
【0031】
プロセッサー101は、ACT11及びACT12の待受状態にあるときにパラメーター制限情報の設定の開始を指示する操作が行われたならば、ACT11においてYesと判定してACT13へと進む。
【0032】
ACT13においてプロセッサー101は、制限設定画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー101は、生成したこの画像を表示するようにタッチパネル1071に対して指示する。表示の指示を受けてタッチパネル1071は、制限設定画面を表示する。
制限設定画面は、パラメーター制限情報を設定するための画面である。
【0033】
ACT14においてプロセッサー101は、パラメーター制限情報の設定を終了して元の画面に戻る操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー101は、パラメーター制限情報の設定を終了して元の画面に戻る操作が行われないならば、ACT14においてNoと判定してACT15へと進む。
【0034】
ACT15においてプロセッサー101は、区分方法を選択する操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー101は、区分方法を選択する操作が行われないならば、ACT15においてNoと判定してACT14へと戻る。かくして、プロセッサー101は、パラメーター制限情報の設定を終了して元の画面に戻る操作、又は区分方法を選択する操作が行われるまでACT14及びACT15を繰り返す待受状態となる。
【0035】
プロセッサー101は、ACT14及びACT15の待受状態にあるときにパラメーター制限情報の設定を終了して元の画面に戻る操作が行われたならば、ACT14においてYesと判定してACT11へと戻る。
【0036】
プロセッサー101は、ACT14及びACT15の待受状態にあるときにパラメーター制限情報を変更する対象の区分方法を選択する操作が行われたならば、ACT15においてYesと判定してACT16へと進む。ここで選択された区分方法は、パラメーター制限情報の設定の対象となる。
【0037】
ACT16においてプロセッサー101は、選択された区分方法に対応するテーブルTをパラメーターDB1041から呼び出す。例えば、選択された区分方法がアプリであるならば、プロセッサー101は、アプリテーブルTbを呼び出す。
【0038】
ACT17においてプロセッサー101は、区分方法の選択に戻る操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー101は、区分方法の選択に戻る操作が行われないならば、ACT17においてNoと判定してACT18へと進む。
【0039】
ACT18においてプロセッサー101は、パラメーター制限情報の変更を指示する操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー101は、パラメーター制限情報の変更を指示する操作が行われないならば、ACT18においてNoと判定してACT17へと戻る。かくして、プロセッサー101は、区分方法の選択に戻る操作、又はパラメーター制限情報の変更を指示する操作が行われるまでACT17及びACT18を繰り返す待受状態となる。
【0040】
プロセッサー101は、ACT17及びACT18の待受状態にあるときに区分方法の選択に戻る操作が行われたならば、ACT17においてYesと判定してACT14へと戻る。
【0041】
プロセッサー101は、ACT17及びACT18の待受状態にあるときにパラメーター制限情報の変更を指示する指示操作が行われたならば、ACT18においてYesと判定してACT19へと進む。指示操作は、どの区分単位のどの機能の値をどのような値に変更するかを示す操作である。
【0042】
ACT19においてプロセッサー101は、ACT16で呼び出したテーブルTについて、指示操作が示す区分単位の指示操作が示す機能についての値を、指示操作が示す値に変更する。プロセッサー101は、ACT19の処理の後、ACT17へと戻る。
【0043】
一方、プロセッサー101は、ACT11及びACT12の待受状態にあるときに変更情報が受信されたならば、ACT12においてYesと判定してACT20へと進む。
【0044】
ACT20においてプロセッサー101は、ACT12で受信された変更情報に含まれる区分方法に対応するテーブルTを呼び出す。そして、プロセッサー101は、呼び出したテーブルTについて、当該変更情報に含まれる区分単位の当該変更情報に含まれる機能についての値を、当該変更情報に含まれる値に変更する。プロセッサー101は、ACT20の処理の後、ACT11へと戻る。
【0045】
図8のACT31においてプロセッサー101は、ログイン操作が行われたか否かを判定する。ログイン操作は、登録ユーザーが画像形成装置100にログインするための操作である。画像形成装置100にログインしたい操作者は、例えば次のようなログイン操作を行う。すなわち、当該操作者は、例えば、操作パネル107などを操作して、ユーザーID及びパスワードなどを入力する。あるいは、当該操作者は、所持しているIDカードを画像形成装置100が備えるカードリーダーに読み込ませる。当該IDカードは、ユーザーIDなどのログインに必要な情報を記憶している。またあるいは、当該操作者は、生体認証によってログインするための操作をしても良い。なお、画像形成装置100は、操作者が一定以上に近付いたことに応じて自動的に生体認証を行っても良い。プロセッサー101は、ログイン操作が行われないならば、ACT31においてNoと判定してACT32へと進む。
【0046】
ACT32においてプロセッサー101は、ログアウト操作が行われたか否かを判定する。ログアウト操作は、ログイン中のユーザーが画像形成装置100からログアウトするための操作である。プロセッサー101は、ログアウト操作が行われないならば、ACT32においてNoと判定してACT33へと進む。
【0047】
ACT33においてプロセッサー101は、アプリを実行するか否かを判定する。プロセッサー101は、例えば、操作者による操作パネル107を用いた実行操作に応じてアプリを実行すると判定する。実行操作は、アプリを実行するように指示する操作である。実行操作は、どのアプリを実行するかを指定する操作を含む。あるいは、プロセッサー101は、通信インターフェース108によって実行情報が受信されたことに応じてアプリを実行すると判定する。実行情報は、アプリを実行するように指示する情報である。実行情報は、実行ユーザー情報、実行アプリ情報及び実行パラメーター情報を含む。実行ユーザー情報は、どのユーザーがアプリを実行するかを示す情報である。実行アプリ情報は、どのアプリを実行するかを示す情報である。実行パラメーター情報は、どのようなパラメーターでアプリを実行するかを示す情報である。実行情報は、例えば、PC、サーバー、スマートホン又は他の画像形成装置などが送信する。以上より、操作パネル107又は通信インターフェース108は、アプリケーションの実行を指示する入力を受ける入力部の一例である。プロセッサー101は、アプリを実行すると判定しないならば、ACT33においてNoと判定してACT31へと戻る。かくして、プロセッサー101は、ログイン操作又はログアウト操作が行われるか、アプリを実行すると判定するまでACT31~ACT33を繰り返す待受状態となる。
【0048】
プロセッサー101は、ACT31~ACT33の待受状態にあるときにログイン操作が行われたならば、ACT31においてYesと判定してACT34へと進む。
ACT34においてプロセッサー101は、ログインに係る認証を行う。そして、プロセッサー101は、認証に成功したならば、画像形成装置100を、ACT31においてログイン操作を行った登録ユーザーがログインしている状態にする。このために、プロセッサー101は、例えば、ユーザーID(identifier)をRAM103などに記憶する。ユーザーIDは、登録ユーザーごとにユニークに付与される識別情報である。なお、画像形成装置100に登録ユーザーがログインしている状態を「ログイン状態」というものとする。また、画像形成装置100に登録ユーザーがログインしていない状態を「非ログイン状態」というものとする。
【0049】
プロセッサー101は、ACT31~ACT33の待受状態にあるときにログアウト操作が行われたならば、ACT32においてYesと判定してACT35へと進む。
ACT35においてプロセッサー101は、画像形成装置100のログイン状態を解除して非ログイン状態にする。
【0050】
プロセッサー101は、ACT31~ACT33の待受状態にあるときにアプリを実行すると判定するならば、ACT33においてYesと判定してACT36へと進む。
ACT36においてプロセッサー101は、区分方法の優先順位を優先順位テーブルUから取得する。
【0051】
ACT37においてプロセッサー101は、実行アプリが使用する機能を示す機能情報を実行アプリから取得する。なお、実行アプリは、実行操作又は実行情報によって指定されているアプリである。プロセッサー101は、ACT37の処理の後、図9のACT38へと進む。
【0052】
図9のACT38においてプロセッサー101は、図8のACT37において取得した機能情報が示す機能のうち、未選択の機能の中から1つを選択状態にする。なお、機能情報が示す各機能は、ACT37において機能情報が取得された段階では全て未選択の状態である。そして、ACT37において選択状態になった機能が、未選択ではなくなる。なお、プロセッサー101は、図9のACT38の処理を行う際に、既に選択状態の機能がある場合には、選択状態の機能の選択状態を解除してからACT38の処理を行う。
【0053】
ACT39においてプロセッサー101は、RAM103などに割り当てた変数rの値を1にする。
【0054】
ACT40においてプロセッサー101は、ACT36で取得した優先順位に基づき、優先順位がrである区分方法を特定する。例えば、プロセッサー101は、r=1であれば、優先順位1の区分方法がアプリであることを特定する。ここで特定された区分方法を以下「特定区分」という。
【0055】
ACT41においてプロセッサー101は、特定区分に対応するテーブルTを参照して、実行アプリ又は実行ユーザーが、選択状態の機能を使用する場合のパラメーター制限情報を示す値を取得する。なお、実行ユーザーは、実行アプリを実行するユーザーである。
プロセッサー101は、特定区分がアプリグループであるならば、アプリグループテーブルTaを参照して、実行アプリが属するアプリグループの選択状態の機能についての値を取得する。ただし、プロセッサー101は、実行アプリがいずれのアプリグループにも属していない場合、値として「NA」を取得する。
プロセッサー101は、特定区分がアプリであるならば、プロセッサー101は、アプリテーブルTbを参照して、実行アプリの選択状態の機能についての値を取得する。
プロセッサー101は、特定区分がユーザーであるならば、プロセッサー101は、ユーザーテーブルTcを参照して、実行ユーザーの選択状態の機能についての値を取得する。
プロセッサー101は、特定区分がユーザーグループであるならば、ユーザーグループテーブルTdを参照して、実行ユーザーが属するグループの選択状態の機能についての値を取得する。ただし、プロセッサー101は、実行ユーザーがいずれのユーザーグループにも属していない場合、値として「NA」を取得する。
【0056】
ACT42においてプロセッサー101は、ACT41で取得した値がパラメーターを制限するものであるか否かを判定する。プロセッサー101は、取得した値がパラメーターを制限するものであるならば、ACT42においてYesと判定してACT43へと進む。
【0057】
ACT43においてプロセッサー101は、選択状態の機能について、パラメーターの範囲をACT41で取得した値が示す範囲に制限することを決定する。このために、プロセッサー101は、当該範囲をRAM103などに記憶しておく。
【0058】
ACT44においてプロセッサー101は、実行アプリが選択状態の機能を使用する際のパラメーターがACT43で記憶した範囲内であるか否かを判定する。実行情報に基づき実行アプリを実行する場合、選択状態の機能を使用する際のパラメーターは、当該実行情報に含まれる実行パラメーター情報が示すパラメーターである。実行操作に基づき実行アプリを実行する場合、選択状態の機能を使用する際のパラメーターは、例えば、デフォルトに設定されているパラメーターである。プロセッサー101は、実行アプリが選択状態の機能を使用する際のパラメーターがACT43で記憶した範囲外であるならば、ACT44においてNoと判定してACT45へと進む。
【0059】
ACT45においてプロセッサー101は、実行アプリが選択状態の機能を使用する際のパラメーターを、ACT43で記憶した範囲内の値に変更する。なお、プロセッサー101は、パラメーター変更の際、変更前のパラメーターと変更後のパラメーターとの差ができるだけ少なくなるように変更することが好ましい。
【0060】
一方、プロセッサー101は、取得した値がパラメーターを制限するものでないならば、ACT42においてNoと判定してACT46へと進む。
【0061】
ACT46においてプロセッサー101は、変数rの値が定数G以上であるか否かを判定する。なお、定数Gは、優先順位の最大値である。ここでは、図6に示すように優先順位が1~4の範囲であるので、G=4である。プロセッサー101は、変数rの値が定数G未満であるならば、ACT46においてNoと判定してACT47へと進む。
【0062】
ACT47においてプロセッサー101は、変数rの値を1増加させる。プロセッサー101は、ACT47の処理の後、ACT40へと戻る。
【0063】
対して、プロセッサー101は、変数rの値が定数G以上であるならば、ACT46においてYesと判定してACT48へと進む。
【0064】
ACT48においてプロセッサー101は、選択状態の機能について、パラメーターの範囲を制限しないことを決定する。このために、プロセッサー101は、範囲を制限しないことをRAM103などに記憶しておく。
【0065】
このように、プロセッサー101は、ACT40~ACT48を繰り返すことで、選択状態の機能について、優先順位が高い区分方法から順に、パラメーターの範囲が制限されているか判定していく。そして、プロセッサー101は、パラメーターの範囲が制限されている場合には当該範囲を記憶して繰り返しから抜ける。すなわち、プロセッサー101は、選択状態の機能について、いずれかの区分方法がパラメーターの範囲を制限している場合には、そのうち最も優先順位が高い区分方法に基づきパラメーターの範囲を決定する。
【0066】
一方、プロセッサー101は、実行アプリが選択状態の機能を使用する際のパラメーターがACT43で記憶した範囲内であるならば、ACT44においてYesと判定してACT49へと進む。また、プロセッサー101は、ACT45又はACT48の処理の後、ACT49へと進む。
ACT49においてプロセッサー101は、図8のACT37において取得した機能情報が示す機能の中に未選択の機能があるか否かを判定する。プロセッサー101は、未選択の機能があるならば、図8のACT49においてYesと判定してACT38へと戻る。
【0067】
以上のように、プロセッサー101は、ACT38~ACT49を繰り返すことで、図8のACT37において取得した機能情報が示す機能それぞれについて、パラメーターの範囲を決定する。
【0068】
そして、プロセッサー101は、未選択の機能がないならば、図9のACT49においてNoと判定して図10のACT50へと進む。
【0069】
図10のACT50においてプロセッサー101は、実行アプリの実行を開始するか否かを判定する。プロセッサー101は、例えば、画像形成装置100が自動的に実行アプリの実行を開始する設定になっているならば、実行アプリの実行を開始すると判定する。また、プロセッサー101は、開始ボタンを操作するなどの、実行アプリを実行するように指示する操作が行われたことに応じて実行アプリの実行を開始すると判定する。プロセッサー101は、実行アプリの実行を開始すると判定しないならば、ACT50においてNoと判定してACT51へと進む。
【0070】
ACT51においてプロセッサー101は、実行アプリが使用する各機能についてのパラメーターの設定をするか否かを判定する。プロセッサー101は、例えば、パラメーターの設定を行うように指示する操作が行われたことに応じて、パラメーターの設定をすると判定する。プロセッサー101は、パラメーターの設定をすると判定しないならば、ACT51においてNoと判定してACT50へと戻る。かくして、プロセッサー101は、実行アプリの実行を開始するか、パラメーターの設定をすると判定するまでACT50及びACT51を繰り返す待受状態となる。
【0071】
プロセッサー101は、ACT50及びACT51の待受状態にあるときに実行アプリの実行を開始すると判定するならば、ACT50においてYesと判定してACT52へと進む。
ACT52においてプロセッサー101は、実行アプリの実行を開始する。なお、プロセッサー101は、実行情報に基づき実行アプリを実行する場合、選択状態の機能を使用する際のパラメーターは、当該実行情報に含まれる実行パラメーター情報が示すパラメーターである。そして、プロセッサー101は、実行操作に基づき実行アプリを実行する場合、選択状態の機能を使用する際のパラメーターは、例えば、デフォルトに設定されているパラメーターである。ただし、プロセッサー101は、図9のACT45、図10のACT56又はその両方においてパラメーターを変更した場合には、最新の変更後のパラメーターを用いる。プロセッサー101は、ACT52の処理の後、図8のACT31へと戻る。
以上より、プロセッサー101は、機能を実行する実行部の一例である。
【0072】
プロセッサー101は、ACT50及びACT51の待受状態にあるときにパラメーターの設定をすると判定するならば、ACT51においてYesと判定してACT53へと進む。
【0073】
ACT53においてプロセッサー101は、パラメーター設定画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー101は、生成したこの画像を表示するようにタッチパネル1071に対して指示する。表示の指示を受けてタッチパネル1071は、パラメーター設定画面を表示する。
【0074】
図11は、タッチパネル1071により表示されるパラメーター設定画面200の一例を示す図である。パラメーター設定画面200は、実行アプリが使用する各機能についてのパラメーターを設定するための画面である。パラメーター設定画面200は、一例として、
決定ボタン201、戻るボタン202、領域210及び領域220を含む。
【0075】
決定ボタン201は、パラメーターの変更を画像形成装置100に指示する場合に操作者が操作するためのボタンである。
【0076】
戻るボタン202は、パラメーター設定画面200の表示を終了する場合に操作者が操作するためのボタンである。
【0077】
各領域210は、実行アプリが使用するそれぞれの機能についての情報の表示を含む領域である。1つの領域210が1つの機能に対応する。各領域210は、領域211~領域213を含む。
【0078】
領域211は、対応する機能の名称を表示する領域である。
領域212は、対応する機能の現在のパラメーターを表示する領域である。
領域213は、対応する機能について設定可能な範囲を表示する領域である。当該範囲は、ACT43又はACT48で記憶された範囲に関する情報に基づく。
【0079】
操作者は、領域212を操作することにより、パラメーターを、領域213に表示の範囲内で変更することができる。操作者は、領域212を操作後、決定ボタン201を押す。これにより、パラメーターの変更が反映される。
【0080】
領域220は、実行アプリに関する情報などを表示する領域である。
【0081】
以上より、タッチパネル1071は、パラメーターの範囲を表示する表示部の一例である。
【0082】
ACT54においてプロセッサー101は、パラメーター設定画面200の表示を終了する操作が行われたか否かを判定する。すなわちプロセッサー101は、戻るボタン202を操作するなどの予め定められた操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー101は、パラメーター設定画面200の表示を終了する操作が行われないならば、ACT54においてNoと判定してACT55へと進む。
【0083】
ACT55においてプロセッサー101は、パラメーターの変更を画像形成装置100に指示する操作が行われたか否かを判定する。すなわちプロセッサー101は、決定ボタン201を操作するなどの予め定められた操作が行われたか否かを判定する。プロセッサー101は、パラメーターの変更を画像形成装置100に指示する操作が行われないならば、ACT55においてNoと判定してACT54へと戻る。かくして、プロセッサー101は、パラメーター設定画面200の表示を終了する操作が行われるか、パラメーターの変更を画像形成装置100に指示する操作が行われるまでACT54及びACT55を繰り返す待受状態となる。
【0084】
プロセッサー101は、ACT54及びACT55の待受状態にあるときに、戻るボタン202を操作するなどの、パラメーター設定画面200の表示を終了する操作が行われたならば、ACT54においてYesと判定してACT50へと戻る。
【0085】
プロセッサー101は、ACT54及びACT55の待受状態にあるときに、決定ボタン201を操作するなどの、パラメーターの変更を画像形成装置100に指示する操作が行われたならば、ACT55においてYesと判定してACT56と進む。
【0086】
ACT56においてプロセッサー101は、領域212に対する操作に基づき、実行アプリが機能を使用する際のパラメーターを、領域212に表示されている値に変更する。プロセッサー101は、ACT56の処理の後、ACT54へと戻る。
【0087】
実施形態の画像形成装置100は、アプリごとにパラメーターの範囲を決定している。したがって、実施形態の画像形成装置100は、様々な区分でパラメーターを制限することができる。
実施形態の画像形成装置100は、アプリグループごとにパラメーターの範囲を決定している。したがって、実施形態の画像形成装置100は、様々な区分でパラメーターを制限することができる。
実施形態の画像形成装置100は、ユーザーごとにパラメーターの範囲を決定している。したがって、実施形態の画像形成装置100は、様々な区分でパラメーターを制限することができる。
実施形態の画像形成装置100は、ユーザーグループごとにパラメーターの範囲を決定している。したがって、実施形態の画像形成装置100は、様々な区分でパラメーターを制限することができる。
【0088】
実施形態の画像形成装置100は、アプリごと、アプリグループごと、ユーザーごと、及びユーザーグループごとのように複数の区分でパラメーターの範囲を決定している。したがって、実施形態の画像形成装置100は、様々な区分でパラメーターを制限することができる。
【0089】
実施形態の画像形成装置100は、設定可能なパラメーターの範囲を表示する。これにより、操作者は、表示を見ることで、設定可能なパラメーターの範囲が分かりやすい。
【0090】
上記の実施形態は以下のような変形も可能である。
上記の実施形態では、画像形成装置100は、パラメーター設定画面をタッチパネル1071に表示させる。しかしながら、画像形成装置100は、ネットワークを介して、PC、サーバー又はスマートホンなどにパラメーター設定画面を表示させても良い。この場合、PC、サーバー又はスマートホンは、当該パラメーター設定画面を用いて行われた操作に基づくパラメーターの変更内容を画像形成装置100に送信する。そして、画像形成装置は、当該変更内容に基づき、パラメーターを変更する。
【0091】
各テーブルTは、アプリ、アプリグループ、ユーザー、又はユーザーグループの名称によって、アプリごと、アプリグループごと、ユーザーごと、又はユーザーグループごとのパラメーター制限情報を特定可能に記憶している。しかしながら、各テーブルTは、名称に代えてIDを用いてパラメーター制限情報を特定可能に記憶しても良い。
【0092】
PC、サーバー又はスマートホンが、制限設定画面を表示しても良い。この場合、PC、サーバー又はスマートホンは、パラメーターDB1041を記憶する。そして、PC、サーバー又はスマートホンは、パラメーター制限情報の変更を指示する操作が行われたならば、パラメーター制限情報の変更内容を画像形成装置100に送信する。当該変更内容を受信した画像形成装置100は、当該変更内容に基づき、各テーブルTの値を変更する。なお、PC、サーバー又はスマートホンは、複数の画像形成装置100に当該変更内容を送信しても良い。これにより、PC、サーバー又はスマートホンは、複数の画像形成装置100について一度にパラメーター制限情報の変更ができる。
【0093】
プロセッサー101は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0094】
上記実施形態における画像形成装置100は、例えば、上記の各処理を実行するためのプログラムが記憶された状態で管理者などへと譲渡される。あるいは、画像形成装置100は、当該プログラムが記憶されない状態で管理者などに譲渡される。そして、当該プログラムが別途に管理者などへと譲渡され、管理者又はサービスマンなどによる操作に基づいて画像形成装置100に記憶される。このときのプログラムの譲渡は、例えば、ディスクメディア又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体を用いて、あるいはインターネット又はLANなどを介したダウンロードにより実現できる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す情報を記憶する記憶部と、
アプリケーションの実行を指示する入力を受ける入力部と、
アプリケーショングループに属する前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記範囲のパラメーターで前記機能を実行する実行部と、を備える画像形成装置。
[C2]
アプリケーションごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第1の情報、
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第2の情報、
ユーザーごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第3の情報、
及びユーザーグループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第4の情報、
のうちのいずれか複数の情報、並びに前記複数の情報の優先順位を記憶する記憶部と、 アプリケーションの実行を指示する入力を受ける入力部と、
前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記複数の情報の少なくともいずれかが、前記アプリケーション、前記アプリケーションが属するアプリケーショングループ、前記アプリケーションを実行するユーザー及び前記ユーザーが属するユーザーグループのうちのいずれかについてパラメーターとして設定可能な範囲を制限している場合、パラメーターとして設定可能な範囲を制限している前記情報の中で最も優先順位が高い前記情報が示す範囲のパラメーターで前記機能を実行する実行部と、を備える画像形成装置。
[C3]
前記アプリケーションが実行する前記機能のパラメーターの範囲を表示する表示部をさらに備える、[C1]又は[C2]に記載の画像形成装置。
[C4]
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す情報を記憶し、
アプリケーションの実行を指示する入力を受け、
アプリケーショングループに属する前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記範囲のパラメーターで前記機能を実行する、画像形成装置の制御方法。
[C5]
アプリケーションごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第1の情報、
アプリケーショングループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第2の情報、
ユーザーごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第3の情報、
及びユーザーグループごとの、機能を実行する場合のパラメーターとして設定可能な値の範囲を示す第4の情報、
のうちのいずれか複数の情報、並びに前記複数の情報の優先順位を記憶し、
アプリケーションの実行を指示する入力を受け、
前記アプリケーションが機能を実行する場合、前記複数の情報の少なくともいずれかが、前記アプリケーション、前記アプリケーションが属するアプリケーショングループ、前記アプリケーションを実行するユーザー及び前記ユーザーが属するユーザーグループのうちのいずれかについてパラメーターとして設定可能な範囲を制限している場合、パラメーターとして設定可能な範囲を制限している前記情報の中で最も優先順位が高い前記情報が示す範囲のパラメーターで前記機能を実行する、画像形成装置の制御方法。
【符号の説明】
【0096】
100……画像形成装置、101……プロセッサー、102……ROM、103……RAM、104……補助記憶デバイス、105……プリンター、106……スキャナー、107……操作パネル、108……通信インターフェース、109……バス、200……パラメーター設定画面、201……決定ボタン、202……戻るボタン、210,211,212,213,220……領域、1041……パラメーターDB、1071……タッチパネル、1072……入力デバイス、Ta……アプリグループテーブル、Tb……アプリテーブル、Tc……ユーザーテーブル、Td……ユーザーグループテーブル、U……優先順位テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11